JPH05291221A - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH05291221A
JPH05291221A JP9508692A JP9508692A JPH05291221A JP H05291221 A JPH05291221 A JP H05291221A JP 9508692 A JP9508692 A JP 9508692A JP 9508692 A JP9508692 A JP 9508692A JP H05291221 A JPH05291221 A JP H05291221A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 0.1μm以下の汚染粒子の除去や、有機物
からなる分子状汚染ならびに炭酸からなる汚染の完全な
除去を行い得る優れた洗浄方法を提供する。 【構成】 オゾンを溶解した液体6に被洗浄ウェハ2を
浸漬し、この浸漬した被洗浄ウェハ2表面に紫外光を照
射して洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は洗浄方法、特に有機質
の汚れを持つ基板の洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIの製造は約100工程を約1カ月
前後の日時を要して行う。この様な長い工期の間には、
工程間の搬送や放置、あるいは作業者の介在により半製
品は各種の汚染を受ける。これらの汚染を最小化するこ
とによってデバイスの製造歩留まりは向上し、プロセス
の信頼性、再現性を著しく改善できる。そのためプロセ
スの各工程前に洗浄を行い、表面の汚染物を除去するこ
とは従来より重要な課題であった。例えば、4Mビット
のDRAMの設計には0.8μm、16Mビットでは
0.5μmの配線技術が必要であり、この様な微細加工
を可能にするには、それぞれ0.05μm、0.03μ
m程度の汚染粒子ならびに原子、分子状汚染(ケミカル
コンタミネーション)の制御が必要である。そのため従
来は当初の目的を達成するためRCA洗浄とIPA気相
乾燥を併用した洗浄に代表される溶剤によるウェットの
洗浄で汚染粒子ならびに原子状汚染物の除去を行った
り、紫外光照射とオゾンを併用した洗浄に代表されるド
ライの洗浄で分子状汚染の除去を行ったりしていた。
【0003】ところが、従来のウェットの洗浄やドライ
の洗浄方法・装置では、0.1μm以下の汚染粒子の完
全な除去は十分ではなく、また有機物からなる分子状汚
染の除去も満足なものとは言い難く、結果として十分な
デバイスの製造歩留まりが得られないという問題が生じ
ている。これに対する原因としては、以下のことが挙げ
られるウェットの洗浄については、一度表面から離れた
粒子による再汚染が微粒子になるほど多く、0.3μm
以下で顕在化する傾向にある。これら粒子の減少には洗
浄液中への界面活性剤の添加が有効であるものの、最終
的に被洗浄基板表面には界面活性剤が残り、これが新た
な有機物の分子状汚染となり、必ずしも最適な洗浄には
ならない。また、紫外光照射とオゾンを併用したドライ
の洗浄については、ある程度の有機物の洗浄効果は認め
られるものの、無機物の汚染については殆ど効果を持た
ず、また有機物の酸化で発生する炭酸の除去については
限界を有する。また今後、開発される64MビットのD
RAMでの洗浄に課せられる条件は、より厳しい物にな
っていくと考えられ、現在、優れた洗浄方法ならびに洗
浄装置の開発が望まれている。前記、従来の技術(洗
浄)については、例えば「小嶋、第25回応用スペクト
ルメトリー、p191〜196(1990)」、「化学総
説、No.44、表面の改質、日本化学会編、p147〜
155(1984)」、「土橋、精密工学会誌、54、
10、p1840〜1844(1988)」、「センエン
ジニアリング(株)カタログ紫外線利用技術」等に詳細に
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に、従来の洗浄
方法では0.1μm以下の汚染粒子の完全な除去や、ま
た無機物の汚染、有機物からなる分子状汚染の完全な除
去が困難であるため、結果として、十分なデバイスの製
造歩留まりを与えることができないという問題点があっ
た。
【0005】この発明は、かかる従来の問題点を解決す
るためになされたもので、特に0.1μm以下の汚染粒
子の除去や、有機物からなる分子状汚染ならびに炭酸か
らなる汚染の完全な除去を行い得る優れた洗浄方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の洗浄方法は、
オゾンを溶解した液体、またはオゾンガスをバブリング
させた液体中に被洗浄物を浸漬し、この浸漬した被洗浄
物表面に紫外光を照射して洗浄するようにしたものであ
る。
【0007】
【作用】この発明において、被洗浄物表面はオゾンを溶
解した液体もしくはバブリングされたオゾンガス(バブ
リングされたオゾンガスの表面は薄い液体層を持つ)に
覆われているためオゾン分子及び液体により濡れた状態
にある。この様な状態の被洗浄物表面に紫外光を照射す
ると、被洗浄物表面でオゾン分子は紫外光を吸収し、光
分解が起こると同時に活性な酸素原子を生成する。ま
た、被洗浄物表面の有機物からなる分子状汚染も紫外光
を吸収し活性化する。この様な環境下では、活性な酸素
原子の何割かは直ちに被洗浄物表面の活性化した有機物
からなる分子状汚染と反応して酸化物を生成する。そし
て、生成した酸化物の多くは直ちに被洗浄物表面の液体
中に溶解した後、溶液全体に拡散していく。また、残り
の活性な酸素原子の何割かは直ちに水分子と反応し、ヒ
ドロキシルラジカル(・OH)を生成し、これが被洗浄
物表面の無機物の汚染と反応して水酸化物を生成する。
そして、生成した水酸化物の多くは直ちに被洗浄物表面
の液体中に溶解した後、溶液全体に拡散していく。その
結果として、被洗浄物表面から有機物である分子状汚染
物及び無機物の汚染物は完全に除去される。また、前記
説明したように、この発明においては、有機物である分
子状汚染物及び無機物の汚染物双方を同時に酸化物化、
あるいは水酸化物化し溶液中に溶解拡散するため、有機
物と無機物の混合物からなる微粒子の分解除去にも効果
を持つ。そのため、従来、除去が困難であった0.1μ
m以下の微粒子除去にも効果を持ち、その除去効果は微
粒子化が進むほど効果的である。
【0008】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の実施例1に係わる洗浄装置
の構成図である。図において、1は洗浄槽で、この洗浄
槽1の中には被洗浄物2の被洗浄面に紫外光がよく当た
るように取り付けた(被洗浄面とほぼ90degの角度
に取り付けた)紫外光発生源である低圧水銀灯3(この
場合はサンエンジニアリング製低圧水銀灯UVL−4
0、消費電力40Wを用いた)、及び洗浄に用いるオゾ
ンを溶解した液体6が納まっている。オゾンを溶解した
液体6はオゾンガス発生機8内(この場合は無声放電式
オゾンガス発生機を用いた)で作られたオゾンガス5と
液体貯蔵タンク7内の液体4をオゾン溶解装置9内に送
り込むことにより液中に溶解させたものである。なお、
液体4はオゾンを溶解できる液体であれば、基本的には
いかなる物質であっても良い。10は洗浄槽1の中にオ
ゾンを溶解した液体6を送り込む挿入ポンプである。な
お、この場合は被洗浄物2の被洗浄面に対して液体6の
流速が10cm/minの速度になるようにした。12は洗浄
後にオーバーフローした廃液11を溜める廃液槽であ
る。廃液11は排出口13を通って排出される。
【0009】図1に示されるように被洗浄物2は洗浄槽
1の中でオゾンを溶解した液体中に浸漬される。なお、
オゾンを溶解した液体6は挿入ポンプ10を通して順次
供給されるため、洗浄槽1内を一定速度で流れている。
そして、洗浄槽1からあふれたオゾンを溶解した液体6
は順次廃液11として廃液槽12に送られる。このよう
な状態で低圧水銀灯3に通電を行うことにより、紫外光
を被洗浄物2表面に照射することができる。このとき被
洗浄物2表面では、オゾン分子が紫外光を吸収し光分解
を起こすと同時に活性な酸素原子を生成させる。また、
被洗浄物2表面の有機物からなる分子状汚染も紫外光を
吸収し活性化する。この様な環境下では、活性な酸素原
子の何割かは直ちに被洗浄物2表面の活性化した有機物
からなる分子状汚染と反応して酸化物を生成する。そし
て、生成した酸化物の多くは直ちに被洗浄物2表面のオ
ゾンを溶解した液体6中に溶解した後、オゾンを溶解し
た液体6全体に拡散していく。また、残りの活性な酸素
原子の何割かは直ちにオゾンを溶解した液体6中に存在
する水分子と反応しヒドロキシルラジカル(・OH)を
生成し、これが被洗浄物2表面の無機物の汚染と反応し
て水酸化物を生成する。そして、生成した水酸化物の多
くは直ちに被洗浄物2表面のオゾンを溶解した液体6に
溶解した後、全体に拡散していく。そして、この様な酸
化物及び水酸化物を多く含むオゾンを溶解した液体6は
洗浄槽1からあふれ、順次、廃液11として廃液槽12
に送られる。そのため、洗浄槽1内のオゾンを溶解した
液体6は常に清浄でかつ安定したオゾン濃度の液体に保
たれ、良好な洗浄効果が持続できる。その結果として、
被洗浄物2表面から有機物である分子状汚染物及び無機
物の汚染物が完全に除去される。
【0010】実施例i 信越シリコン社製6インチシリコンウェハを封切り後、
ウェハ表面の汚染を目的に重量濃度1.0%のオレイン
酸カルシウム水溶液に5分間浸漬した後、5分間水洗
し、その後乾燥して被洗浄物(被洗浄ウェハ)を形成し
た。この被洗浄ウェハを、図1に示す装置を用い、オゾ
ンを溶解させる液体として超純水を用い、上記被洗浄ウ
ェハ表面に紫外光を照射しながら10分間浸漬し洗浄し
た。その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾燥さ
せ、汚染物を全反射蛍光X線及び微粒子測定装置で計測
することにより洗浄能力評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0011】洗浄能力評価はテクノス社製全反射蛍光X
線TREXによる洗浄ウェハ中心部でのカルシウム(C
a)原子及びニッケル(Ni)原子の単位面積当たりの原
子密度測定、及び日立電子エンジニアリング製表面検査
装置LS6000による洗浄ウェハ全面(ただし、装置
性能の関係上、ウェハ端から5mm以内の部分は除く)で
の0.1μm以上の微粒子測定で行った。
【0012】なお、上記全反射蛍光X線によるカルシウ
ム、ニッケルの単位面積当たりの原子密度測定について
は、例えば松下嘉明ら、NIKKEI MICRODE
VICES 10月号 p99〜106(1990)等に
詳細に記載されている。また、表面検査装置による微粒
子測定については日立電子エンジニアリング製表面検査
装置LS6000取扱い説明書に詳細に記載されてい
る。
【0013】実施例ii 上記被洗浄ウェハを、図1に示す装置を使用し、オゾン
を溶解させる液体としてイソプロピルアルコールを用
い、被洗浄ウェハ表面に紫外光を照射しながら10分間
浸漬し洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り
出し乾燥させ、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0014】実施例iii 上記被洗浄ウェハを、図1に示す装置を使用し、オゾン
を溶解させる液体としてトリフルオロトリクロロエタン
を用い、被洗浄ウェハ表面に紫外光を照射しながら10
分間浸漬し洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウェハを
取り出し乾燥させ、上記実施例iと同様にして洗浄能力
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0015】実施例2.図2はこの発明の実施例2に係
わる洗浄装置の構成図である。上記実施例1の装置では
オゾンを溶解した液体6により被洗浄物2表面にオゾン
を供給したが、ここで示す実施例2の装置では、オゾン
を溶解した液体6の代わりにオゾンガス発生機8内で作
られたオゾンガスを含んだ液体14を用いるものであ
る。即ち、オゾンガス発生機8内で作られたオゾンガス
を液体中に送り込みバブリングさせている。この場合は
被洗浄物2の被洗浄面に対して液体6の流速が10cm/m
inの速度になるようにした。オゾンガスを含んだ液体1
4は、液体貯蔵タンク7から挿入ポンプ10を介して洗
浄槽1内に挿入された液体4と多孔質のオゾンガス放出
口15から小さな泡の状態で放出されるオゾンガス5と
混合することで得られる。なお、このときのオゾンガス
5の濃度は流量バルブ16で調整される。今回の検討で
は500cc/min一定供給で行った。この時、被洗浄物2
の被洗浄面はオゾンガス5が直にかつよどむことなく接
するように、重力加速度の働く方向(オゾンガスが自然
に流れる方向)に対して45degの角度で設置した。
なお、図2中の各符号において、図1で示した各符号と
同一の符号は同じ意味で用いている。
【0016】図2に示されるように被洗浄物2は洗浄槽
1の中でオゾンガスを含んだ液体14中に浸漬される。
このとき、オゾンガスを含んだ液体14中において、オ
ゾンガス5は液体4に一部溶解しながら、その大部分を
ガスの状態で液体4中を上昇し、被洗浄物2表面に達す
る。また、オゾンガスを含んだ液体14は挿入ポンプ1
0を通して液体4が順次供給されるため、洗浄槽1内を
一定速度で流れている。そして、洗浄槽1をあふれたオ
ゾンガスを含んだ液体14は順次廃液11として廃液槽
12に送られる。この様な状態で低圧水銀灯3に通電を
行うことで、紫外光を被洗浄物2表面に照射することが
できる。このとき、被洗浄物2表面では、オゾンガス分
子が紫外光を吸収し光分解を起こすと同時に活性な酸素
原子を生成させる。また、被洗浄物2表面の有機物から
なる分子状汚染も紫外光を吸収し活性化する。この様な
環境下では、活性な酸素原子の何割かは直ちに被洗浄物
2表面の活性化した有機物からなる分子状汚染と反応し
て酸化物を生成する。そして、生成した酸化物の多くは
直ちに被洗浄物2表面のオゾンガスを含んだ液体14中
に溶解した後、オゾンガスを含んだ液体14中全体に拡
散していく。また、残りの活性な酸素原子の何割かは直
ちにオゾンガスを含んだ液体14中に存在する水分子と
反応しヒドロキシルラジカル(・OH)を生成し、これ
が被洗浄物2表面の無機物の汚染と反応して水酸化物を
生成する。そして、生成した水酸化物の多くは直ちに被
洗浄物2表面のオゾンガスを含んだ液体14に溶解した
後、全体に拡散していく。そして、この様な酸化物及び
水酸化物を多く含むオゾンガスを含んだ液体14は洗浄
槽1からあふれ、順次、廃液11として廃液槽12に送
られる。そのため、洗浄槽1内のオゾンガスを含んだ液
体14は常に清浄でかつ安定したオゾン濃度の液体に保
たれ、良好な洗浄効果が持続できる。その結果として、
被洗浄物2表面から有機物である分子状汚染物及び無機
物の汚染物が完全に除去される。
【0017】なお、この実施例2を適用する場合におい
ては、オゾンガスを含んだ液体14中の小さな泡が発泡
する際に発生する超音波が洗浄効果を高めるという利点
がある。また、実施例1に用いたような高価なオゾン溶
解装置9を必要としないという利点もある。
【0018】実施例iv 上記被洗浄ウェハを、図2に示す装置を使用し、オゾン
ガスを含ませる液体として超純水を用い、被洗浄ウェハ
表面に紫外光を照射しながら10分間浸漬し洗浄した。
その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾燥させ、上
記実施例iと同様にして洗浄能力評価を行った。その結
果を表1に示す。
【0019】実施例v 上記被洗浄ウェハを、図2に示す装置を使用し、オゾン
ガスを含ませる液体としてイソプロピルアルコールを用
い、被洗浄ウェハ表面に紫外光を照射しながら10分間
浸漬し洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り
出し乾燥させ、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0020】実施例vi 上記被洗浄ウェハを、図2に示す装置を使用し、オゾン
ガスを含ませる液体としてトリフルオロトリクロロエタ
ンを用い、被洗浄物のウェハ表面に紫外光を照射しなが
ら10分間浸漬し洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウ
ェハを取り出し乾燥させ、上記実施例iと同様にして洗
浄能力評価を行った。その結果を表1に示す。
【0021】実施例3.図3はこの発明の実施例3に係
わる洗浄装置の構成図である。この装置は上記実施例1
と2の持つ効果を組み合わせたものである。なお、図3
中の各符号において、図1、図2で示した各符号と同一
の符号は同じ意味で用いている。
【0022】実施例vii 上記被洗浄ウェハを、図3に示す装置を使用し、オゾン
を溶解させる液体として超純水を用い、被洗浄ウェハ表
面に紫外光を照射しながら10分間浸漬し洗浄した。そ
の後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾燥させ、上記
実施例iと同様にして洗浄能力評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0023】実施例4.図4はこの発明の実施例3に係
わる洗浄装置の構成図である。18は洗浄槽1内の圧力
を高めるために接続されたコンプレッサーであり、レギ
ュレータ19を介して洗浄槽1を収めた密閉容器20に
接続されている。17は密閉容器20内の圧力調整を行
うための圧力弁である。なお、図4中の各符号におい
て、図1、図2及び図3で示した各符号と同一の符号は
同じ意味で用いている。
【0024】この発明の洗浄方法は基本的に被洗浄物2
表面にオゾンを供給することを必要条件としている。ま
た、その時得られる洗浄効果は被洗浄物2表面に発生す
る酸素原子の濃度に大きく依存するため、そのもととな
るオゾンの分子濃度が高いほど高い洗浄効果が得られ
る。図4に示す実施例4の装置では洗浄槽1内の圧力を
高めることにより、オゾンを溶解した液体6のオゾンの
分子濃度及びオゾンガスを含んだ液体14中のオゾンガ
ス5の分子濃度を高めることができるので、洗浄効果が
より向上する。
【0025】実施例viii 上記被洗浄ウェハを、図4に示す装置を使用し、オゾン
を溶解させる液体として超純水を用い、被洗浄ウェハ表
面に紫外光を照射しながら10分間浸漬し洗浄した。そ
の後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾燥させ、上記
実施例iと同様にして洗浄能力評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】比較例i 封切り後そのままのウェハを比較例iの試料として、上
記実施例iと同様にして汚染物を全反射蛍光X線及び微
粒子測定装置で計測した。その結果を表2に示す。
【0028】比較例ii 図1に示す装置を使用し、オゾンを溶解させる液体を用
いず、上記被洗浄ウェハ表面に紫外光を10分間照射し
た。その後、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価を
行った。その結果を表2に示す。
【0029】比較例iii 図1に示す装置を使用し、オゾンを溶解させる液体とし
て超純水を用い、紫外光を照射せずに上記被洗浄ウェハ
を10分間浸漬し洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウ
ェハを取り出し乾燥させ、上記実施例iと同様にして洗
浄能力評価を行った。その結果を表2に示す。
【0030】比較例iv 図2に示す装置を使用し、オゾンを溶解させる液体を用
いず、上記被洗浄ウェハ表面に10分間紫外光を照射し
た。その後、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価を
行った。その結果を表2に示す。
【0031】比較例v 図2に示す装置を使用し、超純水を用い、上記被洗浄ウ
ェハ表面に紫外光を照射せずにウェハを10分間浸漬し
洗浄した。その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾
燥させ、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0032】比較例vi 図2に示す装置を使用し、超純水を用い、オゾンガスを
流さずに上記被洗浄ウェハを10分間浸漬し洗浄した。
その後、洗浄槽から洗浄ウェハを取り出し乾燥させ、上
記実施例iと同様にして洗浄能力評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0033】比較例vii 従来のRCA洗浄とIPA気相乾燥を併用した洗浄を用
いて封切り後そのままのウェハを洗浄し比較例vii の試
料とし、上記実施例iと同様にして洗浄能力評価を行っ
た。その結果を表2に示す。
【0034】比較例viii 従来のRCA洗浄とIPA気相乾燥を併用した洗浄を用
いて上記被洗浄ウェハを洗浄し比較例viiiの試料とし、
上記実施例iと同様にして洗浄能力評価を行った。その
結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表1に示す今回の全ての実施例の試料にお
いて、単位面積当たりのカルシウム(Ca)原子及びニッ
ケル(Ni)原子の原子密度が表2の比較例iの封切り直
後のウェハ及び従来のRCA洗浄とIPA気相乾燥を併
用した洗浄直後のウェハのもつ原子密度より少なくなっ
ていることがわかる。このことからオレイン酸カルシウ
ムで汚染したにもかかわらず、この発明の実施例の試料
は全て封切り直後のウェハ及び従来のRCA洗浄とIP
A気相乾燥を併用した洗浄直後のウェハより良好な洗浄
が行われたことがわかる。また、0.1μm以上の微粒
子測定結果においても比較例i及び比較例vii,viiiの試
料のもつ微粒子数より減少していることがわかる。一
方、比較例ii〜vの試料においては、この発明に係わる
図1及び図2に示す装置を用いた洗浄であるにもかかわ
らず、その洗浄中に紫外線照射あるいは溶液あるいはオ
ゾンを用いなかったため、著しく汚染物質が残存するこ
とがわかる。このことから、溶液、紫外線照射及びオゾ
ンは洗浄に有効で、かつオゾン存在下、あるいはオゾン
ガス存在下の溶液に紫外線照射を行うことで、その洗浄
効果は著しく向上することがわかる。
【0037】実施例iと実施例ii及び実施例iiiの比較
から、実施例ii及び実施例iiiのほうが洗浄効果が高い
ことがわかる。これはおそらくオゾンガスの溶媒中への
溶解性が蒸留水よりイソプロピルアルコールやトリフル
オロトリクロロエタンのほうが大きいため、結果的に洗
浄に寄与する効果が高くなったためと考えられる。同様
の理由で(高圧になることによりオゾンガス溶媒中への
溶解性が高くなる)実施例iより実施例viiiのほうが洗
浄効果が高くなったものと考えられる。実施例iより実
施例vii のほうが若干洗浄効果が高くなったのはオゾン
ガスの効果が加わったためと思われる。
【0038】なお、上記実施例では紫外光の照射効率を
高めるため、照射する紫外光の入射角度を被洗浄物の被
洗浄面に対して約90degになるように設定したが、
これに限らず、70deg〜110degであれば良
い。
【0039】また、被洗浄物2の被洗浄面は重力加速度
の働く方向(オゾンガスが自然に流れる方向)に対して
45degの角度で設置したが、これに限らず、オゾン
ガスをバブリングさせる場合にはオゾンガスが被洗浄面
に良くなじむようにするため、重力加速度の働く方向に
対して被洗浄物の被洗浄面を10deg〜80degの
角度傾くように設置するとよい。
【0040】さらに、この発明に用いる液体としては上
記の水、イソプロピルアルコールやトリフルオロトリク
ロロエタンに限らず、オゾンを溶解できる液体であれ
ば、基本的にはいかなる物質であっても良く、例えば他
のアルコール系溶媒、フッ素系溶媒及びこれらの混合物
あるいはこれらを主成分とする溶媒が用いられる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、オゾ
ンを溶解した液体、またはオゾンガスをバブリングさせ
た液体中に被洗浄物を浸漬し、この浸漬した被洗浄物表
面に紫外光を照射して洗浄するようにしたので、従来法
では除去が困難であった0.1μm以下の汚染粒子の除
去や、無機物の汚染、有機物からなる分子状汚染ならび
に炭酸からなる汚染の完全な除去が可能となる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係わる洗浄装置を示す構
成図である。
【図2】この発明の実施例2に係わる洗浄装置を示す構
成図である。
【図3】この発明の実施例3に係わる洗浄装置を示す構
成図である。
【図4】この発明の実施例4に係わる洗浄装置を示す構
成図である。
【符号の説明】
1 洗浄槽 2 被洗浄物 3 紫外光発生源である低圧水銀灯 6 オゾンを溶解した液体 14 オゾンガスを含んだ液体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンを溶解した液体、またはオゾンガ
    スをバブリングさせた液体中に被洗浄物を浸漬し、この
    浸漬した被洗浄物表面に紫外光を照射して洗浄すること
    を特徴とする洗浄方法。
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