JPH05294929A - ピペリジン誘導体 - Google Patents

ピペリジン誘導体

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JPH05294929A
JPH05294929A JP28722891A JP28722891A JPH05294929A JP H05294929 A JPH05294929 A JP H05294929A JP 28722891 A JP28722891 A JP 28722891A JP 28722891 A JP28722891 A JP 28722891A JP H05294929 A JPH05294929 A JP H05294929A
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Shoei Eda
昭英 江田
Junichiro Kita
淳一郎 北
Shinji Takamura
真司 高村
Kayoko Yamano
佳代子 山野
Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 【化9】 (式中、Ar1 及びAr2 はフェニル基又は置換基とし
てハロゲン、低級アルコキシなどを有するフェニル基;
或いはAr1 は置換基として低級アルコキシ、ニトロな
どを有するフェニル基又はピリジル基で、Ar2 はピリ
ジル基;Aはアルキレン基又はアルケニレン基;Bはヒ
ドロキシ基、低級アルコキシ基など)で示される化合物
及びその塩。 【効果】 眠気をおこさない抗ヒスタミン剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗ヒスタミン剤として
有用な新規なピペリジン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在までに、薬理活性成分として有用な
ピペリジン誘導体が数多く見出されている。これらの化
合物の中で、本発明の化合物と骨格の一部が類似してい
るものとしては、特開昭60−94962号公報及び特
開昭61−194068号公報に開示された化合物があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の抗ヒスタミン剤
の多くは中枢神経系に作用して鎮静(眠気)をもたらす
ものであるが、本発明者らは、有効な薬理活性を有する
新規なピペリジン誘導体を合成すべく鋭意研究を重ねた
結果、本発明の新規ピペリジン誘導体、その医薬的に許
容される酸付加塩が、有用な薬理学的性質、特に強い抗
ヒスタミン活性及び抗アレルギー活性を有し、しかも中
枢神経抑制剤であるチオペンタールによる眠気を増強す
る作用が少ないことを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の新規ピペリジン
誘導体は、一般式[I]
【0005】
【化3】
【0006】[式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれ独
立して、フェニル基又は置換基としてハロゲン原子、ニ
トロ基、低級アルコキシ基、低級アルキル基もしくはハ
ロ低級アルキル基を有するフェニル基を表し;Aは炭素
数2〜6の直鎖状又は主鎖において少なくとも2個の炭
素原子を有する分岐鎖状のアルキレン基或いはアルケニ
レン基を表し;Bは低級アルキル基、ヒドロキシ基、低
級アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基又はアニリノ基を表す]で示される化合物及
びその医薬的に許容される酸付加塩、並びに
【0007】一般式[II]
【化4】
【0008】[式中、Ar1 は、置換基としてニトロ
基、低級アルコキシ基、低級アルキル基もしくはハロ低
級アルキル基を有するフェニル基又はピリジル基を表
し、Ar2はピリジル基を表し;Aは炭素数2〜6の直
鎖状又は主鎖において少なくとも2個の炭素原子を有す
る分岐鎖状のアルキレン基或いはアルケニレン基を表
し;Bは低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキ
シ基、フェノキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ
基、アニリノ基、フェニル基又は低級アルキル基で置換
されたフェニル基を表す]で示される化合物及びその医
薬的に許容される酸付加塩である。本明細書において、
「低級」とは、特にことわりのない限り、炭素数1〜4
を有することを意味する。
【0009】上記一般式[I]及び[II]において、A
1 またはAr2 で表される置換フェニル基としては、
例えば、4−フルオロ、2−クロロ、3−クロロ、4−
クロロ、2−ブロモ、4−ブロモ、2−ヨード、4−ヨ
ードなどのハロゲン原子で置換されたフェニル基;2−
メチル、3−メチル、4−メチル、2,4−ジメチル、
3,4−ジメチル、4−エチル、4−イソプロピル、4
−n−プロピル、4−n−ブチルなどの低級アルキル基
で置換されたフェニル基;トリフルオロメチルなどのハ
ロ低級アルキル基で置換されたフェニル基;4−メトキ
シ、2,4−ジメトキシ、3,4−ジメトキシ、4−エ
トキシなどのアルコキシ基で置換されたフェニル基;2
−ニトロ、3−ニトロ、4−ニトロなどのニトロ基で置
換されたフェニル基があげられる。ピリジル基として
は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジルがあげ
られる。
【0010】Aの直鎖状又は主鎖部分に少なくとも2個
の炭素原子を有する分岐鎖状のアルキレン基としては、
例えばエチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンがあげられ
る。またアルケニレン基としては、例えばビニレン、プ
ロペニレン、2−ブテニレン、2−ペンテニレン、3−
ペンテニレンがあげられ、炭素数2〜3の直鎖状のアル
キレン基が好ましい。
【0011】Bは、例えばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの
低級アルキル基;ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、
n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、t−ブトキシなどの低級アルコキシ基;フェノキ
シ基;アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソ
プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミ
ノ、 sec−ブチルアミノ、t−ブチルアミノなどの低級
アルキルアミノ基;アニリノ基があげられ、さらに式
[II]のBにおいては、フェニル基;メチルフェニル、
エチルフェニル、プロピルフェニル、イソプロピルフェ
ニル、ブチルフェニル、イソブチルフェニル、t−ブチ
ルフェニルなどの低級アルキル置換フェニル基があげら
れる。好ましいBはヒドロキシ基、低級アルコキシ基、
アミノ基及び低級アルキルアミノ基である。
【0012】次に本発明の代表的化合物の一例を列挙す
るが、本発明がこれらの化合物に限定されることがない
ことはいうまでもない。
【0013】・4−[4−(ジフェニルメトキシ)−1
−ピペリジル]ブタン酸エチル及びそのフマル酸塩、 ・4−[4−[(4−クロロフェニル)(フェニル)メ
トキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチル及びそのp
−トルエンスルホン酸塩、 ・4−[4−[ビス(4−メトキシフェニル)メトキ
シ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチル及びそのp−ト
ルエンスルホン酸塩、 ・4−[4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキ
シ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチル及びそのp−ト
ルエンスルホン酸塩、 ・4−[4−[(4−メチルフェニル)(フェニル)メ
トキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチル、
【0014】本発明の化合物[I]及び[II]におい
て、Ar1 とAr2 が異なる場合、Ar1 とAr2 が結
合する炭素は不斉炭素であり、立体異性体が存在する
が、その各々及びそれらの混合物のいずれも本発明に包
含される。本発明の前記式[I]及び[II]で示される
化合物は、次の反応式1〜3に示す方法により製造する
ことができる。
【0015】
【化5】
【0016】[式中、Wは脱離しうる基、例えば塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、あるい
はメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル
オキシ基などの反応性エステル基などであり、Ar1
Ar2 、A及びBは前記と同義である。]
【0017】化合物[I]及び[II]は、反応式(1)
に示すように、化合物[III] と化合物[IV]とを反応させ
ることにより容易に製造することができる。化合物[IV]
は、化合物[III] 1モルに対し1〜3モルを加える。
【0018】上記の反応は、水又は不活性溶媒中で行わ
れる。適当な有機溶媒としては、例えばメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコ
ール類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランな
どのエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン類;N,N−ジメチル
ホルミアミドなどのアミド類;又はこれらの2種以上の
混合溶媒が挙げられる。
【0019】また、この反応は塩基の存在下で行うのが
好ましく、そのような塩基の例としては、水酸化ナトリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウムなどのア
ルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムなどのアルカリ土
類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金
属の酸性炭酸塩;水素化ナトリウムなどのアルカリ金属
の水素化物;水素化カルシウムなどのアルカリ土類金属
の水素化物;ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属
のアルコキシド;トリエチルアミンなどのトリアルキル
アミン及びピリジン化合物等が挙げられる。これらの塩
基は化合物 [III]1モルに対して1〜3モルを加える。
【0020】また、反応促進剤として、例えばヨウ化ナ
トリウム又はカリウムなどの少量の金属ヨウ化物を添加
しても良い。反応速度を高めるためには、若干の昇温下
で反応させることが好ましく、場合によっては、反応混
合物の還流温度で反応させることもできる。反応時間は
2〜24時間である。反応生成物は、反応混合物から分
離され、必要に応じて一般的に公知の方法で更に精製さ
れる。
【0021】前記式[I]及び[II]において、Bが低
級アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基又はアニリノ基を表す化合物は、次の方法に
よっても製造することができる。
【0022】
【化6】
【0023】[式中、W´の脱離基は、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子又はヒドロキシ基
であり;B´は低級アルコキシ基、フェノキシ基、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基又はアニリノ基であり、A
1 、Ar2 及びAは前記と同義である。]
【0024】化合物[I]及び[II]は、反応式(2)
に示すように、化合物[V]と化合物[VI]とを反応さ
せることにより容易に製造することができる。化合物
[VI]は化合物[V]1モルに対して1〜3モルを加え
る。
【0025】W´がハロゲン原子を表す化合物[V]は
対応するカルボン酸から公知の方法でハロゲン化物に変
換することにより得られる。上記の反応は、不活性溶媒
中で、−5〜30℃で行われ、反応時間は1〜10時間
である。
【0026】また、W´がヒドロキシ基を表す場合に
は、上記の反応は不活性溶媒中で、例えばジシクロヘキ
シルカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、N−アシ
ルイミダゾール等の脱水剤の存在下で行う。脱水剤は化
合物[V]1モルに対して1〜2モルを使用し、反応温
度は−5〜30℃、反応時間は1〜24時間である。
【0027】前記式[I]及び[II]において、Bがヒ
ドロキシ基を表す化合物は、次の方法によっても本発明
の化合物を製造することができる。
【0028】
【化7】
【0029】[式中、Rはメチル、エチルなどの低級ア
ルキル基であり、Ar1 、Ar2 及びAは前記と同義で
ある。]
【0030】化合物[I]及び[II]は、化合物[VII]
を塩基性条件下で加水分解することにより容易に製造す
ることができる。この加水分解は、水性メタノール、エ
タノールなどの水性アルコール中で、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を化合物[VII]
1モルに対して1〜5モル用い、室温あるいは反応速度
を高めるためには、若干の昇温下で反応させることが好
ましく、場合によっては、反応混合物の還流温度で反応
させることもできる。反応時間は1〜10時間である。
【0031】原料として、用いられるピペリジン誘導体
[III] は、例えば次のような標準的方法に従って製造で
きる。
【0032】
【化8】
【0033】(上記の反応式において、Xはハロゲン原
子又はp−トルエンスルホニルオキシ基等の反応性エス
テル基を表し、Qはホルミル基、エトキシカルボニル
基、t−ブトキシカルボニル基等のアミノ基の保護基を
表し、Ar1 およびAr2 は前記と同義である)
【0034】まず、化合物[VIII]と化合物[IX]とを反
応させてO−アルキル化した後、得られた化合物[X]
のアミノ基の保護基Qを一般的な方法を用いて除去する
ことにより、希望する中間体生成物[III] を製造するこ
とができる。
【0035】また、本発明化合物[I]及び[II]に、
適当な酸を作用させることによって、非毒性の、薬理的
に有効な酸付加塩にすることができる。この場合、適当
な酸の例としては、例えば塩化水素酸、臭化水素酸など
のハロゲン化水素酸類;硫酸、硝酸、リン酸などの無機
酸類;酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒド
ロキシプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、ジヒドロキシフマル酸、シ
ュウ酸、安息香酸、桂皮酸、サリチル酸、メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、4
−アミノサリチル酸などの有機酸などが挙げられる。
【0036】式[I]及び[II]で示される本発明化合
物及びその医薬的に許容される酸付加塩は、有用な薬理
学的性質、特に強い抗ヒスタミン活性及び抗アレルギー
活性を有している。さらに、従来の抗ヒスタミン剤の場
合にしばしば見られる中枢神経に対する刺激又は抑圧と
いった二次的効果が最少限に抑えられるという特徴を有
しており、そのままで、あるいは適当な担体と組合わせ
て、人及び動物の治療用の有効な薬剤として用いること
ができる。具体的には、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎等のアレ
ルギー性皮膚疾患、アレルギー性鼻炎感冒等の上気道炎
によるくしゃみ、鼻汁、咳嗽、気管支喘息などの治療又
は処置に適用できる。
【0037】本発明化合物を、抗ヒスタミン剤として使
用する場合は、主として経口投与あるいは注射、塗布な
どの非経口投与により投与される。投与量は疾患の相
違、症状の程度、年令などにより適宜増減され、通常成
人1日あたり約2〜50mg、好ましくは約5〜25mgで
ある。
【0038】本発明化合物を製剤化するためには、製剤
の技術分野における通常の方法で、錠剤、カプセル剤、
散剤、シロップ剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、軟膏
剤等の剤型とする。
【0039】一般に本発明化合物は、気管や脈管の平滑
筋を弛緩させ、単位動物体重Kg当り1mgの服用量で経口
投与したモルモットは、ヒスタミン塩酸塩によって誘発
されるショック死を有意に抑制する。また、中枢神経抑
制剤としてチオペンタールを用い、誘発される麻酔作用
の継続時間に対する影響をこれらの化合物について調べ
たところ、著しい増強作用はほとんど認められなかっ
た。本発明に属する次の代表的な化合物についての薬理
試験結果を以下に示す。
【0040】化合物A 4−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジル]
ブタン酸エチルフマル酸塩(実施例1−bで調製) 化合物B 4−[4−[(4−クロロフェニル)(フェニル)メト
キシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチルp−トルエン
スルホン酸塩(実施例2−bで調製)
【0041】薬理試験 ヒスタミンショック死保護作用 体重200〜250gのHartley 系雄性モルモットを使
用した。実験動物を5時間絶食した後、被験物質を1mg
/Kgの用量で経口投与した。被験物質投与2時間後にヒ
スタミン塩酸塩1.25mg/Kgを静脈内投与し、ヒスタ
ミンショックを誘発した。被験物質の力価はヒスタミン
によって誘発されたショック死の抑制率で判定した。試
験結果を表1に示す。
【0042】チオペンタールによる麻酔時間延長作用 ddY系雄性マウス5週令を使用した。チオペンタール
ナトリウムは生理食塩水に溶解し、被験物質は0.5%
トゥイーン80と1%トラガントゴムが1:2.5の割
合の懸濁剤に調製した。実験動物を4時間絶食させた
後、被験物質60mg/10ml/Kgを腹腔内投与(あるい
は経口投与)し、20分後(経口投与の場合は1時間
後)にチオペンタールナトリウム30mg/10ml/Kgを
静脈内投与した。静脈内投与直後から正向反射発現まで
の時間を測定し、これを麻酔時間とした。麻酔延長率を
求める式を以下に示す。 試験結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】アレルギー治療は主として化学伝達物質
(ケミカルメディエーター)の遊離を抑制するか、また
はそれらの特異的受容体との相互作用を抑止するかのい
ずれかであり、H1 受容体拮抗薬として知られた抗ヒス
タミン剤は主要な役割を果す。しかし、H1 受容体は末
梢系だけでなく、中枢神経中にも存在し、抗ヒスタミン
剤が中枢系受容体を遮断すると、鎮静作用(眠気)とい
う好ましくない副作用をもたらす。従って、この副作用
を軽減させるためには、薬剤の中枢系への流入を防止す
ることが望ましい。即ち、中枢神経系へつながる血液脳
関門を通過しにくく、末梢のH1 受容体のみに作用する
薬剤が好ましい。対照薬剤としてのテルフェナジン及び
アステミゾールは鎮静副作用がほとんどないと言われて
いる。
【0045】表1にまとめた試験結果からみると、対照
薬として用いた上記6化合物のうち、テルフェナジン以
外は、いずれもチンペンタールによって誘発された睡眠
時間を有意に増加させることが確認された。本発明化合
物である新規なピペリジン誘導体は、一般にチオペンタ
ールに対する増強作用が少なく、従って著しい睡眠時間
の延長は認められず、しかも、テルフェナジンよりも強
い抗ヒスタミン活性を有している。また、本発明化合物
は、極めて安全性が高く、医薬として長期連用が可能で
あり、経口投与によるマウスの毒性試験において良好な
耐容性を有することが確認された。
【0046】
【実施例】本発明を、以下の実施例によって、さらに詳
しく説明するが、実施例として挙げた化合物は、本発明
を更に詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲
を何ら限定するものではない。
【0047】実施例1 a)4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン4.40g
(16.45ミリモル)及び4−ブロモブタン酸エチル
3.85g(19.74ミリモル)をアセトン35mlに
溶解させた後、この混合液に炭酸カリウム2.73g
(19.75ミリモル)を加えて、4時間加熱還流撹拌
した。反応終了後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で濃
縮した。残渣をクロロホルムとメタノールの容量比3
0:1の混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで分離した。単離した目的化合物の画
分を減圧下で濃縮し、油状物の4−[4−(ジフェニ
ル)メトキシ−1−ピペリジル]ブタン酸エチル5.6
5g(90%)を得た。
【0048】質量分析値:EI-MS M+ピークなし、CI-MS
m/e=382(M+ +1)1 H-NMR(CDCl3): δ(ppm) = 1.24(3H, t),1.17〜1.98(6H, b, m),2.15(2
H, b), 2.31(2H, t),2.36(2H, t), 2.75(2H, b),3.44(1
H, m), 4.12(2H, q),5.51(1H, s), 7.20 〜7.40(10H,
m)
【0049】b)上述のa)で得られたエチルエステル
5.33g(12.78ミリモル)とフマル酸1.48
g(12.78ミリモル)をエタノール70mlに溶解さ
せ均一溶液にした後、この混合溶液を減圧下で濃縮し
た。残渣をイソプロピルエーテルから結晶化させた。ろ
別した生成物を酢酸エチルより再結晶して、4−[4−
(ジフェニル)メトキシ−1−ピペリジル]ブタン酸エ
チルフマル酸塩6.20g(91%)を得た。
【0050】融点106−107℃ 元素分析値(%): C24H31O3N・C4H4O4・ 1/2 H2O として 計算値:C 66.39 H 7.16 N 2.76 実測値:C 66.44 H 7.01 N 2.71
【0051】実施例2 a)4−[(4−クロロフェニル)(フェニル)メトキ
シ]ピペリジンと4−ブロモブタン酸エチルを用いて、
実施例1−a)と同様の方法で、4−[4−[(4−ク
ロロフェニル)(フェニル)メトキシ]−1−ピペリジ
ル]ブタン酸エチルを得た。
【0052】質量分析値:EI-MS M+ピークなし、CI-MS
m/e=416(M+ +1)1 H-NMR(CDCl3): δ(ppm) = 1.24(3H, t),1.63〜1.93(6H, b, m),2.10(2
H, b), 2.32(4H, t),2.70(2H, b), 3.40(1H, m),4.11(2
H, q), 5.47(1H, s),7.28(9H, m)
【0053】b)上述のa)で得られたエチルエステル
とp−トルエンスルホン酸を用いて、実施例1−b)と
同様の方法で、4−[4−[(4−クロロフェニル)
(フェニル)メトキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エ
チルp−トルエンスルホン酸塩を得た。
【0054】融点92−94℃ 元素分析値(%): C24H30ClNO3・C7H8O3S・1/4 H2O として 計算値:C 62.82 H 6.55 N 2.36 実測値:C 62.85 H 6.53 N 2.33
【0055】実施例3 a)4−[ビス(4−メトキシフェニル)メトキシ]ピ
ペリジンと4−ブロモブタン酸エチルを用いて実施例1
−a)と同様の方法で、4−[4−[ビス(4−メトキ
シフェニル)メトキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エ
チルを得た。
【0056】質量分析値:EI-MS M+ピークなし、CI-MS
m/e=442(M+ +1)1 H-NMR(CDCl3): δ(ppm) = 1.23(3H, t),1.62〜1.93(6H, b, m),2.09(2
H, b), 2.30(4H, m),2.72(2H, b), 3.39(1H, m),3.76(6
H, s), 4.11(2H, q),5.43(1H, m), 6.83(4H, m),7.22(4
H, m)
【0057】b)上述のa)で得られたエチルエステル
とp−トルエンスルホン酸を用いて、実施例1−b)と
同様の方法で、4−[4−[ビス(4−メトキシフェニ
ル)メトキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチルp−
トルエンスルホン酸塩を得た。
【0058】融点93−95.5℃ 元素分析値(%): C26H35O5N・C7H8O3S として 計算値:C 64.58 H 7.06 N 2.28 実測値:C 64.37 H 7.31 N 2.64
【0059】実施例4 a)4−[ビス(4−フルオロフェニル)メトキシ]ピ
ペリジンと4−ブロモブタン酸エチルを用いて、実施例
1−a)と同様の方法で、4−[4−[ビス(4−フル
オロフェニル)メトキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸
エチルを得た。
【0060】質量分析値:EI-MS M+ピークなし、CI-MS
m/e=418(M+ +1)1 H-NMR(CDCl3): δ(ppm) = 1.24(3H, t),1.63〜1.92(6H, b, m),2.13(2
H, b), 2.33(4H, m),2.74(2H, b), 3.38(1H, m),4.12(2
H, q), 5.46(1H, s),7.00(4H, m), 7.28(4H, m)
【0061】b)上述のa)で得られたエチルエステル
とp−トルエンスルホン酸を用いて、実施例1−b)と
同様の方法で、4−[4−[ビス(4−フルオロフェニ
ル)メトキシ]−1−ピペリジル]ブタン酸エチルp−
トルエンスルホン酸塩を得た。
【0062】融点122−123℃ 元素分析値(%): C24H29F2NO3・C7H8O3S・1/2 H2O として 計算値:C 62.19 H 6.40 N 2.34 実測値:C 62.29 H 6.49 N 2.37
【0063】
【発明の効果】本発明にかかる新規化合物は、薬学的な
いしは医薬的に有用な、特に、眠気をおこさない抗ヒス
タミン活性ないしは抗アレルギー活性を有する抗ヒスタ
ミン剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 佳代子 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 藤原 寛 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 [式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれ独立して、フェ
    ニル基又は置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、低級
    アルコキシ基、低級アルキル基もしくはハロ低級アルキ
    ル基を有するフェニル基を表し;Aは炭素数2〜6の直
    鎖状又は主鎖において少なくとも2個の炭素原子を有す
    る分岐鎖状のアルキレン基或いはアルケニレン基を表
    し;Bは低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキ
    シ基、フェノキシ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基
    又はアニリノ基を表す]で示される化合物及びその医薬
    的に許容される酸付加塩。
  2. 【請求項2】 一般式[II] 【化2】 [式中、Ar1 は、置換基としてニトロ基、低級アルコ
    キシ基、低級アルキル基もしくはハロ低級アルキル基を
    有するフェニル基又はピリジル基を表し、Ar2はピリ
    ジル基を表し;Aは炭素数2〜6の直鎖状又は主鎖にお
    いて少なくとも2個の炭素原子を有する分岐鎖状のアル
    キレン基或いはアルケニレン基を表し;Bは低級アルキ
    ル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、フェノキシ
    基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、アニリノ基、フ
    ェニル基又は低級アルキル基で置換されたフェニル基を
    表す]で示される化合物及びその医薬的に許容される酸
    付加塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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