JPH052749B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、連続して移動する鋼帯へ電気メツキ
を行う連続式電気メツキ装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 鋼帯を高速で連続的に電気メツキする装置とし
て、従来より第４図及び第５図に示す如き方式の
ものが知られている。即ち、鋼帯ａの板幅よりも
幅広の上下の不溶性電極ｂ，ｂと絶縁物質性の側
板ｃ，ｃとからメツキ槽ｄを構成し、入口ｅより
鋼帯ａを送給すると共に、出口ｆに設けたメツキ
液吹出ノズルｇ，ｇよりメツキ液を鋼帯ａに対し
向流にして送り、循環させるようにしたものであ
る。

斯かる従来の連続式電気メツキ装置において
は、鋼帯ａの入口ｅ及び出口ｆを除くと完全に密
閉された構造で、メツキ液の流路が断面矩形状の
管状になつているので、高速流でメツキ液を吹出
しても、幅方向に均一な流れが得られるし、流れ
も方向も一定であるのが特長であるが、鋼帯ａ端
部にオーバーコートが発生することと、差厚メツ
キにおける厚目付側から薄目付側へ電流の回り込
みが発生することが問題であつた。

そこで従来、第５図の仮想線で示す如く、メツ
キ槽ｄ内に、槽外部からロツドｈを介してメツキ
液中で鋼帯ａの板幅に応じ移動せしめられるコの
字状の絶縁性マスクｉ，ｉを設け、該マスクｉ，
ｉで鋼帯ａの端部を陰蔽するようにした方式が採
用されるに至つている。

斯かる従来方法によれば、表裏付着量の等しい
両面等厚メツキは鋼帯ａ端部のオーバーコートが
防止され、均一なメツキが可能であるが、例えば
鋼帯ａの表裏面で差厚メツキを行つた場合、厚目
付側から薄目付側へ漏洩電流があり、鋼帯ａの薄
目付側の面の板端部は目標付着量の数倍のメツキ
がされる。即ち、この現象は、マスクｉ，ｉと電
極ｂ，ｂとの間に隙間ｊが存在するため、側板ｃ
とマスクｉとの間の空隙ｋより隙間ｊを通して厚
目付側の面に対応する電極ｂから、メツキ液を介
して漏洩電流が流れ、これが薄目付側の面に対応
する電極ｂの全面を介して鋼帯ａの薄目付側の面
に電着を起させるためである。又、前記従来装置
においては、鋼帯ａの片面のみをメツキすること
はできない。あえて片面メツキを行おうとした場
合、下部の吹出ノズルｇのみを作動させることが
考えられるが、メツキ液を一定レベルに保持する
ことができないため、メツキ液が鋼帯ａの端部よ
り反対面側に回り込む問題があり、実用的でな
い。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、鋼帯端部へのオーバーコートと、差
厚メツキにおける厚目付側から薄目付側への電流
の回り込みを共に防止し、同一ラインで両面等厚
メツキと表裏付着量の異なる差厚メツキを共に行
うことができるようにし、更に必要に応じて片面
メツキを行うことができるようにしたものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の連続式電気メツキ装置は、鋼帯ライン
を挟んで鋼帯幅方向にメツキ液供給ノズルを対向
配置すると共に、該ノズルからのメツキ液供給位
置の上下流部に、鋼帯との間に所要の間隔を保持
するように夫々電極を配設して開放型メツキ槽を
形成し、且つ該メツキ槽内に、鋼帯の幅端部を挟
む如く膨縮可能な遮蔽体を配設した構成を有す
る。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

第１図乃至第３図に示す如く、タンク１ａ，１
ｂ内に送給したメツキ液を前記タンク１ａ，１ｂ
に連接したスリツトノズル２ａ，２ｂを通して流
出させ得るようにしたメツキ液供給ヘツダー３
ａ，３ｂを、鋼帯４の通過ラインを挟む如く鋼帯
４の幅方向に向け対向配置し、且つ該ヘツダー３
ａ，３ｂの上下流位置に、鋼帯４と所要の間隔を
形成して不溶性電極５ａ，５ｂを夫々対向配設す
る。尚、６ａ，６ｂはスリツトノズル２ａ，２ｂ
の開口端に設けたフランジである。而して、スリ
ツトノズル２ａ，２ｂのフランジ６ａ，６ｂと各
電極５ａ，５ｂとにより側壁部を開放型としたメ
ツキ槽を形成する。

更に、前記メツキ槽内には、槽外部からロツド
７を介して鋼帯４の幅に応じ移動せしめられ、且
つ空気供給管８からの圧縮空気の供給、排出によ
つて膨縮可能な中空状の遮蔽体９，９を、鋼帯４
の幅方向で対峙配設する。

前記遮蔽体９，９はゴム或いは芯金入りのゴ
ム、又は芯金入りのビニール等の絶縁物質によつ
て形成され、空気供給管８から空気を供給されて
膨張した際に、上下のフランジ６ａ，６ｂ並びに
各電極５ａ，５ｂに圧接するような大きさとして
ある。

斯かる構成としてあるので、ヘツダー３ａから
鋼帯４へメツキ液を流下供給し、ヘツダー３ｂか
ら鋼帯４へメツキ液を所要の圧力により噴出供給
すると、メツキ液は鋼帯４の表裏面に沿いメツキ
槽内に広がり、鋼帯４の各電極５ａ，５ｂとの間
に流れ込んでサンドイツチ状に挟持される。この
際、遮蔽体９，９を、鋼帯４の幅端との間に所要
の小さな隙間が形成されるよう位置せしめておく
ことにより、メツキ液はその表面張力によつて反
対側へ回り込むことがない。而して、各電極５
ａ，５ｂに電流を流すと、オーバーコート及び電
流の回り込みを発生することなく目標厚のメツキ
が行われる。

又、鋼帯４に対し片面のみのメツキを行う場合
には、上下いずれか一方のヘツダー３ａ或いは３
ｂのみを使用することにより精度よく安定して作
業を行うことができる。

前記において、遮蔽体９，９の位置調整は、一
旦空気供給管８により内部の空気を抜いた状態
で、ロツド７の操作により行うもので、ロツド７
の操作は、スクリユー方式、シリンダ方式等の駆
動方式によつて行う。

尚、前記実施例では、遮蔽体９，９を上下流部
の電極間の寸法の略全長に亘り配設したが、メツ
キ液の粘性により、鋼帯４と各電極５ａ，５ｂと
の間の間隙を或る程度狭くしておけばメツキ液は
反対側へ回り込まないで、フランジ６ａ，６ｂの
範囲にだけ遮蔽体９，９を配置すればよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の連続式電気メツ
キ装置によれば、鋼帯端部へのオーバーコート
と、差厚メツキにおける厚目付側から薄目付側へ
の電流の回り込みを共に防止し得、同一ラインで
両面等厚メツキと表裏付着量の異なる差厚メツキ
とを行うことができ、更に片面メツキをも安定し
て行うことができる、等の優れた効果を奏し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の概略切断側面図、第２
図は第１図の−矢視図、第３図は第１図の
−矢視図、第４図は従来装置の概略切断側面
図、第５図は第４図の−矢視図である。 ３ａ，３ｂはメツキ液供給ヘツダー、４は鋼
帯、５ａ，５ｂは不溶性電極、９は遮蔽体を示
す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼帯ラインを挟んで鋼帯幅方向にメツキ液供
   給ノズルを対向配置すると共に、該ノズルからの
   メツキ液供給位置の上下流部に、鋼帯との間に所
   要の間隔を保持するよう夫々電極を配設して開放
   型メツキ槽を形成し、且つ該メツキ槽内に、鋼帯
   の幅端部を挟む如く膨縮可能な遮蔽体を配設した
   ことを特徴とする連続式電気メツキ装置。