JPH06280879A - 軸受および軸受製造方法 - Google Patents

軸受および軸受製造方法

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JPH06280879A
JPH06280879A JP9054693A JP9054693A JPH06280879A JP H06280879 A JPH06280879 A JP H06280879A JP 9054693 A JP9054693 A JP 9054693A JP 9054693 A JP9054693 A JP 9054693A JP H06280879 A JPH06280879 A JP H06280879A
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bearing
resin
spherical
holder
outer ring
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JP9054693A
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Takamasa Onishi
孝政 大西
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ONISHI RAITO KOGYOSHO KK
Onishilite Industry Co Ltd
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ONISHI RAITO KOGYOSHO KK
Onishilite Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 球面軸受けの潤滑部を樹脂で構成すると共に
潤滑面の隙間制御を容易に行うことができ、更に製造が
容易で且つ軽量化を図ることができる金属と樹脂からな
る新規な複合軸受を提供する。 【構成】 金型内にインナーリングおよびアウターリン
グを位置決め配置する。また、樹脂の収縮代を制御する
制御部材がインナーリングの外周段部に位置決めされ
る。こうして準備された金型に他方の金型を組付けた
後、樹脂注入口から樹脂を注入し、樹脂製の凸状球面部
を成形する。成形終了後金型を分離し、軸受を取り出し
た後、バリを取り除く等の加工処理を経て軸受が完成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業機械等の軸受部に
適用できる無給油潤滑性能に優れた樹脂を用いた複合体
の軸受および軸受製造法に関するものであり、さらに詳
細には、球面軸受または玉継手等の滑り部に無給油潤滑
性能に優れた樹脂を用いた製造容易な軸受および軸受製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、軸受は鋳鉄、鋳鋼またはステ
ンレス等の金属材料によって構成されるものが多かっ
た。上記軸受の材質は、使用する部位に応じて必要とな
る機械的強度、化学的安定性、高温または低温安定性、
熱伝導性、工作容易性等を満たすものが選択され使用さ
れている。また、最近では、耐久性や軽量化の観点か
ら、各種材料を組み合わせた複合軸受(特に金属と樹脂
の組み合わせ)の実用化が進み各種産業機械などで広く
用いられている。
【0003】ところで、各種の軸受の内、特に球面軸受
または玉継手等は、球面状の滑り面に高い精度が要求さ
れるため、金属と他の材料を組み合わせた複合軸受は比
較的少なく、また、球面軸受では外周が凸状の球面をし
たインナー部と内周面が凹状の球面をしたアウター部と
を組み付けなければ成らないために、従来から、それら
の組み付けを容易にするために種々の構造の軸受けが使
用されている。それらの軸受の構造の内代表的な球面軸
受を図8〜図10を参照して簡単に説明する。
【0004】図8は第1従来例としての球面軸受の側面
図およびその断面図であり、図中、51は外周面が球面
をした金属製内部保持具(以下インナーリングという)
であり、52は円筒状をし且つ内周面に滑り面を形成し
た金属製外部保持具(以下アウターリングという)であ
る。これら両リング51、52の間にはインナーリング
51の球面部と協同して滑り面を構成する中央で2分割
されたブッシュ53、53’が両側から圧入され、アウ
ターリング52に固定されている。前記53、53’は
潤滑性に優れた特殊胴合金や、自己潤滑性に優れた合成
樹脂等によって形成されており、この軸受はブッシュ5
3、53’の凹状球面部とインナーリング51の凸状球
面部との面で滑ることができるようになっている。この
軸受はインナーリング51の凸状球面と嵌合するアウタ
ーリング側の凹状の球面を後から圧入するブッシュ5
3、53’で構成したため、球面部の嵌め合いを簡単に
行うことができる。
【0005】また図9は第2従来例としての球面軸受の
側面図およびその断面図であり、図中、51aは外周面
が球面をした金属製インナーリング、52aは金属製ア
ウターリングである。この軸受では、アウターリング5
2aは内周面に予めインナーリング51aの凸状球面に
合った凹状の球面滑り部を形成した側面C型部材として
形成されており、このC型部材にインナーリング51a
を嵌合した後、アウターリング52aの開口部を締付け
ることにより組み立てられている。この軸受は、アウタ
ーリング52a内にインナーリング51aに嵌合し、締
め付けるだけで容易に球面軸受を構成することができ
る。
【0006】さらに図10は第3従来例としての球面軸
受の側面図およびその断面図であり、図中、51bは外
周面が球面をした金属製インナーリング、52bはアウ
ターリングである。前記アウターリング52bはインナ
ーリング51aの凸状球面に合った凹状の球面を形成し
た二分割部材として構成されており、インナーリング5
1aの球面に、二分割したアウターリング52bを図中
上下より組付け、アウターリング52bの外周面に形成
した溝に止めリング54を嵌合して構成されている。こ
の軸受は、前述した二つの軸受のように、組み立て時の
圧入や締め付け加工が不要となり、組み立て作業が簡単
になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記軸
受はいずれも、金属製のインナーリングの凸状球面部に
アウターリング側の凹状球面部を組付ける際に、両者の
隙間を最適値に制御することが難しい。特に、球面滑り
軸受けとして必要な球形状はインナーリング、アウター
リングともに極めて高い精度に加工する必要があり、加
工工数やコスト低減を図ることが困難である。さらに、
オイルレスにするとともに球面部での滑りを良好にする
ために、球面部にテフロンや二硫化モリブデン等の潤滑
性に優れた材料からなる皮膜を予め形成したり、あるい
は球面部に滑り材を含浸させる等の加工も必要となり、
その上、組み立て時の圧入や締め付け加工も必要になる
など製造上での問題も多い、さらに、樹脂と金属との収
縮率の違い等から、樹脂と金属との複合軸受を製造する
ことが困難であり、その結果として軽量化した球面軸受
を製造することが困難である等々の不都合な点があっ
た。
【0008】そこで本発明は、潤滑面の隙間制御や製造
が容易で且つ軽量化を進めることができる金属と樹脂か
らなる新規な複合軸受を提案し、上記諸問題を解決せん
とするものである。特に、潤滑面を形成するインナーリ
ング側の球面部に耐熱性、耐摩耗性、潤滑性に優れた合
成樹脂材料(たとえばコプナ樹脂と呼ばれている縮合多
環芳香族樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、さら
にはフェノール樹脂にカーボンや二硫化モリブデン等を
添加して潤滑性を高めた樹脂など)を使用し、産業機械
分野などで広く利用可能な新しい複合軸受及び軸受製造
方法を提案せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した技術課題を達成
するために本発明が講じた技術手段は、内周面に球面の
滑り面を形成した外部保持具と、該外部保持具によって
保持され且つ前記外部保持具の滑り面とによって滑り面
をなす球面状の外周面を有する内部保持具とからなる球
面軸受において、前記内部保持具の球面状滑り面は、無
給油潤滑性能に優れた樹脂からなる軸受を構成すること
にある。
【0010】
【作用】金型には製造する球面軸受の外周の形状に対応
した形が極めて高い精度で加工されている。一方の金型
には、インナーリングを位置決め固定するためのピンが
取り付けられており、そのピンの周囲には製造すべき球
面軸受の形状にあった凹部が形成されている。球面軸受
を成形するには、先ず、金型内の前記ピンにインナーリ
ングを嵌合するるとともに前記凹部内所定位置に前記ア
ウターリングを位置決め配置する。また、樹脂の収縮代
を制御する制御部材がインナーリングの外周段部に位置
決めされる。こうして準備された金型にもう他方の金型
を組付けた後、樹脂注入口から樹脂を注入し、凸状球面
部を成形する。成形終了後金型を分離し、軸受を取り出
した後、バリを取り除く等の加工処理を経て軸受が完成
する。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は本発明に係る第1実施例の軸受の側面図、
図2は胴軸受の断面図、図3は樹脂性球形部を成形した
状態のインナーリングの断面図、図4は金属性のインナ
ーリングの断面図である。
【0012】図2、図4において、1は軸受の内部保持
具としての金属製のインナーリングであり、所定の厚み
をもった円筒状部材で構成されている。インナーリング
1の外周面には段部4が形成されており、この段部4は
後述する制御部材を位置決めするための段である。さら
に、このインナーリング1の外周面には、後述する樹脂
との固着性を高めるために多数の凹凸1’が形成されて
おり、前記インナーリング1の外周には樹脂からなる凸
状球面部3が成形固着される。前記凸状球面部3は無給
油潤滑性能に優れ、且つ、所定の強度、耐久性をもった
樹脂から成形されており、該凸状球面部は後述する製造
法によって、インナーリング1とアウターリング2との
間に成形される。
【0013】前記無給油潤滑性能に優れた樹脂は、極め
て高い潤滑性を有しているたとえば商品名でSKレジン
Lと呼ばれている樹脂(一般にコプナ樹脂と呼ばれてい
る)やポリイミド樹脂等の潤滑性が高い熱硬化性樹脂、
フェノール樹脂にカーボンや二硫化モリブデン等を添加
して潤滑性を高めた樹脂、さらには熱硬化性,熱可塑性
のフッソ樹脂等高温特性の優れた樹脂等が好適である。
また、摺動特性があれば熱可塑性樹脂でもよいことは勿
論である。前記凸状球面部3は後述するアウターリング
2の幅より広い部分は、段部3’を介して径が僅かに小
さくあるいはこの部分を削除(図示せず)して形成され
ており、成形金型から本軸受を取り出した時に生ずるバ
リが軸受の回転動作の支障と成らないように工夫されて
いる。凸状球面部3内には制御部材5が配置されてお
り、この制御部材5は、前記凸状球面部を形成する樹脂
の収縮代を制御するための機能を有している。
【0014】2は外部保持具としてのアウターリングで
あり、その内周面には前記凸状球面部と協働して球状軸
受の滑り面を構成する凹状の球面2’が形成されてい
る。ところで、一般に円筒状部材の内周面に凹状の球面
を精度良く機械加工することは比較的容易であることか
ら、アウターリング2内周面に形成される凹状の球面は
機械加工によって加工されることになる。
【0015】次に上記構成の軸受の製造方法を図4を参
照して説明する。図において7、8は樹脂成形機に取り
付ける成形金型である。金型7、8には製造する球面軸
受の外周の形状に対応した形が極めて高い精度で加工さ
れている。金型7、8のパーティングライン10は前記
アウターリング2を金型7内に位置決めした時の金型8
側のアウターリング面と一致している。金型7には、イ
ンナーリング1を位置決め固定するためのピンが取り付
けられており、そのピンの周囲には製造すべき球面軸受
の形状にあった凹部が形成されている。
【0016】球面軸受を成形するには、先ず、金型7内
の前記ピン6にインナーリング1を嵌合するるとともに
前記凹部内所定位置に前記アウターリング2を位置決め
配置する。また、樹脂の収縮代を制御する制御部材5が
インナーリング1の外周段部4に位置決めされる。こう
して準備された金型7に金型8を組付けた後、樹脂注入
口9から樹脂を注入し、凸状球面部を成形する。成形終
了後金型8と金型7を分離し、軸受を取り出した後、バ
リを取り除く等の加工処理を経て軸受が完成する。前記
工程で成形された軸受の内、特に樹脂製凸状球面部3に
は、高い精度で加工された金型が転写されることにな
る。
【0017】ところで、上記の製造方法によって軸受を
成形する場合、アウターリングが金属の場合、樹脂とア
ウターリングとの間に線膨張係数の違いがあるため(金
属であるFeは10×10-6であり、樹脂は5×10-5
である)、アウターリングと樹脂との間の隙間が使用温
度によって変化し、樹脂製凸状球面部3がアウターリン
グ内面に強く押しつけられる等の不都合が生じることが
ある。また、通常樹脂の成形温度は180〜250度C
位であり、成形加工時やポストキュア時に中心部に向か
ってわずか(その値は1000分の30〜10位)収縮
する性質を有している。このため、凸状球面部の絶対寸
法が小さなものはその成形収縮のみによってアウターリ
ングとの間に適当な隙間を成形することができるが、凸
状球面部の絶対寸法が大きなものはその成形収縮のみに
よってアウターリングとの隙間を成形しようとすると、
隙間が大きく成り過ぎ、ガタツキが発生して、軸受とし
ての機能を果たさなくなる。また、アウターリング2の
凹状球面と樹脂の凸状球面との隙間は、使用樹脂によっ
ておのずと決まってくる。さらに、樹脂の厚みによって
も収縮代は変わってくる。
【0018】このようなことから、本発明では、使用温
度による樹脂の寸法変化を最小に防ぐため制御部材を使
用している。この制御部材はアウターリングの材質、使
用樹脂および球状部の厚み等を考慮して所定の形状を決
定し、予めインナーリング1の外周に配置しておく。こ
うすることにより、本発明では樹脂によって成形された
凸状球面と金属製のアウターリング2の凹状球面との隙
間を所望の隙間に正確に制御することができ、また、強
度も補強することができ、滑りの良い無給油形の球面軸
受を簡単に製造することができる。即ち、制御部材を配
置することにより、潤滑製凸状球面は低温の時はインナ
ーリングと制御部材によって小さくなることが制御さ
れ、また高温の時は制御部材によって樹脂の膨張を最小
限にすることができ、さらに成形後熱処理を行っておく
と成形時の残留応力も開放され安定度が増大する。
【0019】前記制御部材の設置方法の他の例を図6を
参照して説明する。図において、制御部材5はリング状
をしており、この制御部材5は樹脂を金型内に注入する
前に、金型7に収められたインナーリング1とアウター
リング2との間に保持部材11によって保持されてい
る。制御部材5が図に示すように保持部材によって保持
された状態で、樹脂注入口9から樹脂を注入し、隙間に
樹脂が行き渡ったことを樹脂の圧力あるいは注入量等に
より検知すると、保持部材11のみが金型7から取り出
される。こうして、制御部材5をインナーリング1とア
ウターリング2との間の適宜位置に設置することができ
る。なお、保持部材は制御部材をインナーリング1とア
ウターリング2との間に保持することができれば、どの
ようなものでも良く、また保持部材を型内から取り出す
タイミングも、他のセンサー等を利用して決めることが
できる。さらに制御部材5も必ずしもリング状である必
要はなく、樹脂の温度変化を制御できる機能を持つもの
であればどのような形状のものでもよい。
【0020】また、本発明では前記制御部材とは別に凸
状球面部3の内、アウターリング2の幅より広い部分
は、その径が僅かに小さくなるように構成するととも
に、金型7、8のパーティングラインをアウターリング
2を金型7に位置決めした時の金型8側のアウターリン
グ面と一致するように構成した点にも特徴を有してい
る。これは、成形終了後、金型から軸受を取り出した時
に生ずるバリが軸受の回転動作の支障と成らないように
するためである。
【0021】次に本発明に係る第2実施例として軸受を
図面を参照して説明すると、図7は第2実施例としての
軸受が成形金型内に収められた状態の断面図、図8は同
軸受の側面図である。この軸受は、回転滑りおよびスラ
スト滑りの両方の機能を持つことができる。
【0022】図7において、21は金属製のインナーレ
ース、22はアウターレースであり、これらインナーレ
ース21とアウタレース22との間には上述した球形軸
受と同様の方法によって無給油潤滑性能に優れ、且つ、
所定の強度、耐久性をもった樹脂が「ころ」の代わりに
成形配置されている。さらにアウターレース22と、樹
脂との隙間の制御のために制御部材25がインナーレー
ス21の外周面に配置されている。上記構成の軸受は、
樹脂と、アウターレースとの間が滑り面となり、転がり
性能の良い軸受を提供することができる。
【0023】上記構成の軸受の製造方法を簡単に説明す
ると、図において27、28は樹脂成形機に取り付ける
成形金型である。金型27、28のパーティングライン
はアウターリング2を金型27に位置決めした時の金型
28側のアウターリング面と一致している。金型27に
は、インナーリング21を位置決め固定するためのピン
が取り付けられており、そのピンの周囲には本軸受の形
状にあった凹部が形成されていて、この凹部内にアウタ
ーリング22が位置決め配置される。また、樹脂の収縮
代を制御する制御部材25がインナーリング21の外周
部4に位置決めされる。金型27に金型28を組付けた
状態で樹脂注入口29からインナーレース21に形成し
た孔を介して樹脂を注入し、「ころ」を成形する。成形
終了後金型8と金型7を分離し、軸受を取り出した後、
バリを取り除く等の加工処理を経て軸受が完成する。以
上のようにして作られた軸受は軸受精度が極めて良い上
に、無給油で長時間の使用に耐えることができ産業機械
などの多くの軸受部分で利用することができる。
【0024】なお、上記実施例としてインナーリング、
アウターリングあるいはインナーレース、アウターレー
スいづれもが金属製として説明したが、これら部材の材
料は金属に限らず軸受としての要求を満たす材料であれ
ばどのような材料でもよいことは勿論である。また制御
部材には適当に貫通孔を設けておくと、樹脂充填時の流
動性を改善することもでき、さらに制御部材の軽量化を
図るために、中を中空にした部材を使用することもでき
る。制御部材の形状も適宜形状のものを選択することが
できる。また、インナーリングには制御部材の位置決め
段部を設けた例を説明したが、この段部は必要に応じて
省くことができる。さらに、前記無給油潤滑性能に優れ
た樹脂は、熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂でもよいこと
は勿論である。また、前記凸状球面部樹脂製軸受部の成
形法として、射出成形による説明をしたが、成形法とし
ては射出成形に限らず圧縮成形法によっても樹脂製軸受
部を成形することができる。また、球面軸受、球面継ぎ
手、転がり軸受に限らず各種軸受の滑り部に本発明と同
様の方法で軸受部を成形することもできる。樹脂製軸受
部の厚みが薄い場合には、樹脂自体の収縮代のみで最適
な隙間を得ることができるため、制御部材は必ずしも必
要ではない。
【0025】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明によれ
ば、軸受を構成するインナーリングとアウターリングと
の間に樹脂を注入し、軸受部を成形するためそれぞれの
成形が容易であり、また、軸受を一体で且つ簡単に精度
良く製造することができる。さらに、使用樹脂および球
状部の厚み等を考慮して所定形状の制御部材を予めイン
ナーリングの外周に配置して置くと、樹脂によって成形
された凸状球面とアウターリングの凹状球面との隙間を
所望の隙間に正確に制御することができ、滑りの良い無
給油形の球面軸受を簡単に製造することができる。特
に、温度変化が大きな雰囲気中では、制御部材によって
寸法変化を最小限にすることができる。また、凸状球面
部のアウターリングからはみ出した部分の径が小さくな
っているため、金型から本軸受を取り出した時に生ずる
バリが軸受の回転動作の支障と成ることはない。凸状球
面用の潤滑性樹脂として商品名でSKレジンLと呼ばれ
ている熱硬化性の縮合多環芳香族樹脂(一般にコプナ樹
脂と呼ばれている)やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹
脂、さらには多環多核芳香樹脂やイミド樹脂、フッソ樹
脂等高温特性の優れた樹脂等を使用するため、本軸受は
温度の高い雰囲気中(200〜300度C)でも使用で
きる。等の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る軸受の側面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】樹脂製凸状球面部を備えたインナーリングの断
面図である。
【図4】金属製インナーリングの断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る軸受の製造方法を説明す
る図面である。
【図6】本発明の実施例に係る軸受の製造方法において
制御部材の他の設置方法を説明する図面である。
【図7】本発明の他の実施例に係る軸受の製造時の断面
図である。
【図8】図7の軸受の側面図である。
【図9】従来の軸受の側面図および断面図である。
【図10】他の従来の軸受の側面図および断面図であ
る。
【図11】他の従来の軸受の側面図および断面図であ
る。
【符号の説明】
1 内部保持具(インナーリング) 2 外部保持具(アウターリング) 3 凸状球面部 5 制御部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に球面の滑り面を形成した外部保
    持具と、該外部保持具によって保持され且つ前記外部保
    持具の滑り面とによって滑り面をなす球面状の外周面を
    有する内部保持具とからなる球面軸受において、前記内
    部保持具の球面状滑り面は、無給油潤滑性能に優れた樹
    脂からなることを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】 前記滑り面をなす無給油潤滑性能に優れ
    た樹脂内には温度による寸法変化を制御する制御部材が
    配置されていることを特徴とする請求項1に記載の軸
    受。
  3. 【請求項3】 前記滑り面をなす無給油潤滑性能に優れ
    た樹脂は、外部保持具より幅の広い部分ではその外径が
    滑り面の外径より若干小さいかあるいはこの部分を削除
    して形成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の軸受。
  4. 【請求項4】 金型内に内周面に球面の滑り面を形成し
    た外部保持具と該外部保持具と所定の間隙をもって配置
    された円筒状の内部保持具とを配置し、さらに、前記円
    筒状の内部保持具と外部保持具との間の任意の位置にリ
    ング状の制御部材を配置し、これら両保持具によって形
    成された隙間に樹脂を注入し、内部保持具の外周面に凸
    状球面部を成形することを特長とする軸受製造方法。
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