JPH05278332A - 感熱表示付きカード - Google Patents

感熱表示付きカード

Info

Publication number
JPH05278332A
JPH05278332A JP4108646A JP10864692A JPH05278332A JP H05278332 A JPH05278332 A JP H05278332A JP 4108646 A JP4108646 A JP 4108646A JP 10864692 A JP10864692 A JP 10864692A JP H05278332 A JPH05278332 A JP H05278332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorane
card
amino
acid
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4108646A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3326693B2 (ja
Inventor
Fumito Masubuchi
文人 増渕
Takao Igawa
隆生 井川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP10864692A priority Critical patent/JP3326693B2/ja
Publication of JPH05278332A publication Critical patent/JPH05278332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3326693B2 publication Critical patent/JP3326693B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 書きかえが行なえ、その繰返し耐久性にすぐ
れ、しかも低消費電力で済むICカードのごときものに
有用な感熱表示付カードを提供する。 【構成】 感熱表示部(可逆性感熱記録材料層3)を二
次元状に(交差状に)配列された抵抗発熱体(金属電極
21と電極22とは直交しており、その間に置かれた抵
抗発熱層1は所望の箇所が熱せられる)の上に設ける。
この発熱箇所の移動により感熱表示部には異なる表示が
行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱表示付きカードに
関し、詳しくは、表示機能を備えたカード、特にICカ
ードとしても有効なカード類に関する。
【0002】
【従来の技術】プリペイドカードやクレジットカードな
ど、多種多様の「カード」が市場に登場し、すでに社会
に浸透している。これらのカード類の多くは情報を磁気
によって記録していたので情報量は少なく、また改ざん
されやすいという問題もあってその利用範囲は限られて
いたが、ICカードの出現によって、1枚のカードで銀
行や交通機関、その他など数多くのサービスが利用でき
るようなカードも可能になった。
【0003】
【従来技術の問題点】ところで、ICカード等にも、他
のカードと同様に、書換え可能な表示部を設けることが
望まれている。
【0004】ICカード用の表示部の性能としてはまず
動作時の消費電力が小さく、特に表示を維持する為には
ほとんど全く電力を消費しないことが要求される。これ
はICカード自体の電源部の容量が小さく、大量の電力
を消費するような動作はカード用端末装置に接続してい
るときにのみ可能となるからである。
【0005】次に要求される性能としては、表示書換え
の繰返し耐久性が高いことがあげられる。これは、従来
のカードと比べて利用範囲が広くなり、また耐用年数も
長くなることから、当然書換えの回数も多い。
【0006】例えば液晶表示は繰返し耐久性に優れてい
るが、表示を維持する為には常に電力を消費しなければ
ならない。また可逆性感熱記録材料を用いてサーマルヘ
ッドなどで書換えを行う方法では、表示中は電力を必要
としないので低消費電力と云えるが、書換えによる感熱
性記録材料の繰返し耐久性が不足している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、書換
えの繰返し耐久性が高くかつ低消費電力の表示部を備え
た、特に、ICカードのごときものに有用な感熱表示付
きカードを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱表示付きカ
ードは、感熱表示部が2次元状に配列された抵抗発熱体
上又はこれらの間に可逆性感熱記録材料の層を設けて形
成され、表示の書換えが可能であることを特徴としてい
る。
【0009】なお、本発明者らは2次元状に抵抗発熱体
を配列してこれと可逆性感熱記録材料を一体化した表示
装置(特開平1−177586号、特開平2−87号な
どの公報:出願人(株)リコー)の用途を捜してきた。
この表示装置はフルカラーで高解像度のドットマトリク
ス画像を得られるという特長をもっている。当初、この
表示装置の用途としては大面積の平面ディスプレイや投
写型のディスプレイを考えていたが、大面積の電極加工
が困難であることや、液晶のディスプレイに比べて画面
の応答速度が劣る等の理由から実用化が困難であること
が判明した。それに代る用途も捜してきたが、今までは
見つからなかった。ところが最近になって、この表示装
置による画像書換えの繰返し耐久性は、サーマルヘッド
による繰返し耐久性より数10倍以上も高いことが判明
した。その結果、高い繰返し耐久性と低消費電力という
2つの特長によりICカード用の表示装置に最適である
ことを知見し、本発明に至ったものである。
【0010】以下、本発明をさらに詳しく説明する。い
ま、サーマルヘッドによる書換えの繰返し耐久性と、本
発明の表示装置の書換えの繰返し耐久性とを比べた場
合、後者のほうが桁違いに優れている。この原因は未だ
確定されていないが、現在のところ以下の様に推定され
る。
【0011】サーマルヘッドで書換えをするときには、
可逆性感熱記録材料とサーマルヘッドがこすれ合う。加
熱された可逆性感熱記録材料は非常に柔らかい為に、こ
のようなサーマルヘッドとの摩擦による応力でも容易に
変形し、材料の構造が変化する。この変化が積重なった
結果が、可逆性感熱記録材料の劣化としてあらわれるも
のと思われる。これに対して、発熱体の上に可逆性感熱
記録材料の層を設けた構成では、可逆性感熱記録材料が
発熱体に対して固定されている為にこすれ合うこともな
く、劣化も起きないものと思われる。
【0012】本発明における感熱表示付きカードの構成
は、基本的には本発明者らが先に提案した前記2件の表
示装置と思想的には類似したものであるが、ICカード
等に使用する為に以下の2点を考慮する必要がある。 1、表示部全体の厚みを薄くすること 2、発熱体の熱がICチップや周囲の樹脂部分などに伝
わらないようにすること そのための望ましい構成として、 ・記録層の下に金属光沢を持った反射層を設けて薄い記
録層で高コントラストを得る。 ・前記反射層の役目を発熱体に電力を供給している電極
に兼ねさせる。 ・発熱体の下に断熱層を設ける。 などが有効である。具体的な代表的構成としては図1及
び図2の様なものが考えられる。実際にはこれらの構成
の中から1つ以上を組合せて実施される。これら図1及
び図2において、1は抵抗発熱層、21は金属電極、2
2は電極、23は透明電極、3は可逆性感熱記録材料
層、4はポリエステルフィルム、5は保護層、6は抵抗
発熱層兼可逆性感熱記録材料を表わしている。
【0013】抵抗発熱体1の材料としてはサーマルヘッ
ドほど耐熱性は要求されないので、比較的電気抵抗高い
金属をスパッタ等で薄膜に形成したものの他に、導電性
高分子や樹脂中に導電性粒子を分散したものなどが使用
できる。樹脂を使用することは断熱性を上げるという点
で有効である。中でも熱硬化性樹脂及び耐熱性の良い熱
可塑性樹脂がよく、具体的にはDFK樹脂、エポキシ樹
脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ−P−ヒ
ドロキシ安息香酸、ポリウレタン、マレイン酸樹脂、メ
ラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂やアイオノ
マー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、
AAS樹脂、AES樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、M
BS樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、クマロン樹脂、ケトン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、ブタジエン樹
脂、フッ素樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、ポリアセタ
ール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレー
ト、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエチレンオ
キサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリ−P−メチル
スチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテン、メタクリル樹脂などが使用できる。これら
の発熱体材料の体積抵抗値としては0.01〜100Ω
cm程度のものがよく、より好適には0.5〜20Ωc
mが良い。
【0014】抵抗発熱体の電極材料21、22又は23
としては、アルミなどの金属材料の他、ITO等の透明
導電材料や導電性高分子や導電性樹脂組成物などが使用
できる。このなかで、前記のごとき反射層の役目を兼ね
させるのならば金属製電極が優れているし、感熱表示体
には反射層を持たずに透明にしてその背面に空気層を介
して黒い材料を配置する様な構成ではITOのような透
明材料が優れている。また、製造の容易さと云う点では
導電性高分子や導電性樹脂組成物が優れている。
【0015】本発明における可逆性感熱記録材料層3
は、温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす
材料で形成されたものである。目に見える変化は色調の
変化と形状の変化に分けられるが、本発明では主に色調
の変化を起こす材料を使用する。色調の変化には、透過
率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際
の可逆性感熱記録材料はこれらの変化の組合わせで表示
を行なっている。より具体的には、 (イ)透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料。 (ロ)染料等の色彩が可逆的に変化する材料。 という2種類の系統に現状では分類できる。(イ)とし
ては従来の技術でも述べたように、ポリエステル等の樹
脂母材中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子
物質を分散した感熱層を設けたものが代表例として挙げ
られ、また(ロ)としては従来のロイコ系の可逆性記録
材料(例:特開平1−188293号公報、特開平1−
88294号公報など)等がある。
【0016】なお、「樹脂母材と樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質で構成され、加熱により透明と白濁の
状態を可逆的に変化させる材料」における透明状態と白
濁不透明状態との違いは次のように推測される。すなわ
ち、(I)透明の場合には樹脂母材中に分散された有機低
分子物質の粒子は有機低分子物質の大きな粒子で構成さ
れており、片側から入射した光は散乱されること無く反
対側に透過するため透明に見えること、また、(II)白濁
の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の微
細な結晶が集合した多結晶で構成され、個々の結晶の結
晶軸がいろいろな方向を向いているため片側から入射し
た光は有機低分子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折
し、散乱されるため白く見えること、等に由来してい
る。
【0017】図5(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加
熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻
しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に至
るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から
単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3
上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との
中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行く
と、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態
に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、
冷却されることにより多結晶が析出するためであると考
えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温
度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合
には透明と不透明との中間の状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中
間状態をとることができる。
【0018】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
することが可能である。そして、このような感熱層の背
面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色の
画像または着色シートの色の地に白色の画像を形成する
ことができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部は
光が透過しスクリーン上では明部となる。
【0019】本発明に係る前記(イ)の可逆性感熱記録
材料を作るには一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質
の2成分を溶解した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤
としては有機低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解
しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分
散した分散液をプラスチックフィルム、ガラス板、金属
板などの支持体上に塗布乾燥して感熱層を形成せしめれ
ばよい。
【0020】感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤として
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0021】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。
【0022】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸
ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共
重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート
又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタクリ
レート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これら
は単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0023】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらの
エステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても、又、飽和していなく
てもよく、またハロゲン置換されていてもよい。いずれ
にしても有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及
びハロゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH
-、-COOR、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等
を含む化合物であることが好ましい。
【0024】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 , C18H37-S-C18H37 , C12H25-S-C12H25 , C19H39-S-C19H39 , C12H25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
【0025】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-3
9378号、特開昭63-130380号などの公報や、特願昭63-14
754号、特願平1-140109号などの明細書に開示されてい
るが、これらに限定されるものではない。なお、感熱層
中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は、重量比で2:
1〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹
脂母材の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹
脂母材中に保持した膜を形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0026】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。
【0027】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;
オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
【0028】この記録材料の画像を反射画像として用い
る場合には、記録層の背面に光を反射する層を設けると
記録層の厚みを薄くしてもコントラストを上げることが
できる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げ
られる(特開昭64-14079号公報に記載)。
【0029】また、感熱層上にその感熱層を保護するた
めに保護層を設けることができる。感熱層上に積層する
保護層(厚さ0.1〜5μm)の材料としては、シリコーン系
ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63-221087号公報に記
載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特願昭62-15255
0号明細書に記載)や紫外線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂
(特願昭63-310600号明細書に記載)等が挙げられる。い
ずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、その溶剤は、
感熱層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶解しにくいほ
うが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分子物質を溶解
しにくい溶剤としてはn-ヘキサン、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げら
れ、特にアルコール系の溶剤がコスト面から望ましい。
【0030】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1-133781号
公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母
材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
【0031】続いて、可逆性感熱記録層が前記(ロ)の
電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発
色反応を利用した可逆的熱発色性組成物により形成され
るものについて述べることにする。電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した熱
発色性組成物は、該電子供与性呈色性化合物と電子受容
性化合物を加熱溶融混合させたときに非晶質の発色体を
生成し、一方、該非晶質の発色体を該溶融温度より低い
温度で加熱したときに該電子受容性化合物が結晶化を起
して該発色体が消色するものである。
【0032】熱発色性組成物は、加熱により瞬時に発色
し、その発色状態は常温においても安定的に存在し、一
方、発色状態にある組成物は、これを発色温度以下の加
熱により瞬時に消色し、その消去状態は常温においても
安定的に存在するもので、このような可逆的な特異な発
消色挙動は従来には見られない新規な驚くべき現象であ
る。
【0033】この組成物を感熱層として用いた場合の発
色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図6に示し
たグラフによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度を
表わし、横軸は温度を表わしており、実線11は加熱に
よる画像形成過程を、破線13は加熱による画像消去過
程を示したものである。Aは完全消去状態における濃度
であり、Bはt1以上の温度に加熱した時の完全発色状
態における濃度であり、Cは完全発色状態のt0以下の
温度における濃度であり、Dはt0〜t1間の温度で加熱
消去した時の濃度を示している。
【0034】本発明に係るこの組成物は、t0以下の温
度においては無色の状態(A)にある。記録を行うには
1以上の温度に加熱することにより発色(B)して記
録画像を形成する。この記録画像は実線12に従ってt
0以下の温度に戻しても、そのままの状態(C)を保持
しており記録のメモリー性は失われない。
【0035】次に記録画像の消去を行うには、形成され
た記録画像を発色温度よりも低いt0〜t1間の温度に加
熱することによって無色の状態(D)になる。この状態
はt0以下の温度に戻しても、そのままの無色の状態
(A)を保持している。即ち記録画像の形成過程は実線
ABCの経路によりCに至り記録が保持される。次に記
録画像の消去過程は破線CDAの経路によりAに至り消
去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙動
特性は可逆性を有し何回も繰り返し行うことができる。
【0036】ここでの可逆的熱発色性組成物は、発色剤
と顕色剤を必須成分としている。そして、発色剤と顕色
剤の加熱溶融により発色状態を形成し、一方、発色温度
よりも低い温度の加熱により発色状態は消去され、発色
状態及び消色状態が常温で安定的に存在するものであ
る。組成物におけるこのような発色と消色の機構は、発
色剤と顕色剤を発色温度で加熱溶融混合した時に、組成
物が非晶質化を起こして発色状態を形成し、一方、発色
温度よりも低い温度で加熱した時に、発色した組成物の
顕色剤が結晶化を起こして発色の消去状態を形成する特
性に基づくものである。
【0037】通常の発色剤と顕色剤、例えば、従来の感
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物からなる組成物は、これを加熱によって溶融
混合させると、ロイコ化合物のラクトン環の開環に基づ
く発色状態となる。この発色状態は両者が相溶した非晶
質状態を呈している。この発色した非晶質状態は常温で
安定的に存在するが、再び加熱を行っても結晶化は起こ
らず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分離が
ないためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
【0038】これに対して、本発明に係る発色剤と顕色
剤の組成物も加熱によって溶融混合させた時に、発色状
態となり、従来の場合と同様に非晶質状態を呈し、常温
で安定的に存在する。しかし、本発明の場合は、この発
色した非晶質状態の組成物は、発色温度以下、即ち溶融
状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結晶化が起
こり、発色剤との相溶状態による結合が保持できなくな
り、顕色剤が発色剤から分離する。そして、この顕色剤
の結晶化による発色剤からの分離により、顕色剤は発色
剤から電子を受容することができず、発色剤は消色する
ものと考えられる。
【0039】熱発色性組成物に見られる前記の特異な発
消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による相相互
溶解性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色
剤に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係している
が、原理的には、加熱溶融による非晶質化を起こし、一
方、発色温度よりも低い温度の加熱により結晶化を起こ
す発色剤/顕色剤系であれば、本発明における組成物成
分として利用し得るものである。さらに、この様な特性
を有するものは、熱分析において溶融による吸熱変化
と、結晶化による発熱変化を示すことから、本発明に適
用し得る発色剤/顕色剤系は、熱分解析により容易に確
認することができる。また、本発明に係る可逆的熱発色
性組成物系には、第三物質が存在してもかまわず、例え
ば、高分子物質が存在してもその可逆的な消発色挙動が
保持されることが確認された。
【0040】本発明の熱発色性組成物において、その消
色は顕色剤の結晶化による発色剤からの分離に起因する
ことから、消色効果のすぐれたものを得るには、顕色剤
の選択は重要習ある。
【0041】次に、本発明で好ましく用いられる顕色剤
を例示すると以下の通りであるが、前記のように、本発
明に適用できる顕色剤は熱分析により容易に知見し得る
ので、それらのものに限定されるものでないことは明ら
かであろう。 (1)下記一般式(1)で示される有機リン酸化合物 R1−PO(OH)2 (1) (但し、R1は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす。)この有機リン酸化
合物の具体例としては、例えば、以下のものが挙げら
れ。オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホ
スホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン
酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン
酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テト
ラコシルホスホン酸。
【0042】(2)下記一般式(2)で示されるα−位
炭素に水酸基を有する有機酸 R2−CH(OH)COOH (2) (但し、R2は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす。)このα−位炭素に
水酸基を有する有機酸の具体例としては、例えば、以下
のものが挙げられる。α−ヒドロキシオクタノイック
酸、α−ヒドロキシドデカノイック酸、α−ヒドロキシ
テトラデカノイック酸、α−ヒドロキシヘキサデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシオクタデカノイック酸、α−ヒ
ドロキシペンタデカノイック酸、α−ヒドロキシエイコ
サノイック酸、α−ヒドロキシドコサノイック酸等。
【0043】本発明で用いられる発色剤は、電子受容性
を示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体であり、特に限定されず、従来公知のもの、例え
ば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン
系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン
系化合物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン
系化合物、インドリノフタリド系化合物等があり、具体
例として以下のようなものが挙げられる。3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−
ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−
6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−
ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シ
クロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメ
チルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8
−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−
エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニ
ル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−6−(o−クロル
アニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−
クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7
−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル
−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,
N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジ
ベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾロイコメチレンブ
ルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリ
ノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベ
ンゾインドリノ−スピロピラン、3−(2′−ヒドロキ
シ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′メト
キシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′ヒ
ドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−
(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、
3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)
フタリド、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミ
ノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル
−5′−メトキシフェニル)フタリド、3−モルホリノ
−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリン)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−
(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニ
ル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5
−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−
フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α
−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−
(N−メトキシトルイジノ)−7−(p−n−ブチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−イソプロ
ピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピ
ロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−
(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6
−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプ
ロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−
ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル
−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,
4′−ジメチルアニリノ)フルオラン等。
【0044】本発明で用いられる特に好ましい発色剤
は、置換基としてハロゲンを含有するものである。この
ようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられ
る。3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−クロルフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−ク
ロルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロ
モフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3
−ジプロピルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオ
ラン、3−ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミ
ノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7
−(m−トリフロロメチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o
−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロル−7−(2′,3′−ジクロルフェ
ニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−クロル−7−エトキシエチルアミノ−フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミ
ノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロ
モフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3
−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミ
ノ−フルオラン、6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾ
インドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−メトキシ−
4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロ
キシ−4′−クロル−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、2−{3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)}−9−(o−クロルフェニル)アミノ−キサンチ
ル安息香酸ラクタム等。
【0045】本発明で用いる時に好ましい発色剤は、次
の一般式(3)で示される化合物である。
【化1】 (但し、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R2は水素原子又は置換されていてもよいアミノ
基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェ
ニルアミノ基、mは1又は2の整数、Yは炭素数1〜4
のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基、nは1
又は2の整数を表わす。)
【0046】この一般式(3)で示される化合物の具体
例を示すと、例えば、以下のものが例示される。3−
(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フ
ルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−
7−アミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−N−フ
ェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ア
ミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}
−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(p−エチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−プロピ
ル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ
−フルオラン、3−{N−メチル−N−(2',4'−ジ
メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、
3−{N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニ
ル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−プ
ロピル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}
−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(p−クロルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−プロピ
ル−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ
−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニルアミ
ノ)−7−メチルアミノ−フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フルオ
ラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−7−
メチルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−7−エチルアミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−7−ベンジルアミノ−フルオラン、3
−{N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)
アミノ}−7−メチルアミノ−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}
−7−エチルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−
N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベ
ンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−
(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベンジ
ルアミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニ
ルアミノ)−7−ジメチルアミノ−フルオラン、3−(N
−エチル−N−フェニルアミノ)−7−ジメチルアミノ
−フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、
3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミ
ノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、3−(N−メ
チル−N−フェニルアミノ)−7−ジプロピルアミノフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7
−ジプロピルアミノフルオラン、3−{N−メチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルア
ミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルアミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノ−フル
オラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−7−アセチルアミノ−フルオラン、3−
{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
7−ベンゾイルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−(o−メ
トキシベンゾイル)アミノ−フルオラン、3−{N−エ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチ
ル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル
−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−tert
−ブチル−7−(p−メチルフェニル)アミノ−フルオ
ラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6−
メチル−7−(N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ−フルオラン、3−{N−プロピル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−7−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−5−メチル−7−ベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−クロロ−7−ジベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−メトキシ−7−ジベンジルアミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−6−メチル−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メ
トキシ−フルオラン等。
【0047】顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適
用される。また、発色剤についても同様に単独もしくは
二種以上混合して適用することができる。発色剤及び顕
色剤は、そのまま或いはマイクロカプセルにより内包し
て用いることができる。このような可逆的感熱記録材料
は、従来公知の方法に従い、発色剤及び顕色剤をバイン
ダーと共に水、又は有機溶剤により均一に分散もしくは
溶解して、これを電極21,22又は23間に塗布する
ことによって得られる。
【0048】バインダーとしては慣用の種々のバインダ
ーを適宜用いることができ、例えばポリビニールアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラ
チン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニールピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸共
重合体、アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニール、ポリ酢酸ビニール、ポリアクリル酸エステル
類、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニール/酢酸
ビニール共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、
ポリウレタン等がある。
【0049】発色剤及び/又は顕色剤のマイクロカプセ
ル化は、コアセルベーション法、界面重合法、インサイ
チュ重合法等公知の方法によって行うことができる。本
発明では必要に応じて塗布特性或いは記録特性の向上を
目的に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加
剤、例えば分散剤、界面活性剤、填料、発色画像安定
剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤等を加えることも出
来る。
【0050】
【実施例】ここでの部はすべて重量基準である。
【0051】実施例1 厚さ約125μmのポリエステルフィルムに蒸着によっ
てアルミのストライプ状電極を設けた。次にフィルムの
電極側に、 カーボン 30部 エポキシ樹脂 70部 からなる塗液を塗布し、加熱硬化させて厚さ約5μmの
抵抗発熱体を設けた。次にこの抵抗発熱体上に蒸着によ
ってアルミのストライプ状電極を前記電極と直交する向
きに設けた。そして、このストライプ状電極の上に ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 40部 (UCC社製VYHH) THF 150部 トルエン 15部 からなる液を塗工・乾燥し、厚さ約8μmの可逆性感熱
記録材料の層を設け、図1に示した構成のマトリクス表
示部を作成した。このマトリクス表示部からとりだした
電極を図3に示した構成のカード用ICチップの表示ド
ライバ回路に接続し、塩ビ製カードにはめこんで図4に
示したようなICカードを作成した。
【0052】実施例2 厚さ約125μmのポリエステルフィルムに蒸着によっ
てアルミのストライプ状電極を設けた。次にフィルムの
電極側に、 ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 ITO溶液 20部 (触媒化成工業社製ELCOM) フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 40部 (UCC社製VYHH) THF 150部 トルエン 15部 からなる液を塗工・乾燥させて厚さ約10μmの可逆性
感熱記録材料兼抵抗発熱の層を設け、この上にITOの
ストライプ状電極を設けたポリエステルフィルムを重ね
て図2に示した構成のマトリクス表示部を作成した。こ
のマトリクス表示部からとりだした電極を図3に示した
構成のカード用ICチップの表示ドライバ回路に接続
し、図4に示した構成のICカードを作成した。
【0053】比較例 厚さ約50μmのポリエステルフィルム上にアルミを蒸
着して金属反射層とし、その上に ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 40部 (UCC社製VYHH) THF 150部 トルエン 15部 からなる液を塗工・乾燥して厚さ約8μmの可逆性感熱
記録材料の層を設けた。さらにその上に、 アクリル系UV効果樹脂 50部 (大日本インキ製C7−157) トルエン 50部 からなる液を塗工・乾燥・UV照射して厚さ約5μmの
保護層を設け、感熱表示部を製作した。この感熱表示部
を既存のICカードに貼付し、サーマルヘッドで印字、
ヒートローラーで消去をおこなった。
【0054】以上の様な実施例と比較例で印字と消去を
繰返した。下表に繰返し印字による印字濃度の変化を示
す。比較例では1000回程度の繰返しで印字濃度が落
ち、視認できなくなった。それに対して実施例では10
000回を越える繰返しでも視認性を維持できた。
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、繰返し印字
耐久性の高い表示部を持つカード、特にICカードにお
いては低消費電力で高い耐久性をもつ書換え可能な表示
部を備えたICカードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る感熱表示付きカードの一例の概
略図である。
【図2】 本発明に係る感熱表示付きカードの一例の概
略図である。
【図3】 本発明に係るカードをICチップの表示ドラ
イバ回路に接続した様子を表わした図である。
【図4】 本発明に係るカードをICカードとして使用
する様子を表わした図である。
【図5】 本発明に係る可逆性感熱記録材料層が温度に
よって透明度に変化を生じさせることの説明図である。
【図6】 本発明に係る可逆性感熱記録材料層が温度に
よって変色濃度に変化を生じさせることの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 抵抗発熱層 3 可逆性感熱記録材料層 4 ポリエステルフィルム 5 保護層 6 抵抗発熱兼可逆性感熱記録材料層 7 コネクタ 8 塩ビベース 9 感熱表示部 21 金属電極 22 電極 23 透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/06 19/07 8623−5L G06K 19/00 J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱表示部が2次元状に配列された抵抗
    発熱体上又はこれらの間に可逆性感熱記録材料の層を設
    けて形成されてなることを特徴とする感熱表示付きカー
    ド。
  2. 【請求項2】 前記の抵抗発熱体に電流を供給する電極
    が光反射層の役目も兼ねるものである請求項1記載の感
    熱表示付きカード。
  3. 【請求項3】 前記可逆性感熱記録材料が、樹脂母材と
    その樹脂母材に分散された有機低分子物質とで構成さ
    れ、加熱により透明及び白濁の状態を可逆的に変化させ
    る材料である請求項1又は2記載の感熱表示付きカー
    ド。
  4. 【請求項4】 前記可逆性感熱記録材料が、電子供与性
    呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利
    用した熱発色性組成物である請求項1又は2記載の感熱
    表示付きカード。
JP10864692A 1992-04-01 1992-04-01 感熱表示付きカード Expired - Fee Related JP3326693B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10864692A JP3326693B2 (ja) 1992-04-01 1992-04-01 感熱表示付きカード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10864692A JP3326693B2 (ja) 1992-04-01 1992-04-01 感熱表示付きカード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05278332A true JPH05278332A (ja) 1993-10-26
JP3326693B2 JP3326693B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=14490087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10864692A Expired - Fee Related JP3326693B2 (ja) 1992-04-01 1992-04-01 感熱表示付きカード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3326693B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996020458A1 (fr) * 1994-12-28 1996-07-04 Oki Electric Industry Co., Ltd. Carte, gabarit de fixation et lecteur-enregistreur de cartes
US10183518B2 (en) 2014-09-24 2019-01-22 Fujifilm Corporation Image forming medium, method for producing image forming medium, and image forming method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996020458A1 (fr) * 1994-12-28 1996-07-04 Oki Electric Industry Co., Ltd. Carte, gabarit de fixation et lecteur-enregistreur de cartes
US6013345A (en) * 1994-12-28 2000-01-11 Oki Electric Industry Co., Ltd. Card, bonding jig, and card reader-writer
US10183518B2 (en) 2014-09-24 2019-01-22 Fujifilm Corporation Image forming medium, method for producing image forming medium, and image forming method

Also Published As

Publication number Publication date
JP3326693B2 (ja) 2002-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3496047B2 (ja) 情報記録部及び画像記録部を有するカードに情報及び画像を記録する方法
US5489494A (en) Image formation method using reversible thermosensitive recording material
JP3876106B2 (ja) 可逆性二色感熱記録材料及び記録方法
JPH04247985A (ja) 可逆的感熱記録材料
JP3326693B2 (ja) 感熱表示付きカード
JP3666664B2 (ja) 可逆的多色感熱記録媒体
JP3198472B2 (ja) 画像記録方法
JPH06127184A (ja) カードの処理方法
JP3295746B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体及びそれを用いた画像記録方法
JP3368384B2 (ja) 可逆性感熱記録材料、その製造方法及びそれを使用した画像表示方法
JP3357997B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH06199042A (ja) 画像記録方法
JPH05294064A (ja) 可逆性感熱記録材料の記録方法
JPH07117352A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH05318918A (ja) 可逆性感熱記録体
JPH0776170A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びこれを用いた画像形成・消去方法
JPH07186552A (ja) 可逆性感熱記録媒体の画像消去方法及び装置
JPH05318917A (ja) 画像記録方法
JP3073857B2 (ja) 可逆性感熱記録材料の画像記録方法
JPH05262035A (ja) 画像記録方法
JPH07195843A (ja) 可逆性感熱記録媒体の画像消去方法及び装置
JPH061066A (ja) 可逆的熱発色性組成物およびそれを用いた記録媒体
JPH06210956A (ja) 可逆性感熱記録材料を有する表示媒体の記録方法
JPH0699660A (ja) 可逆的熱発色性組成物及びこれを用いた可逆的感熱記録媒体
JPH071840A (ja) 可逆性感熱記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070712

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080712

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees