JPH05287567A - 車体鋼板の合せ部における防錆構造 - Google Patents

車体鋼板の合せ部における防錆構造

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JPH05287567A
JPH05287567A JP4095624A JP9562492A JPH05287567A JP H05287567 A JPH05287567 A JP H05287567A JP 4095624 A JP4095624 A JP 4095624A JP 9562492 A JP9562492 A JP 9562492A JP H05287567 A JPH05287567 A JP H05287567A
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rust preventive
sheet
steel
steel plates
iron
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Tatsuro Yoshida
達郎 吉田
Yasuo Asai
保雄 浅井
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】犠牲腐食時の腐食電流を制御することにより塗
膜の密着性の低下を抑止する。 【構成】亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどか
ら構成される金属粉末群から選択された2種以上の金属
粉末を合成樹脂6に混入して電気抵抗値を20〜100
MΩとし、この合成樹脂6を2枚の鋼板1,2の接合面
間に塗布することにより防錆層を形成する。鉄よりイオ
ン化傾向が大きい金属からなるシート7,9の両面に、
亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどから構成さ
れる金属粉末群から選択された2種以上の金属粉末を混
入した合成樹脂8を塗布するか、あるいは、リン酸亜鉛
皮膜10若しくは樹脂クロメート皮膜を形成して電気抵
抗値が20〜100MΩの防錆シートを形成し、この防
錆シートを2枚の鋼板1,2の接合面間に挟持せしめる
ことにより防錆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2枚の鋼板を面当接さ
せて接合した車体鋼板の合せ部を腐食から保護するため
の防錆構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体はプレス成形された複数の
パネルをスポット溶接等により接合して組み立てた後、
塗装工程に搬送される。塗装工程の電着工程において
は、車体を電着槽内に全没させて袋構造部を含む車体全
体にわたって電着塗膜を形成するが、パネルを面当接さ
せてスポット溶接等により接合した、いわゆる「鋼板の
合せ部」に短時間の処理で化成皮膜や電着塗膜を形成す
ることは甚だ困難である。特にスポット溶接点の近傍の
合せ部に電着塗膜を形成することはできない。
【0003】そこで、従来より車体鋼板の合せ部を腐食
から保護するために両面あるいは片面に亜鉛メッキ層を
形成した、いわゆる防錆鋼板が採用されている。しかし
ながら、防錆鋼板はコスト高であるばかりでなく、表面
粗度が大きく、しかも表面の凹凸が不規則であることか
ら、上塗りの鮮映性に悪影響を及ぼすという問題があっ
た。また、路面凍結防止剤を散布する地域や海岸地域な
どのように腐食環境の厳しい地域、あるいは水分が侵入
しやすく除去し難い鋼板の合せ部においては、防錆鋼板
を使用しても今だ十分ではなかった。
【0004】かかる実情に鑑みて鋼板合せ部の防錆力を
さらに改善するために、図4に示すように、厚さがmm
オーダの板状のアルミニウムや亜鉛等3を鋼板1,2の
合せ部に挟んで溶接した防錆構造も提案されている(例
えば、特開昭58−153,787号公報参照)。図中
「4」は板状のアルミニウム3を挟んだ状態で鋼板1,
2を接合するためのスポット溶接用電極チップ、「5」
はスポット溶接後に形成される電着塗膜である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム、亜鉛と鉄とは標準電極電位差が大きいため、腐
食電流が過剰に供給されて、鋼板合せ部でアルカリを生
成してリン酸亜鉛皮膜を溶解するという問題があった。
すなわち、アルミニウムや亜鉛を犠牲腐食させることに
より、 Zn→Zn2++2e- というアノード反応が生じる一方で、この反応で生じた
電子(2e- )と空気中の酸素と腐食環境中の水とがカ
ソード反応して、 O2 +2H2 O+4e- →4OH- となる。この水酸基OH- がリン酸亜鉛皮膜Zn3 (P
4 2 と反応して、 6OH- +Zn3 (PO4 2 →3Zn(OH)2 +2PO4 3- となり、リン酸亜鉛皮膜が溶解して、その結果、電着塗
膜との密着性が低下することになる。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、犠牲腐食時の腐食電流を制
御することにより塗膜の密着性の低下を抑止することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、接合すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層
を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造におい
て、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどから構
成される金属粉末群から選択された2種以上の金属粉末
を合成樹脂に混入して電気抵抗値を20〜100MΩと
し、この合成樹脂を前記2枚の鋼板の接合面間に塗布す
ることにより前記防錆層を形成したことを特徴とする車
体鋼板の合せ部における防錆構造である。
【0008】また、上記目的は、接合すべき2枚の鋼板
の接合面間に防錆層を形成した車体鋼板の合せ部におけ
る防錆構造において、鉄よりイオン化傾向が大きい金属
からなるシートの両面に、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、ア
ルミニウムなどから構成される金属粉末群から選択され
た2種以上の金属粉末を混入した合成樹脂を塗布して電
気抵抗値が20〜100MΩの防錆シートを形成し、こ
の防錆シートを前記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめ
ることにより前記防錆層を形成したことを特徴とする車
体鋼板の合せ部における防錆構造によっても達成するこ
とができる。
【0009】さらに、接合すべき2枚の鋼板の接合面間
に防錆層を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造
において、鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシ
ートの両面に、リン酸亜鉛皮膜を形成して電気抵抗値が
20〜100MΩの防錆シートを構成し、この防錆シー
トを前記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめることによ
り前記防錆層を形成したことを特徴とする車体鋼板の合
せ部における防錆構造によっても上記目的を達成するこ
とができる。
【0010】また、上記目的は、接合すべき2枚の鋼板
の接合面間に防錆層を形成した車体鋼板の合せ部におけ
る防錆構造において、鉄よりイオン化傾向が大きい金属
からなるシートの両面に、樹脂クロメート皮膜を形成し
て電気抵抗値が20〜100MΩの防錆シートを構成
し、この防錆シートを前記2枚の鋼板の接合面間に挟持
せしめることにより前記防錆層を形成したことを特徴と
する車体鋼板の合せ部における防錆構造によっても達成
することができる。
【0011】
【作用】このように構成した本発明にあっては、鋼板の
接合面間に形成する防錆層を、(1)亜鉛、鉄、ニッケ
ル、鉛、アルミニウムなどから構成される金属粉末群か
ら選択された2種以上の金属粉末を合成樹脂に混入し、
この合成樹脂を前記2枚の鋼板の接合面間に塗布する、
(2)鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシート
の両面に、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなど
から構成される金属粉末群から選択された2種以上の金
属粉末を混入した合成樹脂を塗布し、この防錆シートを
前記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめる、(3)鉄よ
りイオン化傾向が大きい金属からなるシートの両面にリ
ン酸亜鉛皮膜を形成し、この防錆シートを前記2枚の鋼
板の接合面間に挟持せしめる、あるいは、(4)鉄より
イオン化傾向が大きい金属からなるシートの両面に樹脂
クロメート皮膜を形成し、この防錆シートを前記2枚の
鋼板の接合面間に挟持せしめることにより形成し、何れ
の防錆層も電気抵抗値が20〜100MΩとしたため、
防錆層が犠牲腐食するときの腐食電流を抑制することが
でき、リン酸亜鉛皮膜が過剰な腐食電流により溶解する
ことを防止できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例に係る鋼板合せ部の防
錆構造を示す断面図である。
【0013】本実施例に係る防錆構造は、図1に示すよ
うに、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどから
構成される金属粉末群から選択された2種以上の金属粉
末を合成樹脂6に混入して電気抵抗値を20〜100M
Ωとし、この合成樹脂6を前記2枚の鋼板1,2の接合
面間に塗布することにより防錆層を形成している。合成
樹脂6はエポキシ系樹脂、ポリウレタ系樹脂、スチレン
系樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができ、例え
ば、エポキシ系樹脂ではケミチレンシリーズ(三洋化成
(株)社製)、ポリウレタン系樹脂ではエラストロンシ
リーズ(第一工業(株)社製)、またスチレン系樹脂で
はラックスターシリーズ(昭和高分子(株)社製)など
を用いることが好ましい。かかる合成樹脂6に金属粉を
混入したものの電気抵抗値が100MΩより大きいと防
錆層に犠牲腐食が発生せず、鋼板1,2が腐食すること
になって好ましくない。また、電気抵抗値が20MΩよ
り小さいと犠牲腐食は生じるものの、腐食電流が過剰に
流れてリン酸亜鉛皮膜を溶解し、その結果、鋼板と電着
塗膜との密着性が低下するので好ましくない。また、金
属粉を混入した合成樹脂6を鋼板1,2の接合面間に塗
布する方法は、特に限定されることなく種々の塗布方法
により行うことができる。このようにして鋼板1,2間
に合成樹脂6を塗布した後に、接合面をスポット溶接し
(図1にスポット溶接用の溶接チップ4,4を示す)、
2枚の鋼板1,2を溶接接合する。
【0014】本発明は上述した実施例のみに限定される
ことなく種々に改変することができる。例えば、図2お
よび図3は本発明の他の実施例を示す断面図である。
【0015】図2に示す実施例では、鉄よりイオン化傾
向が大きい金属からなるシート7の両面に、亜鉛、鉄、
ニッケル、鉛、アルミニウムなどから構成される金属粉
末群から選択された2種以上の金属粉末を混入した合成
樹脂8を塗布して電気抵抗値が20〜100MΩの防錆
シートを形成し、この防錆シートを2枚の鋼板1,2の
接合面間に挟持せしめることにより防錆層を構成してい
る。
【0016】また、図3に示す実施例では、鉄よりイオ
ン化傾向が大きい金属からなるシート9の両面に、リン
酸亜鉛皮膜10を形成するか、あるいは樹脂クロメート
およびクロメート処理10を施して電気抵抗値が20〜
100MΩの防錆シートを構成し、この防錆シートを2
枚の鋼板1,2の接合面間に挟持せしめることにより防
錆層を構成している。
【0017】なお、本発明の鋼板合せ部における防錆構
造は、以下のような部位に適用することができる。例え
ば、サンルーフとルーフリーンフォース、フロントフェ
ンダのドリップ部とフードリッジ、フロントピラーアッ
パとロア、ドアインナとウェザストリップリテーナ、シ
ルとピラー、ピラーとピラーリーンフォース、フロント
フェンダとラジコアサポートアッパ、フードインナとフ
ードヒンジリーンフォース、フードインナとフードスト
ライカリーンフォース、フードアウタとフードインナ、
ドアインナとドアロックリーンフォース、リヤフェンダ
とホイールハウスインナ、フロントフロアとリヤフロ
ア、リヤフロアとリヤフロアリヤ、リヤフロアリヤとフ
ロアサイド、リヤフェンダとフロアサイド、リヤフェン
ダとリヤウェスト、リヤフロアリヤとリヤパネル、リヤ
フェンダとリヤパネルなどを例示することができる。
【0018】このように構成した本実施例の防錆構造に
よれば、防錆層が犠牲腐食するときの腐食電流を抑制す
ることができ、リン酸亜鉛皮膜が過剰な腐食電流により
溶解することを防止できる。
【0019】次に、本発明をさらに具体化した実施例に
て説明する。なお、以下の実施例は本発明を具体化した
一例であって本発明の技術的範囲を限定する性格のもの
ではない。
【0020】実施例1 図5および図6に示すように、板厚0.8mm、大きさ
が70mm×150mmの冷間圧延鋼板20に対し、同
じく板厚0.8mm、幅50mmの冷間圧延鋼板21を
スポット代が60mmとなるように30°で折り曲げ、
両鋼板20,21の間にケミチレンシリーズ(三洋化成
(株)社製、商品名)のエポキシ樹脂60体積%に亜鉛
金属粉を20体積%、ニッケル金属粉を20体積%混入
したもの24を塗布して挟み、この状態で図示するよう
に2箇所22でスポット溶接を行った。このとき、防錆
層を構成する金属粉を混入した樹脂24の電気抵抗値を
(株)山崎機械社製のCSQメータにて測定した。この
テストピースを塗装工程の脱脂工程、化成処理工程、電
着塗装工程および乾燥工程に搬送し、鋼板表面に電着塗
膜を形成した。さらに、両鋼板20,21の合わせ部の
うち図示する3辺を塩化ビニル樹脂系のシーリング材2
3にてシールし、塩水噴霧試験を行う場合に両鋼板の合
わせ部には辺Aからのみ水が侵入するようにした。
【0021】このようにして得られたテストピースに塩
水を4時間噴霧し、これを2時間乾燥させ、その後、2
時間の湿潤を行った。この腐食サイクルを200サイク
ル行い、腐食による両鋼板の板厚減少状況を観察した。
また、塗膜剥離はごばんの目剥離試験法により行った。
これらの評価結果を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1の亜鉛金属粉を25体積%、ニッケル金属粉を
25体積%、ケミチレンシリーズのエポキシ樹脂を50
体積%とした以外は、実施例1と同様にしてテストピー
スを作製し、評価した。この結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1のエポキシ樹脂65体積%に混入する金属粉を
鉄粉15体積%と鉛粉20体積%とした以外は、実施例
1と同様にしてテストピースを作製し、評価した。この
結果を表1に示す。
【0024】実施例4 実施例3の鉄粉を20体積%、鉛粉を25体積%、エポ
キシ樹脂を55体積%とした以外は、実施例3と同様に
してテストピースを作製し、評価した。この結果を表1
に示す。
【0025】比較例1 実施例1のエポキシ樹脂70体積%に混入する亜鉛金属
粉を15体積%、ニッケル金属粉を15体積%とした以
外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評
価した。この結果を表1に示す。
【0026】比較例2 実施例1のエポキシ樹脂40体積%に混入する亜鉛金属
粉を30体積%、ニッケル金属粉を30体積%とした以
外は、実施例1と同様にしてテストピースを作製し、評
価した。この結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】この結果からも明らかなように、鋼板間に
形成する防錆層の電気抵抗値が100MΩより大きくな
ると犠牲腐食が行われず鋼板の耐食性に問題がある。一
方、電気抵抗値が20MΩより小さくなると犠牲腐食は
行われるものの、腐食電流が過剰に流れてリン酸亜鉛皮
膜が溶解し、電着塗膜の剥離が生じる結果となる。
【0029】つぎに、実施例5〜10および比較例3〜
6について説明する。
【0030】実施例5 実施例1と同様に、図5および図6に示す板厚0.8m
m、大きさが70mm×150mmの冷間圧延鋼板20
に対し、同じく板厚0.8mm、幅50mmの冷間圧延
鋼板21をスポット代が60mmとなるように30°で
折り曲げ、板厚が100μmの亜鉛箔の両面にリン酸亜
鉛皮膜を形成し、これを両鋼板間に挟んだ状態で図示す
るように2箇所22でスポット溶接を行った。このと
き、防錆層を構成するリン酸亜鉛皮膜を形成した金属箔
24の電気抵抗値を(株)山崎機械社製のCSQメータ
にて測定した。このテストピースを塗装工程の脱脂工
程、化成処理工程、電着塗装工程および乾燥工程に搬送
し、鋼板表面に電着塗膜を形成した。さらに、両鋼板の
合わせ部のうち図示する3辺を塩化ビニル樹脂系のシー
リング材23にてシールし、塩水噴霧試験を行う場合に
両鋼板の合わせ部には辺Aからのみ水が侵入するように
した。
【0031】このようにして得られたテストピースに塩
水を4時間噴霧し、これを2時間乾燥させ、その後、2
時間の湿潤を行った。この腐食サイクルを200サイク
ル行い、腐食による両鋼板の板厚減少状況を観察した。
また、塗膜剥離はごばんの目剥離試験法により行った。
これらの評価結果を表2に示す。
【0032】実施例6 実施例5の亜鉛箔の板厚を20μmとした以外は実施例
5と同様にしてテストピースを作製し、評価した。この
結果を表2に示す。
【0033】実施例7 実施例5の金属箔を板厚が100μmのアルミ箔にした
以外は実施例5と同様にしてテストピースを作製し、評
価した。この結果を表2に示す。
【0034】実施例8 実施例7のアルミ箔の板厚を20μmとした以外は実施
例7と同様にしてテストピースを作製し、評価した。こ
の結果を表2に示す。
【0035】実施例9 実施例5のリン酸亜鉛皮膜の変わりに、板厚が100μ
mの亜鉛箔の両面に樹脂クロメート処理を施した以外は
実施例5と同様にしてテストピースを作製し、評価し
た。この結果を表2に示す。
【0036】実施例10 実施例9の亜鉛箔を板厚が100μmのアルミ箔とした
以外は実施例9と同様にしてテストピースを作製し、評
価した。この結果を表2に示す。
【0037】比較例3 リン酸亜鉛皮膜を形成していない板厚が100μmの亜
鉛箔を用いた以外は実施例5と同様にしてテストピース
を作製し評価した。この結果を表2に示す。
【0038】比較例4 実施例5と同様にして板厚が100μmの亜鉛箔にリン
酸亜鉛皮膜を形成するが、電気抵抗値が15MΩとなる
ような膜厚でリン酸亜鉛皮膜を形成した。これ以外は実
施例5と同様にしてテストピースを作製し評価した。こ
の結果を表2に示す。
【0039】比較例5 実施例7と同様にして板厚が100μmのアルミ箔にリ
ン酸亜鉛皮膜を形成するが、電気抵抗値が120MΩと
なるような膜厚でリン酸亜鉛皮膜を形成した。これ以外
は実施例7と同様にしてテストピースを作製し評価し
た。この結果を表2に示す。
【0040】比較例6 実施例10と同様にして板厚が100μmのアルミ箔に
樹脂クロメート処理を施すが、電気抵抗値が120MΩ
となるような膜厚で樹脂クロメート処理を施した。これ
以外は実施例10と同様にしてテストピースを作製し評
価した。この結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、接合
すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層を形成した車体鋼
板の合せ部における防錆構造において、電気抵抗値が2
0〜100MΩである防錆層を前記2枚の鋼板の接合面
間に形成したので、防錆層が犠牲腐食するときの腐食電
流を抑制することができ、リン酸亜鉛皮膜が過剰な腐食
電流により溶解することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る車体鋼板合せ
部における防錆構造を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施例に係る車体鋼板合
せ部における防錆構造を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のさらに他の実施例に係る車体
鋼板合せ部における防錆構造を示す断面図である。
【図4】図4は、従来の車体鋼板合せ部における防錆構
造を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の具体的実施例に係るテストピー
スを示す平面図である。
【図6】図6は図5のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1,2…鋼板、 6…金属粉末を混入した合成樹脂、 7…鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシート、 8…金属粉末を混入した合成樹脂、 9…鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシート、 10…リン酸亜鉛皮膜または樹脂クロメート皮膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接合すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層
    を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造におい
    て、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどから構
    成される金属粉末群から選択された2種以上の金属粉末
    を合成樹脂に混入して電気抵抗値を20〜100MΩと
    し、この合成樹脂を前記2枚の鋼板の接合面間に塗布す
    ることにより前記防錆層を形成したことを特徴とする車
    体鋼板の合せ部における防錆構造。
  2. 【請求項2】接合すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層
    を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造におい
    て、鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシートの
    両面に、亜鉛、鉄、ニッケル、鉛、アルミニウムなどか
    ら構成される金属粉末群から選択された2種以上の金属
    粉末を混入した合成樹脂を塗布して電気抵抗値が20〜
    100MΩの防錆シートを形成し、この防錆シートを前
    記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめることにより前記
    防錆層を形成したことを特徴とする車体鋼板の合せ部に
    おける防錆構造。
  3. 【請求項3】接合すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層
    を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造におい
    て、鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシートの
    両面に、リン酸亜鉛皮膜を形成して電気抵抗値が20〜
    100MΩの防錆シートを構成し、この防錆シートを前
    記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめることにより前記
    防錆層を形成したことを特徴とする車体鋼板の合せ部に
    おける防錆構造。
  4. 【請求項4】接合すべき2枚の鋼板の接合面間に防錆層
    を形成した車体鋼板の合せ部における防錆構造におい
    て、鉄よりイオン化傾向が大きい金属からなるシートの
    両面に、樹脂クロメート皮膜を形成して電気抵抗値が2
    0〜100MΩの防錆シートを構成し、この防錆シート
    を前記2枚の鋼板の接合面間に挟持せしめることにより
    前記防錆層を形成したことを特徴とする車体鋼板の合せ
    部における防錆構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085937A (ja) * 2007-09-14 2009-04-23 Jfe Steel Kk 表面処理鋼板の耐食性評価方法
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