JPH05286629A - 搬送方向切換え装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送されてくるシートを直進させる経路と、
偏向させる経路とに切換える動作を簡単な構成で噪音な
く、短いシート間隔の場合も確実に行なえるようにす
る。 【構成】 シート４を搬送方向に直角方向に所定量ｌだ
け横方向に偏倚させて搬送し、シートの通常の搬送幅の
範囲外の部分を係合させてシートを偏向経路に案内する
ガイド手段２、３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は画像形成装置のシート搬
送方向を搬送されてくる方向に搬送する経路と、搬送方
向とは異る方向に偏向した経路とに搬送方向を切換える
搬送方向切換え装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】レーザビームプリンタ、電子写真複写機
等の画像形成装置では転写紙の搬送方向を切換えること
がしばしば必要になる。例えば、画像形成済みの転写紙
を直進させて機側に突設した排紙トレイに排出する経路
と、機械の頂部に設けた排紙受けに反転排出する経路と
の切換えや、両面画像形成装置で両面又は片面画像形成
済みのシートを機外に排出する経路と、片面画像形成済
みのシートを裏面に画像形成のための画像形成部に再給
紙するための再給紙経路との切換えが必要である。

【０００３】こうしたシート搬送経路の切換え装置とし
ては、従来図７に示す如く、ソレノイド２０により作動
される切換爪２１が一般に使用されているが、切換爪方
式は切換時ソレノイドに瞬間的に過大な電流を流す必要
があり、そのための電源装置等のコストが増大する、又
切換爪の爪先がシートガイド板に衝突する際騒音を発す
る、又連続してシートを搬送する際、シートの後端が切
換爪を抜け切らない中に切換爪の位置を切換えるとシー
トが爪とガイド板とに挾まれて拘束されジャムが発生す
るおそれがあるので、シート搬送間隔を大きくとらなけ
ればならない等の欠点があった。

【０００４】このような欠点を除去することを目的とし
て、特開昭６０−５２４５５号公報には、図８に示す如
く搬送経路分岐部２２の上流側直近にシート搬送経路を
挾んでその両側にエア吸引口２３を設け、搬送経路を搬
送されてくるシート４の先端をいずれかの側のエア吸引
口で引き寄せて下流側の所望の搬送経路にシートを案内
する用紙経路切換装置が開示されている。

【０００５】この方式により、従来の切換爪方式の欠点
は相当改善されたが、エア吸引装置のために装置の大型
化、コストアップ、騒音発生等のデメリットが大き過
ぎ、実用的とは云えない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来実施さ
れ、あるいは提案されている搬送方向切換え装置の上述
の欠点にかんがみ、短いシート間隔で連続して搬送され
るシートを確実にかつ噪音の発生なく搬送方向切換えが
可能な搬送方向切換え装置を提供することを課題とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の搬送方向切換え
装置は、上記の課題を解決するため、搬送されてくるシ
ートを、その搬送方向に搬送する第１搬送経路と、搬送
方向とは異る方向に偏向した第２搬送経路とに、搬送方
向を切換える画像形成装置のシート搬送方向切換え装置
において、シートをその面内で搬送方向と直交する方向
に所定量移動させるシート横移動手段、該シート横移動
手段により所定量偏倚して搬送されているシートの通常
のシート搬送幅の範囲外の部分に係合し該シートを第２
搬送経路に案内するガイド手段を備えたことを特徴とす
る。

【０００８】

【作用】上記の構成により、搬送されてくるシートを横
移動させることなく搬送を続ければ、シートはそのまゝ
第１搬送経路に搬送され、搬送されてくるシートを所定
量横方向に偏倚させて搬送すると、シート一方の側端部
の所定量の幅の部分はガイド手段に係合してシートを第
２搬送経路に案内する。

【０００９】この構成によれば、搬送経路切換えのため
変位させる部材がないので短いシート間隔で搬送されて
くるシートでも確実に経路を切換えることができる。

【００１０】上記以外の本発明の課題及びこれを解決す
るための手段は、以下に図面を参照して詳細に説明する
実施例の説明により明らかにされるであろう。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１２】図１に示す本発明の実施例では、通常のシ
ート搬送幅Ｗと所定のシート横移動量ｌの和に相当する
長さの搬送ローラ対１とガイドローラ２とが通常のシー
ト反走路に順次設けられている。ガイドローラ２のシー
ト横移動量ｌの範囲内の部分に沿って若干の間隔を置い
て湾曲したガイド部材３が設けられている。ガイド部材
３のガイド面は、シート４を通常の搬送方向から偏向し
た第２搬送方向に案内するようになっている。

【００１３】この実施例のシート搬送方向切換装置は以
上の如く構成されているので、図１に示す如く通常のシ
ート搬送幅Ｗの範囲内を搬送ローラ対１により搬送され
てくるシート４はガイド部材３に係合することなく直進
し、第１搬送経路を搬送される。

【００１４】又、図２に示す如く、シート４が横方向に
所定量ｌだけ偏倚した状態で搬送されてきた場合は、シ
ート４の一方の端縁部はガイド部材３とガイドローラ２
との間の隙間に進入し、ガイド部材３の案内面に係合す
ることによりシート４は湾曲し、下方へ案内され、第２
搬送経路に導かれる。

【００１５】なお、シートを搬送方向に対して横方向に
所定量偏倚させて搬送する機構としては、図６に示すよ
うな斜行ローラ１７を用いてシートを斜方向に平行移動
させガイドフェンス１８に衝接させる方法や、搬送方向
切換部の上流側の搬送ローラ対（例えば図１の符号１の
ローラ対）を一体的に横方向（ローラの軸方向）に移動
可能としておき、シートがこのローラ対のみに挟持され
た状態でローラ対をシートとともにｌだけ軸方向に移動
させ、この状態でシートの搬送を行なうことにより通常
の搬送位置よりｌだけ偏倚した位置で搬送する方法が知
られている。

【００１６】又、図１、図２、図３にはローラ対１とガ
イドローラ２との間の搬送経路、この搬送経路に同じ方
向に続く第１搬送経路、この搬送経路に対して偏向した
第２搬送経路の搬送ガイド板は繁鎖をさけるため図には
省略されている。

【００１７】図３に示す他の実施例では、図１の実施例
における搬送方向切換装置のガイド部材３の代りに３個
のローラに巻掛けられ、所定の周速で回転駆動されるガ
イドローラ２に外周面がある範囲に亘って圧接しガイド
ローラ２に従動する無端ガイドベルト５が使用されてい
る。

【００１８】この構成によれば、シートの一方の側端部
はガイドローラ２とガイドベルト５とに挟持されて所定
の速度で搬送されるのでシート４全体は確実に第２搬送
路に搬送される。

【００１９】図４に示す更に他の実施例では、搬送ロー
ラ対１′は通常のシート搬送幅Ｗの両側に所定の偏倚量
ｌを付加した長さを有し、ガイドローラ２′、２″が通
常のシート搬送路の下側と上側に設けられ、ガイドロー
ラ２′は通常の搬送幅Ｗとその手前側にｌの長さを加え
た長さとなっている。又ガイドローラ２″は通常の搬送
幅Ｗに奥側にｌの長さを加えた長さとされている。下側
のガイドローラ２′の手前側端部のｌの長さの範囲内の
部分に沿って水平に搬送されてきたシート４を下方に偏
向させて第２搬送経路に案内するガイド部材３が設けら
れている。又、上側のガイドローラ２″の奥側の端部ｌ
の範囲内の部分に沿って、水平に搬送されてきたシート
を上方に偏向させ、これに続く経路に案内するガイド部
材５′が設けられている。

【００２０】したがって、通常の搬送幅内を搬送されて
きたシートは、図４中に矢線６で示す第１搬送経路に向
う方向に搬送され、手前側にｌだけ偏倚して搬送されて
くるシートはガイド部材５に案内されて図中に矢線６′
で示す第２搬送経路に向う方向に搬送され、奥側にｌだ
け偏倚して搬送されてくるガイド部材５′に案内されて
上方に偏向した矢線６″で示す経路を搬送される。この
構成により、シート搬送方向を３方向に切換えることが
できる。

【００２１】搬送方向切換ガイド手段は図３と同様回転
駆動されるガイドローラとこれに圧接する無端ベルトに
より構成してもよい。

【００２２】図５は本発明の搬送経路切換え装置を備え
たレーザプリンタの一例のシート搬送経路を中心に示す
図である。図において給紙部１０より給紙された転写紙
に画像形成部１１で感光体上に形成されたトナー像が転
写され、定着装置１２で定着された後、本発明の搬送方
向切換え装置１３に搬送されてくる。片面又は両面の画
像形成済みのシートで機外に排出するものは横方向に偏
倚させずに切換装置に搬送され、機外の排紙部１４に向
って搬送される。片面画像形成済みで裏面に画像を形成
するため、画像形成部１１に再給紙するシートは所定の
量ｌだけ横方向に偏倚させて切換装置１３に搬送され、
下方に偏向されて両面搬送経路１５に送られる。両面搬
送経路には反転部１５′が設けられ表裏反転された後再
給紙部１６に至り、タイミングを取って画像形成部１１
に再給紙され裏面転写され定着されて切換装置１３を経
て機外の排紙部１４に排出される。

【００２３】さて、上記の両面搬送経路に送り込まれた
シートは搬送基準位置よりｌだけ偏倚して搬送されるの
で、再給紙部１６迄に基準位置に戻してやる必要があ
る。そのためこの例では再給紙部１６に図６に示す如く
斜行ローラ１７及びフェンス１８を設け、シート４を斜
方向に平行移動させフェンス１８に衝接させて所定の基
準位置に戻している。斜行ローラ１７はシート４と適当
にスリップ可能な押圧力で接しながら回転しシート４を
斜行させてフェンス１８に衝突した後横方向にはスリッ
プさせてフェンス１８にならわせながら搬送方向に搬送
される。

【００２４】なお、シートを基準位置に戻す移動方法は
これに限られるものではなく、他の種々の公知の方法を
用いることができる。

【００２５】

【発明の効果】以上の如く、本発明によれば簡単な構成
で少いシート間隔で搬送されてくるシートを確実にかつ
噪音を発生することなく搬送方向を切換えることが可能
となる。

【００２６】又、切換ガイド部材を回転駆動されるガイ
ドローラとこれに圧接するガイドベルトとにより構成す
れば搬送方向切換え動作はさらに確実になる。

【００２７】本発明のシート搬送方向切換え装置は両面
画像形成装置の排紙部への搬送経路と両面搬送経路との
切換え装置に適用した場合、切換えのための駆動装置を
備えなくても受動的に両面画像形成の経路切り換えが実
現でき、装置の高速化、低コスト化を達成することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の構成を示す斜視図である。

【図２】図１とともにその作用を説明する説明図であ
る。

【図３】本発明の他の実施例の構成を示す斜視図であ
る。

【図４】本発明を３方向に分岐する搬送経路の切換えに
適用した実施例の構成を示す斜視図である。

【図５】本発明による搬送方向切換え装置を備えた両面
画像形成装置の一例のシート搬送経路を中心に示す断面
図である。

【図６】上記の画像形成装置の再給紙部におけるシート
搬送位置を基準位置に戻す手段の一例を示す平面図であ
る。

【図７】従来の切換え爪方式の搬送方向切換装置の一例
を示す側面図である。

【図８】従来提案されているエア吸引式搬送方向切換え
装置の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

１、１′ 搬送ローラ対 ２、２′、２″ ガイドローラ ３ ガイド部材（ガイド手段） ４ シート ５、５′ ガイドベルト（ガイド手段） １１ 画像形成部 １３ 搬送方向切換え装置 １４ 搬紙部への経路 １５ 両面搬送経路 １６ 再給紙部 １７ 斜行コロ（横移動手段） １８ フェンス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝木 弘幸 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送されてくるシートを、その搬送方向
   に搬送する第１搬送経路と、搬送方向とは異る方向に偏
   向した第２搬送経路とに、搬送方向を切換える画像形成
   装置のシート搬送方向切換え装置において、 シートをその面内で搬送方向と直交する方向に所定量移
   動させるシート横移動手段、 該シート横移動手段により所定量偏倚して搬送されてい
   るシートの通常のシート搬送幅の範囲外の部分に係合し
   該シートを第２搬送経路に案内するガイド手段を備えた
   ことを特徴とする搬送方向切換え装置。
2. 【請求項２】 上記のガイド手段がシートの通常の搬送
   幅と所定量横移動した時の横移動幅との全幅に亘って延
   び回転されるローラと、該ローラの横移動幅に対応する
   部分に接して従動し、シートを第１搬送経路に案内する
   無端ガイドベルトとにより構成されていることを特徴と
   する請求項１に記載の搬送方向切換え装置。
3. 【請求項３】 上記の画像形成装置が両面画像形成装置
   であり、上記第２搬送経路が片面画像形成済みのシート
   を画像形成部に再給紙するための両面搬送経路であり、
   上記横移動手段により所定幅横移動されたシートを逆方
   向に上記所定幅横移動させる手段を第２搬送経路に設け
   たことを特徴とする請求項１に記載の搬送方向切換え装
   置。