JP2005003285A - 廃棄物溶融設備の燃焼室 - Google Patents
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Abstract
【課題】大口径の燃焼室においても、可燃ガスと２次空気の良好な攪拌、混合性が維持されて、燃焼性を向上させることができる廃棄物溶融設備の燃焼室を提供する。
【解決手段】廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナ８と、２次空気を吹き込む２次空気用ノズル９を備えた、廃棄物溶融設備の燃焼室２において、２次空気用ノズル９を、２次空気を吹き込む外管と、高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込む内管とからなる２重管構造とした。
【選択図】 図１
【解決手段】廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナ８と、２次空気を吹き込む２次空気用ノズル９を備えた、廃棄物溶融設備の燃焼室２において、２次空気用ノズル９を、２次空気を吹き込む外管と、高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込む内管とからなる２重管構造とした。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを燃焼させる廃棄物溶融設備の燃焼室に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般廃棄物、産業廃棄物等の廃棄物を廃棄物溶融炉で乾燥、熱分解、燃焼、溶融してスラグとメタルにする廃棄物溶融処理において、溶融炉で発生した可燃ガスは排ガス処理設備で熱回収、無害化処理される。
【０００３】
図４は従来の廃棄物溶融処理設備の排ガス処理の系統図で、廃棄物溶融炉１、燃焼室２、廃熱ボイラ３、排ガス温度調節器４、集じん器５が順次接続されている。廃棄物溶融炉１で発生した可燃ガスは燃焼室２へ送って燃焼させ、燃焼により発生した燃焼排ガスは廃熱ボイラ３に送られて熱回収され、排ガス温度調節器４で排ガス温度を調整し、集じん器５で集じんし、誘引送風機６を通って煙突７から放出される。
【０００４】
図５は従来の燃焼室の縦断面図である。燃焼室２は、溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナ８と希釈・混合用の２次空気が吹き込まれる２次空気用ノズル９を備えている。１次空気及び２次空気は、燃焼空気送風機１０で、廃棄物ピット内の空気を吸引・昇圧して送風している（特許文献１参照）。なお、パイロットバーナ１１にはパイロットバーナファン１２で空気が送られる。
【０００５】
燃焼室では、メインバーナ部温度の調整が可能なように、空気を２段に吹き込みメインバーナ部の温度を極力上げ、さらに、１次、２次空気部で２段旋回・撹拌させることで、燃焼性の向上を図るようにしている。
【０００６】
２次空気用ノズルは、接線方向に２次空気が吹き込まれるように燃焼室の外周に複数個配置され、流速は一般に２０〜３０ｍ／ｓで吹き込んで旋回させ、可燃ガスと空気の攪拌・混合を図っている（特許文献１参照）。
【０００７】
【特許文献１】
特開平８−１２１７２８号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃焼室が大口径になると、前記の流速（２０〜３０ｍ／ｓ）では内部への貫通力が不足し、攪拌・混合性も悪くなり、高い燃焼性を維持できなくなって、未燃分が燃焼室の外へ出て行く。また、燃焼空気送風機の容量（全圧力）を大きくして２次空気の流速を高流速にすることは、コスト高となって経済的な手法ではない。
【０００９】
そこで本発明は、大口径の燃焼室においても、可燃ガスと２次空気の良好な攪拌、混合性が維持されて、燃焼性を向上させることができる廃棄物溶融設備の燃焼室を提供するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナと、２次空気を吹き込む２次空気用ノズルを備えた、廃棄物溶融設備の燃焼室において、前記２次空気用ノズルを、２次空気を吹き込む外管と、高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込む内管とからなる２重管構造としたことを特徴とする。
【００１１】
本発明は、２次空気用ノズルを２重管構造にし、外管に撹拌・混合用の２次空気、内管に比較的高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込むことにより、空気をより内部まで随伴させ、燃焼性を向上させることができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の燃焼室の縦断面図である。図１において、燃焼室２には、廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを燃焼用の１次空気により燃焼させるメインバーナ８が設けられている。メインバーナ８の上部には、図２に示すように、希釈・混合用の２次空気を吹き込む複数の２次空気用ノズル９が、接線方向に２次空気が吹き込まれて旋回するように燃焼室２の外周に設けれれている。１次空気と２次空気は、燃焼空気送風機１０により廃棄物ピット内の空気を吸引・昇圧して、約５０：５０の割合でメインバーナ８と２次空気用ノズルから吹き込まれる。パイロットバーナ１１にはパイロットバーナファン１２で空気が送られる。
【００１３】
図３は本発明で使用する２次空気用ノズルの縦断面図である。２次空気用ノズル９は２重管構造とし、外管１３に２次空気が供給され、内管１４に比較的高圧の空気又は蒸気が供給される。
【００１４】
たとえば、内管１４には既設のパイロットバーナーファン１２により比較的高圧のパイロットバーナ用空気を高流速（７５〜１００ｍ／ｓ）で吹き込むことで、外管１３に中流速（２０〜３０ｍ／ｓ）で吹き込んだ２次空気をエゼクト効果により遠くまで随伴することができ、可燃性ガスと空気の攪拌・混合性が増し、燃焼性の向上につながる。あるいはパイロットバーナーファン１２に換えてコンプレッサーを別途設けて供給してもよい。外管１３の２次空気と内管１４の高流速の空気の割合は、５０：１程度にする。
【００１５】
内管１４の高流速の空気に大容量の空気を必要とする場合は、高圧の空気の代わりに蒸気を使用してもよく、蒸気を高流速で吹き込んでも同様のエジェクタ作用が働き、撹拌・混合効果が得られる。蒸気は燃焼室の次段に配置されているボイラから蒸気の一部を抜き出してそのまま供給することができる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明は、２次空気を比較的高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込み空気をより内部まで随伴させ、可燃ガスと燃焼空気の攪拌、混合を強化し、燃焼性を向上させることができる。
【００１７】
特に大口径の燃焼室には燃焼空気送風機の容量を大きくすることなく、既設のパイロットバーナーファンや、ボイラを利用できるので、コストを低くして撹拌・混合効果を上げて燃焼性の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の燃焼室の縦断面図である。
【図２】２次空気用ノズルの配置を示す図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】本発明で使用する２次空気用ノズルの縦断面図である。
【図４】廃棄物溶融処理設備の排ガス処理の系統図である。
【図５】従来の燃焼室の縦断面図である。
【符号の説明】
１：廃棄物溶融炉１、
２：燃焼室
３：廃熱ボイラ
４：排ガス温度調節器
５：集じん器
６：誘引送風機
７：煙突
８：メインバーナ
９：２次空気用ノズル
１０：燃焼空気送風機
１１：パイロットバーナ
１２：パイロットバーナファン
１３：外管
１４：内管
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物を廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを燃焼させる廃棄物溶融設備の燃焼室に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般廃棄物、産業廃棄物等の廃棄物を廃棄物溶融炉で乾燥、熱分解、燃焼、溶融してスラグとメタルにする廃棄物溶融処理において、溶融炉で発生した可燃ガスは排ガス処理設備で熱回収、無害化処理される。
【０００３】
図４は従来の廃棄物溶融処理設備の排ガス処理の系統図で、廃棄物溶融炉１、燃焼室２、廃熱ボイラ３、排ガス温度調節器４、集じん器５が順次接続されている。廃棄物溶融炉１で発生した可燃ガスは燃焼室２へ送って燃焼させ、燃焼により発生した燃焼排ガスは廃熱ボイラ３に送られて熱回収され、排ガス温度調節器４で排ガス温度を調整し、集じん器５で集じんし、誘引送風機６を通って煙突７から放出される。
【０００４】
図５は従来の燃焼室の縦断面図である。燃焼室２は、溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナ８と希釈・混合用の２次空気が吹き込まれる２次空気用ノズル９を備えている。１次空気及び２次空気は、燃焼空気送風機１０で、廃棄物ピット内の空気を吸引・昇圧して送風している（特許文献１参照）。なお、パイロットバーナ１１にはパイロットバーナファン１２で空気が送られる。
【０００５】
燃焼室では、メインバーナ部温度の調整が可能なように、空気を２段に吹き込みメインバーナ部の温度を極力上げ、さらに、１次、２次空気部で２段旋回・撹拌させることで、燃焼性の向上を図るようにしている。
【０００６】
２次空気用ノズルは、接線方向に２次空気が吹き込まれるように燃焼室の外周に複数個配置され、流速は一般に２０〜３０ｍ／ｓで吹き込んで旋回させ、可燃ガスと空気の攪拌・混合を図っている（特許文献１参照）。
【０００７】
【特許文献１】
特開平８−１２１７２８号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃焼室が大口径になると、前記の流速（２０〜３０ｍ／ｓ）では内部への貫通力が不足し、攪拌・混合性も悪くなり、高い燃焼性を維持できなくなって、未燃分が燃焼室の外へ出て行く。また、燃焼空気送風機の容量（全圧力）を大きくして２次空気の流速を高流速にすることは、コスト高となって経済的な手法ではない。
【０００９】
そこで本発明は、大口径の燃焼室においても、可燃ガスと２次空気の良好な攪拌、混合性が維持されて、燃焼性を向上させることができる廃棄物溶融設備の燃焼室を提供するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナと、２次空気を吹き込む２次空気用ノズルを備えた、廃棄物溶融設備の燃焼室において、前記２次空気用ノズルを、２次空気を吹き込む外管と、高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込む内管とからなる２重管構造としたことを特徴とする。
【００１１】
本発明は、２次空気用ノズルを２重管構造にし、外管に撹拌・混合用の２次空気、内管に比較的高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込むことにより、空気をより内部まで随伴させ、燃焼性を向上させることができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の燃焼室の縦断面図である。図１において、燃焼室２には、廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを燃焼用の１次空気により燃焼させるメインバーナ８が設けられている。メインバーナ８の上部には、図２に示すように、希釈・混合用の２次空気を吹き込む複数の２次空気用ノズル９が、接線方向に２次空気が吹き込まれて旋回するように燃焼室２の外周に設けれれている。１次空気と２次空気は、燃焼空気送風機１０により廃棄物ピット内の空気を吸引・昇圧して、約５０：５０の割合でメインバーナ８と２次空気用ノズルから吹き込まれる。パイロットバーナ１１にはパイロットバーナファン１２で空気が送られる。
【００１３】
図３は本発明で使用する２次空気用ノズルの縦断面図である。２次空気用ノズル９は２重管構造とし、外管１３に２次空気が供給され、内管１４に比較的高圧の空気又は蒸気が供給される。
【００１４】
たとえば、内管１４には既設のパイロットバーナーファン１２により比較的高圧のパイロットバーナ用空気を高流速（７５〜１００ｍ／ｓ）で吹き込むことで、外管１３に中流速（２０〜３０ｍ／ｓ）で吹き込んだ２次空気をエゼクト効果により遠くまで随伴することができ、可燃性ガスと空気の攪拌・混合性が増し、燃焼性の向上につながる。あるいはパイロットバーナーファン１２に換えてコンプレッサーを別途設けて供給してもよい。外管１３の２次空気と内管１４の高流速の空気の割合は、５０：１程度にする。
【００１５】
内管１４の高流速の空気に大容量の空気を必要とする場合は、高圧の空気の代わりに蒸気を使用してもよく、蒸気を高流速で吹き込んでも同様のエジェクタ作用が働き、撹拌・混合効果が得られる。蒸気は燃焼室の次段に配置されているボイラから蒸気の一部を抜き出してそのまま供給することができる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明は、２次空気を比較的高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込み空気をより内部まで随伴させ、可燃ガスと燃焼空気の攪拌、混合を強化し、燃焼性を向上させることができる。
【００１７】
特に大口径の燃焼室には燃焼空気送風機の容量を大きくすることなく、既設のパイロットバーナーファンや、ボイラを利用できるので、コストを低くして撹拌・混合効果を上げて燃焼性の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の燃焼室の縦断面図である。
【図２】２次空気用ノズルの配置を示す図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】本発明で使用する２次空気用ノズルの縦断面図である。
【図４】廃棄物溶融処理設備の排ガス処理の系統図である。
【図５】従来の燃焼室の縦断面図である。
【符号の説明】
１：廃棄物溶融炉１、
２：燃焼室
３：廃熱ボイラ
４：排ガス温度調節器
５：集じん器
６：誘引送風機
７：煙突
８：メインバーナ
９：２次空気用ノズル
１０：燃焼空気送風機
１１：パイロットバーナ
１２：パイロットバーナファン
１３：外管
１４：内管
Claims (1)
- 廃棄物溶融炉で発生した可燃ガスを１次空気で燃焼させるメインバーナと、２次空気を吹き込む２次空気用ノズルを備えた、廃棄物溶融設備の燃焼室において、
前記２次空気用ノズルを、２次空気を吹き込む外管と、高圧の空気あるいは蒸気を高流速で吹き込む内管とからなる２重管構造としたことを特徴とする廃棄物溶融設備の燃焼室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003167939A JP2005003285A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 廃棄物溶融設備の燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003167939A JP2005003285A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 廃棄物溶融設備の燃焼室 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005003285A true JP2005003285A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34093596
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003167939A Pending JP2005003285A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 廃棄物溶融設備の燃焼室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005003285A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007315719A (ja) * | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Takuma Co Ltd | 表面溶融炉 |
| JP2008224141A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Kurimoto Ltd | 廃棄物の焼却装置及び焼却方法 |
| CN107940475A (zh) * | 2017-12-21 | 2018-04-20 | 中冶焦耐(大连)工程技术有限公司 | 一种处理钒钛还原回转窑废气装置的燃烧室结构及工艺 |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0455609A (ja) * | 1990-06-21 | 1992-02-24 | Kubota Corp | 焼却炉の二次空気吹込み方法 |
| JPH05272736A (ja) * | 1992-03-30 | 1993-10-19 | Osaka Gas Eng Kk | 排ガス燃焼炉及び排ガス燃焼炉の燃焼制御方法 |
| JPH08121728A (ja) * | 1994-10-27 | 1996-05-17 | Nippon Steel Corp | 廃棄物の溶融炉からの発生ガスの燃焼方法および廃棄物溶融炉の２次燃焼炉 |
| JPH10339407A (ja) * | 1997-06-09 | 1998-12-22 | Babcock Hitachi Kk | 燃焼装置 |
| JP2000193224A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-14 | Nkk Corp | 含塵排ガス燃焼処理装置 |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003167939A patent/JP2005003285A/ja active Pending
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH0455609A (ja) * | 1990-06-21 | 1992-02-24 | Kubota Corp | 焼却炉の二次空気吹込み方法 |
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| JP2008224141A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Kurimoto Ltd | 廃棄物の焼却装置及び焼却方法 |
| CN107940475A (zh) * | 2017-12-21 | 2018-04-20 | 中冶焦耐(大连)工程技术有限公司 | 一种处理钒钛还原回转窑废气装置的燃烧室结构及工艺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| A521 | Written amendment |
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| A02 | Decision of refusal |
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