JPH05287660A - 長繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

長繊維不織布及びその製造方法

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JPH05287660A
JPH05287660A JP4088850A JP8885092A JPH05287660A JP H05287660 A JPH05287660 A JP H05287660A JP 4088850 A JP4088850 A JP 4088850A JP 8885092 A JP8885092 A JP 8885092A JP H05287660 A JPH05287660 A JP H05287660A
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JP
Japan
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filaments
filament
nonwoven fabric
long
web
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JP4088850A
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English (en)
Inventor
Akira Kaneko
明 金子
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウォータージェット交絡長繊維不織布であっ
て、繊維末端の無い長繊維をエネルギー効率良く交絡
し、表面の毛羽立ちを抑えることができる不織布を提供
する。 【構成】 紡糸ノズルから紡糸された連続した複数のフ
ィラメントを移動捕集面に集積して得られるウェブのフ
ィラメント同士を高圧水流で交絡させた不織布におい
て、捲縮数が10〜50個/25mmであるフィラメント
を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長繊維不織布に関し、詳
しくは表面の毛羽立ちが抑えられた長繊維不織布及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ステープルファイバーを原料とするいわ
ゆる乾式不織布をウォータージェット法、すなわち高圧
の水流により不織布を構成する繊維を交絡させた不織布
は、独特のドレープ性を特徴として広く知られている。
【0003】また、特公平3−61788号公報には、
スパンボンド法で得たウェブをウォータージェットパン
チにより繊維を分割処理して交絡効果を高くした不織布
の製造方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記ステープ
ルファイバーを原料とする不織布では、ウェブを構成す
る繊維が2インチ程度に切断されているため、交絡の程
度を上げるため強い水流で処理を行うと、流れ方向に模
様がつくことがあり、この部分から裂け易いという問題
点を有している。
【0005】一方、長繊維を原料とする不織布の場合に
は、連続長繊維には繊維末端が無く、フィラメントの易
動性が悪いために十分な交絡を行うにはウォータージェ
ットの圧力、水量、回数等、即ちウォータージェットの
エネルギーを上げる事が必要となる。また、この易動性
の悪さからフィラメント間の絡みがおこりにくく、不織
布表面が毛羽立ち易いという欠点を有する。
【0006】このような観点から、特公平3−6178
8号公報では、フィラメントを分割繊維として紡糸し、
ウォータージェットすることにより非常に細い繊維に分
割して交絡効果を上げる方法が開示されているが、分割
繊維の紡糸プロセスには非常に複雑な紡糸口金を必要と
し、一般のスパンボンドプロセスと比較し生産性は著し
く低下する。
【0007】本発明は、このような従来公知のウォータ
ージェット不織布が有する問題点を解決し、ウォーター
ジェットによる交絡効率が良く、表面の毛羽立ちが抑え
られたウォータージェット交絡長繊維不織布及びその製
造方法を提供することを課題とする。併せて、交絡しに
くい長繊維を材料としこれをエネルギー効率よく交絡さ
せるための原料処方を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究を行った結果、捲縮数が10〜5
0個/25mmである連続した複数のフィラメントを用い
ると毛羽立ちが抑えられ、さらにフィラメント繊度を
1.5〜10デニールとすると、紡糸が容易で収率もよ
く、繊維の易動性もよいことを見出し、本発明に至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、紡糸ノズルから紡糸さ
れた連続した複数のフィラメントを移動捕集面に集積し
て得られるウェブのフィラメント同士を高圧水流で交絡
させた不織布において、フィラメントの捲縮数が10〜
50個/25mmであり、好ましくはフィラメントの繊度
が1.5〜10デニールである長繊維不織布である。
【0010】また、本発明は、異なる成分の溶融ポリマ
ー、あるいは重合度又は添加剤の異なる同一成分ポリマ
ーを、並進形ノズルからから並進状態で吐出して、並進
複合型又は偏芯芯鞘形複合フィラメントを紡糸し、この
フィラメントを高速気流に載せて引き取り、移動補集面
に集積させてウェブを形成し、このウェブにウォーター
ジェットを打ち、フィラメント同士を交絡させることを
特徴とする長繊維不織布の製造方法を提供する。
【0011】以下本発明を、詳細に説明する。本発明の
長繊維不織布は、JIS L1074による捲縮数が1
0〜50個/25mm、好ましくは20〜40個/25mm
mの連続長繊維からなり、ウォータージェット法により
各フィラメント間を交絡した長繊維不織布である。
【0012】ここでウォータージェット法とは、高圧の
水流により繊維を交絡させる方法で、ウォーターニード
ル、ハイドロ-エンタングルメントとも呼ばれているも
ので、ウォータージェット交絡不織布はスパンレース等
の名称で知られている。
【0013】本発明の長繊維不織布を構成するフィラメ
ントの繊度は、1.5〜10デニールのものが好まし
い。繊度が1.5デニール以上であると、フィラメント
の紡糸が容易で生産性がよく収率も高い。また、繊度が
10デニール以下であると、繊維の易動性がよい。
【0014】本発明の不織布に用いられる10〜50個
/25mmの捲縮のある連続フィラメントは、異なった熱
可塑性ポリマーの組合せ、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、各種ポリアミ
ド、ポリスチレン、さらに前記各種ポリマーを主成分と
した共重合体、及びそれらの混合体を並進複合型、又は
偏芯芯鞘形複合フィラメントにする事により得ることが
できる。
【0015】又、本発明に用いる連続フィラメントは、
同一のポリマーであっても重合度あるいは添加剤を異な
らしめて並進複合型、又は偏芯芯鞘形複合フィラメント
にする事によっても得られる。
【0016】前記二つの方法において、ポリマーの組合
せ及びその割合は目的とする捲縮数が得られるように定
めればよい。更に、単一成分よりなるポリマーを用い、
紡糸時の不均一な冷却やフィラメント群の片面摩擦等に
よって捲宿を有するフィラメントを得てもよい。
【0017】以上の何れの方法においても、適切な条件
を選定することにより10〜50個/25mmの捲縮の
ある連続フィラメントが得られる。捲宿は顕在捲宿でも
潜在捲宿でも良いが、プロセスを単純にするには前者の
方が好ましく、後者の場合はウェブフォーマー/ウォー
タージェット間に熱処理装置を組み込む事が必要とな
る。
【0018】第1図に本発明の長繊維不織布の製造方法
の一例を示す。長繊維不織布の製造は、先ず第1成分お
よび第2成分の溶融ポリマーを、並進形ノズル2から並
進状態で吐出して長繊維1を紡糸し、この長繊維1を高
速気流牽引装置3から憤出される空気流に載せて引き取
り、分散板4により進行方向にフィラメントを並べなが
ら、これと直行する方法にこれを揺動して分散させ、移
動補集面5に集積させる。
【0019】移動補集面5により送出された未交絡長繊
維ウェブ6は、ウォータージェットノズル8によりウォ
ータージェットを打ちフィラメントを交絡させると本発
明の不織布が得られる。このウォータージェットは、ウ
ェブの表面と裏面との両面から行うのが好ましい。ま
た、ウォータージェットを打つ前に、予備交絡用ウォー
タージェットノズル7の低圧の水流により予備交絡を行
うとよい。
【0020】このほか、捲縮発生の方法として単一成分
よりなるポリマーを用い、紡糸時の不均一な冷却やフィ
ラメント群の片面摩擦等によって捲宿を有するフィラメ
ントを使用してもよい。
【0021】こうして製造される長繊維不織布は、繊度
1.5〜10デニール、目付10〜300g/m2であるこ
とが好ましい。
【0022】
【実施例】以下に、本発明による長繊維不織布の実施例
をその製造方法と併せて説明する。
【0023】
【実施例1】融点163℃のポリプロピレン〔MFR=35g/
10分、(ASTM D-1238(L))〕と、同じく融点163℃のポ
リプロピレン〔MFR=15g/10分、(ASTM D-1238(L))〕を偏
芯芯鞘形複合フィラメントとして孔数700ホールのノ
ズル2から各0.4g/分ずつ押し出し、これを100
本ずつのフィラメントに分け高速気流牽引装置3を、移
動捕集面の進行方向と直角方向に7個並べ、移動捕集面
5上に分散させた。
【0024】得られたフィラメント1の繊度は3.1デ
ニール、捲縮数は32個/25mmであった。ここで、融
点はDSC(パーキンエルマー製DSC7型)の昇温速度
20℃/分での溶融ピーク温度の値としている。
【0025】こうして得られた捲縮スパンボンドウェブ
6をウォータージェット法により交絡し長繊維不織布を
得た。ウォータージェットの条件としては、ウォーター
ジェット用ノズルとして孔径0.15mm、L/D=2の
ノズルを1mmピッチで600個並べたものを使用した。
水圧50kg/cm2にて2段の予備交絡を行ったあと、水
圧100kg/cm2にて裏表各1段ウォータージェットを
行い、ベルト速度10m/分にて目付け80g/m2の長
繊維不織布を得た。尚ベルトは100メッシュのものを
使用した。得られた長繊維不織布の物性を表1に示す。
【0026】
【実施例2、3】実施例1と同様の方法で、水圧100
kg/cm2のウォータージェット段数を各2、及び3段と
し長繊維不織布を得た。得られた長繊維不織布の物性を
表1に示す。
【0027】
【比較例】実施例1と同様の方法で、樹脂を両者とも融
点163℃のポリプロピレン〔MFR=35g/10分、(ASTM D-
1238(L))〕に替え、捲宿の発現していない繊度3.0デ
ニールのフィラメントからなる未交絡ウェブを得、実施
例3と同条件にてウォータージェットを行い、長繊維不
織布を得た。得られた長繊維不織布の物性を表1に示
す。
【0028】表1における表面の毛羽立ちの評価基準は
次の通りである。 ○ : 毛羽立ちはほとんど発生していない。 △ : やや毛羽立ちが発生している。 × : かなりの毛羽立ちが発生している。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果から、捲宿したフィラメントを
用いることで毛羽立ちの抑えられた不織布が得られるこ
とが明かである。
【0031】
【発明の効果】本発明の不織布は、フィラメントの細デ
ニール化と捲宿により、ウォータージェットによる交絡
効率が良く、表面の毛羽立ちが抑えられた長繊維不織布
が得られる。また、フィラメントが連続糸であるので裂
けにくい。
【0032】さらに、本発明の不織布の製造には、特殊
な紡糸口金やエネルギーの高いウォータージェットを必
要としないので、生産性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長繊維不織布の製造方法の一例を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 長繊維 2 並進形ノズル 3 高速気流牽引装置 4 分散板 5 移動補集面 6 ウェブ 7 予備交絡用ウォータージェットノズル 8 ウォータージェットノズル
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 3/10 B 7199−3B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸ノズルから紡糸された連続した複数
    のフィラメントを移動捕集面に集積して得られるウェブ
    のフィラメント同士を高圧水流で交絡させた不織布にお
    いて、 フィラメントの捲縮数が10〜50個/25mmであるこ
    とを特徴とする長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記フィラメントの
    繊度が1.5〜10デニールである長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 異なる成分の溶融ポリマー、あるいは重
    合度又は添加剤の異なる同一成分ポリマーを、並進形ノ
    ズルからから並進状態で吐出して、並進複合型又は偏芯
    芯鞘形複合フィラメントを紡糸し、このフィラメントを
    高速気流に載せて引き取り、移動補集面に集積させてウ
    ェブを形成し、このウェブにウォータージェットを打
    ち、フィラメント同士を交絡させることを特徴とする不
    織布の製造方法。
JP4088850A 1992-04-09 1992-04-09 長繊維不織布及びその製造方法 Pending JPH05287660A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011521119A (ja) * 2008-05-29 2011-07-21 ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリーク フィラメントから成る紡糸フリースを製造するための方法および装置
WO2021046088A1 (en) * 2019-09-03 2021-03-11 Berry Global, Inc. Hydroentangled nonwoven fabrics including crimped continuous fibers

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JP2011521119A (ja) * 2008-05-29 2011-07-21 ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリーク フィラメントから成る紡糸フリースを製造するための方法および装置
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