JPH0528227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はテイルトタイプバルブ、即ち鑵頂壁中央
部を貫通して上方へ突出するステムの上部を側方
へ押し揺動させると、ステム下方に設けられた吐
出弁が開いて容器体内液体がステムを通つて外方
へ噴出するよう設けた、バルブ付きのエアゾール
式液体噴出鑵のノズル付き部材に係る。

「従来の技術」 第４図が示すように、頂壁外周部との間に環状
凹部を有する鑵１８の頂壁中央部を貫通して鑵内
から起立するステム１７の上部外面へ、下端部を
嵌着させて鑵上方へ起立させるノズル１３を有
し、該ノズルの下部外面から、下外方へ拡開した
後弯曲して上外方へ延長する弾性頂壁１２を突出
し、該弾性頂壁外周から垂設した嵌合周壁１４
を、上記鑵頂壁の外周部と鑵胴部の上端部とを共
に外方へ巻締めて形成した、鑵上端外周の巻締め
突条外面へ嵌合させた合成樹脂製のノズル付き部
材１１が知られている。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来のノズル付き部材は、第５図が示すよ
うにノズル１３上部を横方向に押すと、弾性頂壁
１２が弾性変形することでステム１７も共に傾
き、するとステム下方に設けられた吐出弁１９が
開いて鑵内液体がステムおよびノズル１３を通つ
て噴出するよう設けられているが、使用回数を重
ねるに従つて弾性頂壁が老化して屈折するように
なり、するとノズル上部側方への押込みを離して
もノズルの復帰が、又そのため吐出弁１９の閉塞
も不完全となつて液洩れすることとなるものであ
つた。

上記弾性頂壁１２の屈折は、第５図から理解さ
れるようにノズル１３下部との連続部分に近い部
分で生ずるから、その連続部分から弾性頂壁外周
の中間部までの弾性頂壁部分肉厚を、上記連続部
分が最も厚く、上記中間部にいたるに従つて順次
薄くなるようその弾性頂壁を形成することで上記
弾性頂壁の屈折を減少できる筈である。しかしノ
ズル部材１１は合成樹脂材で一体成形するから上
記連続部分を厚肉にすると製品冷却時のヒケによ
りその厚肉部分に凹部が形成され、該凹部がステ
ム嵌合部分内面に形成されることでステムとの気
密な嵌合ができなくなつたり、又上記連続部分外
面に形成されることで製品の外見が損なわれるこ
ととなるものであつた。

本案は、ノズル下端部から放射状に複数の弾性
リブを弾性頂壁に付設して突出することで上記欠
点を除去するものである。

「課題を解決するための手段」 外周部との間に環状凹部を有する鑵１８の頂壁
中央部を貫通して鑵内から起立するステム１７の
上部外面へ、下端部を嵌着させて鑵１８上方へ起
立させるノズルを有し、該ノズルの下部外面か
ら、下外方へ拡開した後弯曲して上外方へ延長す
る弾性頂壁を突設し、該弾性頂壁外周から垂下し
た嵌合周壁を、上記鑵頂壁の外周部と鑵胴部の上
端部とを共に外方へ巻締めして形成した鑵上端外
周の巻締め突条外面へ嵌合可能に設けた、テイル
トタイプバルブ１６を有するエアゾール式液体噴
出鑵のノズル付き部材において、上記弾性頂壁２
の上端部内面と該部に対向するノズル下端の外面
部分とから、弾性頂壁の下方弯曲部分まで、該弾
性頂壁の内面に沿つて放射状に、ノズル側から先
端側へ順次厚みを薄くする弾性リブ５を複数付設
して、合成樹脂材により一体成形した。

「作用」 弾性頂壁２が内面に有する複数の弾性リブ５
は、弾性頂壁２の上端部内面とノズル下端部外面
とから放射状にかつ順次厚みを薄くして突出する
ため、第３図のようにノズル上部を側方へ押して
傾斜させたとき、上記弾性リブを有しない第５図
の従来例の場合に比べて弾性リブを付設した、ノ
ズル下端部に近接する頂壁部分の変形を小とする
ことが出来、よつて応力はノズル下端からノズル
傾斜方向の頂壁外周部までの間の頂壁部分全体に
分散されることとなり、よつて頂壁に屈折が生じ
難い。

「実施例」 本案に係る合成樹脂製のノズル付き部材１は、
第１図が示すように、ノズル３の下部外面から下
外方へ拡開した後、弯曲して上外方へ延長する弾
性頂壁２を有し、該頂壁外周から嵌合周壁４を垂
下する。上記ノズル３はエアゾール式液体噴出鑵
の頂壁中央部を貫通して頂壁上方へ突出するステ
ムの上部を嵌着できるよう、そのノズル孔下部を
大内径化している。尚上記構造は、テイルトタイ
プバルブ１６を有するエアゾール式液体噴出鑵１
８と共に公知である。

本案では上記従来のノズル付き部材に対し、弾
性頂壁２の上部内面側へ弾性リブ５を一体に付設
した。該弾性リブは弾性頂壁２の上端部内面と該
部に対向するノズル下端の外面部分とから弾性頂
壁の下方弯曲部分まで、該弾性頂壁の内面に沿つ
て放射状に、かつノズル側から先端側へ順次厚み
を薄くして付設し、合成樹脂材で一体成形する。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、鑵１８頂壁中央
部を貫通して起立するステム１７の上部外面へ、
下端部を嵌着させて起立させるノズルの下部外面
から、下外方へ拡開した後弯曲して上外方へ延長
する弾性頂壁を突設し、かつその弾性頂壁外周か
ら、鑵上端外周の巻締め突条へ嵌合させる嵌合周
壁を垂設するノズル付き部材１において、弾性頂
壁２の上端部内面と該部に対向するノズル下端の
外面部分とから、弾性頂壁の下方弯曲部分まで、
該弾性頂壁の内面に沿つて放射状に、ノズル側か
ら先端側へ順次厚みを薄くする弾性リブ５を複数
付設したから、ノズル上部を側方へ押して弾性頂
壁２を弾性変形させたとき、上記リブ５…によつ
て応力が分散されることとなり、よつてその弾性
頂壁一部が屈折してその弾性復元が不能となるこ
とがない。又ノズルに近接する弾性頂壁上部の全
体を厚肉とするのではなく、放射状に複数の弾性
リブ５を付設するから、ヒケによつてそれ等部分
に凹部が生じ、該凹部によつてステムへの気密な
嵌合が妨げられたり、或いはノズル部材の外見を
損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ノズル付き部材の縦断面図、第２
図はその底面図、第３図はテイルトタイプバルブ
を有するエアゾール式液体噴出器に本案ノズル付
き部材を嵌合させ、かつノズルを傾けた状態を示
す断面図、第４図は第３図の液体噴出器に従来の
ノズル付き部材を嵌合させて示す断面図、第５図
は第４図のノズルを傾けた状態で示す断面図であ
る。 １……ノズル付き部材、３……ノズル、３……
弾性リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周部との間に環状凹部を有する鑵１８の頂壁
   中央部を貫通して鑵内から起立するステム１７の
   上部外面へ、下端部を嵌着させて鑵１８上方へ起
   立させるノズルを有し、該ノズルの下部外面か
   ら、下外方へ拡開した後弯曲して上外方へ延長す
   る弾性頂壁を突設し、該弾性頂壁外周から垂下し
   た嵌合周壁を、上記鑵頂壁の外周部と鑵胴部の上
   端部とを共に外方へ巻締めして形成した鑵上端外
   周の巻締め突条外面へ嵌合可能に設けた、テイル
   トタイプバルブ１６を有するエアゾール式液体噴
   出鑵のノズル付き部材において、上記弾性頂壁２
   の上端部内面と該部に対向するノズル下端の外面
   部分とから、弾性頂壁の下方弯曲部分まで、該弾
   性頂壁の内面に沿つて放射状に、ノズル側から先
   端側へ順次厚みを薄くする弾性リブ５を複数付設
   して、合成樹脂材により一体成形したことを特徴
   とするテイルトタイプバルブを有するエアゾール
   式液体噴出鑵のノズル付き部材。