JPH05275270A - 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ - Google Patents

積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ

Info

Publication number
JPH05275270A
JPH05275270A JP4070747A JP7074792A JPH05275270A JP H05275270 A JPH05275270 A JP H05275270A JP 4070747 A JP4070747 A JP 4070747A JP 7074792 A JP7074792 A JP 7074792A JP H05275270 A JPH05275270 A JP H05275270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic capacitor
atoms
external electrode
varistor
semiconductor ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4070747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3039117B2 (ja
Inventor
Iwao Ueno
巌 上野
Yasuo Wakahata
康男 若畑
Yoichi Ogose
洋一 生越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4070747A priority Critical patent/JP3039117B2/ja
Publication of JPH05275270A publication Critical patent/JPH05275270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3039117B2 publication Critical patent/JP3039117B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子機器で発生するノイズ、パルス、静電気
などの異常電圧から半導体及び電子機器を保護する目的
で使用されるNiを内部電極とした積層型粒界絶縁型半
導体セラミックコンデンサを提供することを目的とす
る。 【構成】 低原子価のLi,Na,K原子の内の少なく
とも一種類以上をNiまたはNi原子を含む化合物に固
溶させた内部電極ペーストを出発原料とするNi内部電
極2aをこれらが交互に対向する端縁に至るように設
け、かつこのNi内部電極2aの両端縁にPd,Pt原
子の内の少なくとも一種類以上をNiまたはNi原子を
含む化合物に添加混合させた外部電極3aを設けた構成
とすることにより、優れた性能を有する積層型粒界絶縁
型半導体セラミックコンデンサを提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常はコンデンサとし
て電圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収する働きを
し、一方パルスや静電気などの高い電圧が侵入した時は
バリスタ機能を発揮することによって、電子機器で発生
するノイズ、パルス、静電気などの異常電圧から半導体
及び電子機器を保護する目的で使用される積層型粒界絶
縁型半導体セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は多機能、軽薄短小化を
実現するためにIC,LSIなどの半導体素子が広く用
いられ、それに伴って機器のノイズ耐力は低下しつつあ
る。そこで、このような電子機器のノイズ耐力を確保す
るために、各種IC,LSIの電源ラインに、バイパス
コンデンサとしてフィルムコンデンサ、積層セラミック
コンデンサ、半導体セラミックコンデンサなどが使用さ
れている。しかし、これらのコンデンサは、電圧の低い
ノイズや高周波のノイズの吸収に対しては優れた性能を
示すが、これらのコンデンサ自体に高い電圧を持つパル
スや同じく高い電圧を持つ静電気を吸収する機能を持た
ないため、高い電圧を持つパルスや静電気が侵入する
と、機器の誤動作や半導体の破壊、さらにはコンデンサ
の破壊を起こすことが大きな問題となっている。
【0003】そこでこのような用途に、ノイズ吸収性が
良好で温度や周波数に対しても安定していることに加え
て、高いパルス耐力と優れたパルス吸収性を持つ新しい
タイプのコンデンサとして、SrTiO3系半導体セラ
ミックコンデンサにバリスタ機能を持たせた粒界絶縁型
半導体セラミックコンデンサ(以下、バリスタ機能付セ
ラミックコンデンサという)が開発され、すでに特開昭
57−27001号公報、特開昭57−35303号公
報などにより提供されている。
【0004】このバリスタ機能付セラミックコンデンサ
は、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズや高周波
のノイズを吸収するが、パルスや静電気などの高い電圧
が侵入した時はバリスタとして機能し、電子機器で発生
するノイズ、パルス、静電気などの異常電圧から半導体
及び電子機器を保護するという特徴を有しており、その
使用はますます拡大されている。
【0005】一方、電子部品分野においては、軽薄短小
化、高性能化がますます進み、このバリスタ機能付セラ
ミックコンデンサに至っても、小型化、高性能の要請が
強まっている。しかし、従来のバリスタ機能付セラミッ
クコンデンサは単板型であるため、小型化すると電極面
積が小さくなり、その結果として容量が低下したり、信
頼性が低下するという問題を招くことになる。従って、
その解決策として、電極面積がかせげる積層化への展開
が予想される。
【0006】しかし、バリスタ機能付セラミックコンデ
ンサは、通常、SrTiO3系半導体素子の表面に酸化
物を塗布し、熱拡散により粒界層を絶縁化する工程を有
するため、一般に用いられているBaTiO3系積層セ
ラミックコンデンサと比べ、バリスタ機能付セラミック
コンデンサ材料を内部電極材料と同時に焼成して積層型
のバリスタ機能付コンデンサ(以下、バリスタ機能付積
層セラミックコンデンサという)を形成することは非常
に困難であると考えられていた。
【0007】そこで、バリスタ機能付積層セラミックコ
ンデンサ材料と内部電極材料との同時焼成の課題を解決
する手法として、特開昭54−53248号公報、特開
昭54−53250号公報などを応用し、内部電極に当
たる部分に有機バインダー量を多くしたセラミックペー
ストを印刷し、この部分に焼結過程で多孔層を形成し、
焼結した後にその多孔層に適当な圧力下で導電性金属を
注入させる方法、またはメッキ法や溶融法によって内部
電極を形成し、バリスタ機能付積層セラミックコンデン
サを形成させる方法が開発、提供されている。しかし、
これらはプロセス的にかなり困難であり、未だに実用化
へのレベルに達していない。
【0008】また、特開昭59−215701号公報
に、非酸化雰囲気中で仮焼した粉末を原料にした生シー
トの上に粒界層を絶縁化することが可能な熱拡散物質を
混入した導電性ペーストを印刷し、酸化性雰囲気中で焼
結させる方法、さらに特開昭63−219115号公報
に、予め半導体化させた粉末を主成分とし、この主成分
に絶縁層を形成させるため酸化剤及び/またはガラス成
分を含む拡散剤を混合した生シートと内部電極を交互に
積層した成型体を、空気中または酸化雰囲気中で焼成す
る方法が報告されている。
【0009】しかし、これら2つの方法では焼成温度が
1000〜1200℃と比較的低く、セラミックの焼結
が起こりにくいため、結晶粒子は面接触しにくく、でき
上がった素子は完全な焼結体に至っていないために容量
が低く、かつバリスタとしての代表特性である電圧非直
線指数αが小さく、バリスタ電圧が不安定であり、さら
に信頼性が劣るという欠点を有するものである。さらに
また、後者の特開昭63−219115号公報では、添
加剤としてガラス成分を添加した場合、結晶粒界にガラ
ス相が析出し、上記の電気特性が悪化しやすく、信頼性
が劣るものであり、これもまた実用化へのレベルに達し
ていないものである。
【0010】そこで、本発明者らは特願平1−3675
7号公報などに記載したように、Ti過剰のSrTiO
3に半導体成分とMnO2−SiO2系をベース材料とし
たセラミック組成及びその製造方法において、Au,P
t,Rh,PdまたはNiを内部電極とするバリスタ機
能付積層セラミックコンデンサの開発を可能なものとし
た。さらにまた、特願平3−152991号公報に記載
したように、低原子価のLi,Na,K原子の内の少な
くとも一種類以上をNiまたはNi原子を含む化合物に
固溶させた内部電極組成及びその製造方法において、N
iを内部電極とするバリスタ機能付積層セラミックコン
デンサの開発をより可能なものとした。
【0011】また、積層型バリスタに関する特許とし
て、既に特公昭58−23921号公報により、Zn
O,Fe23,TiO2系を用いた積層型電圧非直線素
子が開示されている。しかし、この素子は容量をほとん
ど持たないため、比較的高い電圧を持つパルスや静電気
の吸収に対しては優れた性能を示すが、バリスタ電圧以
下の低い電圧を持つノイズや高周波のノイズに対して
は、ほとんど効果を示さないという課題を有したもので
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記T
i過剰のSrTiO3に半導体成分とMnO2−SiO2
系をベース材料としたセラミック組成及び低原子価のL
i,Na,K原子の内の少なくとも一種類以上をNiま
たはNi原子を含む化合物に固溶させた内部電極組成、
そして製造方法によりNiを内部電極とするバリスタ機
能付積層セラミックコンデンサの開発をより可能なもの
としたが、外部電極組成については内部電極組成ほど深
く検討されておらず、このために実用化できないという
課題を有したものであった。
【0013】本発明は上記課題を解決し、通常はコンデ
ンサとして電圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収す
る働きをし、一方パルスや静電気などの高い電圧が侵入
した時はバリスタ機能を発揮するバリスタ機能付積層セ
ラミックコンデンサに関し、Niを内部電極とし、しか
もプロセス的にはセラミックコンデンサ材料と内部電極
材料との同時焼成を可能にしたSrTiO3を主成分と
する積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサを提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、粒界絶縁型半導体セラミック内に、低原子
価のLi,Na,K原子の内の少なくとも一種類以上を
NiまたはNi原子を含む化合物に固溶させた内部電極
ペーストを出発原料とするNi内部電極を、これらが交
互に異なる端縁に至るように設け、かつこのNi内部電
極の両端縁にPd,Pt原子の内の少なくとも一種類以
上をNiまたはNi原子を含む化合物に添加混合させた
外部電極ペーストを出発原料とするNi外部電極を設け
た構成としたものである。
【0015】
【作用】この構成により低原子価のLi,Na,K原子
の内の少なくとも一種類以上をNiまたはNi原子を含
む化合物に固溶させることによって、Ni内部電極の耐
酸化性を向上させると同時にセラミック素子の結晶粒界
部分の酸化性を向上させることができる。また、外部電
極としてPd,Pt原子の内の少なくとも一種類以上を
NiまたはNi原子を含む化合物に添加混合させること
によって、上記Ni内部電極と外部電極の接触を良好に
し、さらに酸化速度が低減し、外部電極の酸化を極力抑
えることができ、バリスタ機能付積層セラミックコンデ
ンサを容易に提供することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明による第1の実施例について実
施例を挙げて具体的に説明する。
【0017】(実施例1)まず、平均粒径が0.5μm
以下で純度90%以上のNiOに平均粒径が0.5μm
以下のPd粉末、Pt粉末の内の少なくとも一種類以上
を添加した場合粉末を外部電極用出発原料とし、この粉
末をブチラール樹脂などの有機バインダーと共に溶媒中
に分散させ、外部電極ペーストとした。次に、図3に示
すように、SrTiO3(Sr/Ti=0.97)97m
ol%,Nb25:0.5mol%,Ta25:0.5mol
%,MnO2:1.0mol%,SiO2:1.0mol%の組
成でドクター・ブレード法などによって作製された30
μm程度の厚さの生シートにして所定の大きさに切断
し、この切断された生シート1の上にNiO:99.5
mol%,Li2CO3:0.5mol%の組成の内部電極ペー
スト2を所定の大きさに応じてスクリーン印刷によりパ
ターン印刷した。なお、図4から明らかなように、無効
層となる最上層及び最下層の生シート1aにはNiを主
成分とする内部電極ペースト2は印刷しないものとす
る。また、この時、中間に積層させる生シート1の上に
印刷されたNiを主成分とする内部電極ペースト2は、
周知のように交互に対向する(異なる)端縁に至るよう
に印刷した。その後、上下に生シート1aを配し、(通
常それぞれ複数層積層される)、その間に上記内部電極
ペースト2の印刷された生シート1を複数層積層し、加
熱しながら加圧、圧着し、成型体を得た。
【0018】次に、この成型体の内部電極ペースト2を
交互に異なる端縁に露出させた両端面にNiを主成分と
する外部電極ペーストを塗布し、空気中で1050℃、
2時間空気中で脱脂、仮焼を行った。その後、N2:H2
=99:1の還元雰囲気中で1250℃、2時間で焼成
した。この焼成後、空気中で900℃で再酸化し、さら
にN2:H2=99:1の還元雰囲気中で400℃、30
分で外部電極を再還元し、図1に一部切欠斜視図で示す
バリスタ機能付積層セラミックコンデンサを作製した。
同図に示すようにセラミック素子内に複数層の内部電極
2aを、それらの内部電極2aが交互に異なる端縁に至
るように設け、かつこれらの内部電極2aと電気的に接
続される上記セラミック素子の両端縁にNiを主成分と
する外部電極3aとを設けたバリスタ機能付積層セラミ
ックコンデンサ4を得た。
【0019】なお、本実施例でのバリスタ機能付積層セ
ラミックコンデンサの形状は図1における記号L×W×
Hが1.60×3.20×1.20mmの1.3タイプと
呼ばれるもので、内部電極2aの形成された有効層を3
0層積層したものである。
【0020】このようにして得られたバリスタ機能付積
層セラミックコンデンサについて、その容量、Tan
δ、バリスタ電圧、電圧非直線指数α、直列等価抵抗値
ESRなどの各種電気特性を、下記の(表1)に記載す
る。なお、各種電気特性については以下の測定値を記載
している。
【0021】◇容量Cは測定電圧1.0V、周波数1.
0kHzでの値。 ◇バリスタ電圧V0.1mAは測定電流0.1mAでの値。
【0022】◇電圧非直線指数αは、測定電流0.1m
Aと1.0mAでの値から、 α=1/log(V1mA0.1mA) の式より算出した。
【0023】◇直列等価抵抗値ESRは、測定電圧1.
0Vでの共振点での抵抗値。
【0024】
【表1】
【0025】上記(表1について解説すると、ここで資
料番号に*印をつけたものは比較例であり、本発明の請
求範囲外である。即ち、これらの焼結体素子では、Ni
外部電極の酸化が激しく起こり、コンデンサとしての電
圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収する機能と、バ
リスタとしてのパルス、静電気などの高い電圧を吸収す
る機能の両方を同時に持ち合わせていないものや、)直
列等価抵抗値ESRが大きく周波数特性がよくないもの
である。従って。これらの試料は電子機器で発生するノ
イズ、パルス、静電気などの異常電圧から、半導体及び
電子機器を保護するバリスタ機能付セラミックコンデン
サとして適さないものである。
【0026】これに対し、その他の試料番号で示す本発
明のものでは、容量が大きく、かつ電圧非直線指数αが
大きく、さらに直列等価抵抗値ESRが小さいため、コ
ンデンサとしての電圧の低いノイズや高周波のノイズを
吸収する機能と、バリスタとしてのパルス、静電気など
の高い電圧を吸収する機能の両方を同時に持ち合わせて
おり、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧温度係数が
小さく、信頼性や電気特性が温度に影響を受けにくい特
徴を有している。従って、これらの試料は電子機器で発
生するノイズ、パルス、静電気などの異常電圧から半導
体及び電子機器を保護するためのバリスタ機能付セラミ
ックコンデンサとして適しているものである。
【0027】また、外部電極材料としてNiOにPd,
Pt原子の内の少なくとも一種類以上を添加して作製さ
れたバリスタ機能付積層セラミックコンデンサでは、外
部電極の酸化が抑制され、tanδ、直列等価抵抗値E
SR値の低下が確認された。この原因は添加したPdが
還元剤として作用し、外部電極の表面層の酸化を抑制
し、電極の抵抗値を下げるためであると考えられる。
【0028】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
としてNi外部電極の上層部に新たにAgまたはAg−
Pd系の外部電極を形成した場合の実施例を示す。
【0029】上記実施例1と同様のセラミック材料組成
で、内部電極組成を用いて得られた積層した成型体の内
部電極ペースト2を交互にに異なる端縁に露出させた両
端に、NiOにPd,Ptの内の少なくとも一種類以上
を添加混合した外部電極ペーストを塗布し、空気中で1
050℃、2時間空気中で脱脂、仮焼を行った。その
後、N2:H2=99:1の還元雰囲気中で1250℃、
2時間で焼成した。焼成後、Ag−Pd系(Pd:10
wt%添加)外部電極ペーストをNiを主成分とする外部
電極3aの上に塗布し、空気中で900℃で焼付けるこ
とにより、図2に一部切欠斜視図で示すようにセラミッ
ク素子内に複数層の内部電極2aを、それらの内部電極
2aが交互に異なる端縁に至るように設け、かつこれら
の内部電極2aと電気的に接続される上記セラミック素
子の両端縁にNiを主成分とする外部電極3aと、その
上にAgまたはAg−Pd系の外部電極3bを設けたバ
リスタ機能付積層セラミックコンデンサ4aを得た。ま
た、図5に本実施例の製造工程を示す。
【0030】このようにして得られたバリスタ機能付積
層セラミックコンデンサについて、その容量、tan
δ、バリスタ電圧、電圧非直線指数α、直列等価抵抗値
ESRなどの各種電気特性を、下記の(表2),(表
3)に記載する。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】上記実施例2について解説すると、(表
2),(表3)で資料番号に*印が記載されているもの
は比較例であり、本発明の請求範囲外である。(表2)
に示すAg外部電極を形成した方が(表3)に示すAg
−Pd系外部電極を形成した試料に比べ、直列等価抵抗
値ESRの値が若干低かった。これはPdの非抵抗値が
Agの非抵抗値よりも若干高いためであると考えられ
る。
【0034】そしてまた、NiOにPd,Ptの内の少
なくとも一種類以上を添加混合した、バリスタ機能付積
層セラミックコンデンサを作製した場合、tanδ,直
列等価抵抗値ESRの低下を確認した。この時、Pdを
添加していない場合では下層部のNi外部電極3aと上
層部のAgもしくはAg−Pd系外部電極3bとの境界
に比較的抵抗の高い層が形成されることを観察したが、
下層部の外部電極ペーストにPdを添加しておくと境界
層が形成されないことを確認した。即ち、Pdを介して
NiとAgもしくはAg−Pdが合金を作るためと考え
られる。しかし、この現象はPdを下層部の外部電極ペ
ーストに添加する時だけに効果があり、上層部の外部電
極ペーストにPdを添加しても効果が得られなかった。
そして、この添加効果はPdのみでなく、Ptもしくは
PdとPtの混合の場合でも得られることを確認した。
【0035】以上、実施例1及び2に記載してきた構成
により、バリスタ機能付積層セラミックコンデンサを容
易に作製することが可能になり、このようにして得られ
たバリスタ機能付積層セラミックコンデンサは、大容量
で、かつ電圧非直線指数αが大きく、バリスタ電圧、直
列等価抵抗値ESRが小さく、さらに温度特性、周波数
特性、ノイズ特性が優れているため、通常はコンデンサ
として電圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収する働
きをし、一方パルスや静電気などの高い電圧が侵入した
時はバリスタ機能を発揮し、ノイズ、パルス、静電気な
どの異常電圧に対して優れた応答性を示し、従来のフィ
ルムコンデンサ、積層セラミックコンデンサ、半導体セ
ラミックコンデンサに変わるものとして期待されるもの
である。
【0036】さらに、本発明のNi内部電極のバリスタ
機能付積層セラミックコンデンサは、従来の単板型のバ
リスタ機能付セラミックコンデンサに比べて小型であり
ながら大容量であり、かつ高性能であるために、実装部
品としての応用も大いに期待されるものである。さらに
Pd,Agなどの貴金属を内部電極とするバリスタ機能
付積層セラミックコンデンサに比べ、低コストのNiを
内部電極とするために原料コストの低減が期待されるも
のである。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によるバリスタ機能
付セラミックコンデンサは、コンデンサ機能とバリスタ
機能を同時に有し、通常はコンデンサとして電圧の低い
ノイズや高周波のノイズを吸収する働きをし、一方パル
スや静電気などの高い電圧が侵入した時はバリスタ機能
を発揮するため、電子機器で発生するノイズ、パルス、
静電気などの異常電圧から半導体及び電子機器を保護す
る働きを持ち、従来の単板型のバリスタ機能付セラミッ
クコンデンサに比べ小型でありながら大容量であり、か
つ高性能であるため面実装部分としての応用も大いに期
待され、ビデオカメラ、通信機器などの高密度実装用素
子としても使用できるものであるなど、その実用上の効
果は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例により得られたバリスタ
機能付積層セラミックコンデンサを示す一部切欠斜視図
【図2】本発明の第2の実施例により得られたバリスタ
機能付積層セラミックコンデンサを示す一部切欠斜視図
【図3】本発明の第1の実施例におけるバリスタ機能付
積層セラミックコンデンサの製造工程図
【図4】本発明の第1の実施例の積層する生シート及び
その上に印刷される内部電極ペーストの形状を説明する
ためのバリスタ機能付積層セラミックコンデンサの分解
斜視図
【図5】本発明の第2の実施例におけるバリスタ機能付
積層セラミックコンデンサの製造工程図
【符号の説明】
1,1a 生シート 2 内部電極ペースト 2a 内部電極 3a 下層部Ni外部電極 3b 上層部AgまたはAg−Pd系外部電極 4,4a バリスタ機能付積層セラミックコンデンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiまたはNi原子を含む化合物に低原子
    価のLi,Na,K原子の内の少なくとも一種類以上を
    固溶させたペーストを出発原料とするNi内部電極を設
    けたセラミック生シートの上記Ni内部電極が交互に対
    向する異なる端面に接するように複数枚積層された成型
    体の上記対向する端面に、上記Ni内部電極がそれぞれ
    電気的に接続されるようにPd,Pt原子の内の少なく
    とも一種類以上をNiまたはNi原子を含む化合物に添
    加混合させた外部電極を形成してなる積層型粒界絶縁型
    半導体セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】外部電極を下層部外部電極とし、この下層
    部外部電極上に、さらにAgまたはAg−Pd系の上層
    部外部電極を形成した請求項1記載の積層型粒界絶縁型
    半導体セラミックコンデンサ。
JP4070747A 1992-03-27 1992-03-27 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ Expired - Fee Related JP3039117B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4070747A JP3039117B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4070747A JP3039117B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05275270A true JPH05275270A (ja) 1993-10-22
JP3039117B2 JP3039117B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=13440421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4070747A Expired - Fee Related JP3039117B2 (ja) 1992-03-27 1992-03-27 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039117B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6160472A (en) * 1995-03-24 2000-12-12 Tdk Corporation Multilayer varistor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6160472A (en) * 1995-03-24 2000-12-12 Tdk Corporation Multilayer varistor

Also Published As

Publication number Publication date
JP3039117B2 (ja) 2000-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10125557A (ja) 積層型複合機能素子およびその製造方法
KR930012272B1 (ko) 적층형 입계 절연형 반도체 세라믹콘덴서 및 그 제조방법
KR930012271B1 (ko) 적층형 입계 절연형 반도체 세라믹콘덴서 및 그 제조방법
WO1990011606A1 (en) Laminated and grain boundary insulated type semiconductive ceramic capacitor and method of producing the same
JPH04251908A (ja) 粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2727626B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP4496639B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JPH1064703A (ja) 積層チップ型電子部品
JPH11340090A (ja) 粒界絶縁型積層セラミックコンデンサの製造方法
JPH1064704A (ja) 積層チップ型電子部品
JPH06176954A (ja) 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ
JP2705221B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP3039117B2 (ja) 積層型粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ
JP2697095B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2707706B2 (ja) 粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2850355B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2725357B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2946865B2 (ja) 粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサの製造方法
JP3064676B2 (ja) 積層セラミック磁器素子
JP2707707B2 (ja) 粒界絶縁型半導体セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2737280B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2715529B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2773309B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2646734B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP2745656B2 (ja) セラミックコンデンサ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080303

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees