JPH0527947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は、消火栓の放水ノズルの着脱と連動させ
た開弁装置に係るもので、ビルの通路壁面などに
消火栓ユニツトの収納箱を埋め込んで設置した消
火栓に用いられる。

〔従来の技術〕

このような消火栓を開弁させるには、従来、電
動弁を作動させるスイツチを前記ユニツトに設け
ておき、火災発生時にこれを押して電動弁を開弁
させるか、又はバルブのレバーを回して手動によ
り開弁させるのが一般的である。

〔本考案が解決しようとする問題点〕

前述した従来の開弁手段のなかで、電動弁によ
つて開弁させる場合は火災発生と同時に停電が生
ずると全く開弁することができず、消火栓によつ
て放水消火することが不可能になるという問題点
があった。また、バルブのレバーを回して手動的
に開弁させる場合は、前記消火栓の箱内で広いス
ペースが得られないため通常は前記レバーが短か
く形成されているから、これを回動させるために
相当な力を要する難点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本案は上記の問題点を解決するものであつて、
消火栓箱の任意の側板にレバーがバルブの流路方
向と同一方向にあるとき閉弁するボールバルブを
上下方向に固定させ、放水ノズルの先端部のリブ
又は鍔状部が出入可能な広径部とこれが係合する
狭径部を90°の回転半径で胴壁に連続形成した係
合孔を有する中空の頭部を前記バルブの作動軸先
端に取り付けて固定し、前記ノズルには放水ノズ
ルのガイド筒を固着してその先端開口部を前記係
合孔の外側に臨ませた構成を要旨としている。

〔作用〕

本案装置は、閉弁位置からレバーを90°回転さ
せて開弁位置に回すと、ガイド筒も一体に回転し
てその先端の開口部が係合孔の広径部に臨むか
ら、放水ノズルをガイド筒に挿入してその先端を
係合孔内に差し込み、レバー及びガイド筒を再び
90°回転させて元の閉弁位置に戻しておくと、放
水ノズルの先端部のリブ又は鍔状部が前記係合孔
の狭径部に入つてその孔端縁に係合するため放水
ノズルを引き出すことはできず、且つ、ボールバ
ルブは閉弁している。

火災発生時には、扉を開き、前記ガイド筒を持
つて消火栓箱の前面側（操作者側）に90°倒すと、
前述したようにして放水ノズルを取り出すことが
でき、ボールバルブが開弁し、この回動の際にレ
バーに接触したリミツトスイッチによつて送水ポ
ンプが起動する。

放水消火が終了したのちは、放水ノズルのボー
ルバルブのレバーを閉じてガイド筒内に差し込
み、前記と逆に90°回動させて元に戻すと、箱内
のボールバルブは閉弁され、放水ノズルは前述し
たように係合孔の孔端縁に係合される。

〔実施例〕

図面は本案の一実施例を示しており、以下、こ
れについて具体的に本案を説明する。

第１図において、１はビルなどの通路壁面に埋
め込まれる消火栓ユニツトの収納箱を示し、１ａ
はその一方の側板、１ｂは後板であり、側板の左
右いずれかの前面側には扉（図示しない）が開閉
自在に枢着されている。この消火栓箱の任意のが
わの側板１ａには、取付板２を介してボールバル
ブ３が上下方向に取り付けられており、このボー
ルバルブ３は従来と同様にその作動軸４にレバー
５が固着されているが、本案においては、第１図
及び第３図に示すように、該レバー５がボールバ
ルブ３の流路方向と同一方向にあるとき、ボール
弁体６が閉弁するように構成してある。

また、前記作動軸４の先端に取り付けた軸受７
には、一側に中空の頭部８を有する袋ナツト９を
締着させ、前記頭部８の胴壁に係合孔１０を形成
してある。この係合孔１０は、第２図乃至第３図
に示すように、放水ノズル１１の口端のリブ１２
を自由に出し入れできる広径部１０ａから前記リ
ブ１２が係合して離脱できない狭径部１０ｂを連
続形成してあり、広径部１０ａと狭径部１０ｂは
90°の回転半径上に設けられ、狭径部１０ｂが、
常時前記レバー５の閉弁位置に合致するようにし
てある。

さらに、前記レバー５は頭部８側に少し折曲し
てこれに放水ノズル１１の出し入れが可能なガイ
ド筒１３を固着してあり、その下端開口部を前記
係合孔１０の外側に近接させて臨ませてある。ま
た、前記レバー５の回動方向側には、これに接触
したとき送水ポンプ（図示しない）を起動させる
リミツトスイツチ１４が設置してある。

なお、図中１５は流入側の送水管、１６は流出
側の送水管で、消火栓箱１内に収納されたキヤン
バスホースに接続されている。また、１７は放水
ノズル１１の基部に設けた通常型のボールバルブ
のレバーである。

上記の構成の本案装置は、第１図、第２図に示
す閉弁位置ｍからレバー５を90°回転させて開弁
位置ｎに回すと、ガイド筒１３も一体に回転して
その先端の開口部が係合孔１０の広径部１０ａに
臨むから、第４図示のように放水ノズル１１をガ
イド筒１３に挿入してその先端を係合孔１０内に
差し込み、レバー５及びガイド筒１３を再び90°
回転させて元の閉弁位置にｍに戻しておく。この
状態では、第２図に示すごとく、放水ノズル１１
の先端口部のリブ１２が前記係合孔１０の狭径部
１０ｂに入つてその孔端縁に係合するため放水ノ
ズル１１を引き出すことはできず、且つ、ボール
バルブ３は閉弁している。

そして火災発生時には、扉を開き、前記ガイド
筒１３を持つて消火栓箱１の前面側（操作者側）
に90°倒すと、前述したようにして放水ノズル１
１を取り出すことができ、ボールバルブ３が開弁
し、この回動の際にレバー５に接触したリミツト
スイツチ１４によつて送水ポンプが起動するか
ら、放水ノズル１１のバルブのレバー１７を開い
て放水する。

なお、本実施例ではガイド筒１３を上側に設け
て放水ノズル１１を起立させる場合について説明
したが、このガイド筒１３を180°下側に設けて放
水ノズル１１が吊下されるようにしても作用効果
は同一である。また、袋ナツト９と頭部８を別個
に形成し、この頭部８を適宜な手段で軸受け７に
固着してもよい。

さらに、係合孔１０に係合する放水ノズル１１
は先端開口部にリブ１２を有するものについて説
明したが、頭部８は中空であるため、先端開口部
近くに鍔状部を有するノズルについても本案を適
用できる。

〔効果〕

上記のごとく、本案によれば、ボールバルブが
閉弁位置にある常態下では、ガイド筒から係合孔
内に挿入された放水ノズルの先端部のリブ又は鍔
状部が孔端縁に係合して引き出せないから、無用
ないたずら等を防止できるとともに、ボールバル
ブを上下方向に配置しその流路方向と同一方向に
あるときバルブを閉弁するレバーをガイド筒に固
着させ、これを一体に消火栓箱の前面側に90°回
動させるのでその回動方向には何ら障害がなく広
いスペースが得られるから、前記ガイド筒をレバ
ーより長く設定することにより、火災発生時に軽
い力でバルブを開弁できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の斜面図、第２図は要部の拡
大斜面図、第３図は第１図に示す閉弁状態の中央
縦断正面図、第４図は開弁状態の第３図Ａ−Ａ線
の断面図である。 １……消火栓箱、１ａ……任意の側板、３……
ボールバルブ、４……作動軸、５……レバー、８
……頭部、１０……係合孔、１０ａ……広径部、
１０ｂ……狭径部、１１……放水ノズル、１２…
…リブ、１３……ガイド筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 消火栓箱の任意の側板にレバーがバルブの流路
   方向と同一方向にあるとき閉弁するボールバルブ
   を上下方向に固定させ、放水ノズルの先端部のリ
   ブ又は鍔状部が出入可能な広径部とこれが係合す
   る狭径部を90°の回転半径で胴壁に連続形成した
   係合孔を有する中空の頭部を前記バルブの作動軸
   先端に取り付けて固定し、前記レバーには放水ノ
   ズルのガイド筒を固着してその先端開口部を前記
   係合孔の外側に臨ませたことを特徴とする消火栓
   の放水ノズル連動開弁装置。