JPH05295054A - 防振材用組成物 - Google Patents

防振材用組成物

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JPH05295054A
JPH05295054A JP12406092A JP12406092A JPH05295054A JP H05295054 A JPH05295054 A JP H05295054A JP 12406092 A JP12406092 A JP 12406092A JP 12406092 A JP12406092 A JP 12406092A JP H05295054 A JPH05295054 A JP H05295054A
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JP
Japan
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polymer segment
vibration damping
composition
block copolymer
damping material
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP12406092A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuo Koshimura
克夫 越村
Hozumi Sato
穂積 佐藤
Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Yoshiki Tamaizumi
美喜 玉泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブチルゴムと同等の優れた防振性能を有し、
しかも、生産性の高い防振材用組成物を提供すること、
高温環境下においても十分な防振性能が発現される防振
材用組成物を提供することにある。 【構成】 ガラス転移点が−40℃以下のイソブチレン
系重合体セグメントAと、ガラス転移点が+50℃以上
の重合体セグメントBとにより構成されるブロック共重
合体が主成分として含有されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防振材用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車工業、建設、産業機械、コ
ンピュータ機器など、振動や騒音が問題となるあらゆる
分野において、振動の伝達を絶縁する防振性および振動
自体を抑制する制振性(以下、両者を単に「防振性能」
という。)を有する防振材が使用されている。ここで、
防振材に用いられるゴム材料としては、天然ゴム(N
R)、NRとスチレン−ブタジエンゴム(SBR)との
ブレンドゴム、NRとブタジエンゴム(BR)とのブレ
ンドゴム、ブチルゴム(IIR)などが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ゴム材料を防振材料として用いる場合においては、それ
ぞれ以下のような問題がある。 (1)天然ゴムをベースとするゴム材料(上記)は、
力学的損失正接(tanδ)が小さく、自動車工業の分
野などにおいて要求される防振性能を十分に満足するも
のではない。 (2)ブチルゴム(上記)は、力学的損失正接が大き
く、低周波数領域の振動絶縁性が高いので、天然ゴムを
ベースとするゴム材料に比べて良好な防振性能を有す
る。しかし、ブチルゴムを防振材料として用いる場合に
は、当該ブチルゴムを加硫しなければならない。然る
に、ブチルゴムの加硫速度は一般的に遅く、当該ブチル
ゴムについて良好な性能を発現させるためには、高温で
長時間の熱履歴を与えなければならない。従って、防振
材料としての生産性が極めて低く、防振材を工業的に生
産するにあたって好ましい材料とはいいがたい。また、
ブチルゴムの力学的損失正接は高温条件下で著しく低下
する。従って、高温環境下における防振ゴムとして、当
該ブチルゴムを好適に用いることはできない。
【0004】一方、加硫が不要で生産性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物として、高いガラス転移点を有す
る重合体セグメントと、低いガラス転移点を有する重合
体セグメントとにより構成されるブロック共重合体が知
られている。しかしながら、このような熱可塑性エラス
トマー組成物は、十分な防振性能を有するものではな
く、防振材を構成する材料として好適に使用できるもの
ではない。
【0005】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものであって、本発明の第1の目的は、ブチルゴムと
同等の優れた防振性能を有し、しかも、生産性の高い防
振材用組成物を提供することにある。本発明の第2の目
的は、高温環境下においても十分な防振性能が発現され
る防振材用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の防振材用組成物
は、ガラス転移点が−40℃以下のイソブチレン系重合
体セグメントAと、ガラス転移点が+50℃以上の重合
体セグメントBとにより構成されるブロック共重合体が
主成分として含有されてなることを特徴とする。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明を構
成するブロック共重合体は、ガラス転移点が−40℃以
下のイソブチレン系重合体セグメントA(以下、単に
「重合体セグメントA」ともいう。)と、ガラス転移点
が+50℃以上の重合体セグメントBとよりなるもので
ある。
【0008】重合体セグメントAは、ガラス転移点が−
40℃以下のイソブチレン系のセグメントである。ここ
に、重合体セグメントAとしては、イソブチレンの単独
重合体セグメントであってもよいが、イソブチレンと、
これと共重合可能なカチオン重合性モノマーとの共重合
体セグメントであってもよい。なお、この場合におい
て、共重合体セグメント中におけるイソブチレンの割合
は50重量%以上とされる。また、共重合体セグメント
を構成するカチオン重合性モノマーは、当該共重合体セ
グメントのガラス転移点が−40℃以下に維持される範
囲内で、その1種または2種以上を用いることができ
る。
【0009】イソブチレンと共重合可能なカチオン重合
性のモノマーとしては、例えば炭素数3〜12のオレフ
ィン類、共役ジエン類、ビニルエーテル類、芳香族ビニ
ル化合物類、ビニルシラン類およびアリルシラン類など
から選ばれるものを挙げることができる。これらのう
ち、炭素数3〜12のオレフィン類または共役ジエン類
が好ましい。斯かるカチオン重合性モノマーの具体例と
しては、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニル
シクロヘキサン、ブタジエン、イソプレン、シクロペン
タジエン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチル
スチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジ
クロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメ
チルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビ
ニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビ
ニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,
3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、
アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラ
ン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメト
キシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロ
ロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチ
ルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチル
ジメトキシシランなどを挙げることができる。これらの
うち、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、スチレ
ン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンが好
ましい。
【0010】重合体セグメントBは、ガラス転移点が+
50℃以上の(共)重合体セグメントである。斯かる重
合体セグメントBを得るためのモノマーとしては、カチ
オン重合性モノマー、アニオン重合性モノマーのいずれ
であってもよい。
【0011】重合体セグメントBを構成するカチオン重
合性モノマーの具体例としては、上記重合体セグメント
Aを構成するものとして例示した上記カチオン重合性モ
ノマーと同様のものを挙げることができ、特に好ましい
ものとして、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチル
スチレン、モノクロロスチレンなどの芳香族ビニル化合
物類やインデンを挙げることができる。これらカチオン
重合性モノマーを用いて重合体セグメントBを構成する
場合、単独で重合体セグメントを構成していてもよい
し、2種以上で共重合体セグメントを構成していてもよ
い。
【0012】重合体セグメントBを構成するアニオン重
合性モノマーとしては、例えば炭素数3〜12のオレフ
ィン類、共役ジエン類、芳香族ビニル化合物および(メ
タ)アクリル酸エステル類などから選ばれるものを挙げ
ることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エ
ステル類から選ばれるアニオン重合性モノマーが好まし
い。(メタ)アクリル酸エステル類から選ばれるアニオ
ン重合性モノマーの具体例としては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、
n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、
n−ヘキシルアクリレート、2−メチルペンチルアクリ
レート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシ
ルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、n−
オクタデシルアクリレート、n−エイコシルアクリレー
ト;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト、n−ドデシルメタクリレート、n−オクタデシルメ
タクリレート;メトキシエチルアクリレート、エトキシ
エチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エ
トキシプロピルアクリレート、メトキシエチルメタクリ
レートなどを挙げることができる。
【0013】これらアニオン重合性モノマーを用いて重
合体セグメントBを構成する場合、単独で重合体セグメ
ントを構成していてもよいし、2種以上で共重合体セグ
メントを構成していてもよい。
【0014】本発明の防振材用組成物を構成するブロッ
ク共重合体は、常法により、重合体セグメントAの重合
を行った後、重合体セグメントBを構成するモノマーを
逐次添加することにより得ることができる。
【0015】重合体セグメントBを構成するモノマーと
してカチオン重合性モノマーを用いる場合、ブロック共
重合体の合成方法としては、例えば、Kennedyら
により報告されている公知の方法〔J.Polym.S
ci.,PartA:Polym.Chem 29,4
27−435(1991)〕に従って、1,4−ビス
(2−メトキシ−2−プロピルベンゼン)、四塩化チタ
ンおよびN−ジメチルアセトアミドからなる開始剤成分
を用いて重合体セグメントAの重合を行った後、重合体
セグメントBを構成するカチオン重合性モノマーを逐次
添加するという方法を挙げることができる。
【0016】また、重合体セグメントBを構成するモノ
マーとしてアニオン重合性モノマーを用いる場合、ブロ
ック共重合体の合成方法としては、例えば、α,ω−ジ
(tert−クロロ)ポリイソブチレンのポリマー末端
に、フリーデルクラフト反応によりトルエンを付加し、
更にsec−BuLiを反応させてα,ω−ジベンジル
リチオポリイソブチレンマクロイニシエーターを調製
し、(メタ)アクリル酸エステル重合体セグメントとの
共重合を行うという、Kennedyらの方法〔Pol
ymeric Materials Science
and Engineering,64,40(199
1)〕を挙げることができる。
【0017】本発明を構成するブロック共重合体におい
て、重合体セグメントAと重合体セグメントBの配列
は、特に限定されるものではなく任意の配列形状をとる
ことができる。例えば、(重合体セグメントA−重合体
セグメントB)p 、(重合体セグメントA−重合体セグ
メントB−重合体セグメントA)q 、(重合体セグメン
トB−重合体セグメントA−重合体セグメントB)r 〔p、qおよびrは、任意の整数で示される繰り返し単
位数である。〕で表される直鎖状配列であってもよく、
また、重合体セグメントA(B)を核とし、重合体セグ
メントB(A)を分岐鎖とする多分岐星型形状の配列で
あってもよい。
【0018】本発明を構成するブロック共重合体におい
て、重合体セグメントAと重合体セグメントBの割合と
しては、「重合体セグメントA:重合体セグメントB
(重量比)」が40:60〜95:5であることが好ま
しく、更に好ましくは50:50〜90:10である。
重合体セグメントAの割合が過大である場合には、得ら
れるブロック共重合体が熱可塑性エラストマーとしての
特徴を具備しなくなる傾向があり、一方、重合体セグメ
ントBの割合が過大である場合には、得られるブロック
共重合体の防振性能が劣り、防振材として好適に使用す
ることができない。
【0019】本発明の防振材用組成物は、上記ブロック
共重合体のみから構成されていてもよいが、上記ブロッ
ク共重合体と熱可塑性樹脂とから構成されるものであっ
てもよい。熱可塑性樹脂が一定の割合で含有されてなる
防振材用組成物は、十分な制振性を有するとともに、耐
衝撃性などの諸物性にも優れたものとなる。
【0020】本発明の防振材用組成物に含有される熱可
塑性樹脂は、ガラス転移点が25℃以上の重合体であ
り、非晶性ポリマー、結晶性ポリマー、液晶ポリマーな
どが含まれる。具体的には、スチレン系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレーン
スルフィド樹脂、PEEK樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル
スルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リブチレン樹脂などを挙げることができる。これらのう
ち、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0021】本発明に有用なスチレン系樹脂としては、
例えばポリスチレン、ポリクロルスチレン、ポリα−メ
チルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン
共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル
酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−ア
クリロニトリル−メタクリル酸メチル共重合体などを挙
げることができる。
【0022】本発明に有用なポリアミド樹脂としては、
例えばナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン
6,12、ナイロン4,6、ナイロン3,4、ナイロン
6,9、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナ
イロン4などがある。またナイロン6/6,10、ナイ
ロン6/6,12、ナイロン6/4,6、ナイロン6/
12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/6,
10、ナイロン6/4,6/6,6、ナイロン6/6,
6/6, 12、ナイロン6/4,6/10、ナイロン6
/4,6/12などの共重合体ポリアミド類を挙げるこ
とができる。さらにナイロン6/6,T(T:テレフタ
ル酸成分)、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸とメタキシリレンジアミンまたは脂環族ジ
アミンとにより得られる半芳香族ポリアミド樹脂、メタ
キシリレンジアミンと上記線状ジカルボン酸とにより得
られるポリアミド樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリ
エーテルアミド樹脂およびポリエステルエーテルアミド
樹脂などを挙げることができる。
【0023】本発明に有用なポリカーボネート樹脂とし
ては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボ
ネート樹脂、脂肪族−芳香族ポリカーボネート樹脂など
を挙げることができる。一般には、2,2−ビス(4−
オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニ
ル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルホン
スルフィドまたはスルホキサイド系などのビスフェノー
ル類を重合して得られる重合体若しくは共重合体であっ
て、必要に応じてハロゲンにより置換されたビスフェノ
ール類を用いた重合体である。ポリカーボネート樹脂の
種類および製造方法については、例えば日刊工業新聞社
発刊(昭和44年9月30日発行)の「ポリカーボネー
ト樹脂」の記載を参照することができる。
【0024】本発明に有用なポリエステル樹脂の代表例
としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PE
T)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチ
レンテレフタレート)(PBT)、ポリ(ペンタメチレ
ンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレ
ート)などの芳香族ジカルボン酸と二価アルコールとか
ら得られるポリエステル樹脂および芳香族ジカルボン酸
と芳香族ジフェノールとから得られる芳香族ポリエステ
ル樹脂である、いわゆるポリアリレート樹脂を挙げるこ
とができる。ポリアリレート樹脂の具体例としては、ビ
スフェノールAとテレフタール酸またはイソフタール酸
とによるポリエステル樹脂およびコポリエステル樹脂を
例示することができる。これらのうち特に好ましいもの
は、PETおよびPBTである。
【0025】以上のような熱可塑性樹脂を含有する防振
材用組成物において、ブロック共重合体と熱可塑性樹脂
との割合は、重量比で3:97〜95:5とされ、好ま
しくは5:95〜90:10、更に好ましくは10:9
0〜90:10とされる。ブロック共重合体の割合が3
重量%未満であると、組成物の防振性能が十分発現され
ず、一方、ブロック共重合体の割合が95重量%を超え
ると、熱可塑性樹脂を含有させることによる物性の向上
効果が十分に発現されない。
【0026】本発明の防振材用組成物には、上記ブロッ
ク共重合体の他に、防振性能を低下させない範囲で添加
剤を配合してもよい。斯かる添加剤としては、例えばカ
ーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バ
リウム、チタン酸カリウム、酸化鉄、クレー、タルク、
シリカ、マイカ、アルミナ、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ウォラストナ
イトなどの無機充填剤、プロセスオイル、アスファルト
等のれきせい物、酸化防止剤、粘着付与剤、架橋剤など
を挙げることができる。ここに、添加剤の配合割合とし
ては、ブロック共重合体100重量部に対して0〜80
重量部とされ、好ましくは1〜50重量部とされる。
【0027】本発明の防振材用組成物は、ブロック共重
合体と、必要に応じて用いられる熱可塑性樹脂および各
種添加剤とを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール
などによって加熱混合することにより製造される。得ら
れる組成物は、ロールや押出機や射出成形機などにより
成形され、防振材として用いられる。
【0028】なお、ブロック共重合体と熱可塑性樹脂と
を加熱混合する際において、これらの配合系に、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸などのカルボキシル基
含有不飽和化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸な
どの酸無水物基含有不飽和化合物、ビニルオキサゾリン
などのオキサゾリン基含有不飽和化合物、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキ
シ基含有化合物を添加してもよい。これらの不飽和化合
物を添加することにより、得られる防振材用組成物の諸
物性を一層向上させることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「重量部」を表す。
【0030】〔実施例I−〕イソブチレンの単独重合
セグメント(重合体セグメントA)と、スチレンの単独
重合セグメント(重合体セグメントB)とからなるブロ
ック共重合体(1)を、Kennedyらにより報告さ
れている公知の方法〔J.Polym.Sci.,Pa
rtA:Polym.Chem 29,427−435
(1991)〕により合成し、ブロック共重合体(1)
よりなる防振材用組成物(以下「組成物I−」とい
う)を製造した。ここに、組成物I−における重合体
セグメントAと重合体セグメントBとの重量比〔重合体
セグメントA:重合体セグメントB〕は61:39であ
る。なお、各重合体セグメントのガラス転移点を、AS
TM D3418に準じて測定したところ、重合体セグ
メントAのガラス転移点は−68℃であり、重合体セグ
メントBのガラス転移点は98℃であった。
【0031】〔実施例I−〕イソブチレンの単独重合
セグメント(重合体セグメントA)と、メタクリル酸メ
チルの単独重合セグメント(重合体セグメントB)とか
らなるブロック共重合体(2)を、Kennedyらに
より報告されている公知の方法〔Polymeric
Materials Science and Eng
ineering,64,40(1991)〕により合
成し、ブロック共重合体(2)よりなる防振材用組成物
(以下「組成物I−」という)を製造した。ここに、
組成物I−における重合体セグメントAと重合体セグ
メントBとの重量比〔重合体セグメントA:重合体セグ
メントB〕は72:28である。なお、各重合体セグメ
ントのガラス転移点を、ASTM D3418に準じて
測定したところ、重合体セグメントAのガラス転移点は
−63℃であり、重合体セグメントBのガラス転移点は
102℃であった。
【0032】<実験例I>組成物I−および組成物I
−の各々を、135℃で5分間の加熱溶融プレスを行
うことにより、厚さ2mmの試験片を作製した。これら
の試験片について、JIS−A型硬度計による硬度の測
定および力学的損失正接(tanδ)の測定を行った。
なお、力学的損失正接(tanδ)は、「Dynami
c Mechanical Thermal Anal
yzer」(ポリマーラボラトリー社製)を用い、周波
数を100Hz、昇温速度を4℃/分として、0℃、2
5℃および80℃の各温度における値を測定した。結果
を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から、組成物I−および組成
物I−は、それぞれ、低温乃至高温の広い温度領域に
おいて力学的損失正接が高く、従って、これらの組成物
は、優れた防振性能を有するものであることが理解され
る。特に、組成物I−は、力学的損失正接の温度変化
が小さく、高温環境下においても十分な防振性能が発現
されるものである。また、これらの組成物は、硬度が低
くて良好なゴム状弾性を有している。更に、これらの特
性は、加硫を実施しなくても発現されるものであって、
防振材としての生産性の点からも優れたものである。
【0035】組成物I−に代えて、以下の「共重合体
I−」〜「共重合体I−」を用い、上記と同様にし
て硬度および力学的損失正接(tanδ)を測定した。 (共重合体I−):スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体「JSRTR2000」(日本合成ゴ
ム(株)製) (共重合体I−):スチレン−エチレン−ブテン−ス
チレンブロック共重合体「Kraton G1650」
(シェル化学(株)製) (共重合体I−):ブチルゴム なお、共重合体I−の試験片は、ブチルゴム「JSR
IIR268」(日本合成ゴム(株)製)100部
と、HAFカーボン50部と、ステアリン酸1部と、加
硫促進剤「ノクセラーTT」(大内新興化学工業(株)
製)1部と、亜鉛華3部と、硫黄1.75部とを配合混
練し、この配合物を150℃で40分間プレス加硫する
ことにより作製した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果から、共重合体I−および共
重合体I−は、力学的損失正接が小さくて十分な防振
性能を有するものではなく、また、硬度が高くて良好な
ゴム状弾性を有するものではない。従って、防振材を構
成する材料として好適に使用できるものではないことが
理解される。一方、共重合体I−は、低温領域での力
学的損失正接は高いものの、高温領域における力学的損
失正接は著しく低下している。また、これらの特性を発
現させるために加硫工程が必須となるので、防振材とし
ての生産性の点においても、組成物I−および組成物
I−に劣るものである。
【0038】〔実施例II−〜および比較例II−〕
実施例I−と同様にしてブロック共重合体(1)を製
造した。次いで、表3に示す配合処方に従って、ブロッ
ク共重合体(1)と、ナイロン6「CAPRON820
2J」と、無水マレイン酸1部と、有機過酸化物「カヤ
ブチル AD40C」0.4部とを配合し、50mm径
の押出機を用いて260℃で混練・成形して試験片を作
製した。
【0039】〔実施例II−〕表4に示す配合処方に従
って、ブロック共重合体(1)20部と、ポリスチレン
樹脂「デンカ GP−1」(電気化学工業(株)製)8
0部とを配合し、50mm径の押出機を用いて220℃
で混練・成形して試験片を作製した。
【0040】〔実施例II−〕表4に示す配合処方に従
って、ブロック共重合体(1)20部と、ポリカーボネ
ート樹脂「A−2200」(出光興産(株)製)80部
と配合し、50mm径の押出機を用いて250℃で混練
・成形して試験片を作製した。
【0041】〔実施例II−〕表4に示す配合処方に従
って、ブロック共重合体(1)20部と、ポリエステル
樹脂「PBTC7000」(テイジン社製)80部と、
を配合し、50mm径の押出機を用いて250℃で混練
・成形して試験片を作製した。
【0042】<実験例II>実施例II−〜および比較
例II−で得られた各試験片の各々について、25℃に
おける力学的損失正接(tanδ)の測定および耐衝撃
性の評価を行った。ここに、力学的損失正接の測定は上
記実験例Iと同様にして行った。また、耐衝撃性の評価
は、一定荷重の重りを1mの高さから落下させ、試験片
の破壊エネルギー(kg・cm)を測定することにより
行った。結果を表3に示す。
【0043】実施例II−〜II−で得られた各試験片
の各々について、上記と同様にして、25℃における力
学的損失正接(tanδ)の測定および耐衝撃性の評価
を行った。結果を表4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表3および表4の結果から理解されるよう
に、実施例II−〜II−で得られた各組成物は、それ
ぞれ、力学的損失正接が高くて優れた防振性能、特に優
れた制振性を有するものである。また、熱可塑性樹脂が
一定の割合で含有されていることにより、良好な耐衝撃
性をも有するものである。そして、これらの特性は加硫
を実施しなくても発現されるものであって、防振材ある
いは制振材としての生産性の点からも優れたものであ
る。これに対して比較例II−で得られた組成物は、ブ
ロック共重合体の含有割合が過少であるため、力学的損
失正接が低くて十分な制振性を有するものではない。
【0047】
【発明の効果】本発明の防振材用組成物は、特定構造の
ブロック共重合体が主成分として含有されているので、
低温乃至高温環境下において優れた防振性能を有してい
る。しかも、これらの防振性能は、加硫を実施しなくて
も発現されるものであって、防振材としての生産性の点
からも優れたものである。
【0048】本発明の防振材用組成物を用いることによ
り、優れた防振性乃至制振性を発揮する防振材を得るこ
とができ、斯かる防振材は、自動車、橋架、建材、洗濯
機、コンピューターのハードディスク、スピーカー、モ
ーター、発電機、エンジンなど、振動や騒音が問題とな
る分野において好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉泉 美喜 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移点が−40℃以下のイソブチ
    レン系重合体セグメントAと、ガラス転移点が+50℃
    以上の重合体セグメントBとにより構成されるブロック
    共重合体が主成分として含有されてなることを特徴とす
    る防振材用組成物。
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