JPH0529422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、トツプエントリー型ボール弁（以下
単にボール弁という）を組立てる際、面倒な調整
作業をせずに、簡単かつ容易に、弁座をボールに
適圧をもつて圧接させうるようにした弁座押圧装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のボール弁においては、組み込まれた弁座
を、適圧をもつてボールに圧接させるために、弁
箱の弁座押えをテーパー状としたり、弁座押えを
ねじにより移動させたりしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

弁座押えをテーパー状にすると、ボールと弁座
押えの加工が難しく、またボール弁使用中のボー
ルの落ち込みによる作動不良の対策として、ボー
ルの位置固定用ボルトや駆動部の大型化が必要と
なり、部品点数が増加する。

左右両弁座の間隔の調整を、ねじにより行なう
ようにすると、組立、分解時に、押圧ねじ部にか
じり現象を起こすことがある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ボール弁の流体流路の内端に、固定
環を回転不能に固嵌して、固定環と流体流路に、
内端にフランジを連設した押圧筒を内方より嵌合
し、固定環と押圧筒の対向面に、それぞれ凸面と
傾斜面と凹面が連続する台形歯列を設け、両歯列
を噛合させ、あるいは凸面同士を当接させること
により、押圧筒が側方移動することを利用して、
弁箱にボールと弁座を組み込んだ後、弁座をボー
ルに適圧をもつて圧接させ、ついで凹面同士間に
形成される間〓孔に、回転止めを施して、押圧筒
の回転と移動を阻止するようにすることにより、
上述の課題の解決を図つたものである。

〔作用〕

本考案の装置によると、ボール弁の組み立てに
際し、押圧筒のフランジと、弁箱に固定した固定
環の両台形歯列を噛合させれば、押圧筒が液体流
路の外端方向に移動するので、弁箱内に、ボール
と弁座を容易に組み込むことができる。

ついで、押圧筒を、若干軸線まわりに回動させ
れば、押圧筒の台形歯列の各凸面が、固定環の台
形歯列の傾斜面に沿つて固定環の凸面に乗り上げ
て重合し、同時に押圧筒が、台形歯列の凸面と凹
面の間隔だけ内方に移動し、押圧筒の内端に近接
する弁座が、ボールに圧接する。

しかる後、両台形歯列の凹面同士間に形成され
た間〓孔に、回転止めを差し込めば、押圧筒と弁
座は、外方に移動不能に固定される。

〔実施例〕

第１図は、本考案を適用したボール弁を示すの
もで、１は弁箱、２は弁蓋、３は弁軸、４はボー
ル、５は弁座、６は流路筒で、ボール４と弁座
５，５は、弁蓋２を取り外した弁箱１に、後述す
るようにして、上方より組み込んだものである。

右方の流路筒６の内端における拡径部７の中心
寄りには、固定環８が嵌合され、固定環８は拡径
部７の外周面より挿通したピン９により、固定さ
れている。なお、固定環８は、弁箱１と一体的に
形成しておいてもよい。

固定環８の内端面には、第２図と第３図に示す
ように、台形歯列１０が切設されている。これら
台形歯列孔１０は、第４図に示すように、順次連
続する凸面１０ａと傾斜面１０ｂと凹面１０ｃに
より形成されている。

固定環８と拡径部７には、内側端に外向フラン
ジ１１を備え、かつ内径が流路筒６と等径の押圧
筒１２が、内方より嵌合されている。

外向フランジ１１の外側面には、上記台形歯列
１０と噛合する台形歯列１３が切設され、かつ外
向フランジ１１の外周面適所には、求心方向を向
く複数の有底孔１４が穿設されている。

１３ａ，１３ｂ，１３ｃは、それぞれ台形歯列
１３の凸面と傾斜面と凹面であり、１５はＯリン
グ、１６は押圧筒１２と流路筒６の間に形成され
た間〓である。

第２図に示すように、固定環８と押圧筒１２の
両歯列１０，１３を噛合させると、押圧筒１２
は、一方の歯列１０の凸面１０ａと凹面１０ｃの
間隔だけ、間〓１６内を外側方に移動する。

そのため、弁蓋２を取り外した弁箱１内に、ボ
ール５と弁座５，５を、容易に組み込むことがで
きる。

ついで、第３図に示すように、有底孔１４を利
用して、押圧筒１２を若干回転させれば、歯列１
３の凸面１３ａは、歯列１０の傾斜面１０ｂに沿
つて凸面１０ａに乗り上げるので、押圧筒１２は
内側方へ移動して、近接する弁座５を、ボール４
に圧接させる。

しかる後、第３図と第４図に示すように、両歯
列１０，１３の凹面１０ｃ，１３ｃと傾斜面１０
ｂ，１３ｂが形成する間〓孔１７，１７に、下向
Ｕ字形の回転止め１８の内角部を差し込めば、押
圧筒１２は回転不能に固定される。

〔考案の効果〕

本考案を適用したボール弁は、特殊部品が少な
く、かつ加工が容易であるため、安価に製作する
ことができる。

また、弁箱の弁座押えをテーパー状として、弁
座の締め代を得るようにした従来のボール弁に起
こり易い、ボールの落ち込みによる作動不良や、
ねじを使用して、左右両弁座の間隔を調整するよ
うにしたボール弁に起こり易い、組立、分解時の
押圧ねじ部のかじり現象が起こる恐れはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の装置の一実施例を備えるボ
ール弁の中央縦断正面図、第２図は、ボールと弁
座組み込み時における本考案装置の正面図、第３
図は、ボール弁の使用時における本考案装置の正
面図、第４図は、第３図におけるＡ−Ａ線縦断側
面図である。 １……弁箱、２……弁蓋、３……弁軸、４……
ボール、５……弁座、６……流路筒、７……拡径
部、８……固定環、９……ピン、１０……台形歯
列、１０ａ……凸面、１０ｂ……傾斜面、１０ｃ
……凹面、１１……外向フランジ、１２……押圧
筒、１３……台形歯列、１３ａ……凸面、１３ｂ
……傾斜面、１４……有底孔、１５……Ｏリン
グ、１６……間〓、１７……間〓孔、１８……回
転止め。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トツプエントリー型ボール弁の液体流路の内端
   に、回動不能に固嵌され、かつ内端面に凸面と傾
   斜面と凹面が連続する台形歯列が設けられた固定
   環と、 固定環と液体流路に内方より嵌合し、内端に連
   設したフランジにおける固定環と対向する外側面
   に、固定環の台形歯列と任意の位置で噛合しうる
   台型歯列が設けられた押圧筒と、 上記両歯列の凸面同士を重合させた時、両歯列
   の凹面と傾斜面が形成する間隙孔に差し込みう
   る、押圧筒の回転止めとよりなり、 両歯列を噛合させて、弁箱にボールと弁座を組
   み込んだ後、押圧筒を回転させて、両歯列の凸面
   同士を当接させることにより、弁座をボールに適
   圧をもつて圧接させ、凹面同士間の間隙孔に回転
   止めを差込むようにした、トツプエントリー型ボ
   ール弁における弁座押圧装置。