JPH0527541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、連続地中壁を構築する際に、先行壁
と後行壁とをつなぐために用いる連続地中壁の継
手鋼材に関するものである。

（従来の技術） 一般に、従来の連続地中壁の継手鋼材は、第４
図，５図に示す如く、止水プレートが先行壁およ
び後行壁方向に一枚だけ突設されたものであつ
た。以下図面に沿つて説明する。

第４図、第５図は従来の継手鋼材の平面及び側
面を示しており、この継手鋼材は平らな鋼板から
なる仕切鋼板１０を有している。この仕切鋼板１
０の中央部分にはその両面に直交配置に止水プレ
ート１１，１１が一体に突設されている。また仕
切鋼板１０には止水プレート１１，１１の両側位
置にアンカー鉄筋取り付け用の貫通孔１２ａ，１
２ａ…，１２ｂ，１２ｂ…が多数開口されてい
る。この各貫通孔１２ａ，１２ｂは後述するアン
カー鉄筋２本を縦に重ねて挿通できる大きさ及び
形状に形成され、止水プレート１１，１１をまた
いだ水平配置の二つの貫通孔１２ａ，１２ｂを一
対としている。

このように多数形成された各対の貫通孔１２
ａ，１２ｂにそれぞれＵ字形に湾曲形成した一対
のアンカー鉄筋１３，１３を仕切鋼板１０の両面
側よりそれぞれＵ字形の平行脚部１３ａ，１３ａ
を挿入し、各貫通孔１２ａ，１２ｂ内で両側から
挿入されたアンカー鉄筋１３，１３が上下に重ね
合され、その重なり合つた部分を互いに溶接して
一体としている。

この状態で各アンカー鉄筋１３の湾曲部１３ｂ
が仕切鋼板１０の一方側面の止水プレート１１に
形成した切欠部１４に嵌め込まれ、脚部１３ａ，
１３ａが仕切鋼板１０の他方側面に鉛直に突出さ
せるようにしている。なお、図中１５は各アンカ
ー鉄筋１３の脚部１３ａ，１３ａ…に溶接した補
強用縦鉄筋である。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述した従来の継手鋼材にあつて
は、止水プレート１１が先行壁および後行壁方向
に一枚だけしか設けられていなかつた。

したがつて、仕切鋼板１０に沿つて漏れて来た
水の止水性に問題が存在した。また、アンカー鉄
筋が仕切鋼板を貫通する部位に補強材が設けられ
ていないために、不安定な構造となり、継手とし
ての耐力が減少するという欠点が存在した。

本考案の目的は、上述した欠点に鑑みなされた
もので、先行壁側、後行壁側にそれぞれ二枚の止
水プレートを突設することにより、継手の止水性
を高めると共に、この止水プレートとアンカー鉄
筋を溶接することにより、継手の構造を堅固と
し、かつ溶接部分に対するコンクリートの支圧効
果により、継手の耐力の向上を図ることのできる
連続地中壁の継手鋼材を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る連続地中壁の継手鋼材は、上記目
的を達成するため連続地中壁を構築する際に先行
壁と後行壁との境に配置されて前記先行壁の端部
を仕切る仕切鋼板と、該仕切鋼板の両面に左右対
称に立設された止水プレートと、該止水プレート
の対向内面に所定間隔で配設されたアンカー鉄筋
とを備えた連続地中壁の継手鋼材において、前記
アンカー鉄筋は後端部が前記仕切鋼板を貫通し、
前記仕切鋼板の反対側に配設されやはり仕切鋼板
を貫通したアンカー鉄筋と相互に接触し合う状態
で止水プレートに溶着して構成したものである。

（作用） このように、本考案に係る連続地中壁の継手鋼
材は、二枚の止水プレートを突設したので継手部
における止水作用を向上させる作用を有する。ま
た、アンカー鉄筋を仕切鋼板を貫通して溶着した
ので継手の構造が堅固になるという作用を有して
いる。

（実施例） 以下、添付図面に従つて本考案の一実施例を説
明する。第１図は本考案に係わる連続地中壁の継
手鋼材の一実施例を示す斜視図、第２図及び第３
図は本実施例の継手鋼材の平面図及び側面図であ
る。ここで、連続地中壁の継手鋼材１は、仕切鋼
板２と、この仕切鋼板２の両面に左右対称に所定
の間隙を有して垂設された止水プレート３と、こ
の止水プレート３の対向内面に所定間隔で配設さ
れたアンカー鉄筋４等を備えている。ここで、ア
ンカー鉄筋４は、一対の平行部４ａ，４ｂの先端
側が円弧状部４ｅで連結されたＵ字状に形成され
ている。このようなアンカー鉄筋４は、後端部が
仕切鋼板２を貫通し、仕切鋼板の反対側に配設さ
れたアンカー鉄筋４と接触し合う状態で止水プレ
ート３に溶着されている。一方、仕切鋼板２の反
対側に設けられたアンカー鉄筋４も同様に仕切鋼
板２を貫通して延設され、他端側に設けられたア
ンカー鉄筋４と相互に接触し合う状態で止水プレ
ート３に溶着されている。

次に、以上のように構成された連続地中壁の継
手鋼材の使用方法について説明する。先ず、連続
地中壁を形成すべき地中掘削穴中に挿入する。し
かる後に、図外のワイヤブラシ、水噴射機構を備
えた清掃機をアンカー鉄筋に沿つて下降しマツド
ケーキを除去する。その後、コンクリートを打設
し、連続地中壁を順次形成する。

（考案の効果） 以上詳細に説明したように、本考案に係る連続
地中壁の継手鋼材は、仕切鋼板の両面に夫々２枚
の止水プレートを立設するとともに、仕切鋼板の
左右両側に配置したアンカー鉄筋の平行部を仕切
鋼板を貫通して設け、止水プレートと溶接して一
体化したので、継手の止水効率を向上させること
ができる。また、継手の構造を堅固にすることが
できる。更に、溶接部分に対するコンクリートの
支圧効果により、継手の耐力を向上することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる連続地中壁の継手鋼材
の一実施例を示す斜視図、第２図及び第３図は本
実施例の継手鋼材の平面図及び側面図、第４図
は、従来の連続地中壁の継手鋼材の平面図、第５
図は、その側面図である。 １……連続地中壁の継手鋼材、２……仕切鋼
板、３……止水プレート、４……アンカー鉄筋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続地中壁を構築する際に先行壁と後行壁との
   境に配置されて前記先行壁の端部を仕切る仕切鋼
   板と、該仕切鋼板の両面に左右対称に立設された
   止水プレートと、該止水プレートの対向内面に所
   定間隔で配設されたアンカー鉄筋とを備えた連続
   地中壁の継手鋼材において、前記アンカー鉄筋は
   後端部が前記仕切鋼板を貫通し、前記仕切鋼板の
   反対側に配設されやはり仕切鋼板を貫通したアン
   カー鉄筋と相互に接触し合う状態で止水プレート
   に溶着されたことを特徴とする連続地中壁の継手
   鋼材。