JPS6250712B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来、シートリングをそれに関連するボールま
たはゲート等の弁部材に密封係合する位置へ押圧
するのに環状波形バネが利用されてきた。1951年
４月10日付のJ.R.スナイダーの米国特許第
2548128号および1968年６月11日付のC.G.F.リチ
ヤーズの米国特許第338715号に見られるように、
環状波形バネはシートリングをそれに関連するボ
ール弁部材に密封係合する位置へ押圧するのに用
いられている。しかしながら、従来の技術には、
シートリングを囲繞する複数の隣接する波形バネ
を設け、各バネをその波の節を互いにずらせるよ
うにして位置づけすることは示されていない。

この発明は、浮動シートリングをそれに近接す
る弁部材に密封係合するように押圧する、浮動シ
ートリングのためのバネ組立体に関する。この発
明は、特に、シートリングが、シート組立体また
はシール要素を取換えるためにボール弁内のボー
ル弁部材を取外すのを可能にする位置にまで引込
められるように比較的大きな浮動行程を有するよ
うにした型式のボール弁シートリングに適用され
る。本発明の改良されたバネ組立体は、シートリ
ングの背面と、それに対向して弁本体の弁室のと
ころに形成された大径孔によつて画定された肩部
との間に形成されるバネ収容ポケツト内に装着さ
れる。このバネ組立体は、シートリングの外周面
に嵌合する複数の波形バネから成り、各隣接する
波形バネは、それぞれ隣接する対の一方の波形バ
ネの正面の節が他方の波形バネの背面の節に対向
して接するようにずれた位置関係になつている。
シートリングの外周面に形成した平面部分は、波
形バネの内周の対応する平面部分と嵌合する関係
になつており、それによつて波形バネがお互いに
円周方向の動きをしないように波形バネを節のず
れた位置関係に保持する。

1978年５月３日に出願された本出願人の米国特
許願第902324号「ボール弁におけるシートリング
のインライン取外しのための手段及び方法」に
は、いわゆるトツプエントリー型ボール弁（頂部
から弁部材を出入れすることができるようにした
弁）が示されており、これによると、まず上部カ
バー板を取外せば、弁を管路に接続したままでシ
ートリングとボールを弁体から簡単に取外すこと
ができる。ボールの回転運動を利用してシートリ
ングをカム作用によりボールから離して完全引込
み位置へもたらし、ボールを取外す間、シートリ
ングをその引込み位置に釈放自在に保持してお
く。このようにボールの取外しを行なうにはシー
トリングが比較的大きく浮動することが望ましく
かつ必要である。ふつうシートリングをボールか
らカム作用によつて離すのにボールに取付けたカ
ム作用工具が用いられる。本発明は、特に米国特
許願第902324号に示されたようないわゆるトツプ
エントリー型ボール弁装置に使用するのに適合さ
れたものであるが、シートリングをそれに隣接す
る弁部材に密封係合するように常時押圧する必要
のあるどのような浮動シート組立体にでも適用で
きるものである。

添付図を参照すると、ボール弁の構造が総体的
に１０で示されており、流路１４を有する弁体１
２から構成されている。流路１４と１４の間の弁
室１６はボール弁部材１８を有し、ボール弁部材
１８は閉位置と開位置間を移動できるように取付
けられている。ボール弁部材１８に連結されたス
テム２０はハンドル２２を有し、ボール弁１８を
流路１４に対し閉位置と開位置間に移動させる。
下部トラニオン２４はボール弁部材１８の下側に
取付けられる。上カバー板２６は適宜のボルト２
８により弁体１２に対し取外し自在に取付けられ
ている。ボール弁部材１８は流路３０を有し、第
１図のように開放位置に動かされるときは流路３
０を通して流路１４に連通する。

弁体１２は弁室１６の流路１４との接合点にお
いて、中径の孔部分３２と大径の孔部分３４から
定まる一対の拡大孔部分を有する。中径の孔部分
３２はテーパをもつた肩部すなわち受け台３６を
画定し、大径の孔部分３４は弁室１６と対向する
肩部すなわち受け台３８を画定する。総体的に４
０で示されるシートリングはボール弁部材１８に
対し長手方向に浮動するように拡大孔部分３２お
よび３４に設けられている。シートリング４０は
内円周すなわち周面４２と、小径の外周面４４お
よび大径の外周面４６を有する。Ｏリング４８お
よび５０はそれぞれ外周面４４，４６のみぞ４
９，５１に設けられる。Ｏリング４８，５０はそ
れらの間に封入される潤滑剤が流出するのを防
ぐ。シートリング４０は、周面４４および４６の
間に背面または肩部５２を有する。弾性を有する
シート部材５４はシートリングの正面から延びて
おり、ボール弁部材１８の隣接するシール面に係
合してシールを行なう。

本発明を構成するバネ組立体は背面４２と対向
する弁体肩部３８との間に形成されるポケツト部
に設けられ、符号５６で示されている。バネ組立
体５６は複数の波形バネにより構成され、これら
は一つおきに５８で示される波形バネとその間に
介在する波形バネ６０から成つている。各隣接す
る波形バネ５８，６０の対はそれぞれずれた位置
関係に配列されている。各波形バネ５８，６０は
それぞれ５８Ａ，６０Ａで示される四つの正面節
を有する。節は各波形バネの円周のまわりに90゜
ずつの間隔で配置される。これに対応して背面節
５８Ｂ，６０Ｂは各波形バネ５８，６０の円周の
まわりで正面節５８Ａ，６０Ａの中間に介在す
る。

隣接する波形バネの対の正面節と背面節はお互
い対向する位置関係にある。例えばバネ５８の背
面節５８Ｂは隣接する波形バネ６０の正面節６０
Ａと対向する位置関係にある。また波形バネ６０
の背面節６０Ｂは隣接するバネ５８の正面節５８
Ａと接する位置関係にある。各波形バネを互いに
ずれた位置関係に保持し、かつ、シートリング４
０の周面４４の周方向まわりの動きを防止するた
め周面４４には平面部分４４Ａが設けられてい
る。各波形バネ５８，６０の内周面６２には、シ
ートリング４０の平面部分４４Ａと係合するよう
に配置された平面部分６４が設けられる。この位
置関係により波形バネ５８，６０はシートリング
に装着された後も回転することはない。波形バネ
５８および６０は総じて同じものであるが、シー
トリングに最初に装着する際波形バネ６０は波形
バネ５８に対し45゜回転させて位置づけする。同
様に波形バネ６０の平面部分６４は波形バネ５８
の平面部分６４から円周方向に45゜回転させた位
置に設ける。この配置によりバネ６０の背面節６
０Ｂはバネ５８の正面節５８Ａと接する位置関係
になり、シートリングに複数個配置されたとき波
形バネ５８と６０は最大値限に拡張される。

第２図を参照するに、シートリング４０はバネ
５８，６０がほぼ平らになつた、最後方位置まで
後方に押圧された状態にあるところが示されてい
る。カム作用工具７０は、正面カム面７２を有し
ており、カバー板２６を取外し、弁部材１８を開
放位置から45゜回転させたとき弁部材１８の開口
３０に挿入する。次いで、弁部材１８を完全開放
位置に回転させれば、カム面７２は第２図に示さ
れるようにシートリングの正面を最後方位置まで
押圧する。この開放位置のカム作用工具７０によ
りシートリング４０がこの後方引込み位置に保持
されている間に保持機構を作動させ、シートリン
グ４０を引込み位置に保持する。保持機構は、弁
体１２に螺着されるハウジング７４とネジ付プラ
ンジヤ７８とから成る。ハウジング７４は、雌ネ
ジ付き中心孔７６を有する。プランジヤ７８は、
外端に一体成形のヘツド８０を有し、内方には本
体８４から延長させた細長いピン８２を有してい
る。ヘツド８０を適宜のレンチ類で回転させる
と、ピン８２の内端がバネ５８，６０を近接する
シートリング４０の周面に押圧し、シートリング
４０を引込み位置に保持させる。波形バネ５８，
６０はピン８２によりきつく押圧された状態では
不作動状態にされる。この位置においてボール１
８を取外すことができる。この後、プランジヤ７
８をゆるめることによりシートリング４０を引込
み位置から釈放し弁体１２から取外すことができ
る。新品の、または修理されたシートリング４０
を再び弁体１２に挿入し、引込み位置に移動させ
て保持手段８２によりその位置に保持し、ボール
弁部材１８を再び挿入することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は浮動シートリングを有するトツプエン
トリー型ボール弁の縦断面図であり、本発明によ
るバネ組立体が、シートリングをそれに近接する
ボール部材に対して押圧しているところを示す。
第２図はボール弁部材により引込位置へカム作用
によつて押きれ、保持手段により引込位置に保持
されたシートリングの拡大図である。第３図は第
１図に示される弁組立体から取外されたシートリ
ングの側面図で、シートリングの外周面の周りに
取付けられたバネ組立体を示す。第４図は第３図
の直線４−４に沿つての断面図である。第５図は
第３図および第４図に示されるシートリングとバ
ネ組立体の透視図である。バネ組立体の波形バネ
はシートリングから取外されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弁室と連通する入口流路および出口流路を有
   する弁体と、それらの流路に対し開位置と閉位置
   の間で移動するように該弁室に設けられた弁部材
   と、弁室の各流路との連接部に設けられた環状肩
   部と、各流路を囲繞して設けられ上記肩部に対向
   して位置し、該肩部との間にバネ収容ポケツトを
   形成する環状の背面を有するシートリングとを含
   む弁において、該背面と該肩部間のバネ収容ポケ
   ツト内に設けられ前記シートリングを前記弁部材
   の方へ押圧する環状バネ組立体を含み、該バネ組
   立体は該シートリングを囲繞する少なくとも一対
   の隣接した環状波形バネを含み、各波形バネは複
   数の背面節および正面節を有し、最後方の波形バ
   ネの背面節は前記肩部に、また最前方の波形バネ
   の正面節は前記背面に接しており、該隣接する波
   形バネの対は該対の一方の波形バネの正面節が該
   対の他方の波形バネの背面節と対向して接するよ
   うにずれており、さらに波形バネの各対を前記の
   ずれた位置に保持する手段を含むことを特徴とす
   る弁。 ２ 前記波形バネをずれた位置に保持するための
   前記手段は、波形バネの回転を防止するように前
   記シートリングの外周に形成された平面部分と、
   該平面部分に嵌合するように波形バネの内周に形
   成された平面部分とからなる特許請求の範囲第１
   項記載の弁。 ３ 前記各波形バネは複数の交互の正面節とその
   間に介在する背面節を有し、該正面節は波形バネ
   の円周方向にお互いに90゜ずつずれていることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の弁。 ４ 弁室と連通する入口流路および出口流路を有
   する弁体と、該弁室内に設けられ該流路に対し開
   位置と閉位置の間で回動するボール弁部材と、弁
   体に取外し自在に設けられ取外し時に弁体から該
   弁部材を取り出すことを可能にする上部カバー板
   と、弁室の各流路との連接合点に設けられた環状
   肩部と、各流路を囲繞して設けられ上記肩部に対
   向して位置し、該肩部との間にバネ収容ポケツト
   を形成する環状の背面を有するシートリングと、
   該背面と該肩部の間のバネ収容ポケツト内に設け
   られ前記シートリングを弁部材の方へ押圧する環
   状バネ組立体を含み、該バネ組立体は前記シート
   リングを囲繞する少なくとも一対の隣接する環状
   波形バネを含み、各波形バネは複数の正面節およ
   び背面節を有しており、最後方の波形バネの背面
   節は該肩部に、また最前方の波形バネの正面節は
   該背面に接しており、該隣接する波形バネの対
   は、該対の一方の波形バネの正面節が該対の他方
   の波形バネの背面節と対向して接するようにずれ
   ており、さらに波形バネの各対を前記のずれた位
   置に保持するための手段と、波形バネを圧縮する
   ように前記シートリングを引込み位置へ押圧する
   手段と、シートリングを前記引込み位置に保持す
   るための手段とを含むことを特徴とするトツプエ
   ントリー型ボール弁。 ５ 前記シートリングを引込み位置に保持するた
   めの前記手段が、前記波形バネの外周に接し、波
   形バネの内周を前記シートリングに摩擦係合させ
   るプランジヤより成り、該プランジヤが弁体の外
   部の位置から操作されるようにしたことを特徴と
   する特許請求の範囲第４項記載のトツプエントリ
   ー型ボール弁。