JPH05276926A - 有核細胞を表面培養する装置及び方法 - Google Patents

有核細胞を表面培養する装置及び方法

Info

Publication number
JPH05276926A
JPH05276926A JP4014449A JP1444992A JPH05276926A JP H05276926 A JPH05276926 A JP H05276926A JP 4014449 A JP4014449 A JP 4014449A JP 1444992 A JP1444992 A JP 1444992A JP H05276926 A JPH05276926 A JP H05276926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
nutrient medium
medium
diffusion tube
culture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4014449A
Other languages
English (en)
Inventor
Walter Merk
レルク ヴァルター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Boehringer Ingelheim Animal Health USA Inc
Original Assignee
Boehringer Ingelheim Animal Health Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Boehringer Ingelheim Animal Health Inc filed Critical Boehringer Ingelheim Animal Health Inc
Publication of JPH05276926A publication Critical patent/JPH05276926A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/16Particles; Beads; Granular material; Encapsulation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/06Nozzles; Sprayers; Spargers; Diffusers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 栄養培地を保持しかつ培養中に細胞がその表
面上で生育する充填ボディ(10)を含有する容器
(1)、及び、該栄養培地に酸素供給するのを可能にし
かつ該培地を該充填ボディ中に循環させるために、該装
置の使用に際して該容器の底に空気を導入して該栄養培
地を拡散できるように配置した空気拡散管(2)を含
む、有核細胞の表面培養装置であって、該充填ボディ
が、該拡散管を取り囲む培養室(9)の中に位置し、該
拡散管は、該培養室の底から該培養室の該充填ボディが
充填された部分の頂上における開放端(5)に至ってお
り、かつ、該培養室から栄養培地を通す孔(4)を有し
ている装置。 【効果】 大きな容量での細胞培養、培養面全面の被
覆、完全な洗浄及び培地の完全な交換が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有核細胞を表面培養す
る装置及び方法に関する。より詳細には、本発明は、細
胞培養依存物質を生産するために、特定の充填ボディ
(filling bodies)を培養面として使用する、有核細胞
を表面培養する装置及び方法に関する。本発明は、栄養
培地の均一な撹拌と適度なエアレーションの両方を確保
するためのガス拡散管の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】非形質転換有核細胞(真核生物)の培養
は、表面培養によってのみうまく行われることは公知で
ある。このことは、懸濁状態にある細胞は生育しないこ
とを意味している。むしろ、そのような細胞は、それら
が接触阻害点まで生育するのに適した表面上に静置され
る機会を有さなければならない。表面培養法は、その最
も単純な形において、平底を有する容器中で行われ、従
って、容器の底は、できるだけ精密に水平であるように
確保することが必要である。かかる容器は、好ましくは
ガラスまたはプラスチックから作られ、該容器の大きさ
は最終分析における取り扱い上の必要性によってのみ制
限される。できるだけ大きな表面積を得るため、水平に
なっているいくらかの偏平なまたは平らな面を1つ1つ
他の面の上に配置した容器や、開口部を一致させること
によって他のものに連結した容器もある。大きな表面積
の容器を提供するという同じ原則に従って、数個の例え
ば10の平らな培養面が1つ1つ上に積み上げられた棚
段(または、この容器を平行に連結して数個の例えば4
の平面のブロックを形成させることもできる)も開示さ
れてきた。更に、他の細胞培養法で、全内部面を該容器
の回転による細胞培養に使用しており、これはいわゆる
回転フラスコ(roller flask)である。かかる回転フラ
スコは、表面を拡げ、更に、必要な酸素の供給のみなら
ず有用な培地の増量による栄養分の供給を確保できるよ
うに、円盤または他の物体を備えることができる。
【0003】しかしながら、該容器の大きさのために、
大きな細胞培養体はもはや扱うことができないかまたは
扱い難いので、回転フラスコを使用するには限界があ
る。更に、作動中のフラスコの運動のために、培養物の
取り替えに必要なホースの連結がかろうじて行われるに
過ぎない。また、数個の細胞培養面と1つのポンプを有
する容器から構成される器具もある。必要な栄養分及び
酸素の供給は、ポンプによる培養培地の循環によって確
保される。例えば、かかる器具は、平らな培養面が小さ
なガラス製円筒体または球体によって置換された2リッ
ター容量の容器から構成され、その循環培地のpH値
は、該容器の外部の循環路の一部で、該培地にガスをバ
ブリングすることによって調整され得る。
【0004】上記の表面培養器具では、小さなガラス製
円筒体または球体は平均の長さ約6mm(円筒体につい
て)、平均外径約4mm(円筒体及び球体について)及び
平均内径約2mm(円筒体について)を有する。ポンプに
よって生育培地が連続的に循環されるとはいえ、多くの
数の球体または円筒体の存在によって生じる湿潤、毛管
作用及びその他の中間介在作用の如き物理的作用、特に
気泡の生成のため、培養面の全面を覆うことはできな
い。同様な理由で、細胞によって覆われた培養面は完全
に洗われ得ない。最初の培地の一部が容器中にむらなく
残るであろうから、完全に交換することはできない。更
に、例えば、ポンプが、インターフェロンのような生産
の対象である物質のある構造を破壊する実質的な剪断力
を発生するおそれがある。
【0005】マイクロキャリアー技術として知られてい
る他の操作によれば、例えば、デキストランから作った
平均径約0.15〜0.25mmを有する好適な球体を培
地中で懸濁し、撹拌して懸濁状態を維持する。細胞はこ
れら球体の表面上で培養される。Biotechnology and Bi
oengineering、第XXI巻、433-442 (1979)を参照のこ
と。その培養に利用できる表面は特に大きい。培地約1
00ml中で、0.5gのデキストラン担体につき、約
3,000cm2 となろう。球体を静置させて上澄み液を
取り出すことによって培地を分離することができる。や
はり、完全な洗浄はできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な有核
細胞の表面培養装置及び表面培養方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、意外にも、そ
の形状故に界面効果を妨害することなく完全な被覆と充
分な洗浄を可能にする表面培養ボディを使用または選択
できれば、表面培養における上記の欠点、つまり、イン
ターフェロン、ウィルス、酵素及び免疫抗体(例えば、
イムノグロブリン)の如き細胞培養依存物質の生産にお
ける上記の欠点が、培養容器の底で空気供給用の拡散管
を付随的に併用することによって、排除できるという知
見に基づきなされたものである。
【0008】本発明によれば、栄養培地を保持しかつ培
養中に細胞がその表面上で生育する充填ボディを含有す
る容器、及び、該栄養培地に酸素供給するのを可能にし
かつ該培地を該充填ボディ中に循環させるために、該装
置の使用に際して該容器の底に空気を導入して該栄養培
地を拡散できるように配置した空気拡散管を含む、有核
細胞の表面培養装置が提供される。なお、空気の泡が該
充填ボディと接触しないようにすることが好ましい。好
ましくは、1時間当たり栄養培地の5〜20倍容量の速
度で、より好ましくは、1時間当たり栄養培地の10倍
容量の速度で空気を導入する。
【0009】好ましい態様においては、該充填ボディ
は、長さ約6mm、幅約6mm、ワイヤ径約0.6mm及びピ
ッチ約0.3mmを有する伸張した形状のステンレス鋼の
ワイヤスパイラルである。有用な充填ボディは、細胞培
養に好都合な表面を有しかつ細胞に充分な接着可能性を
与えるものであり、培地を排出した後は自由容量(free
volume )に対して8%未満の培地しか残さないものが
よい。かかる好適な充填ボディには、化学における分別
蒸留において、相接触のための最適面積生成のために使
用されるフロア及びスクリーンの如き固定ボディ、及び
サドル形ボディ(saddle-shaped bodies)及び球形また
は円筒形の充填ボディの如き移動ボディが含まれ、これ
らは、ガラス;例えば、粘度または磁器のようなセラミ
ック;例えば、Chem Werke Huls AG社,Azidur,から入
手できるデュラナイト(Duranit R )、10%のブタジ
エンと90%のスチレンからなるコポリマー、またはテ
フロン(TeflonR )、E.I.du Pont de Nemours社から入
手できるテトラフルオロエチレン・フルオロカーボンポ
リマーのようなプラスチック;例えば、チタンまたはス
テンレス鋼のような金属;または、例えばコランダムの
ような焼結生成物の如き材料から作ることができること
が確認されている。
【0010】「移動充填ボディ」という用語は、パール
(Pall)リング、ラシッヒリング、プリム(Prym)リン
グ、磁製リング、ペルフォ(Perfo)リング、伸張した金
属リング、及びイントス(Intos) リングの如きリング;
ガラススパイラル、ウィルソンスパイラル、スプリング
コイル、ガラスコイル、ワイヤスパイラル、スプール及
びロールの如きコイル及びスパイラル;ビーズサドル、
スーパーサドル、及びノバロックス(Novalox)サドルの
如きサドル形ボディ;インターロックス(Interlox)及
びインターパック(Interpack)充填ボディ、ビーズ;
球;星型充填ボディ;ツインボディ;及びソリッドボデ
ィを包含し、これら全ては化学の分別蒸留の分野で知ら
れている。
【0011】しかしながら、特に好ましい充填ボディ
は、スパイラル、コイル及びサドル形ボディ、特に、各
屈曲部がほかの屈曲部に接触していないステンレス鋼か
ら作られた伸張した形状のコイル及びワイヤスパイラ
ル、またはサドル形ボディである。というのは、これら
は循環している培地に対して大きな表面積を有すると同
時に小さな流れ抵抗しか有さない結果、洗浄している
間、少量の原料しか残らないからである。特に好適なも
のは、総平均長さ約4〜8mm、好ましくは、約5〜7m
m、総幅約4〜8mm及び総ワイヤ径約0.4〜0.8mm
を有するワイヤスパイラルであり、各屈曲部間の隙間が
約0.1〜0.5mmのものである。例として、以下の充
填ボディについて、本発明の方法における適性について
試験した; A=ガラス棒(径:10mm、長さ:30mm); B=テフロンリング(外径:10.5mm、内径:5.5
mm、長さ:10.2mm); C=デュラナイト円筒体(外径:10.5mm、内径:6.5 m
m、長さ:11.5mm); D=ステンレス鋼スパイラル(外径:6mm、ワイヤ径:
0.6mm 、長さ:6mm); E=ガラス球(径:10mm); F=デュラナイト円筒体(外径:8mm、内径:5mm、長
さ:9.5mm); G=ガラス棒(径:6mm、長さ:10mm); H=サドル形(径:6mm、長さ:6mm); I=ステンレス鋼製細目金網円筒体(径:3mm、長さ:
5mm);及び K=ガラス球(径:3.5〜5mm); 比較 L=ガラス円筒体(外径:4mm、内径:2mm、長さ:6
mm)。
【0012】試験方法: 1.ガラス製試験管(内径:3〜5cm)の下方を先細り
にして、内径約0.5cmを有する管を出口として備える
ロートにし、コックを取り付けた。ロートから該0.5
cm管への移行位置にマークを付けた。該ガラス管のコッ
クを閉じて、該マークまで水を満たし、流し出した水の
重量、即ち、排出量を測定してその容量を決定した。次
いで、再度、該マークまで水を満たし、重量を測定した
水(例えば、200ml)を加えて、その上方水面に第2
のマークを付けた。次いで、水を排出して第1マークま
で水面を下ろした。排出した水の重量を測定し、その重
量を確定公称容量の重量から減じることによって、ガラ
ス壁に付着した残量水を同時に決定した。この全操作を
数回繰り返し、平均容量を空のときの値として確定し
た。
【0013】各試験の前にガラス管を完全に乾燥した
(例えば、アセトンで洗浄した後に送風して乾燥す
る)。試験する充填ボディも同じようにして乾燥器内で
乾燥した。試験に際し、該充填ボディをガラス管の上方
マークまで満たした。導入した充填ボディの重量と容量
を測定した。次いで、コックを閉じて、予め重量を測定
した水のうちの一定量の水を第2マークまで満たし、残
りの量を測定し、予め重量を測定した水の総重量からそ
の重量を減じて、充填した水の量を決定した。該充填量
を「自由容量」として確定した。次いで、コックを開
け、第1マークまで減少させた水を風袋重量を測定した
容器に集めた後、その重量を天秤上で測定した。該排出
量を「自由容量」から減じることによって、充填ボディ
中に残った水の「残存量」を計算した。先ほどの空のと
きの値を考慮に入れた。該充填ボディの表面積は、計算
するかまたは製造業者の明細書(manufacturer's speci
fication)から引用した。以下の値について、実験的に
測定したデータを計算した。リッター当たりの自由容量
(cm3)、該自由容量に対する充填ボディの表面積比、及
び該自由容量の百分率として表した排出後の残存量
【0014】2.同じガラス管(乾燥したもの)に、同
量の充填ボディを導入し、着色水(例えば、1%ニュー
トラルレッド水)で覆った。次いで、水で満たされかつ
ホースポンプによって締められたホースで上部開口部を
密封した。コックを開けた後、分当たり100mlの測定
量で、該ホースポンプを介して水を加え、1%ニュート
ラルレッドを100%として光度計で色の強さを測定す
ることによって、分当たりの洗浄効率を測定した。該測
定値を初期値と比較し、自由容量量でX回洗浄した後の
残留色素の洗浄効率(%)として計算した。洗浄を開始
して5分後に水の吸入を停止し、内容物をしばらく振
り、30秒間吸排水をした後測定した。自由容量量でX
回洗浄しこれを振った後の残留色素(%)として値が得
られた。上記の操作の結果を以下の表に示した。
【0015】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 充填ボ リッター 自由容量に 排出後 自由容量量での洗浄 残留色 自由容 ディ 当たりの 対する充填 の残存 後の洗浄効率(%) 素(%)量での 自由容量 ボディの表 量(自 洗浄回 (cm3) 面積比 由容量 数 (cm2:cm3) の%) 2回 3回 4回 ──────────────────────────────────── A 507 5.19 : 1 1.3 1.9 0.48 0.14 0.09 4.3 B 595 7.4 : 1 1.43 1.87 0.24 0.08 0.24 3.7 C 684 6.25 : 1 2.79 2.3 0.5 0* 0.46 3.5 D 856 10.9 : 1 3.05 0.26 0 0 0 3 E 452 7.65 : 1 4.67 1.3 0.22 0.06 0.02 4.7 F 627 8.37 : 1 4.67 1.27 0.15 0* 0.09 3.5 G 384 14.5 : 1 6.51 2.74 0.18 0.05 0.074 5.4 H 622 15.4 : 1 6.68 0.91 0.22 0 0 3.6 I 940 21.4 : 1 4.68 0.02 0 0 0 2.5 K 373 24.8 : 1 7.53 1.63 0.08 0.04 0.15 5.6 L 532 21.4 : 1 8.95 0.99 0.37 0.18 1.25 4.1 ──────────────────────────────────── *グラフを使用して決定した値(この印を付していない
値は実験値である)
【0016】上記の結果から、本発明の方法に好適な充
填ボディは以下のようなものであることが分かる。 (1)培地を排出した後、自由容量に対して培地の約8
%未満(付着による内容物)しか残さないこと、及び
(2)自由容量量で4回洗浄した後、最高約0.5%の
残留色素を有すること。このような充填ボディは、例え
ば、線維芽細胞または上皮細胞のような懸濁した有核細
胞が、短時間、例えば、1〜3時間付着できるようにす
る。更に、循環培地の栄養分がよく吸収され、その結
果、細胞の急速な生育を確実にする。しかしながら、そ
のような時間内に密集して生育した培養物を誘導物質と
接触させることが特に有利であり、その後、簡単な洗浄
による該誘導物質の必要な分離はあまり難しいものでは
ない。洗浄は、連続的にまたは断続的に、即ち、循環し
ている培地を洗浄培地で置換したり、任意に培地を数回
排出してのち洗浄液または清浄液で満たすことによって
行うことができる。後者の場合には、洗浄液または清浄
液を底から入れるのが好ましい。
【0017】更に、使用した充填ボディは困難さを伴わ
ずに清浄にでき、続けて再使用することができる。しか
しながら、このことは、細胞がそのような充填ボディの
表面に充分に付着して生育が妨げられないことを確保す
るが、一方では、細胞は後の清浄操作によって引き離す
ことができない程に固く付着してはいないことを意味し
ている。有用な充填ボディは、培地を排出した後は自由
容量に対して約8%未満の培地しか残さないもの、即ち
約8%より小さい付着による内容物しか有さないもので
あり、従って、妨害する物理的性質、例えば、妨害する
中間介在作用(湿潤または毛管作用の如きもの)を有さ
ない。培地の循環の際には、実質的な剪断力を発生しな
いポンプ、例えば、ホースポンプの如きものを使用する
のが適当である。特に好ましい充填ボディは、自由容量
に対する充填ボディの表面積の比率が、約20:1〜約
2:1、好ましくは約15:1〜約5:1であり、ステ
ンレス鋼製のものである。
【0018】添付の図面は、本発明の反応器を示したも
のであり、拡散管(2)が垂直にかつ実質的に中央に位
置した容器(1)を含み、該管(2)はその下方におい
て複数の孔(4)を有するスカート(3)の形状をして
いる。管(2)は該容器の内側に位置した開放端(5)
を有している。空気入口管(6)は、該容器の外側から
管(2)を通過し、管(2)の底と容器の底壁に接近し
たその出口(7)に至る。管(2)と容器壁の間の培養
室(9)は、管(2)の上端(5)に近い面まで、例え
ば、ワイヤスパイラルのような充填ボディ(10)で満
たされている。作動中、該容器は管(2)の上端(5)
当たりまで栄養培地で満たされる。該充填ボディの表面
上に生育している細胞の培養中、空気は管(6)を通っ
て該容器の中を通過する。生成した空気の泡は、栄養培
地を伴って管(6)の外壁と管(2)の内壁の間の輪状
スペースを上方に通過する。かくして、該栄養培地は、
培養室(9)から孔(4)を通って引っ張られ、上記の
輪状スペースを上方に向かい、管(2)の上端(5)で
オーバーフローし、培養室(9)に再び入る。空気は出
口(8)を通って出てゆく。
【0019】このようにして、きわめて簡単かつ経済的
に酸素供給及び培養培地の循環が同時に達成される。ま
た、本発明によれば、あまり好ましいものではないが、
管(2)を省略してもよい。以下の実施例は、本発明を
説明することを意図したものであって、本発明を限定す
るものと解されるべきではない。
【0020】
【実施例】比較例1 注意深く洗浄した伸張した形状のステンレス鋼ワイヤス
パイラルであって、長さが約6mm、幅が約6mm、ワイヤ
径が約0.6mm、ピッチが約0.3mm(自由容量に対す
る充填ボディの表面積の比率は約11:1である)の充
填ボディ17リッターで、デュラン(Duran)ガラス製の
25リッター二重ジャケット反応容器を満たした。その
入口及び出口に内径8〜10mmのシリコーンゴムホース
を取り付け、pH電極を介してpHメーター及びパーミ
エーター(permeator)を接続し、循環路と連結した。該
装置を過熱蒸気で殺菌した。表面細胞培養のトリプシネ
ーション(trypsinasion)によって得た細胞を、10%
ウシ胎児血清及び200μg/mlのカナマイシンを2
0,000細胞/cm2 の量で有する17リッターの最小
必要培地中に懸濁し、該反応容器中に入れた。該反応容
器を二重ジャケットを介して37℃に加熱しその温度に
維持した。該細胞培養懸濁液をポンプ循環することなく
該容器中で約2〜4時間放置した。次いで、シリコーン
ホースをホースポンプ中に挿入し、30回転/分の速度
で約40〜80リッター/時間の送出速度で循環を行っ
た。pHは7.3〜7.5に調整した。開始時点から2
4〜48時間後に規則的な間隔で培地を取り出し、同じ
組成を有する新鮮な生育培地を加えた。全体で約80リ
ッターの培地を加え、続く3〜4日を要して取り出し
た。細胞培養物の導入後8〜10日で全培地を取り出
し、血清を含まない最小必要培地を加えて該細胞を洗浄
し、次いで、100μg/mlのポリI:C及び2.5μ
g/mlのシクロヘキサミドを含有する誘導培地(induct
ion medium)をそこに加えた。該培地を反応容器中で3
時間放置した。次いで、約2μg/mlのアクチノマイシ
ンDを加えた。アクチノマイシンDを添加してから1時
間後に全誘導培地を取り出し、血清を含まない最小必要
培地で該培地を少なくとも4回洗浄した。次いで、1,
000μg/mlの血清アルブミンを含有する最小必要培
地を加え、上記のようにポンプで循環した。pH値を
7.5〜7.6に調整した。19〜20時間経過後に該
培地を採取し、公知の操作で濃縮、精製した。粗溶液中
のインターフェロンの収量は、合衆国国立衛生研究所の
国際参照調製法(International Reference Preparatio
n)G023902‐527に従って決定し、培養面に
つき約900〜2,000ユニット/cm2 であった。異
なる出発量で種々の充填ボディを使用して、同様な方法
で線維芽細胞インターフェロンを調製し、以下の表に記
載した結果を得た。
【0021】
【表2】 表 2 ────────────────────────── 充填ボ 出発量(リッター) 培養面1cm2 当たりの ディ インターフェロン参照単位 ────────────────────────── A 0.2 1,147 A 0.2 1,956 A 1.2 593 B 0.3 83 D 2.2 1,580 D 17.0 1,374 D 108.0 1,103 H 0.2 470 L 0.2 23 L 0.2 19 ──────────────────────────
【0022】上記の通り、本発明の実施に当たっては、
拡散管、好ましくは、細胞及び栄養培地を保持している
容器の中心で拡散管を使用する。充填ボディはかかる拡
散管を取り囲んでいる。空気は、細胞及び栄養培地を保
持している容器の底付近の開口部で該拡散管を通って導
入される。かかる拡散管からの空気の流れは、好ましく
は、時間当たり反応培地の容量の凡そ約5〜20倍、よ
り好ましくは10倍の速度で細胞及び栄養分を拡散し、
緩慢な撹拌と栄養培地への酸素の供給を行う。
【0023】実施例1 拡散管を使用すると意外な効果が得られる。例えば、ウ
シ下痢ウィルスでの生産試験を図面に記載したのと実質
的に同じ拡散管を有する容器とそのような管を有さない
容器を使用して行った。ウシ腎臓セルラインを(比較例
1で記載したように)予めコイルの形状にした充填ボデ
ィを入れた生育容器に接種し、生育及び増殖のために該
コイルにかかる細胞を付着させた。使用した栄養培地
は、のDMF+10%胎児ウシ血清,pH7.0であっ
た。該生育容器に空気を導入し、定常的な栄養分の供給
と細胞上への空気の流れを維持した。8日目に生育培地
を取り除き、タネ培地、即ち、MEM/LH+2%ウマ
血清,pH7.6を該生育容器に入れた。次いで、ウシ
下痢ウィルスを該生育容器に接種した。再度、空気を該
生育容器に導入した。11日目及び14日目に、液体培
地を除いて該生育培地を採取した。この培地のサンプル
を力価分析(potency assay)に付した。その結果は、以
下の通りである。
【0024】
【表3】 表 3 ───────────────────────────────── 採取物 拡散管の付いた容器 拡散管の付いていない容器 ───────────────────────────────── 採取物1(11日目) 106.4 TCID50/ml 105.5 TCID50/ml 採取物2(14日目) 106.5 TCID50/ml 106.4 TCID50/ml ─────────────────────────────────
【0025】明らかなように、採取物1では(10倍)
高い滴定量が得られた。拡散管の使用によって、所定の
生産試験及びより長い生産プロセスのいずれでもより高
い収量をもたらすことになる。つまり、生育容器で生産
及び採取をするのに少ない時間で済む。拡散管の使用に
よって、空気の泡の「素通り」が小さくなると思われ
る。従って、細胞生育の支持体として使用されるコイル
は、より均一に撹拌される。
【0026】上記の記載は空気を使用する拡散系を開示
しているが、培養培地中のpH、PO2 及びその他のパ
ラメーターを最適化するために、該拡散ガスに、例えば
酸素、二酸化炭素及び窒素を補ってもよいと理解される
べきである。前記の具体的な実施態様は、本発明の実際
の態様を説明するものである。しかしながら、本発明の
精神または特許請求の範囲から離れることなしに、当該
技術分野の熟練者に知られているかまたはここに開示さ
れている他の手段を使用することができることが理解さ
れるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応器を示したものである。
【符号の説明】
1 反応容器 2 拡散管 4 孔 5 開放端 6 空気入口管 9 培養室

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栄養培地を保持しかつ培養中に細胞がそ
    の表面上で生育する充填ボディを含有する容器、及び、
    該栄養培地に酸素供給するのを可能にしかつ該培地を該
    充填ボディ中に循環させるために、該装置の使用に際し
    て該容器の底に空気を導入して該栄養培地を拡散できる
    ように配置した空気拡散管を含む、有核細胞の表面培養
    装置。
  2. 【請求項2】 該充填ボディが、コイルまたはスパイラ
    ルワイヤの形をとる、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 該空気拡散管が、1時間当たり栄養培地
    の5〜20倍容量の速度で空気を導入するように適合さ
    れた、請求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】 該充填ボディが、長さ約6mm、幅約6m
    m、ワイヤ径約0.6mm及びピッチ約0.3mmを有する
    伸張した形状のステンレス鋼のワイヤスパイラルであ
    る、請求項2または3記載の装置。
  5. 【請求項5】 該空気拡散管が、1時間当たり栄養培地
    の10倍容量の速度で空気を導入するように適合され
    た、請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 該充填ボディが、該拡散管を取り囲む培
    養室の中に位置し、該拡散管は、該培養室の底から該培
    養室の該充填ボディが充填された部分の頂上における開
    放端に至っており、かつ、該培養室から栄養培地を通す
    孔を有し、該拡散管の中に空気を入れる入口を備える請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の装置であって、作動
    中に、該拡散管の中への空気の通過が、栄養培地を該培
    養室から該拡散管の中及び上方に流れさせ、該栄養培地
    を該拡散管の開放端から該培養室に戻させる配置になっ
    ている装置。
  7. 【請求項7】 栄養培地を保持している容器中の充填ボ
    ディ上で細胞が生育し、該栄養培地に酸素供給するのを
    可能にしかつ該培地を該充填ボディ中に循環させるため
    に該容器の底から空気拡散管を通して空気を導入し、該
    空気が該栄養培地と該充填ボディとを拡散できる、有核
    細胞を培養する方法。
  8. 【請求項8】 該空気が、1時間当たり栄養培地の5〜
    20倍容量の速度で導入される、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 該充填ボディが、長さ約6mm、幅約6m
    m、ワイヤ径約0.6mm及びピッチ約0.3mmを有する
    伸張した形状のステンレス鋼のワイヤスパイラルであ
    る、請求項7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】 該空気が、1時間当たり栄養培地の1
    0倍容量の速度で導入される、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 該細胞が、所定のアイデンティティを
    有するウィルスで感染されている、請求項7〜10のい
    ずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 更に、所定時間後に該容器から培養培
    地を取り除く工程を含む、請求項7〜11のいずれか1
    項に記載の方法。
JP4014449A 1991-01-31 1992-01-30 有核細胞を表面培養する装置及び方法 Pending JPH05276926A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US64809291A 1991-01-31 1991-01-31
US07/648092 1991-01-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05276926A true JPH05276926A (ja) 1993-10-26

Family

ID=24599404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4014449A Pending JPH05276926A (ja) 1991-01-31 1992-01-30 有核細胞を表面培養する装置及び方法

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0497330B1 (ja)
JP (1) JPH05276926A (ja)
AT (1) ATE130363T1 (ja)
AU (1) AU658162B2 (ja)
DE (1) DE69206003T2 (ja)
DK (1) DK0497330T3 (ja)
ES (1) ES2082242T3 (ja)
GR (1) GR3018878T3 (ja)
IE (1) IE70912B1 (ja)
MX (1) MX9200430A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017145870A1 (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社フコク 細胞培養容器および細胞培養容器の固定用治具

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2730743B1 (fr) * 1995-02-17 1997-05-09 Cooperation Internationale En Recipient de culture in vitro
WO2006085376A1 (ja) * 2005-02-10 2006-08-17 Biogenic Co., Ltd. 光合成微生物の培養装置及び培養方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR940514A (fr) * 1947-01-24 1948-12-15 Procédé et dispositif pour l'agitation de milieux liquides ou pâteux au sein desquels on doit envoyer de grands volumes gazeux
FR1598245A (ja) * 1968-11-29 1970-07-06
FR2381824A1 (fr) * 1977-02-23 1978-09-22 Setric Procede et dispositif de fermentation
EP0021257B1 (de) * 1979-06-28 1983-10-26 Dr. Karl Thomae GmbH Verfahren zur Oberflächenzüchtung kernhaltiger Zellen und Gewinnung von Zellkultur-abhängigen Stoffen
JPS62265A (ja) * 1985-02-05 1987-01-06 Teijin Ltd 細胞培養装置および方法
EP0276154A3 (en) * 1987-01-23 1988-12-28 Bellco Glass, Inc. Method and apparatus for cell culture
GB2202549A (en) * 1987-03-20 1988-09-28 Philip John Whitney Foldable fermenter
EP0289666B1 (en) * 1987-04-03 1992-06-17 Yeda Research And Development Company Limited Cell culture carriers etc.
GB2221920A (en) * 1988-08-04 1990-02-21 Ion Tech Ltd Cell culture apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017145870A1 (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社フコク 細胞培養容器および細胞培養容器の固定用治具
JP2017148002A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 株式会社フコク 細胞培養容器および細胞培養容器の固定用治具

Also Published As

Publication number Publication date
ES2082242T3 (es) 1996-03-16
DE69206003D1 (de) 1995-12-21
IE920308A1 (en) 1992-07-29
GR3018878T3 (en) 1996-05-31
MX9200430A (es) 1992-07-01
ATE130363T1 (de) 1995-12-15
DE69206003T2 (de) 1996-05-02
AU658162B2 (en) 1995-04-06
EP0497330B1 (en) 1995-11-15
AU1061592A (en) 1992-08-06
IE70912B1 (en) 1997-01-15
DK0497330T3 (da) 1996-02-19
EP0497330A1 (en) 1992-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5501971A (en) Method and apparatus for anchorage and suspension cell culture
US5270207A (en) Circulatory culture equipment
US5707868A (en) Variable-volume reactor-type device and process for culturing cellular material
US5672494A (en) Methods of increasing rates of infection by directing motion of vectors
Reuveny Microcarrier culture systems
JPH0547192B2 (ja)
JPS6023834B2 (ja) 発酵容器
JP2007535902A (ja) 自動細胞培養システムおよび方法
US11679345B2 (en) Particle settling devices
CA1322541C (en) Method for releasing cell cultures from the microcarriers
WO2007025968A1 (en) Semi-continuous fermentation process
US4968623A (en) Cell culture apparatus
JPH05276926A (ja) 有核細胞を表面培養する装置及び方法
US5672507A (en) Apparatus for the surface culture of nucleated cells and cell culture dependent substances
CA1147679A (en) Process for the surface culture of nucleated cells and the production of cell-culture-dependent substances
EP0190188A1 (en) Cell growth
JPH0226956B2 (ja)
CN210340843U (zh) 贴壁细胞微载体培养装置
JPS5921388A (ja) 細胞培養方法
JPS5959187A (ja) 細胞培養方法及び装置
JPH0634699B2 (ja) 動物細胞培養方法及び装置
JPH078230B2 (ja) 細胞培養装置
Veomett Techniques for enucleation of mammalian cells
CN117043313A (zh) 使用旋转过滤器更换培养物的培养基的方法
JPH0352954B2 (ja)