JPH05262035A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

Info

Publication number
JPH05262035A
JPH05262035A JP9391392A JP9391392A JPH05262035A JP H05262035 A JPH05262035 A JP H05262035A JP 9391392 A JP9391392 A JP 9391392A JP 9391392 A JP9391392 A JP 9391392A JP H05262035 A JPH05262035 A JP H05262035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amino
fluorane
temperature
recording material
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9391392A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumito Masubuchi
文人 増渕
Takao Igawa
隆生 井川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9391392A priority Critical patent/JPH05262035A/ja
Priority to US07/992,744 priority patent/US5310718A/en
Publication of JPH05262035A publication Critical patent/JPH05262035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可逆性感熱記録材料にサーマルヘッドで繰り
かえし記録(書きかえ)を行なうと、可逆性感熱記録材
料の劣化を著しく促進させる。本発明はそうした不都合
を解決しようとするものである。 【構成】 特定な記録材料(常温より高い第1の特定温
度で第1の色の状態となり、その第1の特定温度よりも
高い第2の特定温度で加熱後冷却することにより第2の
色の状態となる可逆性感熱記録材料)を用い、第1の色
の状態から第2の色の状態に変化させる画像形成をサー
マルヘッドでおこなう画像記録方法において、画像記録
の繰返しの間に、滑り摩擦による応力を該可逆性感熱記
録材料に加えることなく、該可逆性感熱記録材料を第2
の特定温度以上の温度に加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱により画像記録の
繰返し(情報の書込及び消去を繰返すこと)が可能な可
逆性感熱記録材料を用いた記録方法であり、詳しくは、
可逆性感熱記録材料を使った繰返し使用可能な感熱フィ
ルムやカードなどへの良好な記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙の省資源化のために感熱記録材
料としても書替え可能な材料が求められている。その最
も有力な材料としては、支持体上にポリエステル等の樹
脂中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質
を分散した感熱層を設けたものが、例えば特開昭54−
119377号、特開昭55−154198号等の公報
で知られている。この種の可逆性感熱記録材料による記
録(画像形成)及び消去は感熱層の温度による透明度変
化を利用したものであり、従来の不可逆な感熱記録材料
と同様に、サーマルヘッドやホットスタンプなどによる
画像形成及びその消去が可能という特長をもっている。
【0003】ところで、記録の為に感熱記録材料を加熱
する方法としてはサーマルヘッドによる加熱が最も一般
的であり、可逆性感熱録材料の記録でもサーマルヘッド
による繰返し書替え(繰返し記録)が通常なされてい
る。しかしながら最近になって、サーマルヘッドによる
繰返し書替えは、他の加熱方法例えばホットスタンプに
よる繰返し書替えに較べて、可逆性感熱記録材料の劣化
を著しく促進してしまうことが指摘されるようになって
きている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はサーマルヘッ
ドによる可逆性感熱記録材料の繰返し書替えによって劣
化が生じないか殆ど生じない記録方法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、常温より高い
第1の特定温度で第1の色の状態となり、その第1の特
定温度よりも高い第2の特定温度で加熱後冷却すること
により第2の色の状態となる可逆性感熱記録材料を用
い、第1の色の状態から第2の色の状態に変化させる画
像形成をサーマルヘッドでおこなう画像記録方法におい
て、画像記録の繰返しの間に、望ましくは滑り摩擦によ
る応力を該可逆性感熱記録材料に加えることなく、該可
逆性感熱記録材料を第2の特定温度以上の温度に加熱す
ることを特徴としている。
【0006】本発明者らは、サーマルヘッドによる劣化
を防止する方法を見つけるべく鋭意検討した結果、サー
マルヘッドによる画像形成の前後に可逆性感熱記録材料
を前記第2の特定温度以上に恒温槽やヒートローラー等
で加熱すれば、繰返しの耐久性が著しく向上することを
見いだした。本発明はこれに基づいていなされたもので
ある。
【0007】以下に、本発明方法をさらに詳細に説明す
る。本発明で用いる可逆性感熱記録材料は、常温ではそ
の濃度は変化しないが、ある温度領域まで加熱すること
によって濃度を変化させることができる。濃度が変化す
る温度領域は大まかに2つに分かれていて、本発明では
そのうち「低いほうの温度」領域を“第1の特定温度”
の領域と呼び、また、そのうち「高いほうの温度」領域
を“第2の特定温度”の領域と呼ぶことにする。そし
て、本発明で用いられる可逆性感熱記録材料は、第1の
特定温度まで加熱されるとその色の状態が変化し、第2
の特定温度にまで加熱後冷却されると他の色に変化する
性質を有している。
【0008】先に触れたように、可逆性感熱記録材料は
使用頻度に応じて、特にサーマルヘッドによると思われ
る画像形成では劣化が可成り進むようになる。この劣化
の生じる理由は次のように推察される。現在の可逆性感
熱記録材料は主に有機低分子物質と樹脂母材とで構成さ
れているが、記録の為にサーマルヘッドで加熱をした瞬
間には温度が有機低分子物質の融点や樹脂母材の軟化点
を超えるので可逆性感熱記録材料は非常に柔らかくな
る。この為に、サーマルヘッドとの摩擦によるわずかな
応力でも容易に変形し、材料の構造が変化する。この変
化が積重なった結果が可逆性感熱記録材料の劣化として
あらわれるものと思われる。
【0009】本発明の方法はかかる不都合を可逆性感熱
記録材料をその第2の特定温度以上に加熱することによ
って解消するようにしている。こうした手段がとられる
ことで可逆性感熱記録材料の劣化が何故解消されるのか
の厳密な理由は解明されていないが、大よそ、次のよう
に考えられる。即ち、可逆性感熱記録材料は、その初期
状態では樹脂母材中にほぼ球形の有機低分子物質の粒子
が分散されている。ところが、サーマルヘッドによる画
像形成で可逆性記録材料が変形したとき、有機低分子物
質の粒子も変形していびつな形になる。ここで可逆性感
熱記録材料をその第2の特定温度以上に加熱したとき、
可逆性感熱記録材料の樹脂母材中に分散されている有機
低分子物質は溶融状態になる。まわりの樹脂母材も軟化
点以上の温度にあるので非常に柔らかい。このような状
態をとうして、有機低分子物質と樹脂母材との間で働く
界面張力によって、有機低分子物質の粒子は元の球形に
戻るものと推察される。
【0010】本発明者らの更なる検討によれば、前記第
2の特定温度以上の加熱の際には、可逆性感熱記録材料
にかかる圧力が0.5kg/cm2以下好ましくは0.
2kg/cm2であり、更に好ましくは圧力ゼロであれ
ばより効果的である。0.5kg/cm2より大きい圧
力では、可逆性感熱記録材料が加熱によって非常に柔ら
かくなっているために、新たな変形を起こしてしまうか
らである。また、水平方向への圧力成分は特に小さいほ
うがよく、その向きは一定でないほうが良い。
【0011】そこで、本発明を実現する装置としては、
温風や赤外線などを用いた非接触型の加熱装置が理想的
であるが、その他にはホットスタンプやヒートローラ
ー、ヒートブロックなどの恒温発熱体を接触させる加熱
装置が使用できる。ここで、後者の装置では前述のよう
な圧力条件の制約が必要となる。
【0012】図1に示されるように、ヒートローラ1で
は可逆性感熱記録材料2の記録面に対する圧力はヒート
ローラーの前後に向って方向が広がっているが、前後を
合わせると打消し合うので全体としては垂直にかかって
おり、記録面と平行の方向には圧力がかからないとみな
すことができる。図中、3は送りローラである。類似の
装置として、図2に示されるように、ヒートブロック4
と可逆性感熱記録材料2をこすり合わせて加熱する装置
があるが、この場合、ヒートブロック4と可逆性感熱記
録材料2との間の摩擦による応力を小さくすることは可
能であるが、その為には、圧力条件としてヒートブロッ
ク4と可逆性感熱記録材料2との間の摩擦係数が0.1
以下という条件がさらに加わるのが望ましい。この条件
のとき記録面に平行方向の応力は可逆性感熱記録材料の
高温時の強度に対して無視できるほど小さく0とみなす
ことができる。
【0013】本発明の加熱処理は画像記録を1回行なう
ごとに行なっても良いし、また、画像記録を数10回繰
返すごとに1回行なう程度の頻度でも充分効果をあげ
る。加熱時間は0.01秒以上好ましくは0.1〜5秒
である。
【0014】ところで、本発明における「可逆性感熱記
録材料」とは、温度変化によって目に見える変化を可逆
的に起こす材料である。目に見える変化は色の状態の変
化と形状の変化に分けられるが、本発明では主に色の状
態の変化を起こす材料を使用する。色の状態の変化に
は、透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化があ
り、実際の可逆性感熱記録材料はこれらの変化の組合せ
で表示を行なっている。より具体的には、 透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料。 染料等の色が化学的に変化する材料。 という2種類の系統に現状では分類できる。
【0015】としては、従来の技術でも及びこれらま
でにも繰返し述べてきたように、ポリエステル等の樹脂
母材中に高級アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物
質を分散した感熱層を支持体上設けたものが代表例とし
て挙げられる。また、としては、ロイコ系感熱記録材
料の可逆性を増強したものが代表例として挙げられる。
【0016】前記の透明度に変化を生じせしめるタイ
プの感熱層は、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分としたものである。ここでの
可逆性感熱記録材料は、後述するように、透明になる温
度の範囲がある。また、ここでの可逆性感熱記録材料
は、前記のごとき透明度変化(透明状態、白濁不透明状
態)を利用しており、この透明状態と白濁不透明状態と
の違いは次のように推測される。すなわち、(I)透明の
場合には樹脂母材中に分散された有機低分子物質の粒子
は有機低分子物質の大きな粒子で構成されており、片側
から入射した光は散乱されること無く反対側に透過する
ため透明に見えること、また、(II)白濁の場合には有機
低分子物質の粒子は有機低分子物質の微細な結晶が集合
した多結晶で構成され、個々の結晶の結晶軸がいろいろ
な方向を向いているため片側から入射した光は有機低分
子物質粒子の結晶の界面で何度も屈折し、散乱されるた
め白く見えること、等に由来している。
【0017】図3(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された
有機低分子物質とを主成分とする感熱層は、例えばT0
下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加
熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻
しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に至
るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から
単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3
上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との
中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行く
と、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態
に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、
冷却されることにより多結晶が析出するためであると考
えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温
度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合
には透明と不透明との中間の状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば、再び白濁不透明状態に戻
る。即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中
間状態をとることができる。
【0018】従って、熱を選択的に与えることにより感
熱層を選択的に加熱し、透明地に白濁画像、白濁地に透
明画像を形成することができ、その変化は何回も繰り返
しすることが可能である。そして、このような感熱層の
背面に着色シートを配置すれば、白地に着色シートの色
の画像または着色シートの色の地に白色の画像を形成す
ることができる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェク
ター)などで投影すれば、白濁部は暗部になり、透明部
は光が透過しスクリーン上では明部となる。更に、この
可逆性感熱記録材料の画像を反射画像として用いる場合
には、記録層の背面に光を反射する層を設けると記録層
の厚みを薄くしてもコントラストを上げることができ
る。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着することが挙げられ
る。
【0019】本発明のこのタイプに係る可逆性感熱記録
材料を作るには一般に(1)樹脂母材及び有機低分子物質
の2成分を溶解した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤
としては有機低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解
しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分
散した分散液を例えばプラスチックフィルム、ガラス
板、金属板などの支持体上に塗布乾燥して感熱層を形成
せしめればよい。
【0020】感熱層又は感熱記録材料作成用溶剤として
は、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって種々選
択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩
化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等が挙げられ
る。なお、分散液を使用した場合はもちろんであるが、
溶液を使用した場合も得られる感熱層中では有機低分子
物質は微粒子として析出し、分散状態で存在する。
【0021】感熱層に使用される樹脂母材は有機低分子
物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最大透
明時の透明度に影響を与える材料である。このため樹脂
母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性の良
い樹脂が好ましい。
【0022】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸
ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共
重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート
又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタクリ
レート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これら
は単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0023】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ールカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はア
ンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよ
く、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにして
も有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロ
ゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH-、-COO
R、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等を含む化
合物であることが好ましい。
【0024】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; C16H33-O-C16H33 , C16H33-S-C16H33 , C18H37-S-C18H37 , C12H25-S-C12H25 , C19H39-S-C19H39 , C12H25-S-S-C12H25 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸
が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好まし
い。
【0025】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-3
9378号、特開昭63-130380号などの公報や、特願昭63-14
754号、特願平1-140109号などの明細書に開示されてい
るが、これらに限定されるものではない。なお、感熱層
中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は、重量比で2:
1〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹
脂母材の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹
脂母材中に保持した膜を形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0026】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。 高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン酸トリ-2-エ
チルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジ
ル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタ
ル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシル、アジピン酸ジ-
2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-2-エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキ
シル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチ
レングリコールジ-2-エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チル。
【0027】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オルゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート〜アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;
オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
【0028】また、感熱層上に感熱層を保護するために
保護層を設けることができる。保護層(厚さ0.1〜5μm)
の材料としては、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂
(特開昭63-221087号公報に記載)、ポリシロキサングラ
フトポリマー(特願昭62-152550号明細書に記載)や紫外
線硬化樹脂又は電子線硬化樹脂(特願昭63-310600号明細
書に記載)等が挙げられる。いずれの場合も、塗布時に
溶剤を用いるが、その溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有
機低分子物質を溶解しにくいほうが望ましい。感熱層の
樹脂及び有機低分子物質を溶解しにくい溶剤としてはn-
ヘキサン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール等が挙げられ、特にアルコール系の
溶剤がコスト面から望ましい。
【0029】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる。中間層の材料とし
ては感熱層中の樹脂母材として挙げたものの他に下記の
ような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。
即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウ
レタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリア
ミド等が挙げられる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらい
が好ましい。
【0030】続いて、前記の感熱層が電子供与性呈色
性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用し
た可逆的熱発色性組成物により形成されるものについて
述べることにする。電子供与性呈色性化合物と電子受容
性化合物との間の発色反応を利用した熱発色性組成物
は、該電子供与性呈色性化合物と該電子受容性化合物を
加熱溶融混合させたときに非晶質の発色体を生成し、一
方、該非晶質の発色体を該溶融温度より低い温度で加熱
したときに該電子受容性化合物が結晶化を起して該発色
体が消色することの現象を利用したものである。
【0031】熱発色性組成物は、加熱により瞬時に発色
し、その発色状態は常温においても安定的に存在し、一
方、発色状態にある組成物は、これを発色温度以下の加
熱により瞬時に消色し、その消去状態は常温においても
安定的に存在するもので、このような可逆的な特異な発
消色挙動は従来には見られない新規な驚くべき現象であ
る。
【0032】この組成物を感熱記録媒体として用いた場
合の発色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図4
に示したグラフによって説明する。グラフの縦軸は発色
濃度を表わし、横軸は温度を表わしており、実線51は
加熱による画像形成過程を、破線52は加熱による画像
消去過程を示したものである。Aは完全消去状態におけ
る濃度であり、BはT5以上の温度に加熱した時の完全
発色状態における濃度であり、Cは完全発色状態のT4
以下の温度における濃度であり、DはT4〜T5間の温度
で加熱消去した時の濃度を示している。
【0033】本発明に係るこの組成物は、T4以下の温
度においては無色の状態(A)にある。記録(画像形
成)を行うにはサーマルヘッド等によりT5以上の温度
に加熱することにより発色(B)して記録画像を形成す
る。この記録画像は実線51に従ってT4以下の温度に
戻しても、そのままの状態(C)を保持しており記録の
メモリー性は失われない。
【0034】次に記録画像の消去を行うには、形成され
た記録画像を発色温度よりも低いT4〜T5間の温度に加
熱することによって無色の状態(D)になる。この状態
はT4以下の温度に戻しても、そのままの無色の状態
(A)を保持している。即ち、記録画像の形成過程は実
線ABCの経路によりCに至り記録が保持される。次に
記録画像の消去過程は破線CDAの経路によりAに至り
消去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙
動特性は可逆性を有し何回も繰り返し行うことができ
る。
【0035】可逆的熱発色性組成物は、発色剤と顕色剤
を必須成分としている。そして、発色剤と顕色剤の加熱
溶融により発色状態を形成し、一方、発色温度よりも低
い温度の加熱により発色状態は消去され、発色状態及び
消色状態が常温で安定的に存在するものである。組成物
におけるこのような発色と消色の機構は、先に触れたよ
うに、発色剤と顕色剤を発色温度で加熱溶融混合した時
に、組成物が非晶質化を起こして発色状態を形成し、一
方、発色温度よりも低い温度で加熱した時に、発色した
組成物の顕色剤が結晶化を起こして発色の消去状態を形
成する特性に基づくものである。ただし、この場合にお
いても感熱層はT5以上の温度に加熱してから消色する
過程がとられることによって、発色剤及び顕色剤の粒子
が元に戻り、新たな発色状態を形成するのに有利であ
る。
【0036】通常の発色剤と顕色剤、例えば、従来の感
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物からなる組成物は、これを加熱によって溶融
混合させると、ロイコ化合物のラクトン環の開環に基づ
く発色状態となる。この発色状態は両者が相溶した非晶
質状態を呈している。この発色した非晶質状態は常温で
安定的に存在するが、再び加熱を行っても結晶化は起こ
らず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分離が
ないためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
【0037】これに対して、本発明に係る発色剤と顕色
剤の組成物も加熱によって溶融混合させた時に、発色状
態となり、従来の場合と同様に非晶質状態を呈し、常温
で安定的に存在する。しかし、本発明の場合は、この発
色した非晶質状態の組成物は、発色温度以下、即ち溶融
状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結晶化が起
こり、発色剤との相溶状態による結合が保持できなくな
り、顕色剤が発色剤から分離する。そして、この顕色剤
の結晶化による発色剤からの分離により、顕色剤は発色
剤から電子を受容することができず、発色剤は消色する
ものと考えられる。
【0038】熱発色性組成物に見られる前記の特異な発
消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による相互溶
解性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色剤
に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係しているが、
原理的には、加熱溶融による非晶質化を起こし、一方、
発色温度よりも低い温度の加熱により結晶化を起こす発
色剤/顕色剤系であれば、本発明における組成物成分と
して利用し得るものである。さらに、この様な特性を有
するものは、熱分析において溶融による吸熱変化及び結
晶化による発熱変化を示すことから、本発明に適用し得
る発色剤/顕色剤系は、熱分解析により容易に確認する
ことができる。また、本発明に係る可逆的熱発色性組成
物系には、第三物質が存在してもかまわず、例えば、高
分子物質が存在してもその可逆的な消発色挙動が保持さ
れることが確認された。本発明の熱発色性組成物におい
て、その消色は顕色剤の結晶化による発色剤からの分離
に起因することから、消色効果のすぐれたものを得るに
は、顕色剤の選択は重要である。
【0039】次に、本発明で好ましく用いられる顕色剤
を例示すると以下の通りであるが、前記のように、本発
明に適用できる顕色剤は熱分析により容易に知見し得る
ので、それらのものに限定されるものでない。 (1)下記一般式(1)で示される有機リン酸化合物 R1−PO(OH)2 (1) (但し、R1は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) この有機リン酸化合物の具体例としては、例えば、以下
のものが挙げられ。 オクチルホスホン酸、ノニルホスホン酸、デシルホスホ
ン酸、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、
ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エ
イコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシ
ルホスホン酸。
【0040】(2)下記一般式(2)で示されるα−位
炭素に水酸基を有する有機酸 R2−CH(OH)COOH (2) (但し、R2は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状アル
キル基又はアルケニル基を表わす) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。 α−ヒドロキシオクタノイック酸、α−ヒドロキシドデ
カノイック酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、
α−ヒドロキシヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシ
オクタデカノイック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシエイコサノイック酸、α−ヒド
ロキシドコサノイック酸等。
【0041】本発明で用いられる発色剤は、電子受容性
を示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体であり、特に限定されず、従来公知のもの例え
ば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン
系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン
系化合物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン
系化合物、インドリノフタリド系化合物等があり、具体
例として以下のようなものが挙げられる。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレッ
トラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタ
リド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラ
ン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p
−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメ
チルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−6−(o
−クロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルア
ミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N
−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾロイ
コメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベ
ンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−
メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、3−
(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2′メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニ
ル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチ
ルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メ
チルフェニル)フタリド、3−(2′−メトキシ−4′
−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ
−4′−クロル−5′−メトキシフェニル)フタリド、
3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリン)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−
クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−ク
ロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミ
ノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)
−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチ
ル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−ク
ロロ−3−(N−メトキシトルイジノ)−7−(p−n
−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N
−イソプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタ
リド、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミ
ノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′
−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル
−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2
−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフル
フリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′,5′−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−
イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン等。
【0042】本発明で用いられる特に好ましい発色剤
は、置換基としてハロゲンを含有するものである。この
ようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられ
る。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−
ジプロピルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミノ
−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−
(m−トリフロロメチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o
−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロル−7−(2′,3′−ジクロルフェ
ニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−
6−クロル−7−エトキシエチルアミノ−フルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミ
ノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロ
モフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3
−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミ
ノ−フルオラン、6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾ
インドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−メトキシ−
4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロ
キシ−4′−クロル−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、2−{3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)}−9−(o−クロルフェニル)アミノ−キサンチ
ル安息香酸ラクタム等。
【0043】本発明で用いる時に好ましい発色剤は、次
の一般式(3)で示される化合物である。
【化1】 (但し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基、R4は水素原子又は置換されていてもよいアミノ
基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェ
ニルアミノ基、mは1又は2の整数、Yは炭素数1〜4
のアルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基、nは1
又は2の整数を表わす。)
【0044】この一般式(3)で示される化合物の具体
例を示すと、例えば、以下のものが例示される。 3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ
−フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミ
ノ)−7−アミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−
N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p
−メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラ
ン、3−{N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−エチルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(2',
4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(2',4'−ジメチル
フェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−プロピル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−クロルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニル
アミノ)−7−メチルアミノ−フルオラン、3−(N−
エチル−N−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フ
ルオラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−
7−メチルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−エチルアミノ
−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−ベンジルアミノ−フルオラン、
3−{N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニ
ル)アミノ}−7−メチルアミノ−フルオラン、3−
{N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)ア
ミノ}−7−エチルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−
7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−
N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベ
ンジルアミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フ
ェニルアミノ)−7−ジメチルアミノ−フルオラン、3
−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−ジメチルア
ミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、3−(N−
メチル−N−フェニルアミノ)−7−ジプロピルアミノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−
7−ジプロピルアミノフルオラン、3−{N−メチル−
N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジル
アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メ
チルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルアミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノ−
フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−7−アセチルアミノ−フルオラン、3
−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}
−7−ベンゾイルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−(o−
メトキシベンゾイル)アミノ−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メ
チル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチ
ル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−ter
t−ブチル−7−(p−メチルフェニル)アミノ−フル
オラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6
−メチル−7−(N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ−フルオラン、3−{N−プロピル−N−
(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−7−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−5−メチル−7−ベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−クロロ−7−ジベンジルアミノ−フ
ルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−5−メトキシ−7−ジベンジルアミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−6−メチル−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メ
トキシ−フルオラン等。
【0045】顕色剤は単独もしくは二種以上混合して適
用される。また、発色剤についても同様に単独もしくは
二種以上混合して適用することができる。熱発色性組成
物は、支持体上に感熱層として形成させて可逆的感熱記
録材料として用いることができる。この場合、可逆的感
熱記録材料は、従来公知の方法に従い、発色剤及び顕色
剤をバインダーと共に水、又は有機溶剤により均一に分
散もしくは溶解して、これを基体上に塗布することによ
って得られる。
【0046】バインダーとしては慣用の種々のバインダ
ーを適宜用いることができ、例えばポリビニールアルコ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、メトキシセルロース、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、ゼラ
チン、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビ
ニールピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸共
重合体、アクリル酸共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニール、ポリ酢酸ビニール、ポリアクリル酸エステル
類、ポリメタクリル酸エステル類、塩化ビニール/酢酸
ビニール共重合体、スチレン共重合体、ポリエステル、
ポリウレタン等がある。
【0047】本発明では必要に応じて塗布特性或いは記
録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられて
いる種々の添加剤、例えば分散剤、界面活性剤、填料、
発色画像安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤等を加
えることも出来る。
【0048】さらに、保護層や中間層が必要により設け
られてよいことは既述のとおりである。
【0049】本発明における前記の支持体(基体)は使
用目的により、紙、合成紙、プラスチックフィルム或い
はそれらの複合物であってもよく特に限定されない。ま
た、本発明の可逆性感熱記録媒体においては、それが長
尺のものであっても、エンドレス状のものであってもか
まわない。
【0050】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。ここでの部は重量基準である。
【0051】実施例1 (可逆性感熱記録フィルムの作製) 厚さ約100μmのポリエステルフィルム(支持体)上に ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂 40部 (UCC社製VYHH) THF 150部 トルエン 15部 からなる液を塗工・乾燥して可逆性感熱記録材料による
感熱記録層(厚さ約7μm)を設けた。次に、感熱記録
層の上に以下の組成からなる液を塗工・乾燥そしてUV
照射をおこなってUV硬化樹脂からなる保護層(約2μ
m)を設け、第2の特定温度として約100℃以上で白
濁状態になり、第1の特定温度の領域が約70℃以上1
00℃までで透明状態になるという特性の可逆性感熱記
録フィルムを作成した。 (保護層形成液組成) ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチ ル溶液(大日本インキ化学社製:ユニディックC7−157) 10部 トルエン 10部 続いて、サーマルヘッドによって可逆性感熱記録フィル
ムに白濁画像の形成をし、ヒートローラーによって透明
化を行ない、これを1000回まで繰返した。このとき
10回に1回の割合でヒートローラーの温度を画像形成
の温度にまで上げて可逆性感熱記録フィルムの加熱を行
なった。なお、このときのヒートローラーの加重を20
0g、加重面積を約5cm2で、最大圧力を150g/
cm2以下とした。また、フィルムの送りスピードは毎
秒3cmで可逆性感熱記録フィルムがヒートローラーに
接触している時間は約0.1秒だった。サーマルヘッド
による画像記録の繰返しによる画像濃度の変化を測定
し、その結果をまとめて表1に示す。
【0052】実施例2 実施例1と同じ可逆性感熱記録フィルムを用い、画像形
成及び消去の1000回までの繰返しにおいて、10回
に1回の割合で温風によって可逆性感熱記録フィルムを
画像形成の温度以上まで加熱した。サーマルヘッドによ
る画像記録の繰返しによる画像濃度の変化を測定し、そ
の結果をまとめて表1に示す。
【0053】実施例3 実施例1と同じ可逆性感熱フィルムを用い、サーマルヘ
ッドによって感熱記録フィルムに白濁画像の形成をし、
次に温風によって感熱記録フィルムを画像形成温度以上
まで加熱し、その後ヒートローラーによって透明化を行
なうという工程を1000回まで繰返した。サーマルヘ
ッドによる画像記録の繰返しによる画像濃度の変化を測
定し、その結果をまとめて表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1と同じ可逆性感熱記録フィルムを用い、この感
熱記録フィルムにサーマルヘッドによって白濁画像の形
成をし、次にヒートローラーによって可逆性感熱記録フ
ィルムを画像形成温度以上まで加熱し、その後ヒートロ
ーラーによって透明化を行なうという工程を1000回
まで繰返した。なお、このときのヒートローラーの加重
を200g、加重面積を約3cm2で、最大圧力を15
0g/cm2以下とした。また、フィルムの送りスピー
ドは毎秒3cmで可逆性感熱記録フィルムがヒートロー
ラーに接触している時間は約0.2秒だった。サーマル
ヘッドによる画像記録の繰返しによる画像濃度の変化を
測定し、その結果をまとめて表1に示す。
【0055】実施例5 実施例1と同じ可逆性感熱記録フィルムを用い、この感
熱記録フィルムにサーマルヘッドによって白濁画像の形
成をし、次にヒートブロックによって図2の様にして可
逆性感熱記録フィルムを約1秒間、画像形成温度以上ま
で加熱し、そのあとヒートローラーによって透明化を行
なうという工程を1000回まで繰返した。なお、この
ときのヒートブロックの加重を100g、加重面積を約
3cm2で、最大圧力を40g/cm2とし、また、動摩
擦係数を約0.1とした。また、フィルムの送りスピー
ドは毎秒3cmで可逆性感熱記録フィルムがヒートブロ
ックに接触している時間は約0.1秒だった。サーマル
ヘッドによる画像記録の繰返しによる画像濃度の変化を
測定し、その結果をまとめて表1に示す。
【0056】比較例 実施例1と同じ可逆性感熱記録フィルムを用い、サーマ
ルヘッドによって感熱記録フィルムに白濁画像の形成を
し、ヒートローラーによって透明化を行ない、これを1
000回まで繰返した。サーマルヘッドによる画像記録
の繰返しによる画像濃度の変化を測定し、その結果をま
とめて表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、異なった文字、図形を
自由に記録でき、またこれらを消去できる可逆性感熱記
録材料の耐久性が従来のサーマルヘッドよりも高い記録
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートローラーで可逆性感熱記録材料の感熱面
を加熱加圧している状態を表わした図。
【図2】ヒートブロックで可逆性感熱記録材料の感熱面
を加熱加圧している状態を表わした図。
【図3】本発明に係る可逆性記録材料において画像の形
成・消去を説明するための図。
【図4】本発明に係る可逆性記録材料において画像の形
成・消去を説明するための図。
【符号の説明】
1 ヒートローラ− 2 可逆性感熱記録材料 3 送りローラ 4 ヒートブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温より高い第1の特定温度で第1の色
    の状態となり、その第1の特定温度よりも高い第2の特
    定温度で加熱後冷却することにより第2の色の状態とな
    る可逆性感熱記録材料を用い、第1の色の状態から第2
    の色の状態に変化させる画像形成をサーマルヘッドで行
    なう画像記録方法において、画像記録の繰返しの間に、
    該可逆性感熱記録材料を第2の特定温度以上の温度に加
    熱することを特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の特定温度以上の温度に可逆性
    感熱記録材料を加熱する際、その可逆性感熱記録材料に
    かかる圧力は0.5kg/cm2以下である請求項1記
    載の画像記録方法。
JP9391392A 1991-12-20 1992-03-18 画像記録方法 Pending JPH05262035A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9391392A JPH05262035A (ja) 1992-03-18 1992-03-18 画像記録方法
US07/992,744 US5310718A (en) 1991-12-20 1992-12-18 Method of compensating for distortion in recording layer in reversible thermosensitive recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9391392A JPH05262035A (ja) 1992-03-18 1992-03-18 画像記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05262035A true JPH05262035A (ja) 1993-10-12

Family

ID=14095715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9391392A Pending JPH05262035A (ja) 1991-12-20 1992-03-18 画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05262035A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3496047B2 (ja) 情報記録部及び画像記録部を有するカードに情報及び画像を記録する方法
US5489494A (en) Image formation method using reversible thermosensitive recording material
JPH04247985A (ja) 可逆的感熱記録材料
JP3666664B2 (ja) 可逆的多色感熱記録媒体
JP3198472B2 (ja) 画像記録方法
JPH05262035A (ja) 画像記録方法
JPH06127184A (ja) カードの処理方法
JP3326693B2 (ja) 感熱表示付きカード
JPH05318917A (ja) 画像記録方法
JP3368384B2 (ja) 可逆性感熱記録材料、その製造方法及びそれを使用した画像表示方法
JP3357997B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体
JP3295746B2 (ja) 可逆性感熱記録媒体及びそれを用いた画像記録方法
JPH06199042A (ja) 画像記録方法
JPH061066A (ja) 可逆的熱発色性組成物およびそれを用いた記録媒体
JP3073857B2 (ja) 可逆性感熱記録材料の画像記録方法
JPH05294064A (ja) 可逆性感熱記録材料の記録方法
JPH05318918A (ja) 可逆性感熱記録体
JPH0776170A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びこれを用いた画像形成・消去方法
JPH07195843A (ja) 可逆性感熱記録媒体の画像消去方法及び装置
JPH07117352A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH07186552A (ja) 可逆性感熱記録媒体の画像消去方法及び装置
JPH06210956A (ja) 可逆性感熱記録材料を有する表示媒体の記録方法
JPH071840A (ja) 可逆性感熱記録媒体
JPH05297677A (ja) 可逆性感熱記録画像の形成方法及び装置
JPH09207437A (ja) 可逆性感熱記録媒体及びその製造方法