JPH0527644U - タイヤ空気圧監視装置に用いるタイヤ空気圧センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単なスイッチ構成により電池の消耗を抑え
てメインテナンスを少なくする。 【構成】 電池を電源としてタイヤ空気圧の状態信号を
発信する送信回路を有し、電池と送信回路との間にタイ
ヤ空気圧が所定値未満のときに信号を発する圧力スイッ
チおよび１Ｇ以上の遠心力が加わったときに信号を発す
るタイヤ回転スイッチ２とを直列的に挿入し、前記両信
号の入力を条件で送信回路に通電してタイヤ空気圧の状
態信号を発信するタイヤ空気圧センサをタイヤ内に配設
する。タイヤ回転スイッチは磁力により作動するリード
スイッチ１１が組み込まれ、この周囲に可動自在にリン
グ状の永久磁石１３が嵌装されており、ボディ１０と磁
石間には磁石を一方向に付勢するためのスプリング１４
が設けられている。磁石がタイヤの回転による１Ｇ以上
の遠心力を受けて移動したときにリードスイッチを動作
させて（ＯＮ）信号を発する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タイヤ空気圧の状態を検出し、表示等により報知するタイヤ空気圧 監視装置に用いるタイヤ空気圧センサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

タイヤの空気圧を監視するための各種の装置が提案されている。従来のタイヤ 空気圧監視装置は、例えばサスペンション上にディテクタを取り付け、このディ テクタに対向したタイヤのアルミホイールにセンサを配設し、ディテクタとセン サの磁気結合によりタイヤの空気圧情報を得ていた。またタイヤ内に送信回路を 有するセンサを配設し、タイヤ空気圧情報を無線により発信し、この情報を車体 側にある受信回路で受信する無線方式も提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、無線方式の場合は、センサ内に電源を装備しなければならないが、 この電源として電池が使用されていることから消耗による電池交換のメンテナン スを必要とするものである。電池の消耗を抑え、メンテナンスを少なくするため に、必要時のみ通電するように回路を構成するなどの改良が図られている。しか し、従来の装置では、タイヤ空気圧に感知する圧力スイッチやタイヤ回転を感知 するタイヤ回転スイッチ等の部品点数が多いという問題があった。 本考案の目的は、簡単な回路構成により電池の消耗を抑えてメインテナンスを 少なくしたタイヤ空気圧監視装置に用いるタイヤ空気圧センサを提供することで ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、無線周波数のタイヤ空気圧の状態信号 を受信して認識し、タイヤ空気圧が所定値未満のときに警報を発する受信手段を 有するコントローラを備えたタイヤ空気圧監視装置に用いられ、電池を電源とし て前記タイヤ空気圧の状態信号を送信する送信手段を有するタイヤ空気圧センサ において、前記タイヤ空気圧が所定値未満のときに信号を発する圧力スイッチと 、１Ｇ以上の遠心力が加わったときに信号を発するタイヤ回転スイッチとから成 り、前記両信号の入力を条件で前記送信手段に通電し、タイヤ空気圧の状態信号 を送信することを構成とする。

【０００５】

【作用】

タイヤ空気圧が所定値以上にある場合は、圧力スイッチから発せられる信号に より、送信手段が断電され、発信動作を停止している。そのため、コントローラ は受信される電波がないことからタイヤ空気圧が所定値以上にあると認識する。 一方タイヤ空気圧が所定値未満になると、圧力スイッチからの信号および車両走 行中にタイヤ回転スイッチに１Ｇ以上の遠心力が加わったときに発せられる信号 により、送信手段に通電され、発信動作が開始される。これによりコントローラ は受信した電波からタイヤ空気圧の状態を判断する。 また車両の停止、またはタイヤ回転スイッチに加える遠心力が１Ｇ未満の走行 状態では、タイヤ回転スイッチからの信号がないので、タイヤ空気圧が所定値未 満で圧力スイッチからの信号が出されていたとしても送信手段への通電が行われ ない。その後の車両の走行状況からタイヤ回転スイッチに１Ｇ以上の遠心力が加 わって信号が発せられると、発信動作が開始される。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図３および４は、本考案の タイヤ空気圧監視装置に用いるタイヤ空気圧センサの取り付け状態を示している 。 タイヤ空気圧センサは、タイヤ空気圧が所定値未満のときに信号を発する圧力 スイッチ１、１Ｇ以上の遠心力が加わったときに信号を発するタイヤ回転スイッ チ２、タイヤ空気圧の状態信号を発信する送信回路３０が設けられた電子回路基 板３および送信回路を動作させるための電池４から構成されており、これらの部 品をハウジング７に組み込み、自動車の４つのタイヤのアルミホイール５にボル ト６で取り付けられる。このセンサから発信された状態信号は、コントローラで 受信され、各タイヤの状態が判断され、必要に応じて表示等の報知を行う。

【０００７】 図１は、タイヤ回転スイッチの構成の一例を示している。ボディ１０内には、 磁力により作動するリードスイッチ１１が組み込まれた円筒状のインシュレータ １２が装着されており、このインシュレータ１２の周囲に可動自在にリング状の 永久磁石１３が嵌装されている。ボディ１０と永久磁石１３との間には、永久磁 石を一方向に付勢するためのスプリング１４が設けられている。この永久磁石が タイヤの回転による遠心力を受けて移動したときにリードスイッチ１１をＯＮ動 作させる。このＯＮ動作状態を維持するために、リードスイッチ１１を所定位置 に止めて置くためのストッパ１５がボディ内面に設けられている。１６は、リー ドスイッチ１１のリード線である。

【０００８】 次にリードスイッチの作動条件について説明する。 バネ定数Ｋ，磁石の重さｍによる重力のたわみ量ｘとすると、バネに加わる力 Ｆは、Ｆ＝Ｋｘとなる。ここでは、リードスイッチがＯＮするためのバネのたわ み量を、磁石の重さｍによるバネのたわみ量の２倍に設定する。タイヤ回転スイ ッチ２は、図２に示す半径ｒの位置に取り付けられている。 車速Ｖ₀［Ｋｍ／ｈ］，車輪の回転数ｎ＝Ｖ₀／３．６＊２πＲ［回／ｓ］，タ イヤ回転スイッチ部の速度ω＝２πｒ・ｎ＝ｒ・Ｖ₀／３．６Ｒ［ｍ／ｓ］とす ると、磁石に加わる遠心力Ｆ₂は、 Ｆ₂＝ｍｒω²＝ｍｒ（ｒＶ₀／３．６Ｒ）² である。またバネ定数Ｋ＝９．８ｍ／ｘとして、このバネを２ｘだけたわませる 力は２Ｆ₁である。したがって、上記力を遠心力によって発生させるためには、 ２Ｆ₁≦Ｆ₂が成立するように設計する。 本実施例によれば、タイヤ回転スイッチは、センサの運搬時やセンサを車に取 り付け後の停車時ではＯＮせず、車両が走行し、２Ｆ₁≦Ｆ₂の関係のときＯＮす る。

【０００９】 次に本考案のタイヤ空気圧センサの具体例を説明する。図５は、タイヤ空気圧 センサの回路構成の一例が示されている。電池４と送信回路のトランジスタＴｒ との間に圧力スイッチ１およびタイヤ回転スイッチ２が直列接続されている。Ｔ ｒのベース側には圧力スイッチ１とタイヤ回転スイッチ２が共にＯＮになると通 電されて動作する非安定マルチ等のスイッチング手段３１が挿入されている。ま たＴｒのコレクタ側にはコード発生手段３２、変調手段３３および高周波発振手 段３４が並列的に接続されている。Ｔｒは非安定マルチ等のスイッチング手段３ １によりスイッチング動作を行い、電源を間欠的に高周波発振手段３４に供給し て動作させて送信アンテナ３５からタイヤ空気圧情報の電波を間欠的に発信する 。 すなわち、高周波発振手段３４の発信動作は、圧力スイッチ１とタイヤ回転ス イッチ２が共にＯＮし、かつＴｒの導通時に通電されて行う。

【００１０】 高周波発振手段３４は、水晶、ＬＣ等により構成されており、発振電波を変調 手段３３によりＡＭまたはＦＭ変調して発信する。変調手段３３は、コード発生 手段３２から出されるコード信号に応じて高周波発振手段３４の発振周波数を変 調する。各タイヤの空気圧情報に関する発信電波は、車体側に装備された受信手 段を有するコントローラ４０で受信処理される。コントローラ４０は、受信アン テナ４１により受信した電波を、受信手段４２で復調し、その信号を判断手段４ ３でタイヤ空気圧が所定値未満であることを判断し、その結果をＬＥＤ等の表示 手段４４により表示して報知する。

【００１１】 タイヤ空気圧が所定値以上にある場合は、圧力スイッチ１がＯＦＦであるため 、車両の走行中に１Ｇ以上の遠心力がタイヤ回転スイッチ２に加わってＯＮされ ていても送信回路３０には電源が供給されない。したがって、発信動作は停止状 態にある。この状態でのコントローラ４０は、受信される電波がないことからタ イヤ空気圧が所定値以上にあることを判断する。一方タイヤ空気圧が所定値未満 になると、圧力スイッチ１がＯＮし、タイヤ回転スイッチ２に１Ｇ以上の遠心力 が加わってＯＮすることにより、Ｔｒが間欠的に導通し、発信動作が開始される 。これによりコントローラ４０は受信した電波からタイヤ空気圧の状態を判断す る。すなわち、タイヤ空気圧の状態は、車両の走行中に判断され、表示手段４４ に表示して報知する。

【００１２】 また車両の停止、またはタイヤ回転スイッチに加える遠心力が１Ｇ未満の走行 状態では、タイヤ回転スイッチがＯＦＦであるため、タイヤ空気圧が所定値未満 で圧力スイッチがＯＮされていても送信回路には電源が供給されず、発信動作は 停止状態である。この状態から車両の走行を開始、または速度を上げると、タイ ヤ回転スイッチに１Ｇ以上の遠心力が加わってＯＮされ、発信動作が開始される 。そして上記同様に、コントローラ４０において処理される。 本実施例によれば、スイッチング手段は電波の発信を間欠的にし、電池の劣化 を少なくするとともに、コード発生手段は他の車両のタイヤが発信する電波を受 信して誤警報の発生を防止する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、圧力スイッチから発せられるタイヤ空気圧の所定値以上のと きの信号とタイヤ回転スイッチから発せられる１Ｇ以上の遠心力が加わったとき の信号を入力として、送信回路への通電を行うように構成したので、圧力スイッ チと１つのタイヤ回転スイッチにより車両停止時には送信回路が断電され、車両 走行時にタイヤ空気圧が所定値未満にあるときのみ送信回路への通電が行われる ので、簡単な構成で電池の消耗を少なく抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のタイヤ空気圧センサを構成するタイ
ヤ回転スイッチの断面図である。

【図２】 タイヤ回転スイッチの動作条件を説明するた
めの図である。

【図３】 タイヤ空気圧センサの取り付け構造の一例を
示すタイヤホイールの一部断面図である。

【図４】 図３ＡーＡ線に沿った断面図である。

【図５】 タイヤ空気圧監視装置の回路構成を示し、図
５Ａはタイヤ空気圧センサの回路図、図５Ｂはコントロ
ーラの回路図である。

【符号の説明】

１ 圧力スイッチ、２ タイヤ回転スイッチ、３ 電子
回路基板、４ 電池、５アルミニウム製のタイヤホイー
ル、７ ハウジング、１０ ボディ、１１リードスイッ
チ、１２ インシュレータ、１３ 永久磁石、１４ ス
プリング、３０ 送信回路、３１ スイッチング手段、
３２ コード発生手段、３３ 変調手段、３４ 高周波
発振手段、４０ コントローラ、４２ 受信回路、４３
判断手段、４４ 表示手段、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中埜 喜夫 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田１番地 株式会社東海理化電機製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線周波数のタイヤ空気圧の状態信号を
   受信して認識し、タイヤ空気圧が所定値未満のときに警
   報を発する受信手段を有するコントローラを備えたタイ
   ヤ空気圧監視装置に用いられ、電池を電源として前記タ
   イヤ空気圧の状態信号を送信する送信手段を有するタイ
   ヤ空気圧センサにおいて、前記タイヤ空気圧が所定値未
   満のときに信号を発する圧力スイッチと、１Ｇ以上の遠
   心力が加わったときに信号を発するタイヤ回転スイッチ
   とから成り、前記両信号の入力を条件で前記送信手段に
   通電し、タイヤ空気圧の状態信号を送信することを特徴
   とするタイヤ空気圧センサ。