JPH0527697A - 信号伝送回路及びその関連部品 - Google Patents

信号伝送回路及びその関連部品

Info

Publication number
JPH0527697A
JPH0527697A JP3205651A JP20565191A JPH0527697A JP H0527697 A JPH0527697 A JP H0527697A JP 3205651 A JP3205651 A JP 3205651A JP 20565191 A JP20565191 A JP 20565191A JP H0527697 A JPH0527697 A JP H0527697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal transmission
signal
transmission line
circuit
impedance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3205651A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Sano
勇司 佐野
Michitaka Osawa
通孝 大沢
Koji Kito
浩二 木藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP3205651A priority Critical patent/JPH0527697A/ja
Publication of JPH0527697A publication Critical patent/JPH0527697A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Television Systems (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高解像度の画面を表示可能な広帯域駆動回路
を備えた受像管に対する信号伝送回路として、電波の不
要輻射を抑え、かつ信号電圧を2倍化する必要もない信
号伝送回を提供する。 【構成】 駆動回路基板1からの信号を伝送線2を介し
て受像管基板3に伝送する信号伝送回路において、駆動
回路基板1上の信号源4の電圧を増幅するトランジスタ
12の出力インピーダンス11と、伝送線2の特性イン
ピーダンスと、受像管基板3上の受端インピーダンス7
の値と、を等しくして信号反射波を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広帯域駆動回路を備え
て高解像度の画面を表示可能な受像管表示装置に対し、
ビデオ信号を伝送して印加するのに用いる信号伝送回路
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、表示装置の高解像度化に伴って、
受像管駆動回路の必要周波数帯域は、益々広帯域化して
いる。特に、表示装置がCAD/CAM用のコンピュー
タディスプレイ等である場合には、50MHzから30
0MHz程度が必要になってきている。また、駆動信号
の電圧振幅はモノクロ−ム受像管で30V程度、カラ−
受像管では50V程度が要求され、最近の表示画面の大
型化に伴って更なる大振幅化が進んでいる。
【0003】この結果、受像管駆動回路の消費電力は増
大し、該駆動回路を構成する回路部品の大型大重量化が
避けられず、駆動回路全体を、受像管ネック部に保持さ
れている基板上に、実装することは実用上困難となる。
従って、大きく重くなった駆動回路は、受像管の近傍に
配置され、適当な長さの信号線を介して受像管ネック部
に接続されることになる場合が多い。
【0004】しかし、かかる信号線を介して広帯域大振
幅信号を伝送する場合、信号線の長さが短くても、そこ
からの電磁波の不要輻射が発生することが問題となる。
不要輻射による周辺の電子機器の誤動作や人体への悪影
響が懸念されるため、最近ではその規制も強化されてい
る。
【0005】この問題点を考慮して、特開昭63−13
6882号公報に記載されている、従来の広帯域受像管
駆動回路を図7に示す。同図において、ビデオ信号源4
と増幅器6を搭載した駆動回路基板1が、同軸ケ−ブル
による信号伝送線2を介して受像管5のソケットを搭載
した受像管基板3に接続されている。同軸ケ−ブル(信
号伝送線2)の外部導体の接地により電界シ−ルドを施
すことによって、広帯域大振幅信号を伝送する際の伝送
線からの不要輻射は大幅に抑制できる。
【0006】信号伝送においては、増幅器6の出力イン
ピ−ダンス10にインピ−ダンス整合抵抗8を加えて得
られるインピ−ダンスが、伝送線2の特性インピ−ダン
スに等しくなるようにして信号反射を抑えている。かか
る整合伝送方式とすることで、伝送線2の容量性インピ
−ダンスの影響による伝送時の周波数特性の劣化を抑
え、広帯域伝送を可能としている。伝送線2と受像管5
との接続点につながれた受端インピ−ダンス7は、この
場合、受像管5のカソ−ド端子の入力容量を表わしてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、伝送すべき信号に信号歪が発生することによる不要
輻射の増加と、駆動回路の消費電力増大と、が問題とな
る。図7における伝送線2の入力リアクタンスXiは、
図8の特性図に示すように、伝送線の長さlと伝送線上
の信号波長λに応じた周波数の周期Δfで、容量性と誘
導性との間を変化する。
【0008】従って、図7に示した従来の駆動回路の場
合には、整合抵抗8と伝送線2との間に現われる信号電
圧に歪が発生する。また、図7においては、伝送線の送
端部でのみ終端しているため、受端部における反射が一
定の時間周期で絶えず送端部に戻って信号に加わり歪を
生じる。
【0009】これらの歪は、信号に不要なシュ−トを加
えると同時に、信号の周波数帯域を上回る高域に信号ス
ペクトラムを拡げる。また、信号反射に伴って、同軸ケ
−ブル(信号伝送線2)の外部導体の外側および基板
(グランド)との間のル−プにも信号電流が流れて不要
な誘導磁界が生じることも多い。従って、信号反射の存
在によって不要輻射は増加する。
【0010】この問題を解決する方法としては、受端イ
ンピ−ダンス7を、整合抵抗8と伝送線2の特性インピ
−ダンスに等しくなるようにして、受端部における反射
も抑えることが考えられる。しかし、その場合には、整
合抵抗8と受端インピ−ダンス7との間の分圧比を考慮
して、増幅器6の出力信号源9の電圧を2倍化しなけれ
ばならず、駆動回路の消費電力増大と駆動回路基板1か
らの不要輻射の増加を避けられない。
【0011】本発明の目的は、駆動回路の消費電力増大
を招くことなく、不要輻射の発生を抑えることのできる
広帯域な信号伝送回路と、その関連部品を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による信号伝送回
路においては、伝送すべき信号を増幅する増幅器の出力
インピ−ダンスを、信号伝送線の送信側端子において、
該伝送線と並列に接続し、信号伝送線のもう一方の端部
である受信側端子には、受端インピ−ダンスと負荷を並
列に接続する。
【0013】
【作用】増幅器の出力インピ−ダンスを、信号伝送線の
送信側端子において、該伝送線と並列に接続することに
より、増幅器の出力信号源の電圧を、負荷への供給電圧
の2倍にすることなく等しい振幅に抑えて、信号を整合
伝送することが出来る。
【0014】この結果、駆動回路の消費電力と駆動回路
基板からの不要輻射が抑えられる。また、伝送線のもう
一方の端部(受信端)に受端インピ−ダンスと負荷を並
列接続することにより、受端部における信号の反射が抑
えられ、信号歪と不要輻射の発生が抑制される。以上の
作用により、不要輻射の発生を抑えた広帯域な信号伝送
回路を提供することができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明にかかる信号伝送回路の基本
的な実施例を示す回路図である。同図において、1は駆
動回路基板、2は信号伝送線、3は受像管基板、4は信
号源、5は受像管、7は受端インピーダンス、11は出
力インピーダンス、12はトランジスタ、13はエミッ
タインピーダンス、14は電源、15〜18はそれぞれ
端子、19は電源、である。
【0016】図1を参照する。信号源4の電圧を、トラ
ンジスタ12からなるエミッタ接地増幅回路で増幅し
て、該信号源4及びトランジスタ12等を搭載した駆動
回路基板1から、伝送線2に出力する。その際、エミッ
タ接地増幅回路(トランジスタ12)の出力インピ−ダ
ンス11は、伝送線2の入力端子15と、前記増幅回路
の出力端子であるトランジスタ12のコレクタ端子と、
の間に伝送線2と並列に接続されているが、交流的には
伝送線2の入力端子対15と16の間を終端している。
【0017】また、受像管基板3上では、伝送線2から
送られてきた信号を受端インピ−ダンス7で終端して受
像管5の駆動端子に伝えている。この構成により、従来
の回路を示した図7において見られた如き、整合抵抗8
と受端インピ−ダンス7との間での信号電圧の分圧が避
けられ、駆動回路基板1上の前記増幅回路(トランジス
タ12)の出力電圧を受像管5の駆動に必要な振幅に抑
えることができる。
【0018】また、伝送線2の送端部と受端部の両方で
整合がとれているため、信号反射による歪の発生も抑え
られる。従って、本発明にかかる信号伝送回路により、
不要輻射の発生を抑制することができる。
【0019】さらに、伝送線2の送端部と受端部の両方
を整合することにより、従来は伝送線2の分布容量と受
像管5の入力容量を含んで大きな時定数を示していた駆
動回路基板1上の前記増幅回路(トランジスタ12)の
負荷インピ−ダンスが、抵抗性を示す伝送線2の特性イ
ンピ−ダンスに等しくなり時定数が削減される。従っ
て、前記増幅回路(トランジスタ12)を含む受像管駆
動回路の広帯域化も可能となる。
【0020】次に、図1の各部の詳細について説明す
る。エミッタ接地増幅回路(トランジスタ12)のエミ
ッタインピ−ダンス13の値は、伝送線2の端子15か
らみた入力インピ−ダンスと出力インピ−ダンス11の
並列合成インピ−ダンスが、トランジスタ12のコレク
タインピ−ダンスとなることを考慮して決める。
【0021】また、エミッタインピ−ダンス13は、エ
ミッタピ−キングを施すために抵抗とコンデンサからな
る合成インピ−ダンスとなっているか、或いは、所望の
周波数特性を得るための任意のインピ−ダンスとしてよ
い。
【0022】次に、出力インピ−ダンス11は、伝送線
2の特性インピ−ダンスとの整合を考えて抵抗を用いる
のが一般的であるが、寄生容量等の影響による周波数特
性の劣化を補償すべく、直列にインダクタンスを付加す
ることも可能である。さらに、同様のピ−キング技術を
用いるため、信号経路の任意の箇所にインダクタンス等
の適当なピ−キング素子を挿入、或いは、付加すること
もできる。
【0023】伝送線2の受端部に付加された受端インピ
−ダンス7と受像管5の駆動端子の入力インピ−ダンス
の並列合成インピ−ダンスまでも考慮した場合には、伝
送線2の入力インピ−ダンスが、図8に示したように周
期的に変化することを補償するために、出力インピ−ダ
ンス11に、伝送線2のような信号伝送線の導通した端
子対を直列接続することもできる。
【0024】ここで、出力インピ−ダンス11の値が、
信号反射の影響の許される範囲で伝送線2の特性インピ
−ダンスの値と異なっていても良いことは言うまでもな
い。また、増幅回路(トランジスタ12)の電源14の
電圧は、上記のように増幅回路の出力電圧を受像管5の
駆動に必要な振幅に抑えることができるため、従来に比
べて半分の大きさに低減できる。
【0025】電圧が半減した場合、回路の各部の消費電
力は概ねその自乗の4分の1に低減するので、放熱対策
の規模を軽減でき不要輻射を抑えるためのシ−ルド等の
実施も容易となる。
【0026】続いて、受像管基板3上の受端インピ−ダ
ンス7においても、出力インピ−ダンス11と同様に種
々のインピ−ダンス構成を用いることができる。但し、
受端インピ−ダンス7については、不要輻射のレベルが
比較的に小さく問題となりにくい低周波領域における電
流による直流消費電力を抑えるため、信号反射の影響の
許される範囲でコンデンサを直列に挿入すること等も可
能となる。
【0027】場合によっては、不要輻射が問題とならな
い範囲で、受端インピ−ダンス7をかなりの高インピ−
ダンスにしたり、省略して、故意に波形シュ−トを生じ
させて受像管の表示画像の輪郭を強調することもでき
る。
【0028】一般に、上記のように伝送線の送端部や受
端部におけるインピ−ダンス整合を崩す必要がある場合
には、繰り返される信号の反射に伴うリンギングの大き
さが許容範囲に収まるよう両非整合部を調整する。伝送
線の送端部か受端部の片側のインピ−ダンス整合を崩す
必要がある場合には、非整合部を調整して、一方向の主
反射に伴うオーバーシュートやアンダーシュートの大き
さを許容範囲内に抑える。
【0029】また、受像管基板3上の電源19について
は、影響を受ける各素子の耐圧や消費電力等が許されト
ランジスタ12等の正常動作が保証される範囲におい
て、任意の電圧が可能となる。受像管5には、モノクロ
ームディスプレイや投写形ディスプレイ、オシロスコー
プに用いられる単色管や、カラーディスプレイ等に用い
られ複数の駆動電極を有するカラー受像管、或いはプラ
ズマ表示板や液晶表示板等の任意の表示素子の使用が可
能である。また駆動電極としては、カソ−ドや各グリッ
ド、アノ−ド等の信号の入力されるあらゆる種類の電極
が考えられる。
【0030】次に、伝送線2について詳述する。図1中
の伝送線2は、端子16、18が共に接地されているた
め、上記の電界シ−ルド効果のほかに、導線間の電磁誘
導により端子16と18の間を流れる電流が、端子15
と17の間を流れる電流によって生じる磁界を打ち消す
ことによる磁界シ−ルド効果も期待できる。
【0031】しかし、主に低周波において、伝送線2の
導体と基板1と3のグランド間配線等の形成する大きな
ル−プに鎖交する周辺磁界により、生じる電磁誘導電流
に起因した耐ノイズ性能が懸念される場合には、端子1
6か18のうちのどちらかの接地を排除することも可能
である。
【0032】伝送線2については、外部導体を細い銅線
の編組線にした一般的なフレキシブルタイプや、外部導
体を銅パイプにしたセミリジッドタイプの同軸ケ−ブル
をはじめとして、平行フィーダーに代表される平衡形線
路、ツイスト・ペア、プリント基板やフレキシブル基板
を用いたマイクロストリップラインに代表されるストリ
ップ線路、多芯のフラット・ケ−ブルのうち必要な線材
のみを残して低容量化したもの等の多種の線材を用いる
ことが考えられる。
【0033】しかし、本発明にかかる信号伝送回路に最
適な伝送線について考えた場合に、出力インピーダンス
11としては数百オーム以上となる場合が多いのに対し
て、市販の同軸ケーブルは特性インピーダンスが20オ
ームから120オーム程度と低い。市販の同軸ケ−ブル
と同様の構造を用いて、数百オーム以上の特性インピー
ダンスを実現する場合には、主として分布容量の削減を
図るため、ケーブルの外径を数cm以上とするか、中心
導体の径を極めて微細にする必要があるため、実用性に
難を生じる場合がある。
【0034】また、平行フィーダーはその特性インピー
ダンスが300オーム程度と好適であるが、シールドの
点においては不充分である。上記の点を考慮して得られ
た信号伝送線を用いる本発明の実施例を図2に示す。
【0035】図2の(a)に示す斜視図に見られるよう
に、本伝送線の特徴は、内部導体20をらせん形状にし
て分布インダクタンスの増加による特性インピ−ダンス
の増加を図ると共に、外部導体21をシールドに用いた
構造となっていることである。
【0036】本伝送線を端子15と16のある側から見
た側面図を図2の(b)に示す。図2に示す内部導体2
0と外部導体21の間は、市販の同軸ケ−ブルのように
(発泡)ポリエチレンやテフロンに代表される合成樹脂
や合成ゴム等の絶縁物で充填したり、各導体の支持材の
みを設けて誘電率の最も低い中空構造とすることも可能
である。
【0037】また、充填する上記の絶縁物の中にフェラ
イトやパ−マロイ等の磁性体を粉入したり、絶縁性の良
い、または絶縁処理した磁性体(できれば、誘電率も低
く、フレキシビリティを有している状態である方が良
い)を充填するなどして、伝送線の特性インピ−ダンス
のさらなる増加を図ることもできる。内部導体について
は、一般的な銅線や鋼線の単線か撚線を、場合によって
は錫または銀や銅等でメッキし、または絶縁のためにエ
ナメルやポリビニルホルマ−ル等で被覆処理して用いる
ことができる。或いは、薄い銅板等を細く切断した導線
を、場合によっては上記のごとくメッキや被覆処理して
用いることもできる。
【0038】さらに、伝送線の特性インピ−ダンスのさ
らなる増加を図るために、上記の内部導体のらせん構造
の内側の空間に、絶縁性の良い、または絶縁処理した磁
性体を充填または挿入したり、磁性体を粉入した上記の
合成樹脂等による絶縁物を充填または挿入することもで
きる。
【0039】また、外部導体については、細い銅線の編
組線や金属箔をテ−プ状に巻いた構造等を、場合によっ
ては錫または銀等でメッキしたものや、またはこれらを
多重構造にした、フレキシブルタイプが可能となる。或
いは、外部導体を銅等の金属パイプにしたセミリジッド
タイプも可能である。さらに、外部被覆が必要な場合に
は、塩化ビニ−ルやガラス繊維編組線、合成ゴム、エナ
メル被覆等のいろいろな絶縁材料を、フレキシビリティ
をもたせたり固形状態において使用することが可能とな
る。
【0040】伝送線2と駆動回路基板1、受像管基板3
との接続には同軸コネクタ等の専用コネクタを用いても
良いが、基板上のパタ−ンや電極等へのハンダ付(例え
ば、ピグテ−ル接続等)や圧着、ネジ留め、ラッピング
等による直付けも、接続作業の容易さと特性インピ−ダ
ンスの連続性の点から有利である。
【0041】また、本発明にかかる伝送線を複数本用い
てカラ−受像管等を駆動する場合には、伝送線の長さや
各基板上の回路の遅延時間を加減して、各信号の総合遅
延時間を調整できることは言うまでもない。
【0042】信号伝送線に関する第2の実施例を図3に
示す。斜視図である図3(a)に示すように、本伝送線
の特徴は、外部導体23をらせん形状にして、分布イン
ダクタンスの増加と外部導体23のらせん形状によって
生じる芯線22との対向面積の減少に伴う分布容量の減
少を導き、特性インピ−ダンスの増加を図っていること
である。
【0043】また、図3中の外部シ−ルド24は、外部
導体23のらせん形状によって生じる間隙からの電界の
漏れを抑制するため、必要に応じて設ける。外部シ−ル
ド24は、端子25と26のうち、少なくとも一方を交
流的接地点に接続して用いる。本伝送線を端子15と1
6のある側から見た側面図を図3(b)に示す。
【0044】図3に示す内部導体22と外部導体23、
外部導体23と外部シ−ルド24との間は、図2に示し
た実施例の内部導体20と外部導体21との間に関して
と同様に、合成樹脂や合成ゴム等の絶縁物で充填した
り、中空構造とすることも、また、伝送線の特性インピ
−ダンスのさらなる増加を目的とした磁性体の使用も可
能である。また、内部導体22と外部導体23について
も、図2に示した実施例の内部導体20に関してと同様
に、一般的な銅線等の単線か撚線、薄い銅板等を細く切
断した導線を、場合によってはメッキや被覆処理して用
いることができる。
【0045】外部シ−ルド24についても、図2に示し
た実施例の外部導体21に関してと同様に、フレキシブ
ルタイプとセミリジッドタイプ等が可能である。さら
に、外部被覆が必要な場合にも、図2に示した実施例の
外部被覆に関してと同様に、塩化ビニ−ル等のいろいろ
な絶縁材料を、フレキシビリティを与えるなどして必要
に応じた物性状態において使用することができる。ま
た、本伝送線の長さや基板への接続方法についても、図
2に示した実施例の場合と同様であることは言うまでも
ない。
【0046】続いて、信号伝送線に関する第3の実施例
を図4に示す。斜視図である図4の(a)に示すよう
に、本伝送線の特徴は、外部導体27を構成する編組線
等の密度を下げるなどして、外部導体27と芯線22と
の対向面積を減らして分布容量のみを減少させ、伝送線
の遅延時間を削減すると共に特性インピ−ダンスの増加
を図っていることである。これは、伝送線の遅延時間が
分布インダクタンスと分布容量の積の平方根に比例する
のに対し、特性インピ−ダンスは分布インダクタンスと
分布容量の比の平方根に比例することによる。
【0047】また、図4中の外部シ−ルド24は、図3
に示した伝送線と同様に、外部導体27の間隙からの電
界の漏れを抑制すべく必要に応じて設け、端子25と2
6のうち、少なくとも一方を交流的接地点に接続して用
いる。本伝送線を端子15と16のある側から見た側面
図を図4の(b)に示す。
【0048】外部導体27の構成法としては、多数の絶
縁線を縦方向に沿って並べたり、芯線22を囲んで籠上
に単線や撚線や上記の細い導体板等を並べることなどが
考えられる。また、外部導体27を構成する導体の隙間
の最大長を、例えば電磁波の波長の6分の1以下に抑え
ることによって、外部シ−ルド24を用いずに外部導体
27の間隙からの電磁波の漏れを抑制することができ
る。
【0049】そして、外部導体27の両端部は、図4に
示すように環状にまとめてそれぞれを端子16と18に
接続したり、そのまま芯線22と導通せぬように引き出
してそれぞれを端子16と18において接続することな
どが考えられる。また、内部導体22と外部導体27と
外部シ−ルド24、外部被覆及びそれらの間の構成法に
ついては、図3に示した伝送線の場合と同様である。本
伝送線の長さや基板への接続方法についても、図2に示
した実施例の場合と同様であることは言うまでもない。
【0050】さらに、本伝送線を応用として、内部導体
と外部導体の両方をらせん形状により構成した伝送線も
考えられる。つまり、図2と図3に示したような構成を
組み合わせて特性インピ−ダンスを増加させた伝送線で
あるが、内部導体と外部導体の両方のらせん形状の相互
関係によって伝送線の遅延時間を制御できることが特徴
となる。
【0051】具体的には、両方のらせん形状を同一方向
にしたり、両方のらせん形状に生じる間隙を小さくした
場合には、伝送線の遅延時間を大きくすることができ
る。逆に、両方のらせん形状を互いに反対方向とした
り、両方のらせん形状に生じる間隙を大きくした場合に
は、伝送線の遅延時間を削減することができる。後者の
場合には、図4に示した伝送線の外部導体も適用可能で
ある。
【0052】続いて、信号伝送線に関する第4の実施例
を図5に示す。斜視図である図5の(a)に示すよう
に、本伝送線の特徴は、特性インピーダンスの比較的に
高い導線22と23からなる平衡形線路を、磁性体を含
む層28等で取り囲んでシールドを施していることであ
る。
【0053】信号電圧が大きく電界漏洩が問題となる場
合に設ける電界シ−ルド用導体である外部シ−ルド24
は、必ずしも図5の(b)の側面図に図示したように長
方形の断面形状を有する必要はなく、導線22と23を
取り囲みさえすれば円形等であっても構わない。そし
て、外部シ−ルド24は、端子25と26のうち、少な
くとも一方を交流的接地点に接続して用いる。
【0054】磁性体を含む層28の構成方法としては、
平行フィーダーのように合成樹脂等で支持された導線2
2と23を取り囲むように、絶縁性の良いフェライトま
たは絶縁処理したパーマロイ等の磁性体を、例えばフリ
キシビリティを確保できるように粉末状等の柔軟性のあ
る状態で、充填または接着することが考えられる。或い
は、磁性体を混入した上記の合成樹脂等による絶縁物を
導線22と23の周囲に充填して固めて、これらの導線
の支持を兼用させることも考えられる。
【0055】このようにして構成した磁性体を含む層2
8によって、導線22と23を流れる電流に起因する磁
界放射を抑制することができる。また、導線22と23
と外部シ−ルド24、及び必要に応じて外部シ−ルド2
4の外周に設ける外部被覆、さらにそれらの間の構成法
については、図3に示した伝送線の場合と同様である。
本伝送線の長さや基板への接続方法についても、図2に
示した実施例の場合と同様であることは言うまでもな
い。
【0056】さらに続けて、信号伝送線に関する第5の
実施例を図6に示す。斜視図である図6に示すように、
本伝送線の特徴は、多層構造をもつプリント基板やフレ
キシブル基板を用いたストリップ線路によって構成され
ているので、伝送線が軽量で各基板との接続も容易であ
ると同時に、容易に製作でき特性インピ−ダンスも比較
的に自由に選べるという実用性の高さにある。
【0057】図6においては、外部導体となる29と3
0の間に内部導体31が分布インピ−ダンスがなるべく
均一になるように配線されている。また、必要に応じて
基板層32や33、34にシ−ルド用の導体部分を構成
して内部導体31を取り囲んでも良い。
【0058】基板層の材質としては、一般的なプリント
基板材料であるエポキシ系やフロ−グラス等のほかに、
発泡ポリエチレン等の遅延時間短縮や分布容量削減に有
利な低誘電率材料、ポリフォニレン・オキサイド系やフ
ッ素樹脂系等の波長短縮による基板小型化に有利な高誘
電率材料、ポリイミドやポリエステル等のフレキシブル
基板材料等を用いることができる。
【0059】導体部分は、図3に示した伝送線の場合と
同様に銅等を用いることができる。また、各配線は、基
板に接着した導体板をエッチングなどによって選択的に
残して形成する。従って、図6中の基板層32のよう
に、内部導体を囲む基板層には、各基板層を密着するた
めの接着剤が充填されている場合もある。
【0060】本伝送線と各回路基板との接続には、基板
上のパタ−ンや電極、ピン等へのハンダ付や圧着、ネジ
留め、ラッピング等による直付けも、接続作業の容易さ
と特性インピ−ダンスの連続性の点から有利である。ま
た、伝送線の端部において導体部分を突出させるなどの
加工を施しておき、上記のように直付けしたり、専用コ
ネクタやフラット・ケ−ブル用コネクタ等を兼用して各
回路基板と接続しても良い。
【0061】いずれの場合も、本伝送線の複数本を一体
化構成して1枚の多層基板構造にすることができる。ま
た、カラ−受像管等を駆動する場合などに、各伝送線の
長さや各基板上の回路の遅延時間を加減して、各信号の
総合遅延時間を調整できることは言うまでもない。
【0062】以上に詳述したような伝送線2を用いた
上、駆動回路基板1と受像管基板3に対しても、広帯域
信号経路となるプリントパタ−ン等を短縮し、信号ル−
プ面積を縮小したり、各基板の周囲にシ−ルドを施すな
どすれば、不要輻射を大幅に抑えることができる。
【0063】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
2実施例を図9に示す。同図において、図1におけるの
と同じもの、対応せるものには同じ符号を付した。その
他、35はPNPトランジスタ、36は電圧源、37は
電流源、である。
【0064】本実施例の特徴は、伝送線2のインピーダ
ンス整合が容易に確保でき、受像管基板3から電源を排
除できることである。つまり、駆動回路基板1上の増幅
素子の極性を適当に選ぶなどして、出力インピーダンス
素子11のー方の端子を接地点に接続することにより、
出力インピーダンス11や受端インピーダンス7に各基
板のグランドや電源ラインのプリントパターンのインピ
ーダンスが直列に加わらず、伝送線2との間の整合を崩
す要因を排除できる。
【0065】また、図9に見られるように、受像管基板
3上の主要素子は受端インピーダンス7と受像管5のみ
となり、回路規模を著しく縮小することもできる。出力
インピーダンス素子11の一方の端子を接地点に接続す
るため、図9においては、PNPトランジスタ35のコ
レクタからの吐き出し電流を用いている。
【0066】また、図9においては、トランジスタ35
に電圧源36で基準電位を与え、電流源37でバイアス
電流を流すことにより構成したベ−ス接地増幅回路を、
トランジスタ12からなるエミッタ接地増幅回路の後段
に用いた広帯域なカスコ−ド構成となっている。PNP
トランジスタ35の代替品としては、同様に吐き出し電
流が得られる素子であれば、PチャンネルFET等の任
意の素子を用いることができる。さらに、信号が負電位
である場合には、吸い込み電流の得られるNPNトラン
ジスタやNチャンネルFET等も用いることができる。
【0067】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
3実施例を図10に示す。同図において、図1における
のと同じもの、対応せるものには同じ符号を付した。そ
の他、38はコンデンサ、である。
【0068】本実施例の特徴は、図9に示した上記の第
2実施例における特徴に加えて、出力インピ−ダンス素
子11の一方の端子を接地点に接続する必要がないの
で、駆動回路基板1上の増幅素子や信号電位に関する制
約を排除できることである。
【0069】本実施例の場合は、電源14の電圧を伝送
線2の端子16と18を介して受像管基板3に供給して
いるので、受像管基板3上に電源を用意する必要がな
い。また、伝送線2のシ−ルド効果を高める必要がある
場合には、図10に示すように、インピ−ダンスの上昇
しがちな伝送線2の端子18における信号電圧の漏洩を
抑えるため、受像管基板3上にコンデンサ38を付加す
る。
【0070】コンデンサ38には、例えば高周波特性の
良いセラミック製などの素子を用いる。従って、受像管
基板3上の主要素子は、受端インピ−ダンス7と受像管
5と必要に応じて用いるコンデンサ38のみとなり、本
実施例の場合も回路規模を著しく縮小することができ
る。
【0071】また、もうひとつの本実施例の特徴は、各
基板のグランド間配線と伝送線の導体が形成する大きな
電流ル−プに信号電流が漏洩して発生する磁界放射を抑
制できることである。同軸ケ−ブルのように内部導体の
周囲を全周に渡ってシ−ルド用外部導体が取り囲んだ構
造の伝送線を用いて遮蔽を試みたとしても、シ−ルド用
外部導体の直流抵抗等の影響で低周波においては各基板
のグランド間配線に信号電流が漏洩して大きな電流ル−
プを形成し、磁界や電磁波の不要輻射を発生する可能性
がある。
【0072】一般に伝送線の抵抗性インピ−ダンスの影
響による上記の不要輻射の可能性は、伝送線の導体の導
体損や放射損やその周辺構造の誘電体損や磁性体損より
伝送線の導体に現われる抵抗性インピ−ダンスと伝送線
のインダクタンスとの間の時定数で定まる周波数以下で
生じ、それ以上の周波数では上述した伝送線の導体間の
電磁誘導によって信号電流は小ル−プの伝送線の導体内
側に収まる。
【0073】図10においては、受端インピ−ダンス7
を介して流れる信号電流の帰路を伝送線2の端子16と
18間の導体として、上記の時定数で定まる周波数以下
で各基板のグランド間配線に信号電流が漏洩しないよう
にすることができる。
【0074】さらに、本発明にかかる信号伝送回路の第
4実施例を図11及び図12に示す。即ち、図11は第
4実施例の一半分を示し、図12は残り半分を示し、図
11と図12を一点鎖線の部分で結合するとき、第4実
施例の全体が示されることになる。
【0075】本実施例の特徴は、各種のピ−キング回路
による広帯域技術と自動白バランス調整機構を搭載した
カラ−ディスプレイ用ビデオ増幅回路に対して、多岐に
渡って実際的な不要輻射対策を施していることである。
【0076】まず、駆動回路基板1上においては、トラ
ンジスタ12と39からなるカスコ−ド構成と抵抗51
とコンデンサ52によるエミッタピ−キング、コイル4
8と出力抵抗11による並列ピ−キング、コイル49と
ダンピング抵抗50による直列ピ−キングを用いた広帯
域化が施されている。
【0077】さらに、カソ−ド電流制御回路53とビデ
オ増幅回路の出力直流電圧調整用の従属電流源46を用
いて、自動白バランス調整も施されている。基板1上の
不要輻射対策としては、電源14とコイル48の間のプ
リントパタ−ンのもつラインインピ−ダンスによって生
じる、伝送線2の端子16Rにおける信号電圧の漏洩を
抑えるため、コンデンサ47を付加していることが挙げ
られる。
【0078】次に、能動素子からなる増幅回路(12,
39)と電流源46の部分を集積化して、端子41から
45を有するICか、または回路モジュ−ル40の小型
形状とすることで、駆動回路基板1全体をも小型化して
シ−ルドし易くしていることも不要輻射対策の一つであ
る。R,G,Bのカラ−ビデオ信号系回路1R、1G、
1Bのそれぞれは共に同様の構成となっている。
【0079】続いて、受像管基板3上においては、トラ
ンジスタ56からなるカソ−ド電流検出回路と受像管5
への接続ライン、伝送線2Rと2G、2Bの受端部のそ
れぞれに不要輻射対策が施されている。受像管5の各原
色の発光輝度に応じてカソ−ドに流れるカソード電流を
制御してディスプレイの白バランスを調整するために設
けられたカソード電流検出回路の動作は、例えばカソー
ド68Rの電流をトランジスタ56のエミッタに流し込
み、コレクタ側の抵抗57を介して電流電圧変換してカ
ソード電流検出信号を得る。
【0080】ここで得られた検出信号は、カソ−ド電流
検出信号用の伝送線58Rを介して駆動回路基板1上の
カソ−ド電流制御回路53に送られる。カソ−ド電流検
出信号用の伝送線には、以上に詳述してきた信号伝送線
2を用いることができる。また、コンデンサ66は、高
周波特性の補償のためトランジスタ56をバイパスして
ビデオ信号を受像管5に供給する働きがある。コイル5
4とダンピング抵抗55は、直列ピ−キングに用いられ
ている。
【0081】ダイオ−ド65は、受像管5の放電時にト
ランジスタ56を保護する働きがある。抵抗67は、ト
ランジスタ56のベース・コレクタ間容量のビデオ信号
系路への寄生による広帯域特性の劣化を抑えるべく挿入
する上記容量への直列抵抗である。また、コンデンサ3
8は、図10に示したように、伝送線2Rの端子18R
における信号電圧の漏洩を抑えるため、必要に応じて付
加する。
【0082】図11における抵抗7が、信号反射を抑え
る受端インピ−ダンスであることは言うまでもない。ま
た、コイル63とコンデンサ64によって構成される低
域通過形フィルタには、一般に低周波信号である上記の
カソ−ド電流検出信号に漏洩した高周波のビデオ信号成
分が、受像管基板3の外部に放出されて不要輻射の原因
とならないようにする働きがある。
【0083】伝送線58Rの端子61Rと62Rは、そ
れらのうち少なくとも一方を、交流的な接地点に接続し
て用いることができる。受像管基板3のグランドパタ−
ンに発生した、上記の高周波のビデオ信号成分の放出を
防ぐため、端子61Rをコイル63に用いたようなコイ
ルを介して、上記のグランドパタ−ンや受像管基板3上
の交流的な接地点に接続することもできる。受像管基板
3上における、R,G,Bのカラ−ビデオ信号系回路3
Rと3G、3Bのそれぞれは共に同様の構成となってい
る。
【0084】また、カソード電流検出信号用の伝送線5
8Rと58G、58Bも共に同様の構成とすることがで
きる。受像管5の電極68Rと68G、68BはR,
G,Bの各カラ−ビデオ信号系に対応するカソードを示
し、ヒーター69及びその他の電極である第1グリッド
76とスクリ−ングリッド77、フォ−カスグリッド7
8と79、アノ−ド80は、RGBの各カラ−ビデオ信
号系の間で共用して用いられる。75はシ−ルド用に塗
布された外部導電膜を示す。
【0085】これらの電極のうち広帯域ビデオ信号によ
り駆動されていないカソ−ド以外の電極を、受像管基板
3の外部に接続する際には、上記のように高周波のビデ
オ信号成分の放出を防ぐため、コンデンサ70、81、
84、87、90やコイル71、72、82、85、8
8、91、93などからなる低域通過形フィルタを介し
て接続端子73、74、83、86、89、92、94
などにつなぐことも可能である。この際、アノ−ド80
については、受像管5の内部導電膜と外部導電膜の間に
大きな寄生容量が生じているので、上記のようにコンデ
ンサを新たに付加する必要はない。
【0086】以上に詳述したように伝送線と基板との間
の接続方法にも充分に配慮した上、駆動回路基板1と受
像管基板3に対しても、広帯域信号経路となるプリント
パタ−ン等を短縮し、信号ル−プ面積を縮小したり、各
基板の周囲にシ−ルドを施すなどすれば、不要輻射を大
幅に抑えることができる。
【0087】続いて、受像管の実施例を図13に示す。
本実施例の特徴は、受像管5の電極のうち、ビデオ信号
のような広帯域信号が印加されない電極のそれぞれにコ
イル等のフィルタ素子を挿入して、不要輻射を抑えてい
ることである。
【0088】図13に示すように、ビデオ信号の印加さ
れるカソード端子95Rと95G、95Bや接地される
シ−ルド用に塗布された外部導電膜75等には上記フィ
ルタ素子の挿入は不要であり、逆に外部導電膜75等の
接地部の接地インピ−ダンスはできる限り低く抑えるべ
きである。
【0089】第1グリッド76とスクリ−ングリッド7
7、フォ−カスグリッド78と79、アノ−ド80に対
しては、コイル100、102、104、106、10
8を直列挿入したり、フェライトコアや3端子コンデン
サ等のその他のEMI対策用フィルタ等を含むフィルタ
素子を用いて、周波数の高い信号成分の漏洩を抑える。
ヒ−タ−部等のように、内部構造が69Rと69Gと6
9Bに示されるようなRGBの各カラ−ビデオ信号等の
複数の信号系に分かれている電極の場合には、クロスト
−ク等の各信号間の干渉抑制にも配慮してフィルタ素子
を用いなければならない。
【0090】図13においては、ヒ−タ−69Rと69
Gと69Bのそれぞれに隣接するカソ−ド68Rと68
Gと68Bの間の信号干渉を抑えるため、それぞれのヒ
−タ−の電極のなるべく直近に98Rと99R、98G
と99G、98Bと99Bに示されるコイルを挿入して
いる。この構成により、各ヒ−タ−電極間の誘導による
クロスト−クや、ヒ−タ−電極からヒ−タ−端子96と
97に至る配線に寄生する共通インピ−ダンスを介した
クロスト−クの発生を抑えている。
【0091】図13において、フィルタ素子に用いられ
ている各コイルは、小型で複雑な構造の電子銃に適用し
て、主に数MHz以上の高周波信号に作用させているた
め、各部の電極配線に用いられる導線や細い導板(薄い
導板を用いた方が自己インダクタンスを削減できる)等
を局部的に小さな周回長で何回かカ−ルした小型の空芯
構造としても良い。或いは、これらのコイルを、上記の
導線等を貫通させた小形フェライトビ−ズに置き換える
こともできる。
【0092】また、受像管に関する第2実施例を図14
に示す。本実施例の特徴は、ビデオ信号のような広帯域
信号が印加される電極、或いはこれらを含む電子銃の一
部か全体を取り囲んでシ−ルドできる構造としたことで
ある。
【0093】図14(a)は、受像管のネック部の外周
に外面塗装等によってシ−ルドを施し、端子118など
により交流的接地点につながれたベルト117を介して
シ−ルド面を接地することによって、不要輻射を抑えた
受像管を示している。図において、フェ−スプレ−ト1
11を含むパネル部は、爆縮防止用補強バンド110の
内側のシ−ル部において、アノ−ドコンタクト119を
含むと共に外部導電膜112の塗布されているファンネ
ル部と接着されている。
【0094】ここで、フェ−スプレ−ト111の内側に
は、蛍光面に接してアルミニウム膜からなるメタルバッ
クや、熱変形を抑え微細加工された金属からなるシャド
ウマスクやアパ−チャ−グリルが設けられており、これ
らはアノ−ドに接続されているので、不要輻射を抑える
シ−ルド板としても作用している。爆縮防止用補強バン
ド110はリムバンドやテンションバンドの金属板から
構成され、グラファイト等からなる外部導電膜112と
共に接地されており、その内側のグラファイトやアルミ
ニウム等からなる内部導電膜もアノ−ドに接続されてい
るので、ファンネル部からの不要輻射も抑えられてい
る。
【0095】ファンネル部からネック部にかけては、偏
向ヨ−クやコンバ−ゼンスヨ−ク等が装着されていて、
これらは断面113と114に示されるように厚い磁性
体と何重にも巻かれた導線により構成されており、受像
管の内部からの不要輻射を抑える効果がある。以上のこ
とから、受像管はパネル部からファンネル部、ネック部
のうち上記の各ヨ−クに覆われた部分において、不要輻
射が抑えられていると言える。
【0096】しかし、これだけの機構では、ネック部の
ピン115に接続される電子銃の周囲に、シ−ルド等に
よる不要輻射を抑える機構がなにも設けられていない。
本発明の受像管においては、上述のように、ネック部の
外周部にグラファイトやアルミニウム、その他の金属等
の導電性物質を蒸着したり塗布、接着等することによっ
て、シ−ルド面116を設ける。ネック部のガラスバル
ブの内側にある電子銃のヒ−タ−部からの放射熱を受像
管の外部に放散させることを考えると、シ−ルド面11
6を輻射抑制可能な網目構造としたり、面116からの
放熱が可能な場合は、面116の少なくとも内面は、黒
等の反射の少ない色とすることが好ましい。
【0097】シ−ルド面116からの放熱が不可能な場
合には逆に、シ−ルド面116の少なくとも内面は、金
属皮膜等の蒸着による銀色や白等の反射効率の良い色と
することが好ましい。また、電子銃の構造上、不要輻射
の少ない方向が存在する場合には、シ−ルド面116を
ネック部の全周に設ける必要はなく、シ−ルドの必要な
部分のみとすることもできる。このシ−ルド面116の
接地方法の例としては、図14(a)に示すように、金
属等からなる導電性のベルト117をシ−ルド面116
に密着し、ベルト117に接続した端子118などを基
板のグランドパタ−ンやシャ−シ、電源ライン等の交流
的接地点に、直接か或いは容量結合等の低インピ−ダン
スを介して接続する。
【0098】また、図14(b)に示すように、受像管
ソケット120の内側に接続用バネ122を設けてピン
123に接続し、その他の電極用のピン121と共に受
像管基板3上のプリントパタ−ンに接続することもでき
る。接続用バネ122は、線状或いは細い板状等の導体
を用いて、シ−ルド面116を取り囲むように多数の部
分に分割された環状配列としても良いし、対抗する2
点、或いは1点のみの接続としても良い。
【0099】また、接続用バネ122の構造は、直接か
或いは交流的にシ−ルド面116との接続が確保でき、
受像管をソケット120に装着できる形状であれば、バ
ネ形状とならないその他の形も許される。さらに、接地
点とシ−ルド面116との接続には、次のように接続用
バネ122のような部品を用いない方法も可能である。
例えば、ネック部のピン115のうち、グランドパタ−
ンやシャ−シ、電源ライン等の交流的接地点に、直接か
或いは容量結合等の低インピ−ダンスを介して接続され
るピン、或いは他の電極には非接続のピンにまでシ−ル
ド面116を延長して、直接に接触か或いは容量結合等
の低インピ−ダンスを介して接続させて接地する。
【0100】または、ベルト117を用いずに、交流的
接地点に接続された導線等をハンダ付けなどでシ−ルド
面116に接続することも可能である。さらにネック部
の放熱効率の向上を考慮したシ−ルド構造として、シ−
ルド面116を交流的接地点に接続された導電体か、磁
性体を成形してシ−ルド効果を兼ね備えた放熱板に置き
換えることも可能である。
【0101】その場合にも、ネック部を完全に上記の放
熱板で覆う必要はなく、ベルトや接着剤を用いて必要部
のみを放熱板で覆うだけで良い。以上では、ネック部の
外面に設けたシ−ルド面116を用いた実施例について
説明してきたが、ネック部のガラスバルブの内面にシ−
ルド面を設けることもできる。
【0102】この場合にもシ−ルド面116と同様に、
グラファイトやアルミニウム、その他の金属等の導電性
物質を蒸着したり塗布、接着等することが可能である。
ネック部のガラスバルブの内面のシ−ルド面を接地する
場合にも、ネック部のピン115のうちのグランドパタ
−ンやシャ−シや電源ライン等の交流的接地点に直接か
或いは容量結合等の低インピ−ダンスを介して接続され
るピンか、または他の電極には非接続のピンにまで、或
いはアノ−ドに接続される上記の内部導電膜にまで上記
の内面のシ−ルド面を延長するか、上記の内部導電膜に
対しての場合と同様に電子銃の一部から上記の内面のシ
−ルド面に対して接触用バネを伸ばして、直接に接触か
或いは容量結合等の低インピ−ダンスを介して接続する
ことができる。
【0103】但し、上記の内面のシ−ルド面は、各種の
高圧電圧が複雑に集中している電子銃の周辺に管内放電
が生じないよう、絶縁耐圧を充分に考慮したパタ−ンレ
イアウトにする。また、電子銃のヒ−タ−部からの放射
熱が受像管のガラスバルブの内側にこもらぬよう外部に
放散させることを考えると、上記の内面のシ−ルド面の
少なくとも電子銃側の面を金属皮膜等の蒸着による銀色
や白等の反射効率の良い色にしたり、電子銃を覆う面積
を抑えてシ−ルド面に熱放射のために隙間を確保するこ
とが好ましい。
【0104】続いて、受像管の従来の電子銃における問
題点を図15を用いて説明する。図15は、例えばカラ
−受像管のR,G,Bのビデオ信号系のうちの1信号系
に対応する、ヒ−タ−128からカソ−ド126、第1
グリッド131に至るまでの電子銃の構造を示してい
る。端子129と130の間につながれたヒ−タ−12
8の例としては、らせん状に巻かれたタングステン線
に、アルミナ等を焼結して構成する。
【0105】このアルミナ等の焼結により、カソ−ド1
26に接続され先端に酸化バリウム等の酸化物が塗布さ
れニッケル等からなる円筒形スリ−ブ127から、ヒ−
タ−128を絶縁することができる。カソ−ド126や
第1グリッド131やその他の電極は、電極固定のため
の支持板等を例えば上下に伸ばして、これをガラス等の
絶縁支持体に差し込んで一体化する。
【0106】また、スリ−ブ127はその熱膨張による
上記先端部の移動を相殺できる支持金具を介して、カソ
−ド126に支持されると同時に導通している。カソ−
ド126は、溶接されたカソ−ドリ−ド125を介し
て、受像管のネック部のカソ−ドピン124に接続され
ている。第1グリッド131には、熱電子の通過する小
さな孔が開けられている。図15に示されるように、従
来の電子銃のカソ−ド126は支持板部とスリ−ブ12
7も含めた大面積が露出しており、強度の不要輻射の放
射源となっている。
【0107】また、同様に露出したカソ−ド電極が大面
積にわたって、近接するヒ−タ−128や第1グリッド
131等に対抗しているため、カソ−ド電極の寄生容量
を増加させている。このカソ−ド寄生容量の増加は、受
像管を駆動する信号帯域を狭めたり、広帯域特性の確保
するための駆動回路基板1上の出力インピ−ダンス11
や受像管基板3上の受端インピ−ダンス7の低下に伴う
回路消費電力の増大を招く。さらに、無理な広帯域化に
伴う、さらなる不要輻射の増大も懸念される。
【0108】以上の問題点を解決する電子銃に関する実
施例を図16に示す。本実施例の特徴は、交流的接地点
に接続されたシ−ルド部にカソ−ドスリ−ブ部を支持さ
せることにより、カソ−ド電極からの不要輻射を抑える
と共に、カソ−ドの寄生容量を削減していることであ
る。
【0109】図16において、受像管のネック部のカソ
−ドピン124は、溶接などにより接続されたカソ−ド
リ−ド125を介して、カソ−ドスリ−ブ部132にの
み接続され、寄生容量の小さいカソ−ド部が構成されて
いる。カソ−ドスリ−ブ部132は、セラミック等の絶
縁体からなる支持板133を貫通して固定され、支持板
133を支えるシ−ルド部134は各部の熱膨張による
スリ−ブ127の先端部の移動を相殺できる支持材13
6や137を介して、ガラス等の絶縁支持体に差し込ま
れた電極固定のための支持板138や139等に支持さ
れている。
【0110】上記の先端部の移動を相殺する必要がない
場合は、支持材136や137を用いずに、シ−ルド部
134を支持板138や139等に固定しても良いこと
は言うまでもない。支持シ−ルド部134は、ネック部
のピンや内部導電膜、電子銃の各電極部を介して、アノ
−ドや第1グリッド、スクリ−ングリッド、フォ−カス
グリッド等に接続された電源等の交流的接地点、或いは
グランドに接続される。例えば、シ−ルド部134と導
通する支持板138を、図示したように接地用リ−ド1
35を介して接地することができるが、接地用リ−ド1
35はシ−ルド部134と導通する箇所であれば、任意
の点に接続できる。
【0111】また、シ−ルド部134は、遮蔽のため第
1グリッドと一体構造でも良く、或いはカソ−ド部の寄
生容量削減のためにカソ−ドスリ−ブ部132の一部を
覆う程度の大きさであっても良いし、図16中の破線で
示すように、シ−ルド効果向上のためにカソ−ドスリ−
ブ部132全体を覆っていても構わない。
【0112】さらなるシ−ルド効果向上のためには、不
要輻射の原因となる漏洩などした高周波信号の現われる
部分(図16の場合はヒ−タ−128)をシ−ルド部1
34により充分に覆うことを考慮して、上述したフィル
タ素子98や99の挿入位置を選ぶ必要がある。ここ
で、熱電子の放出されるカソ−ドスリ−ブ部132の先
端部に、各種の電子放射物質を溶融含浸して電子放出密
度を向上しても良いことは言うまでもない。また、上記
のシ−ルド部134やカソ−ドスリ−ブ部132等は、
円筒形に限定されない。
【0113】以上に説明した受像管に関する実施例は、
カラ−ディスプレイ等に用いられ複数の駆動電極を有す
るカラ−受像管のみに限らず、モノクロ−ムディスプレ
イや投写形ディスプレイ、オシロスコ−プに用いられる
単色管や、或いはプラズマ表示板や液晶表示板等の任意
の表示素子への適用が可能であることは言うまでもな
い。また、駆動電極としても、カソ−ドや各グリッド、
アノ−ド等の信号の入力されるあらゆる種類の電極が考
えられる。
【0114】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
5実施例を図17に示す。本実施例の特徴は、伝送線2
の断面を通過する電流の総和を抑制して不要輻射を抑え
ていることである。マックスウェルの方程式より、電磁
波は電流ル−プの存在によって発生することが知られて
いるので、不要電磁波の発生そのものを抑えるために
は、対象箇所に流れる電流和をできる限り零に近付けた
り、電流ル−プを縮小する必要がある。
【0115】従って、シ−ルド用に接地された導線編組
に取り囲まれた同軸ケ−ブルであっても、静電誘導につ
いては内外を遮へいできるものの、電磁波や電磁誘導の
遮へいに対しては完全でない。低周波における電磁誘導
の遮へいについては、むしろ構成の簡単なツイストペア
の方が、小さな電流ル−プが方向を交互に配列されて磁
界を閉じ込めるため、有利である。
【0116】図17(a)においては、電流制御電源1
40を用いて、大面積の電流ル−プを構成しているため
に不要電磁波の発生源となり易い伝送線2に流れる電流
和を削減している。つまり、電流制御電源140を駆動
回路基板1や伝送線2、受像管基板3等の少なくとも一
部に設けて、伝送線2に流れる電流141と142の大
きさを等しくしている。このような電流和削減の対象箇
所は、構成する電流ル−プの大きさにかかわらず、可能
な範囲で任意に選ぶことができる。
【0117】さらに、伝送線2の一部か全体の外側を取
り囲むように、導体による電界シ−ルドを設けて接地す
ることにより、シ−ルド効果をさらに向上させることも
できる。図17(a)においては、受像管基板3上から
受端インピ−ダンスが排除されているが、上述したよう
に、不要輻射への影響に応じて受端インピ−ダンスを付
加できることは言うまでもない。
【0118】電流制御電源140としては、端子143
から144に流れる電流によって、端子146から14
5に流れる電流が制御される素子や回路等が使用可能で
あるが、制御の従属関係は上記の電流間で入れ替わって
いても良い。また、上記の対象箇所の電流和への影響が
許容される範囲で、電流制御電源140の各端子間の漏
洩電流も許される。
【0119】電流制御電源140の実施例としては、図
17(b)に示しすような極性関係をもつトランス14
7を用いることができる。トランス147には、漏洩磁
束を抑えるべく、フェライト等からなるトロイダルコア
に2本のエナメル線を密着して巻いたりして構成した、
任意の素子を用いることができる。さらに、トランス1
47の全体や一部を導体や磁性体を用いて遮へいするこ
ともできる。
【0120】さらに、電流制御電源140の代わりに、
端子145を排除して、端子143への入力電圧を端子
144に伝えると共に、端子144と146の間を電流
が貫通するような作用をもつ電流制御器を用いても良
い。電流制御器の実施例を電子回路モデルで示すと、端
子143と144の間にナレ−タ、端子144と146
の間にノレ−タを接続した構成が可能となる。
【0121】図17(c)は、トランジスタ149の電
流増幅作用を用いて上記の作用を可能とした、電流制御
器の他の実施例を示している。図17(c)においてト
ランジスタ149は、FET等のその他の増幅素子や増
幅回路に置き換えることができる。また、トランジスタ
149に直流バイアス電流を流すため、受像管基板3上
において、その一端が正電源に接続されて正電位にバイ
アスされた受端インピ−ダンスの他端を端子17に接続
することもできる。増幅素子149の極性を反転した場
合には、受端インピ−ダンスの一端の接続される電源の
極性も反転可能であることは言うまでもない。
【0122】また、上記のトランスに関する実施例を図
18に示す。本実施例の特徴は、ピ−キング等に用いら
れるコイルや抵抗等とも兼用できることである。図18
(a)に示すトランスにおいては、複数のらせん状の導
線150や151を、寄生容量が問題とならない程度に
撚ったり近接させたり、磁性体や空芯ボビンである15
2上に巻いたりしている。
【0123】このようにトランスを構成することによっ
て、端子143と144間の巻線に現われる合成インダ
クタンスを、例えば図12に示したコイル49に相当す
る直列ピ−キング用のコイルに兼用することができる。
端子143と144間に並列接続されたダンピング抵抗
50が、端子143か144に直列接続できることは言
うまでもない。
【0124】また、導線150や151の少なくとも一
方を、コア材の周波数特性が影響しない自立型とした
り、これらの導線を抵抗50等の包囲可能な部品に巻き
付けることもできる。さらに、導線150や151など
の電磁結合導体を3本以上用いることで、3次以上の巻
線構造が得られることや、中間タップを設けることで様
々な応用が可能となることは言うまでもない。同様に、
皮膜抵抗や巻線型抵抗と兼用できるトランスの実施例を
図18(b)に示す。
【0125】図示されたトランスは、セラミック等から
なるボビン等の支持体155に、皮膜や巻線構造の抵抗
体を複数本設けて構成される。その際、鎖交磁束数が必
要なだけ得られさえすれば、図示したように抵抗体15
4のみを太くして抵抗値を低減して、伝送線のシ−ルド
効果を向上させることもできる。本例を用いることによ
り、例えば上記のようなピ−キング回路のダンピング抵
抗とピ−キングコイルを、トランスに兼用して一体構造
とすることができる。ピ−キングコイルのインダクタン
スは、抵抗体153の合成インダクタンスとなる。
【0126】次に、上記の電流制御電源に関する第2実
施例を図19を用いて説明する。本実施例の特徴は、内
部導体の少なくとも一部を、その周囲の全周に渡ってか
或いは一部を取り囲むシ−ルド用導体を備えた2端子対
回路や素子等と上記内部導体の間か、或いは近接した複
数の導体に現われる導体の間の電磁誘導を用いて、場合
によっては伝送線の一部として伝送線に取り込める程の
簡単な構造の電流制御電源を実現していることである。
【0127】図19(a)に、上記の電流制御電源を、
外径2dの内部導体156を厚みの無視できる直径2D
の外部導体157により取り囲んだ同軸構造によって実
現した実施例を示す。内部導体156に流れる電流15
8と外部導体157に流れる電流159のそれぞれに起
因する軸対称の磁束160方向の磁界の強さHを、対称
軸からの距離を縦軸とする図中の右グラフの特性161
と162に示す。
【0128】磁界特性161が外部導体157の外部に
伸びていることより、内部導体156は外部導体157
に電磁誘導を及ぼしていることが分かる。本電流制御電
源は、同軸ケ−ブル等と同様の同軸構造とすることもで
きるので、伝送線の少なくとも一部に取り込むことがで
きる。
【0129】また、本電流制御電源は、一実施例におい
て内部導体の少なくとも一部の周囲を全周に渡って外部
導体で取り囲みさえすれば良いので、各導体が円筒形で
ある必要はなく、例えば、外部導体となる基板上のプリ
ントパタ−ンやシャ−シ板に絶縁された導線等を貫通さ
せて内部導体として用いても良い。内部導体が外部導体
に取り囲まれてシ−ルド効果を有したストリップ線路か
その一部を用いても良い。
【0130】さらには、プリント配線板上やフレキシブ
ル基板上の片面か両面に2本の渦巻状パタ−ンを並行さ
せるか対向させて電磁誘導を導き、小形の電流制御電源
を構成しても良い。このように、ストリップ線路かその
一部を用いた場合には、これをプリント配線等として基
板に取り込むことができる。また、近接した複数の導体
に現われる導体間の電磁誘導を用いた場合の実施例は、
図6に示したような伝送線やその一部を用いたり、ツイ
ストペア等の撚線や導線間隔を狭めた平衡型線路かそれ
らの一部を用いることができる。同様の原理により、貫
通型コンデンサのシャ−シ用コ−ルド電極に新たに複数
の端子を設けて用いることも可能である。
【0131】さらには、導線等に1タ−ンの導線や導体
板等を巻き付けて、前者の導線等に鎖交する磁束に対し
て鎖交する電流成分を効率的に流すべく、例えば前者の
導線等と端子対を同方向に配置して、後者の導線や導体
板等に端子対を設けても良い。また、本電流制御電源を
図19(a)に示したような同軸構造により実現する際
にも、上記の磁界特性161のうち外部導体157の外
部に伸びた鎖交成分の割合である結合度向上のため、両
導体の径2dを2Dに近付けたり、この近付けることに
より増加する両導体間の寄生容量の削減のため、少なく
とも一方の導体長を短縮することもできる。
【0132】同様に結合度を向上させるため、内部導体
156を中空構造として156内の磁束を排除すること
もできる。逆に少なくとも一方の導体の自己インダクタ
ンスを削減しつつ上記の結合度向上を図るため、断面積
が小さく自己インダクタンスが小さい割合に比べ表面積
が大きく低抵抗であるテ−プ状の細い導体板等を内部導
体として、その表面の少なくとも一部に沿って接着など
で固定した、内部導体からは絶縁された導体板等を外部
導体として用いることもできる。
【0133】図19(b)には、外部導体の少なくとも
一部を、その周囲の全周に渡ってか或いは一部を取り囲
む磁性体を備えることによって、上記と同様に電磁誘導
に基づく導体間の結合度を向上した実施例を示してい
る。図19(b)において、外部導体157を取り囲む
磁性体163は、固形のフェライト或いはフェライト粉
を含んだフレキシブルな絶縁体で構成できる。
【0134】また、外部導体となる157を特に設け
ず、磁性体163を鉄等で構成して、外部導体としても
兼用することも可能である。さらに、撚線等の平衡型線
路やストリップ線路、多芯のフラットケ−ブル等の断面
か、或いはその内部の複数導体を、上記のような磁性体
で取り囲むこともできる。
【0135】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
6実施例を図20に示す。本実施例の特徴は、伝送線の
両端の各基板のグランド電位間に生じるノイズ電圧に起
因して発生する磁界放射を抑制できることである。鎖交
するAC電源ラインや他系統の信号ラインからの誘導磁
界に起因して各基板のグランド間の配線が形成する大き
なル−プに生じる電磁誘導電圧により、各基板のグラン
ド間に接続された伝送線2の導体に流れる大きな誘導電
流によって、磁界や電磁波の不要輻射を発生する可能性
がある。
【0136】一般に伝送線の抵抗性インピ−ダンスの影
響による上記の不要輻射の可能性は、上述のような抵抗
性インピ−ダンスと伝送線のインダクタンスとの間の時
定数で定まる周波数以下で生じる。図20においては、
上記の時定数で定まる周波数以下で各基板のグランド間
の伝送線2の導体に上記の誘導電流が流れないように、
また、それ以上の周波数では上述した伝送線の導体間の
電磁誘導によって信号電流が小ル−プの伝送線内に収ま
るように、コンデンサ164或いはコンデンサを含む合
成インピ−ダンスを介して伝送線2を接地している。
【0137】コンデンサ164は、伝送線2の端子16
と18の両方かどちらか一方に付加して、伝送線2の導
体を基板1か3、或いはシャ−シグランド等の交流的接
地点に接続するようにすれば良い。或いは、コンデンサ
164を伝送線2のシ−ルド用導体上の、特に高インピ
−ダンスな点に接続することによって、電界シ−ルドの
効果も向上する。
【0138】ここで、図20においては、受像管基板3
上に受端インピ−ダンスが示されていないが、上述した
ように整合のため受端インピ−ダンスを設けても良い。
逆に、上記の伝送線の導体による磁界放射は問題となら
ず、むしろ、伝送線の抵抗性インピ−ダンスの影響によ
る各基板のグランド間の配線への信号電流の漏洩を防ぐ
場合には、コンデンサ164をコイルやこれを含む合成
回路に交換する。コイルを使うことにより、上記の伝送
線の導体間の電磁誘導が有効に働く高い周波数領域内で
の上記漏洩電流を抑える。
【0139】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
7実施例を図21に示す。本実施例の特徴は、伝送線を
介して送る信号の電圧振幅を抑制することにより不要輻
射の発生を抑えていることである。図21において、駆
動回路基板1上ではトランジスタ165からなるエミッ
タフォロワ増幅回路による電流増幅のみを行い、信号源
4と同振幅の数ボルト程度以下の小電圧信号を伝送線2
を介して受像管基板3に送り、受像管基板3上のトラン
ジスタ39からなるベ−ス接地増幅回路でこの信号を電
圧増幅して受像管5の駆動に用いる。
【0140】図21中、トランジスタ165と39のそ
れぞれのエミッタに直列接続されているインピ−ダンス
166と167は、伝送線2の両端における整合用イン
ピ−ダンスであると同時に、上記の電圧増幅のゲインを
設定している。従って、インピ−ダンス166と167
はピ−キングのため抵抗やコンデンサ等による合成イン
ピ−ダンスであっても構わない。
【0141】また、インピ−ダンス166と167は、
それぞれトランジスタ165と39の入力インピ−ダン
スとの直列インピ−ダンスが伝送線2との整合に関係す
るため、166と167の両インピ−ダンスが必ずしも
等しくなる必要はなく、場合によってはそのどちらかの
インピ−ダンスを省略することもできる。さらに、伝送
線2の導体インピ−ダンスを166と167の両インピ
−ダンスと兼用することにより、インピ−ダンス166
と167を省略することもできる。
【0142】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
8実施例を図22に示す。本実施例の特徴は、受像管基
板から電源を排除できることである。図22において
は、電源14の電圧を伝送線2の端子15と17を介し
て受像管基板3に供給しているので、受像管基板3上に
電源を用意する必要がない。
【0143】また、伝送線2のシ−ルド効果を高める必
要がある場合には、図22に示すように、インピ−ダン
スの上昇しがちな伝送線2の端子17における信号電圧
の漏洩を抑えるため、受像管基板3上にコンデンサ38
を付加する。コンデンサ38には、例えば高周波特性の
良いセラミック製などの素子を用いることなどは上述し
たとおりである。また、その他に必要な電源や基準電圧
点は、駆動基板1等の受像管基板3の外部から得られた
電圧を抵抗などにより分圧し、必要に応じて能動素子に
よるバッファ−回路や昇圧回路、或いはコンデンサを付
加して低インピ−ダンス化を図って構成する。
【0144】例えば、図22中のトランジスタ39のベ
−ス接地点などは、図示したように抵抗168とツェナ
−ダイオ−ド169、インピ−ダンス低減用のコンデン
サ170等によって、電源14の電圧を分圧して構成す
る。
【0145】続いて、本発明にかかる信号伝送回路の第
9実施例を図23に示す。本実施例の特徴は、伝送線を
介して送る信号の電圧振幅をさらに抑制することにより
不要輻射の発生をなお一層に抑えていることである。図
23においては、駆動回路基板1上の信号源4の電圧を
トランジスタ12からなるエミッタ接地増幅回路によっ
て電圧電流変換し、ここで得られた信号電流を伝送線2
を介して受像管基板3に送り、受像管基板3上のトラン
ジスタ39からなるベ−ス接地増幅回路で電流電圧変換
の際に増幅された信号電圧を用いて受像管5を駆動す
る。
【0146】図23中の受端インピ−ダンス167は、
駆動基板1から伝送線2に送られた信号が受像管基板3
側から反射せぬように整合を図っており、伝送線2の特
性インピ−ダンスと同程度の低インピ−ダンスな値とな
る。また、上記の信号反射の影響が小さい場合には、短
絡して排除するか、極めて低いインピ−ダンスとするこ
とができる。従って、エミッタインピ−ダンス13の値
に対して上記の受端インピ−ダンス167の値を低減す
ることも容易となり、伝送線2を介して送る信号の電圧
振幅を信号源4よりも小振幅にすることができる。
【0147】不要輻射のさらなる抑制を可能とした本発
明の信号伝送回路の第10実施例を図24に示す。本実
施例の特徴は、ベ−ス接地回路の入力インピ−ダンス等
に現われる能動素子の各種のインピ−ダンス特性を補償
して、伝送線のインピ−ダンス整合を図り、不要輻射を
抑制していることである。
【0148】図24中においても図22と同様にして、
受像管基板3から電源を排除している。図24に用いら
れているトランジスタ39等のバイポ−ラトランジスタ
やFET、SIT、HEMT等の有限の周波数帯域をも
つ能動素子においては一般に、ある条件下で抵抗性イン
ピ−ダンスの進相現象が起こり、その端子のうち少なく
とも1組の端子間インピ−ダンスに誘導性インピ−ダン
スを示す。
【0149】このインダクタンス成分を相殺する方法と
して、例えば図24中の補償インピ−ダンス174等を
介して能動素子を接地することにより、ベ−ス接地回路
等の入力インピ−ダンスが誘導性となることを防ぐこと
が考えられる。図24においては、トランジスタ39が
抵抗175と容量176の並列回路、つまりある周波数
領域では容量性を示す合成インピ−ダンスを介して接地
されることによって、上記の進相現象の起こる周波数帯
域で接地点インピ−ダンスがベ−ス拡がり抵抗により抵
抗性になることを抑えている。
【0150】また、駆動回路基板1上に設けられた抵抗
172とコンデンサ173の直列回路171は、伝送線
2に対する送端整合用インピ−ダンスであり、受端側が
充分に整合されている場合には削除することができる。
図示した送端整合用インピ−ダンス171は、コンデン
サ173と抵抗172を含む伝送線2の受端側インピ−
ダンスの直列回路の時定数から定まる周波数以上の帯域
では、抵抗172の値となり整合が図れる。また、一般
にコンデンサを含む合成回路を送端整合用インピ−ダン
スに用いた場合には、伝送線の入力インピ−ダンスに現
われる誘導性インピ−ダンスを整合できることは言うま
でもない。
【0151】伝送線及び受像管基板を一体のフレキシブ
ル基板上に構成することにより、不要輻射のさらなる抑
制を可能とした本発明にかかる信号伝送回路の第11実
施例を図25に示す。
【0152】本実施例の特徴は、片面の必要部をシ−ル
ド用のグランドとし、残った基板面を信号ライン等の一
般の配線パタ−ンとした2面以上の多層フレキシブル基
板を用いて、信号回路全体を基板グランドとシャ−シグ
ランドで包込んでいることにある。このため、重い受像
管がシャ−シや信号回路に対して振動することも許され
て機械的信頼性も向上し、一体となった信号回路をまと
めて遮蔽できるため、不要輻射も充分に抑制できる。
【0153】図25は、ディスプレイのシャ−シの垂直
断面図であり、図14に示したものと同様の受像管を用
いているが、シ−ルド面116等は必要な場合のみに用
いれば良い。受像管は止め金178と215により、シ
ャ−シの185と197に固定手段179と180を介
して固定されている。固定手段179と180はビス止
めや溶接、バネ止め等を代表しており、任意の固定方法
が可能である。また、ビデオ信号等を扱う一枚の信号回
路基板188と189は、上記のシャ−シ185と19
7に固定手段181と182を介して固定された信号回
路を包込む一体の遮蔽用シ−ルド板186と187に固
定されている。
【0154】ここで、信号ケ−ブル192からの不要輻
射を抑えるため、コネクタ193を介して接続される信
号ケ−ブル192のシ−ルドグランドを信号回路のグラ
ンドにできる限りインピ−ダンスを下げて接続するた
め、信号基板189にはコネクタ用グランド板194が
直接につながれている。受像管ソケット120のピン1
21は、信号用フレキシブル配線板177を介して信号
回路基板188と189に接続されている。
【0155】信号用フレキシブル配線板177と信号回
路基板188と189の接続は、両方の基板に錫メッキ
線等の190や191を貫通させてハンダ付けしても良
いし、基板上のパタ−ンや電極、ピン等へのハンダ付や
圧着、ネジ留め、ラッピング等による直付けも、接続作
業の容易さと特性インピ−ダンスの連続性の点から有利
である。また、伝送線の端部において導体部分を突出さ
せるなどの加工を施しておき、上記のように直付けした
り、専用コネクタやフラット・ケ−ブル用コネクタ等を
兼用して各回路基板と接続しても良い。
【0156】また、カラ−受像管等を駆動する場合など
に、各伝送線の長さや各基板上の回路の遅延時間を加減
して、各信号間の総合遅延時間を調整できることは言う
までもない。信号用フレキシブル配線板177の基板層
の材質としては、一般的なプリント基板材料であるエポ
キシ系やフロ−グラス等のほかに、発泡ポリエチレン等
の遅延時間短縮や分布容量削減に有利な低誘電率材料、
ポリフォニレン・オキサイド系やフッ素樹脂系等の波長
短縮による基板小型化に有利な高誘電率材料、ポリイミ
ドやポリエステル等のフレキシブル基板材料等を用いる
ことができる。
【0157】導体部分は、図6に示した伝送線の場合と
同様に銅等を用いることができる。また、信号用フレキ
シブル配線板177は、図6を用いて説明したように、
信号線をシ−ルド用導体で挾み込む等の種々の構成法が
可能となる。発熱の大きい部品195等は、ビスやバネ
構造等で結合した放熱用金具196を介してシ−ルド板
186に放熱することもできる。さらに、放熱のために
シ−ルド板186等や信号用フレキシブル配線板177
に不要輻射が問題とならない程度の大きさの孔を開け
て、空気の対流を促進させることも可能である。
【0158】続いて、フレキシブル配線板に関する実施
例を図26に示す。図26(a)には、フレキシブル配
線板177を受像管側から見た正面図が示されており、
シ−ルド板186と187の間の円形或いは正方形等の
穴から実装時に見える部分は、すべてシ−ルド用の銅箔
等のグランド面199になるようにして不要輻射を抑え
ている。また、受像管が自由に動けるように、フレキシ
ブル配線板177には破線198で示す折り目が入り、
図25の側面図に示したような蛇腹構造等となってい
る。
【0159】シ−ルド板186と187の間から受像管
ソケット120が見える構造とすることができさえすれ
ば、破線198は円形に限らず正方形等の任意の形が許
される。四隅の穴205から208は、グランドのイン
ピ−ダンスを低減する際等に必要なビス等を通す穴であ
り、場合によっては不要である。また、信号用フレキシ
ブル配線板177と信号回路基板188を接続する錫メ
ッキ線等の190を貫通させる穴が203や204等で
あり、それぞれ基板上のグランドパタ−ンとスル−ホ−
ル等で接続可能な穴204等とグランドパタ−ンからは
分離されている穴203等がある。
【0160】また、信号線パタ−ンを上述したような不
要輻射を考慮した伝送線に用いる場合には、信号電流ル
−プを信号間で分離するため、グランドパタ−ンに20
0、201、202、216等に示すようなパタ−ンの
絶縁溝を設ける。図においてフレキシブル配線板177
は、配線板上に受像管ソケット120のみが設けられた
軽量構成となっているが、可能な場合は配線板上に上述
した受端インピ−ダンス等を実装することもできる。
【0161】図26(b)には、フレキシブル配線板1
77を受像管の反対側から見た正面図が示されており、
配線板上には導体パタ−ン209から214による信号
線が設けられている。受像管駆動信号等の広帯域や大振
幅の信号が伝送される導体パタ−ン209から211
は、インピ−ダンス整合や損失低減のためにパタ−ンも
太く、上記の接続用穴203や204等もグランドパタ
−ンと共に複数ずつ設けられている。
【0162】また、インピ−ダンス制御や不要輻射低減
のため、信号パタ−ンの少なくとも片側等の周辺にグラ
ンドパタ−ンを構成することも可能である。或いは、信
号パタ−ンの寄生容量低減のために、パタ−ンを細くし
たり、パタ−ンに対向する受像管側のグランドパタ−ン
の一部を削除したり、配線板の厚みを増やすこと等も可
能である。
【0163】その他の低周波信号や低振幅信号等に用い
られるパタ−ン213や214は、図示したように細い
パタ−ンを用いても、或いは受像管側のパタ−ンの一部
を用いても良い。パタ−ン213や214の場合も、流
れる電流の大きさや信頼性向上等の必要に応じて、複数
の接続穴に接続することができる。また、高電圧の信号
用パタ−ンは、その周辺における放電や電蝕現象を抑え
るため、パタ−ンの周囲に配線板を貫通する切り込みを
入れることもできる。
【0164】最後に、フレキシブル配線板に関する第2
実施例を図27及び図28に示す。本実施例の特徴は、
フレキシブル配線板を上述のように折り目を入れた蛇腹
構造等にすること無く、少し曲げる程度の容易な加工に
よって、不要輻射を抑制し機械的信頼性も確保できるこ
とである。本実施例のフレキシブル配線板を図27
(a)に示す。
【0165】図27(a)中、フレキシブル配線板21
7の例えば対辺にコネクタ接続用或いはハンダ付け用の
電極218や219を用意する。これらの電極は単一で
あっても、複数が用意されていても構わないが、製作時
の接続間違えを予防するため、図示したように、その位
置を対称的にせず、それぞれにずらすなどの工夫を講じ
ることが好ましい。電極の両面か片面上には、220か
ら227に示すような導体部分とそれらを絶縁する22
8から234に示すような導体以外の部分がある。
【0166】これらの導体以外の部分は、空間であって
も構わない。フレキシブル配線板217は、配線板上に
受像管ソケット120のみが設けられた軽量構成となっ
ているが、可能な場合は配線板上に上述した受端インピ
−ダンス等を実装することもできる。続いて、フレキシ
ブル配線板217の実装方法例を受像管の反対側のビデ
オ信号回路基板の部品面からの透視図である図28
(b)と、同図中の矢印243方向から見た水平断面図
の図27(c)、同様に図28(b)中の矢印242方
向から見た垂直断面図の図28(d)に示す。各図のう
ち、断面244から247はビデオ信号回路基板239
の一部を示している。
【0167】図28(b)に示すように、ビデオ信号回
路基板239の部品面或いはその反対面上には、フレキ
シブル配線板217取付け用にコネコタ235や236
が設けられている。コネコタ235や236にはフラッ
トケ−ブル用コネクタを併用することもできるし、専用
のコネクタを用意して用いることもできる。フレキシブ
ル配線板217を受像管に接続するため、垂直断面図の
図28(d)に示すように配線板217は受像管ソケッ
ト120がその頂点となるように曲げられている。
【0168】フレキシブル配線板217を曲げる向き
は、受像管ソケット120のピン121が信号回路基板
のシ−ルド板等に接触しない範囲で、図28(d)に示
した向きと反対である受像管から遠ざかる方向であって
も構わない。フレキシブル配線板217とシ−ルド板と
の隙間を狭めると共に受像管側に信号電圧の現われる導
体部がなるべく露出しないようにして、不要輻射を充分
に抑制するため、図28(b)の斜線で縁取りされるよ
うにシ−ルド板237と238、240と241は配線
板217上に突出している。図中の破線による縁取り
は、透視図であることを示している。
【0169】図27(c)と図28(d)に示されるよ
うに、これらのシ−ルド板の断面は配線板217上に突
出しているが、不要輻射が問題とならない場合には、一
点破線248から251等のうちの少なくとも一断面に
おいてシ−ルド板を切断することにより、シ−ルド板等
の機械加工を簡略化することもできる。さらに、上述し
たように、放熱のためにシ−ルド板やフレキシブル配線
板217等に不要輻射が問題とならない程度の大きさの
孔を開けることも可能であるが、図27(a)に示すよ
うに消費電力の大きい素子252等はビデオ信号回路基
板239の上部に配置する方が好ましい。
【0170】以上に説明した受像管駆動回路における実
施例は、カラ−ディスプレイ等に用いられ複数の駆動電
極を有するカラ−受像管のみに限らず、モノクロ−ムデ
ィスプレイや投写形ディスプレイ、オシロスコ−プに用
いられる単色管や、或いはプラズマ表示板や液晶表示板
等の任意の表示素子の駆動回路への適用、ひいてはディ
スプレイ装置全般への適用が可能であることは言うまで
もない。
【0171】さらに、上述の実施例は、受像管に限らず
任意の負荷を駆動する一般の広帯域信号増幅回路や信号
を扱う任意の信号処理回路への適用が可能である。ま
た、使用した素子の極性や種類の変更も容易であること
は言うまでもない。
【0172】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
不要輻射の発生を抑えると共に消費電力の増大を抑えた
広帯域信号伝送回路を実現することができる。従って、
本発明を用いることにより、CAD/CAM用のコンピ
ュタディスプレイ等に適用可能な帯域50MHzから3
00MHz程度、出力振幅30Vから50V程度の広帯
域大振幅な受像管駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる信号伝送回路の第1実施例を示
す回路図である。
【図2】本発明の信号伝送回路に用いる伝送線の第1実
施例を示す構造図である。
【図3】伝送線の第2実施例を示す構造図である。
【図4】伝送線の第3実施例を示す構造図である。
【図5】伝送線の第4実施例を示す構造図である。
【図6】伝送線の第5実施例を示す構造図である。
【図7】従来の広帯域受像管駆動回路を示す回路図であ
る。
【図8】従来の広帯域受像管駆動回路における伝送線の
入力リアクタンスの周波数特性図である。
【図9】本発明にかかる信号伝送回路の第2実施例を示
す回路図である。
【図10】本発明にかかる信号伝送回路の第3実施例を
示す回路図である。
【図11】本発明にかかる信号伝送回路の第4実施例の
一半分を示す回路図である。
【図12】本発明にかかる信号伝送回路の第4実施例の
残り半分を示す回路図である。
【図13】本発明の信号伝送回路と関連して用いる受像
管の第1実施例を示す構造図である。
【図14】受像管の第2実施例を示す構造図である。
【図15】従来の電子銃を示す構造図である。
【図16】上記受像管と関連して用いる電子銃の実施例
を示す構造図である。
【図17】本発明にかかる信号伝送回路の第5実施例を
示す回路図である。
【図18】本発明の信号伝送回路と関連して用いるトラ
ンスの実施例を示す構造図である。
【図19】本発明の信号伝送回路と関連して用いる電流
制御電源の実施例を示す構造図である。
【図20】本発明にかかる信号伝送回路の第6実施例を
示す回路図である。
【図21】本発明にかかる信号伝送回路の第7実施例を
示す回路図である。
【図22】本発明にかかる信号伝送回路の第8実施例を
示す回路図である。
【図23】本発明にかかる信号伝送回路の第9実施例を
示す回路図である。
【図24】本発明にかかる信号伝送回路の第10実施例
を示す回路図である。
【図25】本発明にかかる信号伝送回路の第11実施例
を示す構造図である。
【図26】本発明の信号伝送回路と関連して用いるフレ
キシブル配線板の第1実施例を示す構造図である。
【図27】フレキシブル配線板の第2実施例の上面図及
び水平断面図である。
【図28】フレキシブル配線板の第2実施例の透視図及
び垂直断面図である。
【符号の説明】
1…駆動回路基板,2…信号伝送線,3…受像管基板,
4…信号源,5…受像管,7…受端インピ−ダンス,1
1…出力インピ−ダンス,12…トランジスタ

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号処理回路において処理した信号を負
    荷へ伝送する信号伝送回路において、 前記信号処理回路の出力インピーダンス(11)を、前
    記信号伝送回路を構成する信号伝送線の送信側端子(1
    5)において、該伝送線と並列接続すると共に、前記信
    号伝送線の受信側端子(17)に、前記負荷(3)を接
    続したことを特徴とする信号伝送回路。
  2. 【請求項2】 信号処理回路において処理した信号を負
    荷へ伝送する信号伝送回路において、 前記信号処理回路の出力インピーダンス(11)を、前
    記信号伝送回路を構成する信号伝送線の送信側端子(1
    5)において、該伝送線と並列接続すると共に、前記信
    号伝送線の受信側端子(17)に、前記負荷(3)と受
    端インピーダンス(7)を並列に接続したことを特徴と
    する信号伝送回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の信号伝送回路に
    おいて、前記信号伝送線を介して電源電圧をも伝送する
    ことを特徴とする信号伝送回路。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の信号伝送回路に
    おいて、前記信号伝送回路を構成する信号伝送線が複数
    本あるとき、前記出力インピーダンスを並列接続された
    信号伝送線を除く他の信号伝送線の送信側端子(16)
    と受信側端子(18)のうち、少なくとも一方を接地点
    に接続したことを特徴とする信号伝送回路。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の信号伝送回路におい
    て、前記出力インピーダンスを並列接続された信号伝送
    線を除く他の信号伝送線の送信側端子(16)と受信側
    端子(18)のうち、少なくとも一方をコンデンサか或
    いはコイルの如きインピーダンスを介して接地点に接続
    したことを特徴とする信号伝送回路。
  6. 【請求項6】 信号源からの信号を負荷に伝送する信号
    伝送回路において、前記信号伝送回路を構成する信号伝
    送線の一方の端子に、前記信号源を電流制御電源を介し
    て接続し、前記信号伝送線の他方の端子に、負荷を接続
    したことを特徴とする信号伝送回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の信号伝送回路におい
    て、前記電流制御電源がトランスから成ることを特徴と
    する信号伝送回路。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の信号伝送回路におい
    て、前記電流制御電源が能動素子を用いた回路から成る
    ことを特徴とする信号伝送回路。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の信号伝送回路におい
    て、前記電流制御電源が、伝送線を構成する複数の導体
    間に現れる電磁誘導作用を利用するものから成ることを
    特徴とする信号伝送回路。
  10. 【請求項10】 信号源からの信号を負荷に伝送する信
    号伝送回路において、信号源を、エミッタフォロワ回路
    (165)やソ−スフォロワ回路により代表される低出
    力インピ−ダンス回路を介して、信号伝送回路を構成す
    る信号伝送線の送信側端子に接続し、負荷を、ベ−ス接
    地回路(39)やゲート接地回路により代表される低入
    力インピ−ダンス回路を介して、前記信号伝送線の受信
    側端子に接続したことを特徴とする信号伝送回路。
  11. 【請求項11】 信号源からの信号を負荷に伝送する信
    号伝送回路において、信号源を、エミッタ接地回路(1
    2)やソ−ス接地回路により代表される高出力インピ−
    ダンス回路を介して、信号伝送回路を構成する信号伝送
    線の送信側端子に接続し、負荷を、ベ−ス接地回路(3
    9)やゲート接地回路により代表される低入力インピ−
    ダンス回路を介して、前記信号伝送線の受信側端子に接
    続したことを特徴とする信号伝送回路。
  12. 【請求項12】 信号源と、負荷と、信号源を負荷に接
    続する信号伝送媒体と、から成る信号伝送回路におい
    て、 前記信号伝送媒体として、その片面の少なくとも一部が
    導体であるフレキシブル配線板(177)を用い、該配
    線板を用いて信号源の少なくとも一部をシールドするこ
    とを特徴とする信号伝送回路。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の信号伝送回路にお
    いて、前記フレキシブル配線板が蛇腹構造の配線板から
    成ることを特徴とする信号伝送回路。
  14. 【請求項14】 内部導体と外部導体から構成される信
    号伝送線において、内部導体をらせん構造としたことを
    特徴とする信号伝送線。
  15. 【請求項15】 内部導体と外部導体から構成される信
    号伝送線において、外部導体をらせん構造としたことを
    特徴とする信号伝送線。
  16. 【請求項16】 内部導体と外部導体から構成される信
    号伝送線において、外部導体を、隙間のある線路方向の
    縦線構造の導体としたことを特徴とする信号伝送線。
  17. 【請求項17】 平衡形線路を磁性体で覆って成ること
    を特徴とする信号伝送線。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の信号伝送線におい
    て、前記磁性体の周囲を更に外部導体で覆って成ること
    を特徴とする信号伝送線。
  19. 【請求項19】 内部導体と外部導体から構成される信
    号伝送体において、外部導体の周囲を磁性体で覆い、導
    体間の電磁結合度を向上させたことを特徴とする信号伝
    送体。
  20. 【請求項20】 信号を負荷に伝送する信号伝送線を含
    む信号伝送回路において、前記信号伝送線が、内部導体
    を外部導体板により挾むか或いは覆うようにした構造の
    ストリップ線路から成ることを特徴とする信号伝送回
    路。
  21. 【請求項21】 少なくとも一つの電極に対して、直列
    にコイルを挿入して外部端子に接続したことを特徴とす
    る受像管に代表される受像素子。
  22. 【請求項22】 少なくとも一つの電極の周辺を覆う導
    体面(116)を設けたことを特徴とする受像管に代表
    される受像素子。
  23. 【請求項23】 少なくとも一つの電極を、少なくとも
    一つの他の電極の周辺を覆う構造としたことを特徴とす
    る受像管に代表される受像素子。
  24. 【請求項24】 請求項22に記載の受像素子に対して
    適用する受像素子用ソケットであって、前記導体面(1
    16)との接続端子(123)を有したことを特徴とす
    る受像素子用ソケット(120)。
  25. 【請求項25】 請求項7に記載の信号伝送回路におい
    て、前記トランスが、ピ−キング用コイルにも兼用可能
    な近接させた複数の導体をらせん構造とすることにより
    構成したトランスから成ることを特徴とする信号伝送回
    路。
  26. 【請求項26】 近接した複数の皮膜状か或いは巻線状
    の抵抗体により構成したことを特徴とするトランス。
  27. 【請求項27】 プリント基板の片面か或いは複数の面
    に、複数の渦巻状の導体パタ−ンを並行させるか対向さ
    せることにより構成したことを特徴とするトランス。
  28. 【請求項28】 基板材料に磁性体粉を含んだことを特
    徴とするストリップ線路。
JP3205651A 1991-07-23 1991-07-23 信号伝送回路及びその関連部品 Pending JPH0527697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3205651A JPH0527697A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 信号伝送回路及びその関連部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3205651A JPH0527697A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 信号伝送回路及びその関連部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0527697A true JPH0527697A (ja) 1993-02-05

Family

ID=16510422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3205651A Pending JPH0527697A (ja) 1991-07-23 1991-07-23 信号伝送回路及びその関連部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0527697A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6573804B2 (en) 2000-03-14 2003-06-03 Canon Kabushiki Kaisha Electronic apparatus having a printed circuit board with multi-point grounding
JP2011223083A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Nippon Avionics Co Ltd 静電気ノイズ耐性を高めたプロジェクタ
JP2018142619A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 日本電産リード株式会社 インダクタンス素子、t型フィルタ、発振回路、及びインダクタンス素子の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6573804B2 (en) 2000-03-14 2003-06-03 Canon Kabushiki Kaisha Electronic apparatus having a printed circuit board with multi-point grounding
JP2011223083A (ja) * 2010-04-05 2011-11-04 Nippon Avionics Co Ltd 静電気ノイズ耐性を高めたプロジェクタ
JP2018142619A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 日本電産リード株式会社 インダクタンス素子、t型フィルタ、発振回路、及びインダクタンス素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3956717A (en) Hybrid diplexing filter
US20090289754A1 (en) Magnetic Induction Device
JPH04229076A (ja) 放射電磁妨害を抑制した電源
US20080169564A1 (en) Multi-layer substrate and electronic device having the same
JPWO2016114181A1 (ja) トランス型移相器、移相回路および通信端末装置
US4267529A (en) TV antenna isolation system
US6950291B1 (en) Electromagnetic interference shielding for small magnetic devices
JPH0527697A (ja) 信号伝送回路及びその関連部品
RU2252463C2 (ru) Конденсатор для электронно-лучевой трубки и электронно-лучевая трубка
KR100256006B1 (ko) 차폐된 음극선관
US5475287A (en) Cathode-ray tube apparatus and yoke
JP3278747B2 (ja) 漂遊磁界を抑制する方法および電気回路
JPH0850859A (ja) 高周波装置
JP6917588B2 (ja) 3分配器
KR20150045289A (ko) 쉴드판에 의해 전도 노이즈와 방사 노이즈를 낮추는 자기에너지 전달소자 및 전원 장치
US3437948A (en) Grounded collector amplifier circuit
JPH0355077B2 (ja)
JP2002271161A (ja) 高周波信号分配器
US5675213A (en) Cathode ray tube deflection yoke with reduced electric field radiation from terminal pins of printed circuit board on yoke
CN215180818U (zh) 一种用于磁共振成像的零焊点柔性射频线圈结构
TW201201522A (en) Radio frequency device
US3462642A (en) High frequency modulation cathode ray tube
JP2001291980A (ja) フレームアース接続構造
CN113109750A (zh) 一种用于磁共振成像的零焊点柔性射频线圈结构
JP2003304513A (ja) ケーブルテレビ用保安器