JPH0527652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ドアー等の錠で、特にチエンによつ
て補助的にロツクするドアーチエンに関するもの
である。

［従来の技術］ 従来、ドアー等の錠でチエンにて室内より補助
的にロツクするタイプのドアーチエン等と呼ばれ
ているものが知られている。このドアーチエン
は、周知のように一端が建築物の内壁に固定され
ているチエンの他端に取付けられているカギ状部
材をドアーに設けられた長孔を有する掛金に掛け
ることによつて室内よりロツクし、ドアーが一定
間隔以上は開かないような構造にしたものであ
る。

このようなドアーチエンによつて、ドアーがロ
ツクされている場合に、外出先から帰宅した際
に、その都度室内にいる者を呼び出してドアーチ
エンによるロツクを解いてもらつた後でないと、
ドアーを開けることが出来ない不便さがあつた。

［考案が解決すべき問題点］ 以上のような事情から、本考案においては、キ
ーを所持する者であれば、そのキーによつて屋外
からロツクを解除し得るようなドアーチエンを提
供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、以上の問題点を解決するために一般
の錠前と同じ構造の錠前部と、この錠前部の先端
面に緩く嵌合され配置されチエンの先端に設けら
れたロツク片を固定ロツクするためのロツク部
と、錠前部とロツク部とを連結および連結解除す
る連結部とより構成したドアーチエンであつて、
チエンに取付けられたロツク片を挿入してまわす
ことによりロツク部をまわして錠前とロツク部を
連結してロツク部を回動し得ないようにしてロツ
ク片をロツクし、錠前部に特定のキーを挿入して
錠前を回動してロツク片のロツクを解除すると共
に錠前部とロツク部との連結を解除するようにし
たもので、内部よりのチエンによる補助ロツクが
容易であり又外部からもキーによるロツク解除を
可能にしたドアーチエンを得たものである。

［実施例］ 以下図面にもとづいて本考案ドアーチエンの実
施例を説明する。

第１図、第２図は本考案の実施例の分解斜視図
で、これら図のうち第２図はその一部を向きを変
えて示したものである。又第３図乃至第６図は、
本考案の実施例の縦断面図（キー孔に沿つた方向
の断面図）で、後に詳細に述べるように、その操
作順にもとづいてそれぞれ記載されている。更に
第７図はドアーチエン全体の斜視図である。

この実施例のドアーチエンは、第１図におい
て、その機能その他について後に詳細に述べてい
るロツク部本体２１にスプリング３２を収納、更
に連結片３１を連結用溝２３に挿入した上で、こ
のロツク部本体２１および内筒１２を順次外筒１
内に挿入して固定板４８を固定して組合わせる。
このように組合わせた時の縦断面図が第３図であ
る。

以下この実施例の各部分の構造について説明す
る。

この実施例のドアーチエンは、大別して錠前部
１０とロツク部２０とにて構成されている。

錠前部１０は、公知のものが用いられるが、こ
の実施例では、一例として次に述べるようなデイ
スクタンブラー錠が用いられている。即ち第１図
に示すように凹溝１１ａを有する外筒１１と、複
数の溝１２ａを有する内筒１２と、内筒１にの各
溝１２ａ内に配置されたデイスクタンブラー１３
とよりなり、図示してないが、内筒１２内の各々
デイスクタンブラー１３が配置されている位置に
はスプリングが置かれていて、これらスプリング
にて夫々デイスクタンブラーが押し上げられてい
る。したがつてデイスクタンブラー１３の先端は
外筒１１の凹溝１１ａ内に挿入されていて内筒１
２は外筒１１に対して回り得なくなつている。

このタンブラー錠は、周知のようにキー孔１４
に特定のキーを挿入することによつてすべてのタ
ンブラー１３を押し下げて内筒１２が外筒１１に
対し回り得るようになる。

以上は従来公知のものであるが、本考案のドア
ーチエンの錠前部１０のうち外筒１１の先端には
キー孔１４と同一方向に伸びている孔１１ｂが形
成されている。又内筒１２の先端（キー孔１４が
形成されている側と反対側）にはキー孔１４と長
さ方向が同じである縦長の孔１５ａを有するロツ
ク部２０との連結用突出部１５が形成されてい
る。尚１６は抜け止めピンで内筒１２が外筒１１
より抜け出るのを防止すると共に内筒に設けられ
た溝１２ｂにより一定範囲だけ回動し得るように
したものである。

ロツク部２０は、外筒１１内で内筒１２の先端
面において接するように配置されたロツク部本体
２１によりなつている。このロツク部本体２１
は、第１図に示すようにその先端面（内筒１２に
接する側と反対側の端面）にはロツク用溝２２が
又他端面にはロツク用溝２２と直角方向を向いた
連結用溝２３が、更に周方向に沿つて約90度の範
囲にわたつて形成されたガイド溝２４とが形成さ
れている。このロツク部本体２１は、前述のよう
に外筒１１内に配置されていると共に内筒１２の
先端に形成された突出部１５が挿入されて内筒１
２と緩く嵌合されている。又第１図において２５
はガイド溝、２６はボール、２７はスプリングで
これらによつてロツク部本体２１が一定の範囲内
だけ回り得るように保持されている。

３０は錠前部１０とロツク部２０を連結する連
結部でロツク部本体２１に形成された連結用溝２
３内に挿入された連結片３１と、連結片３１を内
筒１２側に押しているスプリング３２とにて構成
されている。

又４０はロツク片で、柱状の本体４１と外筒１
１の先端に形成された孔１１ｂに丁度挿入し得る
形状をした端部４２と、本体４１につながつてい
るチエン４３とより構成され、本体４１の端部４
２を外筒１１の孔１１ｂに挿入して約90°まわす
ことによつて外筒１１より抜け出なくなる。尚第
７図に示すようにチエン４３の他端には掛金片４
６が取付けられていて、これは従来のドアーチエ
ンと同様に家屋内の建築物に取付けられた長溝を
有する掛金の長溝に挿入し得るようになつてい
る。

以上のような構造の本考案実施例におけるチエ
ンによるロツクおよび屋外よりのロツク解除につ
いて説明する。前述のように第３図乃至第６図は
この実施例の各状態を示す縦断面図である。

これら図のうち第３図はロツク前の状態におけ
る図である。この状態では、ロツク部２０のロツ
ク部本体２１は、そのロツク用溝２２がドアーに
固定された外筒１１の孔１１ｂと一致している。
ここで溝２２にロツク片４０の端部４２を挿入し
ロツク片４０をまわせばこれと共にロツク部本体
２１は右まわりには回動し、第４図に示す状態に
なる。この状態では、ロツク部本体２１の連結溝
２３の向きは、内筒１２の突出部１５に形成され
た連結孔１５ａの向きと一致するので連結片３１
はスプリング３２により押されてその一部が突出
部１５の連結孔１５ａ内に入り内筒１２とロツク
部本体２１は動き得なくなる。この時ロツク部本
体２１のロツク用溝２２、したがつてロツク片４
０の端部４２はいずれも外筒１１の孔１１ｂとク
ロスした状態になるためロツク片４０は抜けなく
なる。ここでチエン４３の他端の掛金４６を受座
４７に掛けて固定すれば従来のドアーチエンと同
様にドアーはチエンにてロツクされる。

このようにロツクされた状態で、外部より特定
のキー４５を差し込めば、錠前部１０の内筒１２
は外筒１１に対しまわり得るようになる。この時
キー４５の長さを、キー４５を一杯に差し込んだ
時にその先端が連結片３１をロツク部本体２１の
連結溝２３内に押しもどすに十分な長さにしてお
けば、第５図のようになり錠前部１０とロツク部
２０との連結は解除される。

ここでキーをまわして内筒１２を右まわりに回
動させると内筒１２の端面に設けられたストツパ
ーピン１７によつてロツク部本体２１も回動され
一定の角度範囲（約90°）だけ回動され第６図に
示す状態になる。これによつてロツク部本体２１
のロツク用溝２３およびロツク片４０の端部４２
は、外筒１１の孔１１ｂと一致するのでロツク片
４０は抜け落ちる。

キー４５を逆方向に回動させて戻せば内筒１２
は元の位置に戻り、キーを内筒１２より抜き取る
ことが出来る。この時内筒１２の端面のストツパ
ーピン１７は、ロツク部本体２１のガイド溝中を
移動するのでロツク部本体２１は、回動しないで
そのまま停止した状態にある。したがつて第３図
に示す元の状態に戻る。

以上の実施例は、デイスクタンブラー錠を用い
たものであるが、錠前部１０はこれに限ることな
くピンタンブラー錠やタンブラー錠以外の錠前を
用いてもよい。

［考案の効果］ 以上実施例にもとづいて詳細に説明したように
本考案のドアーチエンは錠前に合つた特定のキー
を持つている者であればドアーの外からでも開け
ることが出来、したがつて屋内にいる者を呼び出
さなくともドアーを開け得るので便利であると共
にドアーの二重ロツクとしての使用も可能であり
防犯上の効果もある。又ロツクする時の操作はロ
ツク片を挿入して約90°まわすだけの簡単なもの
であり、しかも室内からのドアーのロツクの一般
の操作と同じであるので好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の分解斜視図、第２図
は前記実施例の内筒およびロツク部本体の斜視
図、第３図は前記実施例を組合わせた状態の縦断
面図、第４図は前記実施例の第３図に示す状態よ
りロツク片を90°回動させた状態を示す縦断面図、
第５図は前記実施例の第４図に示す状態にてキー
を挿入した時の縦断面図、第６図は前記実施例の
第４図に示す状態にてキーにより内筒を90°回動
させた状態を示す縦断面図、第７図は本考案のド
アーチエンの外観を示す斜視図である。 １０……錠前部、１１……外筒、１２……内
筒、１５……連結用突出部、２０……ロツク部、
２１……ロツク部本体、２２……ロツク用溝、２
３……連結用溝、２４……ガイド溝、３０……連
結部、３１……連結片、３２……スプリング、４
０……ロツク片、４３……チエン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒１１と該外筒１１に対し回動可能でキー孔
   １４と反対側の端面に設けられたピン１７とキー
   孔１４に平行に延びる長穴１５ａを有する内筒１
   ２とからなるシリンダー錠と、ロツク用溝２２と
   前記内筒１２の軸線に沿つた方向に延びる連結用
   溝２３とを有し前記外筒１１内でガイド溝２４の
   一定範囲内で回動可能に配置されたロツク部２０
   と、該ロツク部２０内には連結用溝２３内に挿入
   された連結片３１と該連結片３１を内筒１２の方
   向に押圧するスプリング３２とを有し該連結片３
   １が該スプリング３２の押圧により前記長穴１５
   ａに挿入されて内筒１２とロツク部２０とを連結
   する連結部３０とを形成し、チエン４３に接続さ
   れていて前記外筒１１のキー孔１４とは反対側に
   その端部４２を挿入するとき前記ロツク部２０の
   ロツク用溝２２と嵌合されるロツク片４０とを更
   に備え、前記ロツク片４０の端部４２を外筒１１
   に挿入して回動することによりその端部４２に嵌
   合されたロツク部２０を回動してスプリング３２
   による連結部３０の移動でロツク部２０と内筒１
   ２とが連結されてロツクされ、これにより前記ロ
   ツク片４０もロツクされると共に外筒１１より抜
   け得なくなり、又キー４５を挿入することにより
   前記連結部３０を押して前記内筒１２と前記ロツ
   ク部２０との連結を解除すると共にキー４５を回
   動することによりロツクピン１７によりロツク部
   ２０をロツク片４０と共に回動して解錠しロツク
   片４０が外筒１１より抜け得るようにしたドアー
   チエン。