JPH0527292U - 流体機械用ピストン - Google Patents

流体機械用ピストン

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JPH0527292U
JPH0527292U JP7545891U JP7545891U JPH0527292U JP H0527292 U JPH0527292 U JP H0527292U JP 7545891 U JP7545891 U JP 7545891U JP 7545891 U JP7545891 U JP 7545891U JP H0527292 U JPH0527292 U JP H0527292U
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JP
Japan
Prior art keywords
piston
ring
core
ring groove
sliding
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Pending
Application number
JP7545891U
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English (en)
Inventor
満雄 真保
忠一 河村
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリンダボアとの摺動間隙を常に高精度に維持
するとともに、過酷な条件下で使用された場合であって
もピストンリングの脱落を確実に防止する。 【構成】ピストン本体20は、内部に形成された中空部
22と、リング溝21の底面から中空部22まで貫通す
る芯孔23とを有し、ピストンリング30は、摺動部3
1と一体に芯孔23に融着された芯部32と、芯部32
と一体に融着され中空部22の内壁に拡延する支持部3
3とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、圧縮機やポンプ等の流体機械に用いられ、一体化された樹脂製ピス トンリングを備えたピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】
流体機械、例えば、車両用空調装置等に供されている往復動型圧縮機では、ピ ストンがシリンダボア内を往復動する際、その摺動間隙を介して圧縮ガスが漏洩 するのを防止するため、ピストン本体の外周部にピストンリングが嵌装されてい る。このピストンリングは耐熱、耐摩耗性に優れた合成樹脂で製作され、一般に はカット形のものが多用されている。そして、リング溝に嵌装された状態の上記 ピストンリングは、その内周面及び両側面がリング溝と所定の間隙を保持するよ うに設定されており、ピストンの往復動時に、上記間隙を介して作用するガス圧 力によってピストンリングは外方に押し広げられ、シリンダボアの内周面と気密 的に摺接するよう構成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上述した樹脂製ピストンリングは、その量産段階で筒状成形体から 切り出されるため熱変形しやすく、また、ピストンリングをリング溝に嵌装させ る際にも外径寸法に微妙な変化を起こしやすい。しかも成形後のピストンリング は至って剛性が低く、切削による精度調整もきわめて困難なため、シリンダボア 内周面との摺動間隙にかなりのばらつきを生じ、圧縮圧力がピストンリングを充 分に拡開しきれない段階の封止性に特に問題がある。
【0004】 また、ピストン本体外周面に樹脂をコーティングして、シリンダボアとの摺動 間隙を調整する他の従来例も知られているが、コーティングによって得られる膜 厚には当然に限界があり、切削加工による精度調整は到底不可能なばかりか、か かるコーティング層は剥離しやすいという欠点もある。 そこで、本出願人は、特願平1−52730号において、ピストン本体におけ る外周面の環状のリング溝に、ピストン本体よりも大径の摺動部をもつ樹脂製ピ ストンリングを射出成形により融着したピストンを提案した。この提案のピスト ンでは、ピストン本体のリング溝にピストンリングの摺動部が融着されているた め、ピストン本体とピストンリングとが一体的に結合される。このため、撓みや 熱変形などを伴うことなくピストンリングの外径寸法を高精度に仕上げることが 可能となり、シリンダボアとの摺動間隙を高精度に保つことができる。また、切 削加工時などにピストンリングが遊動せず、高い耐久性が保障される。
【0005】 しかしながら、上記提案のピストンでは、環状の摺動部がリング溝によってピ ストン本体と結合されているにすぎないため、潤滑不良、高圧運転等の過酷な条 件下でピストンリングがシリンダボアと摺動すれば、摺動部に放射方向の力が作 用した場合にピストンリングの脱落を完全には防止できず、充分に高い耐久性を 発揮できない場合があった。
【0006】 本考案は、シリンダボアとの摺動間隙を常に高精度に維持するとともに、過酷 な条件下で使用された場合であってもピストンリングの脱落を確実に防止できる 流体機械用ピストンの創出を解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案の第1の流体機械用ピストンは、上記課題を解決するため、外周面に環 状のリング溝が形成されたピストン本体と、該リング溝に融着され該ピストン本 体よりも大径の摺動部をもつ樹脂製ピストンリングとからなる流体機械用ピスト ンであって、前記ピストン本体は、内部に形成された中空部と、該リング溝から 該中空部まで貫通する芯孔とを有し、前記ピストンリングは、前記摺動部と一体 に該芯孔に融着された芯部と、該芯部と一体に融着され該中空部の内壁に拡延す る支持部とを有するという新規な手段を採用している。
【0008】 本考案の第2の流体機械用ピストンは、上記課題を解決するため、外周面に環 状のリング溝が形成されたピストン本体と、該リング溝に融着され該ピストン本 体よりも大径の摺動部をもつ樹脂製ピストンリングとからなる流体機械用ピスト ンであって、前記ピストン本体は、前記リング溝の底面を径方向に貫通する芯孔 を有し、前記ピストンリングは、前記摺動部と一体に該芯孔に融着された芯部を 有するという新規な手段を採用している。
【0009】 上記リング溝は、ピストン本体の外周面に1条設けることもできるが、所定間 隔を隔てて2条以上設けてもよい。このリング溝は、一定の幅及び深さを有する 単純な環状溝とすることもできるが、ピストンリングの周方向の結合力を高める ため、幅又は深さを局部的に変化させることもできる。 上記樹脂としては、フッ素樹脂、とくにポリテトラフロロエチレン(PTFE )を用いるのが好適である。また、この樹脂は、ピストン本体とほぼ等しい線膨 張係数であることが好ましい。
【0010】 ピストンリングのリング溝への融着は、上記樹脂の射出成形、上記樹脂の粉末 の焼結等により行なうことができる。
【0011】
【作用】
本第1及び第2考案の流体機械用ピストンでは、ピストン本体のリング溝にピ ストンリングの摺動部が融着されているため、ピストン本体とピストンリングと が一体的に結合されている。したがって、撓みや熱変形などを伴うことなくピス トンリングの外径寸法を高精度に仕上げることが可能となり、シリンダボアとの 摺動間隙を高精度に保つことができる。
【0012】 また、第1考案の流体機械用ピストンでは、ピストンリングの環状の摺動部が リング溝によってピストン本体と結合されているばかりでなく、摺動部と一体の 芯部がピストン本体の芯孔に融着され、かつ芯部と一体にピストン本体の中空部 の内壁に拡延する支持部が融着されている。このため、過酷な条件下でピストン リングがシリンダボアと摺動し、摺動部に放射方向の力が作用した場合であって も、芯部が支持部に支えられてその放射方向の力に抵抗する。また、ピストンリ ングの摺動部に周方向の力が作用した場合には、芯部は摺動部が回転するのを阻 止する。こうして、このピストンではピストンリングの脱落が防止される。
【0013】 また、第2考案の流体機械用ピストンでは、ピストンリングの環状の摺動部が リング溝によってピストン本体と結合されているばかりでなく、摺動部と一体の 芯部がピストン本体のリング溝の底面を径方向に貫通する芯孔に融着されている 。このため、過酷な条件下でピストンリングがシリンダボアと摺動し、摺動部に 放射方向の力が作用した場合であっても、芯部によって連結された摺動部がその 放射方向の力に抵抗する。また、ピストンリングの摺動部に周方向の力が作用し た場合には、芯部は摺動部が回転するのを阻止する。こうして、このピストンで はピストンリングの脱落が防止される。
【0014】
【実施例】
以下、本考案を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。 (実施例1) 図1は揺動斜板型圧縮機の要部のみを略示したもので、図中、10はシリンダ ブロック、11はシリンダボアで、該シリンダボア11内にはピストン12が配 設され、該ピストン12はピストンロッド13を介して図示しない揺動板と連設 されている。ピストン12は、ピストン本体20と、ピストンリング30とから 構成されている。
【0015】 ピストン本体20はアルミニウム合金からなる。ピストン本体20には、外周 面に方形断面をもつ環状のリング溝21が刻設されているとともに、内部に中空 部22が形成され、リング溝21の底面から中空部22まで4本の芯孔23が貫 通されている。 ピストンリング30は、図3に示すように、リング溝21に射出成形により融 着されピストン本体20よりも大径の摺動部31と、摺動部31と一体に各芯孔 23に融着された芯部32と、各芯部32と一体に融着され中空部22の内壁に 拡延する環状の支持部33とを有する。
【0016】 上記ピストン12は、図2に示すように、ピストンリング用のキャビティ41 が形成された射出成形用金型40、40を使用して、ピストン本体20のリング 溝22、芯孔23及び中空部22の一部に、ポリテトラフロロエチレン(PTF E)80重量%、カーボン繊維10重量%、エコノール10重量%からなる材料 を射出成形して、リング溝22、芯孔23及び中空部22の一部にこの材料を充 填固化させることにより形成した。
【0017】 このピストン12では、ピストン本体20のリング溝21にピストンリング3 0の摺動部31が融着されているため、ピストン本体20とピストンリング30 とが一体的に結合されている。したがって、筒状成形体から連続的に切り出して 量産されたピストンリングのように熱変形して外径寸法が変化することもなく、 シリンダボア11の内周面とピストンリング30の摺動部31の外周面との摺動 間隙を常に高精度に維持することができる。
【0018】 また、このピストン12では、ピストンリング30の環状の摺動部31がリン グ溝21によってピストン本体20と結合されているばかりでなく、摺動部31 と一体の4本の芯部32がピストン本体20の各芯孔23に融着され、かつ各芯 部32と一体にピストン本体20の中空部22の内壁に拡延する環状の支持部3 3が融着されている。このため、過酷な条件下でピストンリング30がシリンダ ボア11と摺動し、摺動部31に放射方向の力が作用した場合であっても、各芯 部32が支持部33に支えられてその放射方向の力に抵抗する。また、ピストン リング30の摺動部31に周方向の力が作用した場合には、各芯部32は摺動部 31が回転するのを阻止する。こうして、このピストン12ではピストンリング 30の脱落が防止される。 (実施例2) このピストンでは、図4に示すように、環状でなく、膨出状の支持部34を有 するピストンリング30を採用した点が実施例1のピストン12と異なる。他の 構成は実施例1のものと同一である。
【0019】 このピストンにおいても、実施例1のものと同様の作用及び効果を奏すること ができるとともに、支持部34の容積が少ないことから、材料の節減という効果 を得ることができる。 (実施例3) このピストンは、図5に示すように、両頭形ピストン本体50と、ピストンリ ング60とから構成されている。ピストン本体50の両ヘッドには、外周面に方 形断面をもつ環状のリング溝51が刻設されているとともに、図6に示すように 、リング溝51の底面を径方向に貫通する十字状の芯孔52が貫通されている。 また、ピストンリング60は、リング溝51に射出成形により融着されピストン 本体50よりも大径の摺動部61と、摺動部61と一体に芯孔52に融着された 芯部62とを有する。他の構成は実施例1のものと同様である。
【0020】 このピストンにおいては、実施例1のものと同様に、シリンダボア11の内周 面とピストンリング60の摺動部61の外周面との摺動間隙を常に高精度に維持 することができる。 また、このピストンにおいては、ピストンリング60の環状の摺動部61がリ ング溝51によってピストン本体50と結合されているばかりでなく、摺動部6 1と一体の芯部62がピストン本体50の芯孔52に融着され、かつ芯部62が リング溝51の底面を十字状に連結している。このため、過酷な条件下でピスト ンリング60がシリンダボア11と摺動し、摺動部61に放射方向の力が作用し た場合であっても、芯部62によって連結された摺動部61がその放射方向の力 に抵抗する。また、ピストンリング60の摺動部61に周方向の力が作用した場 合には、芯部62は摺動部61が回転するのを阻止する。こうして、このピスト ンではピストンリング60の脱落が防止される。 (実施例4) このピストンは、図7に示すように、中空状の両頭形ピストン本体70と、ピ ストンリング80とから構成されている。ピストン本体70には、外周面に方形 断面をもつ環状のリング溝71が刻設されているとともに、内部に中空部72が 形成され、リング溝71の底面から中空部72まで4本の芯孔73が貫通されて いる。ピストンリング80は、リング溝71に射出成形により融着されピストン 本体70よりも大径の摺動部81と、摺動部81と一体に各芯孔73に融着され た芯部82と、各芯部82と一体に融着され中空部72の内壁に拡延する環状の 支持部83とを有する。
【0021】 上記ピストンは、ピストン本体70からヘッド70aを取り外し、この状態で ピストンリング80を射出し、しかる後にヘッド70aを装着することにより形 成した。他の構成は実施例1のものと同様である。 このピストンにおいても、実施例1のものと同様の作用及び効果を奏すること ができる。
【0022】 なお、上記実施例1〜4では圧縮機用ピストンに本考案を具体化したが、ポン プ用ピストンに本考案を適用することもできる。また、上記実施例1〜4では、 4本の芯部32、82又は十字状の芯部62を有するピストンリング30、60 、80を採用したが、本数及び形状はこれに限定されるものではない。
【0023】
【考案の効果】
以上詳述したように、本第1及び第2考案の流体機械用ピストンでは、ピスト ン本体のリング溝にピストンリングの摺動部が融着されているため、シリンダボ アとの摺動間隙を高精度に保つことができる。したがって、これらのピストンで は、高い体積効率を確保することができる。
【0024】 また、第1考案の流体機械用ピストンでは、摺動部と一体の芯部がピストン本 体の芯孔に融着され、かつ芯部と一体にピストン本体の中空部の内壁に拡延する 支持部が融着されており、第2考案の流体機械用ピストンでは、摺動部と一体の 芯部がピストン本体のリング溝の底面を径方向に貫通する芯孔に融着されている 。このため、本第1及び第2考案の流体機械用ピストンでは、過酷な条件下で使 用された場合であってもピストンリングの脱落を確実に防止することができる。 したがって、これらのピストンでは、きわめて高い耐久性が保障される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のピストンを圧縮機の要部とともに示
す断面図である。
【図2】実施例1のピストンの一製造過程を示す断面図
である。
【図3】図1のA−A矢視断面図である。
【図4】実施例2のピストンを示す断面図である。
【図5】実施例3のピストンを示す断面図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】実施例4のピストンを示す断面図である。
【符号の説明】
20、50、70…ピストン本体 21、51、71
…リング溝 30、60、80…ピストンリング 31、61、81
…摺動部 22、72…中空部 23、52、73
…芯孔 32、62、82…芯部 33、34、83
…支持部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に環状のリング溝が形成されたピス
    トン本体と、該リング溝に融着され該ピストン本体より
    も大径の摺動部をもつ樹脂製ピストンリングとからなる
    流体機械用ピストンであって、前記ピストン本体は、内
    部に形成された中空部と、該リング溝から該中空部まで
    貫通する芯孔とを有し、前記ピストンリングは、前記摺
    動部と一体に該芯孔に融着された芯部と、該芯部と一体
    に融着され該中空部の内壁に拡延する支持部とを有する
    ことを特徴とする流体機械用ピストン。
  2. 【請求項2】外周面に環状のリング溝が形成されたピス
    トン本体と、該リング溝に融着され該ピストン本体より
    も大径の摺動部をもつ樹脂製ピストンリングとからなる
    流体機械用ピストンであって、前記ピストン本体は、前
    記リング溝の底面を径方向に貫通する芯孔を有し、前記
    ピストンリングは、前記摺動部と一体に該芯孔に融着さ
    れた芯部を有することを特徴とする流体機械用ピスト
    ン。
JP7545891U 1991-09-19 1991-09-19 流体機械用ピストン Pending JPH0527292U (ja)

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