JPH05297199A - 放射線透過窓構体 - Google Patents
放射線透過窓構体Info
- Publication number
- JPH05297199A JPH05297199A JP10441592A JP10441592A JPH05297199A JP H05297199 A JPH05297199 A JP H05297199A JP 10441592 A JP10441592 A JP 10441592A JP 10441592 A JP10441592 A JP 10441592A JP H05297199 A JPH05297199 A JP H05297199A
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- JP
- Japan
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- radiation transmitting
- transmitting window
- window
- beryllium
- radiation
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】この発明は、ベリリウム箔製窓の破損が生じに
くく、信頼性の高い放射線透過窓構体を提供することを
目的とする。 【構成】この発明は、ベリリウム箔からなる放射線透過
窓25の外周部に円弧状部25b が形成され、この円弧状部
のさらに外周延長部25a が真空容器21の一部に気密接合
されてなる放射線透過窓構体である。
くく、信頼性の高い放射線透過窓構体を提供することを
目的とする。 【構成】この発明は、ベリリウム箔からなる放射線透過
窓25の外周部に円弧状部25b が形成され、この円弧状部
のさらに外周延長部25a が真空容器21の一部に気密接合
されてなる放射線透過窓構体である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放射線透過窓構体に
係わり、とくにベリリウムの極薄箔を放射線透過窓とす
るものの改良に関する。
係わり、とくにベリリウムの極薄箔を放射線透過窓とす
るものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばX線管や比例計数管、あるいはX
線像増倍管のような、真空容器の一部に放射線透過窓を
備えるものがある。この放射線透過窓としては、放射線
の透過率の高いベリリウムを使用する場合が少なくな
い。すなわち、図5に示すように真空容器11の一部に設
けられた開口部12に、ベリリウム製の薄板からなる放射
線透過窓13が、コバール(商品名)からなる窓枠14にろ
う材15により気密接合されている。なお、同図の符号16
は、保護用の押えリングをあらわしている。
線像増倍管のような、真空容器の一部に放射線透過窓を
備えるものがある。この放射線透過窓としては、放射線
の透過率の高いベリリウムを使用する場合が少なくな
い。すなわち、図5に示すように真空容器11の一部に設
けられた開口部12に、ベリリウム製の薄板からなる放射
線透過窓13が、コバール(商品名)からなる窓枠14にろ
う材15により気密接合されている。なお、同図の符号16
は、保護用の押えリングをあらわしている。
【0003】ベリリウム製薄板からなる放射線透過窓13
は、厚さが薄いほど放射線の減衰が少ないので、近来は
数10マイクロメートルの箔が使用されるようになって
きている。因みに、特開昭63−273100号公報に
は、当初200マイクロメートルの厚さのベリリウム板
の所用箇所を化学エッチングにより40マイクロメート
ルの厚さに薄くし、この領域を放射線透過窓として使用
する構造及びその製造方法が開示されている。
は、厚さが薄いほど放射線の減衰が少ないので、近来は
数10マイクロメートルの箔が使用されるようになって
きている。因みに、特開昭63−273100号公報に
は、当初200マイクロメートルの厚さのベリリウム板
の所用箇所を化学エッチングにより40マイクロメート
ルの厚さに薄くし、この領域を放射線透過窓として使用
する構造及びその製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように極薄のベリ
リウム窓を支持枠に気密接合した構造では、接合時や動
作時の温度上昇による応力、あるいは気圧差によって、
図6に示すような、接合部近傍にクラック17が発生しや
すい。とくに、ベリリウムは熱膨脹率が小さく、クラッ
クが発生しやすく信頼性に乏しい傾向がある。この発明
は、以上のような不都合を解消し、ベリリウム箔製の気
密窓の破損が生じにくく、信頼性の高い放射線透過窓構
体を提供することを目的とする。
リウム窓を支持枠に気密接合した構造では、接合時や動
作時の温度上昇による応力、あるいは気圧差によって、
図6に示すような、接合部近傍にクラック17が発生しや
すい。とくに、ベリリウムは熱膨脹率が小さく、クラッ
クが発生しやすく信頼性に乏しい傾向がある。この発明
は、以上のような不都合を解消し、ベリリウム箔製の気
密窓の破損が生じにくく、信頼性の高い放射線透過窓構
体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、ベリリウム
箔製放射線透過窓の外周部に円弧状部が形成され、この
円弧状部のさらに外周部が真空容器の一部に気密接合さ
れてなる放射線透過窓構体である。
箔製放射線透過窓の外周部に円弧状部が形成され、この
円弧状部のさらに外周部が真空容器の一部に気密接合さ
れてなる放射線透過窓構体である。
【0006】
【作用】この発明によれば、ベリリウム箔窓の外周部の
円弧状部により、製造時や動作時の応力、熱膨張差が吸
収され、クラック等の破損が発生しにくく、信頼性の高
い放射線透過窓構体が得られる。
円弧状部により、製造時や動作時の応力、熱膨張差が吸
収され、クラック等の破損が発生しにくく、信頼性の高
い放射線透過窓構体が得られる。
【0007】
【実施例】以下、その実施例を図面を参照して説明す
る。なお、同一部分は同一符号であらわす。図1及び図
2に示す実施例は、真空容器の一部を構成する窓枠21の
開口段部22に、ろう材23及び押えリング24によりベリリ
ウム箔からなる放射線透過窓25が気密ろう接されてい
る。窓枠21の材料は、ベリリウムの熱膨張係数に近似す
る例えばNi−Fe合金(約50:50)が適する。そ
こで、ベリリウム箔からなる放射線透過窓25は、予め、
接合部25a の内周部分に円弧状部25b を形成してある。
この円弧状部25b は、その断面の内側曲率半径Rが、1
〜5mmの範囲の単一曲率半径になっている。そして、
膨出した方が大気側となるように接合してある。
る。なお、同一部分は同一符号であらわす。図1及び図
2に示す実施例は、真空容器の一部を構成する窓枠21の
開口段部22に、ろう材23及び押えリング24によりベリリ
ウム箔からなる放射線透過窓25が気密ろう接されてい
る。窓枠21の材料は、ベリリウムの熱膨張係数に近似す
る例えばNi−Fe合金(約50:50)が適する。そ
こで、ベリリウム箔からなる放射線透過窓25は、予め、
接合部25a の内周部分に円弧状部25b を形成してある。
この円弧状部25b は、その断面の内側曲率半径Rが、1
〜5mmの範囲の単一曲率半径になっている。そして、
膨出した方が大気側となるように接合してある。
【0008】このような形状の放射線透過窓25は、異方
性が生じないように圧延して約50マイクロメートルの
厚さにしたベリリウム箔を、金型を使用して非酸化性雰
囲気のもとで200〜500℃の温間加工により円弧状
部25b を形成する。このように極薄のベリリウム箔は、
円弧状部25b の曲率半径Rが、1mm未満であると応力
吸収の機能が十分得られず、また整形が困難になるとと
もに、かえってクラックが生じやすくなる。一方、曲率
半径Rが5mmを越えると、ベリリウム箔を塑性変形さ
せることが困難であり、無理に整形しようとすると過大
なプレス圧力により傷が生じやすくなってしまう。な
お、ベリリウム箔の表面粗さ(Ra)は、1マイクロメ
ートル以下、より好ましくは0.5マイクロメートル以
下とする。なおまた、気密接合方法は、銀ろうや金ろう
を使用した真空中のろう接の他、真空中の拡散接合によ
り接合することができる。
性が生じないように圧延して約50マイクロメートルの
厚さにしたベリリウム箔を、金型を使用して非酸化性雰
囲気のもとで200〜500℃の温間加工により円弧状
部25b を形成する。このように極薄のベリリウム箔は、
円弧状部25b の曲率半径Rが、1mm未満であると応力
吸収の機能が十分得られず、また整形が困難になるとと
もに、かえってクラックが生じやすくなる。一方、曲率
半径Rが5mmを越えると、ベリリウム箔を塑性変形さ
せることが困難であり、無理に整形しようとすると過大
なプレス圧力により傷が生じやすくなってしまう。な
お、ベリリウム箔の表面粗さ(Ra)は、1マイクロメ
ートル以下、より好ましくは0.5マイクロメートル以
下とする。なおまた、気密接合方法は、銀ろうや金ろう
を使用した真空中のろう接の他、真空中の拡散接合によ
り接合することができる。
【0009】図3に示す実施例は、ベリリウム箔からな
る放射線透過窓25の外周部近傍に波状に整形した円弧状
部25b を形成したものである。そして、接合部25a から
内側の凸部25c が支持枠21a の面に接するようにしてあ
る。それによって、波形の円弧状部25b で応力がより確
実に吸収されるとともに、大気圧による機械的な応力を
凸部25c で受けることができ、気密接合部にかかる圧力
を軽減することができる。これによって、形状は複雑に
なるが、信頼性が一層向上する。
る放射線透過窓25の外周部近傍に波状に整形した円弧状
部25b を形成したものである。そして、接合部25a から
内側の凸部25c が支持枠21a の面に接するようにしてあ
る。それによって、波形の円弧状部25b で応力がより確
実に吸収されるとともに、大気圧による機械的な応力を
凸部25c で受けることができ、気密接合部にかかる圧力
を軽減することができる。これによって、形状は複雑に
なるが、信頼性が一層向上する。
【0010】図4に示す実施例は、ベリリウム箔からな
る放射線透過窓25の中央部をドーム状に膨出させたもの
である。そして、円弧状部25b の外周接合部25a を厚肉
にして気密接合してある。
る放射線透過窓25の中央部をドーム状に膨出させたもの
である。そして、円弧状部25b の外周接合部25a を厚肉
にして気密接合してある。
【0011】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ベリリウム箔の円弧状部により、製造時や動作時の応
力、熱膨張差が吸収され、クラック等の破損が発生しに
くく、信頼性の高い放射線透過窓構体が得られる。
ベリリウム箔の円弧状部により、製造時や動作時の応
力、熱膨張差が吸収され、クラック等の破損が発生しに
くく、信頼性の高い放射線透過窓構体が得られる。
【図1】この発明の実施例を示す要部縦断面図である。
【図2】図1のものの透過窓の形状を示す半断面図であ
る。
る。
【図3】この発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
る。
【図4】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断面
図である。
図である。
【図5】従来構造を示す概略縦断面図である。
【図6】図5の要部を示す拡大断面図である。
21…真空容器、23…ろう材、25…ベリリウム箔製の窓、
25a …接合部、25b …円弧状部。
25a …接合部、25b …円弧状部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三森 恵一 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内
Claims (1)
- 【請求項1】 真空容器の一部にベリリウム箔からなる
放射線透過窓が気密接合されてなる放射線透過窓構体に
おいて、 上記ベリリウム箔製放射線透過窓の外周部に円弧状部が
形成され、この円弧状部のさらに外周延長部が上記真空
容器の一部に気密接合されてなることを特徴とする放射
線透過窓構体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10441592A JPH05297199A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 放射線透過窓構体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10441592A JPH05297199A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 放射線透過窓構体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05297199A true JPH05297199A (ja) | 1993-11-12 |
Family
ID=14380064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10441592A Pending JPH05297199A (ja) | 1992-04-23 | 1992-04-23 | 放射線透過窓構体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05297199A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
JP2010027618A (ja) * | 2009-10-02 | 2010-02-04 | Toshiba Corp | 電子管の気密接合構造 |
JP2010061812A (ja) * | 2008-09-01 | 2010-03-18 | Hiroshima Prefecture | 電子透過膜及びその製造方法 |
JP2011153831A (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 原子力プラントの放水路放射線モニタ装置 |
JP2014160040A (ja) * | 2013-02-20 | 2014-09-04 | Toshiba Corp | X線透過装置およびx線検査装置 |
JP2015130334A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-07-16 | 松定プレシジョン株式会社 | X線発生装置用ヘッドおよびこれを備えたx線発生装置 |
CN109216139A (zh) * | 2017-06-30 | 2019-01-15 | 同方威视技术股份有限公司 | 用于多焦点x射线管的壳体和多焦点x射线管 |
JP2020514728A (ja) * | 2017-01-26 | 2020-05-21 | カナディアン ライト ソース インコ.Canadian Light Source Inc. | 同位体生成における電子線射出窓 |
CN113692103A (zh) * | 2020-05-19 | 2021-11-23 | 四川智研科技有限公司 | 引出窗支撑结构及其应用方法 |
-
1992
- 1992-04-23 JP JP10441592A patent/JPH05297199A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005135786A (ja) * | 2003-10-31 | 2005-05-26 | Toshiba Corp | 電子管の構成部品取付け構造 |
JP4601939B2 (ja) * | 2003-10-31 | 2010-12-22 | 株式会社東芝 | 電子管の気密接合構造 |
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JP2015130334A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-07-16 | 松定プレシジョン株式会社 | X線発生装置用ヘッドおよびこれを備えたx線発生装置 |
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CN109216139A (zh) * | 2017-06-30 | 2019-01-15 | 同方威视技术股份有限公司 | 用于多焦点x射线管的壳体和多焦点x射线管 |
CN113692103A (zh) * | 2020-05-19 | 2021-11-23 | 四川智研科技有限公司 | 引出窗支撑结构及其应用方法 |
CN113692103B (zh) * | 2020-05-19 | 2023-12-08 | 四川智研科技有限公司 | 引出窗支撑结构及其应用方法 |
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