JP2002193083A - ワイヤレスセンサ付き車輪軸受を有する自動車 - Google Patents

ワイヤレスセンサ付き車輪軸受を有する自動車

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JP2002193083A
JP2002193083A JP2001322001A JP2001322001A JP2002193083A JP 2002193083 A JP2002193083 A JP 2002193083A JP 2001322001 A JP2001322001 A JP 2001322001A JP 2001322001 A JP2001322001 A JP 2001322001A JP 2002193083 A JP2002193083 A JP 2002193083A
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sensor
wheel
transmission
generator
vehicle body
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JP2001322001A
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Inventor
Koichi Okada
浩一 岡田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車外での断線の恐れがなく、また自動車の軽
量化、コスト低下が図れるワイヤレスセンサ付き車輪軸
受を有する自動車を提供する。 【解決手段】 車体5に、車輪回転速度の検出信号によ
りブレーキ9の制動力の制御を行う制御回路13を設け
る。車輪1の回転部材8にパルサリング15を装着し、
これに対峙して車輪支持部材4に回転検出用のセンサ1
4を設ける。このセンサ14の出力をワイヤレス伝達手
段16で伝達する。ワイヤレス伝達手段16は、車輪支
持部材4に設置された送信部17と、車体5に設置され
た受信部18とでなる。ワイヤレス伝達手段16は、電
波に限らず、磁気結合による伝送、赤外線等の光による
伝送、または超音波による伝送を行うものであっても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車における
アンチロックブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車には、低摩擦路やパニック
ブレーキ時のタイヤロックを検知し、ブレーキを緩めて
タイヤグリップを確保することで操舵安定性を図るアン
チロックブレーキ装置(ABS)が多く採用されてい
る。この装置では、車軸軸受部に回転センサを取付け、
回転数を検出しているが、そのセンサへの電力供給やセ
ンサの出力信号は、電線で車体部とやりとりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この電線は、車軸軸受
部と車体との間では車外に露出することになり、石跳ね
やタイヤハウス内の雪の凍結により断線等の支障を起こ
し易い。また、操舵輪の場合は、電線に予め捩じれを与
えておく必要があったり、電線の固定に多大な工数が必
要であったりする。上記の電線はその被覆も必要で、自
動車の軽量化の妨げとなり、また電線の固定の工数が多
いことから、コスト増となっている。
【0004】この発明の目的は、車外での断線の恐れが
なく、また自動車の軽量化、コスト低下が図れるアンチ
ロックブレーキ装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、車輪の回転
速度を検出し、その検出信号によりブレーキ制動力の制
御を行うアンチロックブレーキ装置において、車輪の回
転部材に装着されたパルサリングと、このパルサリング
に対峙して車輪支持部材に装着されたセンサと、車体に
設置されて上記制動力の制御を行う制御回路と、上記車
輪支持部材および車体に送信部および受信部が各々設置
され上記センサの信号をワイヤレスで送受するワイヤレ
ス伝達手段とを備えたものである。このように、回転セ
ンサの信号を、車輪支持部材の送信部から、車体側の受
信部にワイヤレスで送信するため、車輪支持部と車体と
の間でセンサ信号伝達用の電線が車外に露出しない。そ
のため、石跳ねやタイヤハウス内の雪の凍結等により、
断線の支障を起こすことがない。また、車輪支持部と車
体との間のセンサ信号用の電線が省け、その煩雑な配線
固定作業も不要となるため、自動車の軽量化、コスト低
下が図れる。
【0006】上記ワイヤレス伝達手段は、電波に限ら
ず、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、ま
たは超音波による伝送を行うものなど、空間を伝送する
信号を用いるものであれば良い。磁気結合よる伝送の場
合、上記ワイヤレス伝達手段は、送信部に設けられた送
信コイルと受信部に設けられた受信コイルとの間の磁気
結合で信号伝送するものとする。送信コイルは、例えば
任意の周波数で励磁し、電磁誘導で受信コイルに電圧を
発生させる。超音波による伝送の場合、上記ワイヤレス
伝達手段は、超音波で信号伝送するものとする。この場
合、例えば、上記送信部は、圧電素子等の超音波振動子
で発振させ、その超音波をセンサの信号で変調して伝送
する。周波数は、可聴域を超える20kHz以上を用い
る。光による伝送の場合、上記ワイヤレス伝達手段は、
光で信号伝送するものとする。この場合、例えば上記送
信部は、レーザダイオードやLED等の発光素子を車体
のタイヤハウス内部に向けて配置し、車体には上記受信
部として、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の
受光素子を送信部側に向けて配置する。電波による伝送
の場合、上記ワイヤレス伝達手段は、微弱電波で信号伝
送するものとする。この微弱電波は、電波法の規制を受
けない電波(例えば、322Mz板では3mの距離で電
界強度500μV以下)とする。
【0007】上記の各構成のワイヤレス伝達手段の場合
に、つまり磁気結合、超音波、光、微弱電波のいずれで
送信するワイヤレス伝達手段の場合にも、送信部から送
信する信号は、単純なオンオフ信号であっても良く、ま
た搬送波をセンサの信号で変調したものであっても良
い。搬送波を変調する場合、上記受信部は上記送信部で
送信された信号を同調して受信し、復調させるものとす
る。搬送波の変調は、搬送波をオンオフするものであっ
ても良く、また搬送波を周波数変調するものであっても
良い。このように搬送波を変調し、これを同調復調する
場合、外部ノイズの影響を軽減できる。
【0008】この発明において、上記ワイヤレス伝達手
段の送信部およびセンサに必要な電力を、車体側からワ
イヤレスで与えるワイヤレス給電手段を設けても良い。
このようにワイヤレス給電手段を設けることで、車輪支
持部と車体との間で給電用の電線が車外に露出せず、こ
の給電用電線の断線の問題も解消される。また発電機を
設ける場合と異なり、車体停止時にも給電が可能で、零
速から速度信号を得ることができる。ワイヤレス給電手
段も、ワイヤレスによる電力の伝達は、磁気結合による
ほかに、光、超音波、電波等に電力を変換して伝達する
ことができる。ワイヤレス給電手段により、磁気結合、
光、超音波、電波等によるいずれの伝達方式とするか
は、センサ信号のワイヤレス伝達手段で採用する伝達方
式と同じ方式とすることで、ワイヤレス給電手段および
ワイヤレス伝達手段の部品共通化や取扱の共通化が図れ
る。
【0009】この発明において、上記回転部材の回転で
発電する発電機を設け、その発電機の発電出力を上記送
信部およびセンサに与えるようにしても良い。このよう
に車輪の回転力を利用した発電機を設けることで、別途
に電力供給することなく、センサ信号を伝送することが
できる。そのため、電力供給用の配線が省ける。
【0010】また、この発明において、上記センサは、
上記回転部材の回転で発電する発電機からなり、この発
電機は、磁極数が回転数の検出に必要なパルス数を発生
可能な数のものとし、上記送信部は、発電周波数を回転
速度信号として送信するものとしても良い。このよう
に、センサを発電機とすることで、別途に回転センサを
用意することなく、発電機の周波数をそのまま回転信号
として利用することができ、構成の簡易化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1において、車輪1は車軸軸受2の回
転輪であるハブ輪3に取付けられ、車軸軸受2の固定輪
からなる車輪支持部材4は、車体5から下方に突出した
サスペンション(図示せず)に支持されている。車輪1
は、図示の例では操舵輪であり、等速自在継手6を介し
て車軸7に連結されている。車輪1の回転部材8は、車
輪1の構成部材および車輪1と一体に結合されて回転す
る部材のことであり、この例ではハブ輪3および等速自
在継手6の外輪6aを含む。等速自在継手6は、外輪6
aが車軸軸受2のハブ輪3に一体固定状態に結合されて
いる。
【0012】ブレーキ9は、車輪1に設けられたブレー
キドラムまたはブレーキディスク等の摩擦部材(図示せ
ず)に接して車輪1を制動するものであり、油圧シリン
ダ等を備えている。ブレーキペタル等のブレーキ操作部
材10の操作は、変換手段11を介して油圧力等に変換
され、増力してブレーキ9に伝えられる。制動力調整手
段12は、ブレーキ9の制動力を調整する手段であり、
制御回路13の指令に応じて制動力を調整する。制動力
調整手段12は、ブレーキ9と変換手段11との間の油
圧経路に設けられている。制御回路13は、回転数のセ
ンサ14で検出された車輪回転数に応じて制動力調整手
段12に制動力の調整指令を与える手段であり、マイク
ロコンピュータ等の電子回路で構成されている。
【0013】センサ14は、車輪1のパルサリング15
に対峙して車輪支持部材4に設置され、パルサリング1
5を検出してパルス数を出力するものである。パルサリ
ング15は、車輪1の回転部材8に設けられている。図
示の例では、パルサリング15は、等速自在継手6の外
輪6aに、詳しくは外輪6aのハブ輪3との連結端に設
けられている。パルサリング15は、回転に伴ってセン
サ14にパルス出力を発生させる部品であり、外径面に
パルス歯列を設けたもの(図6の例)や、円周方向に交
互に反対の磁極が並べて設けられたもの(図4の例)
や、円周方向に交互に並ぶ光学的に検出可能な濃淡の格
子を設けたもの(図示せず)など、センサ14に応じた
各種の構成のものが使用される。
【0014】センサ14の検出信号は、ワイヤレス伝達
手段16を介して制御回路13に伝送される。ワイヤレ
ス伝達手段16は、車輪支持部材4に設置された送信部
17と、車体5に設置された受信部18とで構成され
る。受信部18は、例えば車体5におけるタイヤハウス
部5aの内部に、送信部17と互いに対向して設けられ
る。
【0015】ワイヤレス伝達手段16は、電波に限ら
ず、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、ま
たは超音波による伝送を行うものなど、空間を伝送する
信号を用いるものであれば良い。磁気結合よる伝送の場
合、ワイヤレス伝達手段16は、送信部17に設けられ
た送信コイルと受信部18に設けられた受信コイルとの
間の磁気結合で信号伝送するものとする。送信コイル
は、例えば任意の周波数で励磁し、電磁誘導で受信コイ
ルに電圧を発生させる。超音波による伝送の場合、ワイ
ヤレス伝達手段16は、超音波で信号伝送するものとす
る。この場合、例えば、送信部17は、圧電素子等の超
音波振動子で発振させ、その超音波をセンサの信号で変
調して伝送する。周波数は、可聴域を超える20kHz
以上を用いる。光による伝送の場合、ワイヤレス伝達手
段16は、赤外線や可視光線等の光で信号伝送するもの
とする。この場合、送信部17は、レーザダイオードや
LED等の発光素子を車体5のタイヤハウス5aの内部
に向けて配置し、車体5には受信部18として、フォト
ダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子を送信部
17側に向けて配置する。電波による伝送の場合、ワイ
ヤレス伝達手段16は、微弱電波で信号伝送するものと
する。この微弱電波は、電波法の規制を受けない電波
(例えば、322Mz板では3mの距離で電界強度50
0μV以下)とする。この場合、電波のオンオフや周波
数変調で信号を伝達する。
【0016】上記の各構成のワイヤレス伝達手段16の
場合に、つまり磁気結合、超音波、光、微弱電波のいず
れで送信するワイヤレス伝達手段16の場合にも、送信
部17から送信する信号は、単純なオンオフ信号であっ
ても良く、また搬送波をセンサ14の信号で変調したも
のであっても良い。搬送波を変調する場合、受信部18
は送信部17で送信された信号を同調して受信し、復調
させるものとする。搬送波の変調は、搬送波をオンオフ
するものであっても良く、また搬送波を周波数変調する
ものであっても良い。このように搬送波を変調し、これ
を同調復調する場合、外部ノイズの影響を軽減できる。
【0017】図2は、磁気結合としたワイヤレス伝達手
段16の具体例を示す。送信部17は、発振・変調回路
19および送信コイル20で構成される。送信コイル2
0は磁気コアを有するものである。発振・変調回路19
は、所定周波数(例えば1MHz)の搬送波を発振する
発振回路、およびその発振された搬送波をセンサ14の
出力で変調する変調回路で構成される。センサ14およ
び発振・変調回路19への給電は、送信部電源23から
行われる。受信部18は、送信コイル20に磁気結合さ
れた受信コイル22と、受信信号を同調して復調する同
調復調回路21とで構成される。受信コイル22は磁気
コアを有するものである。送信コイル20と受信コイル
22の距離Lは、例えば40cm程度とされる。
【0018】発振・変調回路19の変調方式は、任意の
方式であっても良いが、ここではセンサ14の出力を利
用して発振回路部の出力をオンオフし、送信コイル20
に流れる電流を制御している。送信コイル20にかかる
電圧(送信信号)と、受信コイル22から同調復調回路
21に得られる受信信号とは、例えば図3に示すように
なる。受信信号をAM復調すると、回転センサであるセ
ンサ14のパルス出力が得られる。
【0019】送信部電源23は、車輪の回転を利用した
発電機、または後述のワイヤレス給電手段とされる。車
輪の回転を利用した発電機とする場合、別途に電力供給
することなくセンサ14の信号を伝送することができ
る。この発電機は、車輪1のハブ部付近に内蔵する。こ
の発電機は、電源専用のものとしても良く、またセンサ
を兼用するものとしても良い。
【0020】発電機とする場合、例えば、図1に示すパ
ルサリング15を、図4に示すように発電用リング磁石
15Aとし、センサ14を発電機コイル14Aとする。
これら発電用リング磁石15Aとセンサ14とで発電機
23Aが構成される。リング磁石15Aが車輪1と共に
回転すると、発電機コイル14Aに交番磁界を作り、こ
のコイル14Aに誘起電圧を発生させる。この発生した
交流電圧を整流することで、送信部17(図1)および
センサ14の電源とする。この発電機23Aは、電源専
用としても、回転センサを兼ねるものとしても良い。電
源専用とする場合は、図7に示すように、別途にパルサ
リング15とこれに対応する回転検出用のセンサ14と
を設け、発電機23Aの出力を送信部17およびセンサ
14の電源として用いる。
【0021】図4と共に説明した発電機23Aは、磁極
数をアンチロックブレーキ装置の回転センサとして必要
なパルス数にすることにより、別途に回転センサを用意
することなく、発電機23Aの周波数をそのまま回転数
検出信号として利用することができる。図4(B)は、
図4(A)の状態から発電用リング磁石15Aが1極分
の回転角度だけ回転した状態を示す。図4において、
N,Sの符号は磁極を、矢印aは磁界の方向を各々示
す。この発電機23Aは、リング磁石15Aの回転数
に、このリング磁石15Aの極対数を乗じた周波数の交
流電圧を発生することができるため、整流後の電圧を送
信部17の電源とし、交流周波数を回転数検出値として
利用できる。
【0022】発電機23Aで回転数のセンサを兼用する
場合の送信部17の回路例を図5に示す。この回路で
は、車輪回転数に同期した交流発電機23Aの電力が、
整流回路25で直流化され、発振回路19a、変調回路
19b、および送信コイル20の電源Vddとなると共
に、変調回路19bを構成する出力オンオフ用のトラン
ジスタ27を駆動し、回転数に同期した出力変調を行
う。走行時に整流回路25の大容量コンデンサまたは二
次電池26に蓄積された電力は、回転低下時に回路駆動
電力として用いることで、減速時の低速度領域まで検出
を可能とする。発振回路19aおよび変調回路19b
は、図2の発振・変調回路19を構成するものである。
【0023】つぎに、図2の送信部電源23をワイヤレ
ス給電手段とする例を、図8と共に説明する。すなわ
ち、ワイヤレス伝達手段16の送信部17およびセンサ
14に必要な電力を、車体5側からワイヤレスで与える
ワイヤレス給電手段23Bを設ける。このワイヤレス給
電手段23Bは、車体5に設置された電源30の電力を
ワイヤレスで送受する送信部31および受信部32を、
車体5および車輪支持部材4に互いに対向して設けたも
のである。このようにワイヤレス給電手段23Bを設け
ることで、車輪支持部4と車体5との間で給電用の電線
が車外に露出せず、この給電用電線の断線の問題も解消
される。また、発電機を設ける場合と異なり、車体停止
時にも給電が可能で、零速から速度信号を得ることがで
きる。
【0024】ワイヤレス給電手段23Bも、ワイヤレス
による電力の伝達は、磁気結合によるほかに、光、超音
波、電波等に電力を変換して行える。ワイヤレス給電手
段23Bにより、磁気結合、光、超音波、電波等による
いずれの伝達方式とするかは、センサ信号のワイヤレス
伝達手段16で採用する伝達方式と同じ方式とすること
で、ワイヤレス給電手段23Bおよびワイヤレス伝達手
段16の部品共通化や取扱の共通化が図れる。
【0025】ワイヤレス給電手段23Bを磁気結合によ
る伝送とする場合、車体5に送信部31として送信コイ
ルを、車輪支持部材4に受信部32として受信コイルを
配置し、車体側の送信コイルを任意の周波数で励磁する
ことにより、電磁誘導で受信コイルに電圧を発生させ
る。この時、磁気結合力が弱くて必要電力が得られない
場合は、リンクバーやショックアブソーバー等の車体5
と車輪支持部材4を結合する車体機構部を磁気コアとし
て用いることで磁気結合力を向上させることもできる。
また、電力用と信号用の周波数を分けることで、送信用
コイルおよび受信用コイルとも、同じコイルを電力と信
号で共用することもできる。
【0026】ワイヤレス給電手段23Bを光による伝送
とする場合、車体5に送信部31としてレーザダイオー
ドやLED等の発光素子を車輪支持部材4に向けて配置
し、車輪支持部材4には受信部32として光起電効果の
ある素子(太陽電池等)を送信部31に向けて配置す
る。これにより、車体5より車輪支持部材4に光で電力
を伝達することができる。
【0027】ワイヤレス給電手段23Bを超音波による
伝送とする場合は、送信部31として超音波振動子を用
い、超音波を受信部32で受けて電力に変換する。な
お、超音波による場合は、磁気結合による場合と異な
り、上記車体機構部を伝達に利用できない。
【0028】ワイヤレス給電手段23Bを電波による伝
送とする場合は、信号と異なり、微弱電波では電力を遅
れないので、マイクロウェーブ(3GHz〜5GHz程
度)を用いる。車体5に送信部31としてマイクロウェ
ーブ送信機を設置し、車輪支持部材4に受信部32とし
て受信アンテナと整流器を設ける。これにより、電力伝
送を行う。マイクロウェーブは指向性が高いので、リン
クバー等を利用して常に送信部31と受信部32とが向
き合うようにすると、さらに効率が良い。
【0029】
【発明の効果】この発明のアンチロックブレーキ装置
は、回転センサの信号を、車輪支持部材の送信部から、
車体側の受信部にワイヤレスで送受するものとしたた
め、車輪支持部と車体との間で電線が車外に露出しな
い。そのため、石跳ねやタイヤハウス内の雪の凍結等に
より、断線の支障を起こすことがない。また、車輪支持
部と車体との間のセンサ信号用の電線が省け、その煩雑
な配線固定作業も不要となるため、自動車の軽量化、コ
スト低下が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかるアンチロックブ
レーキ装置の概念構成を示す説明図である。
【図2】そのワイヤレス伝達手段の概念構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】同ワイヤレス伝達手段で送受する信号の波形図
である。
【図4】(A),(B)は各々同アンチロックブレーキ
装置における発電機の互いに異なる動作状態の切欠斜視
図である。
【図5】同発電機を回転センサに兼用する送信部の電気
回路図である。
【図6】パルサリングおよびセンサの変形例の説明図で
ある。
【図7】この発明の他の実施形態にかかるアンチロック
ブレーキ装置の一部省略断面図とブロック図とを合わせ
て示す説明図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態にかかるアンチ
ロックブレーキ装置の概念構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1…車輪 2…車軸軸受 3…ハブ輪 4…車輪支持部材 5…車体 6…等速自在継手 8…回転部材 9…ブレーキ 13…制御回路 14…センサ 14A…発電機コイル 15…パルサリング 15A…発電用リング磁石 16…ワイヤレス伝達手段 17…送信部 18…受信部 23…送信部電源 23A…発電機 23B…ワイヤレス給電手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月19日(2001.10.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ワイヤレスセンサ付き車輪軸受を有す
る自動車
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤレスセン
サ付き車輪軸受を有する自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車には、低摩擦路やパニック
ブレーキ時のタイヤロックを検知し、ブレーキを緩めて
タイヤグリップを確保することで操舵安定性を図るアン
チロックブレーキ装置(ABS)が多く採用されてい
る。この装置では、車軸軸受部に回転センサを取付け、
回転数を検出しているが、そのセンサへの電力供給やセ
ンサの出力信号は、電線で車体部とやりとりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この電線は、車軸軸受
部と車体との間では車外に露出することになり、石跳ね
やタイヤハウス内の雪の凍結により断線等の支障を起こ
し易い。また、操舵輪の場合は、電線に予め捩じれを与
えておく必要があったり、電線の固定に多大な工数が必
要であったりする。上記の電線はその被覆も必要で、自
動車の軽量化の妨げとなり、また電線の固定の工数が多
いことから、コスト増となっている。
【0004】この発明の目的は、車外での断線の恐れが
なく、また自動車の軽量化、コスト低下が図れるワイヤ
レスセンサ付き車輪軸受を有する自動車を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のワイヤレスセ
ンサ付き車輪軸受を有する自動車は、車輪が取付けられ
る回転輪および固定輪である車輪支持部材を有する車輪
軸受と、この車輪軸受の上記車輪支持部材に設置された
センサと、車体に設置された制御回路と、上記車輪支持
部材および車体に送信部および受信部が各々設置され上
記センサから前記制御回路へ伝えるセンサ信号をワイヤ
レスで送信するワイヤレス伝達手段とを備えたものであ
る。このように、センサの信号を、車輪支持部材の送信
部から、車体側の受信部にワイヤレスで送信するため、
車輪支持部材と車体との間でセンサ信号伝達用の電線が
車外に露出しない。そのため、石跳ねやタイヤハウス内
の雪の凍結等により、断線の支障を起こすことがない。
また、車輪支持部材と車体との間のセンサ信号用の電線
が省け、その煩雑な配線固定作業も不要となるため、自
動車の軽量化、コスト低下が図れる。
【0006】上記ワイヤレス伝達手段は、電波に限ら
ず、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、ま
たは超音波による伝送を行うものなど、空間を伝送する
信号を用いるものであれば良い。磁気結合よる伝送の場
合、上記ワイヤレス伝達手段は、送信部に設けられた送
信コイルと受信部に設けられた受信コイルとの間の磁気
結合で信号伝送するものとする。送信コイルは、例えば
任意の周波数で励磁し、電磁誘導で受信コイルに電圧を
発生させる。超音波による伝送の場合、上記ワイヤレス
伝達手段は、超音波で信号伝送するものとする。この場
合、例えば、上記送信部は、圧電素子等の超音波振動子
で発振させ、その超音波をセンサの信号で変調して伝送
する。周波数は、可聴域を超える20kHz以上を用い
る。光による伝送の場合、上記ワイヤレス伝達手段は、
光で信号伝送するものとする。この場合、例えば上記送
信部は、レーザダイオードやLED等の発光素子を車体
のタイヤハウス内部に向けて配置し、車体には上記受信
部として、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の
受光素子を送信部側に向けて配置する。電波による伝送
の場合、上記ワイヤレス伝達手段は、微弱電波で信号伝
送するものとする。この微弱電波は、電波法の規制を受
けない電波(例えば、322Mz板では3mの距離で電
界強度500μV以下)とする。
【0007】上記の各構成のワイヤレス伝達手段の場合
に、つまり磁気結合、超音波、光、微弱電波のいずれで
送信するワイヤレス伝達手段の場合にも、送信部から送
信する信号は、単純なオンオフ信号であっても良く、ま
た搬送波をセンサの信号で変調したものであっても良
い。搬送波を変調する場合、上記受信部は上記送信部で
送信された信号を同調して受信し、復調させるものとす
る。搬送波の変調は、搬送波をオンオフするものであっ
ても良く、また搬送波を周波数変調するものであっても
良い。このように搬送波を変調し、これを同調復調する
場合、外部ノイズの影響を軽減できる。
【0008】この発明において、上記ワイヤレス伝達手
段の送信部およびセンサに必要な電力を、車体側からワ
イヤレスで与えるワイヤレス給電手段を設けても良い。
このようにワイヤレス給電手段を設けることで、車輪支
持部と車体との間で給電用の電線が車外に露出せず、こ
の給電用電線の断線の問題も解消される。また発電機を
設ける場合と異なり、車体停止時にも給電が可能で、零
速から速度信号を得ることができる。ワイヤレス給電手
段も、ワイヤレスによる電力の伝達は、磁気結合による
ほかに、光、超音波、電波等に電力を変換して伝達する
ことができる。ワイヤレス給電手段により、磁気結合、
光、超音波、電波等によるいずれの伝達方式とするか
は、センサ信号のワイヤレス伝達手段で採用する伝達方
式と同じ方式とすることで、ワイヤレス給電手段および
ワイヤレス伝達手段の部品共通化や取扱の共通化が図れ
る。
【0009】この発明において、上記回転輪の回転で発
電する発電機を設け、その発電機の発電出力を上記送信
部およびセンサに与えるようにしても良い。このように
車輪の回転力を利用した発電機を設けることで、別途に
電力供給することなく、センサ信号を伝送することがで
きる。そのため、電力供給用の配線が省ける。
【0010】また、この発明において、上記センサは、
上記回転部材の回転で発電する発電機からなり、この発
電機は、磁極数が回転数の検出に必要なパルス数を発生
可能な数のものとし、上記送信部は、発電周波数を回転
速度信号として送信するものとしても良い。このよう
に、センサを発電機とすることで、別途に回転センサを
用意することなく、発電機の周波数をそのまま回転信号
として利用することができ、構成の簡易化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1において、車輪1は車軸軸受2の回
転輪であるハブ輪3に取付けられ、車軸軸受2の固定輪
からなる車輪支持部材4は、車体5から下方に突出した
サスペンション(図示せず)に支持されている。車輪1
は、図示の例では操舵輪であり、等速自在継手6を介し
て車軸7に連結されている。車輪1の回転部材8は、車
輪1の構成部材および車輪1と一体に結合されて回転す
る部材のことであり、この例ではハブ輪3および等速自
在継手6の外輪6aを含む。等速自在継手6は、外輪6
aが車軸軸受2のハブ輪3に一体固定状態に結合されて
いる。
【0012】ブレーキ9は、車輪1に設けられたブレー
キドラムまたはブレーキディスク等の摩擦部材(図示せ
ず)に接して車輪1を制動するものであり、油圧シリン
ダ等を備えている。ブレーキペタル等のブレーキ操作部
材10の操作は、変換手段11を介して油圧力等に変換
され、増力してブレーキ9に伝えられる。制動力調整手
段12は、ブレーキ9の制動力を調整する手段であり、
制御回路13の指令に応じて制動力を調整する。制動力
調整手段12は、ブレーキ9と変換手段11との間の油
圧経路に設けられている。制御回路13は、回転数のセ
ンサ14で検出された車輪回転数に応じて制動力調整手
段12に制動力の調整指令を与える手段であり、マイク
ロコンピュータ等の電子回路で構成されている。
【0013】センサ14は、車輪1のパルサリング15
に対峙して車輪支持部材4に設置され、パルサリング1
5を検出してパルス数を出力するものである。パルサリ
ング15は、車輪1の回転部材8に設けられている。図
示の例では、パルサリング15は、等速自在継手6の外
輪6aに、詳しくは外輪6aのハブ輪3との連結端に設
けられている。パルサリング15は、回転に伴ってセン
サ14にパルス出力を発生させる部品であり、外径面に
パルス歯列を設けたもの(図6の例)や、円周方向に交
互に反対の磁極が並べて設けられたもの(図4の例)
や、円周方向に交互に並ぶ光学的に検出可能な濃淡の格
子を設けたもの(図示せず)など、センサ14に応じた
各種の構成のものが使用される。
【0014】センサ14の検出信号は、ワイヤレス伝達
手段16を介して制御回路13に伝送される。ワイヤレ
ス伝達手段16は、車輪支持部材4に設置された送信部
17と、車体5に設置された受信部18とで構成され
る。受信部18は、例えば車体5におけるタイヤハウス
部5aの内部に、送信部17と互いに対向して設けられ
る。
【0015】ワイヤレス伝達手段16は、電波に限ら
ず、磁気結合による伝送、赤外線等の光による伝送、ま
たは超音波による伝送を行うものなど、空間を伝送する
信号を用いるものであれば良い。磁気結合よる伝送の場
合、ワイヤレス伝達手段16は、送信部17に設けられ
た送信コイルと受信部18に設けられた受信コイルとの
間の磁気結合で信号伝送するものとする。送信コイル
は、例えば任意の周波数で励磁し、電磁誘導で受信コイ
ルに電圧を発生させる。超音波による伝送の場合、ワイ
ヤレス伝達手段16は、超音波で信号伝送するものとす
る。この場合、例えば、送信部17は、圧電素子等の超
音波振動子で発振させ、その超音波をセンサの信号で変
調して伝送する。周波数は、可聴域を超える20kHz
以上を用いる。光による伝送の場合、ワイヤレス伝達手
段16は、赤外線や可視光線等の光で信号伝送するもの
とする。この場合、送信部17は、レーザダイオードや
LED等の発光素子を車体5のタイヤハウス5aの内部
に向けて配置し、車体5には受信部18として、フォト
ダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子を送信部
17側に向けて配置する。電波による伝送の場合、ワイ
ヤレス伝達手段16は、微弱電波で信号伝送するものと
する。この微弱電波は、電波法の規制を受けない電波
(例えば、322Mz以下では3mの距離で電界強度5
00μV以下)とする。この場合、電波のオンオフや周
波数変調で信号を伝達する。
【0016】上記の各構成のワイヤレス伝達手段16の
場合に、つまり磁気結合、超音波、光、微弱電波のいず
れで送信するワイヤレス伝達手段16の場合にも、送信
部17から送信する信号は、単純なオンオフ信号であっ
ても良く、また搬送波をセンサ14の信号で変調したも
のであっても良い。搬送波を変調する場合、受信部18
は送信部17で送信された信号を同調して受信し、復調
させるものとする。搬送波の変調は、搬送波をオンオフ
するものであっても良く、また搬送波を周波数変調する
ものであっても良い。このように搬送波を変調し、これ
を同調復調する場合、外部ノイズの影響を軽減できる。
【0017】図2は、磁気結合としたワイヤレス伝達手
段16の具体例を示す。送信部17は、発振・変調回路
19および送信コイル20で構成される。送信コイル2
0は磁気コアを有するものである。発振・変調回路19
は、所定周波数(例えば1MHz)の搬送波を発振する
発振回路、およびその発振された搬送波をセンサ14の
出力で変調する変調回路で構成される。センサ14およ
び発振・変調回路19への給電は、送信部電源23から
行われる。受信部18は、送信コイル20に磁気結合さ
れた受信コイル22と、受信信号を同調して復調する同
調復調回路21とで構成される。受信コイル22は磁気
コアを有するものである。送信コイル20と受信コイル
22の距離Lは、例えば40cm程度とされる。
【0018】発振・変調回路19の変調方式は、任意の
方式であっても良いが、ここではセンサ14の出力を利
用して発振回路部の出力をオンオフし、送信コイル20
に流れる電流を制御している。送信コイル20にかかる
電圧(送信信号)と、受信コイル22から同調復調回路
21に得られる受信信号とは、例えば図3に示すように
なる。受信信号をAM復調すると、回転センサであるセ
ンサ14のパルス出力が得られる。
【0019】送信部電源23は、車輪の回転を利用した
発電機、または後述のワイヤレス給電手段とされる。車
輪の回転を利用した発電機とする場合、別途に電力供給
することなくセンサ14の信号を伝送することができ
る。この発電機は、車輪1のハブ部付近に内蔵する。こ
の発電機は、電源専用のものとしても良く、またセンサ
を兼用するものとしても良い。
【0020】発電機とする場合、例えば、図1に示すパ
ルサリング15を、図4に示すように発電用リング磁石
15Aとし、センサ14を発電機コイル14Aとする。
これら発電用リング磁石15Aとセンサ14とで発電機
23Aが構成される。リング磁石15Aが車輪1と共に
回転すると、発電機コイル14Aに交番磁界を作り、こ
のコイル14Aに誘起電圧を発生させる。この発生した
交流電圧を整流することで、送信部17(図1)および
センサ14の電源とする。この発電機23Aは、電源専
用としても、回転センサを兼ねるものとしても良い。電
源専用とする場合は、図7に示すように、別途にパルサ
リング15とこれに対応する回転検出用のセンサ14と
を設け、発電機23Aの出力を送信部17およびセンサ
14の電源として用いる。
【0021】図4と共に説明した発電機23Aは、磁極
数をアンチロックブレーキ装置の回転センサとして必要
なパルス数にすることにより、別途に回転センサを用意
することなく、発電機23Aの周波数をそのまま回転数
検出信号として利用することができる。図4(B)は、
図4(A)の状態から発電用リング磁石15Aが1極分
の回転角度だけ回転した状態を示す。図4において、
N,Sの符号は磁極を、矢印aは磁界の方向を各々示
す。この発電機23Aは、リング磁石15Aの回転数
に、このリング磁石15Aの極対数を乗じた周波数の交
流電圧を発生することができるため、整流後の電圧を送
信部17の電源とし、交流周波数を回転数検出値として
利用できる。
【0022】発電機23Aで回転数のセンサを兼用する
場合の送信部17の回路例を図5に示す。この回路で
は、車輪回転数に同期した交流発電機23Aの電力が、
整流回路25で直流化され、発振回路19a、変調回路
19b、および送信コイル20の電源Vddとなると共
に、変調回路19bを構成する出力オンオフ用のトラン
ジスタ27を駆動し、回転数に同期した出力変調を行
う。走行時に整流回路25の大容量コンデンサまたは二
次電池26に蓄積された電力は、回転低下時に回路駆動
電力として用いることで、減速時の低速度領域まで検出
を可能とする。発振回路19aおよび変調回路19b
は、図2の発振・変調回路19を構成するものである。
【0023】つぎに、図2の送信部電源23をワイヤレ
ス給電手段とする例を、図8と共に説明する。すなわ
ち、ワイヤレス伝達手段16の送信部17およびセンサ
14に必要な電力を、車体5側からワイヤレスで与える
ワイヤレス給電手段23Bを設ける。このワイヤレス給
電手段23Bは、車体5に設置された電源30の電力を
ワイヤレスで送受する送信部31および受信部32を、
車体5および車輪支持部材4に互いに対向して設けたも
のである。このようにワイヤレス給電手段23Bを設け
ることで、車輪支持部4と車体5との間で給電用の電線
が車外に露出せず、この給電用電線の断線の問題も解消
される。また、発電機を設ける場合と異なり、車体停止
時にも給電が可能で、零速から速度信号を得ることがで
きる。
【0024】ワイヤレス給電手段23Bも、ワイヤレス
による電力の伝達は、磁気結合によるほかに、光、超音
波、電波等に電力を変換して行える。ワイヤレス給電手
段23Bにより、磁気結合、光、超音波、電波等による
いずれの伝達方式とするかは、センサ信号のワイヤレス
伝達手段16で採用する伝達方式と同じ方式とすること
で、ワイヤレス給電手段23Bおよびワイヤレス伝達手
段16の部品共通化や取扱の共通化が図れる。
【0025】ワイヤレス給電手段23Bを磁気結合によ
る伝送とする場合、車体5に送信部31として送信コイ
ルを、車輪支持部材4に受信部32として受信コイルを
配置し、車体側の送信コイルを任意の周波数で励磁する
ことにより、電磁誘導で受信コイルに電圧を発生させ
る。この時、磁気結合力が弱くて必要電力が得られない
場合は、リンクバーやショックアブソーバー等の車体5
と車輪支持部材4を結合する車体機構部を磁気コアとし
て用いることで磁気結合力を向上させることもできる。
また、電力用と信号用の周波数を分けることで、送信用
コイルおよび受信用コイルとも、同じコイルを電力と信
号で共用することもできる。
【0026】ワイヤレス給電手段23Bを光による伝送
とする場合、車体5に送信部31としてレーザダイオー
ドやLED等の発光素子を車輪支持部材4に向けて配置
し、車輪支持部材4には受信部32として光起電効果の
ある素子(太陽電池等)を送信部31に向けて配置す
る。これにより、車体5より車輪支持部材4に光で電力
を伝達することができる。
【0027】ワイヤレス給電手段23Bを超音波による
伝送とする場合は、送信部31として超音波振動子を用
い、超音波を受信部32で受けて電力に変換する。な
お、超音波による場合は、磁気結合による場合と異な
り、上記車体機構部を伝達に利用できない。
【0028】ワイヤレス給電手段23Bを電波による伝
送とする場合は、信号と異なり、微弱電波では電力を遅
れないので、マイクロウェーブ(3GHz〜5GHz程
度)を用いる。車体5に送信部31としてマイクロウェ
ーブ送信機を設置し、車輪支持部材4に受信部32とし
て受信アンテナと整流器を設ける。これにより、電力伝
送を行う。マイクロウェーブは指向性が高いので、リン
クバー等を利用して常に送信部31と受信部32とが向
き合うようにすると、さらに効率が良い。
【0029】
【発明の効果】この発明のワイヤレスセンサ付き車輪軸
受を有する自動車は、センサの信号を、車輪支持部材の
送信部から、車体側の受信部にワイヤレスで送受するも
のとしたため、車輪支持部と車体との間で電線が車外に
露出しない。そのため、石跳ねやタイヤハウス内の雪の
凍結等により、断線の支障を起こすことがない。また、
車輪支持部と車体との間のセンサ信号用の電線が省け、
その煩雑な配線固定作業も不要となるため、自動車の軽
量化、コスト低下が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる自動車における
アンチロックブレーキ装置の概念構成を示す説明図であ
る。
【図2】そのワイヤレス伝達手段の概念構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】同ワイヤレス伝達手段で送受する信号の波形図
である。
【図4】(A),(B)は各々同アンチロックブレーキ
装置における発電機の互いに異なる動作状態の切欠斜視
図である。
【図5】同発電機を回転センサに兼用する送信部の電気
回路図である。
【図6】パルサリングおよびセンサの変形例の説明図で
ある。
【図7】この発明の他の実施形態におけるアンチロック
ブレーキ装置の一部省略断面図とブロック図とを合わせ
て示す説明図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態におけるアンチ
ロックブレーキ装置の概念構成を示す説明図である。
【符号の説明】 1…車輪 2…車軸軸受 3…ハブ輪 4…車輪支持部材 5…車体 6…等速自在継手 8…回転部材 9…ブレーキ 13…制御回路 14…センサ 14A…発電機コイル 15…パルサリング 15A…発電用リング磁石 16…ワイヤレス伝達手段 17…送信部 18…受信部 23…送信部電源 23A…発電機 23B…ワイヤレス給電手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08C 23/04 G08C 23/00 C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を検出し、その検出信号
    によりブレーキ制動力の制御を行うアンチロックブレー
    キ装置において、車輪の回転部材に装着されたパルサリ
    ングと、このパルサリングに対峙して車輪支持部材に装
    着されたセンサと、車体に設置されて上記制動力の制御
    を行う制御回路と、上記車輪支持部材および車体に送信
    部および受信部が各々設置され上記センサの信号をワイ
    ヤレスで送受するワイヤレス伝達手段とを備えたアンチ
    ロックブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 上記ワイヤレス伝達手段は、送信部に設
    けられた送信コイルと受信部に設けられた受信コイルと
    の間の磁気結合で信号伝送するものとした請求項1に記
    載のアンチロックブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 上記ワイヤレス伝達手段を、超音波で信
    号伝送するものとした請求項1に記載のアンチロックブ
    レーキ装置。
  4. 【請求項4】 上記ワイヤレス伝達手段は、光で信号伝
    送するものとした請求項1に記載のアンチロックブレー
    キ装置。
  5. 【請求項5】 上記ワイヤレス伝達手段は、微弱電波で
    信号伝送するものとした請求項1に記載のアンチロック
    ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 上記送信部で送信する信号は、搬送波を
    センサの信号で変調したものとし、上記受信部は上記送
    信部で送信された信号を同調して受信し復調させるもの
    とした請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアン
    チロックブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 上記送信部で行う搬送波の変調は、周波
    数変調とした請求項6に記載のアンチロックブレーキ装
    置。
  8. 【請求項8】 上記ワイヤレス伝達手段の上記送信部お
    よびセンサに必要な電力を、車体側からワイヤレスで与
    えるワイヤレス給電手段を設けた請求項1ないし請求項
    7のいずれかに記載のアンチロックブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 上記回転部材の回転で発電する発電機を
    設け、その発電機の発電出力を上記送信部およびセンサ
    に与えるようにした請求項1に記載のアンチロックブレ
    ーキ装置。
  10. 【請求項10】 上記センサは、上記回転部材の回転で
    発電する発電機からなり、この発電機は、磁極数が回転
    数の検出に必要なパルス数を発生可能な数のものとし、
    上記送信部は、発電周波数を回転速度信号として送信す
    るものとした請求項1に記載のアンチロックブレーキ装
    置。
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