JPH05288149A - 斜板型可変容量圧縮機 - Google Patents

斜板型可変容量圧縮機

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JPH05288149A
JPH05288149A JP4091001A JP9100192A JPH05288149A JP H05288149 A JPH05288149 A JP H05288149A JP 4091001 A JP4091001 A JP 4091001A JP 9100192 A JP9100192 A JP 9100192A JP H05288149 A JPH05288149 A JP H05288149A
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Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Shigeki Kanzaki
繁樹 神崎
Kenji Takenaka
健二 竹中
Tomohiko Yokono
智彦 横野
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜板型可変容量圧縮機において、駆動軸と斜
板を連結する機構の一部に用いられる二面幅部の摩擦力
を減少させて、容量変化を円滑に行わせる。 【構成】 従来の斜板型可変容量圧縮機においては、斜
板本体を傾動させるための二面幅部の方向に来る1個の
ピストンに上下の死点、即ち最大の行程位置が与えられ
るが、斜板に作用する全ての荷重の合力の作用点は、二
面幅部の方向からずれた位置になり、それによって二面
幅部にはこじる力のモーメントが発生して斜板ガイドと
の摺動面の摩擦力が増大し、吐出容量変化のための斜板
の傾動を妨げる。そこで本発明においては、二面幅部3
6を合力の作用点の方向に向かうように偏向させて斜板
支持部39に取り付け、このモーメントの発生を抑え
る。これは、斜板本体38をz軸の回りに捩じったのと
同じである。二面幅部36は駆動軸7の側に設けても同
じ効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、自動車用空調
装置において冷媒圧縮機として使用するのに適した、斜
板型の可変容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば実開平2−267371号公報
に、従来の斜板型の可変容量圧縮機が記載されている。
その構造を図3〜図5に示す。シリンダブロック1の前
後両端面にはフロントハウジング2及びリヤハウジング
3が締結されており、シリンダブロック1には斜板室4
が形成されていると共に、斜板室4のフロント側及びリ
ヤ側のそれぞれ対向する位置に、複数対(図示例の場合
は図4に示されているように5対である。)のシリンダ
ボア5a,5bが形成され、それらの各対に対してそれ
ぞれ1個宛の共通の双頭ピストン6が往復運動可能に、
且つ前後に跨がるように挿入されている。フロントハウ
ジング2及びシリンダブロック1内には駆動軸7が軸承
され、その中間部分には板状の斜板ガイド8が形成され
ていて、斜板ガイド8には駆動軸7に対して斜めにガイ
ド孔9が穿設されている。ガイド孔9はカムとしての働
きをするので、直線状でなく任意の曲線のような形状で
あってもよい。駆動軸7の延長部分であるリヤ軸部7a
にはガイドスリーブ10が摺動可能に嵌挿され、その先
端とガイドスリーブ10に形成された底面との間には、
圧縮ばね11が介装されている。
【0003】リヤ側から斜板室4内に突出しているガイ
ドスリーブ10の頭部10aには、一対のピン軸12が
リヤ軸部7aと直交するように突設されており、それに
よって斜板13が、ガイドスリーブ10に対して傾斜角
度を変化することができるように支持されている。図示
実施例の斜板13は、それが回転する際に傾斜角度に応
じた大きさの振幅で揺動運動をするが、その揺動運動に
よって双頭ピストン6を往復運動させるために、双頭ピ
ストン6に設けられているシュー14と係合する斜板本
体15と、駆動軸7の斜板ガイド8に対してガイドピン
16によって連結される斜板支持部17とから構成され
ている。斜板本体15は鋼材等で形成されるが、シュー
14との摺動部15aには、銅系の軸受合金を鋼材等の
母材の表面に焼結、溶射、接合等の方法で被覆してい
る。
【0004】斜板支持部17も鋼材等で形成され、斜板
本体15の嵌合孔15bに対して圧入又は螺合等の方法
で固着される嵌合段部17aと、その反対側に形成され
た一対の耳片からなる二面幅部17bとを有する。二面
幅部17bに穿孔された嵌合孔17cには、ガイドピン
16がブッシュ16aを介して装着されると共に、ガイ
ドピン16の中間部は、駆動軸7の斜板ガイド8に形成
されたガイド孔9に挿通され、ガイドブッシュ16bを
介してガイド孔9のカム面に係合している。斜板支持部
17には駆動軸7の軸線と直交すると共に嵌合孔17c
と平行の軸孔18が穿孔されており、軸孔18の両端か
ら挿入された一対のピン軸12は、斜板支持部17の内
腔部17に挿入された前述のガイドスリーブ10の、頭
部10aに穿孔されている小孔10bに嵌入されて、斜
板13の傾動の中心軸となる。駆動軸7と、それに対し
て一体である斜板ガイド8、リヤ軸部7aは軸方向に移
動することはないが、リヤ軸部7aに嵌合しているガイ
ドスリーブ10は軸方向に移動するので、後述の手段に
よってそれを軸方向に移動させると、頭部10aのピン
軸12と共に斜板13の中心が軸方向に移動する。それ
によって、二面幅部17bに取り付けられたガイドピン
16が斜板ガイド8のガイド孔9に沿って案内されて移
動するため、駆動軸7或いはガイドスリーブ10に対す
る斜板13の傾斜角度が変化することになる。その結
果、双頭ピストン6の往復運動のストロークが無段階に
変化して、圧縮機の吐出容量が無段階に変化する。
【0005】シリンダブロック1とフロントハウジング
2及びリヤハウジング3との間にはそれぞれサイドプレ
ート19及び20が、弁形成プレート21及び22と共
に挟み込まれている。前後両ハウジング2,3内には吸
入室23及び24と、吐出室25及び26が形成されて
おり、フロント側の吸入室23は、吸入通路27を通じ
て斜板室4に連通していると共に、サイドプレート19
の吸入孔19a及び吸入弁21aを介してフロント側の
圧縮室Pfに連通可能となっている。フロント側の吐出
室25は、サイドプレート19の吐出孔19b及び吐出
弁28を介してフロント側の圧縮室Pfと連通可能とな
っている。リヤ側も同様であって、吸入室24は、吸入
通路29を通じて斜板室4に連通していると共に、サイ
ドプレート20の吸入孔20a及び吸入弁22aを介し
てリヤ側の圧縮室Prに連通可能となっている。リヤ側
の吐出室26は、サイドプレート20上の吐出孔20b
及び吐出弁30を介してリヤ側の圧縮室Prに連通可能
となっている。また、シリンダブロック1に形成され、
図示しない空調装置の冷凍サイクルにおける蒸発器に接
続される吸入管路31が斜板室4に連通していると共
に、凝縮器に接続される吐出管路32が前後の吐出室2
5,26に連通している。
【0006】リヤハウジング3の内部には軸方向に制御
シリンダ3aが形成されており、それに対して摺動可能
に嵌合する制御ピストン33のフランジ部33aが、制
御シリンダ3a内の空間を、リヤ側の吸入室24と制御
圧室24aとの2つの部分に区画している。制御ピスト
ン33のスリーブ33bは、シリンダブロック1の中心
に形成された軸方向のシリンダ部1aに摺動可能に挿入
されており、スリーブ33bはスラストベアリング34
及びラジアルベアリング35を介してガイドスリーブ1
0を支持している。
【0007】この圧縮機の作動状態においては、リヤ側
の吸入室24の冷媒の圧力(冷凍サイクルからの戻り冷
媒の圧力)とか、冷媒を双頭ピストン6によって圧縮室
Pf及びPrへ吸入したり、その中で圧縮して吐出する
ことによって、斜板13に作用する圧縮反力及び吸入反
力等によって発生する軸方向力が、制御ピストン33を
図3において右方向に推進させるように作用するが、制
御圧室24aには図示しない制御弁から吸入圧と吐出圧
との中間の、任意の制御圧が供給されて、フランジ部3
3aを左方へ押圧して前記の軸方向力と釣り合う。そし
て、例えば吸入管路31の圧力が高い時には、より大き
な冷媒流量即ち吐出容量をもたらすように、ガイドスリ
ーブ10を軸方向左方へ移動させ、斜板13の傾斜角度
を増加させて、双頭ピストン6のストロークを増大する
ように作動する。
【0008】図示しない空調装置の冷凍サイクルにおけ
る蒸発器から戻って来る低温低圧の冷媒は、吸入管路3
1から斜板室4に入り、吸入通路27及び吸入通路29
に分かれてそれぞれ吸入室23及び24に流入する。そ
して圧縮室Pf又はPrが吸入行程にあるとき、吸入弁
21a又は22aが開いて圧縮室内に吸入され、圧縮行
程において加圧されて、吐出弁28又は30を押し開い
て吐出室25又は26に吐出される。高圧高温となった
冷媒は吐出管路32から冷凍サイクルの凝縮器へ送ら
れ、冷凍サイクルを循環することによって冷却作用をす
る。斜板型の可変容量圧縮機の特長は、斜板13の傾斜
角度が冷房負荷や駆動軸7の回転数等の制御要因に応じ
て自由に変化し、冷媒の吐出容量を無段階に変化させる
ことができるので、その時に空調装置に最適の冷媒流量
が得られる点にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】斜板支持部17に取り
付けられた二面幅部17bは、斜板側に限らず駆動軸7
の側に取り付けることもできるので、その際は斜板ガイ
ド8に相当するものが斜板支持部17の側に設けられる
ことになる。いずれの場合でも、圧縮機の吐出容量を変
更するために斜板本体15の傾斜角度を無段階に変化さ
せる際には、二面幅部17bの中で斜板ガイド8が円滑
に摺動することが必要になる。
【0010】斜板ガイド8が二面幅部17bの中で摺動
して斜板本体15が傾斜するとき、複数個ある双頭ピス
トン6のうちでも、その時に二面幅部17bの方向にあ
る1個の双頭ピストン6が最大の行程位置(上死点或い
は下死点)をとるから、その双頭ピストン6が最大の圧
縮反力及び吸入反力による最大の荷重を斜板13に与え
る筈である。ところが、複数個の双頭ピストン6が同時
に圧縮又は吸入を行っているのと、斜板本体15に作用
する荷重には圧縮反力及び吸入反力以外にも双頭ピスト
ン6の慣性力等が含まれているため、図6に示したよう
に、全ての双頭ピストン6による荷重Fiの合力ΣFi
は、斜板本体15上でも二面幅部17bの方向から外れ
た位置の、例えば点Pに作用することになる。
【0011】荷重の合力ΣFiが二面幅部17bの方向
に作用せずに、それに対して角度θだけずれた、しかも
中心から半径Lだけ離れたPのような点に作用すること
によって、図6に示した矢印のように、斜板13を二面
幅部17bの方向の軸を中心として旋回させようとする
モーメント(こじる力)が発生し、その力によって斜板
ガイド8の両面が二面幅部17bに押し付けられて摺動
摩擦力が大きくなり、斜板13の傾動が円滑に行われな
くなる。特に、制御圧室24aの制御圧が比較的小さい
低容量時には、制御ピストン33を介して釣り合ってい
るリヤ側の吸入室24の吸入圧との圧力差が小さいの
で、制御ピストン33を移動させる力、即ち制御力が小
さくなり、斜板ガイド8と二面幅部17bとの間の増大
した摩擦力に打ち勝つことができないために、制御圧室
24aの圧力の変化に応答して容量変化が起こらない、
所謂不感帯が生じる場合がある。
【0012】本発明は、従来の斜板型の可変容量圧縮機
に起こり得るこのような問題を解消して、吐出容量の大
小に関係なく、二面幅部の摩擦力が増大するのを防止し
て、斜板の傾斜角度の変更が常に円滑に行われるように
することによって、制御に対する容量変化の応答性に優
れた斜板型の可変容量圧縮機を提供することを解決課題
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、駆動軸と、前記駆動軸の周りに並列に
配置される複数個のシリンダボアと、前記複数個のシリ
ンダボアに挿入される複数個のピストンと、前記複数個
のピストンに係合する共通の斜板と、前記斜板の傾動を
許すような状態で前記駆動軸と前記斜板とを連結する二
面幅部を含む連結機構とによって構成されていると共
に、前記二面幅部の方向が、前記斜板に作用する全ての
前記ピストンからの荷重の合力の作用点に向かうように
偏向して設定されていることを特徴とする斜板型可変容
量圧縮機を提供する。
【0014】
【作用】駆動軸が回転することによって斜板が揺動運動
をして、斜板はその周縁部に係合している各ピストンに
それぞれシリンダボア内での往復運動を与えるので、各
シリンダボアは順次に流体を吸入或いは圧縮して吐出す
る。駆動軸と斜板とを連結している二面幅部によって、
吐出容量に応じたピストンストロークをもたらすように
斜板が駆動軸に対して傾動することができるので、最大
の行程位置である上下の死点位置は、二面幅部の方向に
入って来るピストンに与えられることになるが、全ての
ピストンが斜板に及ぼす圧縮反力、吸入反力、慣性力等
の荷重の合力は二面幅部の方向から角度的にずれた位置
に作用し、それによって二面幅部にはこじり力のモーメ
ントが発生して、駆動軸と斜板との間の二面幅部を含む
連結機構に大きな摩擦力が発生し、その摩擦力が斜板の
傾動を妨げる。これに対して、本発明では斜板を傾斜さ
せた状態において、二面幅部の方向が斜板に作用する荷
重の合力の作用点に向かうように二面幅部を偏向させて
取り付けているので、このようなこじり力のモーメント
の発生が抑制され、発生してもその値が小さくなるの
で、斜板の傾動、従って圧縮機の吐出容量を無段階に変
更する作用が円滑に行われる結果、制御に対する応答性
が向上する。
【0015】
【実施例】図1及び図2に本発明の実施例としての斜板
組立体の構造を示す。それ以外の圧縮機全体の構造は図
3〜図5に示した従来例と同様であってもよいので、圧
縮機全体の構造の図示とか、重複する説明等は省略する
と共に、図示実施例の中でも前記従来例と実質的に同じ
構造部分については、同じ参照符号を付すことによっ
て、相互に比較することができるようにしている。
【0016】従来例について説明したように、図3〜図
5に示すような従来の斜板型圧縮機が作動するとき、例
えば5個ある双頭ピストン6のうちでも、二面幅部17
bの方向にある双頭ピストン6が上下の死点に達して、
最大のストローク位置をとっている。そして、圧縮機が
最大の吐出容量の状態におかれることによって、斜板1
3が最大の傾斜角度をとっているとき、全ての双頭ピス
トン6から斜板本体15に作用する圧縮反力等による荷
重の合力ΣFiは、二面幅部17bの方向から角度θだ
けずれた点Pのような位置に作用する。その結果、図6
に矢印で示すようなモーメント(こじる力)が発生し
て、二面幅部17bと斜板ガイド8との間の摩擦力が増
大し、圧縮機の吐出容量を変更するために斜板13を傾
動させようとしても円滑に摺動が行われなくなる。
【0017】そこで、本発明の図示実施例では、斜板1
3が最大の傾斜角度をとっている状態において、つま
り、圧縮機が最大の吐出容量に対応する時に、図2に示
すように、斜板支持部17に対する二面幅部17bを、
駆動軸7或いはガイドスリーブ10の軸線を中心とし
て、ずれた角度θだけ回転した新たな位置に移設したの
と同じように、斜板に対して二面幅部を偏向させて取り
付け、本発明特有の姿勢を持つ二面幅部36を形成して
いる。そのような斜板組立体の形状、構造が図1に例示
されている。
【0018】図1は、斜板本体15がある程度の傾斜角
度をとっている状態において、駆動軸7が回転して、ガ
イドピン16及びピン軸12が水平位置に来た瞬間をと
らえて、水平面によって切断した断面を上方(z軸の方
向)から見た平面図を示したものである。この図から明
らかなように、図2のように二面幅部36を偏向して設
置したものは、図5等に示した従来例の斜板組立体にお
いて、斜板本体15を垂直軸(z軸)の回りに捩じって
二面幅部17bに取り付けたのと同じ形になっている。
それによって、駆動軸7の軸線であるy軸の方向は変わ
らないが、斜板本体15の半径方向のうちピン軸12の
方向と一致していた水平軸xの方向はずれてx’軸の方
向になる。その意味で、図1及び図2に示す本発明の実
施例の斜板組立体においては、斜板は従来例の斜板13
と同じものではなく、新たに斜板37と呼ぶべきもので
あり、また斜板本体も斜板本体15と同じものではなく
斜板本体38と呼ぶべきものである。同様な意味で、斜
板支持部17に対応するものも図示実施例では斜板支持
部39としている。
【0019】図1及び図2に示したような実施例の斜板
組立体を、図3〜図5のような斜板型圧縮機に組み込ん
で作動させた場合、斜板37に作用する圧縮反力のよう
な荷重の合力ΣFiの作用点Pは、二面幅部17bの方
向から角度的にずれ、その位置は吸入圧をPs,吐出圧
をPdとしたとき、圧縮比Pd/Psの大きさに依存し
て決まるので、どのような状態でも常に二面幅部36の
方向を作用点Pの方向に正確に合致させることは難しい
ものの、実施例では、斜板本体38が最大吐出容量に対
応する最大の傾斜角度をとった時に、二面幅部36の方
向が作用点Pの方向に向かうように設定してあるので、
部分負荷の状態で作用点Pの位置が僅かにずれても、従
来技術のように何の対策も講じていない場合よりは、こ
じり力が小さくなって、斜板37の傾動が円滑に行われ
る。
【0020】図7に示したように、斜板37の中心から
力の作用点であるシュー14までの距離(半径)をL,
駆動軸7の回転角をφ,各双頭ピストン6からの荷重を
Fiとしたとき、双頭ピストン6の数がNpの圧縮機に
おいて、斜板37を傾動させようとする力のモーメント
Mと、斜板本体38をこじるモーメントmは、それぞれ
次のように表される。
【0021】式(1) 及び式(2) の計算結果を図表として
示したものが図8であって、横軸に駆動軸7の回転角φ
をとり、縦軸にモーメントの値をとって、(a)は冷媒
の圧縮反力によるモーメントMの、(b)は本発明によ
って35°のずらし角を二面幅部36に与えて、二面幅
部を偏向させた場合に僅かに発生するこじるモーメント
mの、また、(c)は従来技術のように二面幅部を偏向
させていない場合に発生するこじる力のモーメントm
の、それぞれの値の時間的変化を示している。図8によ
って、ずらし角を大きくして行くと、二面幅部36に対
して斜板ガイド8をこじる力のモーメントmが非常に減
少することが理解される。ただし、圧縮機の最小吐出容
量に対応する斜板本体38の傾斜角度よりも大きな角度
のずらし角をz軸回りに与えることは実際にはできな
い。なぜならば、大きなずらし角を与えると斜板本体3
8の最小傾斜角度が大きくなり、最小吐出容量を実現す
ることができなくなるからである。
【0022】このように、二面幅部36を、その方向が
合力ΣFiの作用点Pに向かうように偏向させて設置す
ることにより、合力ΣFiによるこじり力としてのモー
メントの発生が抑制され、斜板支持部39の二面幅部3
6と、駆動軸7の斜板ガイド8との間に大きな摩擦力が
発生することが防止される。従って、制御ピストン33
に比較的小さな制御力が作用しているときでも、斜板3
7の傾動は円滑に行われて、制御に対する吐出容量変化
の応答性が高くなる。
【0023】なお、図示実施例では斜板支持部39に二
面幅部36を設け、駆動軸7に斜板ガイド8を設けてい
るが、以上の説明から明らかなように、それらの関係を
逆にして、斜板支持部39側に斜板ガイド8と同様なも
のを設けると共に、駆動軸7の側に二面幅部36と同様
なものを取り付けるようにしても同様の効果を奏するか
ら、これもまた本発明の一つの実施例ということができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明を実施することにより、駆動軸と
斜板支持部との連結部分に発生するこじる力のモーメン
トが減少又は消滅し、連結部分における摩擦力が小さく
なることから、斜板の傾斜角度の変更が比較的小さな制
御力によっても円滑に行われるようになり、制御に対す
る吐出容量変化の応答性が著しく向上する。特に、吐出
圧と吸入圧との差が小さい低負荷域において生じやすい
制御に対する不感帯を解消することができる。また、本
発明によれば、二面幅部の位置を中心位置に対して偏心
させて設置するような対応措置を講じる必要がないの
で、従来の場合よりも圧縮機の構造を簡素化することが
できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による斜板組立体の実施例を示す縦断平
面図である。
【図2】本発明による斜板組立体の実施例を示す側面図
である。
【図3】従来の圧縮機の全体構成を示す縦断正面図であ
る。
【図4】従来の圧縮機における斜板組立体の分解斜視図
である。
【図5】従来の圧縮機の横断面を示す側面図である。
【図6】従来の圧縮機の問題点を説明するための概念図
である。
【図7】斜板に作用するモーメントを説明するための概
念図である。
【図8】斜板に作用するモーメントの変化を示す線図で
ある。
【符号の説明】
4…斜板室 5a,5b…シリンダボア 6…双頭ピストン 7…駆動軸 8…斜板ガイド 9…ガイド孔 10…ガイドスリーブ 12…ピン軸 13…斜板 14…シュー 15…斜板本体 16…ガイドピン 17…斜板支持部 17b…二面幅部 19,20…サイドプレート 23,24…吸入室 24a…制御圧室 25,26…吐出室 27,29…吸入通路 33…制御ピストン 36…二面幅部 37…斜板 38…斜板本体 39…斜板支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横野 智彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸と、前記駆動軸の周りに並列に配
    置される複数個のシリンダボアと、前記複数個のシリン
    ダボアに挿入される複数個のピストンと、前記複数個の
    ピストンに係合する共通の斜板と、前記斜板の傾動を許
    すような状態で前記駆動軸と前記斜板とを連結する二面
    幅部を含む連結機構とによって構成されていると共に、
    前記二面幅部の方向が、前記斜板に作用する全ての前記
    ピストンからの荷重の合力の作用点に向かうように偏向
    して設定されていることを特徴とする斜板型可変容量圧
    縮機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003021056A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Calsonic Harrison Co Ltd カーエアコン用スワッシュプレートおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003021056A (ja) * 2001-07-05 2003-01-24 Calsonic Harrison Co Ltd カーエアコン用スワッシュプレートおよびその製造方法

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