JPH0527277A - 走査ビームの光量制御方法 - Google Patents

走査ビームの光量制御方法

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JPH0527277A
JPH0527277A JP3203189A JP20318991A JPH0527277A JP H0527277 A JPH0527277 A JP H0527277A JP 3203189 A JP3203189 A JP 3203189A JP 20318991 A JP20318991 A JP 20318991A JP H0527277 A JPH0527277 A JP H0527277A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査ビームの光量を走査位置によらず一定レ
ベルに保たれる様に走査ビームの光量を制御する。 【構成】 AOD2により偏向された偏向ビームLd
光量はセンサ5により計測される。その光量信号Vd
データに基づいて、CPU11は有効範囲内にある各走
査位置における光量信号Vd の極大値の最小値を求め、
その最小値に経験値αを乗じた値を与える振幅制御信号
mを有効範囲内にある各走査位置について求める。こ
れらの振幅制御信号Vm 及び周波数制御信号Vt に基づ
いて、AOD2の動作は制御される。更にEWS20上
において有効範囲外にある各走査位置における振幅制御
信号Vm を補正して、走査ビームの光量を高精度で制御
できる。 【効果】 走査ビームの光量変動を十分に減少させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光偏向素子により偏
向された光ビームの光量を制御する方法に関するもので
ある。更に具体的には、音響光学素子を用いた光偏向素
子により偏向された光ビームにより感光フィルムやガラ
ス乾板等の感光材料を走査する高速描画装置等に適用さ
れる技術であって、音響光学素子に印加される制御信号
を適切に補正することにより、走査ビームの光量変動を
除去しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、二酸化テルル単結晶等の音
響光学媒体と、音響光学媒体の一側面に接着された圧電
素子とを有するAOD(音響光学偏向器)は、光の進路
を変える音響光学効果を有する。即ち、圧電素子に電気
信号を加えて横波超音波を発生させ、この横波超音波を
媒体中に伝搬させると、媒体中を通るレーザービームは
媒体内の屈折率の周期的変動により回折される。特に、
Bragg回折の一次回折光が、回折効率が高いことか
ら実用に供されている。しかも、回折される方向は超音
波の周波数に比例するので、AODを利用すれば、周波
数変調により光の方向を制御することができる。この様
な特性に基づき、AODは画像記録装置等の光偏向素子
として広く用いられている。
【0003】しかし、回折光の強度、即ち光量は横波超
音波の周波数に依存して変化するため、一定の振幅を有
し、且つ周波数が周期的に変動する超音波を音響光学媒
体内に伝搬させると、回折光の光量は回折される方向に
よって異なることとなる。従って、回折光により感光材
料上を走査することにより感光材料を露光すると、感光
材料上の走査位置ごとに感光量が異なるため、画像濃度
を一定基準で記録することができないという不具合が生
じる。
【0004】この様な問題点を解決する方法として考え
出された技術としては、特開昭59−160128号公
報に開示されたものがある。即ち、当該技術は、AOD
により回折される回折光(以下、原則的に回折を偏向と
呼ぶことにする)の光量が常に最大光量(回折効率が最
高)となる様に、超音波の振幅を各周波数ごとに適切に
調整しようとするものである。その様な調整手段とし
て、通過域特性が適切に設計されたバンドパスフィルタ
が用いられる。
【0005】図14は、当該技術の電気的構成を模式的
に示したブロック図である。同図に示す様に、電圧制御
発振器(以下、VCOと呼ぶ)14の出力はバンドパス
フィルタ18を介して増幅器(以下、アンプという)1
9に入力される。その結果、VCO14より発振された
周波数信号は、バンドパスフィルタ18の減衰特性に従
って、各周波数ごとに異なる量だけ減衰され、その減衰
された周波数信号に基づいてアンプ19から駆動信号V
d がAOD2に加えられる。従って、バンドパスフィル
タ18の減衰特性を適切に調整すれば、AOD2により
偏向されたレーザービームLd の光量を一定レベルに保
つことが可能となる。その様なバンドパスフィルタ18
の減衰特性の設定は、次の様にして行われる。
【0006】即ち、予めAOD2の駆動信号Vd の周波
数及び電力を変えて、偏向されたレーザービームLd
光量を計測し、偏向効率(入射したレーザービームLi
の光量をPI,偏向されたレーザービームLd の光量を
Pとすると、偏向効率はP/PIで表される。)を求め
る。そして得られたデータから、各周波数ごとに偏向効
率が最大となる駆動信号Vd の電力を求めると、図15
に示す様に駆動信号の電力とその周波数との関係は2次
曲線によって近似されることになる。従って、バンドパ
スフィルタ18の減衰特性が、図15の2次曲線に対応
する様に、フィルタの設計を行えば良いこととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は以上の様
に構成されているので、確かに偏向ビームの光量の変動
を抑えることができる利点を有している。しかし、AO
Dの駆動信号の電力補正手段としてバンドパスフィルタ
を用いている等のため、次の様な問題点が発生してい
た。
【0008】 まず第1に、本補正方法においては、
駆動信号の電力と偏向ビームの光量とが線形であるとの
仮定を前提として駆動信号の電力と周波数との関係を2
次曲線で近似していたが、実際には駆動信号の電力と偏
向ビームの光量とは非線形な関係にある。そのため、実
際に偏向ビームの光量を計測すると、得られる最高偏向
効率は図16に破線で示す様な理想的な直線にはなら
ず、実際には図16に実線で示す様な曲線となる。この
様に本補正方法は,原理的に偏向ビームの光量変動を十
分に抑制することができないという問題点を有してい
る。
【0009】 第2に、駆動信号の電力と周波数との
関係を示す曲線を忠実に反映したフィルタ特性を実現す
ることが困難であるという問題点を、本技術は有してい
る。即ち、駆動信号の電力と周波数との関係は図15に
示した様な2次曲線で精度良く近似できるとは限らず、
両者の関係を示す曲線が2次曲線から少し変形した様な
関数、例えば図17(a)に実線で示す様な関数形とし
て表される場合には、その様な関数形を反映した減衰特
性を有するフィルタを構成することは容易でない。仮に
多般構成のフィルタにより実現するとしても、回路構成
が複雑化する欠点がある。
【0010】更に、特定周波数において極端な偏向効率
の変化が生じた場合には、本補正方法ではその様な変化
に対応することができない。例えば、図17(b)に示
す様に特定周波数で急激に電力を変化させる必要がある
場合においては、フィルタの減衰特性上、その様な駆動
信号を作成することは不可能である。
【0011】この様に本補正方法においては、駆動信号
の電力と周波数との関係が様々な形に変化した場合(こ
れらの変化は、AOD自身の特性のバラツキ等により生
じる)に、その様な変化に柔軟に対応することができな
いといえる。
【0012】 第3に本技術は、偏向ビームの測定と
フィルタの減衰特性の調整とに多大な時間と労力とを要
し、すばやく駆動信号を補正することができないという
問題点をも有している。
【0013】 第4に本技術は、温度変化等の環境条
件の変化に対して柔軟に対応できないという問題を有し
ている。即ち、AODの特性は周囲温度の変化によって
変化するため、AODにより偏向された光の偏向効率も
また、周囲温度の変化に依存することとなる。従って、
温度変化に伴って駆動信号の電力を調整する必要が生じ
るが、本技術の様にフィルタの減衰特性により駆動信号
の電力を調整する方法では、温度変化に伴う偏向効率の
変動に追従して、減衰特性を微妙にコントロールするこ
とは至難な技である。もちろんフィルタ自身の特性も温
度により変動するため、上記コントロールを一層困難な
ものとしている。
【0014】以上述べた諸問題点は、既述した通り、本
技術が電力補正手段としてバンドパスフィルタを利用し
ている点に起因して発生しているものである。
【0015】この発明は、この様な問題点を解消すべく
なされたものであり、その目的とするところは、光偏向
素子により偏向された走査ビームの光量を走査位置によ
らず一定レベルに保つための補正を容易に行うことがで
き、しかも環境条件の変化や素子の特性のバラツキ等に
も柔軟に対応できる走査ビームの光量制御方法を提供す
ることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の構成
は、制御信号に応じて光ビームを偏向し、且つその偏向
角を変化させる光偏向素子を用いて光ビームを走査する
際の走査ビームの光量を制御する方法に関する。即ち、
(a) 制御信号の周波数及び振幅を所定の範囲内で変
化させて走査ビームの光量を計測し、走査ビームの第1
の光量データを得る。そして、(b) 第1の光量デー
タから、周波数に関する所定の範囲の内、有効範囲とし
て予め規定された範囲内にある制御信号の各周波数毎に
走査ビームの光量の極大値を求めるとともに、(c)
周波数のそれぞれの値について求められた光量の極大値
のデータの中で最小値となる光量値を求め、その最小値
に所定の定数値を乗じて補正する。更に、(d) 有効
範囲内にある制御信号の各周波数毎に、ステップ(c)
により得られた光量値を与える制御信号の振幅を、ステ
ップ(b)により得られた第1の光量データより求め、
(e) ステップ(d)により求められた各周波数毎の
制御信号の振幅データに基づいて光偏向素子を駆動しつ
つ、光ビームを走査するようにしたものである。
【0017】又、この発明の第2の構成では、第1の構
成に係る走査ビームの光量制御方法において、ステップ
(e)を、(e−1) ステップ(d)により求められ
た各周波数毎の制御信号の振幅データに基づいて光ビー
ムを走査し、且つ走査ビームの光量を計測することによ
り、走査ビームの第2の光量データを得、(e−2)第
2の光量データから、有効範囲内における光量の最小値
を求めるとともに、(e−3) 有効範囲内にある周波
数毎に、第2の光量値とステップ(e−2)により求め
られた光量の最小値との差分データを求め、(e−4)
差分データを用いて、ステップ(d)により各周波数
毎に得られた制御信号の振幅データを補正し、更に(e
−5) ステップ(e−4)により補正された各周波数
毎の制御信号の振幅データに基づいて光偏向素子を駆動
しつつ、光ビームを走査する様にしたものである。
【0018】更にこの発明の第3の構成では、第2の構
成に係る走査ビームの光量制御方法において、ステップ
(e−5)を、(e−5−1) ステップ(e−4)に
より補正された各周波数毎の制御信号の振幅データに基
づいて、周波数に関する所定の範囲内で光ビームを走査
し、且つ走査ビームの光量を計測することにより、走査
ビームの第3の光量データを得、(e−5−2) 第3
の光量データを参照しつつ、周波数に関する所定の範囲
の内、有効範囲を除いた所定の範囲内における制御信号
の振幅データを修正するとともに、(e−5−3) ス
テップ(e−4)により補正された各周波数毎の制御信
号の振幅データ及びステップ(e−5−2)により補正
された制御信号の振幅データとに基づいて光偏向素子を
駆動しつつ、光ビームを走査する様にしたものである。
【0019】
【作用】この発明の第1の構成では、走査ビームの光量
の計測によって取得された第1の光量データから各周波
数ごとに光量の最大値が求められ、それらの光量の極大
値を比較することにより光量の極大値の最小値が算出さ
れる。更に、係る最小値に所定の定数値を乗じた値を与
える制御信号の振幅データが各周波数ごとに求められ、
得られた振幅データに基づいて光偏向素子が駆動され
る。従って、光偏向素子により偏向された走査ビームの
光量は、上記最小値近傍の値となる。
【0020】又、この発明の第2の構成では、第1の構
成で得られた振幅データに基づいて更に走査ビームの光
量が計測され、第2の光量データが作成される。更にこ
の第2の光量データより、走査ビームの走査の有効範囲
内において、当該範囲内の光量の最小値と各周波数にお
ける第2の光量値との差分データが求められ、この差分
データを利用して、第1の構成で得られた振幅データが
補正される。そして、この補正された振幅データに基づ
いて光偏向素子が駆動され、偏向ビームが走査される。
従って、有効範囲内には、殆ど光量レベルが一定となる
走査ビームが走査される。
【0021】更にこの発明の第3の構成では、走査ビー
ムの走査範囲の内、有効範囲以外の所定の範囲内におけ
る制御信号の振幅データが、第3の光量データに基づき
補正される。従って、有効範囲内において走査ビームが
走査される始期における走査ビームの光量は一定レベル
に保たれる。
【0022】
【実施例】
(1) 装置の構成及び概略動作 図1は、この発明の一実施例である高速描画装置の電気
的及び光学的構成を模式的に示した図である。同図に示
す様に本装置は、光学系OPとAOD制御基板10とE
WS(エンジニアリングワークステーション)20とに
大別される。
【0023】ここに光学系OPは、レーザー発振器1,
AOD2,走査レンズ3,リレーレンズ系4及び光電変
換素子を含むセンサ5を備えている。尚、AOD2の動
作は後述する様にAOD制御基板10において生成され
た制御信号Vd によって制御される。
【0024】まずレーザー発振器1より発振されたレー
ザービームLi は、制御信号Vd に応じてAOD2によ
り偏向される。そして偏向ビームLd は、後述する制御
信号Vd の補正処理が完了した場合には、走査レンズ3
により集光され、走査レンズ3の像面位置に配置された
感光材料の走査面PL上を走査することとなる。しかし
制御信号Vd の補正処理実行中においては、走査面PL
は図1に示す位置から取り除かれており、走査レンズ3
により集光された偏向ビームLd は、リレーレンズ系4
を介してセンサ5の受光面上に集光される。これによ
り、偏向ビームLd の光量Pが、走査面PL上を偏向ビ
ームLd が走査する際の走査時間の関数として表される
光量信号Vp として検出される。
【0025】一方、AOD制御基板10は、AOD2の
制御信号Vd を生成するVCO14,アンプ15及びA
ODドライバ16を備えており、しかもVCO14及び
AODドライバ16を制御するCPU11をも備えてい
る。更に、AOD制御基板10は、センサ5の出力信号
である光量信号Vp を光量データとして格納するデータ
メモリ17,VCO14に印加すべき周波数制御信号V
t (VCO14の制御電圧に相当)を格納するメモリ12
及びAODドライバ16に印加すべき振幅制御信号Vm
を格納するメモリ13をも有している。
【0026】AOD制御基板10において中核をなすC
PU11は、次の様な機能を有する。即ち、基準クロッ
ク11aを有するCPU11はデータメモリ17に対し
てアドレス制御信号VA を与え、このアドレス制御信号
A に応じてデータメモリ17中の所定のアドレスへ、
光量信号Vp を格納する。そしてCPU11は随時各ア
ドレスに格納された光量信号Vp をデータメモリ17よ
り読出し、後述する補正処理に従って振幅制御信号Vm
を求め、その結果をメモリ13へ格納する。又、CPU
11は基準クロック11aに基づいて周波数制御信号V
t を生成し、その結果をメモリ12に格納する。尚、振
幅制御信号Vm と周波数制御信号Vt とは、同期化され
た信号である。
【0027】さらにCPU11は、メモリ12,13よ
りそれぞれ周波数制御信号Vt 及び振幅制御信号Vm
読出し、これらの信号Vt ,Vm をそれぞれVCO14
及びAODドライバ16へ出力する。
【0028】一方、EWS20はデータバス30を介し
てAOD制御基板10と接続されており、CPU11を
通じて振幅制御信号Vm や光量信号Vp 等の各種データ
が、EWS20へ伝送される。そしてEWS20へ伝送
された各種データは、インターフェース(I/F)21
を介してEWS20のCPU22へ送られ、所定の処理
がなされた後、CRTディスプレイ等のディスプレイ2
5へグラフィック化されて出力される。
【0029】又、CPU22にはキーボード23及びマ
ウス24が接続されており、これらの入力手段を通じ
て、オペレータはディスプレイ25の画面上に表示され
た各種データを補正することができる。そして、補正さ
れた振幅制御信号Vm ′に関するデータがデータバス3
0を通じてCPU11へ送られることとなり、CPU1
1は、補正された振幅制御信号Vm ′を新たな振幅制御
信号としてメモリ13へ格納することとなる。 (2) 振幅制御信号Vm の補正処理 既述した通り、走査面PL上を走査される偏向ビームL
d の光量は変動する。従って、この変動を除去するため
には、制御信号Vd の振幅を補正する必要がある。そこ
で、本実施例においては、以下に示す第1〜第3の補正
方法に基づいて、振幅制御信号Vm の補正処理が行われ
る。以下、第1〜第3の補正方法について、順次、フロ
ーチャートを参照しつつ説明することとする。
【0030】(A) 第1の補正方法 図2は、第1の補正方法の手順を示すフローチャートで
ある。
【0031】 ステップSA1 実際にAOD2を駆動して偏向ビームLd を走査し、光
量信号Vp のデータ作成を行う。即ち、各周波数fごと
に(走査面PLにおいては、各走査位置xごとに)制御
信号Vd の振幅を変えて、光量信号Vp の周波数依存性
及び振幅依存性を計測する。詳細は、ステップSA11
〜SA17に示す通りである。
【0032】まずステップSA11においては、周波数
fの初期値f1 の設定が行われる(f=f1 )。即ち、
VCO14から周波数f1 の信号が発振される様な周波
数制御信号Vt1がメモリ12より読出され、CPU11
よりVCO14に印加される。尚、本実施例において
は、周波数fをステップ幅Δfで初期値f1 から最終値
s まで変化するものとしている。実用的には、初期値
1 は120MHz ,最終値fs は70MHz ,ステッ
プ幅Δfは50KHz である。
【0033】次にステップSA12においては、振幅制
御信号Vom(補正前の振幅制御信号を示す。)の初期値
設定が行われる。本実施例では、振幅制御信号Vm (V
om)を0Vから最終値Vmeまでステップ幅ΔVm で変化
する。実用的には、最終値Vmeは10Vであり、ステッ
プ幅ΔVm は10/256Vである。尚、振幅制御信号
omに関するこれらのデータは、予めメモリ13aに格
納されている。以上より、初期値Vom1 は、ステップ幅
ΔVm に等しくなる(Vom1 =ΔVm )。
【0034】次にステップSA13においては、AOD
2を周波数f1 ,振幅Vom1 の制御信号Vd で駆動した
場合の偏向ビームLd の光量P1 が計測される。
【0035】そして、光量信号VP1がデータメモリ17
に格納される。
【0036】ステップSA14においては、振幅制御電
圧Vomが最終値Vmeに等しいか否かが、CPU11によ
り判定される。即ち、Vom≧Vmeとなるまで振幅制御電
圧Vomをステップ幅ΔVm ずつ増大して、各振幅制御信
号Vomにおける偏向ビームLd の光量Pi が計測される
(ステップSA15)。
【0037】次にステップSA16においては、周波数
fが最終値fs に等しいか否かが、CPU11により判
定される。もしf>fs ならば、周波数fが最終値fs
となるまで周波数fをステップ幅Δfずつ減じ、各周波
数fにおける光量Pi の振幅制御信号依存性のデータが
計測されることとなる。
【0038】 ステップSA2 ステップSA1により光量データの作成が完了したなら
ば、次に光量データより各周波数fにおける光量信号V
p の極大値についてのデータを作成し、更にこの極大値
についてのデータの中から最小値Pmin を求める処理を
行う。そして、最小値Pmin に定数値αを乗じる処理を
引き続いて行う。もちろん、これらの処理はCPU11
によって行われる。
【0039】ここで、図3はステップSA1により作成
された光量データの一例を示す図であり、横軸は振幅制
御信号Vom(又はVm )を表わし、縦軸は光量信号Vp
(又は光量P)を表している。又、図3においては、便
宜上、各周波数fごとに対応する光量信号Vp の曲線
を、走査面PL上の走査位置の各座標x(x1 ,x
2 …)ごとの曲線として示している。これらの曲線よ
り、光量信号Vp と振幅制御信号Vomとは非線形な関係
にあることが理解される。
【0040】そして、図3に示す各走査位置xごと(但
し、後述する有効範囲内に限る)の光量信号Vp の曲線
について極大値(pm1,pm2 …)を求め、それらを図
案化したのが図4である。同図において、横軸は走査位
置xを表しており、縦軸は光量信号Vp の極大値Pmax
を表している。尚、横軸において、走査位置xo から走
査位置xe までの範囲は有効範囲と呼ばれる範囲に相当
しており、図4はこの有効範囲内にある走査位置xにつ
いての極大値Pmax を求めた結果を示している。
【0041】この有効範囲(但し、一走査に限る)と
は、偏向ビームLd の走査範囲中、偏向ビームLd の光
量Pi が一定レベルを中心として変動する様になるまで
の光量Pi の立上がり範囲及びその一定レベルから光量
i が0になるまでの光量Pi の立下がり範囲(光量P
i の立上がりは、AOD2に制御信号Vdが印加されて
から、AOD2内の音響媒体中をその一方の端面から他
方の端面にまで超音波が伝達するまでに要する時間に起
因したAOD2自身の遅延特性により生じるものであ
る。光量Pi の立下がりも同様である。)を除いた偏向
ビームLd の走査範囲である。尚、図6に模式的に示す
様に、走査面PLの位置に感光材料31を配置して実際
に画像信号等を感光材料31上に記録する場合には、有
効範囲l、すなわち走査位置x0 と走査位置xe の間隔
が一走査幅となる。
【0042】次に極大値Pmax の最小値Pmin が、各走
査位置xにおける極大値Pmax の値を相互に比較するこ
とにより上記極大値Pmax のデータから抽出される。図
4の場合においては、走査位置x2 における極大値Pm2
が最小値Pminとなる。
【0043】更に、ここで定数値α(0<α≦1)なる
パラメータを導入し、抽出した最小値Pmin と定数値α
との積算が行われる。即ち、最小値Pmin は、最小値P
min * (Pmin * =α・Pmin )に修正される。この様
な積算を行うのは、光量Pの時間的な変動を考慮して、
極大値Pmax の最小値として少し低めの値Pmin * を設
定しておこうとするためである。尚、通常は定数値αと
しては、1近傍の値が用いられる。
【0044】 ステップSA3 次に、各周波数fにおいて、光量信号Vp が最小値P
min * を与える振幅制御信号Vm が求められる。即ち、
第1の補正においては、有効範囲内における全ての走査
位置xにおける光量信号Vp が最小値Pmin * となる様
に、振幅制御信号Vomを補正しようとするものである。
尚、極大値Pmax の最小値Pmin * を補正の基準となる
べき光量信号に設定するのは、可能な限り走査ビームの
光量Pを大きく取りたいという意図の現れである。この
様な補正は、再び図3に示した光量データに基づいて行
われる。
【0045】そこで図3の光量データを概観すると、走
査位置xによっては、光量信号Vp として最小値Pmin
* を与える振幅制御電圧Vm が2つ存在する場合があ
る。例えば、走査位置x1 については、光量信号Vp
最小値Pmin * となる振幅制御信号Vm は、Vm1
m1′である。同様に走査位置x2 についても、求める
べき振幅制御信号Vm はVm2とVm2′の2つである。こ
れは、光量Pと駆動信号Vd の振幅とが非線形であるこ
とにより生じる結果である。
【0046】そこで、本補正においては、光量信号P
min * を与える振幅制御電圧Vm が2つ存在する場合に
は、光量信号Vp と振幅制御信号Vm との関係を示す曲
線が単調増加している範囲内に存在する振幅制御信号V
m を、補正値として採用することにする。
【0047】この様な約束に従って、有効範囲内におけ
る光量信号Pmin * を与える振幅制御信号Vm を求め、
その結果をグラフィク化したのが、図5である。尚、第
1の補正では有効範囲内(xo ≦x≦xe )についての
み振幅制御信号Vm を補正するものである。従って、有
効範囲外にある走査位置、即ち、光量Pの立上がり範囲
(0≦x<xo )及び立下がり範囲(xe <x≦xs
については、振幅制御信号Vm は補正を受けないので、
図5に示された上記範囲内における補正後の振幅制御信
号Vm は、補正前の振幅制御信号Vomに相当している。
【0048】 ステップSA4 そこで、以上のステップにより求められた振幅制御信号
m (第1の補正値VmAと呼ぶ)を、新たな振幅制御信
号Vm として用いることにする。即ち、第1の補正値V
mAは、振幅制御信号Vmとしてメモリ13に格納され
る。そして、実際に感光材料31上に偏向ビームLd
走査する場合には、第1の補正値VmAはCPU11によ
ってメモリ13から読出され、AODドライバ16へ与
えられる。その結果、AOD2により偏向される偏向ビ
ームLd の有効範囲内における光量Pは、原理的には常
に均一となることが期待される。
【0049】(B) 第2の補正方法 以上述べた通り、第1の補正方法によれば、偏向ビーム
d の光量信号Vp は有効範囲内では常に最小値Pmin
* となる様に制御されるものと期待される。しかし、実
際には、偏向ビームLdの光量信号Vp は有効範囲内で
均一とならず、最小値Pmin * を中心として変動する。
【0050】ここで図7は、第1の補正値VmAを用いて
AOD2を駆動した場合に計測された光量信号Vp を示
す図である。同図に示す通り、xo ≦x≦xe の範囲に
おいては、最小値Pmin * を中心として僅かながら変動
する。その変動率ΔVp /Pmin * は約3%である(以
後、変動率ΔVp/Pmin * を便宜上、変動率ΔVp
min と記載することにする。)。これは、AOD2自
身の特性のバラツキや周囲環境の微妙な変化に伴うAO
D2の特性の微少な変化やセンサ5自身の特性の微少な
変化等による影響が積算された結果によるものと思われ
る。
【0051】そこで、以下のステップにおいては、上記
光量信号Vp の変動量ΔVp を除去すべく、更に第1の
補正値VmAを補正することが行われる。その様な補正
は、以下に述べる様に光量信号Vp の変動量ΔVp (=
p −Pmin * )を利用することにより行われる。
【0052】ここに、図8は第2の補正方法の手順を示
すフローチャートである。以下、図8に基づいて、説明
を進めることとする。
【0053】 ステップSB1 まず第1の補正値VmAを振幅制御信号Vm としてAOD
2を駆動し、各周波数f(各走査位置x)における光量
信号Vp を計測する。尚、光量測定時における光量信号
p のバラツキを次のステップSB2で補正するため
に、本ステップSB1では、数回の計測が行われる。
【0054】 ステップSB2 次にステップSB1で求められた光量信号Vp のデータ
を平滑化する。この平滑化は、例えば、走査位置xにお
ける光量信号Vp のデータがn回計測されたならば、n
個のデータの平均値<Vp >をその走査位置xにおける
光量信号Vp として採用することにより行われる。尚、
この結果得られる光量信号Vp のデータは、前述の図7
に示したものに相当している。又、本ステップSB2を
含めて、以後のステップSB3〜SB7は全てCPU1
1によって行われる。
【0055】 ステップSB3 次に、前ステップSB2で求められた光量信号Vp のデ
ータに基づいて、有効範囲内における光量信号Vp の最
小値PL の算出が行われる。
【0056】例えば図7に示した光量信号Vp の場合に
は、CPU11は、走査位置xL における光量信号Vp
を最小値PL として判断することになる。
【0057】 ステップSB4 更に、有効範囲内で、各走査位置x(各周波数f)にお
ける光量信号Vp と前ステップSB3で求めた最小値P
L との差分データΔPL が算出される。その様な差分デ
ータΔPL を図示したものが、図9に示す分布である。
【0058】 ステップSB5 前ステップSB4で算出した差分データΔPL を、AO
D2の遅延特性を考慮して、−x方向にシフトする処理
が行われる。ここで、AOD2における遅延時間を時間
d 、偏向ビームLd の走査速度を速度Vs として表す
ならば、差分データΔPL の−x方向へのシフト量xd
は、xd =Vs ・td で表される。尚、AOD2の遅延
時間td は、AOD2の音響媒体中を伝播する超音波の
音速をVu ,超音波の音響媒体中の伝播長をlu とすれ
ば、td =lu /Vu の関係式により算出される。
【0059】ここに図16は、上記シフト処理がなされ
た後の差分データΔPL ′示す図である。
【0060】 ステップSB6 最後に、前ステップSB5でシフトされた差分データΔ
L ′に経験値βを乗算し、第1の補正値VmAからそれ
らの値β・(ΔPL )′を減算する。
【0061】そして減算により得られた新たな振幅制御
信号Vm が、第2の補正値VmBとして、メモリ13に格
納される。即ち、VmB=VmA−β・(ΔPL ′)とな
る。
【0062】ここで経験値βの値としては、例えば振幅
制御信号Vm を0Vから10Vの範囲内で256ステッ
プで変える場合には、約0.7が最適値となることが、
実際に経験値βの値を変えて光量信号Vp を計測するこ
とにより求められている。
【0063】尚、上記補正処理後の振幅制御信号VmB
図11に示す。同図においては、参考のために、第1の
補正値VmAも示されている。即ち、曲線32が第1の補
正値VmAであり、曲線33が第2の補正値VmBである。
【0064】この様な第2の補正値VmBに基づいてAO
D2を駆動し光量信号Vp を計測すると、有効範囲内に
おける光量信号Vp の変動率ΔVp /Pmin を約1%に
まで減少させることが可能となる。
【0065】尚、本補正方法において第1の補正値VmA
と差分データ(ΔPL ′)との減算を行うことができる
のは、第1の補正方法において、有効範囲内の各走査位
置xにおける最小値Pmin * を与える振幅制御信号Vm
の決定に際し、図3のVp −Vm 曲線の単調増加範囲内
にある振幅制御信号Vm を採用したことによるためであ
る。
【0066】もし、この様な処理を行わなかったなら
ば、第2の補正方法により第1の補正値VmAを小さくし
たにもかかわらず、光量信号Vp が逆に増加し、却って
光量信号Vp の変動率ΔVp /Pmin が大きくなるとい
う不具合が生じていた筈である。これでは、従来の技術
の様に、光量信号Vp と振幅制御信号Vm との関係が非
線形であるにもかかわらず、線形近似して補正値を計算
する事と同様になってしまうことになる。
【0067】しかし、本実施例においては、第1補正時
にその様な非線形性を考慮して補正処理がなされている
ため、上述の様な逆効果は生じないこととなる。
【0068】(C) 第3の補正方法 第2の補正値VmBにより光量信号Vp の変動率ΔVp
min を約1%に減少させることが可能となったが、更
に変動率ΔVp /Pmin を小さくするために、第2の補
正値VmBを補正する。
【0069】即ち、第1及び第2の補正においては、有
効範囲内において振幅制御信号Vm の補正処理が行われ
てきた。その結果、光量信号Vpの変動率ΔVp /P
min を約1%にまで抑える事が可能となった。しかし、
本装置により更に一層正確な画像記録を行うとするに
は、更に光量信号Vp の変動率ΔVp /Pmin を小さく
することが望まれる。
【0070】そこで現在の1%程度の変動率ΔVp /P
min を生じさせている原因を考察すると、この変動は主
として光量立上がり時のオーバーシュートによるもので
あると考えることができる。このオーバーシュートは、
AOD2の遅延特性に帰因するものであり、現象論的に
は次の様に解釈される。
【0071】即ち、AOD2に制御信号Vd を印加して
AOD2の圧電素子を駆動しても、しばらくの間は音響
媒体内を伝播する超音波の振幅が小さいため、その様な
超音波により回折さた偏向ビームLd の光量PはAOD
2に印加した制御信号Vd の電力に見合うだけの光量P
となっていないものと考えられる。その結果、光量Pを
急激に増加させるためには、制御信号Vd の電力を一層
急激に増加させる必要が生じる。その後、音響媒体内を
伝播する超音波の振幅はAOD2に印加された制御信号
d の電力に対応したものとなるため、逆に光量信号V
p の立上がり時間の終了時、即ち有効範囲の始点x0
傍においては、AOD2に印加している制御信号Vd
電力が適性値を越えた値になってしまうものと考えられ
る。その結果、走査位置x0 近傍において、光量信号V
p にオーバーシュートが生じるものである。
【0072】そこで以上の様な考察を踏まえて、第3の
補正が行われる。即ち、0≦x≦xo の範囲内における
振幅制御信号Vm のみを遂次修正することによって、オ
ーバーシュートによる光量信号Vp の変動を抑圧するこ
とが可能となる。但しこの場合には、有効範囲内におけ
る振幅制御信号Vm ,従って第2の補正値VmBは修正さ
れない様にする必要がある。
【0073】この様な補正は、第2の補正方法において
行われた〔VmA−β・(ΔPL ′)〕という処理に際し
て、0≦x≦xo の範囲内についてのみ経験値βの値を
適宜修正し、有効範囲内では経験値βの値は第2の補正
時に用いた値を用いて上記減算を行うことにより実現可
能となる。係る技術的思想に基づく補正が、ここでいう
第3の補正方法に該当する。
【0074】ここに図12は、第3の補正方法における
手順を示すフローチャートである。以下、このフローチ
ャート及び図1に基づいて、上記経験値βの修正がどの
様に行われるかを詳述する。
【0075】 ステップSC1 先ず第2の補正値VmBがCPU11によって読出され、
AODドライバ16へ与えられる。その後、AOD2に
よって偏向された偏向ビームLdの光量Pが計測され、
光量信号Vp としてデータメモリ17に格納される。
尚、本ステップSC1においても、次のステップSC2
における平滑化のため、光量Pの計測は数回行われる。
【0076】 ステップSC2 次に光量信号Vp の平滑化が、CPU11によって行わ
れ、再び平滑化後の光量信号Vp がデータメモリ17に
格納される。この処理は、第2の補正方法において既述
した通りである。
【0077】 ステップSC3 次に本補正においては、平滑化さた光量信号Vp 及び第
2の補正値VmBがCPU11によってそれぞれデータメ
モリ17、メモリ13から読出され、その後それらのデ
ータはデータバス30を介してEWS20内のCPU2
2へ伝送される。
【0078】そしてCPU22は、キーボード23又は
マウス24を介して入力されるオペレータの指令信号に
従って、AOD制御基板10より伝送されたデータを処
理し、処理後のデータをディスプレイ25の画面上にグ
ラフィック化して出力することとなる。例えば、光量信
号Vp に関するデータは、ディスプレイ25の画面上に
おいて図7に示す如く表示され、第2の補正値VmBに関
するデータは、ディスプレイ25の画面上において図5
又は図11に示す如く表示される。
【0079】これによりオペレータは、即座に光量信号
p のデータ及び第2の補正値VmBのデータを視覚によ
り認識することができる。更にオペレータは、キーボー
ド23又はマウス24を用いて指令信号を入力すること
によって、ディスプレイ25の画面上に表示された第2
の補正値VmBを画面上で修正することができる。
【0080】 ステップSC4 次に光量Pの立上がり範囲(0≦x<xo )内における
第2の補正値VmBの補正が行われる。この様な補正は、
立上がり範囲内の各走査位置において経験値βを変える
ことにより行われる。
【0081】即ち、立上がり範囲内の各走査位置におい
ても、第2の補正値VmBはVmB=VmA−β(ΔPL ′)
によって表されるので、各走査位置ごとに経験値βを変
えることにより、第2の補正値VmBが補正される。従っ
て、経験値βは走査位置xの関数として表されることと
なり、その様な修正後の経験値βを、以後、経験値β′
(x)として記述することとする。又、補正後の第2の
補正値VmBをも、以後、単に振幅制御信号Vm として記
述することにする。従って、本補正における振幅制御信
号Vm とは、Vm =VmA−β′(x)(ΔPL ′)によ
って表される量となる。
【0082】そこで、オペレータはディスプレイ25の
画面上に表示された振幅制御信号Vm のデータを参照し
つつ、キーボード23又はマウス24を介してCPU2
2へ経験値β′(x)(0≦x<xo )に関するデータ
を入力する。CPU22は、これらのデータを受けてた
だちに新たな振幅制御信号Vm を前述の式によって計算
し、新たな振幅制御信号Vmのデータを再びディスプレ
イ25の画面上に表示する。
【0083】この様な補正後の振幅制御電圧Vm の一例
を示したのが図13であり、便宜上、ディスプレイ25
の画面上に表示されるデータの内、立上がり範囲(0≦
x<xo )及び有効範囲(xo ≦x≦xe )の一部分に
ついてのデータを示している。同図において、実線34
は第2の補正値VmBを示しており、各破線35〜37は
立上がり範囲内の経験値β′(x)を種々変えて得られ
たシミュレーション結果を示している。
【0084】尚、前述したオーバーシュートの原因につ
いての現象論的考察に基づけば、補正された振幅制御信
号Vm を表す曲線形としては、図13の破線35の様な
曲線、即ち、立上がり初期時は曲線の傾きの絶対値|d
m /dx|は大きく、立上がり終了時(xo 近傍)は
傾きの絶対値|dVm /dx|が小さい曲線が最適であ
ることが容易に理解されるところである。従って、オペ
レータは、その様な曲線形となる様に経験値β′(x)
を思考錯誤して修正することとなる。但し、オペレータ
はその様な修正を繰り返す程、最適な経験値β′(x)
をすばやく決定することができる様になる。
【0085】 ステップSC5 前ステップSC4において補正された振幅制御信号Vm
(以後、振幅制御信号Vm ′と記載する。)のデータ
は、CPU22よりデータバス30を介してCPU11
へ送られた後、メモリ13へ新たな振幅制御信号Vm
して格納される。そして、この新たな振幅制御信号
m ′に基づいて、改めて各周波数fにおける偏向ビー
ムLd の光量Pが計測される。
【0086】そして、その計測結果である光量信号
p ′はCPU11によってデータメモリ17より読出
され、再びデータバス30を介してCPU22へ伝送さ
れた後、ディスプレイ25の画面上へグラフィク出力さ
れる。
【0087】 ステップSC6 一方、CPU22は伝送されてきた新たな光量信号
p ′に関するデータに基づいて、有効範囲内における
光量信号Vp ′の変動率ΔVp ′/Pmin =(Vp ′−
min )/Pmin 求め、その変動率(ΔVp ′)/P
min の最大値が、許容の範囲内にあるか否かを判断す
る。
【0088】ここに言う許容範囲とは、変動率(Δ
p ′)/Pmin が0.8%以内にあることである。こ
の0.8%以内の変動率とは、センサ5の感度が256
レベルである事を考えると、ほぼ光量計測時のノイズ量
に相当しているものと考えられる量である。尚、本補正
方法に依れば、光量信号Vp ′の変動率(ΔVp ′)/
min を実際に0.8%程度にまで減少させることか可
能である。
【0089】もし、光量信号Vp ′の変動率ΔVp ′/
min が0.8%よりも大ならば、再びステップSC4
へ戻って、既述した一連の補正処理が行われることとな
る。
【0090】一方,光量信号Vp ′の変動率ΔVp ′/
min が許容範囲ならば、本補正処理は終了し、現時点
における振幅制御信号Vm ′が第3の補正値Vmcとして
再びデータバス30を介してCPU11へ伝送され、メ
モリ13へ格納される。
【0091】そして、以後の偏向ビームLd の走査にあ
たっては、この第3の補正値Vmc及び周波数制御信号V
t に基づいて偏向ビームLd の光量が制御されることと
なる。
【0092】なお、上述の第3の補正においては、走査
位置0≦x≦x0 の範囲内についてのみ経験値βの値を
適宜修正することにより、同範囲における振幅制御信号
m を修正する実施例を説明したが、走査位置0≦x≦
0 の範囲内についてのみ振幅制御信号Vm を直接修正
しても、オーバーシュートを補正できることは無論であ
る。
【0093】以上第1〜第3の補正について説明した
が、これらの補正は、図1に示す装置を用いることによ
り、オンライン上で実施できるので、光量補正作業を簡
略化し、その結果光量補正作業にかかる時間及び労力を
削減することができる。
【0094】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1記載の発明に
よれば、走査ビームの光量を計測し、かつ走査ビームの
光量を制御するための最適な制御信号の振幅データを容
易に且つ素早く算出することができる効果がある。
【0095】更に、本発明は光偏向素子によって偏向さ
れる走査ビームの光量を、光偏向素子に入射する光ビー
ムから得られる最大の光量に保ちつつ、有効範囲内にお
ける走査ビームの光量変動を抑えることができる効果を
も有する。
【0096】又、請求項2記載の発明によれば、環境の
変化や素子等の特性の変動等にも柔軟に対応して、請求
項1記載の発明よりも更に走査ビームの光量変動を小さ
くすることができる効果がある。
【0097】又、請求項3記載の発明によれば、請求項
2記載の発明による場合よりもより一層走査ビームの光
量変動を減少させることができる。具体的には、光量計
測時のノイズ量と同レベルにまで、光量変動を減少させ
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である高速描画装置の構成
を模式的に示したブロック図である。
【図2】第1の補正方法の手順を示すフローチャートで
ある。
【図3】光量データを示す説明図である。
【図4】各走査位置における光量信号の極大値を示す説
明図である。
【図5】振幅制御信号を示す説明図である。
【図6】感光フィルムと有効範囲との関係を示す説明図
である。
【図7】第1の補正処理後に計測された光量信号を示す
説明図である。
【図8】第2の補正方法を示すフローチャートである。
【図9】差分データを示す説明図である。
【図10】シフトされた差分データを示す説明図であ
る。
【図11】第2の補正処理が施された振幅制御信号を示
す説明図である。
【図12】第3の補正方法の手順を示すフローチャート
である。
【図13】第3の補正処理が施された振幅制御信号を示
す説明図である。
【図14】従来技術の電気的構成を示した図である。
【図15】駆動信号の電力を示す図である。
【図16】光量計測により得られる最高偏向効率を示す
説明図である。
【図17】駆動信号の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
OP 光学系 P 光量 Ld 偏向ビーム PL 走査面 Vp 光量信号 Vd 制御信号 Vm 振幅制御信号 Vt 周波数制御信号 1 レーザー発振器 2 AOD 5 センサ 10 AOD制御基板 11 CPU 12 メモリ 13 メモリ 14 VCO 16 AODドライバ 20 EWS 22 CPU 23 キーボード 24 マウス 25 ディスプレイ 30 データバス 31 感光材料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御信号に応じて光ビームを偏向し、且
    つその偏向角を変化させる光偏向素子を用いて光ビーム
    を走査する際の走査ビームの光量を制御する方法であっ
    て、 (a) 前記制御信号の周波数及び振幅を所定の範囲内
    で変化させて前記走査ビームの光量を計測し、走査ビー
    ムの第1の光量データを得るステップと、 (b) 前記第1の光量データから、前記周波数に関す
    る前記所定の範囲の内、有効範囲として予め規定された
    範囲内にある前記制御信号の各周波数毎に前記走査ビー
    ムの光量の極大値を求めるステップと、 (c) 前記周波数のそれぞれの値について求められた
    前記光量の極大値のデータの中で最小値となる光量値を
    求め、当該最小値に所定の定数値を乗じて当該最小値を
    補正するステップと、 (d) 前記有効範囲内にある前記制御信号の各周波数
    ごとに、前記ステップ(c)により得られた前記補正後
    の最小値を与える前記制御信号の振幅を、前記ステップ
    (b)により得られた前記第1の光量データより求める
    ステップと、 (e) 前記ステップ(d)により求められた前記各周
    波数ごとの前記制御信号の振幅データに基づいて前記光
    偏向素子を駆動しつつ、前記光ビームを走査するステッ
    プ、 とを備えた走査ビームの光量制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の走査ビームの光量制御方
    法において、 前記ステップ(e)が、 (e−1) 前記ステップ(d)により求められた前記
    各周波数毎の前記制御信号の振幅データに基づいて前記
    光ビームを走査し、且つ前記走査ビームの光量を計測す
    ることにより、前記走査ビームの第2の光量データを得
    るステップと、 (e−2) 前記第2の光量データから、前記有効範囲
    内における前記光量の最小値を求めるステップと、 (e−3) 前記有効範囲内にある周波数毎に、前記第
    2の光量値と前記ステップ(e−2)により求められた
    前記光量の最小値との差分データを求めるステップと、 (e−4) 前記差分データを用いて、前記ステップ
    (d)により前記各周波数毎に得られた前記制御信号の
    振幅データを補正するステップと、 (e−5) 前記ステップ(e−4)により補正された
    前記各周波数毎の前記制御信号の振幅データに基づいて
    前記光偏向素子を駆動しつつ、前記光ビームを走査する
    ステップと、を備えることを特徴とする走査ビームの光
    量制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の走査ビームの光量制御方
    法において、 前記ステップ(e−5)が、 (e−5−1) 前記ステップ(e−4)により補正さ
    れた前記各周波数毎の前記制御信号の振幅データに基づ
    いて、前記周波数に関する前記所定の範囲内で前記光ビ
    ームを走査し、且つ前記走査ビームの光量を計測するこ
    とにより、前記走査ビームの第3の光量データを得るス
    テップと、 (e−5−2) 前記第3の光量データを参照しつつ、
    前記周波数に関する前記所定の範囲の内、前記有効範囲
    を除いた範囲内における前記制御信号の振幅データを修
    正するステップと、 (e−5−3) 前記ステップ(e−4)により補正さ
    れた前記各周波数毎の前記制御信号の振幅データ及び前
    記ステップ(e−5−2)により補正された前記制御信
    号の振幅データとに基づいて前記光偏向素子を駆動しつ
    つ、前記光ビームを走査するステップと、 を備えることを特徴とする走査ビームの光量制御方法。
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