JPH0527672U - 自動尿検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単、かつ、小型であり、ランニング
コストが安い自動尿検査装置を提供することである。 【構成】 装置本体１０と、この装置本体１０の所定の
位置に位置決めされた無色透明な試験容器４１内の尿４
３に検査内容に応じた試薬を注入する試薬注入部２５
と、前記試験容器４１内の尿４３を間にして対向するＬ
ＥＤ３４とフォトダイオード３５とからなり、前記試薬
による尿４３の変色の度合を前記ＬＥＤ３４とフォトダ
イオード３５とで光学的に検出する検出部３０と、前記
検出部３０の検出結果を表示する表示部２０と、前記試
薬注入部２５および前記検出部３０を制御して得た検出
結果を前記表示部２０で表示するように制御する制御部
４０とで構成することにより、試験容器４１および尿４
３を透過したＬＥＤ３４からの光をフォトダイオード３
５が受光し、尿４３の変色の度合を尿に非接触で光学的
に検出できることを特徴とする自動尿検査装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動尿検査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、尿検査方法としては、検尿コップ内の尿に尿試験紙の試薬部を一定時間 浸漬し、試薬部の化学反応による発色の度合を目視にて判断する方法があるが、 人間の肉眼による判断では個人差があり、検査結果のバラツキが大きいという不 具合がある。この不具合を解決するため、試薬部の変色の度合を発光素子および 受光素子からなるセンサユニットで光学的に読み取る自動尿検査装置が考えられ る。

【０００３】 例えば、図６および図７に示すように、尿試験紙１をチャック部２aで挾持し たスライドアーム２が２本のロッド３,３を介して斜め下方に下降し、検尿コッ プ４内の尿５に前記尿試験紙１の試薬部１aを一定時間浸漬した後、斜め上方に 復帰する。その後、ロッド７,７を介して前記移動検査台６が前進して所定の位 置で停止すると、スライドアーム２のチャック部２aが開き、移動検査台６の表 面に沿って尿試験紙１が落下し、位置決めピン６aに係止する(図７)。

【０００４】 そして、前記移動検査台６が更に前進し、センサユニット８の突部８aが移動 検査台６の下端縁部に当接し、突部８bが尿試験紙１の片面に当接して停止する 。このため、フォトダイオード８dと試薬部１aとの距離が一定になるとともに、 前記突部８a,８bがＬＥＤ８c，フォトダイオード８ｄ等を外部空間から仕切り、 外部からの光を遮断する。

【０００５】 そして、ＬＥＤ８cが発光して各試薬部１aを照らすと、各試薬部１ａに対応す るフォトダイオード８dが反射光を検出し、試薬部１aにおける発色の度合に応じ た測定結果を表示部（図示せず）が表示する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述の自動尿検査装置では、尿に浸漬した尿試験紙１を移動検 査台６の位置決めピン６aに載置するので、検査台６などに尿が付着する。この ため、検査ごとに洗浄できる洗浄装置を設ける必要があるので、構造が複雑にな り、装置が大型化する。しかも、前述の自動尿検査装置は高価な尿試験紙を使用 するので、ランニングコストが高いという問題点がある。

【０００７】 そこで、本考案は前記問題点に鑑み、構造が簡単、かつ、小型であり、ランニ ングコストが安い自動尿検査装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる自動尿検査装置は、前記目的を達成するため、装置本体と、こ の装置本体の所定の位置に位置決めされた透光性を有する試験容器内の尿に検査 内容に応じた試薬を注入する試薬注入手段と、前記試験容器内の尿を間にして対 向する発光素子と受光素子とからなり、前記試薬による尿の変色の度合を前記発 光素子と受光素子とで光学的に検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果を 表示する表示手段と、前記試薬注入手段および前記検出手段を制御して得た検出 結果を前記表示手段で表示するように制御する制御手段とからなる構成としたも のである。

【０００９】

【作用】

したがって、本考案によれば、試験容器および尿を透過した発光素子からの光 を受光素子が受光することにより、尿の変色の度合を尿に非接触で光学的に検出 できることになる。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案にかかる一実施例を図１ないし図５の添付図面を参照して説明す る。 本実施例にかかる自動尿検査装置は、図１に示すように、側面略コ字形を有す る装置本体１０からなり、その上段部１１の正面に表示部２０と、電源スイッチ ２１、開始ボタン２２および中止ボタン２３からなる操作部２４とを配置すると ともに、前記上段部１１に試薬注入部２５を組み込む一方、後述する試験容器４ １内における尿の変色の度合を検出する検出部３０を下段部１２に組み込んであ り、前記試薬注入部２５、検出部３０は制御部４０を介して前記表示部２０、操 作部２４にそれぞれ接続されている(図３)。

【００１１】 前記表示部２０は液晶パネルからなるものであるが、必ずしもこれに限らず、 プリンタであってもよく、また、液晶パネルとプリンタとを併設したものであっ てもよい。

【００１２】 前記試薬注入部２５は尿に含まれるブドウ糖，タンパク質，血液等の濃度を測 定するために試薬を後述する試験容器４１に注入するものであり、本実施例では ４種類の尿成分を検査するために４本のノズル２６が前記上段部１１の下面から 下方側に突出している。

【００１３】 検出部３０は平面中央部に断面略Ｕ字形の受け台３１を埋め込んだもので（図 ５）、この受け台３１は、後述する試験容器４１の各仕切り部４２と対応する位 置に検査孔３２,３３を対向するように設けてある。そして、検出部３０は、前 記検査孔３２,３３にＬＥＤ３４、フォトダイオード３５をそれぞれ組み付けて あり、前記ＬＥＤ３４、フォトダイオード３５はプリント基板３６にそれぞれ電 気的に接続されている。

【００１４】 前記試験容器４１は直方体形状を有する無色透明な箱体で（図２）、その下半 分を仕切って形成した仕切り部４２内に所定量の尿４３を別々に注入できるよう になっている。なお、前記試験容器４１は無色透明に限らず、仕切り部４２内に おける尿４３の変色の度合を検出できるものであるならば、有色透明などであっ てもよく、特に限定するものではない。

【００１５】 次に、本実施例にかかる自動尿検査装置の操作方法について説明する。 まず、操作部２４の電源スイッチ２１を押してＯＮする一方、試験容器４１の 各仕切り部４２内に所定量の尿４３をそれぞれ注入し、これを受け台３１に嵌合 して位置決めする。そして、開始ボタン２２を押してＯＮすると、操作部２４か ら制御部４０に動作信号が送られ、これを受けて制御部４０から検出部３０に制 御信号が送られる。

【００１６】 制御部４０から検出部３０に送られた制御信号に基づき、各ＬＥＤ３４が点灯 し、試験容器４１、尿４３を透過した光を各フォトダイオード３５が受光して電 気信号に変換し、この電気信号を制御部４０に送る。制御部４０は送られてきた 電気信号に基づいて試験容器４１が所定の位置にセットされているか否か、およ び、所定量の尿４３が仕切り部４２内に注入されているか否かを判断する。試験 容器４１が所定の位置にセットされ、所定量の尿４３が仕切り部４２内に注入さ れていると制御部４０が判断すると、制御部４０は試薬注入部２５に制御信号を 送り、この制御信号に基づいて試薬注入部２５の各ノズル２６から試験容器４１ の各仕切り部４２に所定量の試薬がそれぞれ注入される。

【００１７】 そして、試薬注入から一定時間が経過した後、検出部３０が、再度、試験容器 ４１，尿４３を透過したＬＥＤ３４からの光をフォトダイオード３５でそれぞれ 受光して電気信号に変換し、この電気信号を制御部４０に送ると、制御部４０は 送られてきた電気信号を演算処理した後、その結果を表示部２０に送信し、表示 部２０が検査項目ごとの検査結果を表示する。なお、前記表示部２０は、検査結 果に限らず、測定開始から測定終了までの各段階の状態、例えば、「試薬注入中 」などをも表示する。

【００１８】 最後に、試験容器４１を装置本体１０から取り出して廃棄することにより、尿 検査が終了する。以後、同様な操作を繰り返すことにより、尿検査を連続的に行 うことができる。

【００１９】 なお、検査途中で不具合が生じた場合には、操作部２４の中止ボタン２３を押 すと、その時点で動作が停止し、初期状態に戻る。 また、例えば、前記上段部１１の下面に尿の液面までの距離を測定できる測定 手段を設けて尿の量を測定し、尿の量に応じた量の試薬を注入するように制御し てもよい。 さらに、試薬の注入は自動的に行う場合に限らず、手動でおこなってもよいこ とは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案に係る自動尿検査装置によれば、試験 容器内における尿に非接触で尿の変色の度合を光学的に検出して尿検査できるの で、構成部品に尿が付着しない。 このため、尿を洗浄するための洗浄装置が不要となるので、構造が簡単になり 、装置が小型化する。 さらに、高価な尿試験紙を使用せずに尿検査できるので、従来例よりもランニ ングコストが安価になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施例にかかる自動尿検査装置の全体斜視
図である。

【図２】 本実施例にかかる自動尿検査装置に使用され
る試験容器の斜視図である。

【図３】 本実施例にかかる自動尿検査装置のブロック
図である。

【図４】 本実施例にかかる自動尿検査装置に試験容器
をセットした状態を示す斜視図である。

【図５】 本実施例にかかる自動尿検査装置の要部断面
図である。

【図６】 従来例にかかる自動尿検査装置の要部斜視図
である。

【図７】 従来例にかかる自動尿検査装置の要部拡大図
である。

【符号の説明】

１０……装置本体、２０……表示部、２５……試薬注入
部、３０……検出部、３４……ＬＥＤ、３５……フォト
ダイオード、４０……制御部、４１……試験容器、４２
……仕切り部、４３……尿。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西村 寿太郎 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地サイ エンスセンタービル 株式会社オムロンラ イフサイエンス研究所内 (72)考案者 北浦 均 京都府京都市下京区中堂寺南町17番地サイ エンスセンタービル 株式会社オムロンラ イフサイエンス研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体と、この装置本体の所定の位置
   に位置決めされた透光性を有する試験容器内の尿に検査
   内容に応じた試薬を注入する試薬注入手段と、前記試験
   容器内の尿を間にして対向する発光素子と受光素子とか
   らなり、前記試薬による尿の変色の度合を前記発光素子
   と受光素子とで光学的に検出する検出手段と、前記検出
   手段の検出結果を表示する表示手段と、前記試薬注入手
   段および前記検出手段を制御して得た検出結果を前記表
   示手段で表示するように制御する制御手段とからなるこ
   とを特徴とする自動尿検査装置。