JPH05287421A - 耐酸化性の優れたTiAl基合金 - Google Patents
耐酸化性の優れたTiAl基合金Info
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- JPH05287421A JPH05287421A JP8250492A JP8250492A JPH05287421A JP H05287421 A JPH05287421 A JP H05287421A JP 8250492 A JP8250492 A JP 8250492A JP 8250492 A JP8250492 A JP 8250492A JP H05287421 A JPH05287421 A JP H05287421A
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- Japan
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- based alloy
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、航空機用タービンエンジン、発電
用ガスタービン、自動車用エンジン、高速回転体などの
高温耐熱強度材に用いるのに適した強度を有し、常温延
性および耐酸化性の向上を図ったTiAl基合金を提供
するものである。 【構成】 Ti:40〜52原子%、Al:60〜48
原子%からなり、Mn、Cr、Vの元素のうち少なくと
も1種の元素を0.1〜3原子%含有し、P、As、S
b(Vb族)、Se、Te(VIb族)のうち少なくと
も1種のイオンが注入された優れた高温耐酸化性を有す
るTiAl基合金。
用ガスタービン、自動車用エンジン、高速回転体などの
高温耐熱強度材に用いるのに適した強度を有し、常温延
性および耐酸化性の向上を図ったTiAl基合金を提供
するものである。 【構成】 Ti:40〜52原子%、Al:60〜48
原子%からなり、Mn、Cr、Vの元素のうち少なくと
も1種の元素を0.1〜3原子%含有し、P、As、S
b(Vb族)、Se、Te(VIb族)のうち少なくと
も1種のイオンが注入された優れた高温耐酸化性を有す
るTiAl基合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機用タービンエンジ
ン、発電用ガスタービン、自動車用エンジン、高速回転
体などの高温耐熱強度材に用いるのに適した強度を有
し、常温延性および耐酸化性の向上を図ったTiAl基
合金に関するものである。
ン、発電用ガスタービン、自動車用エンジン、高速回転
体などの高温耐熱強度材に用いるのに適した強度を有
し、常温延性および耐酸化性の向上を図ったTiAl基
合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TiAl基合金は、現在使用されている
代表的な高温耐熱強度材であるNi基合金よりも、高い
高温比強度を持ち、しかも耐食性に優れ、軽量の材料で
ある。Metallurgical Transact
ion、Vol.6A(1975)p.1991には、
Ti:50原子%、Al:50原子%のTiAl基合金
において、800℃にて40kg/mm2 の高温比強度
が得られたことが報告されている。そこで、これらの特
性を利用して、TiAl基合金はガスタービン部品、自
動車用エンジンのバルブ、ピストンへの適用、高温用ダ
イスや軸受け部品などへの適用が好適と考えられてき
た。
代表的な高温耐熱強度材であるNi基合金よりも、高い
高温比強度を持ち、しかも耐食性に優れ、軽量の材料で
ある。Metallurgical Transact
ion、Vol.6A(1975)p.1991には、
Ti:50原子%、Al:50原子%のTiAl基合金
において、800℃にて40kg/mm2 の高温比強度
が得られたことが報告されている。そこで、これらの特
性を利用して、TiAl基合金はガスタービン部品、自
動車用エンジンのバルブ、ピストンへの適用、高温用ダ
イスや軸受け部品などへの適用が好適と考えられてき
た。
【0003】Ti:40〜52原子%、Al:60〜4
8原子%の組成範囲でのTiAl基合金は熱平衡状態に
おいて、L10 型構造(基本的には面心正方構造である
が〔001〕方向にTiの層、Alの層が交互に並ぶ構
造)のTiAl金属間化合物を形成する。このため、単
結晶状態では温度の上昇と共に強度が増加する異常強化
現象が発見され、多結晶状態でも高温で強度が低下しな
いことが知られている。
8原子%の組成範囲でのTiAl基合金は熱平衡状態に
おいて、L10 型構造(基本的には面心正方構造である
が〔001〕方向にTiの層、Alの層が交互に並ぶ構
造)のTiAl金属間化合物を形成する。このため、単
結晶状態では温度の上昇と共に強度が増加する異常強化
現象が発見され、多結晶状態でも高温で強度が低下しな
いことが知られている。
【0004】このようにTiAl基合金は高温強度の優
れた材料であるものの、1)本材料を加工する際に重要
である室温における延性が乏しいことや、2)800℃
以上の高温では、現在使用されている耐熱材料のNi基
合金(例えばInconel713C)に比較して、耐
酸化性ははるかに劣った状態といわざるをえない。そこ
で、このTiAl基合金にCr、Mn、Vなどの第三元
素を添加し、室温における延性改善が図られている。と
ころが、これらの元素を添加することにより、無添加材
のTiAl基合金に比較して高温での耐酸化性が著しく
劣化することが指摘されている(日本金属学会誌、54
(1990)948)。
れた材料であるものの、1)本材料を加工する際に重要
である室温における延性が乏しいことや、2)800℃
以上の高温では、現在使用されている耐熱材料のNi基
合金(例えばInconel713C)に比較して、耐
酸化性ははるかに劣った状態といわざるをえない。そこ
で、このTiAl基合金にCr、Mn、Vなどの第三元
素を添加し、室温における延性改善が図られている。と
ころが、これらの元素を添加することにより、無添加材
のTiAl基合金に比較して高温での耐酸化性が著しく
劣化することが指摘されている(日本金属学会誌、54
(1990)948)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TiAl基合金は、軽
量で耐熱温度が高く、耐食性にも優れているため、高温
で使用するタービンブレード等に好適である。しかし、
常温での延性が小さい(圧縮率0.4%)ので、圧延な
どによる加工および成形が困難であり、実用化が阻まれ
ていた。また、前記のTiAlにCr、Mn等を添加し
た合金は常温延性が改善されるものの1073K異常の
高温における耐酸化性が劣り、実用化に供することが困
難であった。
量で耐熱温度が高く、耐食性にも優れているため、高温
で使用するタービンブレード等に好適である。しかし、
常温での延性が小さい(圧縮率0.4%)ので、圧延な
どによる加工および成形が困難であり、実用化が阻まれ
ていた。また、前記のTiAlにCr、Mn等を添加し
た合金は常温延性が改善されるものの1073K異常の
高温における耐酸化性が劣り、実用化に供することが困
難であった。
【0006】本発明はこれらの問題点を克服した高温耐
熱強度材であるTiAl基合金を提供することを目的と
する。
熱強度材であるTiAl基合金を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は上記
の問題点を解決するために、まず、TiAl基合金に対
しCr、Mn、Vの元素の少なくとも1種を添加して室
温における延性の向上を図り、さらにP、As、Sb
(Vb族)、Se、Te(VIb族)の元素のうち少な
くとも1種のイオンを注入することにより表面改質を行
い、高温における耐酸化性を改善し、かつ高温強度を高
めたものである。
の問題点を解決するために、まず、TiAl基合金に対
しCr、Mn、Vの元素の少なくとも1種を添加して室
温における延性の向上を図り、さらにP、As、Sb
(Vb族)、Se、Te(VIb族)の元素のうち少な
くとも1種のイオンを注入することにより表面改質を行
い、高温における耐酸化性を改善し、かつ高温強度を高
めたものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
Ti:40〜52原子%、Al:60〜48原子%から
なり、Mn、Cr、Vの元素のうち少なくとも1種の元
素を0.1〜3原子%含有し、P、As、Sb(Vb
族)、Se、Te(VIb族)のうち少なくとも1種の
イオンが注入されて表面改質されたことを特徴とする耐
酸化性の優れたTiAl基合金にある。
Ti:40〜52原子%、Al:60〜48原子%から
なり、Mn、Cr、Vの元素のうち少なくとも1種の元
素を0.1〜3原子%含有し、P、As、Sb(Vb
族)、Se、Te(VIb族)のうち少なくとも1種の
イオンが注入されて表面改質されたことを特徴とする耐
酸化性の優れたTiAl基合金にある。
【0009】なお、溶製する段階でVb、VIb族元素
を直接TiAl基合金中に添加する方法と比較して、イ
オン注入法を用いることにより、簡便かつ安全に耐酸化
性に富むTiAl基合金を製造することが可能である。
本発明について詳細に説明する。本発明の構成成分とし
て、Ti量を40〜52原子%の範囲としたのは、Ti
Al金属間化合物の単一相もしくは一部Ti3 Alを第
二相として含む組成域とするためである。これ以外の組
成では他の第二相の混在があるため好ましくない。即
ち、Ti量が40原子%未満では第二相としてAl2 T
iもしくはAl3 Tiが混在し、これらの化合物は脆性
であるため好ましくない。また、Ti量が52原子%を
越えると第二相としてのTi3 Alの量が増大する。T
i3 Alは高温強度がTiAlよりも低く、かつ低延性
のTi3 Alの割合が高いことは延性向上の点から好ま
しくない。
を直接TiAl基合金中に添加する方法と比較して、イ
オン注入法を用いることにより、簡便かつ安全に耐酸化
性に富むTiAl基合金を製造することが可能である。
本発明について詳細に説明する。本発明の構成成分とし
て、Ti量を40〜52原子%の範囲としたのは、Ti
Al金属間化合物の単一相もしくは一部Ti3 Alを第
二相として含む組成域とするためである。これ以外の組
成では他の第二相の混在があるため好ましくない。即
ち、Ti量が40原子%未満では第二相としてAl2 T
iもしくはAl3 Tiが混在し、これらの化合物は脆性
であるため好ましくない。また、Ti量が52原子%を
越えると第二相としてのTi3 Alの量が増大する。T
i3 Alは高温強度がTiAlよりも低く、かつ低延性
のTi3 Alの割合が高いことは延性向上の点から好ま
しくない。
【0010】また、Cr、Mn、Vの元素の少なくとも
1種を0.1〜3原子%添加するのは、常温延性をさら
に改善するためで、その添加量が0.1原子%未満では
その効果がなく、3原子%を越えるとTi3 AlMn2
などの化合物が生成し、延性を再び劣化させるので0.
1〜3原子%の範囲であることが必要である。本発明で
はさらにP、As、Sb、SeおよびTeのイオンを注
入し表面改質を行い、これによりTiの酸化物の成長を
抑制し、高温における耐酸化性を向上させるのである。
1種を0.1〜3原子%添加するのは、常温延性をさら
に改善するためで、その添加量が0.1原子%未満では
その効果がなく、3原子%を越えるとTi3 AlMn2
などの化合物が生成し、延性を再び劣化させるので0.
1〜3原子%の範囲であることが必要である。本発明で
はさらにP、As、Sb、SeおよびTeのイオンを注
入し表面改質を行い、これによりTiの酸化物の成長を
抑制し、高温における耐酸化性を向上させるのである。
【0011】図1に純Ti:50原子%、純Al:50
原子%に1.1原子%Crおよび1.4原子%Mnを添
加したTiAl基合金と、さらにP、SeおよびTeの
それぞれのイオンを注入することにより表面改質を行っ
たCr(Mn)含有TiAlの酸化時間(900℃にお
ける保持時間)と酸化増量の関係を示す。表面改質を施
さなかったTiAl基合金(図中○印)やCr含有Ti
Al基合金(図中□印)の酸化増量に対し、本発明のP
(図中△印)、Se(図中▲印)およびTe(図中■
印)の各イオンを注入したCr(Mn)含有TiAl基
合金は酸化による増量が少なく、著しく耐酸化性が向上
していることがわかる。
原子%に1.1原子%Crおよび1.4原子%Mnを添
加したTiAl基合金と、さらにP、SeおよびTeの
それぞれのイオンを注入することにより表面改質を行っ
たCr(Mn)含有TiAlの酸化時間(900℃にお
ける保持時間)と酸化増量の関係を示す。表面改質を施
さなかったTiAl基合金(図中○印)やCr含有Ti
Al基合金(図中□印)の酸化増量に対し、本発明のP
(図中△印)、Se(図中▲印)およびTe(図中■
印)の各イオンを注入したCr(Mn)含有TiAl基
合金は酸化による増量が少なく、著しく耐酸化性が向上
していることがわかる。
【0012】本発明のVb族(P、As、Sb)または
VIb族(Se、Te)のイオン注入により耐酸化性の
改善を行ったTiAl基合金の製造方法は次の通りであ
る。すなわち、Ti:40〜52原子%、Al:60〜
48原子%にCr、Mn、Vの元素の少なくとも1種を
0.1〜3原子%添加したものを、一旦真空(10-6t
orr以上)にし、Arガス雰囲気に置換した環境下
で、融点以上かつ坩堝との反応を避けるため1400〜
1500℃に加熱して溶融、凝固する。as−cast
状態のままでは均一な組織が得られないため、上記と同
様の不活性ガス雰囲気中において規則化焼鈍を行う。こ
れは、L10 型の結晶構造を得るためにはTiとAlを
高温で拡散せねばならないからである。規則化焼鈍の温
度は800℃以上でTiAl金属間化合物の融点以下の
単一相域であれば目的を達することかできるが、900
〜1100℃の温度範囲が必要である。また、加熱時間
は規則化のための原子拡散に時間が必要であるため、高
温では短時間となるが、完全に規則化させるためには2
4時間以上とすることが望ましい。処理後の本発明Ti
Al基合金が規則化していることは、X線ディフラクト
メーターにより、各ピークがTiAl金属間化合物のL
10 型構造に相当することを確認すればよい。
VIb族(Se、Te)のイオン注入により耐酸化性の
改善を行ったTiAl基合金の製造方法は次の通りであ
る。すなわち、Ti:40〜52原子%、Al:60〜
48原子%にCr、Mn、Vの元素の少なくとも1種を
0.1〜3原子%添加したものを、一旦真空(10-6t
orr以上)にし、Arガス雰囲気に置換した環境下
で、融点以上かつ坩堝との反応を避けるため1400〜
1500℃に加熱して溶融、凝固する。as−cast
状態のままでは均一な組織が得られないため、上記と同
様の不活性ガス雰囲気中において規則化焼鈍を行う。こ
れは、L10 型の結晶構造を得るためにはTiとAlを
高温で拡散せねばならないからである。規則化焼鈍の温
度は800℃以上でTiAl金属間化合物の融点以下の
単一相域であれば目的を達することかできるが、900
〜1100℃の温度範囲が必要である。また、加熱時間
は規則化のための原子拡散に時間が必要であるため、高
温では短時間となるが、完全に規則化させるためには2
4時間以上とすることが望ましい。処理後の本発明Ti
Al基合金が規則化していることは、X線ディフラクト
メーターにより、各ピークがTiAl金属間化合物のL
10 型構造に相当することを確認すればよい。
【0013】次に、このCr(Mn、V)含有TiAl
基合金に対しイオン注入専用装置を用い、P、As、S
b、SeおよびTeの各イオンを1015〜1017ion
s/cm2 程度注入し、表面改質を行う。こうして得ら
れたVb族(P、As、Sb)およびVIb族(Se、
Te)元素のイオン注入を行ったCr(Mn、V)含有
TiAl基合金は注入を行わなかったTiAl基合金お
よびCr(Mn、V)含有TiAl基合金に比べ高温耐
酸化性に顕著な向上がみられる。
基合金に対しイオン注入専用装置を用い、P、As、S
b、SeおよびTeの各イオンを1015〜1017ion
s/cm2 程度注入し、表面改質を行う。こうして得ら
れたVb族(P、As、Sb)およびVIb族(Se、
Te)元素のイオン注入を行ったCr(Mn、V)含有
TiAl基合金は注入を行わなかったTiAl基合金お
よびCr(Mn、V)含有TiAl基合金に比べ高温耐
酸化性に顕著な向上がみられる。
【0014】次に、本発明のP、As、Sb、Seおよ
びTeのイオン注入による高温耐酸化性向上の理由につ
いて説明する。高温耐酸化性は材料表面にできた酸化皮
膜が酸素の浸透を防ぐことにより向上する。TiAl基
合金の場合には試料表面上にできたTiO2-x の酸素イ
オン空孔を通して酸素イオンが拡散することにより酸化
が進行すると考えられる。よって、耐酸化性を向上させ
るためには酸素イオン空孔の濃度を低減し、酸素イオン
の内方拡散の速度を制御する必要がある。
びTeのイオン注入による高温耐酸化性向上の理由につ
いて説明する。高温耐酸化性は材料表面にできた酸化皮
膜が酸素の浸透を防ぐことにより向上する。TiAl基
合金の場合には試料表面上にできたTiO2-x の酸素イ
オン空孔を通して酸素イオンが拡散することにより酸化
が進行すると考えられる。よって、耐酸化性を向上させ
るためには酸素イオン空孔の濃度を低減し、酸素イオン
の内方拡散の速度を制御する必要がある。
【0015】本発明の合金で高温耐酸化性が向上する理
由は、イオン注入によって導入されたVb族(P、A
s、Sb)またはVIb族(Se、Te)イオンがTi
の価電子数の4より大きな5価または6価を持つため、
表面に生成されたTiO2-x 層中の酸素イオン空孔の濃
度を減少させ、酸素の内方拡散を制御し、高温酸化雰囲
気でCr(Mn、V)含有TiAl基合金の表面上にで
きる酸化層TiO2-x の成長を低減するためと考えられ
る。
由は、イオン注入によって導入されたVb族(P、A
s、Sb)またはVIb族(Se、Te)イオンがTi
の価電子数の4より大きな5価または6価を持つため、
表面に生成されたTiO2-x 層中の酸素イオン空孔の濃
度を減少させ、酸素の内方拡散を制御し、高温酸化雰囲
気でCr(Mn、V)含有TiAl基合金の表面上にで
きる酸化層TiO2-x の成長を低減するためと考えられ
る。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。純Ti:50原
子%、純Al:50原子%にCr、Mnをそれぞれ1.
1原子%および1.4原子%添加したものを溶解炉用
い、一旦真空(10-6torr以上)にし、Arガス雰
囲気に置換した環境下で溶融、凝固させた後、規則化の
ため、上記と同様の不活性ガス雰囲気中において規則化
焼鈍を1000℃以下で行った。得られたCr(Mn)
含有TiAl基合金が規則化していることはX線ディフ
ラクトメーターにより各ピークがTiAl金属間化合物
のL10 型構造に相当することで確認した。
子%、純Al:50原子%にCr、Mnをそれぞれ1.
1原子%および1.4原子%添加したものを溶解炉用
い、一旦真空(10-6torr以上)にし、Arガス雰
囲気に置換した環境下で溶融、凝固させた後、規則化の
ため、上記と同様の不活性ガス雰囲気中において規則化
焼鈍を1000℃以下で行った。得られたCr(Mn)
含有TiAl基合金が規則化していることはX線ディフ
ラクトメーターにより各ピークがTiAl金属間化合物
のL10 型構造に相当することで確認した。
【0017】その後、このCr(Mn)含有TiAl基
合金に対し、イオン注入装置により50〜150keV
のエネルギーにてVb、VIb族のイオン注入を行っ
た。オージェ電子分光装置などの表面解析機器により、
イオン注入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金の
表面深さの分析を行い、Vb、VIb族のイオンが表面
より約1.0μmの深さまで存在することを確認した。
合金に対し、イオン注入装置により50〜150keV
のエネルギーにてVb、VIb族のイオン注入を行っ
た。オージェ電子分光装置などの表面解析機器により、
イオン注入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金の
表面深さの分析を行い、Vb、VIb族のイオンが表面
より約1.0μmの深さまで存在することを確認した。
【0018】表1はP、SeおよびTeの各イオンの注
入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金の高温酸化
試験の結果、すなわち酸化増量(g/m2 )を示したも
のである。比較例はイオン注入を施さなかったCr(M
n)含有TiAl基合金である。以上の高温酸化試験に
よりイオン注入を行った場合、酸化よる増量が低い値を
示し、耐酸化性の向上が顕著に認められた。
入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金の高温酸化
試験の結果、すなわち酸化増量(g/m2 )を示したも
のである。比較例はイオン注入を施さなかったCr(M
n)含有TiAl基合金である。以上の高温酸化試験に
よりイオン注入を行った場合、酸化よる増量が低い値を
示し、耐酸化性の向上が顕著に認められた。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、常温延性を改善したT
iAl基合金の耐酸化性を大幅に向上することができた
ので、優れた延性と耐酸化性を兼ね備えたTiAl基合
金を提供することができ、その工業的効果は大きい。
iAl基合金の耐酸化性を大幅に向上することができた
ので、優れた延性と耐酸化性を兼ね備えたTiAl基合
金を提供することができ、その工業的効果は大きい。
【図1】本発明材(P、SeおよびTeの各イオンの注
入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金)と比較材
との酸化時間と酸化増量との関係を示す図である。
入を行ったCr(Mn)含有TiAl基合金)と比較材
との酸化時間と酸化増量との関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TiAl基合金は、軽
量で耐熱温度が高く、耐食性にも優れているため、高温
で使用するタービンブレード等に好適である。しかし、
常温での延性が小さい(圧縮率0.4%)ので、圧延な
どによる加工および成形が困難であり、実用化が阻まれ
ていた。また、前記のTiAlにCr、Mn等を添加し
た合金は常温延性が改善されるものの1073K以上の
高温における耐酸化性が劣り、実用化に供することが困
難であった。
量で耐熱温度が高く、耐食性にも優れているため、高温
で使用するタービンブレード等に好適である。しかし、
常温での延性が小さい(圧縮率0.4%)ので、圧延な
どによる加工および成形が困難であり、実用化が阻まれ
ていた。また、前記のTiAlにCr、Mn等を添加し
た合金は常温延性が改善されるものの1073K以上の
高温における耐酸化性が劣り、実用化に供することが困
難であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高村 仁一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 Ti:40〜52原子%、Al:60〜
48原子%からなり、Mn、Cr、Vの元素のうち少な
くとも1種の元素を0.1〜3原子%含有し、P、A
s、Sb(Vb族)、Se、Te(VIb族)のうち少
なくとも1種のイオンが注入されて表面改質されたこと
を特徴とする耐酸化性の優れたTiAl基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8250492A JPH05287421A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 耐酸化性の優れたTiAl基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8250492A JPH05287421A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 耐酸化性の優れたTiAl基合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287421A true JPH05287421A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=13776336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8250492A Withdrawn JPH05287421A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 耐酸化性の優れたTiAl基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287421A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770702A1 (de) * | 1995-10-23 | 1997-05-02 | DECHEMA Deutsche Gesellschaft für Chemisches Apparatewesen, Chemische Technik und Biotechnologie e.V. | Verfahren zur Erhöhung der Korrosionsbeständigkeit von Legierungen auf der Basis TiAl |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP8250492A patent/JPH05287421A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0770702A1 (de) * | 1995-10-23 | 1997-05-02 | DECHEMA Deutsche Gesellschaft für Chemisches Apparatewesen, Chemische Technik und Biotechnologie e.V. | Verfahren zur Erhöhung der Korrosionsbeständigkeit von Legierungen auf der Basis TiAl |
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