JPH05277603A

JPH05277603A - コイリングマシンの曲げダイス

Info

Publication number: JPH05277603A
Application number: JP10896692A
Authority: JP
Inventors: Noriyuki Irie; 紀之入江
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-03-31
Filing date: 1992-03-31
Publication date: 1993-10-26

Abstract

(57)【要約】【目的】テーパー付きコイルバネが製造可能で、かつ
曲げダイスピンが２本式のコイリングマシンに於いて、
各ピンを前進・後退させる移動機構及びその移動制御を
簡単にする。【構成】異なった角度で位置する２本の曲げダイスピ
ン５，６を１個のピンホルダー７が固定支持している。
レバー１０の先端にピンホルダー７が付いていて、レバ
ー１０の回動に伴ってピンホルダー７は円弧軌跡で移動
する。レバー１０は直線方向に駆動されるスライド板２
５に連結している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はコイルバネ、特に円錐
形、鼓形、樽形などのテーパー付きのコイルバネを作る
コイリングマシンに用いる曲げダイスに関する。

【０００２】

【従来の技術】コイリングマシンは、線材を曲げダイス
ピンに突き当てるように送り出して、線材に連続的な曲
げを付与し、コイルバネを製作する。そして、テーパー
付きのコイルバネを作る場合には、曲げダイスピンをゆ
っくりと移動させながらコイリングする。

【０００３】従来のテーパー付き用コイリングマシンで
は、曲げダイスピンが１本式のものと、２本式のものと
があり、いずれも曲げダイスピンは移動自在になってい
る。１本式の場合は、ピンが単数である為、単に直線方
向に移動させればよく、構造は簡単である。ところが、
２本式の場合には、２本を一体として同一方向に直線移
動させてもきれいなコイル形式を行えないので、各ピン
を互いに異なる方向に別個に移動させる構造になってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
テーパー付き用の２本式のコイリングマシンでは、各曲
げダイスピンを個々に独立して移動させる方式であるか
ら、その為の移動用の駆動手段も２個必要となり、その
分、構造が複雑となり、かつ、部品コストも上昇する。
その上、移動中の２本のピンの相対位置はコイル形成に
とって非常に重要であるので、各ピンの移動制御を精密
に行わなければならず、制御装置が高価になる欠点があ
る。

【０００５】本発明はこのような点に鑑み、２本ピン式
のコイリングマシンに於いて、２本のピンを一体の状態
で移動させてコイリングできるようにし、構造及び制御
の簡素化を図ったコイリングマシンの曲げダイスピンを
提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のコイリングマシ
ンの曲げダイスピンの技術的手段は、２本の曲げダイス
ピンと、この２本の曲げダイスピンを異なった角度で固
定支持するピンホルダーと、ピンホルダーを先端部で支
持する回動自在なレバーと、レバーに回動力を付与する
駆動装置とからなり、２本の曲げダイスピンはピンホル
ダーに一体的に支持された状態で、レバーの回動によっ
て、円弧軌跡で前進・後退移動するようになっているこ
とにある。

【０００７】

【作用】本発明のコイリングマシンの曲げダイスでは、
２本の曲げダイスピンは共に１個のピンホルダーに固定
支持されていて、両ピンは一体となって移動する。レバ
ーは回動自在に支持されているので、駆動装置から力が
付与されると、軸支点を中心にして回動する。ピンホル
ダーはレバーの先端に支持されているので、レバーの回
動に伴って円弧軌跡で移動する。

【０００８】２本の曲げダイスピンはピンホルダーと一
体移動するので、コイリング位置に対して円弧軌跡で前
進・後退移動することになり、この結果、２本のピンは
一体移動するにかかわらず、どの後退位置ででもテーパ
ー付きコイリングに適した位置を占めるようになる。

【０００９】

【実施例】本発明のコイリングマシンの曲げダイスピン
を図面の実施例について説明する。線材Ａは、対向設置
された線送りローラー１，２によって両面から挟み付け
るようにして送り出される。また、その線材Ａは線ガイ
ド３によって案内される。４はコイリング位置に固定状
に設けられた芯金である。

【００１０】コイリング位置には２本の曲げダイスピン
５，６が設けられている。５は第１ピン、６は第２ピン
であって、両ピン５，６は互いに異なった向き、実施例
では約９０゜の角度で位置する。７は両方のピン５，６
をそれぞれ位置調節自在に支持するピンホルダーであ
る。この為、各ピン５，６はピンホルダー７に対して出
没方向に位置の微調節が可能であり、これにより、形成
するコイルの密着強さを調節できるようになっている。
８，９はピン固定用ボルトである。

【００１１】ピンホルダー７はレバー１０の先端部にボ
ルト１１によって取付けられている。また、ピンホルダ
ー７に設けられたボルト孔１２は弧状の長孔になってい
る。この為、レバー１０に対するピンホルダー７の取付
位置は、ボルト１１を支点とする回動の他、ボルト孔１
２に沿っての位置移動が可能である。そして、この位置
調節によって、テーパーの形状を別の比率に変えること
ができるようになっている。

【００１２】レバー１０は回動体１５に位置調節自在に
取付けられている。回動体１５は下面に固着された軸１
６を中心にして回動可能である。レバー１０と回動体１
５との取付機構１７の詳細は第２図に示されている。レ
バー１０には長孔１８が設けられていて、ここに回動体
１５の突出部１９が移動自在に嵌入している。２０は嵌
入結合を保持する為の上面押えである。２１はボルト
で、突出部１９に螺合している。ボルト２１には２個の
フランジ２２が設けられていて、このフランジ２２間に
レバー１０を挟み込んでいる。この為、ボルト２１はレ
バー１０に対して軸線方向への移動ができないので、ボ
ルト２１を回転させると、ボルト２１に螺合している突
出部１９との相対位置が変わる。即ち、ボルト２１の回
転によって、回動体１５に対するレバー１０の取付位置
を調節できるのである。そして、この調節により、形成
するコイルの径を変えることができるようになってい
る。

【００１３】２５はスライド板で、接合子２６が取付け
られている。接合子２６はレバー１０の背面側に接触
し、押えバネ２７で保持されている。また、スライド板
２５は移動基体２８に取付けられていて、移動基体２８
と一体となって前進・後退方向に移動する。スライド板
２５の移動基体２８に対する取付けは、ボルト２９と長
孔３０とによっているので、取付位置の調節が可能であ
る。なお、移動基体２８には別の駆動装置（図示せず）
により移動力が付与される。

【００１４】従って、移動基体２８が直線方向に移動さ
せられると、これと一体になってスライド板２５が動
き、この動きが接合子２６を介してレバー１０に伝わ
り、レバー１０は軸１６を中心にして回動する。そして
レバー１０の先端に取付けられた２個の曲げダイスピン
５，６が両者一体となって軸１６を中心として円弧軌跡
で移動する。

【００１５】３１は線材Ａを切断するためのカッター
で、駆動装置（図示せず）によって、出没移動させられ
る。３２はコイル形成時のピッチ出しで、出没自在に設
けられている。

【００１６】図３に示されているのは、本コイリングマ
シンで製作されたテーパー付きコイルバネの１例の円錐
形コイルバネＢである。なお、Ｃは中央のコイル部、Ｄ
は前端の底部、Ｅは後端の座部である。

【００１７】次に図４によってコイルの形成状態を説明
する。図のａは巻き始めの座部Ｄ形成時の状態である。
曲げダイスピン５，６は前進位置にあり、コイルは小径
で、かつ真円形（テーパーなし）に巻かれる。この時に
は、カッター３１及びピッチ出し３２は後退位置にあ
る。

【００１８】図のｂはテーパー付きでコイル部Ｃを形成
する時の状態である。曲げダイスピン５，６は後退位置
にある。曲げダイスピン５，６はレバー１５の軸支点を
中心とする円弧軌跡で移動するので、後退した時には第
２ピン６は第１ピン５より後退量がより大きくなり、こ
の結果、テーパー付きのコイルをきれいに巻くことがで
きるようになる。また、後退の程度によりコイル径が変
るので、その後退速度及び後退量を制御することによ
り、種々の形状のテーパー付きコイルバネを製作でき
る。この時には、カッター３１は後退位置にあるが、ピ
ッチ出し３２は前進位置にある。また、ピッチ出し３２
の前進量を制御することによって、巻きピッチの調節が
できる。

【００１９】図のｃは巻き終わりの座部Ｅを形成する時
の状態である。曲げダイスピン５，６は前進位置に戻
り、小形で、真円形にコイルが巻かれる。この時には、
ピッチ出し３２は後退する。座部Ｅの形成完了後にカッ
ター３１が前進してきて、線材Ａを切断する。

【００２０】なお、本発明は前記の実施例に限定される
ものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で自由に
変形実施可能である。特に、曲げダイスピン５，６の支
持構造、ホルダー７やレバー１０の形状及び取付構造、
レバー１０の回動力付与形式などは自由に設計変更でき
る。

【００２１】

【発明の効果】本発明のコイリングマシンの曲げダイス
では、２本の曲げダイスピンが共に１個のピンホルダー
に取付けられていて両ピンを一体にして前進・後退移動
させる形式である為、駆動機構や制御が簡単となる。

【００２２】更に、曲げダイスピンは円弧軌跡で移動す
る為、どの後退位置ででも２本の曲げダイスピンが最適
位置を占めるようになり、テーパー付きのコイルをきれ
いに巻くことができる。

【００２３】その上、本発明では構造が簡単となった分
だけ、製造が容易となり、コストの低下を図ることがで
き、かつ、取扱いが平易になるなどの実用上の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるコイリングマシンの要
部を示す正面図。

【図２】レバーの取付機構を示す断面図。

【図３】円錐形コイルバネの側面図。

【図４】コイル製造工程を段階的に示した図。

【符号の説明】

Ａ線材１，２線送りローラー４芯金５，６曲げダイスピン７ピンホルダー１０レバー１１ボルト１２ボルト孔１５回動体１６軸１７取付機構２５スライド板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】２本の曲げダイスピンと、この２本の曲
げダイスピンを異なった角度で固定支持するピンホルダ
ーと、ピンホルダーを先端部で支持する回動自在なレバ
ーと、レバーに回動力を付与する駆動装置とからなり、
２本の曲げダイスピンはピンホルダーに一体的に支持さ
れた状態で、レバーの回動によって、円弧軌跡で前進・
後退移動するようになっているコイリングマシンの曲げ
ダイス。