JPH05297378A - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
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- JPH05297378A JPH05297378A JP9966592A JP9966592A JPH05297378A JP H05297378 A JPH05297378 A JP H05297378A JP 9966592 A JP9966592 A JP 9966592A JP 9966592 A JP9966592 A JP 9966592A JP H05297378 A JPH05297378 A JP H05297378A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、親油性化合物あるいは両親媒性化合
物が化学的に結合されている配向膜を有する液晶表示素
子を提供することを目的とする。 【構成】本発明による液晶表示素子は、基板、電極、偏
光子、液晶材料および配向膜からなり、この配向膜が、
UV照射、UV/オゾン照射、プラズマエッチングおよ
びウェットエッチング等の方法によって灰化処理された
高分子と、該高分子に結合した、マクロ環状化合物、ク
リプタンド、コロナンド、ポタンド、メルカプト化合
物、イオノフォア化合物等の親油性化合物あるいは両親
媒性化合物を含むことを特徴とする。表面灰化処理を行
うことによって、配向膜にこれらの化合物を容易に化学
結合させることが可能となり、優れたスイッチング特性
を有する液晶表示素子を製造することができる。
物が化学的に結合されている配向膜を有する液晶表示素
子を提供することを目的とする。 【構成】本発明による液晶表示素子は、基板、電極、偏
光子、液晶材料および配向膜からなり、この配向膜が、
UV照射、UV/オゾン照射、プラズマエッチングおよ
びウェットエッチング等の方法によって灰化処理された
高分子と、該高分子に結合した、マクロ環状化合物、ク
リプタンド、コロナンド、ポタンド、メルカプト化合
物、イオノフォア化合物等の親油性化合物あるいは両親
媒性化合物を含むことを特徴とする。表面灰化処理を行
うことによって、配向膜にこれらの化合物を容易に化学
結合させることが可能となり、優れたスイッチング特性
を有する液晶表示素子を製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶(FL
C)をはじめとする液晶を用いた液晶表示素子に関する
ものである。
C)をはじめとする液晶を用いた液晶表示素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは、外の電界によって
その光学的特性が変化する液晶材料を含む電気光学的デ
バイスである。よく知られたツイステッド・ネマチック
あるいはスーパーツイステッド・ネマチック効果、すな
わち正の誘電率を持つネマチック液晶を用いた場合、電
界によって分子がホモジニアス平面からホメオトロピッ
クな配向に変化する。強誘電性(カイラル・傾斜スメク
チック相)液晶においては、2つの異なったホモジニア
ス平面方向の間で再配向がおこる。光学的特性の変化
は、通常は複屈折もしくは吸収の変化である。このた
め、通常は反射性もしくは透過性の偏光子を基板の上に
塗布する。基板の内表面は導電性フィルムで被覆され、
その表面には配向膜が設けられており、この配向膜は液
晶材料と接している。ほとんどの場合には、短絡を防止
するため、電極と絶縁層の間にいくつかの絶縁層が設け
られている。液晶材料に所望のホモジニアスな配向を与
えるためには、配向膜自身が異方性を有していなくては
ならない。従来の大量生産の普通の方法は、一軸ラビン
グ工程を用いる方法である。また、二次加工工程におい
て異方性が形成された高分子液晶配向膜を用いることも
できる。ディスプレイ面のすべてにわたって均一で一様
なコントラストと明度を得るための全体的なディスプレ
イ動作にとっては、優れた配向特性が極めて重要であ
る。すなわち、配向膜は、電圧保持および特定の環境条
件に対する信頼性等の一定の質の要求を満たさなければ
ならない。このほか、二次加工工程を容易にするため
に、十分に低い硬化および乾燥温度が必要とされる。
その光学的特性が変化する液晶材料を含む電気光学的デ
バイスである。よく知られたツイステッド・ネマチック
あるいはスーパーツイステッド・ネマチック効果、すな
わち正の誘電率を持つネマチック液晶を用いた場合、電
界によって分子がホモジニアス平面からホメオトロピッ
クな配向に変化する。強誘電性(カイラル・傾斜スメク
チック相)液晶においては、2つの異なったホモジニア
ス平面方向の間で再配向がおこる。光学的特性の変化
は、通常は複屈折もしくは吸収の変化である。このた
め、通常は反射性もしくは透過性の偏光子を基板の上に
塗布する。基板の内表面は導電性フィルムで被覆され、
その表面には配向膜が設けられており、この配向膜は液
晶材料と接している。ほとんどの場合には、短絡を防止
するため、電極と絶縁層の間にいくつかの絶縁層が設け
られている。液晶材料に所望のホモジニアスな配向を与
えるためには、配向膜自身が異方性を有していなくては
ならない。従来の大量生産の普通の方法は、一軸ラビン
グ工程を用いる方法である。また、二次加工工程におい
て異方性が形成された高分子液晶配向膜を用いることも
できる。ディスプレイ面のすべてにわたって均一で一様
なコントラストと明度を得るための全体的なディスプレ
イ動作にとっては、優れた配向特性が極めて重要であ
る。すなわち、配向膜は、電圧保持および特定の環境条
件に対する信頼性等の一定の質の要求を満たさなければ
ならない。このほか、二次加工工程を容易にするため
に、十分に低い硬化および乾燥温度が必要とされる。
【0003】上述の理由により、ポリイミドおよびポリ
アミドがネマチック・タイプのディスプレイの配向膜と
して広く使われている。強誘電性液晶ディスプレイに関
しては、これらのポリイミドによっては満足できる配向
特性が得られないという点が、FLCディスプレイが商
業的に入手可能とならない理由のひとつである。
アミドがネマチック・タイプのディスプレイの配向膜と
して広く使われている。強誘電性液晶ディスプレイに関
しては、これらのポリイミドによっては満足できる配向
特性が得られないという点が、FLCディスプレイが商
業的に入手可能とならない理由のひとつである。
【0004】最近ある特定の親油性化合物あるいは両親
媒性化合物、例えばマクロ環状化合物、クリプタンド、
コロナンド、ポタンド、メルカプト化合物またはイオノ
フォア、もしくはこれらの組み合わせをPVA等の高分
子配向膜に結合させることによって、非常に黒い暗状態
を有する強誘電性液晶混合物が得られることが見いださ
れた(特願平3-199775)。その上、最大明度を決定する
スイッチング角が普通のポリイミドに比べて大きくなっ
た。さらに、双方のメモリー方向を安定化させることに
よって、いわゆる表面メモリー効果あるいはスイッチバ
ック効果を減少させることも可能である。これらのすべ
ての効果は、コントラストと発光を増加させ、ネマチッ
ク・ディスプレイを完成させるために極めて重要であ
る。
媒性化合物、例えばマクロ環状化合物、クリプタンド、
コロナンド、ポタンド、メルカプト化合物またはイオノ
フォア、もしくはこれらの組み合わせをPVA等の高分
子配向膜に結合させることによって、非常に黒い暗状態
を有する強誘電性液晶混合物が得られることが見いださ
れた(特願平3-199775)。その上、最大明度を決定する
スイッチング角が普通のポリイミドに比べて大きくなっ
た。さらに、双方のメモリー方向を安定化させることに
よって、いわゆる表面メモリー効果あるいはスイッチバ
ック効果を減少させることも可能である。これらのすべ
ての効果は、コントラストと発光を増加させ、ネマチッ
ク・ディスプレイを完成させるために極めて重要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の親油性化合物あ
るいは両親媒性化合物の高分子配向膜への化学的な結合
は、高分子層に−OH、−COOH等の官能基が残って
いる場合には非常に容易である。例えば、PVAおよび
セルロースがこの方法に適している。しかし、官能基を
有しており、かつ配向膜として適当な高分子材料は限ら
れている。
るいは両親媒性化合物の高分子配向膜への化学的な結合
は、高分子層に−OH、−COOH等の官能基が残って
いる場合には非常に容易である。例えば、PVAおよび
セルロースがこの方法に適している。しかし、官能基を
有しており、かつ配向膜として適当な高分子材料は限ら
れている。
【0006】このため、液晶用として有用ではあるが、
親油性化合物あるいは両親媒性化合物と容易に結合しう
るほど十分な数の官能基を有しない高分子を効果的に利
用する技術の開発が求められていた。このような高分子
としては、例えばバハデウール(Birenda Bahadur)の論
文(Mol. Cryst. Liq. Cryst., 109, I(1984))に述べ
られている、あらかじめ硬化させた、しかし完全にはイ
ミド化されておらず遊離の官能基が残っているポリイミ
ドがある。完全にイミド化されていないポリイミドのひ
とつの欠点は、残っている官能基の単位表面積あたりの
数が少ないことであり、これは上記のPVAやセルロー
スよりも少ない。
親油性化合物あるいは両親媒性化合物と容易に結合しう
るほど十分な数の官能基を有しない高分子を効果的に利
用する技術の開発が求められていた。このような高分子
としては、例えばバハデウール(Birenda Bahadur)の論
文(Mol. Cryst. Liq. Cryst., 109, I(1984))に述べ
られている、あらかじめ硬化させた、しかし完全にはイ
ミド化されておらず遊離の官能基が残っているポリイミ
ドがある。完全にイミド化されていないポリイミドのひ
とつの欠点は、残っている官能基の単位表面積あたりの
数が少ないことであり、これは上記のPVAやセルロー
スよりも少ない。
【0007】さらに、化学結合に用いることのできる遊
離官能基を全く有していない高分子については、これま
でに検討例がない。
離官能基を全く有していない高分子については、これま
でに検討例がない。
【0008】以上のことから、本発明者らは、十分な数
の遊離官能基を有していない高分子の結合性を上げるこ
とによって、該高分子を液晶素子中に効果的に使用する
技術を開発すべく検討を進めた。すなわち本発明は、特
定の処理を施すことによって結合性を高めた高分子と、
その高分子に化学的に結合した親油性化合物あるいは両
親媒性化合物からなる配向膜を有する液晶表示素子を提
供することを目的とする。
の遊離官能基を有していない高分子の結合性を上げるこ
とによって、該高分子を液晶素子中に効果的に使用する
技術を開発すべく検討を進めた。すなわち本発明は、特
定の処理を施すことによって結合性を高めた高分子と、
その高分子に化学的に結合した親油性化合物あるいは両
親媒性化合物からなる配向膜を有する液晶表示素子を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、配向膜を
物理的または化学的方法によって表面灰化処理すること
によって、親油性化合物あるいは両親媒性化合物を結合
性の低い高分子に化学的に結合させることが可能である
ことを見いだし、本発明に至った。
物理的または化学的方法によって表面灰化処理すること
によって、親油性化合物あるいは両親媒性化合物を結合
性の低い高分子に化学的に結合させることが可能である
ことを見いだし、本発明に至った。
【0010】以上のことから本発明は、基板、電極、偏
光子、液晶材料および配向膜からなる液晶表示素子であ
って、この配向膜が、表面灰化処理された高分子と、該
高分子に結合した親油性化合物あるいは両親媒性化合物
からなることを特徴とする液晶表示素子に関する。
光子、液晶材料および配向膜からなる液晶表示素子であ
って、この配向膜が、表面灰化処理された高分子と、該
高分子に結合した親油性化合物あるいは両親媒性化合物
からなることを特徴とする液晶表示素子に関する。
【0011】本発明の液晶表示素子において用いられる
配向膜の高分子材料としては、液晶を効果的に配向する
ことができる高分子を広く用いることができる。例え
ば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキサゾール、ポ
リエーテルケトン等の、官能基を持たない多くの高分子
を用いることができる。具体的には、特開平3-180815や
特願平3-199775に記載の高分子を使用することができ
る。特に、あらかじめ完全にイミド化された、通常の有
機溶媒に可溶なポリイミドを用いることが好ましい。こ
のような高分子材料を用いた場合には、液晶表示素子の
二次加工工程を低温で行うことができる。また、これら
の高分子は化学的に安定であるため、通常は上述の親油
性化合物あるいは両親媒性化合物をこの配向膜に化学結
合させることは不可能であるが、下記に述べる方法によ
って、容易に化学的に結合することができるようになっ
た。
配向膜の高分子材料としては、液晶を効果的に配向する
ことができる高分子を広く用いることができる。例え
ば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキサゾール、ポ
リエーテルケトン等の、官能基を持たない多くの高分子
を用いることができる。具体的には、特開平3-180815や
特願平3-199775に記載の高分子を使用することができ
る。特に、あらかじめ完全にイミド化された、通常の有
機溶媒に可溶なポリイミドを用いることが好ましい。こ
のような高分子材料を用いた場合には、液晶表示素子の
二次加工工程を低温で行うことができる。また、これら
の高分子は化学的に安定であるため、通常は上述の親油
性化合物あるいは両親媒性化合物をこの配向膜に化学結
合させることは不可能であるが、下記に述べる方法によ
って、容易に化学的に結合することができるようになっ
た。
【0012】表面灰化処理は、いくつかの効果的な工
程、例えば熱処理、UV、オゾン、プラズマエッチン
グ、ウェットエッチング、またはこれらの組み合わせに
よって行うことができる。さらに、スパッタエッチン
グ、ナトリウム処理、電子ビーム照射、O2プラズマ、
グロー放電といった方法を用いることも可能である。よ
く制御された表面灰化処理によって、表面の高分子構造
がある程度破壊および改質されるため、配向膜表面に遊
離の官能基が生じる。また、完全にイミド化されていな
い高分子に上述の表面灰化処理を行うことによって、化
学結合に用いられる官能基の数を増加させることももち
ろん可能である。
程、例えば熱処理、UV、オゾン、プラズマエッチン
グ、ウェットエッチング、またはこれらの組み合わせに
よって行うことができる。さらに、スパッタエッチン
グ、ナトリウム処理、電子ビーム照射、O2プラズマ、
グロー放電といった方法を用いることも可能である。よ
く制御された表面灰化処理によって、表面の高分子構造
がある程度破壊および改質されるため、配向膜表面に遊
離の官能基が生じる。また、完全にイミド化されていな
い高分子に上述の表面灰化処理を行うことによって、化
学結合に用いられる官能基の数を増加させることももち
ろん可能である。
【0013】化学的方法による結合と同時に、表面灰化
処理はファンデルワールス結合、水素結合等の物理的結
合をも向上させる。
処理はファンデルワールス結合、水素結合等の物理的結
合をも向上させる。
【0014】本発明の液晶表示素子において用いられる
親油性化合物あるいは両親媒性化合物としては、マクロ
環状化合物、クリプタンド、コロナンド、ポタンド、メ
ルカプト化合物、イオノフォア化合物等を用いることが
できる。具体的には、特開平3-180815や特願平3-199775
に記載の化合物を使用することができる。配向膜にこれ
らの化合物を結合させることにより、すぐれたスイッチ
ング特性とコントラストを示す液晶表示素子を得ること
ができる。
親油性化合物あるいは両親媒性化合物としては、マクロ
環状化合物、クリプタンド、コロナンド、ポタンド、メ
ルカプト化合物、イオノフォア化合物等を用いることが
できる。具体的には、特開平3-180815や特願平3-199775
に記載の化合物を使用することができる。配向膜にこれ
らの化合物を結合させることにより、すぐれたスイッチ
ング特性とコントラストを示す液晶表示素子を得ること
ができる。
【0015】本発明にしたがえば、信頼性の高い様々な
高分子材料を用いて、ホモジニアスな配向のための所望
のプレ傾斜角あるいはトポロジーが得られるように表面
を修飾することが可能であるため、ネマチック液晶、ス
メクチック液晶、高分子液晶、液晶混合物等のあらゆる
種類の液晶材料を含むディスプレイに適している。
高分子材料を用いて、ホモジニアスな配向のための所望
のプレ傾斜角あるいはトポロジーが得られるように表面
を修飾することが可能であるため、ネマチック液晶、ス
メクチック液晶、高分子液晶、液晶混合物等のあらゆる
種類の液晶材料を含むディスプレイに適している。
【0016】配向膜は、コーティングの後に、配向膜に
異方性を導入し、液晶材料をこの方向に配向させるため
に通常はラビングまたはバッファリング工程によって一
方向性に処理される。この異方性処理は、配向膜をコー
ティングする前に行ってもよく、また、配向膜と親油性
化合物あるいは両親媒性化合物を結合する前、あるいは
後に行ってもよい。
異方性を導入し、液晶材料をこの方向に配向させるため
に通常はラビングまたはバッファリング工程によって一
方向性に処理される。この異方性処理は、配向膜をコー
ティングする前に行ってもよく、また、配向膜と親油性
化合物あるいは両親媒性化合物を結合する前、あるいは
後に行ってもよい。
【0017】本発明のひとつの態様は、完全にイミド化
した、あるいは部分的にイミド化した有機高分子配向膜
とこれに結合している親油性化合物あるいは両親媒性化
合物を有する液晶表示素子であって、配向膜がUV、オ
ゾン、プラズマエッチング、ウェットエッチング、また
はこれらの組み合わせによって表面灰化処理した後にコ
ーティングされているため、配向膜と親油性化合物ある
いは両親媒性化合物が化学的な結合あるいは物理的な吸
着が可能となっている。この液晶表示素子においては、
液晶材料として、ネマチック液晶またはその混合物、ス
メクチック液晶またはその混合物、あるいは高分子液晶
またはその混合物を充填することができる。
した、あるいは部分的にイミド化した有機高分子配向膜
とこれに結合している親油性化合物あるいは両親媒性化
合物を有する液晶表示素子であって、配向膜がUV、オ
ゾン、プラズマエッチング、ウェットエッチング、また
はこれらの組み合わせによって表面灰化処理した後にコ
ーティングされているため、配向膜と親油性化合物ある
いは両親媒性化合物が化学的な結合あるいは物理的な吸
着が可能となっている。この液晶表示素子においては、
液晶材料として、ネマチック液晶またはその混合物、ス
メクチック液晶またはその混合物、あるいは高分子液晶
またはその混合物を充填することができる。
【0018】本発明の別の態様は、上述の配向膜を有す
る液晶表示素子において、液晶材料として強誘電性液晶
またはその混合物が充填されている、表面安定化または
ピッチ安定化方式の液晶表示素子であり、電界による前
処理によってスメクチック層が配向膜に対してほとんど
垂直な、いわゆる準ブックシェルフ構造を生じさせても
よい。
る液晶表示素子において、液晶材料として強誘電性液晶
またはその混合物が充填されている、表面安定化または
ピッチ安定化方式の液晶表示素子であり、電界による前
処理によってスメクチック層が配向膜に対してほとんど
垂直な、いわゆる準ブックシェルフ構造を生じさせても
よい。
【0019】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0020】(実施例1)ITO(インジウム錫酸化
物)電極を有するガラス基板上に、0.5重量%のポリイ
ミド「オプトマーAL 1051(日本合成ゴム(株))」溶
液を3000rpmで通常の方法によりスピンコートし、薄い
配向膜を形成した。この膜を180°Cで1時間乾燥させた
後、イソプロピルアルコールで洗浄し、UV/オゾン照
射を6分間行った。親油性化合物としては、下記の構造
を有するアザクラウンを用いた。
物)電極を有するガラス基板上に、0.5重量%のポリイ
ミド「オプトマーAL 1051(日本合成ゴム(株))」溶
液を3000rpmで通常の方法によりスピンコートし、薄い
配向膜を形成した。この膜を180°Cで1時間乾燥させた
後、イソプロピルアルコールで洗浄し、UV/オゾン照
射を6分間行った。親油性化合物としては、下記の構造
を有するアザクラウンを用いた。
【0021】 この膜の表面にジオキサンで0.5重量%に希釈したアザ
クラウン溶液を1000rpmでスピンコートし、180°Cで45
分間硬化させた。これをイソプロピルアルコール中で数
分間超音波洗浄し、未反応のアザクラウンを洗い流し
た。各工程の終了後に表面と水との接触角を測定した。
この結果を表1に示す。
クラウン溶液を1000rpmでスピンコートし、180°Cで45
分間硬化させた。これをイソプロピルアルコール中で数
分間超音波洗浄し、未反応のアザクラウンを洗い流し
た。各工程の終了後に表面と水との接触角を測定した。
この結果を表1に示す。
【0022】
【表1】 工程 接触角 ポリイミド(オプトマーAL 1051)硬化後 63° イソプロピルアルコール洗浄後 60° UV/オゾン照射(360秒)後 14° アザクラウン コーティング、硬化、洗浄後 61° 14°から61°という、接触角の著しい増加は、アザ
クラウンのポリイミドへの結合が成功したことを示して
いる。
クラウンのポリイミドへの結合が成功したことを示して
いる。
【0023】(実施例2)上述の工程によって形成され
た基板を用いて二次加工し、テストセル(a)を製作し
た。配向膜は平行方向に一軸ラビングした。ガラス基板
に1.6μmのスペーサー球を散布し、ガラス基板をUV
硬化性のシール材でシールした。比較のため、配向膜と
してオプトマーAL 1051のみを含むテストセル(b)、
およびaと同様であるが、オプトマーAL 1051を表面灰
化処理していないテストセル(c)を製作した。これら
のセルにFLC混合物FELIX-T39(ヘキストAG、ドイ
ツ)を充填して、その電気光学的特性を測定した。
た基板を用いて二次加工し、テストセル(a)を製作し
た。配向膜は平行方向に一軸ラビングした。ガラス基板
に1.6μmのスペーサー球を散布し、ガラス基板をUV
硬化性のシール材でシールした。比較のため、配向膜と
してオプトマーAL 1051のみを含むテストセル(b)、
およびaと同様であるが、オプトマーAL 1051を表面灰
化処理していないテストセル(c)を製作した。これら
のセルにFLC混合物FELIX-T39(ヘキストAG、ドイ
ツ)を充填して、その電気光学的特性を測定した。
【0024】配向特性は、偏光子を直交させた偏光顕微
鏡下で測定した。メモリー・コーン角はいわゆるバージ
ン組織(電気的に処理されていない)を用い、充填して
室温まで冷却した直後に測定した。
鏡下で測定した。メモリー・コーン角はいわゆるバージ
ン組織(電気的に処理されていない)を用い、充填して
室温まで冷却した直後に測定した。
【0025】配向特性の他、通常のパルス駆動方法を用
いてスイッチング特性を測定した。この測定の前に、電
界強度15V/μmの低周波数の方形パルスを30秒間印加
し、いわゆる準ブックシェルフ構造を生じさせた。次に
パルス駆動方法を適用し、高速フォトダイオードを用い
て光透過性の変化を測定した。表2にその結果を示す。
いてスイッチング特性を測定した。この測定の前に、電
界強度15V/μmの低周波数の方形パルスを30秒間印加
し、いわゆる準ブックシェルフ構造を生じさせた。次に
パルス駆動方法を適用し、高速フォトダイオードを用い
て光透過性の変化を測定した。表2にその結果を示す。
【0026】セルcはセルbと全く同じ挙動を示したた
め、以下においてはセルbの結果とともに示す。
め、以下においてはセルbの結果とともに示す。
【0027】
【表2】 セルb、c セルa ポリイミド もしくは ポリイミド + アザクラウン ポリイミド + アザクラウン (表面灰化処理後) (表面灰化処理せず) 配向状態 青味を帯びたツイスト 均一な黒の単一領域 メモリーコーン角 16° 20° スイッチング特性 スイッチングせず 30μs, 臨界電圧40V/μm で良いスイッチング セルaは、セルbに比べ25%高いスイッチング角と、実
際に黒い暗状態を示した。これは分子の長軸が基板の上
から下まで均一に平行に配向しているためである。セル
bの暗状態は、暗いがやや青味を帯びた外観を示した。
これは配向が上から下まで平行でないためであり、この
ような状態は低いコントラストと低い明度をもたらすツ
イスト配向として知られている。
際に黒い暗状態を示した。これは分子の長軸が基板の上
から下まで均一に平行に配向しているためである。セル
bの暗状態は、暗いがやや青味を帯びた外観を示した。
これは配向が上から下まで平行でないためであり、この
ような状態は低いコントラストと低い明度をもたらすツ
イスト配向として知られている。
【0028】(実施例3)ITO電極を有するガラス基
板上に、NMPと2−ブタノールで3重量%に希釈した
POLIX 004(フッ化ポリアミド、ヘキストAG、ドイ
ツ)溶液をスピンコートし、180°Cで1時間乾燥させた
後、UV/オゾン照射を6分間行った。この膜の表面
に、ジオキサンで0.5重量%に希釈した、実施例1に記
載のアザクラウン溶液をスピンコートし、180°Cで45分
間乾燥させた後、イソプロピルアルコール中で数分間超
音波洗浄を行い、未反応のアザクラウンを洗い流した。
実施例1と同様に、各工程の終了後に水との接触角を測
定し、表面の変化を観察した。この結果を表3に示す。
板上に、NMPと2−ブタノールで3重量%に希釈した
POLIX 004(フッ化ポリアミド、ヘキストAG、ドイ
ツ)溶液をスピンコートし、180°Cで1時間乾燥させた
後、UV/オゾン照射を6分間行った。この膜の表面
に、ジオキサンで0.5重量%に希釈した、実施例1に記
載のアザクラウン溶液をスピンコートし、180°Cで45分
間乾燥させた後、イソプロピルアルコール中で数分間超
音波洗浄を行い、未反応のアザクラウンを洗い流した。
実施例1と同様に、各工程の終了後に水との接触角を測
定し、表面の変化を観察した。この結果を表3に示す。
【0029】
【表3】 工程 接触角 フッ化ポリアミド(POLIX 004) 乾燥後 76.4° UV/オゾン照射(360秒)後 31.0° アザクラウン コーティング、乾燥、洗浄後 70.4° このようにして得られた配向膜を用いて、実施例2と同
様にテストセルを作製して液晶混合物を充填し、液晶の
配向を観察したところ、ツイストは見られなかった。
様にテストセルを作製して液晶混合物を充填し、液晶の
配向を観察したところ、ツイストは見られなかった。
【0030】(実施例4)ITO電極を有するガラス基
板上に、γ−ブチロラクトンで0.5重量%に希釈したオ
プトマーAL 1051(日本合成ゴム(株))溶液を2000 rp
m でスピンコートし、180°Cで1時間乾燥させた後、30
0°Cで1時間熱処理した。この膜の表面に、ジオキサン
で0.5重量%に希釈した、実施例1に記載のアザクラウ
ン溶液をスピンコートし、180°Cで45分間乾燥させた
後、イソプロピルアルコール中で数分間超音波洗浄を行
い、未反応のアザクラウンを洗い流した。実施例3と同
様に、各工程の終了後に水との接触角を測定し、表面の
変化を観察した。この結果を表4に示す。
板上に、γ−ブチロラクトンで0.5重量%に希釈したオ
プトマーAL 1051(日本合成ゴム(株))溶液を2000 rp
m でスピンコートし、180°Cで1時間乾燥させた後、30
0°Cで1時間熱処理した。この膜の表面に、ジオキサン
で0.5重量%に希釈した、実施例1に記載のアザクラウ
ン溶液をスピンコートし、180°Cで45分間乾燥させた
後、イソプロピルアルコール中で数分間超音波洗浄を行
い、未反応のアザクラウンを洗い流した。実施例3と同
様に、各工程の終了後に水との接触角を測定し、表面の
変化を観察した。この結果を表4に示す。
【0031】
【表4】 工程 接触角 ポリイミド(オプトマーAL 1051) 乾燥後 60.4° 熱処理(300°C、1時間)後 33.3° アザクラウン コーティング、乾燥、洗浄後 47.7° このようにして得られた配向膜を用いて、実施例2と同
様にテストセルを作製して液晶混合物を充填し、液晶の
配向を観察したところ、ツイストは見られなかった。
様にテストセルを作製して液晶混合物を充填し、液晶の
配向を観察したところ、ツイストは見られなかった。
Claims (4)
- 【請求項1】基板、電極、偏光子、液晶材料および配向
膜からなる液晶表示素子であって、 前記配向膜が、表面灰化処理された高分子と、該高分子
に結合した親油性化合物あるいは両親媒性化合物からな
ることを特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項2】前記高分子がポリイミドまたはポリアミド
であり、前記親油性化合物あるいは両親媒性化合物がマ
クロ環状化合物、クリプタンド、コロナンド、ポタン
ド、メルカプト化合物およびイオノフォア化合物からな
る群より選ばれる1以上の化合物であることを特徴とす
る請求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項3】前記表面灰化処理が、熱処理、UV照射、
UV/オゾン照射、プラズマエッチングおよびウェット
エッチングからなる群より選ばれる1以上の手段による
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 【請求項4】前記液晶材料が強誘電性液晶である請求項
1記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9966592A JPH05297378A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9966592A JPH05297378A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05297378A true JPH05297378A (ja) | 1993-11-12 |
Family
ID=14253337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9966592A Pending JPH05297378A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05297378A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6013335A (en) * | 1993-07-30 | 2000-01-11 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display apparatus and method for processing the same |
JP2012012493A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Nissan Chem Ind Ltd | 液晶配向剤及びそれを用いた液晶表示素子 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP9966592A patent/JPH05297378A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6013335A (en) * | 1993-07-30 | 2000-01-11 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display apparatus and method for processing the same |
JP2012012493A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Nissan Chem Ind Ltd | 液晶配向剤及びそれを用いた液晶表示素子 |
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