JPH05272736A - 排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法 - Google Patents
排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法Info
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- JPH05272736A JPH05272736A JP7181092A JP7181092A JPH05272736A JP H05272736 A JPH05272736 A JP H05272736A JP 7181092 A JP7181092 A JP 7181092A JP 7181092 A JP7181092 A JP 7181092A JP H05272736 A JPH05272736 A JP H05272736A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 排ガス燃焼炉の運転にあたり、これから排出
される排ガスに含有されるＮＯｘを低レベルに抑制する
ことが可能な排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制
御方法を得る。 【構成】 排ガス燃焼炉を、処理対象の排ガスが流入し
て一次燃焼処理される一次燃焼室１２と、一次燃焼室１
２で処理された排ガスが二次燃焼処理される二次燃焼室
１３とを備えて構成し、さらに各室の連結流路１６に対
して、一次燃焼室１２からの熱放射を防止し、輻射熱を
反射する輻射熱反射面１１ａと、絞り部１１とを備え、
二次燃焼空気供給手段１９、２０を、前記絞り部１１に
備える。運転に当たっては、一次燃焼室１２において９
００℃程度の温度域で一酸化炭素量の６０〜８０％を処
理し、二次燃焼室１３において残余の一酸化炭素量を処
理する。
される排ガスに含有されるＮＯｘを低レベルに抑制する
ことが可能な排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制
御方法を得る。 【構成】 排ガス燃焼炉を、処理対象の排ガスが流入し
て一次燃焼処理される一次燃焼室１２と、一次燃焼室１
２で処理された排ガスが二次燃焼処理される二次燃焼室
１３とを備えて構成し、さらに各室の連結流路１６に対
して、一次燃焼室１２からの熱放射を防止し、輻射熱を
反射する輻射熱反射面１１ａと、絞り部１１とを備え、
二次燃焼空気供給手段１９、２０を、前記絞り部１１に
備える。運転に当たっては、一次燃焼室１２において９
００℃程度の温度域で一酸化炭素量の６０〜８０％を処
理し、二次燃焼室１３において残余の一酸化炭素量を処
理する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガスに含有される一
酸化炭素を燃焼処理する排ガス燃焼炉及びこの排ガス燃
焼炉の燃焼制御方法に関する。
酸化炭素を燃焼処理する排ガス燃焼炉及びこの排ガス燃
焼炉の燃焼制御方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】このような排ガス燃焼炉の一例として、
キュポラの排気側に設けられるキュポラ用排ガス燃焼炉
を例に採って、以下、説明する。キュポラはコークスの
燃焼により地金を溶解し、鋳鉄溶湯を得る溶解炉である
が、この排ガス中には一酸化炭素ガスが多量に含まれて
おり、一般に排ガス燃焼炉が設けられて、これが燃焼処
理される。そして、排ガス燃焼炉から排出される燃焼排
ガスから空気予熱器等により熱回収が行われ、別途利用
される。さて従来の排ガス燃焼炉は、燃焼ゾーンと希釈
冷却ゾーンを備えて構成されていた。各ゾーンでの処理
状態について説明すると、燃焼ゾーンでは過剰空気率を
下げ理論燃焼温度に近い高温（約１，１００℃）で燃焼
をおこなうとともに、このゾーンでの滞留時間を長くと
り一酸化炭素ガスの完全燃焼を図っていた。一方希釈冷
却ゾーンでは、希釈空気を投入して、後続の空気予熱器
等熱回収装置の耐熱温度である約８００℃まで排ガスの
温度を低下させていた。
キュポラの排気側に設けられるキュポラ用排ガス燃焼炉
を例に採って、以下、説明する。キュポラはコークスの
燃焼により地金を溶解し、鋳鉄溶湯を得る溶解炉である
が、この排ガス中には一酸化炭素ガスが多量に含まれて
おり、一般に排ガス燃焼炉が設けられて、これが燃焼処
理される。そして、排ガス燃焼炉から排出される燃焼排
ガスから空気予熱器等により熱回収が行われ、別途利用
される。さて従来の排ガス燃焼炉は、燃焼ゾーンと希釈
冷却ゾーンを備えて構成されていた。各ゾーンでの処理
状態について説明すると、燃焼ゾーンでは過剰空気率を
下げ理論燃焼温度に近い高温（約１，１００℃）で燃焼
をおこなうとともに、このゾーンでの滞留時間を長くと
り一酸化炭素ガスの完全燃焼を図っていた。一方希釈冷
却ゾーンでは、希釈空気を投入して、後続の空気予熱器
等熱回収装置の耐熱温度である約８００℃まで排ガスの
温度を低下させていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日、
燃焼処理に伴い発生するＮＯｘが、大気汚染防止等の観
点から大きな問題とされており、このような排ガス燃焼
炉から発生するＮＯｘの減量が大きな課題である。ここ
で、上述の構成の排ガス燃焼炉では、希釈冷却ゾーンに
おいては、排ガス温度が８００℃に低下しているためＮ
Ｏｘの発生は殆どないものの、燃焼ゾーンでは、処理温
度が高い等の燃焼状態、滞留時間等の関係から、高レベ
ルのＮＯｘの発生を回避することができなかった。従っ
て本発明の目的は、排ガス燃焼炉より排出される排ガス
に含有されるＮＯｘを低レベルに抑制することが可能な
排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制御方法を得る
ことにある。
燃焼処理に伴い発生するＮＯｘが、大気汚染防止等の観
点から大きな問題とされており、このような排ガス燃焼
炉から発生するＮＯｘの減量が大きな課題である。ここ
で、上述の構成の排ガス燃焼炉では、希釈冷却ゾーンに
おいては、排ガス温度が８００℃に低下しているためＮ
Ｏｘの発生は殆どないものの、燃焼ゾーンでは、処理温
度が高い等の燃焼状態、滞留時間等の関係から、高レベ
ルのＮＯｘの発生を回避することができなかった。従っ
て本発明の目的は、排ガス燃焼炉より排出される排ガス
に含有されるＮＯｘを低レベルに抑制することが可能な
排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制御方法を得る
ことにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本願の排ガス燃焼炉の特徴構成は、処理対象の排ガ
スが流入して一次燃焼処理される一次燃焼室と、一次燃
焼室で処理された排ガスが二次燃焼処理される二次燃焼
室とを備え、一次燃焼室から前記二次燃焼室へ排ガスが
移流する連結流路に、一次燃焼室から二次燃焼室への熱
放射を防止し、一次燃焼室へ輻射熱を反射する輻射熱反
射面を備えるとともに、連結流路の流路断面積を絞る絞
り部を設け、連結流路に二次燃焼空気を供給する二次燃
焼空気供給手段を、前記絞り部に備えたことにある。さ
らに、本願の排ガス燃焼炉の燃焼制御方法の特徴手段
は、上記の排ガス燃焼炉の燃焼制御にあたり、一次燃焼
室に供給する一次燃焼空気の量を、排ガスに含有される
一酸化炭素量の理論燃焼空気量の６０〜８０％に制御
し、一次燃焼室内の温度を９００℃近傍に維持して一次
燃焼処理をおこなうとともに、二次燃焼室において、残
余の一酸化炭素に対して理論燃焼空気量以上の二次燃焼
空気を供給して、残余の一酸化炭素を二次燃焼処理する
ことにある。そして、それらの作用・効果を以下に説明
する。
めの本願の排ガス燃焼炉の特徴構成は、処理対象の排ガ
スが流入して一次燃焼処理される一次燃焼室と、一次燃
焼室で処理された排ガスが二次燃焼処理される二次燃焼
室とを備え、一次燃焼室から前記二次燃焼室へ排ガスが
移流する連結流路に、一次燃焼室から二次燃焼室への熱
放射を防止し、一次燃焼室へ輻射熱を反射する輻射熱反
射面を備えるとともに、連結流路の流路断面積を絞る絞
り部を設け、連結流路に二次燃焼空気を供給する二次燃
焼空気供給手段を、前記絞り部に備えたことにある。さ
らに、本願の排ガス燃焼炉の燃焼制御方法の特徴手段
は、上記の排ガス燃焼炉の燃焼制御にあたり、一次燃焼
室に供給する一次燃焼空気の量を、排ガスに含有される
一酸化炭素量の理論燃焼空気量の６０〜８０％に制御
し、一次燃焼室内の温度を９００℃近傍に維持して一次
燃焼処理をおこなうとともに、二次燃焼室において、残
余の一酸化炭素に対して理論燃焼空気量以上の二次燃焼
空気を供給して、残余の一酸化炭素を二次燃焼処理する
ことにある。そして、それらの作用・効果を以下に説明
する。
【０００５】
【作用】この排ガス燃焼炉では、一次、二次燃焼室を備
えた二段燃焼方式が採用されるとともに、輻射熱反射
面、絞り部を設けて低ＮＯｘ化が図られている。即ち、
熱放射防止面の効果により一次燃焼室内からの熱放射を
防止し、輻射熱を反射することによって、室内の燃焼温
度が保持され、一次燃焼室内に於ける燃焼の安定性を高
めると共に、燃焼の完結が速くなり、滞留時間を短くす
ることが可能となる。よって、この室を従来より低温の
状態に保っても、所望の処理が可能となる。さらに、絞
り部に二次燃焼空気供給手段を設けることにより、断面
積が狭められている連結流路に二次燃焼空気が供給され
るため、いわゆるベンチュリ管効果により、排ガスと二
次燃焼空気との混合が十分に行われ、二次燃焼室の燃焼
においても、燃焼の完結が促進され滞留時間が短くな
る。従って、これらの要因だけからもＮＯｘの低減効果
を得ることができる。
えた二段燃焼方式が採用されるとともに、輻射熱反射
面、絞り部を設けて低ＮＯｘ化が図られている。即ち、
熱放射防止面の効果により一次燃焼室内からの熱放射を
防止し、輻射熱を反射することによって、室内の燃焼温
度が保持され、一次燃焼室内に於ける燃焼の安定性を高
めると共に、燃焼の完結が速くなり、滞留時間を短くす
ることが可能となる。よって、この室を従来より低温の
状態に保っても、所望の処理が可能となる。さらに、絞
り部に二次燃焼空気供給手段を設けることにより、断面
積が狭められている連結流路に二次燃焼空気が供給され
るため、いわゆるベンチュリ管効果により、排ガスと二
次燃焼空気との混合が十分に行われ、二次燃焼室の燃焼
においても、燃焼の完結が促進され滞留時間が短くな
る。従って、これらの要因だけからもＮＯｘの低減効果
を得ることができる。
【０００６】さらにこの排ガス燃焼炉を使用する場合
に、一次燃焼室において、全一酸化炭素量の６０〜８０
％の一酸化炭素燃焼を９００℃程度でおこなうように
し、二次燃焼室において残余の一酸化炭素燃焼をおこな
うようにすると、一次燃焼室内は還元性雰囲気となると
ともに、従来より低温で運転されることとなる。従っ
て、排ガス燃焼炉の構成から、さらに燃焼方法の適切な
選択により、過剰空気率の低減、低い燃焼温度の選択、
燃焼ガスの高温温度域での滞留時間の低減等、ＮＯｘ低
減に有効な条件を満足させることが容易となるため、さ
らに、低ＮＯｘな運転が可能となる。
に、一次燃焼室において、全一酸化炭素量の６０〜８０
％の一酸化炭素燃焼を９００℃程度でおこなうように
し、二次燃焼室において残余の一酸化炭素燃焼をおこな
うようにすると、一次燃焼室内は還元性雰囲気となると
ともに、従来より低温で運転されることとなる。従っ
て、排ガス燃焼炉の構成から、さらに燃焼方法の適切な
選択により、過剰空気率の低減、低い燃焼温度の選択、
燃焼ガスの高温温度域での滞留時間の低減等、ＮＯｘ低
減に有効な条件を満足させることが容易となるため、さ
らに、低ＮＯｘな運転が可能となる。
【０００７】
【発明の効果】従って、排ガス燃焼炉より排出される排
ガスに含有されるＮＯｘを低レベルに抑制することが可
能な排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制御方法を
得ることができた。
ガスに含有されるＮＯｘを低レベルに抑制することが可
能な排ガス燃焼炉とこの排ガス燃焼炉の燃焼制御方法を
得ることができた。
【０００８】
【実施例】本願の排ガス燃焼炉１及びその燃焼制御方法
の実施例を図面に基づいて説明する。図３にはこの排ガ
ス燃焼炉１を備えたキュポラ排ガス系の構成が示されて
いる。即ちこのキュポラ排ガス系は、図示するようにキ
ュポラ３、サイクロン４、本願の排ガス燃焼炉１、空気
予熱器５、廃熱ボイラ６、ガス冷却器７、バグフィルタ
ー８、集塵ファン９、煙突１０等を備えて構成されてい
る。
の実施例を図面に基づいて説明する。図３にはこの排ガ
ス燃焼炉１を備えたキュポラ排ガス系の構成が示されて
いる。即ちこのキュポラ排ガス系は、図示するようにキ
ュポラ３、サイクロン４、本願の排ガス燃焼炉１、空気
予熱器５、廃熱ボイラ６、ガス冷却器７、バグフィルタ
ー８、集塵ファン９、煙突１０等を備えて構成されてい
る。
【０００９】次に、排ガス燃焼炉１の構成及びその作用
について説明する。図１にはこの排ガス燃焼炉１の縦断
面図が、図２には炉に設けられた絞り部１１の横断面図
が示されている。先ずこの排ガス燃焼炉１の概略構成及
び能力について、箇条書きする。 形式：円筒立型２段燃焼式 排ガス条件： 排ガス量 １９，０００ Ｎｍ3／Ｈ 排ガス温度 ５００ ℃ 一酸化炭素濃度 １６ ％ 燃焼方式：燃焼ゾーンに一次燃焼室１２、二次燃焼室１
３を備えた二段燃焼方式 一次燃焼要件 排ガス中に含有される一酸化炭素量の７０〜８０％を燃
焼処理 燃焼温度 ９００±２０℃ 二次燃焼要件 残余の一酸化炭素の完全燃焼を燃焼処理 燃焼温度 ８７０±２０℃ 希釈要件 二次燃焼後において希釈空気を投入し燃焼炉出温度で７
８０±２０℃とする。 付属バーナ： 本体パイロットバーナ１４（２０×１０4Kcal／Ｈ） 常時点火 補助バーナ（図示せず）（２００×１０4Kcal／Ｈ） 起動時の炉体昇温用
について説明する。図１にはこの排ガス燃焼炉１の縦断
面図が、図２には炉に設けられた絞り部１１の横断面図
が示されている。先ずこの排ガス燃焼炉１の概略構成及
び能力について、箇条書きする。 形式：円筒立型２段燃焼式 排ガス条件： 排ガス量 １９，０００ Ｎｍ3／Ｈ 排ガス温度 ５００ ℃ 一酸化炭素濃度 １６ ％ 燃焼方式：燃焼ゾーンに一次燃焼室１２、二次燃焼室１
３を備えた二段燃焼方式 一次燃焼要件 排ガス中に含有される一酸化炭素量の７０〜８０％を燃
焼処理 燃焼温度 ９００±２０℃ 二次燃焼要件 残余の一酸化炭素の完全燃焼を燃焼処理 燃焼温度 ８７０±２０℃ 希釈要件 二次燃焼後において希釈空気を投入し燃焼炉出温度で７
８０±２０℃とする。 付属バーナ： 本体パイロットバーナ１４（２０×１０4Kcal／Ｈ） 常時点火 補助バーナ（図示せず）（２００×１０4Kcal／Ｈ） 起動時の炉体昇温用
【００１０】次に排ガス燃焼炉１の構成の詳細について
説明する。この燃焼炉１は、鋼板製外殻にレンガ若しく
はキャスタルブル耐火材を内張りして成る空塔として構
成され、図示するように、キュポラ３からの排ガスが流
入する排ガス入口１５から順に、一次燃焼室１２、連結
流路１６、二次燃焼室１３、希釈室１７を備えて構成さ
れている。そして、この一次燃焼室１２に対してこの部
位に一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段とし
ての一次燃焼空気吹き込みノズル１８が備えられるとと
もに、本体パイロットバーナ１４、及び補助バーナ（図
示せず）が備えられている。
説明する。この燃焼炉１は、鋼板製外殻にレンガ若しく
はキャスタルブル耐火材を内張りして成る空塔として構
成され、図示するように、キュポラ３からの排ガスが流
入する排ガス入口１５から順に、一次燃焼室１２、連結
流路１６、二次燃焼室１３、希釈室１７を備えて構成さ
れている。そして、この一次燃焼室１２に対してこの部
位に一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給手段とし
ての一次燃焼空気吹き込みノズル１８が備えられるとと
もに、本体パイロットバーナ１４、及び補助バーナ（図
示せず）が備えられている。
【００１１】前述の一次燃焼室１２と二次燃焼室１３と
の間には絞り部１１が設けられており、炉壁部を室側に
張り出すことにより、連結流路１６の流路断面積が一次
燃焼室１２の流路断面積の半分とされている。さらに、
この絞り部１１の下方側のリング状の面が輻射熱反射面
１１ａとして働く。この絞り部１１を構成する突出部の
内周面１１ｂには二次燃焼用の二次燃焼空気を、連結流
路１６を介して二次燃焼室１３に供給する二次燃焼空気
供給手段としての二次燃焼空気へッダー１９およびこれ
に直結する二次燃焼空気吹出しノズル２０が開口されて
いる。ここで、この二次燃焼空気吹出しノズル２０は、
図２に示すように、周方向で１２個設けられるととも
に、その吹出し方向が、炉の縦方向では水平に、径方向
に対して各々１０度の傾きを持って備えられている。こ
の構成を採用することにより、二次燃焼空気は渦状態で
導入され、良好な混合がおこなわれる。
の間には絞り部１１が設けられており、炉壁部を室側に
張り出すことにより、連結流路１６の流路断面積が一次
燃焼室１２の流路断面積の半分とされている。さらに、
この絞り部１１の下方側のリング状の面が輻射熱反射面
１１ａとして働く。この絞り部１１を構成する突出部の
内周面１１ｂには二次燃焼用の二次燃焼空気を、連結流
路１６を介して二次燃焼室１３に供給する二次燃焼空気
供給手段としての二次燃焼空気へッダー１９およびこれ
に直結する二次燃焼空気吹出しノズル２０が開口されて
いる。ここで、この二次燃焼空気吹出しノズル２０は、
図２に示すように、周方向で１２個設けられるととも
に、その吹出し方向が、炉の縦方向では水平に、径方向
に対して各々１０度の傾きを持って備えられている。こ
の構成を採用することにより、二次燃焼空気は渦状態で
導入され、良好な混合がおこなわれる。
【００１２】二次燃焼室１３と希釈室１７との間には、
希釈空気を供給する希釈空気吹出しノズル２１が設けら
れている。そしてさらに、この希釈室１７の頂部の排ガ
スを横方向に送りだすガス出口２２が設けられている。
希釈空気を供給する希釈空気吹出しノズル２１が設けら
れている。そしてさらに、この希釈室１７の頂部の排ガ
スを横方向に送りだすガス出口２２が設けられている。
【００１３】絞り部１１の絞り高さは、輻射熱を反射す
ることにより一次燃焼において燃焼温度を保持し燃焼の
完結を速め滞留時間を短縮する、絞り部１１により燃焼
熱の上方への放射を防ぐ、二次燃焼において燃焼の完結
を速め滞留時間を短縮する、絞り部１１によるいわゆる
ベンチュリー管効果により排ガスと燃焼空気との充分な
る混合を図る等の目的のため、一次燃焼室１２の内径を
Ｄ1、絞り部１１の内径をＤ2とするとＤ2 2／Ｄ1 2≦１／
２に設定されている。
ることにより一次燃焼において燃焼温度を保持し燃焼の
完結を速め滞留時間を短縮する、絞り部１１により燃焼
熱の上方への放射を防ぐ、二次燃焼において燃焼の完結
を速め滞留時間を短縮する、絞り部１１によるいわゆる
ベンチュリー管効果により排ガスと燃焼空気との充分な
る混合を図る等の目的のため、一次燃焼室１２の内径を
Ｄ1、絞り部１１の内径をＤ2とするとＤ2 2／Ｄ1 2≦１／
２に設定されている。
【００１４】以上が、本排ガス燃焼炉１の主な構成であ
るが、以下にその運転状況及び、ＮＯｘ低減状況につい
て説明する。 一次燃焼状況 ガス入口１５より導入されるキュポラ排ガスに、一次燃
焼空気が吹込まれ、本体パイロットバーナ１４により着
火され、一次燃焼室１２で燃焼される。ここで、一次燃
焼における一酸化炭素燃焼量は全一酸化炭素量の６０〜
８０％となるように、一次燃焼空気量を理論燃焼空気量
の６０〜８０％に制御される。この燃焼状態において
は、過剰酸素は存在しないため、一次燃焼室１２内には
残存一酸化炭素により還元性雰囲気が形成される。また
燃焼温度は、理論燃焼温度約１，１００℃を下回る約９
００℃と低く維持される。そして、絞り部１１に設けら
れているリング状の熱放射防止面１１ａの効果により上
方への熱放射が妨げられ、燃焼温度が保持され、一次燃
焼室１２内に於ける燃焼の安定性を高めると共に、燃焼
の完結が速くなり、滞留時間が短くなる。この様な要因
から、一次燃焼におけるＮＯｘは低レベルに抑制され
る。
るが、以下にその運転状況及び、ＮＯｘ低減状況につい
て説明する。 一次燃焼状況 ガス入口１５より導入されるキュポラ排ガスに、一次燃
焼空気が吹込まれ、本体パイロットバーナ１４により着
火され、一次燃焼室１２で燃焼される。ここで、一次燃
焼における一酸化炭素燃焼量は全一酸化炭素量の６０〜
８０％となるように、一次燃焼空気量を理論燃焼空気量
の６０〜８０％に制御される。この燃焼状態において
は、過剰酸素は存在しないため、一次燃焼室１２内には
残存一酸化炭素により還元性雰囲気が形成される。また
燃焼温度は、理論燃焼温度約１，１００℃を下回る約９
００℃と低く維持される。そして、絞り部１１に設けら
れているリング状の熱放射防止面１１ａの効果により上
方への熱放射が妨げられ、燃焼温度が保持され、一次燃
焼室１２内に於ける燃焼の安定性を高めると共に、燃焼
の完結が速くなり、滞留時間が短くなる。この様な要因
から、一次燃焼におけるＮＯｘは低レベルに抑制され
る。
【００１５】二次燃焼状況 一次燃焼後、二次燃焼空気が絞り部１１の内部に設けら
れた二次燃焼空気へッダー１９およびこれに直結する複
数個の二次燃焼空気吹出ノズル２０から吹込まれ、二次
燃焼室１３において残存する一酸化炭素（全一酸化炭素
量に対し２０〜４０％）が燃焼される。ここで、燃焼温
度は一次燃焼温度（約９００℃）を若干下回るところで
制御される。二次燃焼においては絞り部１１により断面
積がせばめられ排ガス流速が速くなっているところに、
絞り部先端から二次燃焼空気が吹き込まれることとな
り、いわゆるベンチュリ管効果により、排ガスと二次燃
焼空気との混合が十分に行われ、残存一酸化炭素の完全
燃焼がおこなわれる。従って、燃焼の完結が促進され滞
留時間が短くなりＮＯｘの発生が抑制される。
れた二次燃焼空気へッダー１９およびこれに直結する複
数個の二次燃焼空気吹出ノズル２０から吹込まれ、二次
燃焼室１３において残存する一酸化炭素（全一酸化炭素
量に対し２０〜４０％）が燃焼される。ここで、燃焼温
度は一次燃焼温度（約９００℃）を若干下回るところで
制御される。二次燃焼においては絞り部１１により断面
積がせばめられ排ガス流速が速くなっているところに、
絞り部先端から二次燃焼空気が吹き込まれることとな
り、いわゆるベンチュリ管効果により、排ガスと二次燃
焼空気との混合が十分に行われ、残存一酸化炭素の完全
燃焼がおこなわれる。従って、燃焼の完結が促進され滞
留時間が短くなりＮＯｘの発生が抑制される。
【００１６】希釈冷却状況 二次燃焼室１３による残存一酸化炭素の燃焼が完了した
後、燃焼排ガス中に希釈空気を希釈空気吹出しノズル２
１から吹き込み、排ガス温度を後続の空気予熱器５等の
熱回収装置の耐熱温度である８００℃に低下させる。
尚、この温度においてはＮＯｘの発生は殆どない。
後、燃焼排ガス中に希釈空気を希釈空気吹出しノズル２
１から吹き込み、排ガス温度を後続の空気予熱器５等の
熱回収装置の耐熱温度である８００℃に低下させる。
尚、この温度においてはＮＯｘの発生は殆どない。
【００１７】以下に、説明した排ガス燃焼炉１の運転状
況を説明する。各ガスに対するデータを表１に示した。
況を説明する。各ガスに対するデータを表１に示した。
【００１８】
【表１】
【００１９】結果、一酸化炭素に対する処理が充分完了
していることがわかる。さらに、このような運転条件に
於けるＮＯｘ低減の効果について説明すると、燃焼ゾー
ンと希釈ゾーンとを備えた従来型の排ガス燃焼炉が採用
する１段燃焼方式に於けるＮＯｘ発生量が、１２０ｐｐ
ｍ（Ｏ2：０％換算値）程度であるのに対して、本発明
による一次燃焼と二次燃焼の区切部に絞り部１１を設
け、絞り部先端から二次空気を吹出させる２段燃焼方式
に於いては、ＮＯｘ発生量は約４５ｐｐｍ（Ｏ2：０％
換算値）となり、半分以下に低減された。
していることがわかる。さらに、このような運転条件に
於けるＮＯｘ低減の効果について説明すると、燃焼ゾー
ンと希釈ゾーンとを備えた従来型の排ガス燃焼炉が採用
する１段燃焼方式に於けるＮＯｘ発生量が、１２０ｐｐ
ｍ（Ｏ2：０％換算値）程度であるのに対して、本発明
による一次燃焼と二次燃焼の区切部に絞り部１１を設
け、絞り部先端から二次空気を吹出させる２段燃焼方式
に於いては、ＮＯｘ発生量は約４５ｐｐｍ（Ｏ2：０％
換算値）となり、半分以下に低減された。
【００２０】上記の実施例においては、排ガス燃焼炉１
を立型に形成したが、これは横置型等任意に構成するこ
とが可能である。さらに、二次燃焼空気供給手段につい
ては、二次燃焼空気へッダー１９を外殻外に配設し、こ
れに直結する複数個の二次空気吹出ノズル２０のみを内
蔵する構造としても良い。
を立型に形成したが、これは横置型等任意に構成するこ
とが可能である。さらに、二次燃焼空気供給手段につい
ては、二次燃焼空気へッダー１９を外殻外に配設し、こ
れに直結する複数個の二次空気吹出ノズル２０のみを内
蔵する構造としても良い。
【００２１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図１】排ガス燃焼炉の縦断面図
【図２】絞り部の横断面図
【図３】キュポラ排ガス処理系の全体フロー図
１ 排ガス燃焼炉 １１ 絞り部 １１ａ 輻射熱反射面 １２ 一次燃焼室 １３ 二次燃焼室 １６ 連結流路 １９ 二次燃焼空気供給手段 ２０ 二次燃焼空気供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 英雄 大阪府大阪市東成区中道１丁目４番２号 大阪ガスエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 椋木 悟 大阪府大阪市東成区中道１丁目４番２号 大阪ガスエンジニアリング株式会社内
Claims (3)
- 【請求項１】 排ガスに含有される一酸化炭素を燃焼処
理する排ガス燃焼炉であって、 処理対象の排ガスが流入して一次燃焼処理される一次燃
焼室（１２）と、前記一次燃焼室（１２）で処理された
排ガスが二次燃焼処理される二次燃焼室（１３）とを備
え、 前記一次燃焼室（１２）から前記二次燃焼室（１３）へ
排ガスが移流する連結流路（１６）に、前記一次燃焼室
（１２）から前記二次燃焼室（１３）への熱放射を防止
し、一次燃焼室へ輻射熱を反射する輻射熱反射面（１１
ａ）を備えるとともに、前記連結流路（１６）の流路断
面積を絞る絞り部（１１）を設け、 前記連結流路（１６）に二次燃焼空気を供給する二次燃
焼空気供給手段（１９）（２０）を、前記絞り部（１
１）に備えた排ガス燃焼炉。 - 【請求項２】 前記連結流路（１６）の断面積が、前記
一次燃焼室（１２）の流路断面積の半分以下である請求
項１記載の排ガス燃焼炉。 - 【請求項３】 請求項１記載の排ガス燃焼炉（１）の燃
焼制御方法であって、 一次燃焼室（１２）に供給する一次燃焼空気の量を、排
ガスに含有される一酸化炭素量の理論燃焼空気量の６０
〜８０％に制御し、前記一次燃焼室（１２）内の温度を
９００℃近傍に維持して一次燃焼処理をおこなうととも
に、 二次燃焼室（１３）において、残余の一酸化炭素に対し
て理論燃焼空気量以上の二次燃焼空気を供給して、前記
残余の一酸化炭素を二次燃焼処理する排ガス燃焼炉の燃
焼制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4071810A JP3026671B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4071810A JP3026671B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05272736A true JPH05272736A (ja) | 1993-10-19 |
| JP3026671B2 JP3026671B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=13471298
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4071810A Expired - Lifetime JP3026671B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3026671B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005003285A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-06 | Nippon Steel Corp | 廃棄物溶融設備の燃焼室 |
| JP2008166070A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 排燃料燃焼器を備えた燃料電池システム |
| JP2013155956A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | 二段燃焼炉および二段燃焼方法 |
| JP2018024940A (ja) * | 2013-07-25 | 2018-02-15 | ｅ−ツール株式会社 | 加熱処理炉を用いた有用貴金属等の回収方法 |
| CN108411737A (zh) * | 2018-05-08 | 2018-08-17 | 福建铁拓机械有限公司 | 沥青混合料热再生设备的燃烧室 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP4071810A patent/JP3026671B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005003285A (ja) * | 2003-06-12 | 2005-01-06 | Nippon Steel Corp | 廃棄物溶融設備の燃焼室 |
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| CN108411737A (zh) * | 2018-05-08 | 2018-08-17 | 福建铁拓机械有限公司 | 沥青混合料热再生设备的燃烧室 |
| CN108411737B (zh) * | 2018-05-08 | 2023-11-14 | 福建省铁拓机械股份有限公司 | 沥青混合料热再生设备的燃烧室 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3026671B2 (ja) | 2000-03-27 |
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