JPH05275520A - 静電吸着装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

静電吸着装置及びプラズマ処理装置

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JPH05275520A
JPH05275520A JP6884292A JP6884292A JPH05275520A JP H05275520 A JPH05275520 A JP H05275520A JP 6884292 A JP6884292 A JP 6884292A JP 6884292 A JP6884292 A JP 6884292A JP H05275520 A JPH05275520 A JP H05275520A
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JP
Japan
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wafer
electrode
negative electrode
positive electrode
electrostatic
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JP6884292A
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English (en)
Inventor
Toshimasa Kisa
俊正 木佐
Masaya Kobayashi
雅哉 小林
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ウェーハを静電吸着する静電吸着装
置に関し、ウェーハ全面に均一な吸着力を得ることがで
き、ウェーハ表面全面に均一な温度分布を生じてさせる
ことのできる静電吸着装置を提供することを目的とす
る。 【構成】正電極2及び負電極4は、正電極2と負電極4
とが一定の間隔をおいて隣合い、正電極2と負電極4と
で構成される電界形成電極14中央部から円周方向に螺
旋状に広がって形成されているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウェーハを静電吸着す
る静電吸着装置及びそれを用いたプラズマ処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、VLSIの微細化が進み、真空中
でウェーハ処理を行う半導体製造装置の処理性能をさら
に向上させる必要が生じている。半導体製造装置におけ
るウェーハ処理の性能向上にとって、ウェーハの温度管
理を向上させてウェーハ表面が一定の温度分布を持つよ
うにすることが必要である。この真空中でのウェーハの
温度制御手段として、ウェーハを真空中で静電吸着させ
て保持する静電吸着装置が重要な役割を有している。静
電吸着装置は、ウェーハ処理時にウェーハを吸着保持す
ると共に、ウェーハに伝導された熱を静電吸着装置の電
極に伝達させてウェーハ表面の温度を制御することも目
的としているからである。
【0003】従来の静電吸着装置には、1極式静電吸着
装置と2極式静電吸着装置があるが、ウェーハに電極を
設ける必要がない2極式静電吸着装置が主に真空中での
プラズマ処理時のウェーハ吸着手段として用いられてき
た。この2極式静電吸着装置の原理を図15を用いて説
明する。DC電源6に接続された、電界形成電極である
正電極2及び負電極4上にウェーハ8を乗せて、DC電
源6から、正電極2に正電圧を印加し、負電極に負電圧
を印加すると、ウェーハ8は正電極2面及び負電極4面
に静電吸着される(図15(a))。このときの吸着力
Fは、距離d、誘電率ε、電極面積S、印加電圧Vとす
ると、ウェーハの電位は0Vであるから式1のように示
される。
【0004】F=εV2 S/2d2 …(式1) さらに、図15(b)に示すように、RF電源10を接
続して、正電極2及び負電極4にセルフバイアスを印加
し、ウェーハ上部にRFプラズマを発生させるプラズマ
処理装置に用いる静電吸着装置は、例えば平行平板型の
RIE(反応性イオンエッチング)装置のウェーハ吸着
装置として用いられている。この場合は、RFプラズマ
によるセルフバイアスが印加されることから正電極2と
負電極4とでは吸着力Fが異なる。正電極2での吸着力
A と、負電極4での吸着力FBは、セルフバイアス電
圧の大きさをVRFとすると式2及び式3のように示され
る。
【0005】 FA =ε(V+VRF2 S/2d2 …(式2) FB =ε{(V−VRF2 −(V+VRF2 }S/2d
2 =−2εVVRFS/d2 …(式3) 平行平板型のRIE装置のRFプラズマによるセルフバ
イアス電位は、数百ボルトから1Kボルト程度であり、
負電極に弱い反発力が生じる。
【0006】上記RFプラズマを発生する従来の2極式
静電吸着装置を図16及び図17を用いて説明する。図
16は、正電極2及び負電極4のウェーハ吸着面の電極
形状が半円形である従来の静電吸着装置の平面図を示し
ている。図示のように、半円の円弧が向合って、対称に
半円形状の正電極2と負電極4が配置されている。図1
7は図16のA−A断面での吸着力を示している。横軸
はA−A断面でのウェーハの各位置を示し、縦軸はウェ
ーハの各位置に働く吸着力を示している。実線はRFプ
ラズマを発生させない状態、即ちセルフバイアスの印加
を行わないときの吸着力を示している。セルフバイアス
の印加がないので、正電極2と負電極4の吸着力は同じ
である。破線はRFプラズマを発生させる状態、即ちセ
ルフバイアスの印加を行ったときの吸着力を示してい
る。式2及び式3に示したように、セルフバイアス電圧
の大きさVRF分だけ、セルフバイアスの印加がない2極
間の中間電位の状態より、正電極2では吸着力が増加
し、負電極4では弱い反発力が生じている。横軸の中央
部はウェーハ中心であり電極間の隙間であるので吸着力
は働いていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図18は、従来の静電
吸着装置に吸着されたウェーハの温度分布等を示す図で
ある。図18(a)は、図16に示す静電吸着装置に静
電吸着され、図17の破線で示されたRFプラズマを発
生させるためのセルフバイアスが印加されている状態で
のウェーハ8表面の温度分布を等温線で示したものであ
る。この状態においてウェーハ8表面は、負電極4側の
方が高温度であり正電極2側にいくにしたがって低温度
となり、ウェーハ8表面に不均一な温度分布が生じてい
る。
【0008】ウェーハ8の温度分布が不均一となる原因
を図18(b)を用いて説明する。図18(b)は、図
18(a)のA−A断面でのウェーハ8の吸着状態を示
している。ウェーハは一般的に多層膜の内部応力により
球状に凹又は凸に反っているため、図17の破線に示す
ような、正電極2には大きな吸着力が発生し、負電極4
の弱い反発力が働くような場合は、図18(b)に示す
ように、微小ではあるがウェーハ8は、負電極4側で負
電極4から剥離してしまう。
【0009】ウェーハ8が負電極4側で剥離してしまう
と、RIE等の真空中でウェーハ8を吸着保持してウェ
ーハ処理を行う際にウェーハ8に伝導された熱のうち、
ウェーハ8の正電極2側に伝導した熱は正電極2側に伝
達されるが、ウェーハ8の負電極4側に伝導した熱は負
電極2側に十分伝達させることができず、従って、負電
極側のウェーハ8が高温度になる。
【0010】実際にRIEチャンバに上記の従来の静電
吸着装置を用いた場合のウェーハの温度測定結果を図1
9に示す。横軸はウェーハの位置をウェーハの中心から
の距離で示している。便宜上ウェーハを中心から右半分
と左半分に分け、中心からの距離をプラス、マイナスで
表示している。縦軸はウェーハの温度を示している。デ
ータは、静電吸着装置のDC電源の極性を切替えて、ウ
ェーハ左半分に正電圧、右半分に負電圧を印加した場合
のウェーハ温度と、ウェーハ左半分に負電圧、右半分に
正電圧を印加した場合のウェーハ温度をそれぞれ電力を
変えて図中の●、○、▲、△に示すように全4回計測し
たものである。各データとも、ウェーハの負電圧を印加
した電極側のウェーハ温度が上昇してしまいウェーハの
温度分布が不均一であることを示していると共に、各デ
ータ間の温度ばらつきが大きく、温度制御特性が悪いこ
とを示している。
【0011】このように、従来の静電吸着装置では、正
電極2と負電極4とで生じる吸着力が異なり、電極とウ
ェーハとの間で十分な熱的接触を得ることができなくな
り、ウェーハ表面全面に不均一な温度分布が生じてしま
うという問題がある。従って、RIE等によるプラズマ
処理等のウェーハ処理の性能を向上させる妨げとなって
いるという問題がある。
【0012】本発明の目的は、ウェーハ全面に均一な吸
着力を得ることができ、ウェーハ表面全面に均一な温度
分布を生じてさせることのできる静電吸着装置及びそれ
を用いたプラズマ処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、正電極と負
電極とを有し、前記正電極に直流正電圧を印加し、前記
負電極に直流負電圧を印加してウェーハを静電吸着する
電界形成電極を備え、前記正電極と前記負電極にRFバ
イアス電圧を印加して前記ウェーハ表面にプラズマを発
生させる静電吸着装置において、前記電界形成電極の前
記正電極及び前記負電極は、前記ウェーハの所定面積の
どの所定形状にも存在するように配置されていることを
特徴とする静電吸着装置によって達成される。
【0014】また、上記目的は、上記静電吸着装置が取
付けられた処理室を有し、前記処理室内にプラズマを発
生させて前記静電吸着装置に吸着された前記ウェーハに
対してプラズマ処理をすることを特徴とするプラズマ処
理装置によって達成される。
【0015】
【作用】本発明によれば、ウェーハの電位が正電極及び
負電極の中間電位ではない、例えばセルフバイアス電位
のようなときでも、ウェーハ全面について均一な吸着力
を得ることができ、ウェーハ温度のウェーハ内分布を最
小にすることができる。さらに本発明によれば、例えば
プラズマ処理時のウェーハ温度を一定に制御することに
よりウェーハ表面での反応を制御し、ウェーハ全面につ
いて均一の処理を行うことができる。
【0016】
【実施例】本発明の第1の実施例による静電吸着装置及
びプラズマ処理装置を図1乃至図7を用いて説明する。
まず、本実施例による静電吸着装置の説明をする前に、
ウェーハの熱伝導について図1を用いて説明する。上述
の「発明が解決しようとする課題」においても説明した
ように、ウェーハは一般的に多層膜の内部応力により球
状に凹又は凸に反りが生じているので、静電吸着時の正
電極及び負電極により生じる吸着力を利用してウェーハ
表面の平面度の補正を行う必要がある。図1(b)はウ
ェーハ8の反りが十分補正されないときのウェーハ8の
熱の流れを矢印付破線で示している。ウェーハ8は、正
電極及び負電極を内蔵した静電吸着電極14表面にウェ
ーハ8中心部で保持されている。従って、ウェーハの温
度分布は図1(a)のように、ウェーハ中心部で低く、
ウェーハ8周辺部にいくに従い高くなる。それに対し
て、図1(d)はウェーハ8の反りが十分補正されたと
きのウェーハ8の熱の流れを矢印付破線で示している。
ウェーハ8は静電吸着電極14表面の広い範囲で吸着さ
れている。従って、ウェーハ8に伝導された熱の多くは
静電吸着電極14表面にそのまま伝導し、図1(c)に
示すウェーハ8の温度分布は、僅かにウェーハ8周辺部
の温度が高くなるだけでほぼ一定となる。
【0017】従って、RFプラズマを発生させる際のセ
ルフバイアスが印加されても、ウェーハ8の反りを十分
補正することができるような構造の正電極及び負電極を
形成する必要が生じる。そのためには、ウェーハ表面の
所定面積内に正電極と負電極の存在する比率を一定に
し、また正電極と不電極の隙間の比率を一定にして、ウ
ェーハ表面内のどの部分においても吸着力を一定にする
ことが必要となる。
【0018】本実施例による静電吸着装置は、ウェーハ
8の反りを十分補正することができるような構造の正電
極及び負電極を用いたことに特徴を有している。図2を
用いて本実施例による静電吸着装置の正電極及び負電極
の構造を説明する。図2(a)は、ウェーハを保持する
静電吸着電極14を構成する正電極2及び負電極4の平
面図である。正電極2及び負電極4は、正電極2と負電
極4とで構成される電界形成電極14中央部から半径方
向に交互に繰返して同心円形状に形成されている。図2
(a)では、電界形成電極14中央部に正電極2を形成
し、最外周に負電極4を形成した電界形成電極14であ
る。図2(b)は、図2(a)とは逆に、電界形成電極
14中央部に負電極4を形成し、最外周に正電極2を形
成した電界形成電極14である。
【0019】これらの電界形成電極14で得ることがで
きる吸着力を図3を用いて説明する。図3は図2のA−
A断面での吸着力を示している。横軸はA−A断面での
ウェーハの各位置を示し、縦軸はウェーハの各位置に働
く吸着力を示している。細い実線はRFプラズマを発生
させない状態、即ちセルフバイアスの印加を行わないと
きの吸着力を示している。セルフバイアスの印加がない
ので、図2(a)の電界形成電極14でも図2(b)の
電界形成電極14でも正電極2と負電極4の吸着力は同
じである。
【0020】太い実線及び破線はRFプラズマを発生さ
せた状態、即ちセルフバイアスの印加を行ったときの吸
着力を示している。式2及び式3に示したように、セル
フバイアス電圧の大きさVRF分だけ、セルフバイアスの
印加がない2極間の中間電位の状態(図中細い実線)よ
り、正電極2では吸着力が増加し、負電極4では弱い反
発力が働いている。従って、中心部に正電極2が形成さ
れ最外周に負電極4が形成された図2(a)の電界形成
電極14の吸着力(図3中太い実線)と、中心部に負電
極4が形成され最外周に正電極2が形成された図2
(b)の電界形成電極14の吸着力(図3中破線)は、
中間電位を挟んで反対側にあらわれる。
【0021】図2(a)(b)に示した同心円形状の正
及び負の電極2、4の電界形成電極14にウェーハ8を
吸着させて得られるウェーハ8の温度分布を図4に示
す。図4(a)は、図2(a)に示す電界形成電極14
を用い、図3の太い実線で示された吸着力で静電吸着さ
れたウェーハ8表面の温度分布を等温線で示したもので
ある。この状態においてウェーハ8表面は、ウェーハ8
中心部からウェーハ8周端部側に向かって温度が高くな
る。これは、電界形成電極14の中心部が吸着力の大き
い正電極2であり、外周部が吸着力の小さい負電極4で
構成されているからである。従って、図4(b)に示す
ように、ウェーハ8周辺部が電界形成電極14に十分吸
着されず、電界形成電極14への熱伝導が不十分となり
高温度になるからである。
【0022】図4(c)は、図2(b)に示す電界形成
電極14を用い、図3の破線で示された吸着力で静電吸
着されたウェーハ8表面の温度分布を等温線で示したも
のである。この状態においてウェーハ8表面は、ウェー
ハ8中心部からウェーハ8周端部側に向かって温度が高
くなる。しかし、図4(a)に示すよりもウェーハ8周
辺部での温度上昇は小さい。これは、電界形成電極14
の中心部が弱い反発力の働く負電極4であり、外周部が
吸着力の大きい正電極2で構成されているからである。
従って、図4(d)に示すように、ウェーハ8周辺部が
図4(b)に示すものよりも電界形成電極14に吸着さ
れるので、電界形成電極14への熱伝導がより行われる
ので図4(a)よりも低温度になる。
【0023】実際のプラズマ処理装置であるRIE装置
に、本実施例による電界形成電極14を備えた静電吸着
装置を用いた場合のウェーハの温度測定結果を図7に示
す。図7の説明の前に、本実施例で用いたプラズマ処理
装置であるRIE装置を図5を用いて説明する。本実施
例に用いたRIE装置は、本実施例による電界形成電極
14を備えた静電吸着装置を静電チャック22に用いて
いる。静電チャック22によりSiウェーハ21を吸着
し保持する。静電チャック22のウェーハ吸着保持面
は、処理室23内に向けられている。処理室23はAr
プラズマを発生させるためのAr導入口が設けられ、A
r流量を制御するマスフローコントローラ24が取付け
られている。
【0024】静電チャック22下部のRF電極25は、
DC電源27の極性を切替えることにより、中心から交
互に正又は負電極となるように繰返して同心円形状に形
成された電極である。このRF電極25は、水冷式であ
り、チラー28により静電チャック22の温度を制御す
るようになっている。静電チャック22のRF電極25
にDC電源27から、+1000Vと−1000Vの電
圧を印加し、静電チャック22にSiウェーハ21を吸
着させる。処理室23内を排気後、処理ガスであるAr
を導入して、RF電極25に13.56MHzの高周波
電力をRF電源26から印加し、Arプラズマを発生さ
せて所定の処理を行う。
【0025】次に、本実施例で用いたプラズマ処理装置
であるRIE装置におけるウェーハ温度測定の構成を図
6を用いて説明する。図5に示したRIE装置の処理室
23にZnS製窓31を取付け、このZnS製窓31を
介して赤外線カメラ30によりウェーハ21の表面を撮
影する。撮影信号は赤外線サーモグラフィ29(富士通
製INFRA−EYE560)により測定され、ウェー
ハの温度分布を知ることができる。
【0026】このようにして、測定されたウェーハの温
度分布を図7を用いて説明する。RIE装置での処理条
件は、Arの流量が50sccm、圧力150mTor
r,RFパワー500W又は300Wである。プラズマ
処理開始後から2分後のウェーハ直径方向の各点の温度
を示す。横軸はウェーハの位置をウェーハの中心からの
距離で示している。便宜上ウェーハを中心から右半分と
左半分に分け、中心からの距離をプラス、マイナスで表
示している。縦軸はウェーハの温度を示している。
【0027】データは、静電吸着装置のDC電源27の
極性を切替えて、RF電極25の中心部が正電極2とな
り最外周部が負電極4となる場合と、中心部が負電極4
となり最外周部が正電極2となる場合とをそれぞれ電力
を変えて図中の●、○、▲、△に示すように全4回計測
したものである。最外周が負電極4になった場合にウェ
ーハ温度が上昇してしまう現象は残っているがウェーハ
の温度分布は、従来のデータ(図19)と比較して均一
化され、各データ間の温度ばらつきも減少して、温度制
御特性が向上したことが分かる。
【0028】本発明の第2の実施例による静電吸着装置
を図8乃至図11を用いて説明する。図8を用いて本実
施例による静電吸着装置の正電極及び負電極の構造を説
明する。図8は、ウェーハを保持する静電吸着電極14
を構成する正電極2及び負電極4の平面図である。正電
極2及び負電極4は、電界形成電極14中央部から半径
方向に放射状に広がって、正電極2と負電極4とが円周
方向に交互に繰返して形成されている。本実施例では、
中心から放射上に広がる扇形の正電極2と、同じく扇形
の負電極4を交互に配置して12個の電極が形成されて
いる。
【0029】この電界形成電極14で得られる吸着力を
図9を用いて説明する。図9(a)は本実施例による電
界形成電極14の外周での吸着力を示している。横軸は
ウェーハ外周での各電極の配置を示す。即ち、横軸左端
の0度の位置に正電極2を配し、順に円周上の正負各電
極2、4を配置したものである。図中、正電極2を+、
負電極4を−で示している。横軸の数字は角度を表して
いる。縦軸は吸着力を示している。図中、実線で示した
のはセルフバイアスを印加しない場合の吸着力を示して
いる。正電極2と負電極4共に吸着力は同じである。破
線で示したのはセルフバイアス印加時の吸着力を示して
いる。セルフバイアス電圧の大きさVRF分だけ、セルフ
バイアスの印加がない2極間の中間電位の状態(図中実
線)より、正電極2では吸着力が増加し、負電極4では
弱い反発力が生じている。
【0030】図9(b)は図8のA−A断面での吸着力
を示している。横軸はA−A断面でのウェーハの位置を
示し、縦軸はウェーハの各位置に働く吸着力を示してい
る。細い実線はRFプラズマを発生させない状態、即ち
セルフバイアスの印加を行わないときの吸着力を示して
いる。太い実線及び破線はRFプラズマを発生させた状
態、即ちセルフバイアスの印加を行ったときの吸着力を
示している。本実施例による正負両電極2、4は電極の
中心から半径方向に広がる扇形をしているので、半径方
向に電極面積が大きくなり、吸着力は中心部から周端部
に向かって大きくなっている。また、正電極2の吸着力
は中間電位(細い実線)より大きく、負電極4の吸着力
は中間電位より小さい。
【0031】図8に示した本実施例による放射状の正及
び負電極2、4の電界形成電極14にウェーハ8を吸着
させて得られるウェーハ8の温度分布を図10に示す。
図10(a)は、図8に示す電界形成電極14を用い、
図9で示されたセルフバイアス印加時の吸着力で静電吸
着されたウェーハ8表面の温度分布を等温線で示したも
のである。この状態においてウェーハ8表面は、全体的
にはウェーハ8中心部の温度が低く、ウェーハ周端部に
向かって温度が高くなっている。そして、それは一様に
高くなるのではなく、半径方向で位置によりばらつきが
生じている。しかし、第1の実施例の静電吸着装置の温
度分布である図4(c)に近い温度分布であり、従来の
静電吸着装置よりも温度分布が一定である面積が増加し
ている。図10(b)に示すように、ウェーハ8周辺部
も電界形成電極14にほぼ十分吸着されている。
【0032】実際のプラズマ処理装置であるRIE装置
に、本実施例による電界形成電極14を備えた静電吸着
装置を用いた場合のウェーハの温度測定結果を図11に
示す。RIE装置での処理条件は、第1の実施例と同様
である。RIE装置のRF電極25の電極形状は、中央
部から半径方向に放射状に広がって、正電極と負電極と
が円周方向に交互に繰返して形成されるものである。
【0033】横軸はウェーハの位置をウェーハの中心か
らの距離で示している。便宜上ウェーハを中心から右半
分と左半分に分け、中心からの距離をプラス、マイナス
で表示している。縦軸はウェーハの温度を示している。
データは、静電吸着装置のDC電源27の極性を切替え
て、RF電極25の放射状に形成されたそれぞれの電極
の正負を計測毎に切替えて、図中の●、○、▲、△に示
すように全4回計測したものである。ウェーハの温度分
布は、従来のデータと比較して均一化され、さらに第1
の実施例によるデータよりも各データ間の温度ばらつき
も減少して、温度制御特性が向上したことが分かる。
【0034】本発明の第3の実施例による静電吸着装置
を図12乃至図14を用いて説明する。本実施例による
静電吸着装置も、第1及び第2の実施例と同様にウェー
ハ8の反りを十分補正することができるような構造の正
電極及び負電極を用いたことに特徴を有している。図1
2を用いて本実施例による静電吸着装置の正電極及び負
電極の構造を説明する。図12は、ウェーハを保持する
静電吸着電極14を構成する正電極2及び負電極4の平
面図である。正電極2及び負電極4は、正電極2と負電
極4とが一定の間隔をおいて隣合い、正電極2と負電極
4とで構成される電界形成電極14中央部から円周方向
に螺旋状に広がって形成されている。
【0035】螺旋状の両電極の幅を一定にし、両電極の
隙間の幅もウェーハ全面について等しくなるように配置
している。本実施例においては、螺旋状の電極幅は2m
mであり、電極隙間も2mmである。6インチウェーハ
の面積177cm2 に対し、その1/10である17.
7cm2 当り、正電極2が4.4cm2 、負電極4が
4.4cm2 の面積を有し、電極隙間が8.8cm2
面積を有するようになっている。その比率はウェーハ全
面について一定になるようになっている。
【0036】こうすることにより、吸着されるウェーハ
表面のどの部分(所定面積)に着目しても正電極2と不
電極4とが存在するようになる。従って、RFプラズマ
の発生のためにセルフバイアスが印加されても、吸着さ
れるウェーハ表面のどの部分も吸着力が一定となり、ウ
ェーハの平面度を補正する補正力が一定となる。図12
に示した2重螺旋構造の正及び負の電極2、4の電界形
成電極14にウェーハ8を吸着させて得られるウェーハ
8の温度分布を図13に示す。
【0037】図13(a)は、図12に示す電界形成電
極14を用い、ほぼ一定の吸着力で静電吸着されたウェ
ーハ8表面の温度分布を等温線で示したものである。こ
の状態においてウェーハ8表面は、ウェーハ8中心部か
ら広い面積に亘って低温度の領域が分布し、僅かにウェ
ーハ8周端部側で温度が少し高くなる。図13(b)に
示すように、ウェーハ8中心部から広い範囲が電界形成
電極14に十分吸着されており、僅かにウェーハ8周端
部側で若干の剥離が認められる程度である。
【0038】このように、ウェーハの平面度補正が良好
に行うことができるので、ウェーハの温度分布を一定に
することができ、さらに本実施例による静電吸着装置に
よればウェーハに対する冷却性能も一段と改善される。
また、本実施例の螺旋状電極とすることにより、第1の
実施例における同心円形状の電極構造に比較して、同心
円形状の電極を用いる場合に必要であった、残留電荷を
生じさせないために印加電圧の極性をウェーハ1枚おき
に切替える際に生じる極性切替えの影響がなくなる。従
って、正負の電極の極性切替えを行っても温度制御性能
の変化がなく、残留電荷の問題も生じない。
【0039】実際のプラズマ処理装置であるRIE装置
に、本実施例による電界形成電極14を備えた静電吸着
装置を用いた場合のウェーハの温度測定結果を図14に
示す。RIE装置での処理条件は、第1の実施例による
ものと同一である。横軸はウェーハの位置をウェーハの
中心からの距離で示している。便宜上ウェーハを中心か
ら右半分と左半分に分け、中心からの距離をプラス、マ
イナスで表示している。縦軸はウェーハの温度を示して
いる。
【0040】データは、静電吸着装置のDC電源27の
極性を切替えて、螺旋状構造のRF電極25の二つの電
極のうちの一方(A電極)に正電圧を印加し、他方(B
電極)に負電圧を印加した場合と、A電極に負電圧を印
加し、B電極に正電圧を印加した場合とをそれぞれ電力
を変えて図中の●、○、▲、△に示すように全4回計測
したものである。図14から明らかなように、ウェーハ
最外周でウェーハ温度が若干上昇する程度であり、ウェ
ーハの温度分布は従来のデータ(図19)及び第1及び
第2の実施例のデータ(図7、図11)と比較してより
均一化され、各データ間の温度ばらつきはほとんどなく
なっている。また、全4回の計測全体でも、ウェーハの
温度は80度℃以下であり、冷却特性にも優れているこ
とが分かる。このように、本実施例による静電吸着装置
によれば、ウェーハの温度制御特性が著しく向上させる
ことができる。
【0041】本発明は、上記実施例に限らず種々の変形
が可能である。例えば、上記実施例においては、正負の
電極形状を同心円、放射状、螺旋状にしたが、正電極と
負電極との間隔が2〜8mmとなるように形成され、ウ
ェーハの単位面積(例えばウェーハ面積の1/10)当
りの正負の電極の割合が1:1であり、且つの電極間隙
間の面積が一定比率であるようにすれば、正、負電極が
交互に形成された、例えば、さらに細かい同心円形状、
放射状形状等にすること、また細かい櫛歯形状にして
も、上記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0042】また、上記実施例では、RIE装置に本発
明を適用したが、他のプラズマ処理装置、例えば、プラ
ズマCVD装置、スパッタリング装置、その他のエッチ
ング装置等に本発明を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、ウェーハ
の電位が正電極及び不電極の中間電位ではない、例えば
セルフバイアス電位のようなときでも、ウェーハ全面に
ついて均一な吸着力を得ることができ、ウェーハ温度の
ウェーハ内分布を最小にすることができる。
【0044】さらに本発明によれば、例えばプラズマ処
理時のウェーハ温度を一定に制御することによりウェー
ハ表面での反応を制御し、ウェーハ全面について均一の
処理を行うことができるので、より精密なVLSIの量
産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェーハの熱伝導について説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施例による静電吸着装置の電
極構造を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施例による静電吸着装置の吸
着力を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例による静電吸着装置に吸
着されたウェーハの温度分布等を示す図である。
【図5】第1の本実施例で用いたRIE装置を示す図で
ある。
【図6】第1の実施例で用いたウェーハ温度測定の構成
を示す図である。
【図7】第1の実施例の静電吸着装置を用いたウェーハ
温度測定結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例による静電吸着装置の電
極構造を説明する図である。
【図9】本発明の第2の実施例による静電吸着装置の吸
着力を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例による静電吸着装置に
吸着されたウェーハの温度分布等を示す図である。
【図11】第2の実施例の静電吸着装置を用いたウェー
ハ温度測定結果を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例による静電吸着装置の
電極構造を説明する図である。
【図13】本発明の第3の実施例による静電吸着装置に
吸着されたウェーハの温度分布等を示す図である。
【図14】第3の実施例の静電吸着装置を用いたウェー
ハ温度測定結果を示す図である。
【図15】2極式静電吸着装置の原理を説明する図であ
る。
【図16】従来の静電吸着装置を説明する図である。
【図17】従来の静電吸着装置の吸着力を示す図であ
る。
【図18】従来の静電吸着装置に吸着されたウェーハの
温度分布等を示す図である。
【図19】従来の静電吸着装置を用いたウェーハ温度測
定結果を示す図である。
【符号の説明】
2…正電極 4…負電極 6…DC電源 8…ウェーハ 10…RF電源 14…電界形成電極 21…Siウェーハ 22…静電チャック 23…処理室 24…マスフローコントローラ 25…RF電極 26…RF電源 27…DC電源 28…チラー 29…赤外線サーモグラフィ 30…赤外線カメラ 31…ZnS製窓

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正電極と負電極とを有し、前記正電極に
    直流正電圧を印加し、前記負電極に直流負電圧を印加し
    てウェーハを静電吸着する電界形成電極を備え、前記正
    電極と前記負電極にRFバイアス電圧を印加して前記ウ
    ェーハ表面にプラズマを発生させる静電吸着装置におい
    て、 前記電界形成電極の前記正電極及び前記負電極は、前記
    ウェーハの所定面積のどの所定形状にも存在するように
    配置されていることを特徴とする静電吸着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の静電吸着装置において、 前記正電極と前記負電極は、前記電界形成電極中央部か
    ら半径方向に交互に配置された同心円形状であることを
    特徴とする静電吸着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の静電吸着装置において、 前記正電極及び前記負電極は、前記電界形成電極中央部
    から半径方向に放射状に形成され、前記正電極と前記負
    電極とが円周方向に交互に配置されていることを特徴と
    する静電吸着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の静電吸着装置において、 前記正電極及び前記負電極は、前記正電極と前記負電極
    とが隣り合って前記電界形成電極中央部から螺旋状に広
    がって形成されていることを特徴とする静電吸着装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の静電
    吸着装置が取付けられた処理室を有し、前記処理室内に
    プラズマを発生させて前記静電吸着装置に吸着された前
    記ウェーハに対してプラズマ処理をすることを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08181199A (ja) * 1994-09-13 1996-07-12 Hughes Aircraft Co 光学的に監視可能な透明な光学チャック
JPH09223729A (ja) * 1996-02-19 1997-08-26 Kyocera Corp 静電チャック
JP2007142455A (ja) * 2000-04-27 2007-06-07 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体デバイス作製プロセス用装置
JP2014529197A (ja) * 2011-09-30 2014-10-30 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated 静電チャック

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