JPH05287288A - 粉コークスの脱硫方法 - Google Patents
粉コークスの脱硫方法Info
- Publication number
- JPH05287288A JPH05287288A JP9459192A JP9459192A JPH05287288A JP H05287288 A JPH05287288 A JP H05287288A JP 9459192 A JP9459192 A JP 9459192A JP 9459192 A JP9459192 A JP 9459192A JP H05287288 A JPH05287288 A JP H05287288A
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- JP
- Japan
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- coke
- coke breeze
- acid
- sulfur content
- vessel
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- Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コークス炉によって発生するような粒径20
0μm以下の粉コークス中の硫黄分を、効果的に、且
つ、簡便に、一般家庭使用の燃料のレベルにまで硫黄含
有量を低減する脱硫方法の提供。 【構成】 硫化水素より強酸性の塩酸,硫酸,硝酸,リ
ン酸等の鉱酸を含有する水溶液を、粉コークスに対し、
1:1以上の割合で混合したのち、水洗、乾燥する。
0μm以下の粉コークス中の硫黄分を、効果的に、且
つ、簡便に、一般家庭使用の燃料のレベルにまで硫黄含
有量を低減する脱硫方法の提供。 【構成】 硫化水素より強酸性の塩酸,硫酸,硝酸,リ
ン酸等の鉱酸を含有する水溶液を、粉コークスに対し、
1:1以上の割合で混合したのち、水洗、乾燥する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に燃料用に使用され
る粉コークスからの硫黄分の除去に関する。
る粉コークスからの硫黄分の除去に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料用コークスは、溶鉱炉用,鋳物用,
一般用等、多用な使われ方をされ、その中で溶鉱炉用,
鋳物用は、その製品品質上、JIS K 2151にコ
ークスの品質が規定され、とくに、鋳物用コークスの硫
黄分については、0.6〜0.8%のものが使用されて
いる。
一般用等、多用な使われ方をされ、その中で溶鉱炉用,
鋳物用は、その製品品質上、JIS K 2151にコ
ークスの品質が規定され、とくに、鋳物用コークスの硫
黄分については、0.6〜0.8%のものが使用されて
いる。
【0003】ところが、一般用のコークスのうち、粉コ
ークスは塊状コークスに比べ、硫黄分の含有量が1.5
%と多く、そのまま燃やすとSOX として排ガス中に放
散し、大気汚染の原因となる。
ークスは塊状コークスに比べ、硫黄分の含有量が1.5
%と多く、そのまま燃やすとSOX として排ガス中に放
散し、大気汚染の原因となる。
【0004】従来、この低硫黄コークスを製造するに当
たり、原料石炭の脱硫処理のために、例えば「鉄鋼便覧
II 製銑・製鋼」 日本鉄鋼協会編 丸善 に記載され
ているように、空気を遮断して1200℃程度に加熱す
る方法が採られてきた。
たり、原料石炭の脱硫処理のために、例えば「鉄鋼便覧
II 製銑・製鋼」 日本鉄鋼協会編 丸善 に記載され
ているように、空気を遮断して1200℃程度に加熱す
る方法が採られてきた。
【0005】ところが、コークス中の硫黄の形態は、含
硫黄有機化合物又は硫化鉄の形であり、粒径が小さくな
るにつれ、この硫化鉄として存在する硫黄分が多くな
る。この形態のSを除くためには、石炭の場合と異な
り、対象が粉状であり、硫黄の鉄への結合状態が複雑・
強固であるため分離が困難であり、加えて脱硫時及びハ
ンドリング時の発塵等の理由から、上記石炭原料の脱硫
法をそのまま粉コークスの脱硫に適用することはできな
い。
硫黄有機化合物又は硫化鉄の形であり、粒径が小さくな
るにつれ、この硫化鉄として存在する硫黄分が多くな
る。この形態のSを除くためには、石炭の場合と異な
り、対象が粉状であり、硫黄の鉄への結合状態が複雑・
強固であるため分離が困難であり、加えて脱硫時及びハ
ンドリング時の発塵等の理由から、上記石炭原料の脱硫
法をそのまま粉コークスの脱硫に適用することはできな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ばコークス炉等で発生する粒径200μm以下の粉コー
クス中の硫黄分を、効果的に、且つ簡便に、硫黄含有量
を無煙炭コークスレベルの0.2%以下まで除去して、
格別の排ガス脱硫設備を有しない燃焼設備における燃料
として使用できる粉コークスを得るための手段を提供す
ることにある。
ばコークス炉等で発生する粒径200μm以下の粉コー
クス中の硫黄分を、効果的に、且つ簡便に、硫黄含有量
を無煙炭コークスレベルの0.2%以下まで除去して、
格別の排ガス脱硫設備を有しない燃焼設備における燃料
として使用できる粉コークスを得るための手段を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉コークスを
鉱酸水溶液で処理することにより、硫黄分を粉コークス
より除去したのち、水洗し、乾燥することを特徴として
いる。
鉱酸水溶液で処理することにより、硫黄分を粉コークス
より除去したのち、水洗し、乾燥することを特徴として
いる。
【0008】本発明において用いられる鉱酸は、反応生
成物である硫化水素より強酸性の鉱酸が使われるべきで
あり、塩酸,硫酸,硝酸,リン酸が通常使われるが、好
ましくは、反応上からも、また、取扱い上の容易性の点
からも塩酸が好ましい。
成物である硫化水素より強酸性の鉱酸が使われるべきで
あり、塩酸,硫酸,硝酸,リン酸が通常使われるが、好
ましくは、反応上からも、また、取扱い上の容易性の点
からも塩酸が好ましい。
【0009】使用される鉱酸の濃度は、無煙炭コークス
レベルの硫黄含有量0.2%以下、つまり90%以上の
脱硫率の点から、0.2モル/リットル以上であればよ
い。
レベルの硫黄含有量0.2%以下、つまり90%以上の
脱硫率の点から、0.2モル/リットル以上であればよ
い。
【0010】粉コークス鉱と酸水溶液の固液重量比は
1:1以上で、1:10程度までは脱硫率は全く同じ結
果であるので、経済的にはこの範囲内で、鉱酸水溶液の
配合比が最も少ない比率である1:1程度とするのが良
い。
1:1以上で、1:10程度までは脱硫率は全く同じ結
果であるので、経済的にはこの範囲内で、鉱酸水溶液の
配合比が最も少ない比率である1:1程度とするのが良
い。
【0011】また、固液の混合条件は、温度は常温でか
まわず、加温する必要はない。一方、混合時間は5分以
上であれば、24時間後の70〜90%の脱S率が得ら
れる。
まわず、加温する必要はない。一方、混合時間は5分以
上であれば、24時間後の70〜90%の脱S率が得ら
れる。
【0012】
【作用】粉コークスに鉱酸水溶液を添加して、攪拌する
ことによって、コークス中の硫黄分と鉱酸中のH+ とが
以下の反応によってH2 Sとなり除去される。
ことによって、コークス中の硫黄分と鉱酸中のH+ とが
以下の反応によってH2 Sとなり除去される。
【0013】S2-+2H+ →H2 S 一方、除去したH2 Sは、苛性ソーダ等のアルカリで吸
収したり、硫黄や硫酸として回収したりする既存の方法
で処理可能である。
収したり、硫黄や硫酸として回収したりする既存の方法
で処理可能である。
【0014】以下塩酸を用いた実験結果は、以下の通り
である。
である。
【0015】まず、酸の濃度であるが、図4に示すとお
り0.2モル/リットル以上では一定のS率を示すの
で、所望の脱S率により酸の濃度は適宜変えられる。鉱
酸水溶液の浸漬時間は5分後に24時間後の70〜90
%の脱S率が得られるため、所望の脱S率から浸漬時間
は決められる。
り0.2モル/リットル以上では一定のS率を示すの
で、所望の脱S率により酸の濃度は適宜変えられる。鉱
酸水溶液の浸漬時間は5分後に24時間後の70〜90
%の脱S率が得られるため、所望の脱S率から浸漬時間
は決められる。
【0016】粉コークスと鉱酸水溶液の固液重量比は、
図5に示すとおり1:1と1:10で全く同じ結果であ
るので、経済的には1:1程度が好ましい。
図5に示すとおり1:1と1:10で全く同じ結果であ
るので、経済的には1:1程度が好ましい。
【0017】このような条件で粉コークスに対し50〜
90%の脱S率が得られ、最終的には、粉コークス中の
硫黄含有量は、0.2%以下まで低下させることができ
る。
90%の脱S率が得られ、最終的には、粉コークス中の
硫黄含有量は、0.2%以下まで低下させることができ
る。
【0018】脱硫した粉コークスは付着した酸を洗うた
め水洗され、乾燥されて良質な燃料粉コークスとなる。
め水洗され、乾燥されて良質な燃料粉コークスとなる。
【0019】
【実施例】本発明をコークス製造過程で副成的に発生し
た粉コークスの脱硫に適用した。
た粉コークスの脱硫に適用した。
【0020】図1はその処理システムを示し、図2は脱
硫に供した粉コークスの粒度と硫黄含有量と、脱硫処理
後の硫黄含有量を示す。
硫に供した粉コークスの粒度と硫黄含有量と、脱硫処理
後の硫黄含有量を示す。
【0021】不純物として、P2 O5 ,CaO,Na,
K等をそれぞれ含有し、粒径と硫黄含有量が図2に示す
粉コークス1000kgを、予備処理することなく攪拌
機能を持つ傾斜スクリューコンベアー6(図3参照)か
らなる酸洗槽1に装入し、これに、塩酸の濃度が0.2
4モル/リットルの水溶液を2000kg添加し、液温
20℃の条件で、1時間浸漬したのち、傾斜スクリュー
コンベアーによってスクリュープレス型の固液分離槽2
に移した。その際、生成したH2 Sは酸化し、アンモニ
アと反応させ、硫安等によって有効利用する。
K等をそれぞれ含有し、粒径と硫黄含有量が図2に示す
粉コークス1000kgを、予備処理することなく攪拌
機能を持つ傾斜スクリューコンベアー6(図3参照)か
らなる酸洗槽1に装入し、これに、塩酸の濃度が0.2
4モル/リットルの水溶液を2000kg添加し、液温
20℃の条件で、1時間浸漬したのち、傾斜スクリュー
コンベアーによってスクリュープレス型の固液分離槽2
に移した。その際、生成したH2 Sは酸化し、アンモニ
アと反応させ、硫安等によって有効利用する。
【0022】固液分離槽2の脱水液を分離し、酸洗槽1
の上澄液と合わせて排水処理設備3に送り、系外に放流
した。上澄み液の成分は、残留塩酸,リン酸,塩化カル
シウム等であって、排水処理設備3において処理した後
はpHは中性になり、重金属は中和沈澱除去され、系外
への放流に何等差支えはないものであった。
の上澄液と合わせて排水処理設備3に送り、系外に放流
した。上澄み液の成分は、残留塩酸,リン酸,塩化カル
シウム等であって、排水処理設備3において処理した後
はpHは中性になり、重金属は中和沈澱除去され、系外
への放流に何等差支えはないものであった。
【0023】固液分離槽2の上澄液を分離したのちの沈
澱物1500kgを水洗槽4に送り、水洗いを行い、排
水は上澄み液と同様に処理した。水洗い後の沈澱物は、
乾燥炉5において、気流乾燥機で200℃の条件で乾燥
した。乾燥したのちの粉コークス中の硫黄含有量は、図
2に示すとおり、粒径が200μm以下では何れの粒径
の場合も、0.2%以下に低減しており、何れも、一般
使用してもSOX の生成量の少ない良質の燃料として使
用できるものであり、しかも、その収率は98%であっ
た。
澱物1500kgを水洗槽4に送り、水洗いを行い、排
水は上澄み液と同様に処理した。水洗い後の沈澱物は、
乾燥炉5において、気流乾燥機で200℃の条件で乾燥
した。乾燥したのちの粉コークス中の硫黄含有量は、図
2に示すとおり、粒径が200μm以下では何れの粒径
の場合も、0.2%以下に低減しており、何れも、一般
使用してもSOX の生成量の少ない良質の燃料として使
用できるものであり、しかも、その収率は98%であっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。
【0025】(1)粉コークス中のS分を50〜90%
除去でき、最終硫黄含有量が0.2%以下程度のSOX
を発生しない良質燃料用粉コークスを産出できる。
除去でき、最終硫黄含有量が0.2%以下程度のSOX
を発生しない良質燃料用粉コークスを産出できる。
【0026】(2)脱Sと同時に他の灰分Na,K,P
等も溶脱し、単位重量当たりのカロリーが10%程度増
大した燃料コークスとすることができる。
等も溶脱し、単位重量当たりのカロリーが10%程度増
大した燃料コークスとすることができる。
【0027】(3)処理設備も簡単で、多量の処理にも
十分に対応できる。
十分に対応できる。
【0028】(4)湿式で操作するため発塵せず、取扱
いが容易である。
いが容易である。
【図1】 本発明を適用した粉コークスの処理系を示
す。
す。
【図2】 本発明を適用した粉コークスの処理前後の硫
黄含有量の比較図を示す。
黄含有量の比較図を示す。
【図3】 本発明を適用した粉コークスの酸洗槽の模式
図を示す。
図を示す。
【図4】 鉱酸濃度と脱硫率との実験結果を示す。
【図5】 固液重量比と脱硫率との実験結果を示す。
1 酸洗槽 2 固液分離槽 3 排水処理設備 4 水洗槽 5 乾燥炉 6 傾斜スクリューコンベアー
Claims (1)
- 【請求項1】 硫化水素より強酸性の鉱酸を0.2モル
/リットル以上の濃度で含有する水溶液を、粉コークス
に対し、1:1以上の割合で混合する粉コークスの脱硫
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9459192A JPH05287288A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 粉コークスの脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9459192A JPH05287288A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 粉コークスの脱硫方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287288A true JPH05287288A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14114526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9459192A Withdrawn JPH05287288A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 粉コークスの脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287288A (ja) |
-
1992
- 1992-04-14 JP JP9459192A patent/JPH05287288A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990706 |