JPH05294369A - バーナー付缶詰 - Google Patents

バーナー付缶詰

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JPH05294369A
JPH05294369A JP5017198A JP1719893A JPH05294369A JP H05294369 A JPH05294369 A JP H05294369A JP 5017198 A JP5017198 A JP 5017198A JP 1719893 A JP1719893 A JP 1719893A JP H05294369 A JPH05294369 A JP H05294369A
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JP
Japan
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burner
outer case
canned
gas
ignition
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Withdrawn
Application number
JP5017198A
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English (en)
Inventor
Tomio Nitta
富夫 新田
Hideo Mifune
英雄 三舩
Masato Seki
正人 関
Shinichi Okawa
慎一 大川
Nobuyuki Serizawa
宜之 芹沢
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Tokai Corp
Original Assignee
Tokai Corp
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Publication date
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Priority to EP93904292A priority patent/EP0589045B1/en
Priority to US08/129,184 priority patent/US5408987A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 缶詰の内容物を蓋を開けて出すことなく、ど
こでも簡単にそのまま調理でき、また缶入り飲料もその
ままどこでも温めることができる燃焼効率の高い加熱手
段を備えた缶詰あるいは缶入り飲料、さらには缶に入れ
た食品、飲料以外のものを提供する。 【構成】 上端を開放した円筒状の外ケース2と、この
外ケース2の上部内側に、外ケース2との間に燃焼ガス
が上昇する間隙を形成して収容固定された、上端面に開
蓋用タブ6aを有する蓋6bを備えた円筒状の耐熱性缶本体
6cからなる缶詰6と、外ケース2の下部内側に缶詰6を
加熱するよう収容固定された着火手段8を備えたバーナ
ー3と、バーナー3に燃料を供給するよう外ケース2の
下部内側に固定された燃料タンク4とからなっている。
缶詰6は使用時に加熱される内容物を収容し、外ケース
2はバーナー3に外部の空気を供給するための通気口2a
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバーナー付缶詰、さらに
詳しくは内容物を加熱するためのバーナーを備えた缶詰
に関するものである。
【0002】ここで缶詰の内容物とは、煮たり、炒めた
り、蒸したりして加熱することにより調理される食品
や、温めて飲用するのに適する飲料のみならず、煮沸し
て使用するのに適する蒸しタオルや注射針、あるいは湯
タンポのように温めて使用するもの等、加熱して食用、
飲用、使用に供するもの全てを含むものとする。
【0003】
【従来の技術】従来、缶詰は保存食品に使用されてお
り、この内容物を加熱して調理するときには、缶詰の蓋
を開けて内容物を出して調理している。また、缶入り飲
料については、自動販売機などで温めて販売されている
ものもあるが、そのまま放置しておけば冷めてしまう。
そのため、ハイキングや登山などに携帯した缶詰や缶入
り飲料は、加熱したり温めたりしたいときには別に携帯
燃料等を用意して加熱しなければならなかった。
【0004】また、屋外で使用するための携帯燃料や携
帯コンロ等の加熱装置が知られているが、これらの加熱
手段を食品とともに携帯するのは面倒でもあり、また調
理の手間も面倒であった。
【0005】調理を簡単にするために、熱湯を注ぐだけ
でよいインスタント食品も多く知られているが、屋外で
はそのための熱湯を得るのにも上記のような加熱手段が
必要である。
【0006】また一方、屋外、屋内を問わず、使用する
ときに加熱(煮沸を含む)して使用したいものも種々あ
る。例えば、蒸しタオル(おしぼり)や、注射針、湯タ
ンポ等は、使用するときに適度の熱を必要とする。この
ようなものを缶等の容器に入れておき、必要なときに簡
単な方法で加熱して使用できれば便利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑
み、缶詰の内容物を加熱前に蓋を開けて出すことなく、
どこでも簡単にそのまま調理でき、また缶入り飲料もそ
のままどこでも温めることができる燃焼効率の高い加熱
手段を備えた缶詰あるいは缶入り飲料、さらには缶に入
れた食品、飲料以外のもの(これらを総称して缶詰とい
う)を提供することを目的とするものである。
【0008】さらに、本発明は、安定したガス燃焼で加
熱が行えるようにした構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、バーナーを備えた缶詰を提供するもので
ある。
【0010】すなわち、本発明のバーナー付缶詰は、少
なくとも上端を開放した円筒状の外ケースと、該外ケー
スの上部内側に、該外ケースとの間に燃焼ガスが上昇す
る間隙を形成して収容固定された、使用時に加熱される
内容物を収容し、上端面に開蓋用タブを有する蓋を備え
た円筒状の耐熱性缶本体からなる缶詰と、前記外ケース
の下部内側に前記缶詰を加熱するよう収容固定された、
着火手段を備えたバーナーと、該バーナーに燃料を供給
するよう、前記外ケースの下部内側に固定された燃料タ
ンクとからなり、前記外ケースが前記バーナーに外部の
空気を供給するための通気口を備えていることを特徴と
するものである。
【0011】また、本発明のバーナー付缶詰は、好まし
くは、外ケースの上部に缶詰の内容物を加熱後収容する
容器、例えば食品を食するときに使用する食器となる容
器が被冠係止される。
【0012】さらに、好ましくは、内容物の加熱により
缶本体の内部の圧力や温度が所定の値を越えたときに
は、爆発等を防ぐため、自動的に缶本体に蒸気等の排出
孔を穿孔する手段が設けられる。
【0013】また本発明のバーナー付缶詰は、好ましく
は、燃料タンクが外から残留燃料の量が見えるような透
明材料で少なくとも一部が形成されており、外ケースが
この残留燃料の量が見える部分に残留燃料の量を確認す
るための窓を備えている。
【0014】さらに好ましくは、前記バーナーより下方
の外ケースに1次空気孔が、バーナーより上方の外ケー
スに2次空気孔がそれぞれ開口され、燃焼用空気が供給
される。
【0015】一方、燃料タンクの外周に金属板による伝
熱板の一端を巻き付け、他端をバーナー底部に接触させ
て配設するのが好ましい。
【0016】また、好ましくは、燃料タンクからバーナ
ーへのガス流出部が、釘状固定子の中心部を通る主流
と、該釘状固定子に装着される円形の中孔を有する円板
状で半径方向にガスが流通するフィルタを通る副流とに
分け、上記フィルタはガス流路となる連続気泡と温度変
化により膨張または収縮してガス流路を圧縮または拡大
する独立気泡とを有し、ガス流量を自動調整する微細孔
フィルタで構成されている。
【0017】さらに、外ケースと缶詰との間に波形の仕
切部材が配設され、該仕切部材は波板状部材が湾曲変形
されて外ケース内に挿入され、その復元弾性力で該外ケ
ースに保持するのが好適である。
【0018】さらに好ましくは、前記外ケースの外周面
に片段ボールをライナを外面にして巻き付けられる。
【0019】
【作用】前記したように本発明によるバーナー付缶詰
は、上端を開放し、外部の空気を供給するための通気口
と、着火手段を外部から操作するための開口を備えた円
筒状の外ケースの上部内側に、該外ケースとの間に燃焼
ガスが上昇する間隙を形成して上端面に開蓋用タブを有
する蓋を備えた円筒状の缶詰が収容固定され、この缶詰
は使用するときに加熱される内容物を収容しており、ま
たケースの下部内側には缶詰を加熱する着火手段を備え
たバーナーと燃料タンクが収容固定されているから、い
つでもどこでもこのバーナーの着火手段で着火すること
により、缶詰の内容物を加熱することができ、携帯に便
利な加熱手段付缶詰を実現することができる。しかも缶
詰と外ケースとの間に燃焼ガスが上昇する間隙が形成さ
れているから、バーナーの燃焼効率が高く、有効に燃料
を使用して加熱することができる。
【0020】また、燃料タンクとバーナーとを接触して
伝熱板を設けると、燃料ガスが燃料タンクから流出して
気化する際の気化潜熱による燃料タンクの冷却でガス流
量が低下するのを、バーナーより熱が伝熱板によって伝
熱して燃料タンクの温度低下を抑制してガスの流量低下
を防止して燃焼時間の継続によっても安定したガス流量
が得られる。
【0021】さらに、周囲の温度に応じて燃料タンク中
のガス圧が変動し、ガス流量が変動するのを、このガス
流量の一部を微細孔フィルタを通して温度制御すること
により、周囲温度によるガス流量の変動を低減してい
る。また、ガス流量の全部を微細孔フィルタを通して供
給すると、気化潜熱により微細孔フィルタが冷却されて
所期の作用が得られなくなるのを、釘状固定子の中心部
を通る主流とに分けることでこの問題を解決している。
【0022】
【実施例】以下、本発明によるバーナー付缶詰の各実施
例を図面に基づいて説明する。
【0023】<実施例1>図1は、本例によるバーナー
付缶詰の基本的構造を示す断面図、図2はその外観の一
例を示す一部切開斜視図である。
【0024】本例のバーナー付缶詰1は、基本的に少な
くとも上端を開放した円筒状の外ケース2と、この外ケ
ース2の上部内側に、該外ケース2との間に燃焼ガスが
上昇する間隙を形成して収容固定された、上端面に開蓋
用タブ6aを有する蓋6bを備えた円筒状の耐熱性缶本体6c
からなる缶詰6と、前記外ケース2の下部内側に前記缶
詰6を加熱するよう収容固定された着火手段8を備えた
バーナー3と、該バーナー3に燃料を供給するよう、前
記外ケース2の下部内側に固定された燃料タンク4とか
らなり、前記缶詰6は使用時に加熱される内容物を収容
し、前記外ケース2は、前記バーナー3に外部の空気を
供給するための通気口2aと、前記着火手段8を外部から
操作するための開口2bを備えている。
【0025】図2に示す例では、前記着火手段8を外部
から操作するための前記開口2bには、バーナー3の炎が
燃えているかどうかを外から確認できるような窓5aおよ
び前記燃料タンク4の残留燃料の量を確認するための目
盛の付いた窓5bを備えたプレート5が配設されている。
このためには、前記燃料タンク4は、外から残留燃料の
量が見えるような透明材料で少なくとも一部が形成され
ており、前記外ケース2の窓5bがこの外から残留燃料の
量が見えるような透明材料で形成されている部分に設け
られていなければならない。
【0026】なお、バーナー3の炎が燃えているかどう
かを外から確認するための手段としては、上記窓5aの設
置が設計上困難な場合等には、窓5aの代りにオプティカ
ルファイバやミラー等の光学手段を用いて見やすい位置
でバーナー3の炎を外から観察できるようにすることも
できる。すなわち、前記バーナー3の着火確認のための
窓を前記外ケース2に設け、該確認用の窓と前記バーナ
ー3の炎に対向する位置との間に、該炎の像を前記確認
用の窓まで光学的に伝達する光学手段を設けるようにし
てもよい。
【0027】また、外ケース2の外周面と缶詰6と間に
は、バーナー3で缶詰6を加熱しているときに外ケース
2の外周面に手で触れても火傷をしない程度に断熱効果
を有する断熱手段が設けられているのが望ましい。この
ための手段としては、外ケース2の材料自体を断熱効果
の高い材料で少なくとも一部形成すること、あるいは外
ケース2の内側に断熱材料の円筒を重ねて設けること等
が考えられる。
【0028】さらに、外ケース2の上部に、缶詰6の内
容物を加熱後に収容するための食器となる容器を被冠係
止するようにしてもよい。このような例を図3に示す。
図3に示す例では、缶詰6の上端外周と外ケース2の上
端縁との間にリング状のパッキング118 が圧入されてお
り、これによってこのバーナー付缶詰1が逆さに落下し
たときの衝撃を吸収して破損等を防止するとともに、こ
の上に缶詰6の内容物を加熱後に収容する食器となる容
器120 を被冠係止するようにしている。すなわち、この
容器120 がこのリング状のパッキング118 の上から圧入
されるようになっている。
【0029】前記外ケース2と缶詰6の缶本体6cとの間
には、燃焼ガスが上昇する間隙が形成されているが、こ
の間隙を形成する構成と外ケース2と缶本体6cとを固定
する手段とが兼用して設けられている。すなわち例えば
図4の(a)に示すように単純に縦に延びた仕切部材7
を複数個設けてもよい。このときは、その仕切部材7が
両者を固定する作用を有するとともに仕切部材7の間の
空間が、燃焼ガスが上昇する間隙となる。また、図4の
(b)に示すように、縦に延びた波状の仕切部材9を設
けてもよい。この波状の仕切部材9は、図1、図2、図
3等に示すように、缶本体6cの下端よりも下方まで伸び
ている。このときは、その仕切部材9が両者を固定する
作用を有するとともに仕切部材9の波型の内側の空間9a
が、燃焼ガスが上昇する間隙となる。このような構成に
した場合には、特に燃焼効率が高くなる。
【0030】前記バーナーの着火手段8としては、ピエ
ゾ式自動点火装置を採用するのが、その簡便さ等からし
て実用上好ましい。また、このバーナー3は、炎が消え
たときにバーナー3への燃料の供給を自動的に遮断する
安全装置を備えているのが、安全上望ましい。
【0031】さらに、缶詰6は、内容物の加熱により缶
本体6cの内部の圧力あるいは熱が所定の値を越えたと
き、自動的に缶本体6cに蒸気等の排出孔を穿孔する手段
を備えていることが望まれる。このような例を図5ない
し図7に示す。
【0032】図5は缶詰6の蓋6bの内側に、缶本体6cの
熱が所定の値を越えたとき、自動的に缶本体6cに蒸気等
の排出孔を穿孔する手段を示すもので、これは蓋6cの内
面に立てた支持板122 に、所定以上の熱で溶解する接着
剤123 をもって穿孔ピン124の後端を固定し、この穿
孔ピン124 のフランジ125 と前記支持板122 との間
に圧縮スプリング126 を嵌装し、この穿孔ピン124 の先
端付近は案内板127 で案内した例を示すものである。こ
の穿孔ピン124 の先端は缶本体6cに近接して対向せしめ
られ、缶詰6がバーナー3で所定以上に加熱されたと
き、前記接着剤123 が溶解してこの穿孔ピン124 がスプ
リング126 の弾発力により缶本体6cに小さな孔を穿孔し
て、蒸気等が噴出して排出されるようにしたものであ
る。
【0033】図6は缶詰6の蓋6bの外側に形成された凹
部6dに、缶本体6cの熱が所定の値を越えたとき、自動的
に缶本体6cに蒸気等の排出孔を穿孔する手段を示すもの
で、これは蓋6cの凹部6dの側面6eに、所定以上の熱で溶
解する接着剤123 をもって穿孔ピン124 の後端を固定
し、この穿孔ピン124 のフランジ125 と前記支持板122
との間に圧縮スプリング126 を嵌装し、この穿孔ピン12
4 の先端付近を案内板127 で案内した例を示すものであ
る。この穿孔ピン124 の先端は蓋6cの凹部6dの前記側面
6eに対向する側面6fに近接して対向せしめられ、缶詰6
がバーナー3で所定以上に加熱されたとき、前記接着剤
123 が溶解してこの穿孔ピン124 がスプリング126 の弾
発力によりその側面6fに小さな孔を穿孔して、蒸気等が
噴出して排出されるようにしたものである。
【0034】図7は缶詰6の蓋6bの内側に、缶本体6cの
熱が所定の値を越えたとき、自動的に缶本体6cに蒸気等
の排出孔を穿孔するもう一つの手段の例を示すもので、
これは蓋6bの内面に立てた支持板122 に、穿孔ピン124
の後端を支持し、この穿孔ピン124 のフランジ125 と前
記支持板122 との間に圧縮スプリング126 を嵌装し、こ
の穿孔ピン124 の先端付近を案内板127 で案内し、さら
に前記フランジ125 に係止して穿孔ピン124 の前記圧縮
スプリング126 による付勢をロックする部材128 をバイ
メタルで形成し、缶詰6がバーナー3で所定以上に加熱
されたとき、このバイメタルのロック部材128 が変形し
てロックを外してこの穿孔ピン124 がスプリング126 の
弾発力により缶本体6cに小さな孔を穿孔して、蒸気等が
噴出して排出されるようにしたものである。
【0035】これらの安全装置は過熱に対するものであ
るが、過熱と同時にあるいは別に、缶詰6の中の圧力が
所定の値以上になったときに同様に缶本体6cに小さな孔
を穿孔して、蒸気等が噴出して排出されるようにする安
全装置を備えてもよい。このような所定の圧力以上にな
ったら作用する感圧手段としては、種々の公知の感圧手
段を使用することができる。
【0036】なお、燃料タンク4としては、耐圧性の良
いプラスチックを採用することができる。そして、残留
燃料の量が外から見えるように、例えば透明ナイロンの
ような透明なプラスチックを使用するとよい。また、燃
料のガスが抜けたときにガスを再充填することができる
ようにタンクの底にゴム栓を着脱自在に設け、外ケース
2の外にはこのゴム栓の上から目隠しのシールを設ける
ようにしてもよい。あるいは、このゴム栓の代りに、従
来から使用されているようなプラスチックのネジとゴム
のOリングを組み合わせた栓を用いてもよい。
【0037】前記バーナー3としては、種々の公知のバ
ーナーを採用することができるが、例えば2重管構造に
して押し込み式とし、コンパクトに収容できるようにし
てもよい。すなわち、バーナーの高さに影響する燃焼筒
を伸縮自在なスライド式として、携帯するときには短く
してバーナーを外ケースに入れて全体をコンパクトに
し、バーナーを使用するときには燃焼筒を伸ばして全体
を長くして使用するようにしてもよい。また、燃料タン
クをドーナツ形とし、そのタンクの中央の孔もしくは凹
部の中にバーナーの燃焼筒を埋め込み式にして高さを低
くしてコンパクトに収容できるようにしてもよい。さら
にバーナーはパイロットバーナーとメインバーナーの2
段式として、パイロットバーナーヘ圧電点火をするよう
にしてもよい。
【0038】<実施例2>図8〜図19に、本発明によ
るバーナー付缶詰のさらに具体的な構造の例を示す。図
8は本例のバーナー付缶詰の外観形状を示す斜視図、図
9は基本構造を示す断面図、図10はその平面図、図1
1はバーナー部分の平面構造を、図12はその断面正面
概略構造を、図13および図14は概略側面構造を示し
ている。
【0039】バーナー付缶詰10は、上端を開放した円筒
状の外ケース12と、この外ケース12の上部内側に、該外
ケース12との間に燃焼ガスが上昇する間隙を形成して収
容固定された缶詰14と、前記外ケース12の下部内側に前
記缶詰14を加熱するよう収容固定されたバーナー16と、
該バーナー16への着火を行う着火手段11とを備えてい
る。
【0040】また、上記外ケース12の上端において、該
外ケース12と缶詰14の上端縁部との間には排気プレート
17が設置され、該排気プレート17は円環状に形成されて
円周に所定間隔で排気孔17a が開口されている。一方、
前記バーナー16の着火操作を行う操作ロッド18の一端
は、外ケース12に沿って上方に延び、上部からの操作に
よって着火を行うように設けられている。すなわち、上
記操作ロッド18は、詳細構造は後述するが、下方に押し
込むことによって底部の着火手段11を操作してバーナー
16への着火を行うものであり、前記排気プレート17を貫
通して上方に突出している操作ロッド18の上端部18a
は、内方側に缶詰14の上部に倒れるように傾倒自在に設
けられている。上記操作ロッド18は、そのまま上方に引
き抜いて外ケース12から取り外し可能に形成され、他の
位置に挿入して消火操作も行うように設けられている。
【0041】さらに、前記缶詰14は、耐熱性缶本体14a
の上端面が開缶用のプルタブ15が付設された蓋14b で閉
塞されてなるものであり、水等の内容物が収容されてい
る。そして、上記プルタブ15の開封と前記操作ロッド18
の着火操作とを連係して行う開封部材21が設置されてい
る。すなわち、この開封部材21は、上記プルタブ15に係
合するとともに、操作ロッド18の内方に倒された上端部
18a (起立方向に付勢されている)に係合しているもの
であり、まず開封部材21を起こすことによってプルタブ
15を引き上げて缶詰14を開封するとともに操作ロッド18
の上端部18a を解放して起立状態にした後、再度開封部
材21を倒すことで操作ロッド18を下方に押し込むように
操作してバーナー16への着火を行うように設けられてい
る。
【0042】なお、上記缶詰14の着火前の開封は、密閉
加熱による内圧の上昇を回避するべく開放するためのも
のであり、加熱後には上記開封部材21を起こしてさらに
開封して缶詰14に開口を形成するか、開封部材21を外し
て開口を露出するように操作するものである。
【0043】そして、前記外ケース12の上部の外面に感
熱塗料等の感熱材料による着火確認部材22が設けられて
いる。この着火確認部材22は、バーナー16への着火に伴
って外ケース12に沿って上昇する燃焼ガスによって加熱
され、所定温度に達した際に変色もしくは発色する感熱
特性を有している。なお、この実施例(図8)において
は、上記着火確認部材22は、例えば、40℃程度の温度で
変色するもので構成され、これに加えて、該着火確認部
材22に隣接して60℃程度の温度で変色する感熱材料によ
って形成した高温警告部材23が並設されている。
【0044】また、前記外ケース12には、底部のバーナ
ー16近傍に燃焼用の空気を導入する1次空気孔12a と2
次空気孔12b が開口されている(図8参照)。すなわ
ち、バーナー16より下方側に5個の小孔による1次空気
孔12a が開口され、バーナー16より上方には横方向に長
い2次空気孔12b が円周で4か所に開口されている。こ
の2次空気孔12b の内側には小孔が開口しているプレー
ト24が設けられている。このプレート24は、外側からの
風による炎の立ち消え防止、内方からのバックファイヤ
防止機能を得るためのものである。なお、上記1次およ
び2次空気孔12a,12b は、バーナー16での完全燃焼を得
るための空気量を確保するためには、1次空気孔12a の
開口数および直径、並びに、2次空気孔12b の大きさお
よびプレート24の小孔の開口数、直径等がガス消費量に
応じて適宜設定され、空気孔としての総面積が小さいと
不完全燃焼が生起することになる。
【0045】前記外ケース12の外周面には紙等の断熱材
25、または図20に示すような片段ボール51が積層され
るものであるが、前記着火確認部材22および高温警告部
材23は、その感熱特性に応じて外ケース12に直接も
しくは断熱材25または片段ボール51の上に設置される。
上記図20の外ケース12の外周に設けた片段ボール51
は、波形心紙51a の片面にライナ51b を接着してなり、
このライナ51b を外面にして波形心紙51a を外ケース12
の外周面に接するように巻き付けて貼り付けてなるもの
で、これにより、薄くて断熱性の良好な外装が得られる
とともに、伸縮性のある波形心紙51a を内側にしている
ことで、巻き付け易くなっている。
【0046】一方、前記バーナー16およびその着火手段
11の具体的構造を説明すれば、上記バーナー16は缶詰14
の底部に対して所定間隔離れた下方の中心部分に配設さ
れ、金属板のプレス加工によって形成され、ガス導入部
分16a とガス噴出孔が形成されたガス噴出部分16b とで
構成されている。このバーナー16に供給する燃料を貯蔵
する燃料タンク27が底部のベース部材31上に配設され、
この燃料タンク27は金属筒体27a の前部が蓋部材27b に
よって閉塞されてなり、この前部上方にガスの供給を開
閉するバルブ機構28が設置され、該バルブ機構28から前
記バーナー16のガス導入部分16a に対して燃料パイプ29
が接続されている。なお、上記燃料タンク27は、燃料残
量が外側から監視できるように蓋部材27b の一部が突出
して透明プラスチックで形成されている。
【0047】また、上記バーナー16および燃料タンク27
の周辺には、着火手段11と立ち消え安全装置30が配設さ
れている。
【0048】前記着火手段11は、バーナー16へのガスの
供給および着火を行うための着火レバー33を備え、該着
火レバー33は燃料タンク27の両側に延び、一端部は回動
軸34によって枢支され、他端部は燃料タンク27の前方で
連結部33a によって連結され、該連結部33a の一部の係
合部33b に前記操作ロッド18の下端部が係合し、その押
し下げに応じて着火レバー33が下回動するように設けら
れている。
【0049】また、前記バルブ機構28を開閉する第1の
アーム36が揺動自在に配設され、この第1のアーム36は
一端に設けられた係合部36a が前記バルブ機構28に係合
し、上部の板状の部材が両側に延びてから着火レバー33
の内側で屈曲して下方に延び、下端部36b が水平状態に
回動操作される着火レバー33の中間部の下辺に係合可能
に設けられている(図13参照)。
【0050】すなわち、着火レバー33が押し下げられる
と、これに第1のアーム36の下端部36b が係合して押し
下げるように回動させるものであって、これによって係
合部36a がバルブ機構28を開操作して燃料タンク27のガ
スをバーナー16に供給するように構成されている。
【0051】また、前記回動軸34には、上記着火レバー
33の回動操作に伴って回動する第2のアーム37が固着さ
れている。第2のアーム37は圧電点火ユニット38を操作
するものであり、前記着火レバー33の押下げ作動に基づ
き、圧電点火ユニット38から放電電圧を放電電極39(図
12参照)に印加して着火燃焼を行うように構成されて
いる。
【0052】一方、立ち消え安全装置30は、図16にも
示すように、バイメタル部材41を備えている。このバイ
メタル部材41は逆U字状に形成され、短く形成された一
端固定部41a は着火レバー33の側方に立設された支持部
44の上端に固定され、この固定部41a から上方に延びて
湾曲部41b を経て他方の変位部41c は下方に延び、その
下端部がフック42に係合されている。該フック42は中間
支点部42a が回動自在に枢支され、一方の内アーム42b
先端がバイメタル部材41の変位部41c の先端(ピン)に
係合され、その熱変形に応じて図16(A)の低温状態
から(B)の昇温状態に揺動するものであり、他方の外
アーム42c の先端が前記着火レバー33の上方に移動して
係合可能に設けられている。そして、該フック42の係合
位置は前記着火レバー33が押し下げられた位置すなわち
着火操作位置にある際に、着火レバー33の上辺に係合し
て該着火レバー33を着火操作位置に係止するように設定
されている。
【0053】さらに、上記バイメタル部材41には、その
湾曲部41b に感熱部43が連接されている。この感熱部43
は熱伝導性の高い金属によって形成され、一端部が前記
バイメタル部材41に固定され、他端部は前記バーナー16
の近傍に延びて形成され、該バーナー16の燃焼熱を受け
てバイメタル部材41に伝達するものである。
【0054】一方、図14にも示すように、上記フック
42に連係して消火を行うための消火機構が設置されてい
る。この消火機構は、上記フック42にほぼ水平方向に延
びる消火用係合片42d が形成され、該係合片42d の上方
に上下方向に消火レバー46が回動可能に配設されてい
る。該消火レバー46は戻しスプリング47によって上方に
付勢されるとともに、その先端係合部46a は外ケース12
の内周面の近傍に延びて形成されている。該係合部46a
に対しては、着火レバー33の係合部33b に対応する着火
位置とは異なる位置に、上方から挿入された前記操作ロ
ッド18によって着火レバー33と同様に押し下げ操作可能
であり、該操作ロッド18によって押し下げられて下回動
し、図16(B)の燃焼保持状態にあるフック42の消火
用係合片42d を押し下げて図16(C)のように消火方
向に回動させて、該フック42による着火レバー33の保持
を解除するように構成されている。
【0055】また、前記外ケース12の外周面と缶詰14の
缶本体14a との間には、燃焼ガスが上昇する間隙が形成
されているが、この間隙を形成する構成と外ケース12と
缶詰14とを固定する手段とが兼用して設けられている。
すなわち、図9および図10に示すように、外ケース12
と缶詰14との間に縦に延びた三角波状の仕切部材13が設
けられ、この波状の仕切部材13は、缶本体14の下端より
も下方まで伸びて形成されている。この構造では、仕切
部材13が両者を固定するとともに、仕切部材13の波型の
内側の空間が燃焼ガスが上昇するガス上昇通路となる。
【0056】上記缶詰14の固定構造は図17に拡大図示
するように、上記仕切部材13の上下端に対応する位置の
前記外ケース12には、それぞれ内側に突出するビード状
の係合突起12c が形成され、この外ケース12に対して図
15に示すような波板状の仕切部材13を筒状に湾曲させ
た状態で挿入し解放すると、該仕切部材13はその復元力
によって外周部分が外ケース12の内面側に圧接した状態
で押圧し、その上下端が上下の係合突起12c 間に位置し
て、該仕切部材13が外ケース12に対して保持される。ま
た、この仕切部材13の下端部は素材が所定寸法内側に折
り返されてこの折返し部の上端が、缶詰14の底部外周を
保持する缶底係止部13a に形成されている。また、前記
排気プレート17の内周フランジ部17b が缶詰14の上部の
外周縁部に係合するものである。
【0057】また、図9および図12に示すように、バ
ーナー16の熱を燃料タンク27に伝達する伝熱板52が配設
されている。該伝熱板52は銅、アルミニウム等の金属板
で形成され、その一端は燃料タンク27の金属筒体27a の
外周に巻き付けられ、他端はバーナー16の底部に固着さ
れている。この伝熱板52の設置により、燃料タンク27の
温度低下を防止している。すなわち、バーナー16の燃焼
に対しては、燃料タンク27から燃料ガスを気化させつつ
供給するものであるが、その気化潜熱によって燃料タン
ク27の温度が低下して内部圧力も低下するのに伴い、ガ
ス流量が低減変動してバーナー16での燃焼熱量が低下す
る問題に対し、バーナー16の熱が伝熱板52によって伝わ
り燃料タンク27を加熱するものであり、その温度低下を
抑制してガスの流量低下を改善し燃焼時間の継続によっ
ても安定したガス流量を得ることができる。
【0058】なお、上記伝熱板52の設置によるガス流量
の改善効果を確認した実験データを図21に示す。この
実験はバーナー16の燃焼に伴うガス流量の初期値を250c
c/min に設定し、燃焼時間の経過に伴う流量変動を測定
したものであり、伝熱板52を設置していないものでは時
間の経過とともに流量が低減しているのに対し、銅板
(厚さ0.2mm)またはアルミニウム板(厚さ0.2mm)による
伝熱板52を設置したものでは、時間の経過に対し初期は
流量が低下しているが、ある程度時間が経過して伝熱作
用が得られると流量が上昇する傾向にある。特に銅板の
伝熱板52がアルミニウム板のものに対して良好な効果が
得られている。
【0059】一方、図18および図19には、前記燃料
タンク27からの燃料ガスを気化させつつバーナー16に供
給するバルブ機構28の詳細構造を示している。燃料タン
ク27の蓋部材27b にノズル55がノズル底56と締結
リング57内に収容され、下端部にはノズル弁ゴム58が固
着され、該ノズル弁ゴム58がノズル底56の底部開口を閉
塞するようにスプリング59で付勢されている。ノズル底
56と釘状固定子60の間には微細孔フィルタ61が配設さ
れ、芯62と芯ホルダー63が設けられている。そして、釘
状固定子60の軸部の中心部には貫通して主流通路64が設
けられ、この通路64にはオリフィス状の流量制御板65が
介装されている。また、微細孔フィルタ61を外周部から
中心部に向けて流通し、釘状固定子60の軸部の外周部分
を副流が流れる。
【0060】ノズル55が開作動されると、芯62から流出
した燃料ガスは釘状固定子60の中心を貫通した主流通路
64を流れる主流と、微細孔フィルタ61を流れる副流とに
分れてノズル底56内に流入する。その際、主流は流量制
御板65によって規制される量であり、副流は微細孔フィ
ルタ61によって周囲温度に対応してガス流量が自動調整
される。上記微細孔フィルタ61は、ガス流路となる連続
気泡と温度変化により膨張または収縮してガス流路を圧
縮または拡大して流量を調整する独立気泡とを有してい
る。
【0061】すなわち、周囲の温度に応じて燃料タンク
27中のガス圧が変化し、ガス流量が変動するのをガス圧
調整弁機構を備えていない簡易構造で補正するために、
上記のような微細孔フィルタ61による流量調整作用を採
用するものであるが、この微細孔フィルタ61に多量のガ
スを流通させると、ガスの気化潜熱によりフィルタ61が
冷却されて上記の温度変化に対する流量調整作用が低下
する。この点から、ガス流を主流と副流に分けて、微細
孔フィルタ61の流量を低減して調整機能を確保するよう
にしたものである。
【0062】上記微細孔フィルタ61を備えた流量調整機
構を備えた本発明品と、流量調整機能を備えていない従
来品との温度変化に対するガス流量特性を測定した結果
を図22に示す。実線で示す従来品では、温度が上昇す
るのに伴ってガス流量が急激に増大しているが、破線で
示す本発明品では、温度上昇に対するガス流量の増大傾
向は小さく直線的となっている。
【0063】上記実施例の加熱作用を説明すれば、ま
ず、不使用の保存状態においては、プルタブ15に係合し
た開封部材21は缶詰14の上部に平坦状態で載置され、操
作ロッド18の先端部18a は倒されて格納状態とされてい
る。この消火状態においては、着火レバー33は上昇位置
にあり、バイメタル部材41も非変形状態で、フック42は
着火レバー33の上下移動を許容する位置にある。この保
存状態からバーナー16による燃焼を開始して缶詰14を加
熱する際には、上記開封部材21を操作ロッド18側にスラ
イドさせてから引き起こすと、プルタブ15を引き上げて
缶詰14を開封するとともに、前記操作ロッド18の先端部
18a を解放して直立状態とする。
【0064】上記缶詰14の開封後、開封部材21を再度水
平状態に戻すように操作すると、この開封部材21によっ
て操作ロッド18を押し込むように操作するのに伴って、
前記着火レバー33を押し下げる着火操作が行われる。こ
れによりバーナー16からガスを噴出して着火させるもの
であるが、燃焼直後の状態ではバイメタル部材41はまだ
昇温変形しておらず、フック42は後退位置にある。そし
て、着火確認部材22は、低温状態にあって変色もしくは
発色していない。
【0065】燃焼開始後、上記着火レバー33を押し下げ
た状態のまま所定時間経過すると、バイメタル部材41は
感熱部43からの燃焼熱を受けて熱変形し、図16(B)
に示すようにフック42が着火レバー33の上に突出するよ
うに回動し、操作ロッド18から手を離しても着火レバー
33の上昇方向への復帰回動が阻止され、バーナー16から
のガスの噴出を維持して燃焼を継続する。
【0066】上記立ち消え安全装置30の作動過程におい
て、バーナー16による燃焼ガスは外ケース12と缶詰14と
の間を通って上昇し、仕切部材13を介して外ケース12が
加熱され、この外ケース12はバーナー16に着火されてか
らの時間に対応して温度が上昇する。そして、その温度
が設定温度に達すると、前記着火確認部材22は変色もし
くは発色するものであり、その感熱特性は前記立ち消え
安全装置30の作動と連係して設定してあり、変色もしく
は発色した際には着火レバー33が燃焼状態にロックされ
ている。これによりバーナー16の着火の確認と、燃焼状
態の維持の確認とが行え、上記着火確認部材22の変色も
しくは発色を確認して開封部材21の着火操作を解放する
ことで、燃焼状態が保持される。さらに、燃焼が継続さ
れて外ケース12の外面が素手で触れるのには適さない高
温状態となると、高温警告部材23が変色もしくは発色し
てその警告が行われる。
【0067】上記燃焼状態で風の影響もしくは液体の吹
きこぼれなどによって燃焼中の炎が立ち消えた際には、
バイメタル部材41は温度の低下に伴って後退方向に変形
し、フック42が着火レバー33から外れ、着火レバー33は
上昇方向に復帰回動し、これに伴ってバーナー16へのガ
スの送給が停止され、消火状態でのガスの噴出が防止さ
れる。また、消火する際には、着火位置から抜き取った
操作ロッド18を消火レバー46の係合部46a に相当する消
火位置に挿入し、該消火レバー46を押し下げ操作するこ
とによって、フック42を強制的に着火レバー33との係合
状態から外して、該着火レバー33を復帰させて消火状態
とするものである。
【0068】なお、上記缶詰14の加熱時には、前記バー
ナー16から噴出する炎によって缶本体14a の底部から直
接加熱を行うものであるが、前記仕切部材13の下端部が
缶本体14a の底部より低く形成されていることから、バ
ーナー16の炎による熱気は仕切部材13より内側の缶詰14
の周壁に面する内側空間のガス上昇通路のみを上昇し、
効率よく缶詰14の加熱を行うととともに、外ケース12の
温度上昇を抑制している。
【0069】ここで上記実施例2の構造のバーナー付缶
詰10による燃焼効率の実験データを説明する。この実験
に使用したバーナー付缶詰10の各部の仕様寸法は、外ケ
ース12は直径が80mm、高さが約 180mm、缶詰14は直径が
66mm、高さが約 120mm、内容積は約 350cc、内容物
(水)の収容量が 300cc(上部に30mmの空間が形成され
る)、バーナー16の位置は仕切部材13の下端から下方に
10mm低い位置にガス噴出口が開口している。また、波板
状の仕切部材13は、アルミニウムの0.2mm の薄板の下端
部を約20mm折り返した後、三角波形状に屈曲形成してな
る。
【0070】排気プレート17はその排気孔17a より燃焼
ガスの排気を行うものであるが、ガス供給量と完全燃焼
に必要な空気量とに整合した排気孔17a を設けて熱効率
を高めている。この排気プレート17としては排気孔の直
径が7mmのものを18個形成したものを使用することで、
排気プレート17を取り除いた場合の熱効率と比較する
と、排気プレート17を設置したものでは68%、取り除い
たものでは60%となっている。これは、排気プレート17
がないと燃焼熱気は外ケース12の上端部分から抵抗なし
に排出されて熱効率は低下する一方、排気プレート17で
排出を妨げられた排気熱気が缶詰14の加熱に寄与して熱
効率が向上するものである。なお、排気孔17a を小さく
もしくは数を少なくして排気抵抗を過大とすると、ガス
燃焼に悪影響を及ぼすことになる。
【0071】また、前記波形状の仕切部材13を設置する
と、前述のように、燃焼ガスが缶詰14に対して有効に作
用して熱効率が上昇するものであり、仕切部材13を使用
しない場合の熱効率が30〜40%程度であるのに対して、
波状の仕切部材13を設置すると熱効率が60%程度に上昇
するものである。
【0072】なお、この仕切部材13の上下方向の長さ
と、波形状(波数、波高さ等)についても熱効率に影響
を及ぼすものである。すなわち、波数の低減は1つの波
形による燃焼ガスの上昇通路の缶詰14の周面に接する面
積を広げることになり、波高さは缶詰14の周面と外ケー
ス12との距離を変えることになり、波高さを低くすると
燃焼熱の外部への放散が増大する傾向にある。さらに、
上記波数と波高さはガス上昇通路の断面形状と関連し、
この面積が大きくなれば通気抵抗は少なくなり、小さく
なれば大きくなるものであり、波数が多すぎても少なす
ぎても熱効率が低下することになる。
【0073】図23には、前述のような仕切部材13の上
下方向の長さを90mm(缶詰周面と接している長さは70m
m) として、波数を19個(ピッチ:10.9mm) 、22個(ピ
ッチ:9.4mm)、25個(ピッチ:8.3mm)に変更するととも
に、波高さを 6.0mm、 7.0mm、8.0mm と変更した際の熱
効率の測定結果を示す。なお、バーナー16の燃焼条件
は、燃料ガスがイソブタン、ガス流量は 250cc/min(0.
56g/min)であり、缶詰14に収容した水の温度を20℃から
100℃に昇温沸騰させるものである。なお、1つのガス
上昇通路の断面積は24.9〜43.6mm2 である。
【0074】次に、図24には、上記仕切部材13の上下
方向の長さを30mm〜110mm (缶詰周面と接している長さ
は10mm〜90mm) に変更して上記と同様に熱効率を測定し
た結果を示す。なお、仕切部材13の波形状は、波数が22
個(ピッチ:9.4mm)、波高さが 7.0mm、板厚が 0.2mmで
ある。
【0075】上記測定結果によれば、仕切部材13の上下
方向の長さが50mmの近辺に熱効率のピークがあり、これ
より短くなると仕切部材13を設置していない場合に近付
き、長くなるとガス上昇通路の外部への伝熱面積が広く
なり、熱効率は徐々に低下する傾向にある。なお、上記
例では長さが 110mmとなると、缶詰14の首部に達する寸
法であり、この値が最大寸法となる。従って、缶詰14の
寸法に合わせて最適長さを選定することで、熱効率を70
%程度に上昇させることが可能となる。
【0076】また、上記仕切部材13の板厚を 0.1mm、
0.2mm、 0.3mmと変更した際の熱効率を測定した結果を
図25に示す。その際、各板厚で、仕切部材13の上下方
向の長さを70mm、90mm、110mm (缶詰周面と接している
長さは50mm、70mm、90mm) に変更している。
【0077】この場合、板厚が大きくなると仕切部材13
の熱容量が増大し、熱損失が増えて熱効率としては低下
する。従って、仕切部材13の板厚は薄い方が好ましい
が、缶詰14の支持強度とも関係する事項であり、上下方
向の長さとも関連して設定するものである。
【0078】上記仕切部材13の波形状としては、図10
(図15)に示すような三角波形状、図4(b)に示す
ようなサイン波形状等が考えられるが、両者を比較する
と、三角波形状の方が熱効率は良好であった。これは、
ガス上昇通路の断面積を同じに設定しても、サイン波形
状では放散伝熱面積が大きくなり、三角波形状の熱効率
が60%程度になるのに比べて、サイン波形状では熱効率
が50%程度に低下する傾向にある。また、缶詰14の保持
特性については、三角波形状の方が支持部分が鋭角とな
り支持が適確に行われるので好ましい。
【0079】
【発明の効果】本発明によるバーナー付缶詰は、いつで
もどこでも缶詰の内容物を簡単に加熱することができる
ので、種々の食品や飲料、あるいはその他のものを熱
い、あるいは温かい状態で供することができ、実用上極
めて便利である。また、缶詰と外ケースとの間に燃焼ガ
スが上昇する間隙が形成されているから、バーナーの燃
焼効率が高く、有効に燃料を使用して加熱することがで
きる。
【0080】本発明によるバーナー付缶詰の応用範囲は
極めて広く、例えば即席麺等の麺類や、ご飯、味噌汁、
スープ、ゆで卵等の食品の他、コーヒー、茶、ミルク、
湯等の飲料、および、蒸しタオルや煮沸による消毒を要
する医療器具、衛生器具等の非食品にも適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるバーナー付缶詰の
基本的構造を示す断面図
【図2】その外観の一例を示す一部切開斜視図
【図3】本発明によるバーナー付缶詰の一実施例の一部
を示す断面図
【図4】本発明によるバーナー付缶詰の外ケースと缶詰
の間の間隙の構造の例を示す水平断面略図
【図5】本発明によるバーナー付缶詰の過熱時の安全手
段の一例を示す概略図
【図6】同じく、過熱時の安全手段の他の例を示す概略
【図7】同じく、過熱時の安全手段のさらに異なる例を
示す概略図
【図8】本発明の第2の実施例によるバーナー付缶詰の
外観斜視図
【図9】図8のバーナー付缶詰の基本構造を示す断面側
面図
【図10】図9の平面図
【図11】図9のA−A線に沿う要部平面図
【図12】図11のB−B線に沿う部分断面正面図
【図13】図11の要部側面図
【図14】他側方の要部側面図
【図15】仕切部材の斜視図
【図16】立ち消え安全装置の作動状態を示す要部正面
【図17】缶詰の支持構造を示す上部と下部の断面拡大
【図18】燃料タンクに設置したバルブ機構を示す断面
【図19】図18の要部拡大図
【図20】外ケースの外周に片段ボールを設置した例を
示す断面概略図
【図21】伝熱板の設置に伴う経過時間に対するガス流
量変化を示すグラフ
【図22】微細孔フィルタの設置に伴う温度に対するガ
ス流量変化を示すグラフ
【図23】仕切部材の波数と波高さを変更して熱効率を
測定した結果を示すグラフ
【図24】仕切部材の上下方向の長さを変更して熱効率
を測定した結果を示すグラフ
【図25】仕切部材の板厚を変更して熱効率を測定した
結果を示すグラフ
【符号の説明】
1,10 バーナー付缶詰 2,12 外ケース 2a 通気口 2b 開口 3,16 バーナー 4,27 燃料タンク 6,14 缶詰 6a,15 開蓋用タブ 6b,14b 蓋 6c,14a 缶本体 8,11 着火手段 5a 燃焼確認窓 5b 残留燃料確認窓 12a 1次空気孔 12b 2次空気孔 13 仕切部材 13a 缶底係止部 17 排気プレート 17a 排気孔 17b フランジ部 51 片段ボール 52 伝熱板 60 釘状固定子 61 微細孔フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 大川 慎一 静岡県駿東郡小山町須走下原3−4 株式 会社東海技研内 (72)発明者 芹沢 宜之 静岡県駿東郡小山町須走下原3−4 株式 会社東海技研内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも上端を開放した円筒状の外ケ
    ースと、 該外ケースの上部内側に、該外ケースとの間に燃焼ガス
    が上昇する間隙を形成して収容固定された、使用時に加
    熱される内容物を収容し、上端面に開蓋用タブを有する
    蓋を備えた円筒状の耐熱性缶本体からなる缶詰と、 前記外ケースの下部内側に前記缶詰を加熱するよう収容
    固定された、着火手段を備えたバーナーと、 該バーナーに燃料を供給するよう、前記外ケースの下部
    内側に固定された燃料タンクとからなり、 前記外ケースが前記バーナーに外部の空気を供給するた
    めの通気口を備えていることを特徴とするバーナー付缶
    詰。
  2. 【請求項2】 前記外ケースの上部に、前記缶詰の内容
    物を加熱後収容する容器が被冠係止されていることを特
    徴とする請求項1記載のバーナー付缶詰。
  3. 【請求項3】 前記バーナーの着火手段が、ピエゾ式自
    動点火装置であることを特徴とする請求項1記載のバー
    ナー付缶詰。
  4. 【請求項4】 前記缶詰が、前記内容物の加熱により缶
    本体の内部の圧力が所定の値を越えたとき、自動的に缶
    本体に蒸気等の排出孔を穿孔する手段を備えていること
    を特徴とする請求項1記載のバーナー付缶詰。
  5. 【請求項5】 前記缶詰が、前記内容物の加熱により缶
    本体の温度が所定の値を越えたとき、自動的に缶本体に
    蒸気等の排出孔を穿孔する手段を備えていることを特徴
    とする請求項1記載のバーナー付缶詰。
  6. 【請求項6】 前記燃料タンクが、外から残留燃料の量
    が見えるような透明材料で、少なくとも一部が形成され
    ており、前記外ケースがこの外から残留燃料の量が見え
    るような透明材料で形成されている部分に残留燃料の量
    を確認するための窓を備えていることを特徴とする請求
    項1記載のバーナー付缶詰。
  7. 【請求項7】 前記バーナーより下方の外ケースに1次
    空気孔が、バーナーより上方の外ケースに2次空気孔が
    それぞれ開口されたことを特徴とする請求項1記載のバ
    ーナー付缶詰。
  8. 【請求項8】 燃料タンクの外周に金属板による伝熱板
    の一端を巻き付け、他端をバーナー底部に接触させて配
    設したことを特徴とする請求項1記載のバーナー付缶
    詰。
  9. 【請求項9】 燃料タンクからバーナーへのガス流出部
    が、釘状固定子の中心部を通る主流と、該釘状固定子に
    装着される円形の中孔を有する円板状で半径方向にガス
    が流通するフィルタを通る副流とに分け、上記フィルタ
    はガス流路となる連続気泡と温度変化により膨張または
    収縮してガス流路を圧縮または拡大する独立気泡とを有
    し、ガス流量を自動調整する微細孔フィルタで構成され
    たことを特徴とする請求項1記載のバーナー付缶詰。
  10. 【請求項10】 外ケースと缶詰との間に波形の仕切部
    材が配設され、該仕切部材は波板状部材が湾曲変形され
    て外ケース内に挿入され、その復元弾性力で該外ケース
    に保持されることを特徴とする請求項1記載のバーナー
    付缶詰。
  11. 【請求項11】 前記外ケースの外周面に片段ボールを
    ライナを外面にして巻き付けて配設したことを特徴とす
    る請求項1記載のバーナー付缶詰。
JP5017198A 1992-02-12 1993-02-04 バーナー付缶詰 Withdrawn JPH05294369A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101356776B1 (ko) * 2013-05-16 2014-01-27 주식회사 코베아 휴대용 버너
CN106315031A (zh) * 2016-10-14 2017-01-11 南昌绿洲环保包装有限公司 一种金属罐装饮食品的自加热装置

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