JPH0527701U - 投射型表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱分布を均一化して、偏光板の劣化を抑えた
長寿命の偏光ビームスプリッタを有する投射型液晶表示
装置を提供する。 【構成】 光源から出射された光を受光する受光面を有
する偏光ビームスプリッタを含む投射型表示装置におい
て、偏光ビームスプリッタは中空のガラス筐体と、ガラ
ス筐体の内部面に貼着された偏光板と、ガラス筐体の内
部に充填されかつガラス筐体の屈折率と略同等の屈折率
を有した液体とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】

本考案は、光源から出射された光束を受光する受光面を有する偏光ビームスプ リッタを含む投影光学系を有する投射型表示装置に関する。

【０００２】

【背景技術】

かかる投射型表示装置としては反射型光導電型液晶ライトバルブを用いたもの があり、図４に投射型液晶表示装置の構成の一例を示す。図において、反射型光 導電型液晶ライトバルブ１は、ＣＲＴ（陰極線管）２のフロントフェイスに結合 されている。ＣＲＴは、そのフロントフェイスに表示された像を光ファイバ層を 介して各導電型液晶ライトバルブの光導電層に書き込む。光導電層の電位に応じ て液晶層に複屈折が生じ投影画像の濃淡が形成される。

【０００３】 一方、メタルハライドランプ等の光源３から発せられた光束は、コールドミラ ー４及びコンデンサレンズ５を経て、偏光ビームスプリッタ６に入射する。この 入射光のうちＰ偏光成分は、偏光ビームスプリッタ６を通過する。Ｓ偏光成分の 多くは、偏光ビームスプリッタ６で進行方向が曲げられて光導電型液晶ライトバ ルブ１へ入射する。偏光ビームスプリッタ６の上流には、偏光度を高めるために 偏光板７が設けられている。

【０００４】 ここで、光導電型液晶ライトバルブ１の液晶層にＣＲＴの画像に対応した複屈 折率が生じていると、光導電型液晶ライトバルブにおいて反射された反射光中で は液晶層の複屈折率に応じてＳ偏光成分がＰ偏光成分に変換される。そして、こ の反射光中のＰ偏光成分が偏光ビームスプリッタ６をそのまま通過することによ り、このＰ偏光成分すなわち投影光による像が投影レンズ８を介してスクリーン ９上に投影される。このように、液晶層は光スイッチをなす。

【０００５】 このようなメタルハライドランプ等の高輝度な光源であると、投影型表示装置 筺体中に偏光ビームスプリッタ、偏光板等の光学素子が配置されているので、偏 光板及び偏光ビームスプリッタを通過しても偏光されない余分な光（以下、漏れ 光という）は多く下流の光学系に達し、最終的には熱へ変わる。また、偏光ビー ムスプリッタ６上流の偏光板７は、熱対策から熱容量の多い偏光ビームスプリッ タ６に貼り付けることが一般的である。

【０００６】 しかし、偏光板７は約６０％の光を吸収するため、熱によりその偏光特性が劣 化する。また、ガラスからなる偏光ビームスプリッタは、光吸収率が高く熱によ る内部応力歪によりレタデーションが発生するので、その偏光効果には限界があ る。また、メタルハライドランプからの光束の光量分布は中心部が高いゆえに、 熱により偏光板の中心部が周囲よりもより先に劣化する。偏光板７の風冷が行わ れるが、その表面に沿った空気の吹き付けしか出来ず、十分な冷却が達成されて いない。

【０００７】

【考案の目的】

本考案の目的は、受光する光源からの光による過熱を防止した偏光ビームスプ リッタを含む投射型表示装置を提供することにある。

【０００８】

【考案の構成】

本考案の投射型表示装置は、光源から出射された光を受光する受光面を有する 偏光ビームスプリッタを含む投射型表示装置であって、前記偏光ビームスプリッ タは中空のガラス筐体と、前記ガラス筐体の内部面に貼着された偏光板と、前記 ガラス筐体の内部に充填されかつ前記ガラス筐体の屈折率と略同等の屈折率を有 した液体とからなることを特徴とする。

【０００９】

【考案の作用】

かかる構成により、偏光板の冷却が十分に達成される。

【００１０】

【実施例】 図１は本考案による実施例の投射型表示装置を示す。この投射型表示装置は、 光源から出射された光を受光する液体充填偏光ビームスプリッタ６０を含み、他 の構成部材は図４の同一符号に示すものと同一である。液体充填偏光ビームスプ リッタ６０により、放熱効果が向上する。

【００１１】 図２に示すように、本実施例における液体充填偏光ビームスプリッタ６０は、 透明ガラス平板６１によって４面又は６面を囲い封止剤で周囲を固めてガラス筐 体６２を形成し、その内部に対角線に沿って薄膜偏光子６３を配置して内部を２ つに仕切り、入射側のガラス平板６１の内部面に偏光板６４を貼着し、ガラス平 板６１の屈折率と略同等の屈折率を有した液体６５を内部空間に充填して、構成 されている。

【００１２】 ガラス平板６１はＢＫ７と呼ばれる硝材からなり、屈折率が１．５２のである 。封入される液体６５は、エチレングリコールとアルコールとの混合液体であり 、屈折率が１．５２である。 このように、液体６５を内部空間に充填したガラス筐体６２の内部面に偏光板 ６４を貼着しているので、対流、高熱伝導率により熱伝導が大きくなり偏光板６ ４の冷却効果が増大する。さらに、偏光板６４が外部に曝されないので、埃等の 汚れに対する防御が十分なされる。

【００１３】 また、図３に示すように、他の実施例における液体充填偏光ビームスプリッタ ６０においては、偏光板６４の両面を第２ガラス平板６６によって挾持して封止 剤で周囲を固めてサンドイッチ構造にし、この積層体をガラス筐体６２の内部面 に貼着して、構成されている。このガラス平板６６によるサンドイッチ構造によ り、内部の封入液体６５によって偏光板６４が犯されることがなくなる。

【００１４】 ここで、第２ガラス平板６６は透明石英ガラスを用いることが好ましい。第１ に透明石英ガラスは最も透過率の優れた材質であり、第２に熱膨張係数が５．４ ×１０￣⁷（deg￣¹）であり耐熱性が高い、熱伝導率が１４．２〜１９．０（W/m・ K）と高いからである。よって、石英ガラス平板６６によるサンドイッチ構造は 、熱分布が均一となり、偏光板は熱で劣化しなくなる。

【００１５】 この屈折率（ｎ＝１．４５８）を有する透明石英ガラスを第２ガラス平板６６ に用いる場合など、内部の封入液体６５又はガラス平板６６の屈折率と第２ガラ ス平板６６の屈折率とが異なるときは、第２ガラス平板６６の両面を反射防止膜 ６７で被う。これによって、第２ガラス平板の界面での反射の損失を防ぐことが 出来る。反射防止膜６７を封入液体６５に接するガラス平板の表面に施すことに よって、液体充填偏光ビームスプリッタ６０における更なる各界面における反射 の損失を減少させることが出来る。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、光源から出射された光を受光する受光面を有する偏光ビーム スプリッタを含む投射型表示装置において、偏光ビームスプリッタは中空のガラ ス筐体と、ガラス筐体の内部面に貼着された偏光板と、ガラス筐体の内部に充填 されかつガラス筐体の屈折率と略同等の屈折率を有した液体とからなるので、熱 分布を均一化して、偏光板の劣化を抑えた長寿命の投射型液晶表示装置を得るこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による反射型の投射型液晶表示装置の概
略図である。

【図２】図１に示す実施例の投射型表示装置の液体充填
偏光ビームスプリッタの断面図である。

【図３】他の実施例における液体充填偏光ビームスプリ
ッタの拡大部分断面図である。

【図４】従来の反射型の投射型液晶表示装置の概略図で
ある。

【符号の説明】

１……光導電型液晶ライトバルブ ２……ＣＲＴ ３……メタルハライドランプ ４……コールドミラー ５……コンデンサレンズ ８……投影レンズ ９……スクリーン ６０……液体充填偏光ビームスプリッタ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源から出射された光を受光する受光面
   を有する偏光ビームスプリッタを含む投射型表示装置で
   あって、前記偏光ビームスプリッタは中空のガラス筐体
   と、前記ガラス筐体の内部面に貼着された偏光板と、前
   記ガラス筐体の内部に充填されかつ前記ガラス筐体の屈
   折率と略同等の屈折率を有した液体とからなることを特
   徴とする投射型表示装置。
2. 【請求項２】 前記偏光板は一対のガラス板に挾持され
   ていることを特徴とする請求項１記載の投射型表示装
   置。