JPH0527277Y2

JPH0527277Y2 -

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Publication number: JPH0527277Y2
Application number: JP1989098816U
Authority: JP
Priority date: 1989-08-23
Filing date: 1989-08-23
Publication date: 1993-07-12
Anticipated expiration: 2003-07-12
Also published as: JPH0342398U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、医薬等の錠剤や電気部品等の粉末成
形品を製造する回転式粉末圧縮成形機であつて、
その原料である粉末を変更する場合等に、粉末の
付着部分を洗浄するための洗浄装置に関するもの
である。

［従来の技術］一般に、医薬等の錠剤を製造する成形機におい
ては、原料である粉末の製品品種切換時等にその
機械の清掃を行う必要がある。

また、粉末の性状、例えば、原料にクエン酸、
酒石酸、重曹、砂糖等の粉末を使用した場合に
は、その付着が著しく、定期的にその付着粉末を
除去する必要がある。

そして、粉末品種切換が医薬の場合には、その
清掃を99.99％の除去精度で行う必要もある。

そこで従来、成形機を密閉して水や温水を噴出
し、回転盤や上下ロール等を含む総てを洗浄する
ようにしたいわゆる水洗式のものがある（特開昭
59−218299号、特開昭62−97799号、実開昭62−
92100号、実開昭63−180199号、実開昭63−
196392号公報参照）。

また、成形機の中でも一番付着が激しく、しか
も洗浄が最も困難であり、かつ洗浄が不十分であ
ると製品の品質に悪影響を及ぼし易い箇所とし
て、上杵が摺動する部分、即ち上杵摺動部があ
り、上記水洗式の成形機においても洗浄ができな
いために、そのような杵摺動部にノズルを挿嵌し
て、直接その摺動部だけを洗浄しようとするもの
がある（実開昭63−25297号、実開昭63−180198
号公報参照）。あるいは、上下の杵や臼を取外し
た後に、その杵摺動部や臼取付孔内に昇降ブラシ
を挿入して清掃し、その粉末を集塵装置で収集す
るようにしたものも開発されている（実開昭60−
56199号公報参照）。

［考案が解決しようとする課題］従来の技術のうち、前者の単なる水洗式のもの
は、前述のように杵の摺動部が清掃できないもの
である。一方、後者の摺動部等を特別に洗浄しよ
うとするものは、杵や臼を回転盤から取外した後
に、専用の洗浄装置により杵摺動部や臼取付孔内
を洗浄するものであるため、装置が複雑になる上
に、洗浄作業の前後に、杵や臼を着脱するための
面倒な作業が不可欠となり、作業効率が悪いとい
う問題がある。

なお、かかる粉末圧縮成形機においては、臼孔
より落下した粉末が下杵肩部に堆積し、その下杵
の上下作動により臼底を突き上げるような問題も
ある。このような問題は、実開昭62−17197号公
報に示されるように、回転盤周縁に水平方向に回
動する円板を配置し、該円板の清掃部材が上下杵
面そして臼の上面等をブラシで擦りながら洗浄す
るようにしたサイドブラシ方式の洗浄装置を使用
することによつて、一応解消することができる
が、単にこれだけの洗浄装置では、前述したよう
に杵摺動部、とりわけ問題となる上杵摺動部を洗
浄することが困難であり、何等かの対策が望まれ
ている。

また、この杵の摺動部と杵先面に加えて、臼孔
にも圧縮成形による粉末のこびり付きが発生する
ことがある。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、少なくとも上杵摺動部と臼孔と下杵の杵
先面を、上杵を回転盤から抜取るための装置を有
効に利用して自動的に効率よく清掃することがで
きるようにした回転式粉末圧縮成形機の洗浄装置
を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］上記目的を達成するために、本考案における回
転式粉末圧縮成形機の洗浄装置は、回転盤に多数
配置された臼の臼孔に粉末を充填して上杵と下杵
とにより圧縮成形するものにおいて、下杵が下杵
カムにより引下げられて下杵の杵先面が臼孔の下
にまで降下することとなる所定の停止洗浄位置の
近傍に、軸心回りに回転可能でかつ軸心方向に昇
降可能な上下摺動軸を配設し、この上下摺動軸に
上杵取外し具と回転ブラシとを、水平方向に位置
を異ならせて保持させておき、この上下摺動軸を
昇降させる軸昇降手段と、この上下摺動軸を回転
させて前記上杵取外し具または回転ブラシを前記
停止洗浄位置に選択的に位置させる軸回転手段
と、上杵を上杵摺動部に対して装脱するために前
記上杵取外し具を上下摺動軸の径方向に進退させ
る器具進退手段と、この器具進退手段、前記軸昇
降手段、及び軸回転手段の協働により上杵を上杵
摺動部から抜取つて回転ブラシを停止洗浄位置に
移動させた状態で該回転ブラシを回転駆動するモ
ーターと、回転ブラシが回転して上下摺動軸とと
もに昇降する際に機械内部に洗浄液を噴射するた
めの液噴射手段とを設けたことを特徴とする。

［作用］このような構成のものであれば、次のようにし
て、回転盤の各上杵摺動部、臼孔、及び下杵の杵
先面を順次、自動的に洗浄することが可能とな
る。すなわち、回転盤が１ピツチ回転して、特定
の上下杵および臼が所定の洗浄位置に停止した段
階で、まず、上杵取外し具を軸回転手段により停
止洗浄位置に持ち来し、軸昇降手段と器具進退手
段との協働により上杵取外し具を上下及び前後動
させて、上杵を上杵摺動部から抜取る。しかる後
に、軸回転手段により上下摺動軸を回転させて上
杵を保持している上杵取外し具をその位置から退
避させ、代わつて回転ブラシを停止洗浄位置に移
行させる。そして、この回転ブラシをモーターに
より回転させるとともに、軸昇降手段によりその
回転ブラシを軸心方向に移動させて、上杵摺動部
と、臼孔と、下杵先に摺接させる。その際に液噴
射手段により機械内部に洗浄液が噴射される。そ
のため、上杵摺動部と、臼孔と、下杵の杵先面と
は洗浄液に哂されるとともにブラシにより擦られ
るため、付着している粉末は効率よく掻き落とさ
れ、洗い流されることになる。かかる洗浄操作を
所要時間続けた後、昇降手段により上下摺動軸を
上昇させて回転ブラシを臼孔および上杵摺動部か
ら抜取り、再び軸回転手段の働きにより上下摺動
軸を回転させて上杵を保持した上杵取外し具を停
止洗浄位置に戻す。そして、軸昇降手段と器具進
退手段との協働により、この上杵取外し具に保持
された上杵を上杵摺動部に挿入して元の状態に戻
す。しかる後に、回転盤を１ピツチ回転させ、次
の上杵、臼及び下杵を停止洗浄位置に移行させて
１洗浄工程を終える。しかして、この洗浄工程を
順次繰り返すことによつて、回転盤の全ての上杵
摺動部や臼孔等の洗浄を行うことができる。

この際に、従来から知られている前述のサイド
ブラシ方式の洗浄装置を並設しておけば、下杵の
肩部等も同時に洗浄することが可能となるのは勿
論である。

なお、人為的に上下杵、臼を型交換により取り
外した時には、前記回転ブラシをモーター及び軸
昇降手段により前述と同様に操作して、上杵摺動
部、下杵摺動部、及び臼取付孔の掻取洗浄を行う
こともできる。

［実施例］実施例について図面を参照して説明する。

この洗浄装置は、第１図ないし第７図に示すよ
うに、回転盤５の円周に等間隔で多数配置された
臼６の臼孔１９に粉末を充填して上杵７と下杵８
とにより圧縮成形する回転式粉末成形機に適用さ
れるものである。

すなわち、このような回転式成形機において、
下杵８が図示しない下杵カムにより引下げられて
その杵先面９が臼孔１９の下にまで降下すること
となる所定の停止洗浄位置Ａの近傍に、軸心回り
に回転可能でかつ軸心方向に昇降可能な上下摺動
軸１２を配設している。そして、第２図及び第５
図に示すように、この上下摺動軸１２に上杵取外
し具１１と回転ブラシ１とを、水平方向に位置を
異ならせて保持させている。

上下摺動軸１２は、外周にラツクギヤー２５と
キー溝３０を形成してなる。そして、この上下摺
動軸１２を軸昇降手段Ｂにより軸心方向に昇降さ
せることができるようにするとともに、軸回転手
段Ｃにより軸心回りに回転させることができるよ
うにしている。軸昇降手段Ｂは、第４図に示すよ
うに、上下摺動軸１２のラツクギヤー２５に噛合
させたピニオンギヤー２６と、このピニオンギヤ
ー２６を回転駆動して上下摺動軸１２を昇降させ
る摺動用モーター１５とを具備してなる。また、
軸回転手段Ｃは、第３図及び第４図に示すよう
に、前記キー溝３０に摺動可能に嵌挿したキー２
９を介して上下摺動軸１２に外装したキーホルダ
２８と、このキーホルダ２８の回動端をプツシユ
２４及びピン２７を介して付勢することにより前
記上下摺動軸１２を正逆回転させるシリンダ１７
とを具備してなるもので、この上下摺動軸１２を
正逆回転させることによつて、前記上杵外し具１
１または回転ブラシ１を前記停止洗浄位置Ａに選
択的に位置させることができるようになつている
（第２図及び第５図参照）。

上杵取外し具１１は、第１図に示すように、上
杵７の上端部に側方から係合し得る形態をなして
おり、器具進退手段たるエアーシリンダ１８によ
り、上下摺動軸１２の径方向に進退し得るように
なつている。

回転ブラシ１は、第４図に示すように、臼孔１
９と、上杵摺動部２に符合する形状を有したもの
で、その下端近傍部に臼孔ブラシ部２０を有する
とともに下端に下杵９の杵先面９に当接する杵先
ブラシ部１０を有している。この回転ブラシ１の
上端には、ベベルギヤー３４を介して回転用モー
ター１４が接続してあり、このモーター１４によ
り回転ブラシ１を回転駆動して上杵摺動部２と臼
孔１９と下杵８の杵先面９を洗浄するようになつ
ている。

また、回転ブラシ１が回転して上下摺動軸１２
とともに昇降する際に機械内部に液噴射手段、例
えば、ノズル１６から洗浄液たる温水を噴射させ
るようになつている。

なお、かかる回転式粉末圧縮装置における前記
停止洗浄位置Ａ以外の部位には、第６図に示すよ
うな従来と同様なサイドブラシ方式の洗浄装置を
並設してもよい。すなわち、第６図において、回
転盤５の周縁に設置してあるブラシ軸３１はクラ
ツチ４０が外部よりの回転を受けて回転する。上
杵先ブラシ２１と平面ブラシ２２とサイドブラシ
２３等はそれぞれのブラシホイル４１によりブラ
シ軸３１に捻子等により取着されていて、上杵頭
３５、上杵胴３６、上杵先３７と回転盤面４２並
びにそのコーナ４３や下杵型３２、下杵胴３８、
下杵頭３９等を液剤噴射中はブラツシング洗浄す
るようになつている。

このような構成のものであれば、次のようにし
て、回転盤５の各上杵摺動部２、臼孔１９、及び
下杵８の杵先面９を順次、自動的に洗浄すること
が可能となる。すなわち、回転盤５が１ピツチ回
転して、特定の上下杵７および臼６が所定の洗浄
位置Ａに停止した段階で、まず、上杵取外し具１
１を回転用モーター１５により上下摺動軸１２を
回転させることにより停止洗浄位置Ａに持ち来た
す。そして、摺動用モーター１５を作動させて上
下摺動軸１２を降下させるとともに、エアーシリ
ンダ１８により上杵取外し具１１を前進させるこ
とによつて、上杵取り外し具１１を上杵７の上端
部に係合させる（第１図想像線参照）。この状態
で、上下摺動軸１２を上昇させることによつて、
上杵７を上杵摺動部２から抜き取る（第１図実線
参照）。しかる後に、シリンダ１７を作動させる
ことにより上下摺動軸１２を第２図に示す状態か
ら第４図及び第５図に示す状態にまで回転させて
上杵７を保持している上杵取外し具１１をその位
置Ａから退避させ、代わつて回転ブラシ１を停止
洗浄位置Ａに移行させる。そして、この回転ブラ
シ１を回転用モーター１４により回転させるとと
もに、摺動用モーター１５によりその回転ブラシ
１を軸心方向に移動させて、上杵摺動部２と、臼
孔１９と、下杵８の杵先面９に摺接させる。その
際にノズル１６により機械内部に温水が噴射され
る。そのため、上杵摺動部２と、臼孔１９と、下
杵８の杵先面９とは温水に哂されるとともに回転
ブラシ１により擦られるため、付着している粉末
は効率よく掻き落とされ、洗い流されることにな
る。この洗浄操作を所要時間だけ続けた後、摺動
用モータ１５の作動により上下摺動軸１２を上昇
させて回転ブラシ１を臼孔１９および上杵摺動部
２から抜取り、再びシリンダ１７の駆動力により
上下摺動軸１２を回転させて上杵７を保持した上
杵取外し具１１を第２図に示すように洗浄位置Ａ
に戻す。そして、摺動用モーター１５とエアーシ
リンダ１８との協働により、この上杵取外し具１
１に保持された上杵７を上杵摺動部２に挿入して
元の状態に戻す。しかる後に、回転盤５を１ピツ
チ回転させ、次の上杵７、臼６及び下杵８を停止
洗浄位置Ａに移行させて１洗浄工程を終える。し
かして、この洗浄工程を順次繰り返すことによつ
て、回転盤５の全ての上杵摺動部２や臼孔１９等
の洗浄を行うことができる。

なお、第６図に示すような従来方式の洗浄装置
は、必ずしも並設する必要はないが、このような
洗浄装置を並設しておけば、下杵８の下杵肩３２
等をも同時に洗浄することが可能となる。

また、以上説明したような状態で本洗浄装置を
使用すれば、上杵の装脱と洗浄とを自動的に順次
行うことが可能になるが、本洗浄装置を用いて、
下杵摺動部等を洗浄することも可能である。すな
わち、別のブラツシング応用として第７図に示す
ようなものがある。この場合、上杵７、臼６、下
杵８を事前に取出しておき、上杵摺動部２、臼取
付孔４、下杵摺動部３を回転ブラシ１を用いてブ
ラツシング清掃する。この場合、洗剤による各個
処のワンピツチ洗浄も可能である。

［考案の効果］以上のように、本考案によれば、粉末が付着し
た場合に最も支承のある上杵摺動部、臼孔、下杵
の杵先面を事前の型分解作業なしに自動的に洗浄
することが可能であり、また、従来のサイドブラ
シ方式の洗浄装置と組み合わせることによつて、
上杵先や下杵肩、あるいは回転盤面とそのコーナ
や上下杵全体の粉末固着部分等をも一度に洗浄す
ることが可能となる。しかも、本考案によれば、
ブラシで擦り取りながら洗浄するので、除去効率
が高く、完全に付着粉末を除去できるものであ
る。また、前述のように上杵の自動取外しにより
事前に型部分を取外す必要が無く作業が速やかに
行えるので、作業性が向上できる等の優れた効果
を有するものである。

その上、本考案のものは、上杵取外し具を保持
して作動させるための上下摺動軸に回転ブラシを
も保持させ、上下摺動軸を昇降させるための軸昇
降手段を利用して回転ブラシの軸心方向移動をも
行わせるようにしているので、上杵取外し用の装
置と、洗浄装置とを各別に設ける場合に比べて、
装置の大幅な簡略化を図ることができるものであ
る。

また、全型交換時に洗浄を希望する場合であつ
ても本考案のブラツシングは上杵取外し工程抜き
にて通常的に使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部縦断面
図、第２図は第１図の一部平面図、第３図はキー
ホルダの一部平面図、第４図は回転ブラシを使用
する場合を示す第１図相当の縦断面図、第５図は
第４図の一部平面図、第６図はサイドブラシ方式
の洗浄装置を配設した部分を示す縦断面図、第７
図は応用例を示す回転ブラシ部の縦断面図であ
る。１……回転ブラシ、２……上杵摺動部、３……
下杵摺動部、４……臼取付孔、５……回転盤、６
……臼、７……上杵、８……下杵、９……下杵
先、１０……下杵先ブラシ、１１……上杵取外し
具、１２……上下摺動軸、１３……上杵保持盤、
１４……回転用モーター、１５……摺動用モータ
ー、１６……ノズル、１７……シリンダ、１８…
…器具進退手段（エアーシリンダ）、１９……臼
孔、２０……臼孔ブラシ、２１……上杵先ブラ
シ、２２……平面ブラシ、２３……サイドブラ
シ、２４……ブツシユ、２５……ラツクギヤー、
２６……ピニオンギヤー、２７……ピン、２８…
…キーホルダ、２９……キー、３０……キー溝、
３１……ブラシ軸、３２……下杵肩、３３……杵
底、３４……ベベルギヤー、３５……上杵頭、３
６……上杵胴、３７……上杵先、３８……下杵
胴、３９……下杵頭、４０……クラツチ、４１…
…ブラシホイル、４２……回転盤面、４３……コ
ーナ、４４……臼取付孔ブラシ、４５……下杵摺
動部ブラシ、Ａ……停止洗浄位置、Ｂ……軸昇降
手段、Ｃ……軸回転手段。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

回転盤に多数配置された臼の臼孔に粉末を充填
して上杵と下杵とにより圧縮成形する回転式粉末
成形機において、下杵が下杵カムにより引下げら
れて下杵の杵先面が臼孔の下にまで降下すること
になる所定の停止洗浄位置の近傍に、軸心回りに
回転可能でかつ軸心方向に昇降可能な上下摺動軸
を配設し、この上下摺動軸に上杵取外し具と回転
ブラシとを、水平方向に位置を異ならせて保持さ
せておき、この上下摺動軸を昇降させる軸昇降手
段と、この上下摺動軸を回転させて前記上杵外し
具または回転ブラシを前記停止洗浄位置に選択的
に位置させる軸回転手段と、上杵を上杵摺動部に
対して装脱するために前記上杵取外し具を上下摺
動軸の径方向に進退させる器具進退手段と、この
器具進退手段、前記軸昇降手段、及び軸回転手段
の協働により上杵を上杵摺動部から抜取つて回転
ブラシを停止洗浄位置に移動させた状態で該回転
ブラシを回転駆動するモーターと、回転ブラシが
回転して上下摺動軸とともに昇降する際に機械内
部に洗浄液を噴射するための液噴射手段とを設け
たことを特徴とする回転式粉末圧縮成形機の洗浄
装置。