JPH05294826A - ペプチド含有徐放性マイクロカプセル - Google Patents

ペプチド含有徐放性マイクロカプセル

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JPH05294826A
JPH05294826A JP4097961A JP9796192A JPH05294826A JP H05294826 A JPH05294826 A JP H05294826A JP 4097961 A JP4097961 A JP 4097961A JP 9796192 A JP9796192 A JP 9796192A JP H05294826 A JPH05294826 A JP H05294826A
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JP
Japan
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acid
group
bone resorption
sustained
peptide
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JP4097961A
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English (en)
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Minoru Yamada
稔 山田
Shigeru Kamei
茂 亀井
Tairyo Ogawa
泰亮 小川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】骨粗鬆症治療に有用な、骨吸収阻害活性を有す
るオリゴペプチドを含有する徐放性マイクロカプセルを
提供する。 【構成】骨吸収阻害活性を有するオリゴペプチドまたは
その塩を生体内分解性ポリエステル中に含有させてなる
徐放性マイクロカプセル。 【効果】本発明の徐放性マイクロカプセルは骨吸収阻害
活性を有するオリゴペプチドを長期にわたって生体内に
放出し、骨粗鬆症治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨粗鬆症治療に有用な
徐放性マイクロカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、老齢人口の増大とともに成人病患
者数はますます増加し社会問題にもなっている。成人病
の中でも、最も厄介なのが骨粗鬆症である。骨粗鬆症の
治療薬としては、カルシトニン、活性型ビタミンD3
副甲状腺ホルモン(PTH),ビスフォスフォネート類
がよく知られている。最近、PTH関連蛋白(PTHr
P)中の骨吸収阻害活性を持つ活性フラグメントである
オステオスタチン(Thr−Arg−Ser−Ala−Trp)および
その関連化合物が注目されている。〔エンドクリノロジ
ー(Endcrinology)、第129巻、3424〜3426
ページ、1991年〕
【0003】一方、マイクロカプセル等の徐放性製剤の
基剤として、生体内分解性高分子重合物を用いることが
知られてる。このような生体内分解性高分子重合物とし
て、例えば、特開昭61−28521号公報には、乳酸
および/またはグリコール酸を触媒の存在下または不存
在下で重縮合させることにより、これらの重合物もしく
は共重合物が得られることが記載されている。特公平1
−5708号公報には、このような生体内分解性高分子
重合物を用いた徐放性マイクロカプセルの製造法が開示
されている。また、特開昭62−54760号公報に
は、生体内分解性高分子重合物溶液を水洗して水易溶性
低分子化合物を除去する事によりマイクロカプセルから
の薬物の初期放出を改善出来ることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の骨吸収阻害活性
薬物は、骨粗鬆症治療を目的として、現時点では連日ま
たは、週に数回注射による投与が行われている。老齢で
しかも慢性の経過をとって発症する骨粗鬆症患者には、
頻回の注射は筋肉硬化症等臨床上の問題がある。そこ
で、1回の投与で骨吸収阻害活性薬物を長期にわたり持
続して生体内に放出する製剤を開発し、骨粗鬆症治療の
臨床に役立てることが望まれている。しかし、生体内分
解型高分子重合物の徐放メカニズムは不明な点が多く、
とくに低分子量ペプチドに関しては生体内分解性高分子
重合物の分解と薬物の放出は一致しない場合が多い。さ
らに、骨吸収阻害活性を有するオリゴペプチド(以下、
骨吸収阻害オリゴペプチドと略記する場合もある。)の
持続性製剤の製造に成功したという報告はない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るため本願発明者らは鋭意研究の結果、使用する生体内
分解性高分子重合物としては、生体内分解性脂肪族ポリ
エステルが適当であることを見いだした。そしてこれら
の知見に基づき、さらに鋭意検討を重ねた結果、本発明
を完成するに至った。本発明は、骨吸収阻害活性を有す
るオリゴペプチドまたはその塩を生体内分解性脂肪族ポ
リエステル中に含有させてなる徐放性マイクロカプセル
(以下、本発明のマイクロカプセルと略記することもあ
る。)を提供するものである。
【0006】本明細書において、アミノ酸およびペプチ
ドなどを略号で表示する場合、アイユパック−アイユー
ビー(IUPAC−IUB)コミッション・オン・バイ
オケミカル・ノメンクレイチャー(Commision on Bioch
emical Nomenclature)による略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものである。また、特にことわ
らない限りアミノ酸はL体を示すものとする。これら略
号は、それに相当する化合物のペプチド結合を形成し得
る残基を示す場合もある。その例を下記に示す。 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Ile :イソロイシン Leu :ロイシン Met :メチオニン Arg :アルギニン Lys :リジン His :ヒスチジン Asp :アスパラギン酸 Glu :グルタミン酸 Ser :セリン Thr :スレオニン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp ;トリプトファン
【0007】本発明に用いられる骨吸収阻害オリゴペプ
チドとしては、骨吸収阻害活性を有し、薬理学的に許容
されるものであればいかなるものでも用いることができ
る。該オリゴペプチドは好ましくは、例えば骨吸収阻害
を有し構成アミノ酸数が4から7のオリゴペプチドが挙
げられる。さらに好ましくは、例えば骨吸収阻害活性を
有し構成アミノ酸数が5から6のオリゴペプチドが挙げ
られる。具体的には、(L−/D−)Thr,(L-/D-)A
rg,(L-/D-)Ser,(L-/D-)Alaおよび/または(L-/D-)Trp
を構成アミノ酸とし、骨吸収阻害活性を有するオリゴペ
プチドが好ましい。さらに、(L-/D-)Arg-(L-/D-)Ser-(L
-/D-)Ala-(L-/D-)Trp のアミノ酸配列またはその逆の配
列を分子内に有し、骨吸収阻害活性を有するオリゴペプ
チドが特に好ましい。上記骨吸収阻害オリゴペプチドの
好ましい具体例としては、例えば Thr-Arg-Ser-Ala-Tr
p, Arg-Thr-Arg-Ser-Ala-Trp, Ala-Arg-Ser-Ala-Trp,
(D-Trp)-(D-Ala)-(D-Ser)-(D-Arg)-(D-Thr)等が挙げら
れる。
【0008】本発明に用いられる骨吸収阻害オリゴペプ
チドの薬理学的に許容される塩としてはナトリウム塩,
カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩,マグ
ネシウム塩などのアルカリ土金属塩や、塩酸塩,硫酸
塩,リン酸塩などの無機酸付加塩、酢酸塩,プロピオン
酸塩,クエン酸塩,酒石酸塩,リンゴ酸塩,蓚酸塩など
の有機酸塩等が挙げられる。
【0009】本発明に用いられる骨吸収阻害オリゴペプ
チドは、ペプチド合成の常套手段で製造しうる。例えば
ペプチド合成の手段は、自体公知の方法に従えばよく、
例えばエム・ボダンスキー(M. Bodansky)およびエム
・エー・オンデッテイ(M. A.Ondetti)著、ペプチド・
シンセシス(Peptide Synthesis)、インターサイエン
ス、ニューヨーク、1966年;エフ・エム・フイン
(F. M. Finn)およびケー・ホフマン(K. Hofmann)
著、ザ・プロテインズ(The Proteins)、第2巻、エイ
チ・ネンラス(H. Nenrath)、アール・エル・ヒル(R.
L. Hill)編集、アカデミックプレスインク、ニューヨ
ーク、1976年;泉屋信夫他著「ペプチド合成の基礎
と実験」丸善(株)1985年;矢島治明、榊原俊平他
著、生化学実験講座1、日本生化学会編、東京化学同人
1977年;木村俊他著、続生化学実験講座2、日本生
化学会編、東京化学同人1987年;ジエイ・エム・ス
チワート(J. M. Stewart)およびジエイ・ディー・ヤ
ング(J. D. Young)著、ソリッド・フェイズ・ペプチ
ド・シンセシス(Solid Phase Peptide Synthesis)、
ピアスケミカルカンパニー、イリノイ、1984年など
に記載された方法、例えばアジド法、クロライド法、酸
無水物法、混酸無水物法、DCC法、活性エステル法、
ウッドワード試薬Kを用いる方法、カルボニルイミダゾ
ール法、酸化還元法、DCC/HONB法、BOP試薬
を用いる方法などが挙げられる。ペプチド合成は、液相
合成法、固相合成法のいずれによってもよいが、液相合
成法が好ましい場合もある。また、固相合成法による場
合、自動ペプチド合成機(例、自動ペプチド合成機43
0A;アプライドバイオシステム社)を用いることも有
効である。
【0010】また本明細書で常用される保護基および試
薬を下記の略号で表記する。 Boc :t−ブトキシカルボニル Bzl : ベンジル Tos :p−トルエンスルホニル CHO :ホルミル − :ペプチド固相合成用ポリスチレン樹脂 PAM :p−オキシメチルスルフェニルアセトアミド
メチル樹脂 BOP :ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−ト
リス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロ
フォスフェート DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3
−ジカルボキシミド
【0011】本発明に用いられる骨吸収阻害オリゴペプ
チドは、そのペプチド結合の任意の位置で切断される各
種のフラグメントの一方に相当する反応性カルボキシル
基を有する原料と、他方のフラグメントに相当する反応
性アミノ基を有する原料をペプチド合成の常套手段で縮
合、また必要により該反応を適宜の順に繰り返すことに
より製造される。さらに生成物が保護基を有する場合、
その保護基を常套手段で脱離することにより製造しう
る。原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および
保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与する官
能基の活性化などもまた公知のものあるいは手段から適
宜選択しうる。
【0012】原料のアミノ基の保護基としては、例えば
アラルキルオキシカルボニル基(例、カルボベンゾキ
シ,4−メトキシベンジルオキシカルボニル,2−クロ
ルベンジルオキシカルボニル,9−フルオレニルメチル
オキシカルボニル等)、アルキルオキシカルボニル基
(例、t−ブチルオキシカルボニル,t−アミルオキシ
カルボニル,イソボルニルオキシカルボニル,アダマン
チルオキシカルボニル等)、アルカノイル基(例、ホル
ミル,アセチル等)、ハロアルカノイル基(例、トリフ
ルオロアセチル等)、イミド基(例、フタリル)、アリ
ールスルフェニル基(例、2−ニトロフェニルスルフェ
ニル等)、アリールホスフィノチオイル基(例、ジフェ
ニルホスフィノチオイル等)などが挙げられる。
【0013】カルボキシル基の保護基としては、例えば
エステル基〔例、アルキルエステル基(例、メチル,エ
チル,プロピル,ブチル,t−ブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオクチ
ル,2−アダマンチルなどのエステル基等)、アラルキ
ルエステル基(例、ベンジルエステル,4−ニトロベン
ジルエステル,4−メトキシベンジルエステル,4−ク
ロロベンジルエステル,ベンズヒドリルエステル等)、
フェナシルエステル基等〕、ヒドラジド基(例、カルボ
ベンゾキシヒドラジド、t−ブチルオキシカルボニルヒ
ドラジド、トリチルヒドラジド等)などが挙げられる。
【0014】セリンの水酸基は、例えばエステル化また
はエーテル化によって保護することができる。このエー
テル化に適する基としては例えばアセチル基などの低級
アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベン
ジルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基な
どの炭酸から誘導される基などがあげられる。またエー
テル化に適する基としては、例えばベンジル基、テトラ
ヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。しかしな
がら、セリンの水酸基は必ずしも保護する必要はない。
【0015】チロシンのフェノール性水酸基の保護基と
しては、例えば、アラルキル基(例、ベンジル,2,6
−ジクロロベンジル,2−ニトロベンジル等)、アラル
キルオキシカルボニル基(例、2−ブロモベンジルオキ
シカルボニル等)、アルキル基(例、t−ブチル等)な
どが挙げられる。必ずしも保護する必要はない。メチオ
ニンはスルホキサイドの形で保護しておいてもよい。
【0016】ヒスチジンのイミダゾールの保護基として
は、例えばアリールスルホニル基(例、p−トルエンス
ルホニル,4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベン
ゼンスルホニル等)、アリール基(例、2,4−ジニト
ロフェニル等)、アラルキルルオキシメチル基(例、ベ
ンジルオキシメチル等)、アルコキシメチル基(例、t
−ブトキシメチル等)、アルキルオキシカルボニル基
(例、t−ブトキシカルボニル等)、アラルキル基
(例、トリチル等)、アラルキルオキシカルボニル基
(例、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル等)な
どがあげられるが、必ずしも保護する必要はない。
【0017】トリプトファンのインドールの保護基とし
ては、アルカノイル基(例、ホルミル,アセチル等)、
アリールスルホニル基(例、2,4,6−トリメチルベ
ンゼンスルホニル,2,4,6−トリメトキシベンゼン
スルホニル,4−メトキシ2,3,6−トリメチルベン
ゼンスルホニル等)、アルキルオキシカルボニル基
(例、β,β,β−トリクロルエチルオキシカルボニル
等)、アリールホスフィノチオイル基(例、ジフェニル
ホスフィノチオイル等)などがあげられるが、必ずしも
保護する必要はない。
【0018】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば対応する酸無水物、アジド,活性エス
テル[アルコール(例、ペンタクロロフェノール,2,
4,5−トリクロロフェノール,2,4−ジニトロフェ
ノール,シアノメチルアルコール,p−ニトロフェノー
ル,N−ハイドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジ
カルボキシイミド,N−ハイドロキシスクシミド,N−
ハイドロキシフタルイミド,N−ハイドロキシベンズト
リアゾール)とのエステル]などがあげられる。原料の
アミノ基の活性化されたものとしては、例えば対応する
リン酸アミドがあげられる。縮合反応は反応を阻害しな
い溶媒の存在下に行うことができる。溶媒としては、ペ
プチド縮合反応に使用しうることが知られているものか
ら適宜選択されうる。例えば無水又は含水のアミド類
(例、ジメチルホルムアミド,N−メチルピロリドン
等),スルホキシド類(例、ジメチルスルホキサイド
等)、ピリジン類(例、ピリジン,α−,β−,γ−ピ
コリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタ
ン,クロロホルム,1,2−ジクロルエタン等)、エー
テル類(例、ジオキサン,テトラハイドロフラン)、ニ
トリル類(例、アセトニトリル)、エステル類(例、酢
酸エチル等)あるいはこれらの適宜の混合物などがあげ
られる。縮合反応における、反応性カルボキシル基を有
する原料と反応性アミノ基を有する原料との使用量比
は、反応性カルボキシル基を有する原料1重量部に対し
反応性アミノ基を有する原料約0.5から10重量部、
好ましくは約0.7から5重量部である。反応温度は、
ペプチド結合形成反応に使用されうることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜30℃の範
囲から適宜選択される。反応時間は、ペプチド結合形成
反応に使用されうることが知られている範囲から適宜選
択され、通常約数分から数十時間程度(例えば5分から
30時間等)の範囲から適宜選択される。
【0019】保護基の脱離方法としては、例えばPd黒
あるいはPd炭素等の触媒の存在下での水素気流中での
接触還元や、また、無水フッ化水素、スルホン酸類
(例、メタンスルホン酸,トリフルオロメタンスルホン
酸等)、ハロゲン化酢酸(例、トリフルオロ酢酸等)あ
るいはこれらの混合液等による酸処理や、また液体アン
モニア中アルカリ金属(例、ナトリウム等)による還元
等もあげられる。上記酸処理による脱離基反応は、一般
に約−20℃〜40℃の適温でおこなわれる。反応時間
は、数分から数十時間(例えば5分から30時間)であ
る。酸処理においては、アニソール類(例、アニソー
ル,チオアニソール等)、フェノール類(例、フェノー
ル,m−クレゾール,p−クレゾール等)、スルフィド
類(例、ジメチルスルフィド)、チオール類(例、1,
4−ブタンジチオール,1,2−エタンジチオール)の
ごときカチオン補足剤の添加が有効である。また、ヒス
チジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−
ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去さ
れ、トリプトファンのインドール保護基として用いられ
るホルミル基は上記のチオール類(例、1,2−エタン
ジチオール、1,4−ブタンジチオール等)等の存在下
の酸処理による脱保護以外に、希アルカリ金属水酸化物
(例、希水酸化ナトリウム,希水酸化カリウム等)、希
アンモニア等によるアルカリ処理によっても除去され
る。このようにして製造された骨吸収阻害オリゴペプチ
ドは反応終了後、ペプチドの分離手段、例えば、抽出,
分配,再沈殿,再結晶,カラムクロマトグラフィー,高
速液体クロマトグラフィーなどによって採取される。
【0020】本発明に用いられる骨吸収阻害オリゴペプ
チドは自体公知の方法により薬理学的に許容される塩と
することができる。このような塩としては、例えばアル
カリ金属塩(例、ナトリウム塩,カリウム塩等)、アル
カリ土金属塩(例、カルシウム塩,マグネシウム塩等)
や、酸付加塩〔例、無機酸(例、塩酸,硫酸,リン酸
等)あるいは有機酸(例、酢酸,プロピオン酸,クエン
酸,酒石酸,リンゴ酸,蓚酸等)などとの付加塩等〕な
どが挙げられる。
【0021】本発明に用いられる生体内分解性脂肪族ポ
リエステルとしては、分子内に酸性残基を有し、水に難
溶または不溶で、生体適合性で生体内で分解される脂肪
族ポリエステルであれば、いかなるものでも用いること
ができる。これら生体内分解性脂肪族ポリエステルは、
重量平均分子量が約3,000から30,000、好ま
しくは約5,000から20,000ものが用いられ
る。また、生体内分解性脂肪族ポリエステルの分散度
(重量平均分子量と数平均分子量との比)は、約1.2
から4.0が、特に約1.5から3.5が好ましい。な
お、本明細書で用いられる重量平均分子量および分散度
は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した
値を意味する。
【0022】上記生体内分解性脂肪族ポリエステルの好
ましい具体例としては、例えばα−ヒドロキシ酸類
(例、グリコール酸,乳酸,2−ヒドロキシ酪酸,2−
ヒドロキシ吉草酸,2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸,
2−ヒドロキシカプロン酸,2−ヒドロキシイソカプロ
ン酸,2−ヒドロキシカプリル酸等)、α−ヒドロキシ
酸の環状二量体類(例、グリコリド,ラクチド等)、ヒ
ドロキシジカルボン酸類(例、リンゴ酸等)、ヒドロキ
シトリカルボン酸類(例、クエン酸等)等の単独重合
物、2種以上の共重合物、あるいはこれら単独重合物お
よび/または共重合物の混合物が挙げられる。なお、重
合の形式は、ランダム,ブロック,グラフトのいずれで
もよい。また上記α−ヒドロキシ酸類,α−ヒドロキシ
酸の環状二量体類,ヒドロキシジカルボン酸類,ヒドロ
キシトリカルボン酸類が分子内に光学活性中心を有する
場合、D−、L−およびDL−体のいずれも用いること
ができる。該生体内分解性脂肪族ポリエステルのさらに
は好ましい具体例としては、例えば特開昭61−285
215号公報に記載された、乳酸/グリコール酸からな
るコポリマーないしホモポリマー、ヨーロッパ特許公開
第481732号公報に記載された、乳酸のホモポリマ
ーとグリコール酸/炭素数4から12のα−ヒドロキシ
酸(例、2−ヒドロキシ酪酸,2−ヒドロキシ−3−メ
チル酪酸,2−ヒドロキシカプロン酸等)のコポリマー
との混合物等が挙げられる。
【0023】本発明の徐放性マイクロカプセルは、例え
ば以下のような吸収阻害活性を有するオリゴペプチドを
水中乾燥法、相分離法あるいは噴霧乾燥法によりマイク
ロカプセル化する方法またはこれに準ずる方法によって
製造される。
【0024】まず、水に骨吸収阻害オリゴペプチドまた
はその塩を前記の濃度になる量を溶解し、これに必要で
あればタンパク質(例、ゼラチン等)、海草類(例、寒
天等)、多糖類(例、アルギン酸等)、合成高分子物質
(例、ポリビニールアルコール等)あるいは塩基性アミ
ノ酸(例、アルギニン,リジン等)などの薬物保持物質
を加えて溶解もしくは懸濁し、内水相液とする。これら
の内水相液中には、骨吸収阻害オリゴペプチドまたはそ
の塩の安定性、溶解性を保つためのpH調整剤として、
酢酸,シュウ酸,クエン酸等の有機酸、炭酸,リン酸,
塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水
酸化物、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸および
それらの塩〔例、炭酸,酢酸,シュウ酸,クエン酸等の
有機酸、炭酸,リン酸,塩酸等の無機酸などとの塩〕な
どを添加してもよい。また、さらに生理活性ペプチドの
安定化剤として、タンパク質(例、アルブミン,ゼラチ
ン等)、デンプン誘導体(例、デキストリン,プルラン
等)、有機酸(例、クエン酸等)、エチレンジアミン四
酢酸アルカリ金属塩(例、エチレンジアミン四酢酸ナト
リウム等)、亜硫酸水素アルカリ金属塩(例、亜硫酸水
素ナトリウム等)、合成高分子物質(例、ポリエチレン
グリコール等)などを添加してもよい。あるいは保存剤
として、一般に用いられるパラオキシ安息香酸エステル
類(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、ベン
ジルアルコール、クロロブタノール、チメロサールなど
を添加してもよい。
【0025】このようにして得られた内水相液を、生体
内分解性脂肪族ポリエステルを含む溶液(油相)中に加
え、ついで乳化操作を行い、W/O型乳化物をつくる。
該乳化操作は、公知の分散法、例えば、断続振とう法、
プロペラ型撹はん機あるいはタービン型撹はん機などの
ミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジナイザー
法、超音波照射法などが用いられる。上記生体内分解性
脂肪族ポリエステルを含む溶液(油相)は、生体内分解
性脂肪族ポリエステルを有機溶媒中に溶解したものが用
いられる。該溶媒としては、沸点が約120℃以下で、
かつ水と混和しない性質のもので、生体内分解性脂肪族
ポリエステルを溶解するものであればよく、例えばハロ
ゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、
クロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、四
塩化炭素など)、脂肪酸エステル(例、酢酸エチル、酢
酸ブチルなど)、エーテル類(例、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテルなど)、芳香族炭化水素(例、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなど)等が挙げられる。これ
らは2種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0026】ついで、このようにして調製されたW/O
型エマルジョンをマイクロカプセル化工程に付するが、
水中乾燥法によりマイクロカプセルを製する場合は、該
W/Oエマルジョンをさらに第3相目の水相中に加え、
W/O/W型の3相エマルジョンを形成させた後、油相
中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを調製する。上
記外相の水相中に乳化剤を加えてもよく、その例として
は、一般に安定なO/W型エマルジョンを形成するもの
であればいずれでもよいが、例えば、アニオン界面活性
剤(例、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活
性剤(例、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル〔ツイーン(Tween)80、ツイーン(Tween)60、
アトラスパウダー社〕、ポリオキシエチレンヒマシ油誘
導体〔HCO−60、HCO−50、日光ケミカルズ〕
など)、あるいは合成高分子物質(例、ポリビニールピ
ロリドン,ポリビニールアルコール等)、半合成高分子
物質(例、カルボキシメチルセルロース等)、リン脂質
(例、レシチン等)、タンパク質(例、ゼラチン等)な
どが挙げられ、これらの中の1種類か、いくつかを組み
合わせて使用してもよい。使用の際の濃度は、約0.0
1%から約20%(w/w)の範囲から適宜選択でき、よ
り好ましくは約0.05%から約10%(w/w)の範囲
で用いられる。
【0027】油相の溶媒の蒸発には、通常用いられる方
法が採用される。該方法としては、プロペラ型撹はん
機、あるいはマグネチックスターラーなどで撹はんしな
がら常圧もしくは徐々に減圧して行うか、ロータリーエ
バポレーターなどを用いて、真空度を調節しながら行
う。このようにして得られたマイクロカプセルは遠心分
離あるいは濾過して分取した後、マイクロカプセルの表
面に付着している遊離の骨吸収阻害オリゴペプチド、薬
物保持物質、乳化剤などを、蒸留水で数回繰り返し洗浄
した後、再び、蒸留水などに分散して凍結乾燥する。必
要であれば加温し、減圧下でマイクロカプセル中の水分
および有機溶媒の脱離をより完全に行う。相分離法によ
りマイクロカプセルを製造する場合は、該W/Oエマル
ジョンに撹はん下、コアセルベーション剤を徐々に加
え、生体内分解性ポリエステルを析出、固化させる。コ
アセルベーション剤としては、生体内分解性ポリエステ
ルの溶剤に混和する高分子系、鉱物油系または、植物油
系の化合物で、カプセル化用重合体を溶解しないもので
あればよく、例えば、シリコン油、植物油脂(例、ゴマ
油,大豆油,コーン油,綿実油,ココナツ油,アマニ油
等)、鉱物油、炭化水素類(例、n−ヘキサン,n−ヘ
プタン等)などが挙げられる。これらは2種維持用混合
して用いてもよい。
【0028】このようにして得られたマイクロカプセル
は、濾過して分取した後、ヘプタン等により繰り返し洗
浄し、コアセルベーション剤を除去する。さらに、水中
乾燥法と同様の方法で遊離薬物の除去、溶媒の脱離を行
う。洗浄中の粒子同志の凝集を防ぐために、凝集防止剤
〔例、マンニトール,ラクトール,ブドウ糖,デンプン
類(例、コーンスターチ等)などの水溶性糖類、グリシ
ン,アラニン等のアミノ酸類、ゼラチン,フィブリン,
コラーゲン等のタンパク質等〕を加えてもよい。噴霧乾
燥法によりマイクロカプセルを製造する場合には、上記
W/Oエマルジョンを、ノズルを用いてスプレードライ
ヤー装置(噴霧乾燥器)の乾燥室内へ噴霧し、極めて短
時間に微粒化液滴内の有機溶媒および水を揮発させ、微
粒状のマイクロカプセルを調製する。ノズルとしては、
二液体ノズル型,圧力ノズル型,回転ディスク型等があ
る。このとき、所望により、W/Oエマルジョンの噴霧
と同時にマイクロカプセルの凝集防止を目的として、前
述の凝集防止剤の水溶液を別ノズルより噴霧することも
有効である。このようにして得られたマイクロカプセル
は、必要があれば加温し減圧下でマイクロカプセル中の
水分の除去およびマイクロカプセル膜中の溶媒の除去を
より完全に行う。
【0029】本発明のマイクロカプセルの粒子径は、徐
放性の程度により、懸濁注射剤として使用する場合に
は、その分散性、通針性を満足させる範囲であればよ
く、例えば平均径として約1から約300μmの範囲が
挙げられ、さらに約5から150μmの範囲にあること
がより好ましい。本発明のマイクロカプセルは、生体内
分解性ポリエステルの性状の相違に基づく各種の徐放期
間を有するマイクロカプセルを2種または2種以上適宜
の割合で混合してもよい。本発明のマイクロカプセル
は、そのままあるいは本発明のマイクロカプセルを原料
物質として種々の剤形に製剤化し、筋肉内、皮下、血
管、臓器、あるいは関節腔などへの注射剤または埋め込
み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤、経口剤
〔例、カプセル剤(例、硬カプセル剤,軟カプセル剤
等),顆粒剤,散剤等の固形製剤、シロップ剤,乳剤,
懸濁剤等の液剤等〕などとして投与することができる。
本発明のマイクロカプセルは溶解し球状、棒状、針状、
ペレット状、フィルム状等に賦形して徐放性製剤を製造
することも出来る。該徐放性製剤は例えば特公昭50−
1725号公報に記載の方法に従って製造される。さら
に具体的には、薬物および高分子重合物を溶媒に溶か
し、溶媒を適当な方法(例、噴霧乾燥、フラッシュ蒸発
等)によって除去することにより該生体内分解型高分子
組成物を製造できる。さらに該徐放性製剤を微細に粉砕
して注射に適当な溶媒中に懸濁させて、注射用、経粘膜
投与用あるいは経口投与用懸濁液を得ることもできる。
【0030】本発明のマイクロカプセルを注射剤とする
には、本発明のマイクロカプセルを分散剤(例、Tween
80、HCO−60、カルボキシメチルセルロース、ア
ルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベ
ン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例、塩化ナト
リウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)
などと共に水性懸濁剤とするか、ゴマ油、コーン油など
の植物油と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用で
きる徐放性注射剤とする。さらに、上記のマイクロカプ
セルの徐放性注射剤は、懸濁剤として、上記の組成以外
に、賦形剤(例えば、マンニトール、ソルビトール、ラ
クトース、ブドウ糖など)を加えて、再分散した後、凍
結乾燥もしくは噴霧乾燥して固型化し、使用時に、注射
用蒸留水あるいは適当な分散媒を加えると、より安定し
た徐放性注射剤が得られる。本発明のマイクロカプセル
を経口剤とするには、本発明のマイクロカプセルを、カ
プセル剤(硬カプセル剤,軟カプセル剤等),顆粒剤,
散剤等の固形製剤、シロップ剤,乳剤,懸濁剤等の液剤
等に自体公知の方法に従い製剤化することにより徐放性
経口剤とする。本発明の徐放性製剤の投与量は、主薬で
ある骨吸収阻害オリゴペプチドの種類と含量、剤形、薬
物放出の持続時間、投与対象動物〔例、温血哺乳動物
(例、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒト)〕などによ
り種々異なるが、該主薬の有効量であればよい。例え
ば、上記温血哺乳動物に1回あたり投与量として、マイ
クロカプセルの重量が好ましくは約0.1mgないし10
0mg/kg体重、より好ましくは約0.2mgないし50mg
/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。投与回数
は、数週間に一回、一カ月間に一回、あるいは一年間に
一回等主薬である骨吸収阻害オリゴペプチドの種類と含
量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象動物〔例、温
血哺乳動物(例、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒ
ト)〕などにより適宜選ぶことができる。このようにし
て、通常の1回投与量より多い有効量の骨吸収阻害活性
を有するオリゴペプチド、および生体内分解性ポリエス
テルよりなり、長期間にわたって該薬物を持続的に放出
させることができる徐放性マイクロカプセルとして調製
された医薬品組成物が得られる。
【0031】
【実施例】以下に参考例,実施例を挙げて、本発明をさ
らに具体的に説明する。混合溶媒において示したパーセ
ント(%)は容量/容量パーセントを表す。
【0032】参考例1 オステオススタチン(Thr-Arg-
Ser-Ala-Trp) の合成 本ペプチドの合成は自動ペプチド合成機430A(アプ
ライドバイオシステム社)を用いた固相合成法にて行っ
た。プログラムは「OPT−HR」(アプライドバイオ
システム社)を用い、Boc-アミノ酸をN−メチルピロリ
ドン中で縮合する方法を採用した。基本的な合成過程等
はメリーフィールド・アール・ビー(Merrifield, R.
B.)(1969)アドバンス・オブ・エンザイモロジー
(Adv. Enzymol.)32,221−296の方法に順じ
ている。レジンにはBoc-Trp(CHO)-PAM-P(0.5mmol/
g)を用い、カルボキシル末端から順次合成した。Boc-
アミノ酸として、 Boc-Ala-OH, Boc-Ser(Bzl)-OH, Boc-A
rg(Tos)-OH およびBoc-Thr(Bzl)OH を用いた。アミノ末
端まで合成とたのちペプチドレジンを合成機から取り出
し、乾燥した。ペプチドレジン1gに1.5mlのp−ク
レゾールおよび0.5mlの1,2−エタンジチオールを
加え、さらに約8mlの液体フッ化水素を加えて、0℃で
2時間反応させた。反応終了後、デシケーター中でフッ
化水素を減圧除去し、0.1%の2−メルカプトエタノ
ールを含むジエチルエーテルで、続いてジエチルエーテ
ルで洗い、大部分の混在試薬を除去した。ペプチドを1
0mlの3%酢酸で抽出し、ろ過により抽出液中に混入し
ているレジンを除いた。ろ液をセファデックス(Sephad
ex)G−25を用いるゲルろ過により精製した。ゲルろ
過条件は、カラムサイズ,2.8×60cm;検出波長,
230nm;溶媒,3%酢酸:流速,40ml/hrであっ
た。ペプチドを含むフラクションを集めて凍結乾燥し、
得られた粉末標品について逆相高速液体クロマトグラフ
ィーによりさらに精製した。カラム、YMC−パック、
D−ODS−5 20×300mm(山村化学研究所社
製);カラム温度,25℃;溶出溶媒A,0.1%トリ
フルオロ酢酸−99.9% 蒸留水;溶出溶媒B,0.
1%トリフルオロ酢酸−99.9% アセトニトリル;
溶出プログラム,0分(90%A+10%B),40分
(50%A+50%B);溶出速度8ml/min,検出波長
230nm。本条件下で保持時間23分に溶出された主ピ
ーク画分を集めてバイオラッドAG1×8(CH3COOH
型,1.8×5cm)のカラムに通し、洗液を集め、アセ
トニトリルを留去した後、凍結乾燥した。白色粉末11
4mgを得た。得られたペプチドは、上記と同様の条件に
おける高速液体クロマトグラフィーによる分析で、保持
時間23分に鋭い単一ピークを与えた。 アミノ酸分析(4%チオグリコール酸存在下、脱気封管
中6規定塩酸,110℃24時間加水分解):Ser 0.87
(1), Ala 1.04(1), Arg 1.00(1), Trp 0.88(1),Thr 0.9
4(1)。 回収率76%。
【0033】参考例2 Arg-Thr-Arg-Ser-Ala-Trp の合
成 参考例1の化合物と同様にして合成した。保護ペプチド
レジン1.23gをフッ化水素処理した後精製し、14
2mgの目的ペプチドを得た。このものは下記の条件での
高速液体クロマトグラフィーで保護時間22.4分に鋭
い単一ピークとして溶出された。カラムYMC−パック
D−ODS−5,20×300mm;カラム温度,25
℃;溶出溶媒A,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9
%蒸留水;溶出溶媒B,0.1%トリフルオロ酢酸−9
9.9%アセトニトリル;溶出速度5ml/分,検出波長
280nm。 溶出プログラム,0分(80%A+20%
B),30分(75%A+25%B); アミノ酸分析(4%チオグリコール酸存在下、脱気封管
中6規定塩酸,110℃24時間加水分解):Ser 0.85
(1), Arg 2(2), Trp 0.92(1), Trp 0.85(1), Ala1.04
(1)。
【0034】参考例3 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頸フラ
スコに90%D,L−乳酸水溶液300gと90%L−
乳酸100gを仕込み、窒素気流下100℃、500mm
Hgから150℃、30mmHgまで4時間かけて減圧加熱を
行なって留出水を除去した。さらに5〜7mmHg、150
〜180℃で24時間減圧加熱を行なった後冷却し、琥
珀色の乳酸重合体を得た。得られた重合体を1000ml
のジクロルメタンに溶解し、60℃の温水中に撹拌下注
入した。分離してくる餅状の高分子重合物を集め、30
℃で真空乾燥した。得られた乳酸重合体は、GPCによ
る重量平均分子量は9000であった。
【0035】参考例4 窒素導入管および冷却管を備えた1000mlの4頸フラ
スコにグリコール228.2gと2−ヒドロキシ酪酸2
08.1gを仕込み、窒素気流下90℃、400mmHgか
ら150℃、30mmHgまで5時間かけて減圧加熱を行な
って留出水を除去した。さらに5〜7mmHg、150〜1
75℃で72時間減圧加熱を行なった後冷却し、琥珀色
の乳酸重合体を得た。得られた重合体を1000mlのジ
クロルメタンに溶解し、60℃の温水中に撹拌下注入し
た。分離してくる餅状の高分子重合物を集め、30℃で
真空乾燥した。得られたグリコール酸・2−ヒドロキシ
酪酸共重合体は、GPCによる重量平均分子量は160
00であった。
【0036】実施例1 参考例1で得られたオステオスタチン(Thr-Arg-Ser-Al
a-Trp)40mgを蒸留水0.05mlに溶解し、実施例1
で得られたポリ乳酸1gおよび参考例3で得られたグリ
コール酸・2−ヒドロキシ酪酸共重合体1gをジクロロ
メタン2.5mlに溶解した液に加え、小型ホモジナイザ
ーで60秒間混合し、W/O型エマルジョンを得た。こ
のエマルジョンを18℃に冷却した後、あらかじめ19
℃に調整しておいた0.1%ポリビニールアルコール
(PVA)水溶液500mlに注入しタービン型ホモミキ
サーを使用してW/O/W型エマルジョンとした。この
後、W/O/W型エマルジョンを室温で撹拌しつつジク
ロロメタンを揮散させて内部のW/O型エマルジョンを
固化させ遠心分離機を用いて捕集した。これを再び蒸留
水に分散しさらに遠心分離を行なって遊離薬物等を洗浄
した。捕集されたマイクロカプセルはD−マニトール
0.15gを加え、凍結乾燥によって粉末として得られ
た。
【0037】実施例2 参考例2で得られたヘキサペプチド(Arg-Thr-Arg-Ser-
Ala-Trp)40mgを用いて実施例1と同様にしてマイク
ロカプセルを調製した。得られたマイクロカプセルの3
7℃,pH7.0のリン酸緩衝液中で行なった in vitr
o 溶出試験の結果を〔表1〕に示す。
【表1】 薬物残存率(%)a) ────────────────────── 1日 1週 2週 3週 4週 ─────────────────────────── 実施例2 61.1 31.2 23.1 20.2 2.1 ─────────────────────────── a) pH7.0,1/30Mリン酸緩衝液,37℃
【0038】
【発明の効果】本発明の徐放性マイクロカプセルは、骨
吸収阻害オリゴペプチドを長期にわたって放出し、骨粗
鬆症治療に有効に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/34 G 7433−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨吸収阻害活性を有するオリゴペプチドま
    たはその塩を生体内分解性脂肪族ポリエステル中に含有
    させてなる徐放性マイクロカプセル。
JP4097961A 1992-04-17 1992-04-17 ペプチド含有徐放性マイクロカプセル Withdrawn JPH05294826A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6902721B1 (en) * 1998-07-10 2005-06-07 Osteoscreen, Inc. Inhibitors of proteasomal activity for stimulating bone growth
JP2008519771A (ja) * 2004-11-10 2008-06-12 キューエルティー ユーエスエー,インコーポレイテッド. 安定化されたポリマー送達系

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