JPH05294939A - 8−ヒドロキシ−2H−ジベンズ[b,fアゼピン−2−オン系染料 - Google Patents

8−ヒドロキシ−2H−ジベンズ[b,fアゼピン−2−オン系染料

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JPH05294939A
JPH05294939A JP4321386A JP32138692A JPH05294939A JP H05294939 A JPH05294939 A JP H05294939A JP 4321386 A JP4321386 A JP 4321386A JP 32138692 A JP32138692 A JP 32138692A JP H05294939 A JPH05294939 A JP H05294939A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酸/塩基指示薬及び色原性酵素基質として有用
な、新規な一連の2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−
2−オン化合物を提供する。 【構成】次式: 【化12】 (式中、XはCH2 CH2 又はCH=CHであり、Yは
Hであるか又は酵素によって切断されうる基である)で
示される2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン
をベ−スとする化合物ならびにそれらを含浸した分析試
験器具及び分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸/塩基指示薬として
有用であり、加水分解酵素の色原性基質として作用する
8−ヒドロキシ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−
2−オン系染料を包含する。この基質は優れた光学的性
質を有し、低レベルの酵素濃度を測定するのに用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】2,8−ジ置換のジベンズ[b,f]ア
ゼピン類は公知であるがこの群の化合物のうち8個だけ
が文献に報告されているにすぎない。また、2H−ジベ
ンズ[b,f]アゼピン−2−オン類の8例も知られて
いる。それらは、
【0003】2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−
オン、1−クロロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン
−2−オン、1−ブロモ−2H−ジベンズ[b,f]ア
ゼピン−2−オン、1−ニトロ−2H−ジベンズ[b,
f]アゼピン−2−オン、3,6,10−トリヒドロキ
シ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン、1
−アセチル−3,6,10−トリヒドロキシ−2H−ジ
ベンズ[b,f]アゼピン−2−オン、10,11−ジ
ヒドロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オ
ン、4,6,8−トリブロモ−10,11−ジヒドロ−
2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オンである。
【0004】最後に示した化合物は2H−ジベンズ
[b,f]アゼピン−2−オンの8位置換体の唯一の報
告例である。その合成は、Teuber及びSchmidtke による
[ Chem.Ber. 93, 1257(1960)]に記載されている。上記
の2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン類のう
ちいくつかはpHの変化により着色するが、いずれもp
H指示薬ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸/
塩基指示薬として用いるのに好適な、新規な8位置換の
2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン類を提供
することである。この8位にイオン化しうるヒドロキシ
ル基を有することにより、そのような指示薬が生成す
る。酵素によって切断されうる好適な基で該酸/塩基指
示薬化合物を誘導体化して、加水分解酵素の色原性基質
を提供することも本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次式;
【0007】
【化4】
【0008】(式中、XはCH2 CH2 又はCH=CH
であり、YはHであるか又は酵素により切断されうる基
である)で示される2,8−ジ置換2H−ジベンズ
[b,f]アゼピンをベ−スとした化合物を包含する。
【0009】本発明は、pH指示薬及び比色分析の酵素
基質として有用な新規な一連の染料を包含する。これら
の染料は2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン
環系を有し、その最も単純な形は式1及び2の構造で代
表される。
【0010】
【化5】
【0011】構造1は、8−ヒドロキシ−2H−ジベン
ズ[b,f]アゼピン−2−オンであり、酸中ではサ−
モン色(pH=4.98、456nm、ε=7,270)
、塩基中では暗赤色(pH=7.8、574nm、ε=
70,250)であるpH指示薬であって、pKa 値は
6.34である。構造2は、8−ヒドロキシ−10,1
1−ジヒドロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2
−オンであって,酸中では黄色(pH=4.5、478
nm、 ε=19,760)、塩基中では青色(pH=1
0.61、602nm、 ε=65,000)であるpH指
示薬であって、pKa 値は6.95である。
【0012】関連の染料は、式1又は2の芳香環上のY
の水素原子を色々な官能基で置き換えることによって製
造される。このようにして、前記の一般式においてYが
Hでないとき、それは分析対象の対応する特定の酵素に
対する特異性を付与するように選択される酵素によって
切断されうる基を表わす。この、酵素により切断されう
る基Yは、例えば糖及びその誘導体の残基、脂肪族及び
芳香族カルボン酸から誘導されるアシル基、アミノ酸の
残基及びペプチドの残基並びに燐酸及び硫酸などの無機
酸の残基のような、広範ないかなる酵素、特に加水分解
酵素に対する特異性を付与するように選択される酵素特
異的部分を有する化合物Y−OHの残基である。したが
って、本発明は、有用な酸/塩基指示薬であって、その
指示薬が酵素によって切断されうる好適な基Yにより誘
導体化されたときには、臨床的に興味ある種々の酵素の
検出にも用いられる指示薬を提供する。
【0013】それゆえ、YがpH7から11の塩基性溶
液中で特定の酵素によって切断された場合、脱プロトン
化した形の色原体が放出され、本発明の切断されていな
い色原性酵素基質の吸収極大よりも実質的に大きい吸収
極大を有する。はっきりした吸収の変化は容易に目視で
き、かつ検出できる光学的な信号を提供し、この信号は
正確に測定され、液体試料中に存在する酵素の量に関連
する。
【0014】酸性及び塩基性の形態の間の容易に目で確
認できる色の変化並びに低いpKa 値及び大きな吸光係数
により、これらの染料は加水分解酵素の比色分析用基質
に包含されるのに適している。例えば、対応するβ−D
−ガラクトピラノシド(Y−OHがβ−D−ガラクトピ
ラノ−スである)である下記の3及び4は、イムノアッ
セイにおいて指示薬酵素として一般に用いられるグリコ
シダ−ゼであるβ−ガラクトシダ−ゼ(E.C.3.
2.1.23)の比色分析用基質として優れている。
【0015】
【化6】
【0016】酵素により切断されうる他の基による化合
物(1)及び(2)の同様な誘導体化により、他の加水
分解酵素の比色分析用基質が生成する。これらの基質は
特定の加水分解酵素の検出及び検量のための比色指示薬
として、試験器具中に包含させることができる。
【0017】本発明の指示薬化合物の製造はスキ−ムI
に示すとおりである。
【0018】
【化7】
【0019】スキ−ムIを参照して工業的に入手可能な
イミノジベンジル(5)からの化合物(1)の合成を説
明する。このようにして化合物(5)から、2,8−ジ
ブロモイミノジベンジル(6)が最初にKricka及びLedw
ith の方法により製造される(J.Chem.Soc.Perkin I 、
859 (1973))。化合物(6)大過剰のナトリウムメトキ
シドによって処理することにより[Hseih 及びLittの方
法、Macromolecules19、516(1986) ]、2,8−ジメト
キシイミノジベンジル(7)の良好な収量が可能であ
る。化合物(7)の脱水素化により、2,8−ジメトキ
シ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン(8)を得る反
応は、炭素上のパラジウムとともに220℃に熱するこ
とにより中程度の収量で達成される。CH2 Cl2 中で
BBr3 によってメチルエ−テルを開裂すると、ほとん
ど定量的にジオ−ル(9)に転換され、これは単離せず
にすぐに過ヨウ素酸ナトリウムによって酸化されると所
望の生成物(1)となる。
【0020】スキ−ムIIはイミノジベンジル(5)から
化合物(2)を合成する概略を示している。合成の順序
は、ジオ−ルを得るために2,8−ジメトキシイミノジ
ベンジル(7)が脱メチルされ、それに続いてすぐに酸
化されると所望の色原体2が得られることを除いてはス
キ−ムIと同様である。
【0021】
【化8】
【0022】化合物(1)のβ−ガラクトシドの合成の
段階はスキ−ムIII に示した。
【0023】
【化9】
【0024】スキ−ムIII を参照すると、該染料(1)
はキノリン中でアセトブロモガラクト−ス及び酸化銀と
一晩反応させて、保護されたガラクトシド(11)を良
好な収量で得る。保護基をメタノ−ル中でナトリウムメ
トキシドによって加水分解することにより、8−β−D
−ガラクトピラノシロキシ−2H−ジベンズ[b,f]
アゼピン−2−オン(3)、すなわち新規な比色反応性
のβ−ガラクトシダ−ゼ用の色原体が生成する。化合物
(2)のβ−ガラクトシドの合成も基本的に同様であ
る。
【0025】本発明の化合物の芳香族炭素環及びヘテロ
環は、本発明の範囲からそれることなしに種々の置換基
を有することができる。そのような置換基は、所望の色
原性酵素基質としての性質を有する安定な化合物を製造
する当業者の能力によってのみ制限を受けるものであっ
て、置換及び非置換のアルキル、置換及び非置換のアリ
−ル、アルコキシ、アリ−ルオキシ、ハロゲン(例えば
フルオロ、クロロ及びブロモ)、ニトロ及びジアルキル
アミノのような置換アミノ基などの基を含む。
【0026】本発明の色原性化合物において、YがHで
あるとき、それらの化合物はpH指示薬として有用であ
る。これらが色原性基質に誘導体化されたとき、すなわ
ちYが酵素によって切断されうる基に変えられたとき、
pH約7から11までの溶液中でその酵素と接触した場
合、この酵素により切断されうる基Yは酵素によって切
断されて、色原性酵素基質の吸収極大より実質的に大き
な吸収極大を有する解離した形の色原体を放出し、その
吸収極大の比に明確な変化を生じる。したがって、本発
明の化合物は、Yが酵素によって切断されうる基である
ときには、特に検出される酵素標識分析試薬を採用した
分析試験系において有用である。基質化合物と酵素によ
って切断された形の色原体との間の明確なかつ測定可能
な吸収極大の変化は、正確に検出測定することができ、
液体試料中に存在する分析対象物の量に相関性がある。
【0027】本発明によれば、この色原体が酸/塩基指
示薬として用いられるときは、Y基はHであってよく、
あるいは臨床分析化学において遭遇する広範な酵素、特
に加水分解酵素に対する特異性を付与する新規な色原性
酵素基質化合物を提供するような酵素特異的部分であっ
てもよい。酵素により切断されうる特定の基Yの選択は
対象となる特定の酵素に依存する。例えば、測定対象と
なる酵素がグリコシダ−ゼであるとき、Yは特定のグリ
コシダ−ゼのための天然の基質に相当するグリコシド性
の基である。例えば特定のグリコシダ−ゼ酵素に特異的
であるグリコシド基質中に結合されており、その酵素に
よって切断されうるモノ−及びオリゴ−サッカライド、
例えばβ−D−ガラクトピラノ−ス、α−D−ガラクト
ピラノ−ス、β−D−グルコピラノ−ス、α−D−グル
コピラノ−ス及びα−D−マンノピラノ−スなどの残
基、並びにN−アセチルグルコサミン及びN−アセチル
ノイラミン酸などのアミノ糖の残基であるようなグリコ
シドが製造される。その他の好適なグリコシド性の基
は、約2から20、好ましくは2から7個のオリゴサッ
カライド鎖であって、サッカライド鎖切断酵素によって
切断されうるα−1,4グルコシド結合により、例えば
マルトペント−ス、マルトヘキソ−ス及びマルトヘプト
−ス残基のようなモノ−又はオリゴ−サッカライドに結
合したモノサッカライド単位を含み、それらは対応する
グリコシダ−ゼにより順番に切断される。
【0028】酵素によって切断されうる基Yの選択は、
もちろん分析対象の特定の酵素に依存する。このように
して、非特異的エステラ−ゼ酵素の場合には、酵素によ
って切断される基Yはアシル基であって、次式:
【0029】
【化10】
【0030】(式中、Zは低級アルキル又はアリ−ルで
ある)で示される、コリンエステラ−ゼ、アシラ−ゼ又
はリパ−ゼのような非特異的エステラ−ゼの存在を検出
するのに有用な色原性エステルを提供する。本発明の色
原性酵素基質化合物は、また白血球の中に通常見られる
タンパク分解酵素の検出にも用いられる。このような化
合物は、例えばN−トシル−L−アラニンのようなNが
保護されたアミノ酸又は約2から5個のアミノ酸単位か
らなる短いペプチドであるY−OH化合物のY基によっ
て一般式1又は2のHが置換されているエステルであ
る。
【0031】同様に、液体試料中のアルカリホスファタ
−ゼの検出のためには、酵素によって切断されうる基Y
は、化合物Y−OHのY基であって、Y−OHは次式:
【0032】
【化11】
【0033】の色原性リン酸エステルを与えるリン酸で
ある。本発明の色原性酵素基質化合物は,存在する酵素
の量の測定を必要とする分析試験系、特に酵素標識分析
試薬を採用した分析試験系において有用である。そのよ
うな分析試験系では、例えば、一定分画中の酵素標識の
量が測定され、液体試料から得られる分析対象物の量と
相関する、競合法、サンドウイッチ法及び免疫学的技術
として知られている酵素イムノアッセイが開発され、特
異的な結合物質、例えば酵素標識した抗原、ハプテン、
抗体、レクチン、受容体、アビジン及びその他の結合タ
ンパク質及びポリヌクレオチドなどへの使用が、生物学
的液体中の物質の測定に適用されてきた。一般に、酵素
標識された結合物質を含む標識試薬を、結合の程度を測
定するために採用する測定方法は、結合物質、例えば抗
体又は抗原の特定の分析対象物へ結合する能力に依存す
る。一般に、結合の程度は標識された試薬中に存在する
酵素標識の量を測定することにより決定され、このとき
検出された酵素の量は液体試料中に存在する分析対象物
の量と相関する。
【0034】本発明の色原性酵素基質化合物は、色原性
酵素基質化合物を含浸したキャリアマトリックスからな
る分析試験器具に採用され、その際酵素特異的部分の性
質が検出される特定の酵素に依存する分析試験系に特に
有用である。キャリアマトルックスは、本発明の色原性
酵素基質化合物が含浸されうる物質であるなら何でもよ
く、液体分析のための試薬片に用いられるような物質で
よい。そのような素材の例としては、フェルト、多孔性
セラミック片並びに織った又はマット状にしたガラス繊
維を含む。それに代って、木片、織布、海綿状の素材、
合成樹脂フリ−ス及びガラス繊維フェルトもマトリック
ス素材として用いうる。好ましくは、キャリアマトリッ
クスは吸水性の素材、例えば濾紙がよく、この吸水性素
材を色原性酵素基質化合物の溶液に接触させることによ
り、この化合物を含浸させたものがよい。
【0035】好適な実施態様においては、キャリアマト
リックスは色原性酵素基質化合物を含浸させた面又は層
の形の吸水性素材であって、標識された試薬を結合型か
ら遊離型に物理的に分離するための技術上公知の不溶性
分析試薬を採用して、液体環境中で特定の分析が実施さ
れうるものが用いられる。そのような分析系を実施する
にあたり、遊離型を含有する液体の試験最小量を取り出
しキャリアマトリックスに適用すると、このマトリック
スに含浸された色原性酵素基質化合物が、液体試料中の
遊離型の標識試薬の酵素標識と相互作用して、目で見る
ことができ及び/又は分光光度計のような好適な計器で
測定することができる検知可能な色の変化を示す。
【0036】
【実施例】本発明を実施する方法を、さらに以下の実施
例で示す。
【0037】実施例1−化合物の製造 a. 2,8−ジメトキシ−10、11−ジヒドロ−5
H−ジベンズ[b,f]アゼピン(7) 無水メタノ−ル(250ml)中の金属ナトリウム(23
g ;1mol )の溶液に、ジメチルホルムアミド(DM
F)(125ml;4Åのモレキュラ−シ−ブ上で乾
燥)、ヨウ化銅(I)(38g ;199.5mmol)、
2,8−ジブロモ−10,11−ジヒドロ−5H−ジベ
ンズ[b,f]アゼピン(6)(17.9g ;50.7
mmol)を加え[L.Kricka及びA.Ledwitn 、J.Chem.Soc.
Perkin I、859(1973) ]、ついでDMF(125ml)を
追加した。混合物を機械的に撹拌し、加熱し(マント
ル)、一時間還流温度で(内部温度は92℃)4時間加
熱した。約35℃まで冷却した後、銅色の混合物をセラ
イト(Johns-Manville Corp., Denver, CO, U.S.A.)を
通して濾過し、濾取したケ−キを酢酸エチル(EtOA
c ;500 ml)で洗った。合わせた濾液及び洗浄液を
水(2リットル)に混合し、相を分離した。水性相をE
tOAc(各回500ml)によって二回抽出し、ついで
合わせたEtOAc相を、水(500ml)で一度、塩水
(飽和食塩水;500ml)で一度洗浄し、MgSO4
(50g)及びDarco G−60(ICI Americas,I
nc.,Wilmington,DE,U.S.A ;20g )上で乾燥した。この
溶液を、セライトを通して濾過し、減圧下で濃縮して総
容量40−50mlとした。濃縮液を沸騰するまで加熱
し、ヘキサン(約60ml)で希釈し、一晩放置して周囲
の温度まで冷却すると、表記の化合物(7)(7.04
g )が淡褐色の平板状に分離した。母液を第二の収得物
を得るために処理した(1.68g ;総収量は67.6
%)。第一の収得物の一部分を蒸着させて(0.1tor
r;122−4℃浴)白い平板状の分析試料を得た。 mp=123−4℃: IR(KBr)cm-1 3390, 2946, 1510, 1262, 1221, 1
039, 1031, 911, 852,810;1 H NMR(300.12MHz)(DMSO-d6) δ 2.90(s, 4H),
3.64(s, 6H), 6.55-6.65(m, 4H), 6.83(d, J=8.5Hz, 2
H), 7.64(s, 1H) ;13 C NMR(75.47MHz) (DMSO-d6) ppm 151.9, 137.
6, 128.7, 118.7, 115.2, 112.5, 55.2, 34.3; 質量スペクトルm/e 255, 240(ベ−ス), 225, 209, 19
7, 180, 168 分析結果:C1617NO2 計算上の含有量:C, 75.27; H, 6.71; N, 5.49 実際の含有量:C, 75.31; H, 6.54; N, 5.40
【0038】b.2,8−ジメトキシ−5H−ジベンズ
[b,f]アゼピン(8) 2,8−ジメトキシ−10,11−ジヒドロ−5H−ジ
ベンズ[b,f]アゼピン(7)(3.0g ;11.7
5mmol)及び10%パラジウムを担持した炭素(3.0
g )をジフェニルエ−テル(100ml)中に入れ、22
0−222℃の油浴上で2日間加熱し、その間CO2
スの緩やかな流れを混合物中に泡として通過させた。反
応物を冷却し、セライトを通して濾過し、ついでKugelr
ohr の蒸留方法により(0.1torr;110−120
℃)ジフェニルエ−テルを除去すると橙色の結晶状の残
渣(2.52g )が得られた。未反応の化合物(7)を
CHCl3 /ヘキサン(1:3)の最少量から結晶化す
ることにより除去すると、表記の化合物(8)(0.8
8g ;29.5%)が綿毛状の黄色の平板状のものとし
て得られた。その一部をCHCl3 によりシリカゲルカ
ラム上で展開してクロマトグラムにかけ、ついで上述の
ようにして結晶化してmp=204.5−205.5℃
の分析試料を得た。 IR(KBr)cm-1 3360, 1598, 1500, 1474, 1265, 1
227, 1035, 862, 813;1 H NMR(CDCl3)δ;3.73(s, 6H), 4.77(v. br.
s, 1H), 6.4-6.7(m, 8H) ;13 C NMR (DMSO-d6) ppm 154.6, 143.3, 132.4, 13
0.3, 119.9, 115.3, 114.6, 55.2; 質量スペクトルm/e 253 (ベ−ス), 238, 210, 167 分析結果:C1615NO2 計算上の含有量:C, 75.87; H, 5.97; N, 5.53 実際の含有量:C, 76.07; H, 6.31; N, 5.37
【0039】c.8−ヒドロキシ−2H−ジベンズ
[b,f]アゼピン−2−オン(1) CaSO4 乾燥管中で保持しておいた暖めたCH2 Cl
2 (23.5ml、モレキュラーシーブ4Å上で乾燥)中
の、2,8−ジメトキシ−5H−ジベンズ[b,f]ア
ゼピン(8)(1.0g ;3.95mmol)を氷浴中で冷
却し((8)が細かい懸濁物質として分離してくる)、
BBr3 (1.85ml;19.6mmol;5eq)で処理し
た。混合物は直後に青色に変り均質になった。5分後に
氷浴を取り除き、周囲温度で3.5時間この反応物を撹
拌した。この混合物を注意深く水(350ml)に混合し
(HBrが発生してくる)、EtOAc(各回100m
l)で4回抽出した。EtOAc層を合せて塩水(10
0ml)で洗浄し、ついで3口の丸底フラスコに移して、
水(100ml)にNaIO4 (3.0g )を溶解した液
と共に15分間急速に機械的に撹拌した。この間、反応
物は暗赤褐色に変化し、固体が分離してきた。混合物を
濾過し、集めた固形物を水及びEtOAcで十分に洗
い、ついで乾燥して、表記の化合物(1)(0.76g
;86%)を得た。その一部を沸騰DMFから再結晶
させ、ついで130℃で減圧乾燥させて、mp=239
−41℃(dec)の細かい黒色の針状の分析試料を得
た。 IR(KBr)cm-1 3475, 1600, 1555, 1538, 1453, 1
340, 1270, 1230, 1115, 885, 895, 795;1 H NMR (DMSO-d6)δ 6.85(br. s, 2H), 6.95-7.
08(m, 4H), 6.66(br.d, J=7.5Hz, 2H) ; 質量スペクトルm/e 223, 195 (ベ−ス), 178, 166; λmax = 456nm(7,270)(pH=4.98 ;0.1M酢酸塩) λmax = 574nm(70,250) (pH=7.8 ;0.1Mホウ酸塩); pKa=6.34 分析結果:C149 NO2 計算上の含有量:C, 75.32; H, 4.06; N, 6.28 実際の含有量:C, 74.98; H, 4.35; N, 6.54
【0040】d.8−ヒドロキシ−10,11−ジヒド
ロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン
(2) CH2 Cl2 (23.5ml;4Åのモレキュラーシーブ
上で乾燥)に2,8−ジメトキシ−10,11−ジヒド
ロ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン(7)(1.0
g;3.9mmol)を溶解した溶液を、CaSO4 乾燥管
で保持し、0℃まで冷却してBBr3 (1.85ml;1
9.6mmol;5eq)を加えた。5分後、反応物を暖め、
周囲温度で3.75時間撹拌しつつ放置した。混合物を
注意深く水(350ml)に混合し、ついでこれをEtO
Ac(各100ml)で4回抽出した。合せたEtOAc
相を塩水(50ml)で洗浄し、ついで撹拌機械を備えた
3口丸底フラスコに移し、NaIO4 (3.0g )の水
(200ml)溶液と共に急速に15分間撹拌した。分離
した層のうち、水性相をEtOAc(25ml)で洗浄し
た。合せたEtOAc相を水(各100ml)で4回洗浄
し、ついで合せた水洗浄液をEtAOc(50ml)で逆
洗した。合せたEtAOc相をついで塩水(100ml)
で洗浄し、Na2 SO4 上で乾燥して、減圧下で蒸発乾
固させた。残渣を暖めたEtAOc(約150ml)中に
取り込み、沸騰させて約50mlまで濃縮し、ヘキサン
(20ml)で稀釈した。これを冷却することにより、表
記の化合物(2)が赤い粉末として分離し、濾過及び6
0℃で一夜減圧乾燥することによって単離した。二度に
わたる抽出のあとの収量は0.80g (90%)であっ
た。第一回目の抽出物は分析の結果、純粋なものであっ
て、200℃以上の温度で分解し、正確な分解点は加熱
の速度に依存した。 IR(KBr)cm-1 1630, 1612, 1556, 1480, 1463, 1
295, 1222, 1207, 1107, 888, 827 ;1 H NMR (DMSO-d6)δ 2.77(br. s, 4H), 6.2-6.9
(v. br. m, 4H), 7.1-7.5(v. br. m, 2H), 10.43(br.
s, 1H) ;13 C NMR (DMSO-d6) ppm 186.9, 160.6, 160.4, 15
1.5, 146.4, 144.9, 138.4, 137.6, 129.4, 128.2, 11
6.0, 114.9, 33.1, 31.2 ; 質量スペクトルm/e 225(ベ−ス), 196, 167; λmax = 478nm (19,760) (pH=4.5;0.1M酢酸塩) λmax = 602nm (65,000) (pH=10.61;0.1Mグリシン); pKa=6.95 分析結果:C1411NO2 計算上の含有量:C, 74.65; H, 4.92; N, 6.22 実際の含有量:C, 74.54; H, 4.88; N, 5.84
【0041】e.8−(テトラ−O−アセチル−β−D
−ガラクトピラノシロキシ)−2H−ジベンズ−[b,
f]アゼピン−2−オン(11) 無水キノリン(18ml)に、8−ヒドロキシ−2H−ジ
ベンズ[b,f]アゼピン−2−オン(1)(0.55
8g ;2.5mol )、アセトブロモガラクト−ス(1.
645g ;1.6eq)及び酸化銀(I)(0.927g
;1.6eq)を混合したものを、固く栓をした遮光フ
ラスコ中で15.3時間撹拌した。反応物をセライトを
通して濾過し、EtAOc(60ml)で稀釈し、1.2
5M のHCl水溶液(各100ml)で二回抽出した。合
わせたHCl抽出物をEtOAc(各50ml)で二回洗
浄し、ついで合わせたEtOAc相を塩水(100ml)
で洗い、Na2 SO4 上で乾燥し、濾過して減圧下で蒸
発乾固して赤橙色の泡(2.10g )を得た。これをシ
リカゲル(200g 、5cm IDカラム)上で、クロロ
ホルム中アセトン9%の溶媒を用いてクロマトグラムに
かけ、赤橙色のバンド部分を集めて、溶媒を減圧下で飛
ばして赤いガラス状のもの(1.51g )を得た。Et
AOc/ヘキサンからの結晶化により表記の化合物(1
1)(1.03g 、75%)を赤橙色の粉末として得
た。EtAOc/ヘキサンからの再結晶により、分析試
料を得た。 mp=151.5−152.5℃; IR(KBr)cm-1 1758, 1630, 1521, 1372, 1225, 1
076 ;1 H NMR (DMSO-d6)δ 7.90(J=9.6Hz, 1H), 7.54
(d, J=9.9Hz, 1H), 7.30-7.36(m, 2H), 7.08(AB, JA=29
Hz 及びJB=12.0Hz, 2H), 6.92 (dd, J1=2.3Hz及びJ2=9.
9Hz, 1H), 6.67(d, J=2.2Hz, 1H), 5.73(d, J=7.4Hz, 1
H), 5.39(br. s,1H), 5.23-5.33(m, 2H), 4.51(t, J=6.
2Hz, 1H), 4.11(d, J=6.3Hz, 2H), 2.16(s, 3H), 2.06
(s, 3H), 2.01(s, 3H), 1.96(s, 3H);13 C NMR (DMSO-d6) ppm 185.4, 170.0, 169.9, 1
69.6, 169.3, 158.6,151.5, 144.1, 141.0, 139.4, 13
9.2, 135.3, 134.3, 134.0, 133.6, 126.9, 118.8, 97.
0, 70.8, 70.2, 68.2, 67.2, 61.4, 20.5 (余分なバン
ドが3個、一致するバンドが1個) 分析結果:C2027NO11 計算上の含有量:C, 60.75; H, 4.63; N, 2.53 実際の含有量:C, 60.75; H, 4.98; N, 2.50
【0042】f.8−(β−D−ガラクトピラノシロキ
シ)−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン
(3) 無水メタノ−ルに8−(テトラ−O−アセチル−β−D
−ガラクトピラノシロキシ)−2H−ジベンズ[b,
f]アゼピン−2−オン(11)(1.12g ;2.0
2mmol)を溶解した溶液を55℃浴中で暖め、ナトリウ
ムメトキシド(50mg)を加え、アルゴン雰囲気下で
1.3時間撹拌した。この間、固体が分離してきた。減
圧下で溶媒をとばし、残渣を熱いDMF/EtOH
(5:1)から再結晶した。表記の化合物(3)(0.
498g ;63%)が二度の再結晶でレンガ色のウール
状の物質として得られた。分解点は230℃以上であっ
た。最初に得られたものを130℃で6時間減圧乾燥
し、分析試料とした: IR(KBr)cm-1 3416, 3269, 2884, 1632, 1607, 1
574, 1540, 1503, 1347, 1267, 1234, 1083, 1032, 89
5;1 H NMR (DMSO-d6)δ 7.87(d, J=9.6Hz, 1H), 7.
57(d, J=10.0Hz, 1H),7.34-7.41(m, 2H), 7.10(AB, JA=
31.9Hz 及び JB=12.0Hz, 2H), 6.92(dd, J1=1.7Hz及びJ
2=9.5Hz, 1H), 6.67(J=1.9Hz, 1H), 5.29(v. br. s, 1
H), 5.08(d, J=7.6Hz, 1H), 4.45-5.00(v. br. m, 2H),
3.40-3.76(m, 7H) ;13 C NMR (DMSO-d6) ppm 185.3, 160.2, 144.0, 14
0.3, 139.5, 139.1, 135.6, 134.2, 133.7, 133.3, 12
6.5, 119.2, 118.5, 100.6, 75.8, 73.3, 70.2,68.1, 6
0.3) 分析結果:C2019NO7 計算上の含有量:C, 62.33; H, 4.97; N, 3.64 実際の含有量:C, 62.53; H, 5.13; N, 3.73
【0043】g. 8−(テトラ−O−アセチル−β−
D−ガラクトピラノシロキシ)−10,11−ジヒドロ
−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2ーオン(1
2) 無水キノリン(7.5ml)中の8−ヒドロキシ−10,
11−ジヒドロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−
2−オン(2)(0.2252g ;1.0mmol)、アセ
トブロモガラクト−ス(0.6579g ;1.6eq)及
び酸化銀(I)(0.3708g ;1.6eq)の混合物
を、固く栓をした遮光フラスコ中で22.5時間撹拌し
た。反応物をセライトを通して濾過し、EtOAc(1
00ml)で希釈して1.0M 塩酸水溶液(各100ml)
で二回抽出した。HCl抽出物を合せてEtOAc(2
0ml)で洗浄し、ついで合せたEtOAc相を塩水(5
0ml)で洗浄し、Na2 SO4 上で乾燥し、濾過し、減
圧下で蒸発乾固して赤橙色のタ−ル状のものを(0.8
2g )得た。これをシリカゲル(75g ;3cm IDカ
ラム)上で13%のクロロホルム中エチルエ−テル(E
2 O)溶媒を用いてクロマトグラフィ−を行って、赤
橙色の生成物のバンドを集め、減圧下で溶媒を蒸発乾固
し、橙色の泡(0.54g )を得、これをEtOAc/
ヘキサン(1:1)から結晶化した。表記の化合物(1
2)(0.45g ;85%)が二度の処理によって橙色
のウ−ル状の物質として得られた。 mp=137−8℃: IR(KBr)cm-1 1754, 1641, 1615, 1510, 1371, 1
230, 1077 ;1 H NMR (CDCl3)δ 7.58(d, J=8.75Hz, 1H), 7.2
6(d, J=9.9Hz, 1H), 6.97(dd, J1=2.8Hz及び J2=8.75H
z, 1H), 6.80(d, J=2.8Hz, 1H), 6.59 (dd, J1=2.2Hz
及び J2=9.9Hz, 1H), 6.27(d, J=2.1Hz 1H), 5.47-5.55
(m, 2H), 5.10-5.18(m, 2H), 4.09-4.30(m, 3H),;13 C NMR (DMSO-d6) ppm 187.0, 170.0, 169.9, 16
9.6, 169.3, 157.4, 153.3, 146.2, 145.0, 141.3, 13
8.0, 136.2, 130.2, 128.8, 116.6, 114.8, 97.0, 70.
6, 70.2, 68.2, 67.3, 61.5, 33.2, 30.8, 20.5 (3つ
の一致するバンド) 分析結果:C2829NO11 計算上の含有量:C, 60.53; H, 5.26; N, 2.52 実際の含有量:C, 60.16; H, 5.36; N, 2.62
【0044】h.8−(β−D−ガラクトピラノシロキ
シ)−10,11−ジヒドロ−2H−ジベンズ[b,
f]アゼピン−2−オン(4) 無水メタノール(27.5ml)中に8−(テトラ−O−
アセチル−β−D−ガラクトピラノシロキシ)−10,
11−ジヒドロ−2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−
2−オン(12)(0.38g ;0.69mmol)を溶解
した溶液にナトリウムメトキシド(17.7mg)を加
え、50℃の浴中で1時間、アルゴン雰囲気下で撹拌し
た。この間、固形物が分離してきた。反応物を氷で冷却
し、氷酢酸(22μl )で中和し、1時間放置した。固
形物を濾過し、氷冷したメタノールで二回洗い、ついで
減圧乾燥して、分析的に純粋な表記の化合物(4)
(0.216g ;81%)を橙色の粉末として得、これ
は220℃を越える温度で分解した。 IR(KBr)cm-1 3330, 2910, 1640, 1605, 1500, 1
315, 1255, 1230, 1085, 887;1 H NMR (DMSO-d6)δ 7.52(d, J=8.7Hz, 1H), 7.
25(d, J=9.9Hz, 1H),7.03 (dd, J1=2.8Hz及びJ2=8.7Hz,
1H), 6.95(d, J=2.8Hz, 1H), 6.54 (dd, J1=2.3Hz及
び J2=9.9Hz, 1H), 6.32(d, J=2.3Hz, 1H), 5.19(d, J=
5.2Hz, 1H), 4.93(d, J=7.7Hz, 1H), 4.88(d, J=5.7Hz,
1H), 4.66(t, J=5.4Hz, 1H), 4.52(d,J=4.6Hz, 1H),
3.70(br. t. J=3.8Hz, 1H), 3.37-3.66(m, 5H), 2.74-
2.91(br.m, 4H);13 C NMR (DMSO-d6) ppm 187.0, 159.0, 152.7, 14
6.3, 145.0, 140.6, 137.8, 136.4, 129.9, 128.6, 11
6.6, 115.0, 100.7, 75.7, 73.3, 70.2, 68.2,60.4, 3
3.3, 31.0; C2021NO7 計算上の含有量:C, 62.01; H, 5.46; N, 3.62 実際の含有量:C, 61.76; H, 5.32; N, 3.51
【0045】実施例2 物質の評価 化合物4はβ−ガラクトシダ−ゼの基質であって、ミハ
エリス−メンテン動力学を示した。pH7.4の50mM
燐酸緩衝液(マグネシウムを含有しない)中の化合物4
の溶液は、β−ガラクトシダ−ゼの存在下で加水分解さ
れて7.07x103 mol. min-1/mol活性部分の速度
(Kcat )で化合物2となり、0.096mMのKmを示し
た。
【0046】化合物3もまた、β−ガラクトシダ−ゼの
基質であって、この酵素に感受性のある試験器具を製造
した。この器具は小さな長方形のポリスチレンフィルム
片の一端に載せた小さな長方形の濾紙片からなる。この
紙を化合物3、緩衝液及び無機塩を含む種々の成分で含
浸した。ワットマンCCP500濾紙の2インチ幅の紙片を以
下の組成を有する水溶液に浸漬した。 0.3M バイシン緩衝液 pH=7.4 4.0mM MgCl2 この紙を乾燥し、ついで5.0mMの化合物3を含有する
ジメチルホルムアミド(DMF)溶液に浸漬した。この
紙を再度乾燥してサ−モン色の試験紙を得た。この含浸
され乾燥した紙を0.2インチx0.4インチの長方形
に切り分け、両面テ−プを用いて軸方向を向いた0.2
インチx3.25インチのポリスチレン片の一端上に接
着した。
【0047】この試験紙を種々の濃度のβ−ガラクトシ
ダ−ゼを含有するいくつかの水溶液に浸した。これらの
紙片をセラライザ− (Seralyzer :商品名)反射光度計
で750nmで40−60秒後に読み取りした。反射率の
デ−タ対酵素濃度は1ミリリットル当たりβ−ガラクト
シダ−ゼ0.0−0.15単位の酵素濃度の範囲にわた
って直線的な用量反応関係を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 21/78 Z 7906−2J

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】 (式中、XはCH2 CH2 又はCH=CHであり、Yは
    Hであるか又は酵素によって切断されうる基である)で
    示される2H−ジベンズ[b,f]アゼピン−2−オン
    をベ−スとする化合物。
  2. 【請求項2】 Yが、酵素により切断されうる基であっ
    て、対応する特定の酵素に対する特異性を付与するよう
    に選択される請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Yが、糖又はその誘導体の残基、アシル
    基、あるいはアミノ酸の残基、ペプチドの残基又は無機
    酸の残基である請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 アシル基が、脂肪族又は芳香族カルボン
    酸から誘導されるアシル基である請求項3記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 Yが、Nが保護されたアミノ酸の残基で
    ある、請求項3記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Nが保護されたアミノ酸が、N−トシル
    −L−アラニンである請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 ペプチドが、2から5個のアミノ酸単位
    を有するペプチドである請求項3記載の化合物。
  8. 【請求項8】 無機酸が、リン酸又は硫酸である請求項
    3記載の化合物。
  9. 【請求項9】 糖が、グリコシド性の基を有する糖であ
    る請求項3記載の化合物。
  10. 【請求項10】 グリコシド性の基が、β−D−ガラク
    トピラノ−ス、α−D−ガラクトピラノ−ス、β−D−
    グルコピラノ−ス、α−D−グルコピラノ−ス、α−D
    −マンノピラノ−ス、N−アセチルグルコサミン又はN
    −アセチルノイラミン酸から誘導される基である請求項
    9記載の化合物。
  11. 【請求項11】 Yが、約2から20個のモノサッカラ
    イド単位を有するオリゴサッカライドから誘導される基
    である請求項9記載の化合物。
  12. 【請求項12】 次式: 【化2】 (式中、XはCH2 CH2 又はCH=CHであり、Yは
    Hであるか又は酵素によって切断されうる基である)に
    よって特徴づけられる色原性酵素基質化合物が含浸され
    ているキャリアマトリックスを含む分析試験器具。
  13. 【請求項13】 次式: 【化3】 (式中、XはCH2 CH2 又はCH=CHであり、Yは
    Hであるか又は酵素によって切断されうる基である)に
    よって特徴づけられる色原性酵素基質化合物を溶液に接
    触させて、それによりY基を切断せしめてこの色原性酵
    素基質中に検出可能な応答を起こさせることからなる、
    溶液中の酵素を検出する方法。
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