JPH05275191A - 大気圧放電方法 - Google Patents

大気圧放電方法

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JPH05275191A
JPH05275191A JP4097270A JP9727092A JPH05275191A JP H05275191 A JPH05275191 A JP H05275191A JP 4097270 A JP4097270 A JP 4097270A JP 9727092 A JP9727092 A JP 9727092A JP H05275191 A JPH05275191 A JP H05275191A
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insulator
atmospheric pressure
gas
cylindrical
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JP4097270A
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Hideomi Koinuma
秀臣 鯉沼
Tadashi Shiraishi
正 白石
Kiyoto Inomata
清人 猪俣
Toru Inoue
亨 井上
Shigenori Hayashi
茂則 林
Shoji Miyanaga
昭治 宮永
Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/14Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by plasma treatment

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Plasma Technology (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 同心円筒状に構成された中心導体11と外側
導体12とを電極として有し、また外側導体12に密接
して設けられた円筒状絶縁物13を有したプラズマ発生
装置において、円筒状絶縁物13の厚さを薄くするか、
円筒状絶縁物13の誘電率を高くすることによって、中
心導体11と円筒状絶縁物13との間にかかる電圧を高
くし、アルゴンを主成分とする気体を反応空間15にて
常圧で低温プラズマ化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大気圧で安定に放電させ
ることが出来、かつ低温の放電プラズマを得ることがで
きるプラズマ発生装置を用いて、基板を加熱すること無
しに行われるエッチングに関する。さらに、前記エッチ
ングにおいて、使用可能なガス種を広げ、多様な実験条
件において放電を行う方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】大気圧状態は低電界では絶縁体であるが、
直流、交流、インパルス等の高電界を印加すると絶縁破
壊を起こし電流が流れるようになる(自続放電)。自続
放電はコロナ放電、グロー放電、アーク放電に分けられ
る。平等電界のときには自続放電に移るとただちに全路
破壊し、グロー放電もしくはアーク放電に移行するが、
不平等電界のときにはまず、電界の強い局部のみ絶縁破
壊され、コロナ放電が起こる。その後さらに電界を強く
すると全路破壊に発展していく。大気圧空気中では通常
全路破壊に移行するとき、グロー放電を経ずに速やかに
アーク放電に移行することが多い。これは、アーク放電
の特徴は入射イオンに起因する電極加熱による熱電子放
出(陰極輝点の存在)であるが、高圧力では電極に入射
するイオン数が低圧力時に比べて多いため、非常に短い
時間で電極が加熱され、熱電子放出されるようになるた
めと考えられている。また、電流が2A以下の場合には
グロー放電する場合も知られているが、制御性が良くな
く実用的ではない。一般に溶接加工、切断等の応用に用
いられているのはアーク放電である。
【0003】アーク放電はその電極温度の高さ、陽光柱
温度(ガス温度)の高さを利用して、被加工物を溶解、
溶断することに用いられている。アーク放電において
は、被加工部は2000〜6000K の高温となる。よって、被
加工物を加熱することなく加工することができない。
【0004】そこで、室温での基盤処理、加工等を可能
とするため、大気圧でのグロー放電を安定に生じさせる
試みが行われている(S.Kanazawa et.al. J.Phys.D:App
l.Phys.21(1988)838-840)。大気圧で安定にグロー放電
させるためには、1.放電空間をHeで充満する事、2.電極
間に(放電経路に)絶縁体を挿入する事、3.少なくとも
一方の電極は針状もしくはブラシ状とする事、4.印加電
界の周波数は3kHz以上とする事、が必要条件として知ら
れている。絶縁体は放電がアーク放電に移行しないよう
にするため、印加電界周波数が3kHz以上なのは絶縁体を
通して電流を流すため、電極形状を針状もしくはブラシ
状とするのは、電界を不均一電界とすることにより放電
を開始しやすいようにするためである。これらの方法に
よりポリイミド等の有機物、シリコン等の無機物の表面
をエッチング等処理を行うことも試みられている。しか
しながら、これら方法は、大気圧で処理するものであり
ながら、反応空間内を一旦真空に減圧しその後ヘリウム
等のガスを充填するという工程を経ねばならない。ま
た、基盤の処理は基盤上に於て均等に行われ、微小な領
域を選択的に処理することができないという欠点があっ
た。
【0005】そこで、本発明者らは前記の欠点を克服す
るため、一旦真空に減圧する工程を経ることなく安定な
低温プラズマを形成し、該プラズマを微小な領域に閉じ
込め、微小領域の加工、表面処理、エッチングを可能と
するプラズマ発生装置とそれを用いたエッチング方法の
発明を行なった。(特願平2−286883)
【0006】これは、金属等の導電体で構成された電極
を同心円筒状に配し、該電極の隙間に円筒状絶縁体を同
心円となるようにまた、外側電極に接するように挿入
し、該絶縁体と中心電極の隙間にヘリウムを主体とする
気体を大気圧状態で送流状態に保持し、前記電極間に交
流電界を印加して前記ヘリウムを主体とする気体を電離
することにより前記絶縁体と中心電極の隙間にプラズマ
を生ぜせしめ、該プラズマにエッチングガスを導入し、
エッチングに供するものである。
【0007】この方法によれば、簡単な実験装置で低温
プラズマを得ることができ、エッチングガスとしてハロ
ゲン化合物気体を用いることにより耐熱性のない有機物
にもエッチング加工を施すことができた。また、プラズ
マの温度は、印加する交流電界(13.56MHz)が100W
程度ならば、100℃以下であることが熱電対を用いた
測定により確認されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において記
載したように、常圧において低温プラズマを発生させる
ためには、ヘリウムを主体とする気体の使用が必要条件
であり、例えばアルゴンのようなガスをこれに変えて用
いた場合は、100W以上の電力投入が必要であり、長
時間の放電を行った場合等は、中心電極の溶融等の障害
が生ずる。
【0009】この様な現象の原因は今のところ明確には
されていない。しかしながら上記の様に投入電力を高め
ることによってアルゴンによる放電は可能であったこと
から一般にアルゴンガス単体では、低温プラズマと微細
なアーク放電との共存状態が存在し、この微細なアーク
放電が装置に対する熱的な障害を引き起こしている事が
考えられる。
【0010】この加熱現象の対策として、これまでのア
ルゴンガスを用いた大気圧放電の例では、アルゴンに対
してケトン(アセトン)を添加することにより、放電に
成功したとする報告がある。しかしこの報告例の如き方
法では、添加物の存在しない環境での放電は不可能であ
る。すなわちアルゴンガスのみでの放電には成功してい
ない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、電極間に加えられる電圧を高める事に
より、従来のようなアセトンの添加を要さず、かつヘリ
ウムガス使用時と同程度の電力投入によってアルゴンの
様な難放電ガス単独で、安定した低温プラズマを発生せ
しめる事が可能である事を見いだした。これは円筒状絶
縁体の誘電率を高くする事/あるいは円筒状絶縁体の誘
電率(=材質)をそのままに厚さを減少させる事によ
り、電源装置からの印加電力を何ら変化させることなく
放電空間に生ずる開始電圧を高め、これまで放電させに
くいと考えられていたガスに関しても安定した放電を発
生させるものである。
【0012】図1に本発明に用いられるプラズマ発生装
置の概念図を示す。図1において、同心(同軸)円筒状
に配置された内側電極となる中心導体(11)と外側電
極となる外側導体(12)の間に円筒状絶縁体(13)
を配し、中心導体(11)と外側導体(12)を各々電
極としてそれらに交流電源(14)より交流電界(13.5
6MHz)を印加する。放電空間(15)には希ガス(アル
ゴン)を主成分とするガスをボンベ(17)より流量制
御器(16)を通して送流状態で供給する。図ではボン
ベが一つしか示されていないが、必要に応じて多数設け
られることはいうまでもない。
【0013】中心導体(11)は直接プラズマに曝され
るためタングステン、タンタル等スパッタに強い金属が
有効である。また、エッチングを行う場合などは、希ガ
ス中に弗素、塩素等エッチング作用の強いハロゲン系の
元素を含むガスを添加するので、ハロゲン系元素にエッ
チングされにくい金、白金等でもって中心導体(11)
を構成するか、または表面をコーティングするのがよ
い。また、中心導体(11)の外径と外側導体(12)
の内径は次式を満たしていることが望ましい。
【0014】
【数1】
【0015】上式は、中心導体(11)と外側導体(1
2)の間の電界が不平等となる条件(コロナ発生条件)
となっており、放電開始が容易となる条件である。前記
条件はあくまで望ましい条件であり、前式の比が3より
も小さく、1に近い値であったとしても(実際には中心
導体(11)と外側導体(12)の間に円筒状絶縁体
(13)が挿入されるため1にはならない)、放電はコ
ロナ放電の経由が無くなるだけであり、放電を起こす限
りは本発明の内容を限定するものではない。
【0016】円筒状絶縁体(13)は前記電極間で放電
がアーク放電に移行しないように設けたものである。本
発明者らはこれまでの発明において石英ガラス等の無機
物、テフロン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート等の有機物の使用を試みており、また
放電による温度上昇の可能性に対しては耐熱性の高い石
英ガラス等が有効であることを見いだしている。本発明
では、この円筒状絶縁体を、必要に応じてより高誘電率
材料に変更/もしくは非常に薄いものとすることによっ
て、使用ガスの種類をこれまで以上に広げるものであ
る。
【0017】円筒状絶縁体の誘電率の増加/もしくは厚
さの減少によって、円筒状絶縁体を含む電極間の容量を
低下せしめることができる。例えば石英ガラスを円筒状
絶縁体として用いた場合の容量は、約7.38×10
-10(F/m)であるのに対して、材質をアルミナに変更した
場合は約1.702×10-11(F/m)である。また材質を
石英ガラスのまま、厚さを0.3mmとした場合は約
9.5×10-11(F/m)となる。これによって、放電のト
リガー的役割をはたす絶縁破壊電圧の増加をもたらすこ
とができる。
【0018】従って絶縁体の誘電率が大きいか/または
絶縁体の厚さが薄いほど中心導体と絶縁体間のギャップ
にかかる電圧が高くなるため、より放電開始しやすくな
る。よって、石英ガラスの如き低誘電率材料(比誘電率
3.8) よりもアルミナ(比誘電率 8.5) さらにはソーダ
ガラス(比誘電率 7.5) 等の方が、原料ガスに高電圧を
印加することができ、放電開始に高電圧を要する原料ガ
スによっても大気圧放電が可能となるのである。
【0019】該円筒状絶縁体の厚さは目的とする原料ガ
ス種及び絶縁体の比誘電率によって決定される。すなわ
ち石英ガラスの如き低誘電率材料(比誘電率 3.8) を用
いて難放電性ガスを使用する場合、絶縁体の厚さを薄く
する事により誘電率変更にある程度は対応する効果が得
られる。また中心導体と絶縁体間ギャップはあまり大き
すぎると誘電体表面に誘発される実用的な交流電源の出
力電圧を越えるため、以下の範囲にすることが適当であ
る。即ち、絶縁体と中心電極の隙間は5mm以下、好ま
しくは1mm以下であり、前記絶縁体の比誘電率と厚さ
の関係は、厚さ(mm)/比誘電率=1以下、好ましく
は0.2以下とするのがよい。このことは、前記円筒状
絶縁体としては、なるべく厚さが薄く、なるべく比誘電
率が大きなものが適していることを示している。もちろ
ん絶縁破壊が起こるほど薄くしてしまってはならないこ
とはいうまでもない。
【0020】交流電源の周波数の下限は放電経路に挿入
された絶縁体によって発生する容量性のサセプタンスで
決定される。即ち、単位長さ当りの容量Cは中心導体と
絶縁体間のギャップ容量Cgと絶縁体容量Ciとの直列
合成容量で表わされ、各々
【0021】
【数2】
【0022】となる。ただし、中心導体半径をa、絶縁
体内径をb、外側電極内径をc、絶縁体の誘電率をε、
真空の誘電率をεoとする。同心円筒電極間に印加され
る電界は上記CgとCiの比で分圧される。絶縁体によ
るサセプタンスの値ωCが10-6〔S〕以上あれば放電
は安定していることは実験により確かめられている。よ
って、a,b,cを各々0.5、0.85、1.25■
mm、同軸円筒の長さを13mmとし、絶縁体に石英を
用いるとすると比誘電率は3.8であるため、Ci=1
3pFとなり、約12kHz以上の周波数を用いればよ
い。ただし既に述べたような誘電率の増加/絶縁体厚さ
の減少による絶縁破壊電圧の増加に伴って、放電維持周
波数の増加をもたらす。本発明では工業用周波数として
一般的な13.56MHzを用いたが、なんら支障なく
放電維持が可能であった。
【0023】放電の中心となる希ガスの種類に関して記
述する。従来の方法の様に円筒状誘電体の厚さすなわち
上記においてc−bの値が0.2mmの場合もしくは比
誘電率の値が低い場合は、放電空間(15)に供給され
るヘリウムを主成分とするガスはヘリウムが70%以上
含まれていることが必要である。それに対して本発明の
様に円筒状誘電体材料の比誘電率の値を高めるか、もし
くは該円筒状誘電体材料の肉厚さを薄くする事によっ
て、ヘリウムを要する事無く、また従来の様なアセトン
の添加を必要とせず、ヘリウム以外の希ガス特にアルゴ
ンを用いて放電を生じせしめる事が可能となる。
【0024】該希ガスへの添加ガスとしてはHe、N
e、Kr、Xe等の他種希ガスを用いることができる。
もちろん本発明の構成を利用することにより、他種希ガ
スを主に用いることも可能である。
【0025】なお、本発明のプラズマ発生装置は供給ガ
ス流量を制御することにより、ラジカルの到達距離を制
御することができる。例えば、絶縁体内径を0.85m
mとした場合70sccmのガス供給で流速は約500
mm/secとなる。供給ガス流量を増せばそれに比例
して流速は増し、ラジカルの到達距離も長くなる。
【0026】また、被エッチング物は放電領域外の基板
ばかりでなく、放電空間内の電極自体が被エッチング物
になる場合もある。これを利用して非常に鋭い尖端を有
した針状物を形成することもできる。
【0027】なお、図1において、1はエッチング等が
行われる基板であり、2は基板ホルダーであり、3は磁
場を用いてエッチング効率を高めるためのマグネットで
あり、18は基板が帯電することを防ぐために設けられ
た接地された電極であるが、本発明において必ず必要な
ものではない。以下、実施例/比較例によって本発明を
更に詳細に説明する。
【0028】
【実施例】
「実施例1」図2に本実施例のプラズマ発生装置の断面
図をしめす。同軸円筒電極は中心導体(11)、円筒状
絶縁体(13)、外側導体(29)より構成される。図
でははっきりしないが、円筒状絶縁体(13)は外側導
体(29)に密接して設けられている。本実施例では中
心導体(11)はステンレス、円筒状絶縁体(13)は
アルミナ、外側導体(29)はステンレスを用いた。中
心導体(11)はMHV同軸接栓(21)に接続され、
MHV同軸接栓(21)につながれた同軸ケーブル(図
示せず)を介して交流電源より交流電界(13.56MHz)が
印加される。中心導体(11)と円筒状絶縁体(13)
の間に供給される希ガスは、ガス導入口(20)より供
給され、テフロン製絶縁体(22)(27)の間を通っ
て流れ込む。テフロン製絶縁体(22)(27)は不要
な場所での放電を防止する役割もある。匡体(23)
(28)は、装置全体を構成する部材であり、締めつけ
治具(25)(26)により固定される。匡体(23)
(28)と締めつけ治具(25)(26)はステンレス
で作製され、外側導体(29)と共に接地電位に保たれ
る。なお導入された希ガス(本実施例ではアルゴンを使
用)は各部品の隙間より漏れないようにOリング(2
4)でシールされている。また、円筒状絶縁体(13)
と外側導体(29)の隙間は導電性の金属フォイルで埋
めた(図示せず)。なお、中心導体の直径は1mm、絶
縁体外径は2.5mm、絶縁体厚さは0.4mmであ
る。また、放電は直径1.7mmの領域で発生してい
た。
【0029】なお、図2において、(1)はエッチング
等が行われる基板であり、(2)は基板ホルダーであ
り、(3)は磁場を用いてエッチング効率を高めるため
のマグネットであり、(18)は基板が帯電することを
防ぐために設けられた接地された電極であるが、アルゴ
ンを用いた常圧低温プラズマを発生させることを目的と
する本実施例においては特に必要なものではない。なぜ
ならば、図2に示す本実施例のプラズマ発生装置は、掌
にのるほどの大きさであり、必要とされる部分に直接近
づけてプラズマを用いた処理を行なうことができるから
である。
【0030】上記の装置に対し、希ガスとしてアルゴン
ガスを100sccm供給し、純アルゴン放電を試み
た。ガス送流中に電源装置から周波数13.56MHzの高周波
電力を50W加えたところ非常に安定な放電状態が得られ
た。従ってアセトン添加を伴わない純アルゴン安定低温
プラズマ放電に成功した。このプラズマの温度を熱電対
をプラズマ発生部分に挿入することによって測定したと
ころ、数十度(測定にばらつきがあり特定できない)の
温度が計測され、低温プラズマであることが確認され
た。
【0031】「実施例2」本実施例では円筒状絶縁体材
料の厚さを変化させた例について述べる。
【0032】円筒状絶縁体材料として、従来使用されて
きたのと同じ石英ガラス管(ただし厚さは0.1mm)
を用いた場合の放電に関して述べる。実施例1と同様に
アルゴン100sccmを供給し、周波数13.56MHzの高
周波電力50Wにより安定な放電が得られた。実施例1と
同様にこの放電を10分間保持し、実施例1と同様にアル
ゴンによる安定した低温プラズマを得ることができた。
プラズマの温度は、実施例1と同様に熱電対を用いて測
定したが、測定値にばらつきが大きく特定することはで
きなかった。しかし、100℃以下であることは確認さ
れた。本実施例によって、円筒状絶縁体材の厚さを薄く
することによってもアルゴンによる低温プラズマが得ら
れることがわかった。
【0033】「比較例」本比較例では低い比誘電率を有
する円筒状絶縁体材料を使用した場合のアルゴンを用い
た大気圧放電について述べる。
【0034】プラズマ発生装置、放電条件は、円筒状絶
縁体材料を実施例1と同じ厚さを持つ石英ガラスとした
ことを除いて実施例1と同じである。このプラズマ発生
装置に対してアルゴンガスを導入し、放電を試みたが約
100W程度を投入しないと放電を確認出来なかった。
この実験から円筒状絶縁体材料の誘電率を変更する事に
より、放電条件は大きく変動することが確認された。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のごとくプラ
ズマ発生装置における円筒形絶縁物の誘電率を高くする
か、あるいは円筒形絶縁物の厚さを減少させることによ
って、これまでアセトンの添加無しには不可能であった
アルゴンガスによる大気圧低温放電を、アルゴン単独で
安定に発生可能であることが確認された。
【0036】本発明を用いることにより、ヘリウム以外
の希ガスを用いて常圧低温プラズマを発生させることが
できるようになり、さらにハロゲン元素を含む反応性気
体を導入することによるエッチングの可能性に道を開く
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ発生装置の概略図を示す。
【図2】本発明のプラズマ発生装置の実施例を示す。
【符号の説明】
1 基板 2 基板ホルダー 3 マグネット 18 接地電極 11 中心導体 12 外側導体 13 円筒状絶縁体 14 交流電源 15 放電空間 16 流量制御器 17 ボンベ 29 外側導体 21 MHV同軸接栓 20 ガス導入口 22 テフロン製絶縁体 27 テフロン製絶縁体 23 匡体 28 匡体 24 Oリング 25 締めつけジグ 26 締めつけジグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 茂則 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 宮永 昭治 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内 (72)発明者 山崎 舜平 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属等の導電体で構成された電極を同心円
    筒状に配し、該電極の隙間に高誘電率を有する円筒状絶
    縁体を同心円状に、かつ外側電極に接するように挿入
    し、該絶縁体の隙間に希ガスを主体とする気体を大気圧
    状態で送流状態に保持し、前記電極間に交流電界を印加
    して前記希ガスを主体とする気体を電離することによ
    り、前記絶縁体と中心電極の隙間にプラズマを生ぜせし
    めることを特徴とする大気圧放電方法。
  2. 【請求項2】請求項1における円筒状絶縁体が有する誘
    電率が、比誘電率として6.0好ましくは7.0を上回
    る事を特徴とする大気圧放電方法。
  3. 【請求項3】請求項1における円筒状絶縁体がアルミナ
    であることを特徴とする大気圧放電方法。
  4. 【請求項4】請求項1における円筒状絶縁体の厚さを、
    0.2mm以下とすることを特徴とする大気圧放電方
    法。
JP4097270A 1990-10-23 1992-03-24 大気圧放電方法 Pending JPH05275191A (ja)

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