JP2010027618A - 電子管の気密接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間の使用に耐え交換可能な気密シール構造をもつ電子管の気密接合構造を提供すること。
【解決手段】 電子管を構成する真空容器の一部を構成する封止部材18と、この封止部材18と気密に接合される固定部材70とを具備した電子管の気密接合構造において、前記封止部材18に環状突出部71を設け、前記封止部材18の環状突出部71の先端と前記固定部材70を拡散接合金属組織で気密接合した。
【選択図】 図5

Description

この発明は電子管の気密接合構造に関する。
真空を利用した電子装置たとえば開放型のX線発生装置は、真空気密用フランジを介して真空排気装置に接続され、連続または連続に近い状態で装置内を真空排気しながら運転される。このような開放型の電子装置の場合、アノードやカソードなどの交換作業に必要な開放扉と真空容器との継ぎ目は、ゴム製や金属製のO−リングを用いたシール構造、あるいは銅などの軟金属製ガスケットを用いたコンフラットシール構造で真空気密が保たれている。
一方、非開放型の真空封じされた電子管たとえばX線管は、その製造工程において、真空排気装置で管内を真空排気し、管内を真空に維持したまま真空排気装置から切り離される。たとえば、X線管を構成する真空容器の一部に銅パイプやガラス管などの真空排気管を一体に取り付け、真空排気管部分に気密シールを形成して切断される。
真空排気管が銅パイプの場合、その一部を局所的に加圧して押し潰す方法で行われる。ガラス管の場合は、局所的に加熱して溶融し切断する方法で行われる。真空排気系から切り離された真空排気管は、真空容器の一部に残されたまま市場で使用され、X線管が寿命になった段階で分解される。
分解工程では、組み立て時に溶接された溶接部がカッターなどで切断される。そのため、長い溶接しろを必要とする構成部品は再使用(リユース)が困難になる。また、切断作業時に切り子や油が発生し周囲を汚染するため、通常、洗浄作業が実施される。しかし、溶接で組み立てられた構成部品は洗浄が困難で、再使用できない。また、真空排気管などのようにろう付されている構成部品も再使用が困難になっている。
上記した理由から、非開放型の電子管は、一部の構成部品だけが再使用に供され、その他の構成部品は単に材料としてリサイクルされている。
非開放型の電子管たとえばX線管の場合、その寿命は、カソードなど特定の構成部品の寿命で決まることが多い。したがって、寿命に関係した構成部品だけを新しい構成部品に交換し、その他の構成部品については、分解せずに再使用することが経済的にも環境的にも望まれる。
この場合、特定の構成部品たとえば真空排気管などを固定した固定部分を交換可能な気密シール構造にする必要がある。従来の気密シール構造には、開放型のX線発生装置などに使用されているO−リングシール構造や、コンフラットシール構造などが使用されている。
しかし、これらのシール構造は、イオンポンプのような真空排気ポンプを用いず、単にゲッターを内蔵する程度の真空管の場合は、半永久的な真空気密シールとしては信頼性に乏しく、実用化は困難である。
本発明は、上記した欠点を解決し、長期間の使用に耐え、かつ交換可能な気密シール構造をもつ電子管の気密接合構造を提供することを目的とする。
本発明は、電子管を構成する真空容器の一部を構成する第1部材と、この第1部材と気密に接合される第2部材とを具備した電子管の気密接合構造において、前記第1部材に環状突出部を設け、前記第1部材の環状突出部の先端と前記第2部材を拡散接合金属組織で気密接合したことを特徴とする。
本発明によれば、電子管の構成部品の再使用が容易な電子管の気密接合構造を実現できる。
本発明の実施形態を説明するための概略の断面図である。 (a)は本発明の固定部材と真空容器部分との接合部分を抜き出した概略拡大断面図、(b)は固定部材部分の上面図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略の断面図で、固定部材と真空容器部分との接合部分を抜き出した図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略の断面図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略の断面図で、固定部材と真空容器部分との接合部分を抜き出した図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略の断面図で、固定部材と真空容器部分との接合部分を抜き出した図である。 本発明の他の実施形態を説明するための概略の断面図で、固定部材と真空容器部分との接合部分を抜き出した図である。
本発明の実施形態について、回転陽極型X線管を例にとり図1を参照して説明する。回転陽極型X線管を構成する真空容器11は、たとえば中央に位置する銅製の金属容器11aおよびこの金属容器11aの両側に位置する第1および第2のガラス容器11b、11cなどから構成されている。金属容器11aの一部にX線放射窓11wが設けられている。
金属容器11aは、たとえば図示上半分を構成する陰極側漏斗状部a1と図示下半分を構成する陽極側漏斗状部a2が別に製作される。そして、陰極側漏斗状部a1および陽極側漏斗状部a2のそれぞれ相手側端部に、第1封着リング12および第2封着リング13をろう接する。そして、第1、第2の封着リング12、13それぞれの先端をヘリアーク溶接によって気密接合して構成される。なお、金属容器11aの内面側に黒色層14が付着されている。
金属容器11aと第1ガラス容器11bは第1ヘリアーク溶接部15によって気密接合され、金属容器11aと第2ガラス容器11cは第2ヘリアーク溶接部16によって気密接合されている。第1ガラス容器11bの図示上端の開口部分に金属リング17の一端が封着され、金属リング17の他端に環状封止部材18が気密接合されている。
封止部材18は真空容器11の壁部分の一部を構成し、封止部材18には、たとえば管軸mを中心にして径の大きさが相違する複数たとえば2つの円形状凹部19が同心に形成されている。そして、封止部材18の開口部分に固定部材20が気密接合されている。
封止部材18と固定部材20の気密接合は、たとえば封止部材18の凹部19の1つに、金属製O−リングなどの中間部材(図示せず)を配置し、固定部材20の周辺部と中間部材とを拡散接合金属組織で気密接合し、かつ封止部材18の凹部19内面と中間部材とを拡散接合金属組織で気密接合し、同時に、ボルト21による締め付けで行われている。
真空容器11の金属容器11a内に陰極構体22および陽極ターゲット23が配置されている。陰極構体22は陰極支持体24に支持され、陰極支持体24は第1ガラス容器11b内を通り固定部材20に固定されている。固定部材20には、陰極支持体24の他に、たとえばその中央部に真空排気管25が固定され、真空排気管25近傍に陰極端子26が固定されている。固定部材20は、陰極支持体24や真空排気管25、陰極端子26などの構成部品が固定された固定部分からさらに外側へと鍔状に広がるフランジ状に形成されている。
陽極ターゲット23は、陽極ターゲット23を回転可能に支持する陽極支持体27によって支持されている。陽極支持体27は第2ガラス容器11c内を図示下方に伸び、第2ガラス容器11cの端部(図示せず)に固定されている。
次に、図1の円A内に示した封止部材18と固定部材20との接合部分の構造について図2を参照して説明する。図2は、図1と対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。
封止部材18に複数たとえば第1および第2の2個の凹部19a、19bが円を描くように環状に形成されている。内側の凹部19aよりも管軸から遠い外側に位置する第2凹部19b内に、金属製中間部材31たとえばO−リングが配置されている。そして、固定部材20と中間部材31が拡散接合金属組織で気密接合され、また真空容器11の壁部を構成する封止部材18と中間部材31が拡散接合金属組織で気密接合されている。同時に、固定部材20および封止部材18は複数のボルト21で固定されている。
固定部材20のボルト21が通る貫通穴はボルト21の外径よりも少し大きく、いわゆるばか穴構造になっている。封止部材18にはボルト21の寸法に合わせたねじ穴が形成されている。封止部材18のねじ穴にボルト21がねじ込まれる。このとき、外径が大きくなったボルト21の頭部分21aが固定部材20に接触し、固定部材20と封止部材18が強く固定される。
ここで、図1に示した固定部材20部分の上面図を図2(b)に示す。固定部材20には、ばか穴構造のたとえば4個の貫通穴27a〜27dが円周方向に等間隔に設けられている。また、貫通穴27a〜27dに挟まれて、たとえば4個の分離用穴28a〜28dが円周方向に等間隔に設けられている。分離用穴28a〜28dにはねじ溝がa〜dが形成され、後述するように固定部材20部分を取り外し、分離する際に使用される。
次に、中間部材31を介して固定部材20と封止部材18とを拡散接合金属組織で気密接合する方法について説明する。
まず、環状の中間部材31が第2凹部19b内に配置される。中間部材31は断面がたとえば筒状で、その外径は第2凹部19bの深さよりも少し大きめに設定されている。中間部材31の外表面に拡散促進材料、たとえば金の皮膜32がメッキなどの方法で0.1μm〜10μm程度の厚さに形成されている。
その後、封止部材18の図示上面に固定部材20の図示下面を押し当てボルト21で固定する。このとき、中間部材31の断面形状が変形し、固定部材20と中間部材31、そして封止部材18と中間部材31が強く接触する。
その後、真空炉または雰囲気ガス炉中で加熱する。この加熱で、中間部材31表面の金が固定部材20や封止部材18に拡散し、あるいは、固定部材20や封止部材18を構成する元素が拡散促進材料に拡散する。このような拡散によって、固定部材20および中間部材31間、そして、封止部材18および中間部材31間に、それぞれ拡散接合金属組織による高強度の気密接合が環状領域に形成される。
次に、陰極構体22などが寿命になった時点で、真空容器11から固定部材20部分を分離する方法について説明する。
まず、ボルト21を取り外す。その後、固定部材20部分に設けた分離用穴28a〜28dのねじ溝a〜dにボルト(図示せず)をねじ込み、ボルトの先端を封止部材18の表面に接触させる。この状態から、さらにボルトを回転して下降させ、ボルト先端を封止部材18に押しつけ、その力で拡散接合部分を引き剥がし、固定部材20を分離する。
上記の方法は、ボルトを利用している。しかし、カッターを利用して固定部材20を分離することもできる。たとえばボルト21を取り外し、その後、中間部材31を含め、固定部材20と封止部材18の拡散接合領域をカッターで切削し、固定部材20を分離する。また、ボルトを利用する方法とカッターを利用する方法を、適宜組み合わせて行うこともできる。
上記した構成によれば、固定部材20および封止部材18は中間部材31の形状に対応した環状領域が拡散接合金属組織で気密接合し、その他の領域は非接合状態になっている。したがって、ボルトを利用する方法やカッターを利用する方法により、封止部材18を損傷させることなく、固定部材20を分離できる。そのため、真空容器11の主要部分および真空容器11内に固定された陽極ターゲット23や陽極支持体27などの構成部品を確実に再使用できる。
この場合、封止部材18の第2凹部19b近傍に多少の損傷が発生しても、再使用時は、損傷のない第1凹部19aに中間部材を配置することにより、新しい固定部材を固定できる。したがって、第2凹部19b近傍に多少の損傷が発生しても再使用する際の支障にはならない。
上記の実施形態は、複数の環状凹部19が同心に形成されている。複数の凹部19は、必ずしも同心である必要はなく、また正しい円形である必要もない。たとえば径の大きい外側の凹部がそれよりも内側に位置する径の小さい凹部全体を含むような配置、いわゆる同心的であればよい。また凹部19の形状も閉ループを形成する形状であればよく、円形以外のたとえば4角形状などにすることもできる。
また、中間部材として金属製O−リングを使用している。この場合、金属製O−リングの材料にはニッケルや銅などが用いられる。固定部材には、鉄や鉄合金、あるいは、ニッケルメッキした鉄や鉄合金、銅、銅合金などが用いられる。自己拡散係数の高い拡散促進材料の皮膜は、中間部材の表面でなく、固定部材や封止部材の接合面に設けてもよく、また、固定部材や封止部材と中間部材との両方に設けてもよい。拡散促進材料には、金の他、銀や銅、または、金や銀、銅の少なくとも一つを主成分とする合金などを用いることができる。拡散促進材料たとえば金は、排気工程時の加熱や高周波による局所的な加熱で拡散し、強固な真空気密シール接合を形成する。
また、ボルト21を用いて固定部材20と封止部材18を強固に接触させている。しかし、環境条件によっては、ボルト21を用いずに大気圧を利用して固定部材20と封止部材18を接触させ、固定することもできる。
また、固定部材や封止部材の接合領域が絶縁油に浸り、絶縁油の硫黄分による接合領域の腐食が問題になる場合は、たとえば接合領域の周辺に隙間を設け、その隙間表面にテフロン(登録商標)などの撥油性コーティングを施せば、接合領域の腐食を防止できる。
次に、本発明の他の実施形態について図3を参照して説明する。図3は、封止部材18および固定部材20の接合部分を抜き出した図で、図1に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。
この実施形態は、固定部材20の周辺領域を外側に向って階段状に順に厚くし、複数段たとえば2段の第1平坦面33a、33bを環状に形成している。一方の封止部材18は外側に向って階段状に薄くし、複数段たとえば2段の第2平坦面34a、34bを環状に形成している。第1平坦面33a、33bおよび第2平坦面34a、34bはいずれも同心的に形成されている。なお、第1平坦面33a、33bの段差部分は第2平坦面34a、34bの段差部分よりも外側にずれている。
そして、固定部材20と封止部材18を気密接合する場合、まず、固定部材20の外側に位置する第1平坦面33bと、封止部材18の外側に位置する第2平坦面34bとの間に、金属製中間部材35を配置する。中間部材35の厚さは、たとえば固定部材20と封止部材18との間に隙間が発生するような大きさになっている。中間部材35にはたとえばリング状の銅ガスケットが使用され、その表面に金めっき層35aが形成される。
その後、固定部材20の貫通穴を通して封止部材18のねじ穴にボルト21をねじ込んで締め付ける。このとき、ボルト21の頭部分21aで固定部材20が押し付けられ、中間部材35の図示上面の右端部と第1平坦面33bが強く接触する。同時に、図示下面の左端部と第2平坦面34bが強く接触する。この状態で加熱し、図2で説明したと同様の方法で、固定部材20と中間部材35との間、そして中間部材35と封止部材18との間を、拡散接合金属組織により気密接合する。
固定部材20の分離作業は、図1および図2の実施形態で説明したと同様、ボルトを利用する方法やカッターを利用する方法、あるいは、この2つの方法を適宜組み合わせた方法で行われる。
上記した構成によれば、固定部材20と中間部材35、および、封止部材18と中間部材35との接合は部分的であり、また、固定部材20と封止部材18との間に隙間が設けられている。したがって、固定部材20を分離する際に、封止部材18の損傷が少なくなり、真空容器11の主要部分および真空容器11に固定された陽極ターゲット23や陽極支持体27などの構成部品の再使用が容易になる。
この場合、封止部材18の中間部材35との接合領域に多少の損傷が発生しても、再使用時は、図3(b)に示すように、内側に位置する第1平坦面33aと第2平坦面34aの間に中間部材35を配置し、気密接合を行えば、新しい固定部材と封止部材18を確実に固定できる。
なお、図3(b)は図3(a)に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。
図3では、中間部材35として金属製ガスケットが使用されている。金属製ガスケットの材料にはニッケルや銅などが適している。固定部材には、鉄や鉄合金、ニッケルメッキした鉄や鉄合金、銅、銅合金などが適している。また、固定部材20および封止部材18、中間部材35には、互いに接合される2つの部材の一方あるいは両方の面に、自己拡散係数の高い金属たとえば金や銀、銅、これらの材料の少なくとも一つを主成分とする合金などが、拡散促進材料の皮膜として形成される。
次に、本発明の他の実施形態について図4を参照して説明する。
回転陽極型X線管を構成する真空容器41は、外径の大きいたとえば金属製径大部41aおよびこれよりも外径の小さいたとえば絶縁物製径小部41bなどから構成されている。径大部41aの一部にX線を通すX線窓41wが設けられ、径小部41bは2重円筒構造になっている。
径大部41aの前面中央の第1開口領域に第1高電圧供給機構42、いわゆる陽極用リセプタクルが固定されている。中央から図示右側にずれた第2開口領域に第2高電圧供給機構43、いわゆる陰極用リセプタクルが固定されている。中央から図示左側にずれた第3開口領域に真空排気管44が固定されている。
第1高電圧供給機構42は第1開口領域を囲む第1壁部分45に固定されている。第2高電圧供給機構43は固定部材46に固定され、固定部材46を介して第2開口部分の環状第2壁部分47に固定されている。
固定部材46は、第2高電圧供給機構43が固定された領域から外側にフランジ状に広がり、その周辺部が第2壁部分47に固定されている。たとえば、第2壁部分47の図示上面に、径の大きさが相違する複数の環状凹部48が同心的に形成され、その1つの凹部48、たとえば外側に位置する凹部48に中間部材 (図示せず)を配置し、さらに、第2壁部分47の開口を封止するように固定部材46を配置する。そして、固定部材46のばか穴構造の貫通穴を通して第2壁部分47のねじ穴にボルト49をねじ込み締め付ける。このときボルト49の頭部分が固定部材46に接触し、固定部材46と第2壁部分47が固定される。
この状態で加熱し、固定部材46と中間部材、および、中間部材と第2壁部分47を、それぞれ拡散接合金属組織により高強度に、かつ環状に気密接合する。この場合も、固定部材46および中間部材、第2壁部分47それぞれの互いに接合する部材どうしの一方あるいは両方に拡散促進材料の皮膜が形成される。
また、真空排気管44は固定部材50に固定され、固定部材50を介して第3開口部分を囲む第3壁部分51に固定されている。固定部材50は真空排気管44を固定した領域から外側にフランジ状に広がり、固定部材50の周辺部が第3壁部分51に固定されている。
第3壁部分51の図示上面に、径の大きさが相違する複数の環状凹部52が同心的に形成され、その1つの凹部52、たとえば外側に位置する凹部52に中間部材(図示せず)が配置される。また、第3壁部分51の上に固定部材50が配置され、固定部材50と第3壁部分51がボルト53で締め付けられる。この状態で加熱し、固定部材50および第3壁部分51間を中間部材を介して拡散接合金属組織により高強度に気密接合する。この場合も、固定部材50および第3壁部分51、中間部材それぞれの接合部分の一方あるいは両方に拡散促進材料の皮膜が形成される。
固定部材50のボルト53が通る部分の貫通穴はばか穴で、第3壁部分51にボルト53に合わせたねじ穴が形成されている。ボルト53を第3壁部分51のねじ穴にねじ込んだ際に、ボルト53の頭部分が固定部材50に接触し、固定部材50と第3壁部分51が固定される。
また、真空容器41の径大部41aに陽極ターゲット54が配置されている。陽極ターゲット54は継手部55を介して回転支持体56に連結されている。回転支持体56は回転部分と固定部分とで構成され、回転部分は、たとえば外径の小さな第1筒状回転体57およびこれよりも外径が大きい第2筒状回転体58、第1筒状回転体57と第2筒状回転体58とを繋ぐ筒状連結部59、第2筒状回転体58の外周面に接合された筒状ロータ60などから構成されている。
第2筒状回転体58および筒状ロータ60は真空容器41の径小部41b内に位置している。第2筒状回転体58および筒状連結部59で囲まれた内側に、回転支持体56の固定部分を構成する筒状固定体61が嵌合している。
固定体61の図示上端は第1高電圧供給機構42に固定され、図示下端は真空容器41の径小部41bを貫通し、真空容器41外まで伸びている。また、回転支持体56の回転部分を構成する第1筒状回転体57と、固定部分を構成する固定体61との嵌合部分などに動圧式すべり軸受(図示せず)が形成されている。そして、固定体61内側に有底円筒状のたとえばセラミクス部材からなるパイプ62が嵌合している。
パイプ62の図示上端面は第1高電圧供給機構42に固定され、図示下端は真空容器41の径小部41bの下端とほぼ同じ位置まで伸びている。パイプ62内部の空洞部分は冷却媒体が流れる冷却用通路を形成する。たとえば空洞内に仕切壁63が設けられ、矢印Y1に示すように、冷却媒体は仕切壁62の右側を上昇し、矢印Y2に示すように仕切壁62の左側を下降する。
また、第2高電圧供給機構43に陰極構体64が固定され、真空容器41の径小部41b外側に誘導電磁界を発生するコイル65が配置されている。
上記の構成で、第1高電圧供給機構42を通してたとえば正の高電圧が真空容器41内に供給される。この正の高電圧は、固定体61および動圧式すべり軸受の液体金属潤滑材、第1筒状回転体57、継手部55を経て陽極ターゲット54に加えられる。また、第2高電圧供給機構43を通して陰極構体64にたとえば負の高電圧が供給される。これに合わせて、コイル65に電流を流して誘導電磁界を発生させ、陽極ターゲット54を回転させる。この状態で、陰極構体64から陽極ターゲット54に電子ビームを照射し陽極ターゲット54からX線を放出させる。放出されたX線はX線窓41wから外部に取り出される。
上記した構成によれば、X線管の構成部品たとえば真空排気管44や陰極構体64が固定部材50、46に取り付けられ、固定部材50、46と真空容器の壁部分51、47がそれぞれ中間部材を介して、散接合金属組織により部分的に気密接合している。そのため、真空排気管44や陰極構体64を固定したフランジ部50、46を真空容器41から容易に分離することができ、真空容器41の残り部分、あるいは真空容器41に固定された陽極部分などの構成部品を確実に再使用できる。
次に、本発明の他の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、真空容器の壁部分たとえば封止部材と固定部材との接合部分を、線a1−a1で示した中心部からその右半分を抜き出した図で、図1および図2に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明は一部省略する。
図5(a)に示すように、固定部材70の封止部材18側の面に突出部71が環状に形成されている。封止部材18には、突出部71よりも外側の位置にねじ穴72が形成されている。そして、固定部材70に設けられたばか穴構造の貫通穴73を通して封止部材18のねじ穴72にボルト21をねじ込み、突出部71の先端711と封止部材18を強固に接触させる。この状態で、加熱し、固定部材70の先端711と封止部材18を拡散接合金属組織により気密接合する。この場合、気密接合する固定部材70の突出部71と封止部材18の一方あるいは両方に、予め、拡散促進材料の皮膜が形成される。
なお固定部材70の分離は、上記した各実施形態と同様の方法で行われる。
次に、分離した固定部材70に代えて、新しい固定部材を接合する場合、図5(b)に示すように、取り換え用の新固定部材70aを準備する。新固定部材70aには、点線で仮に示されている旧固定部材70の突出部71の位置よりも内側に、同じ高さの突出部71aが環状に形成されている。
そして、旧固定部材70を分離する際に損傷した領域Rを避けた封止部材18部分に、新固定部材70aの突出部71aを接触させ、旧固定部材70の場合と同様の方法で、拡散接合金属組織により気密接合する。
次に、本発明の他の実施形態について図6を参照して説明する。図6は、封止部材と固定部材との接合部分を、線a2−a2で示した中心部からその右半分を抜き出した図で、図1および図2に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明を一部省略する。
図6(a)に示すように、固定部材80の封止部材18側の面に、第1および第2の2つの突出部81a、81bが同心的に、かつ環状に形成されている。この場合、中心部に近い内側の第1突出部81aの方が、中心部から遠い外側の第2突出部81bよりも高さが低くなっている。
そして、固定部材80を封止部材18に接合する場合、まず、外側の第2突出部81bの先端を封止部材18に接触させ、同時にボルト21で固定する。その後、加熱し、突出部81bの先端と封止部材18を拡散接合金属組織により気密接合する。この場合も、互いに接合する突出部81bおよび封止部材18の一方あるいは両方に、予め、拡散促進材料の皮膜を形成する。
なお固定部材80の分離は、上記した各実施形態と同様の方法で行われる。
その後、固定部材80を分離した部分に新しい固定部材を接合する場合、図6(b)に示すように、取り換え用の新固定部材80aが準備される。この場合、新固定部材80aは先に分離された旧固定部材80と同じ形状をしている。また、封止部材18の固定部材80a側の面で、旧固定部材80の第2突出部81bが接合していた領域に凹部82を形成する。
そして、新固定部材80aの第1突出部81aの先端を封止部材18に接触させる。このとき、第2突出部81bはその先端が凹部82に収納され、第1突出部81aと封止部材18が接触する。この状態で、加熱し、新固定部材80aと封止部材18を拡散接合金属組織により気密接合する。この場合も、接合前に、新固定部材80aおよび封止部材18の各接合領域の一方あるいは両方に拡散促進材料の皮膜が形成される。
なお、図5や図6では、固定部材に突出部を形成している。しかし、封止部材の方に突出部を形成する構造にすることもできる。
次に、本発明の他の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、封止部材および固定部材の接合部分について、線a3−a3で示した中心部からその右半分を抜き出した図で、図1および図2に対応する部分に同じ符号を付し、重複する説明は一部省略する。
この実施形態の場合、たとえば封止部材18の一部、たとえばその端部18aが図示上方に伸び、固定部材90を囲む形状になっている。一方、真空排気管などを固定した固定部材90の端面90aは傾斜し、封止部材18の凹部19a、19b側に徐々に薄くなっている。そして、封止部材18の端部18aに設けられたねじ穴91に押しねじ92がねじ込まれている。このとき、押しねじ92の先端が固定部材90の端面90aに接触して、固定部材90に図示下方に向う力が作用し、凹部たとえば符号19b内に収納された中間部材31と固定部材90が強固に接触し、同時に中間部材31と封止部材18が強固に接触する。
この状態で、加熱し、固定部材90と中間部材31を拡散接合金属組織により気密接合し、同時に、中間部材31と封止部材18を拡散接合金属組織により気密接合する。この場合も、接合前に、固定部材90および中間部材31、封止部材18の各接合部分の一方あるいは両方に拡散促進材料の皮膜が形成される。
なお、固定部材90の分離、および、新しい固定部材の取り付けなどは、上記した各実施形態と同様の方法で行われる。
上記の各実施形態は、真空排気管や陰極構体を固定した固定部材と真空容器の壁部分を、直接あるいは中間部材を介して拡散接合金属組織により気密接合し、真空排気管や陰極構体を固定した固定部材を交換できるようにしている。しかし、陽極支持体や通電ゲッター、X線窓などを固定部材に固定し、その固定部材を真空容器の壁部分に同様の方法で気密接合すれば、寿命に到達した陽極支持体や通電ゲッター、X線窓などを容易に交換できる。
また、上記した実施形態はX線管の場合で説明している。しかし本発明はX線管以外の電子管、たとえばX線イメージ管や送信管、高周波パワー出力管、マグネトロン、ジャイラトロン、陰極線管などの真空封じ管、あるいは、サイラトロンやインコアモニター、比例計数管、レーザ管、プラズマディスプレイ装置などのガス封じ管などにも適用できる。
たとえばイメージ管において、真空排気管、あるいはアンチモンやアルカリ金属などの光電面材料導入管を固定部材に固定し、固定部材と真空容器の壁部分を上記したと同様の方法で気密接合すれば、真空排気管や光電面材料導入管が寿命になった時点で、これらを別の構成部品に交換できる。また、真空排気管や光電面材料導入管など複数の構成部品を共通の固定部材に固定すれば、固定部材の数および接合部分の数が少なくなり、コストを軽減できる。
また、中間部材は、図1や図2に示したように必ずしも凹部内に配置する必要はない。たとえば固定部材および真空容器壁部分の平坦な面どうしの間に中間部材を配置し、固定部材と中間部材および真空容器壁部分と中間部材を、それぞれ拡散接合金属組織により気密接合する構造にすることもできる。
11…真空容器
11a…金属容器
11b…ガラス容器
11c…ガラス容器
17…金属リング
18…封止部材
19…凹部
20…固定部材
21…ボルト
22…陰極構体
23…陽極ターゲット
24…陰極支持体
25…真空排気管
27…陽極支持体

Claims (5)

  1. 電子管を構成する真空容器の一部を構成する第1部材と、この第1部材と気密に接合される第2部材とを具備した電子管の気密接合構造において、前記第1部材に環状突出部を設け、前記第1部材の環状突出部の先端と前記第2部材を拡散接合金属組織で気密接合したことを特徴とする電子管の気密接合構造。
  2. 電子管を構成する真空容器の一部を構成する第1部材と、この第1部材と気密に接合される第2部材とを具備した電子管の気密接合構造において、前記第2部材に環状突出部を設け、前記第2部材の環状突出部の先端と前記第1部材を拡散接合金属組織で気密接合したことを特徴とする電子管の気密接合構造。
  3. 前記第1部材と前記第2部材とをボルトで固定したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電子管の気密接合構造。
  4. 環状突出部が同心的に複数設けられ、外側に位置する環状突出部の方がその内側に位置する環状突出部よりも高く形成されている請求項1または請求項2記載の電子管の気密接合構造。
  5. 前記第2部材に電子管の構成部品が固定されている請求項1または請求項2記載の電子管の気密接合構造。
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