JPH05279274A - 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタンの精製方法 - Google Patents

1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタンの精製方法

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JPH05279274A
JPH05279274A JP18662291A JP18662291A JPH05279274A JP H05279274 A JPH05279274 A JP H05279274A JP 18662291 A JP18662291 A JP 18662291A JP 18662291 A JP18662291 A JP 18662291A JP H05279274 A JPH05279274 A JP H05279274A
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JP
Japan
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dichloro
hcfc
extractant
trifluoroethane
cfc
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Withdrawn
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JP18662291A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kataoka
政紘 片岡
Tatsuji Ninomiya
龍児 二宮
Hitoshi Atobe
仁志 跡辺
Minoru Konishi
実 小西
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HCFC−123の不純物を、効率よく除去
する方法。 【構成】 HCFC−1326等の不純物を含有するH
CFC−123に特定の抽剤を添加し、不純物を低沸成
分として塔頂より除去し、塔底から不純物が除去された
HCFC−123を回収する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,1−ジクロロ−2,
2,2−トリフルオロエタン(以下HCFC−123と
いう)に沸点の高い特定の溶媒を抽剤として用い抽出蒸
留することによって分離困難な、3−クロロ−1,1,
1,4,4,4−ヘキサフルオロブテン(以下HCFC
−1326という)等の不純物を除去するHCFC−1
23の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】HCFC−123は、成層圈のオゾン層
を破壊するクロロフルオロカーボン(以下CFCとい
う)で、発泡剤、洗浄剤等として重要かつ広い用途を有
するトリクロロ−モノフルオロメタン(以下CFC−1
1という)、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−ト
リフルオロエタン(以下CFC−113という)の代替
品として注目されている。
【0003】さらに、半導体製造プロセスのエッチング
剤として重要な1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テ
トラフルオロエタン(以下CFC114という)、1−
クロロ−1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタン
(以下CFC−115という)の代替品としても有望視
されている。
【0004】このHCFC−123を半導体のエッチン
グに使用するには、高純度のものが必要で、特にHCF
C−1326、1,2−ジクロロ−1,1,2,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン(以下CFC−216
という)、CFC−114、およびその異性体であるC
FC−114a、1−ブロモ−2−クロロ−1,1,
2,2−テトラフルオロエタン(以下CFC−114B
という)、その異性体(以下CFC−114aBとい
う)、CFC−113など、半導体製造上、または人
体、環境面で有害な物質は除去しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に混合物を各成分
に分離する方法としては蒸留法があるが、この場合HC
FC−123に対する代表的不純物HCFC−1326
の比揮発度は0.91で、蒸留法のみに依存することは
得策でない。
【0006】また、水、酸、アルカリ金属塩等を用いる
液体抽出法も試みたが、いずれも不適当であった。
【0007】更にHCFC−123から不純物であるH
CFC−1326、CFC−216、CFC−144
B、CFC−114aB、CFC−114を活性炭やゼ
オライト系等の吸着剤を用いて除去すること試みたが、
吸着容量が小さく、操作が複雑で実用的でなかった。
【0008】本発明者らは効率のよい分離方法を得べく
種々検討した結果、HCFC−123を蒸留する際に、
特定の抽剤を添加すると、HCFC−123に対する不
純物の比揮発度が著しく大きくなることを発見した。
【0009】本発明は上記の発見に基づいてなされたも
ので、抽剤を添加してHCFC−123に対する不純物
の揮発を大幅に高め、不純物を低沸成分として扱うこと
によって、容易に純度の高いHCFC−123が得られ
る精製方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のHCFC−12
3の精製方法においては、HCFC−123中の不純物
を、
【0011】沸点150℃以上のスルホキシド、スルホ
ン、各種アミドのうちのホルムアミドまたはアセトアミ
ド、ピロリドン、ラクトン、各種カーボネートのうちの
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートから選
ばれた一種または二種以上からなる物質を抽剤とした抽
出蒸留によって除去することを問題解決の手段とした。
【0012】
【作用】本発明は上記の構成となっているので、抽剤の
添加により不純物が低沸成分となって塔頂より留出し、
塔底からは、抽剤を含有したHCFC−123が得られ
るので、これを蒸留すれば、純度の高いHCFC−12
3が留出される。
【0013】
【実施例】本発明に用いられる抽剤としては、HCFC
−123の不純物を低沸成分として塔頂より除去した
後、塔底から、微量の抽剤を含むHCFC−123を抜
出して、これを蒸留して、抽剤をほとんど含まないHC
FC−123に分離するので、その沸点は高い方が好ま
しい。
【0014】本発明に使用できる抽剤(溶媒)として
は、 (a) スルホキシド 例えば、ジメチルスルホキシド、 (b) スルホン 例えば、スルホラン、ジメチルスルホン、 (c) 各種アミドのうち i) ホルムアミド 例えば、ホルムアミド、N,Nジメチルホルムアミド、 ii) アセトアミド 例えば、アセトアミド、N,Nジメチルアセトアミド、 (d) ピロリドン 例えば、ピロリドン、Nメチルピロリドン、 (e) ラクトン 例えば、γ−ブチロラクトン (f) 各種カーボネート 例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト があげられ、これらから選ばれる一種或は二種以上の混
溶媒として用いられる。
【0015】また、本発明者らの検討結果では、HCF
C−123に対する不純物HCFC−1326の比揮発
度は、抽剤濃度に依存しHCFC−1326は低沸成分
となる。
【0016】また、HCFC−123中のHCFC−1
326以外の微量不純物、CFC−226、CFC−1
1、CFC−114a、CFC−114B、CFC−1
14aB、CFC−113はHCFC−1326と同
様、上記抽剤を添加することによって低沸成分として扱
かわれ、他の不純物の除去にも有効であることが判明し
ている。
【0017】添加される抽剤濃度は、10〜98wt%
の範囲であるが、蒸留塔の段数、塔径、還流比を考慮す
ると、特に20〜90wt%が好ましい。
【0018】次に実施例、比較例を示して本発明を説明
する。
【0019】実施例1 気相部と液相部のサンプルが同時に採取可能となってい
るデップ型ステンレス製の1リットル容器を、油回転ポ
ンプを用いて約1Torrまで減圧した後、この容器に
HCFC−123(純度:99.85vol%、不純物
としてHCFC−1326:0.093vol%、CF
C−114B:0.012vol%、CFC−114a
B:0.024vol%、CFC−216:0.006
vol%、その他:0.05vol%含有)と抽剤スル
ホランとの混合比60wt%/40wt%の混合液66
9gを仕込んだ。次に容器を振盪機で約5分間振盪した
後、60℃の恒温槽に浸けて5日間放置した。
【0020】この間2日目、4日目、5日目に気相およ
び液相のサンプルを同時に採取し、ガスクロマトグラフ
ィで組成を分析した。4日目と5日目の分析結果がほぼ
同一になった時点で、平衡に達したと判断した。
【0021】ガスクロマトグラフィーの気相、液相成分
の分析結果を表1に示す。比揮発度は、主成分HCFC
−123に対する比揮発度を示すものでいずれの値も1
より十分大きく、分離が容易であることがわかる。
【0022】
【表1】 但し、分析値は、スルホラン成分を除いて計算してい
る。
【0023】実施例2 実施例1において、抽剤スルホランの代りにジメチルス
ルホキシド、N,Nジメチルホルムアミド、Nメチルピ
ロリドン、エチレンカーボネート、或いはγ−ブチロラ
クトンを使用し、抽剤濃度を変えて実施した。結果を表
2に示すとともに、HCFC−123に対するHCFC
−1326の比揮発度のみを示した。
【0024】
【表2】
【0025】比較例1 実施例1において、抽剤としてスルホランの代りに、ト
リス−シアノエトキシプロパン、濃硫酸、或いは抽剤を
無添加の場合について行ない結果を表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】実施例3 ガラス製オスマー型気液平衡測定装置に、HCFC−1
23(純度99.683vol%、HCFC−132
6:0.035vol%、CFC−114a:0.00
6vol%、CFC−114B:0.026vol%、
CFC−216:0.004vol%、CFC−11:
0.176vol%、CFC−113:0.029vo
l%他0.041vol%)190gとスルホラン12
7gを仕込み、塔底の温度を59〜60℃に加熱し、平
衡に達するまで6〜7時間放置した。塔底と、塔頂の成
分をガスクロマトグラフィで分析し、HCFC−123
に対する各フロン成分の比揮発度を表4に示した。
【0028】
【表4】
【0029】比較例2 実施例3において抽剤スルホランを添加せず、無抽剤下
の平衡データを採取し、表5に示した。
【0030】
【表5】
【0031】実施例4 実施例1において、HCFC−123と抽剤スルホラン
の混合比を変え、同様な操作により平衡データを採取し
た。結果を表6に示す。
【0032】
【表6】 スルホラン濃度を高くすることによって、不純物の分離
がさらに容易となることがわかる。
【0033】実施例5 直径:21mm、高さ:500mmのガラス製の充填塔(充
填物、1/8インチのディクソンリング、89g)を用
い、HCFC−123とスルホランとの混合比25wt
%/75wt%の混合液595gをリボイラ(塔底)に
仕込んだ。次いで大気圧下で、リボイラーを加熱し、約
0.25kg/hrのボイルアップ速度に対し、リボイ
ラー液をプランジャポンプで0.6kg/hrの流速
で、充填層の塔頂部にリサイクルさせながら、3.5h
r全還流操作を行なった後、塔頂の留出液と塔底のリボ
イラ液をサンプリングし、両者の組成をガスクロマトグ
ラフィで分析した。結果を表7に示す。
【0034】
【表7】
【0035】比較例3 実施例3において、抽剤スルホランを加えず、HCFC
−123のみ550g仕込み、塔底液をリサイクルしな
いでその他は同様な操作を行なった。結果を表8に示
す。
【0036】
【表8】
【0037】上記装置の理論段数は、8〜9段に相当す
るが、比較的段数の少ない装置で、高純度の製品が得ら
れることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るHC
FC−123の精製方法は、従来除去が困難であった不
純物を、特定の抽剤を添加することによって低沸成分化
して、塔頂より除去し、塔底からは、沸点の高い抽剤を
含有したHCFC−123が得られるので、蒸留によっ
て純度の高いHCFC−123が回収でき、経済的にH
CFC−123を精製できる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 実 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社川崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフ
    ルオロエタン中の不純物である3−クロロ−1,1,
    1,4,4,4−ヘキサフルオロブテンを、沸点150
    ℃以上のスルホキシド、スルホン、各種アミドのうちの
    ホルムアミドまたはアセトアミド、ピロリドン、ラクト
    ン、各種カーボネートのうちのエチレンカーボネート、
    プロピレンカーボネートから選らばれた一種または二種
    以上からなる物質を抽剤とした抽出蒸留によって除去す
    ることを特徴とする1,1−ジクロロ−2,2,2−ト
    リフルオロエタンの精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の抽剤を用い抽出蒸留して除去
    できる1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエ
    タンの不純物であって、3−クロロ−1,1,1,4,
    4,4−ヘキサフルオロブテン以外にトリクロロ−モノ
    フルオロメタン、トリクロロ−トリフルオロエタン、ジ
    クロロ−テトラフルオロエタンおよびその異性体或いは
    臭素含有化合物、ジクロロ−ヘキサフルオロプロパンの
    1種以上が含まれる請求項1記載の1,1−ジクロロ−
    2,2,2−トリフルオロエタンの精製方法。
JP18662291A 1991-07-25 1991-07-25 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタンの精製方法 Withdrawn JPH05279274A (ja)

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