JPH05295030A - ビニル系重合体の製造法 - Google Patents

ビニル系重合体の製造法

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JPH05295030A
JPH05295030A JP10317592A JP10317592A JPH05295030A JP H05295030 A JPH05295030 A JP H05295030A JP 10317592 A JP10317592 A JP 10317592A JP 10317592 A JP10317592 A JP 10317592A JP H05295030 A JPH05295030 A JP H05295030A
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JP
Japan
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zirconium dimethyl
group
catalyst
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
Prior art date
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Application number
JP10317592A
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English (en)
Inventor
Katsumi Hirakawa
川 勝 己 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Petrochemical Co Ltd filed Critical Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication of JPH05295030A publication Critical patent/JPH05295030A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/12Esters of monohydric alcohols or phenols
    • C08F220/14Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate

Abstract

(57)【要約】 【構成】 不飽和カルボン酸エステルを触媒に接触させ
て重合させることからなり、使用する触媒が、置換もし
くは無置換のシクロペンタジエン配位子を少なくとも1
つ有し、そしてホウ素元素を含有するアニオン種を対イ
オンとして有するカチオン性IVB族遷移金属化合物から
なるものであることを特徴とする、ビニル系重合体の製
造法。 【効果】 高活性で立体規則性の制御された不飽和カル
ボン酸エステル類重合体を得ることができる。触媒成分
の配位子の構造を変化させることによって生成重合体の
立体規則性を変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ビニル系重合体の新規
な製造方法に関するものである。さらに具体的には、本
発明は、新規のIVB族遷移金属化合物触媒を用いて立体
規則性の制御された不飽和カルボン酸エステル類重合体
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和カルボン酸エステル類の重
合方法、特にメタクリル酸エステル類の重合方法とし
て、ラジカル重合、アニオン重合、グループ移動重合、
イモータル重合等、多く知られている。そして、得られ
る重合体は、透明で物性の優れた成型素材として広く実
用に供されている。一般に、ポリマーの立体規則性や分
子量分布等の一次構造が、材料の熱的性質や成形性等の
物性に大きな影響を与えていると考えられている。そこ
で、ポリマーの立体規則性に着目した数多くの研究がな
されてきた。
【0003】例えば、(イ)t‐BuMgBrを開始剤
に用いると高度にアイソタクチックなポリメタクリル酸
メチル(以下、PMMAと略す)を得ることができるこ
とが(Polym. J., (1986), 18, 1037 )、また、(ロ)
t‐BuLiとAl(Oc)を併用すると高度にシン
ジオタクチックなPMMAを得ることができることが
(Polym. Prep. Jpn.,(1988), 37, 1306)、さらに、
(ハ)TiClとAlRを併用するチーグラー型触
媒においてもシンジオタクチックなPMMAを得ること
ができることが(J. Polym. Sci. B3, (1965) ,105
9)、またさらに、(ニ)有機希土類化合物を用いても
高度にシンジオタクチックなPMMAを得ることができ
ることが(特開平2−258808号公報)知られてい
る。しかし、このような手法では、高度の立体規則性を
得る為には、極低温の実用的でない反応条件が必要であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な触媒
系を用いて、実用的な重合条件下に、効率良く、ポリマ
ーの立体規則性や分子量分布等のポリマーの一次構造の
制御された不飽和カルボン酸エステル類重合体を製造す
る方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
〔発明の概要〕
<要 旨>従って、本発明によるビニル系重合体の製造
法は、不飽和カルボン酸エステルを触媒に接触させて重
合させることからなり、使用する触媒が、置換もしくは
無置換のシクロペンタジエン配位子を少なくとも1つ有
し、そしてホウ素元素を含有するアニオン種を対イオン
として有するカチオン性IVB族遷移金属化合物からなる
ものであること、を特徴とするものである。
【0006】<効 果>本発明によれば、新規のIVB族
遷移金属化合物触媒を用いることにより、高活性で立体
規則性の制御された不飽和カルボン酸エステル類重合体
を得ることができる。また、本手法によれば、配位子の
構造を変化させることにより、立体規則性を変化させる
ことができるので、物性の要求に応じて生成重合体の構
造を変化させることができる。
【0007】〔発明の具体的説明〕 〔触 媒〕 <一般的説明>本発明に用いる触媒は、置換もしくは無
置換のシクロペンタジエン配位子を少なくとも1つ有
し、そしてホウ素元素を含有するアニオン種を対イオン
として有するカチオン性のIVB族遷移金属化合物からな
るものである。ここで、「からなる」とは、これら特定
の成分のみからなる場合の外に、本発明の効果を向上さ
せ、あるいは効果を少なくとも維持し、あるいはそれを
不当に損なわない限り、追加の成分を含んでもよいこと
を意味する。このような触媒は、(a)置換もしくは無
置換のシクロペンタジエン配位子を少なくとも1つ有す
る中性のIVB族遷移金属化合物(詳細後記)と(b)ホ
ウ素化合物(詳細後記)とのイオン化反応によって得る
ことができる。
【0008】<触媒の調製>本発明で使用する遷移金属
化合物触媒成分は、例えば下記のような方法(1)〜
(4)により製造することができる。下記の方法は代表
例であって、従って本発明の触媒成分は、これらの方法
によって得られたもののみに限定されることはない。な
お、下記には、その方法について記載する文献名も併記
されている。これらの文献はあくまでも参考的なもので
あって、よって本発明はその各文献に具体的に開示され
る方法ないし化合物に限定されないことは言うまでもな
い。
【0009】下記で、Cpはシクロペンタジエニル基
を、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を、
φはフェニル基を、φはペンタフルオロフェニル基を
それぞれ示すものである。 (1) プロトンと反応しうる置換基を有するシクロペ
ンタジエニル遷移金属化合物と、ブレンステッド酸とホ
ウ素元素含有アニオンからなるホウ素含有塩とを反応さ
せる方法(特表平1−501950号、特表平1−50
2036号各公報等)。例えば、
【0010】
【化1】 で例示できる。
【0011】(2) 中性のメタロセンと、活性プロト
ンを含有せずかつカルボニウム、オキソニウム、スルホ
ニウム等のカチオンおよびホウ素元素を含有するアニオ
ンからなるイオン化イオン性化合物とを反応させる方法
(特開平3−207703号公報等)。例えば、
【0012】
【化2】 を例示できる。
【0013】(3) 中性のメタロセン化合物と、酸化
性カチオンおよびホウ素元素含有アニオンからなる化合
物との一電子酸化による方法(J. Am. Chem. Soc. (198
7),109, 4111, Orgamometallics, (1989), 8 , 2892各
公報等)。例えば
【0014】
【化3】 を例示できる。
【0015】(4) 中性のメタロセン化合物と、ルイ
ス酸性の強い中性のホウ素元素含有化合物とのイオン化
反応による方法(J. Am. Chem, Soc. (1991), 113 ,362
3 )。例えば
【0016】
【化4】
【0017】を例示できる。 <(a)置換または無置換のシクロペンタジエン配位子
を少なくとも1つ有する中性のIVB族遷移金属化合物>
この化合物は、次の一般式(I)で表わすことができる
ものである。 (A −Cp)(A −Cp)MQ (I) ここで、Cpは、シクロペンタジエニル基を示し、A
およびAは、それぞれ独立に炭素数1〜12の炭化水
素残基もしくは炭素数1〜12の炭化水素残基を有する
ケイ素基を示す。
【0018】hおよびiは、それぞれ独立に0〜5の整
数を示す。したがって、Ah−Cp(またはA
Cp)は、h(またはi)が0のときは無置換のシクロ
ペンタジエニル基を、h(またはi)が1〜5のときは
置換シクロペンタジエニル基を示す。
【0019】A(またはA)が同一Cpに2個以上
存在するとき(すなわちh(またはi)が2、3、4ま
たは5のとき)は、この2つのA(またはA)はそ
れぞれ二価の基としてCpと結合して当該Cpの二重結
合を共有して縮合六員環を形成していてもよい。すなわ
ち、A −Cp(またはA −Cp)は、置換また
は無置換のインデニル基またはフルオレニル基を包含す
る。
【0020】また、A −CpおよびA −Cp
は、両者を架橋する結合性基、例えば(イ)メチレン
基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメ
チレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基
等のアルキレン基、(ロ)シリレン基、ジメチルシリレ
ン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリ
レン基、(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素ある
いはアルミニウムを含む炭化水素基、を介して相互に結
合して架橋配位子を形成してもよい。kは、0〜2の整
数を示し、jは、1から2の整数を示す。
【0021】Mは、IVB族の遷移金属元素、具体的には
Ti、ZrおよびHfから選ばれるもの、を示す。Q
は、水素原子、炭素数1〜12の炭化水素残基、または
炭素数1〜12の炭化水素残基を有するケイ素置換炭化
水素残基、である。Qは、水素原子、炭素数1〜12
の炭化水素残基、炭素数1〜12の炭化水素残基を有す
るケイ素置換炭化水素残基、炭素数1〜12のアルコキ
シもしくはアリロキシ基、または炭素数1〜12のアミ
ド基である。mは1〜3の整数を示し、nは0〜1の整
数を示す。QおよびQは、相互に結合してメタロサ
イクルを形成しても良く、また、QとA −Cp
(またはQとA −Cp)とが相互に結合していて
も良い。j+k+m+n=4である。
【0022】下記は、このような遷移金属化合物の非制
限的具体例である。 (1)ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジハイド
ライド、(2)ビスシクロペンタジエニルジルコニウム
ジメチル、(3)ビスシクロペンタジエニルジルコニウ
ムジエチル、(4)ビスシクロペンタジエニルジルコニ
ウムジイソブチル、(5)ビスシクロペンタジエニルジ
ルコニウムジフェニル、(6)ビス(メチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、(7)ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(8)ビス(n‐ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(9)ビス(t‐ブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(10)ビス(シクロ
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、
【0023】(11)ビス(トリメチルシリルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、(12)ビス(フェ
ニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(13)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、(14)ビス(トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(15)ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(16)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(17)ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジメチル、(18)(シクロペンタジエニル)(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、(19)(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(20)メチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
【0024】(21)イソプロペニルビス(インデニル)
ジルコニウムジメチル、(22)エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、(23)エチレンビス(4,
5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジ
メチル、(24)エチレンビス(2‐メチルインデニル)
ジルコニウムジメチル、(25)エチレンビス(3‐メチ
ルインデニル)ジルコニウムジメチル、(26)エチレン
ビス(4‐メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
(27)エチレンビス(2,3ジメチルインデニル)ジル
コニウムジメチル、(28)エチレンビス(4,7ジメチ
ルインデニル)ジルコニウムジメチル、(29)ジメチル
シリレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、
(30)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7‐テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル、
【0025】(31)ジメチルシリレンビス(2‐メチル
インデニル)ジルコニウムジメチル、(32)ジメチルシ
リレンビス(3‐メチルインデニル)ジルコニウムジメ
チル、(33)ジメチルシリレン(ビステトラメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(34)ジメ
チルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(35)ジメチルシリレンビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
(36)ジメチルシリレンビス(t‐ブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、(37)ジメチルシリ
レンビス(t‐ブチル,メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、(38)ジメチルシリレンビス
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジメチル、(39)ジフェニルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジメチル、(40)ジフェニルシリレン
ビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジル
コニウムジメチル、
【0026】(41)イソプロピリデン(シクロペンタジ
エニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(42)イソプロピリデン(シクロペン
タジエニル)(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、(43)イソプロピリデン(シクロペン
タジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル、
(44)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9
‐フルオレニル)ジルコニウムジメチル、(45)イソプ
ロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(9‐フル
オレニル)ジルコニウムジメチル、(46)ジフェニルメ
チレン(シクロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)
ジルコニウムジメチル、(47)シクロヘキシリデン(シ
クロペンタジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウ
ムジメチル、 (48)ジメチルシリレン(シクロペンタ
ジエニル)(9‐フルオレニル)ジルコニウムジメチ
ル、(49)シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチ
ル、(50)ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニ
ウムトリメチル、
【0027】(51)ペンタメチルシクロペンタジエニル
ジルコニウムトリベンジル、(52)メチレン(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)(t‐ブチルアミド)ジル
コニウムジメチル、(53)エチレン(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)(t‐ブチルアミド)ジルコニウム
ジメチル、(54)エチレン(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)(メチルアミド)ジルコニウムジメチル、
(55)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)(t‐ブチルアミド)ジルコニウムジメチル、
(56)テトラメチルジシリレン(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)(t‐ブチルアミド)ジルコニウムジメ
チル、(57)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)(フェニルアミド)ジルコニウムジメチ
ル、(58)ジメチルシリレン(インデニル)(t‐ブチ
ルアミド)ジルコニウムジメチル、(59)ジメチルシリ
レン(9‐フルオレニル)(t‐ブチルアミド)ジルコ
ニウムジメチル、および(60)これらのジルコニウム化
合物のジルコニウムをチタニウムまたはハフニウムにか
えた化合物。
【0028】これらの化合物の中で好ましいものは、シ
クロペンタジエン配位子(A −Cp)と他の配位子
との間に炭素数1〜4のアルキレン基もしくはSi基に
よる架橋を有する構造のものである。さらに好ましいも
のは、中心金属がジルコニウムのものである。この成分
は、単独で用いても良いが、複合させて用いてもよい。
またさらに、不活性担体に担持させて用いることもでき
る。
【0029】<(b)ホウ素化合物>上記の(a)遷移
金属化合物と共に本発明の触媒成分を構成するホウ素化
合物は、イオン化反応の種類によって最適なものが異な
るが、反応してカチオン性IVB族遷移金属の対アニオン
となった際に、配位しないかあるいはゆるくしか配位し
ないホウ素元素含有アニオン種を形成するものの中から
選択される。
【0030】具体的には、 (i) 一般式(BArAr) で表わされる
ボレートアニオン。(ここで、Bは原子価3のホウ素原
子を、ArおよびArはそれぞれ独立に炭素数6〜
20の芳香族もしくは置換芳香族炭化水素基(これら
は、互いに架橋していてもよい)を示す。XおよびX
はそれぞれ独立に水素原子、ハライド、炭素数1〜2
0の炭化水素残基もしくはハロゲン置換炭化水素残基で
ある。)
【0031】(ii)一般式((CX(BX
c− で表わされる(カル)ボレートアニオン。
(ここで、Cは炭素原子を、Bはホウ素原子を示す。ま
た、X、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、
ハライド、炭素数1〜20の炭化水素残基を示す。aお
よびbは0〜6までの整数を、cは0〜3までの整数を
示す。a+b+cは2〜8までの偶数の整数であり、p
は5〜22までの整数である。)
【0032】(iii) 一般式〔{((CX(B
10 f−r+g−で表わされるメ
タレートアニオン。(ここで、Cは炭素原子を、Bはホ
ウ素原子を、Mは遷移金属を示す。また、X,X
よびX10はそれぞれ独立に水素原子、ハライド、炭素数
1〜20の炭化水素残基を示す。dおよびeは0〜6ま
での整数を、fは2〜4までの整数を示す。d+e+f
は4〜8までの偶数の整数、qは6〜12までの整数、
gはg=2C−rなる関係式のなりたつ1〜3までの整
数である。)を例示することができる。
【0033】このようなホウ素元素含有アニオンとして
好ましいものは、 (イ)前記(i) に属するボレートアニオン、例えば
(1)テトラフェニルボレート、(2)テトラ(p‐ト
リル)ボレート、(3)テトラ(o‐トリル)ボレー
ト、(4)テトラ(m,m‐ジメチルフェニル)ボレー
ト、(5)テトラ(p‐フルオロフェニル)ボレート、
(6)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、(7)テトラキス(m,m‐ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル)ボレート、(8)メチルトリフェニルボ
レート、(9)メチルトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート等。
【0034】(ロ)前記(ii)に属する(カル)ボレート
アニオン、例えば(1)ドデカボレート、(2)1‐カ
ルバウンデカボレート、(3)1‐カルバドデカボレー
ト、(4)7,8ジカルバウンデカボレート、(5)ト
リデカハイドライド‐7‐カルバウンデカボレート等。
【0035】(ハ)前記(iii)に属するメタレート、例
えば(1)ビス(ウンデカハイドライド‐7,8‐ジカ
ルバウンデカボレート)コバルテート(III )、(2)
ビス(7,8‐ジカルバウントデカボレート)ニッケレ
ート(III )、(3)ビス(7,8‐ジカルバウンデカ
ボレート)フェレート(III )等である。さらに好まし
いものは、(i) の中のテトラアリルボレートである。
【0036】<成分量>本発明の触媒を製造するにあた
り、(a)中性のIVB族遷移金属化合物と(b)ホウ素
化合物との量比は、前記の触媒調製法によって異なる
が、好ましくは、(a)/(b)のモル比が0.05〜
20の範囲内、さらに好ましくは0.25〜4の範囲
内、である。
【0037】<触媒の改変>本発明の触媒は、反応生成
物のまま単味で重合に用いることもできるが、適切な支
持体に担持させて用いることもできる。この際の適切な
支持体としては、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、
塩化マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機担体やポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリマ
ー担体がある。またさらに、本発明の触媒は、炭素数2
〜8のα‐オレフィンで予備重合を処してから用いるこ
ともできる。
【0038】〔不飽和カルボン酸エステル〕本発明で用
いるモノマーの不飽和カルボン酸エステルは、一般式 で表わされるものである。
【0039】ここで、Rは炭素数1〜20、好ましく
は1〜8、の炭化水素残基を示し、Rは水素原子もし
くは炭素数1〜6、好ましくは水素原子もしくは炭素数
1〜2、のアルキル基を示す。また、sは0〜12まで
の整数、好ましくは0、である。)このような不飽和カ
ルボン酸エステルの具体例には、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘシキル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニ
ル、アクリル酸ベンジル、及びこれらに対応するメタク
リル酸エステルならびにエタクリル酸エステル等があ
る。
【0040】これらの中で最も好ましいものは、メタク
リル酸メチルである。これらの不飽和カルボン酸エステ
ルは、単独だけでなく2種以上併用することができ、そ
してこれらはブロック的にもランダム的にも組み合わせ
て使用することができる。
【0041】〔重合〕重合は、液相ほか公知のいづれの
手法も採用可能である。溶媒を用いる場合は、(イ)ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、
(ロ)n‐ペンタン、n‐ヘキサン、n‐ヘプタン、n
‐パラフィン等の脂肪族炭化水素、(ハ)シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式
炭化水素、さらに(ニ)メチレンクロライド、クロロホ
ルム、クロロベンゼン、o‐ジクロルベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素等の溶媒を用いることができる。重合温
度は一般に−70℃〜150℃、好ましくは0℃〜10
0℃であり、重合圧力は常圧〜50kg/cm2 G、重合時
間は5分〜24時間の範囲で適宜選択される。
【0042】
【実施例】
〔実施例−1〕十分にN置換した100mlガラスフラ
スコに、10mlのトルエンと、Inorg.Chem. (1988), 2
7, 758 に従って合成したエチレンビス(4,5,6,
7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル2
2.4mgを導入し、さらに、トリ(n‐ブチル)アンモ
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
29.4mgを導入し、室温で2時間攪拌した。これに脱
水したメチルメタクリレートを10ml添加し、これを6
0℃にて20分攪拌し、重合させた。反応生成物にメタ
ノールを添加し、ロ過、乾燥することによって2.09
gのポリメタクリル酸メチルを得た。得られたポリマー
の分子量をGPCにより測定し、タクティシティーは13
C−NMR(270Mz)のトライアッドから求めた。そ
の結果を表1に示す。
【0043】〔実施例−2〕実施例−1と同様にして、
ビスペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムジ
メチル17.0mgとJ. Am. Chem. Soc. (1991), 113 ,
8570に従って調製したトリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート31.3mgを
用いて触媒成分を調製し、これにメチルメタクリレート
10mlを添加して、60℃で2時間反応させた。実施例
−1と同様に後処理をして、520mgのポリメタクリル
酸メチルを得た。得られたポリマーの分子量とタクティ
シティーを表1に示す。
【0044】〔実施例−3〕実施例−1と同様にして、
ビスペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムジ
メチル11.8mgと、トリ(n‐ブチル)アンモニウム
テトラフェニルボレート15.1mgを用いて触媒成分を
調製した。予め、トルエン25mlとメチルメタクリレー
ト25mlとを混合し、0℃に冷却した溶液に上記触媒調
製液を全量加え、0℃で3時間反応させた。 重合終
了後、メタノールで重合をクエンチした後にモノマーと
溶媒を留去し、メタノールで再沈して、820mgのポリ
メタクリル酸メチルを得た。得られたポリマーの分子量
とタクティシティーを表1に示す。
【0045】〔実施例−4〕実施例−3と同様にして、
ビスペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムジ
メチル11.8mgと、N,N‐ジメチルアニリニウムテ
トラキス(パラフルオロフェニル)ボレート15.4mg
を用いて、触媒成分を調製した。予め、トルエン50ml
とメタクリル酸メチル25mlを混合し、室温にて、上記
触媒調製溶液を全量加え、室温にて2時間反応させた。
重合終了後、実施例−3と同様にして、950mgのポリ
メタクリル酸メチルを得た。得られたポリマーの分子量
とタクティシティーを表1に示す。
【0046】〔比較例−1〕実施例−3において、トリ
(n‐ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレートを
用いないこと以外は同様に行なった。結果、ポリマーは
得られなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、高活性で立体規則性の
制御された不飽和カルボン酸エステル類重合体を得るこ
とができ、そして、触媒成分の配位子の構造を変化させ
ることによって立体規則性を変化させることができるこ
とから、物性の要求に応じて生成重合体の構造を変化さ
せることができることは、「発明の概要」の項において
前記したところである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸エステルを触媒に接触さ
    せて重合させることからなり、使用する触媒が、置換も
    しくは無置換のシクロペンタジエン配位子を少なくとも
    1つ有し、そしてホウ素元素を含有するアニオン種を対
    イオンとして有するカチオン性IVB族遷移金属化合物か
    らなるものであることを特徴とする、ビニル系重合体の
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001048035A3 (de) * 1999-12-23 2002-02-14 Basell Polyolefine Gmbh Chemische verbindung, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung in katalysatorsystemen zur herstellung von polyolefinen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048035A3 (de) * 1999-12-23 2002-02-14 Basell Polyolefine Gmbh Chemische verbindung, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung in katalysatorsystemen zur herstellung von polyolefinen
US7101940B2 (en) 1999-12-23 2006-09-05 Basell Polyolefine Gmbh Chemical compound, method for the production thereof and its use in catalyst systems for producing polyolefins

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