JPH0528613U - ダストカバー用成形型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 成形対象製品１が小径である場合であって
も、成形完了品の離型を容易、かつ確実に実施すること
のできる構造となした。 【構成】 成形対象製品１の上半部の外面の形状と同等
の形状を呈する成形面を備えた上型２と、前記成形対象
製品１の下半部の外面の形状と同等の形状を呈する成形
面を備えた下型３とを組み合わせ、略円筒形状を呈し、
前記成形対象製品１の内面の形状と同等の形状を呈する
成形面を備え、中心軸線と直交するスプリングピン７を
円筒部分に打ち込まれた第１の芯棒４を前記下型３の内
方にスライド自在に挿入し、略円柱状を呈し、前記成形
対象製品１の上部内面の形状と同等の成形面を備え、前
記スプリングピン７を挿入される長穴を備えた第２の芯
棒６を前記第１の芯棒４にスライド自在に挿入させた構
造となす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の操向装置等に使用されているボールジョイントにおいて潤 滑剤保持及びダストの侵入阻止の機能を担うゴム状弾性材製ダストカバーを製作 するためのダストカバー用成形型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ゴム状弾性材をもって成形され、略半球形状を呈する中空のダストカバーの製 作には、一例を図５に示すようなダストカバー用成形型が使用されている。

【０００３】 同図のダストカバー用成形型は、中空の半球形状を呈する成形対象製品１の上 半部の外面の形状と同等の形状を呈する成形面を備えた上型２と、成形対象製品 １の下半部の外面の形状と同等の形状を呈する成形面を備えて上型２に組み合わ される下型３と、略円筒形状を呈し、成形対象製品１の内面の形状と同等の形状 を呈する成形面を上部に備え、第１のスプリング５を介して下型３の内方にスラ イド自在に挿入された第１の芯棒４と、成形対象製品１の上方部分の内面の形状 と同等の成形面を上部に備えて第１の芯棒４の内方にスライド自在に挿入され、 第２のスプリング11、リング12、スプリングワッシャ13及び六角穴付ボルト14を 付されて第１の芯棒４に結合された第２の芯棒６とを有している。

【０００４】 上記のダストカバー用成形型による製作工程は、下記の手順に従って実施され る。 図５に示すように、互いに組み合わされた上型２及び下型３の間に形成された 成形キャビティ内へ成形用材料を注入して成形対象製品１を成形させ、次いで、 図６に示すように、上型２を取り外すとともに、第１の芯棒４を突き上げて成形 対象製品１を下型３から離し、更に、図７に示すように、成形対象製品１の上面 に吸着治具10を密接させ、真空吸引状態で吸着治具10を引上げるとともに、第１ の芯棒４の下方から圧力空気をブローさせて、成形対象製品１を第１の芯棒４及 び第２の芯棒６から離脱させる。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

上記した従来の技術によるダストカバー用成形型にあっては、第１の芯棒４内 における第２の芯棒６のスライド構造が、リング12、スプリングワッシャ13及び 六角穴付ボルト14によって構成されて、第２の芯棒６の直径がある程度以上の大 きさを備えていることが必要であるので、小径のダストカバーの成形には適当で なかった。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記した従来の技術によるダストカバー用成形型における問題点を 考慮して、成形対象製品の上半部の外面の形状と同等の形状を呈する成形面を備 えた上型と、前記成形対象製品の下半部の外面の形状と同等の形状を呈する成形 面を備えた下型とを組み合わせ、略円筒形状を呈し、前記成形対象製品の内面の 形状と同等の形状を呈する成形面を備え、中心軸線と直交するスプリングピンを 円筒部分に打ち込まれた第１の芯棒を前記下型の内方にスライド自在に挿入し、 略円柱状を呈し、前記成形対象製品の上部内面の形状と同等の成形面を備え、前 記スプリングピンを挿入される長穴を備えた第２の芯棒を前記第１の芯棒にスラ イド自在に挿入させた構造となすものである。

【０００７】

【作用】

上記した構造を備えた本考案によるダストカバー用成形装置においては、第１ の芯棒の円筒部分に打ち込まれたスプリングピンを第２の芯棒に設けられた長穴 へ挿入させる構造が、第２の芯棒が小径である場合、すなわち成形対象のダスト カバーが小径である場合における第１の芯棒及び第２の芯棒の確実な相互係合を もたらす。

【０００８】

【実施例】

図１乃至図４の実施例においては、中空の成形対象製品１の上半部の外面の形 状と同等の形状を呈する成形面を備えた上型２及び成形対象製品１の下半部の外 面の形状と同等の形状を呈する成形面を備えた下型３が互いに組み合わされ、略 円筒形状を呈し、成形対象製品１の内面の形状と同等の形状を呈する成形面を備 えて下型３の内方にスライド自在に挿入された第１の芯棒４の円筒部分に、中心 軸線と直交するスプリングピン７が打ち込まれ、成形対象製品１の上部内面の形 状と同等の成形面を備えて第１の芯棒４にスライド自在に挿入された第２の芯棒 ６の下部に、右方の円内に示すように、スプリングピン７を挿入される長穴８が 設けられて、以下の手順に従って操作される。

【０００９】 図１の状態での成形工程に続いて、 図２に示すように、上型２を引き離してスプールを毟り、 図３に示すように、第１の芯棒４を突き上げて成形対象製品１を下型３か ら分離させ、

【００１０】 図４に示すように、吸着治具10を成形対象製品１に密接させ、真空吸引状 態で吸着治具10を引上げるとともに、第１の芯棒４の下方から圧力空気をブロー させて、成形対象製品１を第１の芯棒４及び第２の芯棒６から離脱させる。 この工程に際しては、図４の右方の円内に示すように、第１の芯棒４のスプリ ングピン７は、第２の芯棒６の長穴８の下端に接している。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によるダストカバー用成形型が、上記したように、中空の成形対象製品 の内面の形状と同等の形状に形成された成形面を有する第１の芯棒及び第２の芯 棒の係合構造を、第１の芯棒に打ち込まれたスプリングピン及び第２の芯棒に設 けられた長穴によって構成されていることにより、成形完了製品の離型操作を容 易に、かつ、確実に実施できるばかりでなく、第１の芯棒及び第２の芯棒を小径 に設定される小径製品についても、対応させること可能である。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の断面図である。

【図２乃至図４】それぞれ、上記の実施例による製作工
程の状況を示す断面図である。

【図５】従来の技術によるダストカバー用成形型の一例
の断面図である。

【図６乃至図７】それぞれ、上記の従来例における操作
の状況を示す断面図である。

【００１３】

【符号の説明】

１ 成形対象製品 ２ 上型 ３ 下型 ４ 第１の芯棒 ５ 第１のスプリング ６ 第２の芯棒 ７ スプリングピン ８ 長穴 10 吸着治具 11 第２のスプリング 12 リング 13 スプリングワッシャ 14 六角穴付ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム状弾性材料をもって製作され、中空
   の半球形状を呈する成形対象製品（１）の上半部の外面
   の形状と同等の形状を呈する成形面を備えた上型（２）
   と、前記成形対象製品（１）の下半部の外面の形状と同
   等の形状を呈する成形面を備えた下型（３）と、略円筒
   形状を呈し、前記成形対象製品（１）の内面の形状と同
   等の形状を呈する成形面を備え、中心軸線と直交するス
   プリングピン（７）を円筒部分に打ち込まれ、前記下型
   （３）の内方にスライド自在に挿入された第１の芯棒
   （４）と、前記成形対象製品（１）の上部内面の形状と
   同等の成形面を備え、前記スプリングピン（７）を挿入
   される長穴（８）を備え、前記第１の芯棒（４）にスラ
   イド自在に挿入された第２の芯棒（６）とを有するダス
   トカバー用成形型。