JPH05271283A - インスリン同族体 - Google Patents
インスリン同族体Info
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- JPH05271283A JPH05271283A JP4160813A JP16081392A JPH05271283A JP H05271283 A JPH05271283 A JP H05271283A JP 4160813 A JP4160813 A JP 4160813A JP 16081392 A JP16081392 A JP 16081392A JP H05271283 A JPH05271283 A JP H05271283A
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- JP
- Japan
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- seq
- xaa
- asp
- insulin
- asn
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- Withdrawn
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/575—Hormones
- C07K14/62—Insulins
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
- A61P3/10—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
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- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 過血糖症を処置するために有用である、改変
された生理学的及び薬力学的性質を有する化合物を提供
することを目的とする。 【構成】 ヒトインスリンB鎖の10位にAsp残基を含
有し、B鎖の先端C末端を有し、要すれば他の部位にも
修飾を有するヒトインスリンの同族体に関する。
された生理学的及び薬力学的性質を有する化合物を提供
することを目的とする。 【構成】 ヒトインスリンB鎖の10位にAsp残基を含
有し、B鎖の先端C末端を有し、要すれば他の部位にも
修飾を有するヒトインスリンの同族体に関する。
Description
【0001】本発明はヒトの医療分野に属するものであ
り、詳細には糖尿病の処置に関する。より詳細には、本
発明は、ヒトインスリン分子の同族体、その同族体を使
用する方法、及びそのインスリン同族体を含有する医薬
製剤に関する。真性糖尿病は体組織が炭水化物を正常の
速度で酸化できないことを特徴とする代謝性疾患であ
る。インスリンの欠乏は、糖尿病の疾病状態における最
も重要な因子である。最近70年間は、制御された量の
インスリンを投与することにより糖尿病の患者が大いに
助けられている。1980年代の初期までは、糖尿病に
使用されるインスリンは動物の膵臓、一般にはウシ及び
ブタの膵臓から単離されたものであった。しかし、組換
えDNA技術の導入により、天然のヒトインスリン並び
に天然に存在するヒトインスリンの同族体及び天然には
存在しないヒトインスリンの同族体が大量に生産できる
ようになった。これらのインスリン同族体は、天然のヒ
トインスリンと比較すると別個の物理的及び化学的性質
を示すものである。
り、詳細には糖尿病の処置に関する。より詳細には、本
発明は、ヒトインスリン分子の同族体、その同族体を使
用する方法、及びそのインスリン同族体を含有する医薬
製剤に関する。真性糖尿病は体組織が炭水化物を正常の
速度で酸化できないことを特徴とする代謝性疾患であ
る。インスリンの欠乏は、糖尿病の疾病状態における最
も重要な因子である。最近70年間は、制御された量の
インスリンを投与することにより糖尿病の患者が大いに
助けられている。1980年代の初期までは、糖尿病に
使用されるインスリンは動物の膵臓、一般にはウシ及び
ブタの膵臓から単離されたものであった。しかし、組換
えDNA技術の導入により、天然のヒトインスリン並び
に天然に存在するヒトインスリンの同族体及び天然には
存在しないヒトインスリンの同族体が大量に生産できる
ようになった。これらのインスリン同族体は、天然のヒ
トインスリンと比較すると別個の物理的及び化学的性質
を示すものである。
【0002】天然のヒトインスリンはB鎖の10位にヒ
スチジン残基を含有している。このヒスチジン残基をア
スパラギン酸残基と置換し、またB鎖の29位及び30
位のリジン及びスレオニン残基を除去すると、溶液中で
凝集するAsp(B10),デス(B29−30)ヒトインス
リン同族体が得られる。意外にも、この同族体の28位
におけるプロリン残基を除去してAsp(B10),デス
(B28−30)ヒトインスリンとすると、安定であり、
かつ迅速に作用する、溶液中では主としてモノマーとし
て維持される分子が得られる。さらに、このAsp(B1
0),デス(28−30)ヒトインスリンのB鎖の27位
におけるスレオニン残基を削除すると、これも安定であ
り、かつ迅速に作用し、溶液中ではモノマー性であるA
sp(B10),デス(27−30)ヒトインスリンが得られ
る。
スチジン残基を含有している。このヒスチジン残基をア
スパラギン酸残基と置換し、またB鎖の29位及び30
位のリジン及びスレオニン残基を除去すると、溶液中で
凝集するAsp(B10),デス(B29−30)ヒトインス
リン同族体が得られる。意外にも、この同族体の28位
におけるプロリン残基を除去してAsp(B10),デス
(B28−30)ヒトインスリンとすると、安定であり、
かつ迅速に作用する、溶液中では主としてモノマーとし
て維持される分子が得られる。さらに、このAsp(B1
0),デス(28−30)ヒトインスリンのB鎖の27位
におけるスレオニン残基を削除すると、これも安定であ
り、かつ迅速に作用し、溶液中ではモノマー性であるA
sp(B10),デス(27−30)ヒトインスリンが得られ
る。
【0003】本発明は、天然のヒトインスリンB鎖の1
0位アミノ酸をヒスチジンからアスパラギン酸に変化さ
せ、また天然のヒトインスリンB鎖のカルボキシ末端か
らトリペプチド又はテトラペプチドを除去することによ
り修飾したヒトインスリンの同族体に関する。これらの
分子は天然のヒトインスリンA鎖の21位及び天然のヒ
トインスリンB鎖の1位及び3位の両部位も修飾されて
いることもある。これらのインスリン同族体は天然のヒ
トインスリンの生物学的活性を保持している一方で、よ
り安定であり、かつダイマー化または自己会合して高分
子量体に変わりにくいので、比較的より迅速に活性が発
現する。さらに、本発明は、本発明の同族体の有効量
を、それを必要としている患者に投与することを特徴と
する過血糖症を処置する方法も開示し、特許請求するも
のである。また、1つまたはそれ以上の製薬的に許容さ
れ得る賦形剤と共に、本発明の同族体の有効量を含有し
てなる医薬組成物をも開示し、特許請求するものであ
る。
0位アミノ酸をヒスチジンからアスパラギン酸に変化さ
せ、また天然のヒトインスリンB鎖のカルボキシ末端か
らトリペプチド又はテトラペプチドを除去することによ
り修飾したヒトインスリンの同族体に関する。これらの
分子は天然のヒトインスリンA鎖の21位及び天然のヒ
トインスリンB鎖の1位及び3位の両部位も修飾されて
いることもある。これらのインスリン同族体は天然のヒ
トインスリンの生物学的活性を保持している一方で、よ
り安定であり、かつダイマー化または自己会合して高分
子量体に変わりにくいので、比較的より迅速に活性が発
現する。さらに、本発明は、本発明の同族体の有効量
を、それを必要としている患者に投与することを特徴と
する過血糖症を処置する方法も開示し、特許請求するも
のである。また、1つまたはそれ以上の製薬的に許容さ
れ得る賦形剤と共に、本発明の同族体の有効量を含有し
てなる医薬組成物をも開示し、特許請求するものであ
る。
【0004】本発明の目的に沿って、本明細書、特許請
求の範囲に使用している用語及び略語を以下のように定
義する。 Asp(B10),デス(B28−30)HI−天然ヒトイ
ンスリンのB鎖の10位におけるヒスチジンがアスパラ
ギン酸残基に変換され、天然のヒトインスリンB鎖の2
8位から30位までのアミノ酸残基が欠失されているヒ
トインスリン同族体。 Asp(B10),デス(B27−30)HI−天然ヒトイ
ンスリンのB鎖の10位におけるヒスチジンがアスパラ
ギン酸残基に変換され、天然のヒトインスリンB鎖の2
7位から30位までのアミノ酸残基が欠失されているヒ
トインスリン同族体。 BHI−生合成ヒトインスリン。 架橋−システイン残基間のジスルフィド結合の生成。
適切に架橋した天然のヒトインスリン又はインスリン同
族体は3つのジスルフィド橋を含有している。第1のジ
スルフィド橋はA鎖の6位及び11位のシステイン残基
間に見いだされる。第2のジスルフィド橋は、A鎖の7
位のシステインをB鎖の7位のシステインと結び付けて
いる。第3のジスルフィド橋は、A鎖の20位のシステ
インをB鎖の19位のシステインと結び付けている。
求の範囲に使用している用語及び略語を以下のように定
義する。 Asp(B10),デス(B28−30)HI−天然ヒトイ
ンスリンのB鎖の10位におけるヒスチジンがアスパラ
ギン酸残基に変換され、天然のヒトインスリンB鎖の2
8位から30位までのアミノ酸残基が欠失されているヒ
トインスリン同族体。 Asp(B10),デス(B27−30)HI−天然ヒトイ
ンスリンのB鎖の10位におけるヒスチジンがアスパラ
ギン酸残基に変換され、天然のヒトインスリンB鎖の2
7位から30位までのアミノ酸残基が欠失されているヒ
トインスリン同族体。 BHI−生合成ヒトインスリン。 架橋−システイン残基間のジスルフィド結合の生成。
適切に架橋した天然のヒトインスリン又はインスリン同
族体は3つのジスルフィド橋を含有している。第1のジ
スルフィド橋はA鎖の6位及び11位のシステイン残基
間に見いだされる。第2のジスルフィド橋は、A鎖の7
位のシステインをB鎖の7位のシステインと結び付けて
いる。第3のジスルフィド橋は、A鎖の20位のシステ
インをB鎖の19位のシステインと結び付けている。
【0005】 配列番号1−配列: Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr 1 5 10 Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Xaa 15 20 [式中、XaaはAsn、Asp、Glu、Gln、Ala、Gly又
はSerである]を有するヒトインスリンA鎖の同族体で
ある、配列表に記載している第1の配列。 配列番号2−配列: Xaa Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser Asp Leu Val Glu Ala 1 5 10 Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr 15 20 25 [式中、1位のXaaはPhe又はAspであり、3位のXaa
はAsn又はAspである]を有するヒトインスリンB鎖の
同族体である、配列表に記載している第2の配列。本明
細書で使用しているすべてのアミノ酸の略語は、37
C.F.R. §1.822(b)(2)(1990)に基づい
て、米国特許及び商標局にて許諾されているものであ
る。
はSerである]を有するヒトインスリンA鎖の同族体で
ある、配列表に記載している第1の配列。 配列番号2−配列: Xaa Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser Asp Leu Val Glu Ala 1 5 10 Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr 15 20 25 [式中、1位のXaaはPhe又はAspであり、3位のXaa
はAsn又はAspである]を有するヒトインスリンB鎖の
同族体である、配列表に記載している第2の配列。本明
細書で使用しているすべてのアミノ酸の略語は、37
C.F.R. §1.822(b)(2)(1990)に基づい
て、米国特許及び商標局にて許諾されているものであ
る。
【0006】本発明は、式: 配列番号2: Xaa Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser Asp Leu Val Glu Ala 1 5 10 Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr 15 20 25 と適切に架橋している配列番号1: Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr 1 5 10 Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Xaa 15 20 [式中、配列番号1(インスリンA鎖)の21位における
XaaはAsn、Asp、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerで
あり、配列番号2(インスリンB鎖)の1位におけるXaa
はPhe又はAspであり、配列番号2の3位におけるXaa
はAsn又はAspである]で示されるインスリン同族体又
はその製薬的に許容され得る塩に関する。配列番号1の
21位におけるXaaがGly、Ala、Ser又はAsnである
ものが好ましい。アスパラギンがこの21位における最
も好ましいアミノ酸である。配列番号2の1位における
好ましいアミノ酸はPheであり、配列番号2の3位にお
いて最も好ましい残基はAsnである。本発明の特に好ま
しいインスリン同族体は、配列番号1の21位における
XaaがAsnであり、配列番号2の1位におけるXaaがP
heであり、配列番号2の3位におけるXaaがAsnである
ものである。当業者に周知の標準的な生化学の用語を用
いれば、この特に好ましい同族体はAsp(B10),デス
(B28−30)ヒトインスリンとなる。
XaaはAsn、Asp、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerで
あり、配列番号2(インスリンB鎖)の1位におけるXaa
はPhe又はAspであり、配列番号2の3位におけるXaa
はAsn又はAspである]で示されるインスリン同族体又
はその製薬的に許容され得る塩に関する。配列番号1の
21位におけるXaaがGly、Ala、Ser又はAsnである
ものが好ましい。アスパラギンがこの21位における最
も好ましいアミノ酸である。配列番号2の1位における
好ましいアミノ酸はPheであり、配列番号2の3位にお
いて最も好ましい残基はAsnである。本発明の特に好ま
しいインスリン同族体は、配列番号1の21位における
XaaがAsnであり、配列番号2の1位におけるXaaがP
heであり、配列番号2の3位におけるXaaがAsnである
ものである。当業者に周知の標準的な生化学の用語を用
いれば、この特に好ましい同族体はAsp(B10),デス
(B28−30)ヒトインスリンとなる。
【0007】本発明はまた、式: 配列番号2のアミノ酸1から26位と適切に架橋してい
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の1位におけるXaaはPhe又はAspであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩に
関する。配列番号1の21位におけるXaaがGly、Al
a、Ser又はAsnであるものが好ましく、Asnが最も好
ましい。配列番号2の1位における好ましいアミノ酸は
Pheであり、配列番号2の3位において最も好ましい残
基はAsnである。本発明の特に好ましいインスリン同族
体は、配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の1位におけるXaaがPheであり、配列番号
2の3位におけるXaaがAsnであり、配列番号2の26
残基が末端であるものである。当業者に周知の標準的な
生化学の用語を用いれば、この特に好ましい同族体はA
sp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリンとな
る。
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の1位におけるXaaはPhe又はAspであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩に
関する。配列番号1の21位におけるXaaがGly、Al
a、Ser又はAsnであるものが好ましく、Asnが最も好
ましい。配列番号2の1位における好ましいアミノ酸は
Pheであり、配列番号2の3位において最も好ましい残
基はAsnである。本発明の特に好ましいインスリン同族
体は、配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の1位におけるXaaがPheであり、配列番号
2の3位におけるXaaがAsnであり、配列番号2の26
残基が末端であるものである。当業者に周知の標準的な
生化学の用語を用いれば、この特に好ましい同族体はA
sp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリンとな
る。
【0008】別の本発明の同族体は、式: 配列番号2のアミノ酸2から27位と適切に架橋してい
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩で
ある。配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の3位におけるXaaもAsnであるものが好ま
しい。この好ましい同族体は、Asp(B10),デス(B
1),デス(B28−30)ヒトインスリンとして当業者
に知られる。さらに別の本発明の同族体は、式: 配列番号2のアミノ酸2から26位と適切に架橋してい
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩で
ある。配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の3位におけるXaaもAsnであるものが好ま
しい。この好ましい同族体は、Asp(B10),デス(B
1),デス(B27−30)ヒトインスリンとして当業者
に知られる。
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩で
ある。配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の3位におけるXaaもAsnであるものが好ま
しい。この好ましい同族体は、Asp(B10),デス(B
1),デス(B28−30)ヒトインスリンとして当業者
に知られる。さらに別の本発明の同族体は、式: 配列番号2のアミノ酸2から26位と適切に架橋してい
る配列番号1 [式中、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、配列番号
2の3位におけるXaaはAsn又はAspである]で示され
るインスリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩で
ある。配列番号1の21位におけるXaaがAsnであり、
配列番号2の3位におけるXaaもAsnであるものが好ま
しい。この好ましい同族体は、Asp(B10),デス(B
1),デス(B27−30)ヒトインスリンとして当業者
に知られる。
【0009】本発明のインスリン同族体は、亜鉛を含有
する溶液又は亜鉛を含有しない溶液中のいずれかで、ダ
イマー化あるいはそうでなくても自己会合して高分子量
体に変わる可能性が減じられている。本発明の同族体は
溶液中では一般にモノマーであるので、投与すると迅速
に活性を発現する。既述のように、本発明は本発明イン
スリン同族体の製薬的に許容され得る塩を包含してい
る。このような塩の好ましいものは、亜鉛、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩、又はこ
れらの塩の組合わせ物である。本発明のインスリン同族
体は、伝統的な方法(溶液法)、固相法、半合成法及び比
較的最近利用可能になった組換えDNA法などの認識さ
れている種々のペプチド合成法により調製することがで
きる。固相法では、アミノ酸配列は、不溶性の樹脂に固
定した最初のC-末端アミノ酸から順次構築される。こ
の固相法の手順は、スチュアート(J.Stewart)らのSolid
-Phase Peptide Synthesis,フリーマン・アンド・C
o.,サンフランシスコ,1969に記載されている。
する溶液又は亜鉛を含有しない溶液中のいずれかで、ダ
イマー化あるいはそうでなくても自己会合して高分子量
体に変わる可能性が減じられている。本発明の同族体は
溶液中では一般にモノマーであるので、投与すると迅速
に活性を発現する。既述のように、本発明は本発明イン
スリン同族体の製薬的に許容され得る塩を包含してい
る。このような塩の好ましいものは、亜鉛、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩、又はこ
れらの塩の組合わせ物である。本発明のインスリン同族
体は、伝統的な方法(溶液法)、固相法、半合成法及び比
較的最近利用可能になった組換えDNA法などの認識さ
れている種々のペプチド合成法により調製することがで
きる。固相法では、アミノ酸配列は、不溶性の樹脂に固
定した最初のC-末端アミノ酸から順次構築される。こ
の固相法の手順は、スチュアート(J.Stewart)らのSolid
-Phase Peptide Synthesis,フリーマン・アンド・C
o.,サンフランシスコ,1969に記載されている。
【0010】一般に固相法では、所望のペプチドのC末
端アミノ酸残基に相当するアミノ酸を不溶性樹脂の支持
体に引っ掛け(アンカーし)、次ぎに樹脂に固定化したこ
のC末端アミノ酸から開始してペプチド鎖を形成させ
る。個々のアミノ酸を、所望のアミノ酸配列になるまで
順次導入する。あるいは、小さなペプチドフラグメント
を製造し、所望の順序でそのペプチド鎖を導入すること
もできる。ペプチド鎖は、合成時には終始固定されたま
まであり、鎖形成が完了したなら、得られたペプチドを
樹脂から切断する。ペプチド鎖をポリスチレン樹脂に結
合するには、C末端部のカルボキシ基とその樹脂マトリ
ックスに存在する結合部位としての特異的メチレン基と
の間に、エステル結合を形成させることによって行う。
アミノ酸は、ペプチド結合を生成させるための当業界周
知の方法によって結合(カップリング)される。1つの方
法は、アミノ酸を、そのカルボキシ基がペプチドフラグ
メントの遊離N末端アミノ基とより反応し易くなってい
る誘導体へと変換することである。例えば、保護アミノ
酸をクロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル、クロロギ
酸sec-ブチル又はクロロギ酸イソブチルと反応させ、ア
ミノ酸を混合無水物に変換することができる。あるい
は、アミノ酸は、2,4,5−トリクロロフェニルエス
テル、ペンタクロロフェニルエステル、p−ニトロフェ
ニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル、又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールから生成さ
れるエステルなどの活性エステルに変換することができ
る。
端アミノ酸残基に相当するアミノ酸を不溶性樹脂の支持
体に引っ掛け(アンカーし)、次ぎに樹脂に固定化したこ
のC末端アミノ酸から開始してペプチド鎖を形成させ
る。個々のアミノ酸を、所望のアミノ酸配列になるまで
順次導入する。あるいは、小さなペプチドフラグメント
を製造し、所望の順序でそのペプチド鎖を導入すること
もできる。ペプチド鎖は、合成時には終始固定されたま
まであり、鎖形成が完了したなら、得られたペプチドを
樹脂から切断する。ペプチド鎖をポリスチレン樹脂に結
合するには、C末端部のカルボキシ基とその樹脂マトリ
ックスに存在する結合部位としての特異的メチレン基と
の間に、エステル結合を形成させることによって行う。
アミノ酸は、ペプチド結合を生成させるための当業界周
知の方法によって結合(カップリング)される。1つの方
法は、アミノ酸を、そのカルボキシ基がペプチドフラグ
メントの遊離N末端アミノ基とより反応し易くなってい
る誘導体へと変換することである。例えば、保護アミノ
酸をクロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニル、クロロギ
酸sec-ブチル又はクロロギ酸イソブチルと反応させ、ア
ミノ酸を混合無水物に変換することができる。あるい
は、アミノ酸は、2,4,5−トリクロロフェニルエス
テル、ペンタクロロフェニルエステル、p−ニトロフェ
ニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル、又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾールから生成さ
れるエステルなどの活性エステルに変換することができ
る。
【0011】もう1つのカップリング法では、N,N'
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はN,
N'−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)などの適
当なカップリング剤を用いる。他の適当なカップリング
剤は当業者に明らかであろう。ショーダー(Schroder)お
よびルーク(Lubke)のThe Peptides、アカデミック・プ
レス、1965年第III章を参照のこと。カップリング反応
時には、ペプチド合成に使用する各アミノ酸の反応性α
−アミノ基に関連する副反応を防ぐため、その官能基を
保護しなければならないことを認識すべきである。さら
に認識すべきことは、特定のアミノ酸は反応性の側鎖官
能基(例えば、スルフヒドリル、ε−アミノ、β−およ
びγ−カルボキシ、イミダゾール、グアニド及びヒドロ
キシル)を含有しており、このような官能基も最初の及
び以後のカップリング工程時に保護しなければならない
ことである。適当な保護基は当業者に既知である。例え
ば、マックオミー(McOmie)編のProtective Groups In O
rganic Chemistry、プレノーン・プレス(Plenum Pres
s)、ニューヨーク、1973、及び米国特許第4,617,
149号を参照のこと。
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はN,
N'−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)などの適
当なカップリング剤を用いる。他の適当なカップリング
剤は当業者に明らかであろう。ショーダー(Schroder)お
よびルーク(Lubke)のThe Peptides、アカデミック・プ
レス、1965年第III章を参照のこと。カップリング反応
時には、ペプチド合成に使用する各アミノ酸の反応性α
−アミノ基に関連する副反応を防ぐため、その官能基を
保護しなければならないことを認識すべきである。さら
に認識すべきことは、特定のアミノ酸は反応性の側鎖官
能基(例えば、スルフヒドリル、ε−アミノ、β−およ
びγ−カルボキシ、イミダゾール、グアニド及びヒドロ
キシル)を含有しており、このような官能基も最初の及
び以後のカップリング工程時に保護しなければならない
ことである。適当な保護基は当業者に既知である。例え
ば、マックオミー(McOmie)編のProtective Groups In O
rganic Chemistry、プレノーン・プレス(Plenum Pres
s)、ニューヨーク、1973、及び米国特許第4,617,
149号を参照のこと。
【0012】具体的に保護基を選択するに当たっては、
特定の条件を守らなければならない。α−アミノ保護基
は、(1) カップリング反応に用いられる条件下でα−
アミノ基を不活性にしなければならず、(2) 側鎖の保
護基は除去せずに、かつペプチドフラグメントの構造を
変化させない条件下で、カップリング反応後に容易に除
去できなければならず、そして(3) カップリング反応
直前の活性化の際にラセミ化の起こる可能性が排除され
ていなければならない。側鎖保護基は、(1)カップリン
グ反応に用いられる条件下で側鎖官能基を不活性にして
おかなければならず、(2) α−アミノ保護基を除去す
るときに用いられる条件下で安定でなければならず、そ
して(3) ペプチド鎖の構造を変化させない反応条件下
で、所望のアミノ酸配列の形成完了時に容易に除去でき
なければならない。ペプチド合成に有用であると知られ
ている種々の保護基は、それらを除去するために使用さ
れる試剤に対する反応性が種々異なっていることは、当
業者にとって明らかであろう。例えば、トリフェニルメ
チル及び2−(p−ビフェニルイル)イソプロピルオキ
シカルボニルなどの特定の保護基は非常に不安定であ
り、温和な酸条件下で開裂させることができる。他の保
護基、例えばt-ブチルオキシカルボニル、t-アミルオキ
シカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル及びp−
メトキシベンジルオキシカルボニルなどはそれほど不安
定でなく、これらを除去するには、トリフルオロ酢酸、
塩酸、又は酢酸中のホウ素トリフルオライドなどの中程
度に強い酸が必要である。さらに、ベンジルオキシカル
ボニル、ハロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボ
ニル、及びイソプロピルオキシカルボニルなどのその他
の保護基もそれほど不安定でなく、それらを除去するに
は、フッ化水素、臭化水素又はトリフルオロ酢酸中のト
リフルオロ酢酸ホウ素などのより強い酸が必要である。
特定の条件を守らなければならない。α−アミノ保護基
は、(1) カップリング反応に用いられる条件下でα−
アミノ基を不活性にしなければならず、(2) 側鎖の保
護基は除去せずに、かつペプチドフラグメントの構造を
変化させない条件下で、カップリング反応後に容易に除
去できなければならず、そして(3) カップリング反応
直前の活性化の際にラセミ化の起こる可能性が排除され
ていなければならない。側鎖保護基は、(1)カップリン
グ反応に用いられる条件下で側鎖官能基を不活性にして
おかなければならず、(2) α−アミノ保護基を除去す
るときに用いられる条件下で安定でなければならず、そ
して(3) ペプチド鎖の構造を変化させない反応条件下
で、所望のアミノ酸配列の形成完了時に容易に除去でき
なければならない。ペプチド合成に有用であると知られ
ている種々の保護基は、それらを除去するために使用さ
れる試剤に対する反応性が種々異なっていることは、当
業者にとって明らかであろう。例えば、トリフェニルメ
チル及び2−(p−ビフェニルイル)イソプロピルオキ
シカルボニルなどの特定の保護基は非常に不安定であ
り、温和な酸条件下で開裂させることができる。他の保
護基、例えばt-ブチルオキシカルボニル、t-アミルオキ
シカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル及びp−
メトキシベンジルオキシカルボニルなどはそれほど不安
定でなく、これらを除去するには、トリフルオロ酢酸、
塩酸、又は酢酸中のホウ素トリフルオライドなどの中程
度に強い酸が必要である。さらに、ベンジルオキシカル
ボニル、ハロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボ
ニル、及びイソプロピルオキシカルボニルなどのその他
の保護基もそれほど不安定でなく、それらを除去するに
は、フッ化水素、臭化水素又はトリフルオロ酢酸中のト
リフルオロ酢酸ホウ素などのより強い酸が必要である。
【0013】所望のペプチド配列が生成されたなら、得
られた保護ペプチドを樹脂支持体から切断しなければな
らず、またすべての保護基を除去しなければならない。
この切断反応と保護基の除去は、同時に、又は段階的に
行うことができる。樹脂支持体がクロロメチル化ポリス
チレン樹脂である場合、樹脂にペプチドをアンカーして
いる結合は、C末端部の遊離カルボキシ基と樹脂マトリ
ックスに存在する多くのクロロメチル基のなかの1つと
の間に形成されるエステル結合である。このアンカー結
合は、エステル結合を分解でき、そして樹脂マトリック
スを透過できることが知られている試剤によって切断す
ることができることをは理解されよう。1つの特に簡便
な方法は、液体無水フッ化水素で処理することによるも
のである。この試剤はペプチドを樹脂から切断するばか
りでなく、すべての保護基を除去することもできる。従
って、この試剤を使用すれば、完全に脱保護されたペプ
チドを直接的に得ることができる。保護基を除去するこ
となく、ペプチドを切断することを望む場合は、保護ペ
プチド−樹脂にメタノリシスを施せば、C末端カルボキ
シ基がメチル化された保護ペプチドを得ることができ
る。次に、得られたメチルエステル体を温和なアルカリ
条件下で加水分解すれば、遊離のC末端カルボキシルを
得ることができる。次いで、ペプチド鎖の保護基を、液
体フッ化水素などの強酸で処理して除去すればよい。メ
タノリシスに特に有用な方法は、保護ペプチド−樹脂を
クラウンエーテルの存在下にメタノール及びシアン化カ
リウムで処理する、モア(G.Moore)らのPeptides,Proc.5
th Amer.Pept.Symp.,グッドマン(M.Goodman)及びメイ
ンホッファー(J.Meienhofer)編,ジョーン・ウィレイ,
ニューヨーク,1977,518-521頁の方法である。
られた保護ペプチドを樹脂支持体から切断しなければな
らず、またすべての保護基を除去しなければならない。
この切断反応と保護基の除去は、同時に、又は段階的に
行うことができる。樹脂支持体がクロロメチル化ポリス
チレン樹脂である場合、樹脂にペプチドをアンカーして
いる結合は、C末端部の遊離カルボキシ基と樹脂マトリ
ックスに存在する多くのクロロメチル基のなかの1つと
の間に形成されるエステル結合である。このアンカー結
合は、エステル結合を分解でき、そして樹脂マトリック
スを透過できることが知られている試剤によって切断す
ることができることをは理解されよう。1つの特に簡便
な方法は、液体無水フッ化水素で処理することによるも
のである。この試剤はペプチドを樹脂から切断するばか
りでなく、すべての保護基を除去することもできる。従
って、この試剤を使用すれば、完全に脱保護されたペプ
チドを直接的に得ることができる。保護基を除去するこ
となく、ペプチドを切断することを望む場合は、保護ペ
プチド−樹脂にメタノリシスを施せば、C末端カルボキ
シ基がメチル化された保護ペプチドを得ることができ
る。次に、得られたメチルエステル体を温和なアルカリ
条件下で加水分解すれば、遊離のC末端カルボキシルを
得ることができる。次いで、ペプチド鎖の保護基を、液
体フッ化水素などの強酸で処理して除去すればよい。メ
タノリシスに特に有用な方法は、保護ペプチド−樹脂を
クラウンエーテルの存在下にメタノール及びシアン化カ
リウムで処理する、モア(G.Moore)らのPeptides,Proc.5
th Amer.Pept.Symp.,グッドマン(M.Goodman)及びメイ
ンホッファー(J.Meienhofer)編,ジョーン・ウィレイ,
ニューヨーク,1977,518-521頁の方法である。
【0014】保護ペプチドを樹脂から切断するためのも
う1つの方法は、アンモノリシスに、又はヒドラジンで
処理することに、基づくものである。要すれば、得られ
たC末端アミド又はヒドラジドを加水分解して遊離のC
末端カルボキシルにし、常法により保護基を除去するこ
とができる。さらに、N末端α−アミノ基に存在する保
護基は、樹脂支持体から保護ペプチドを切断する前、又
はそれと同時に優先的に除去できることは理解されるで
あろう。本発明のインスリン同族体のA及びB鎖は組換
えDNA法によっても調製することができる。これらの
調製法では、そのような合成にとって今日常法である手
法により、A又はB鎖の所望のペプチドをコードしてい
るヌクレオチド配列を調製する。これらの方法は、一般
には、所望のコード化配列のフラグメントとその相補配
列とをコードしているオリゴヌクレオチドを調製するこ
とを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、コード化配
列の1つのフラグメントが相補配列の2つのフラグメン
トと重複(オーバーラップ)するように、またその逆とな
るように設計する。これらオリゴヌクレオチドを対合し
て結合させ、最終的に所望の遺伝子配列を得る。
う1つの方法は、アンモノリシスに、又はヒドラジンで
処理することに、基づくものである。要すれば、得られ
たC末端アミド又はヒドラジドを加水分解して遊離のC
末端カルボキシルにし、常法により保護基を除去するこ
とができる。さらに、N末端α−アミノ基に存在する保
護基は、樹脂支持体から保護ペプチドを切断する前、又
はそれと同時に優先的に除去できることは理解されるで
あろう。本発明のインスリン同族体のA及びB鎖は組換
えDNA法によっても調製することができる。これらの
調製法では、そのような合成にとって今日常法である手
法により、A又はB鎖の所望のペプチドをコードしてい
るヌクレオチド配列を調製する。これらの方法は、一般
には、所望のコード化配列のフラグメントとその相補配
列とをコードしているオリゴヌクレオチドを調製するこ
とを含む。これらのオリゴヌクレオチドは、コード化配
列の1つのフラグメントが相補配列の2つのフラグメン
トと重複(オーバーラップ)するように、またその逆とな
るように設計する。これらオリゴヌクレオチドを対合し
て結合させ、最終的に所望の遺伝子配列を得る。
【0015】得られた配列を、クローニングベクターに
おける、それがコードしているペプチド産物が発現でき
る位置に挿入する。プロインスリン及びプロインスリン
同族体を発現できるプラスミドの構築は、1990年8
月22日に公開されたチャンス(Chance)らの欧州特許公
開第0 383 472号に記載されている。本発明イン
スリン同族体のA及びB鎖は組換えDNA法により、さ
らにプロインスリン様前駆体分子を介して調製すること
もできる。フランク(Frank)らの Peptides:Synthesis-
Structure-Function, Proc.Seventh Am.Pept.Symp.,リ
ッチ(D.Rich)及びグロス(E.Gross)編(1981)を参照のこ
と。A鎖及びB鎖のそれぞれを組み合わせる方法は、そ
れらがどのようにして製造されたかに関係なく、チャン
ス(Chance)らのPeptides: Synthesis,Structure and Fu
nction: Proc.of 7th American Peptide Symposium(198
1)の方法によって行うことができる。以下に実施例を挙
げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらを本発明
の限定と解してはならない。
おける、それがコードしているペプチド産物が発現でき
る位置に挿入する。プロインスリン及びプロインスリン
同族体を発現できるプラスミドの構築は、1990年8
月22日に公開されたチャンス(Chance)らの欧州特許公
開第0 383 472号に記載されている。本発明イン
スリン同族体のA及びB鎖は組換えDNA法により、さ
らにプロインスリン様前駆体分子を介して調製すること
もできる。フランク(Frank)らの Peptides:Synthesis-
Structure-Function, Proc.Seventh Am.Pept.Symp.,リ
ッチ(D.Rich)及びグロス(E.Gross)編(1981)を参照のこ
と。A鎖及びB鎖のそれぞれを組み合わせる方法は、そ
れらがどのようにして製造されたかに関係なく、チャン
ス(Chance)らのPeptides: Synthesis,Structure and Fu
nction: Proc.of 7th American Peptide Symposium(198
1)の方法によって行うことができる。以下に実施例を挙
げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらを本発明
の限定と解してはならない。
【0016】実施例1 Asp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリン A.酵素的半合成 標題のインスリン同族体を、Asp(B10)デスオクタペ
プチド(B23−30)ヒトインスリン及び合成テトラペ
プチド:Gly−Phe−Phe−Tyrを使用し、酵素的半合
成(逆タンパク質分解)により調製した。このテトラペプ
チドは固相ペプチド合成により調製し、Asp(B10)
デス−オクタペプチドヒトインスリンは、トリプシン加
水分解反応によって配列23−65を除去することによ
りAsp(B10)ヒトプロインスリンから誘導した。Asp
(B10)プロインスリン同族体は、1990年8月22
日公開のChanceらの欧州特許公開第0 383 472号
の教示に実質的に従って調製した。このEPO 0 38
3 472の35頁には、Met−Tyr−[Asp(B1),L
ys(B28),Pro(B29)HPI]をコードしているプ
ラスミドpRB176を構築するために使用したヌクレ
オチドリンカー配列(ii)が開示されている。この発明の
出発物質を製造するために使用されるAsp(B10)プラ
スミドは、配列(ii)中のAspをコードする配列CGAC
がPheをコードする配列TTTTと置き換わっており、
かつHisをコードする配列CTAが配列GACに置き換
わっている以外は配列(ii)に類似しているリンカーを含
有しており、Asp(B10),Lys(B28),Pro(B2
9)ヒトプロインスリンをコードするプラスミドを構成
している。遺伝子暗号の重複性(redundancy)及び当業者
の知識により、Asp(B10)ヒトプロインスリンをコー
ドするプラスミドを構築するための多くの置換が可能で
ある。
プチド(B23−30)ヒトインスリン及び合成テトラペ
プチド:Gly−Phe−Phe−Tyrを使用し、酵素的半合
成(逆タンパク質分解)により調製した。このテトラペプ
チドは固相ペプチド合成により調製し、Asp(B10)
デス−オクタペプチドヒトインスリンは、トリプシン加
水分解反応によって配列23−65を除去することによ
りAsp(B10)ヒトプロインスリンから誘導した。Asp
(B10)プロインスリン同族体は、1990年8月22
日公開のChanceらの欧州特許公開第0 383 472号
の教示に実質的に従って調製した。このEPO 0 38
3 472の35頁には、Met−Tyr−[Asp(B1),L
ys(B28),Pro(B29)HPI]をコードしているプ
ラスミドpRB176を構築するために使用したヌクレ
オチドリンカー配列(ii)が開示されている。この発明の
出発物質を製造するために使用されるAsp(B10)プラ
スミドは、配列(ii)中のAspをコードする配列CGAC
がPheをコードする配列TTTTと置き換わっており、
かつHisをコードする配列CTAが配列GACに置き換
わっている以外は配列(ii)に類似しているリンカーを含
有しており、Asp(B10),Lys(B28),Pro(B2
9)ヒトプロインスリンをコードするプラスミドを構成
している。遺伝子暗号の重複性(redundancy)及び当業者
の知識により、Asp(B10)ヒトプロインスリンをコー
ドするプラスミドを構築するための多くの置換が可能で
ある。
【0017】Asp(B10) デス−オクタペプチドヒト
インスリンは以下のようにして調製した: pH2.5
のグリシン緩衝液中、折りたたまれたAsp(B10)ヒト
プロインスリン700ml (9.8g)に水酸化アンモニ
ウム25ml を撹拌下に加えてpH10.2に調節した。
次いで、濃塩酸20ml を加えてそのpHを素早く9.1
0に調節した。この溶液に塩化カルシウムの水溶液(1
4.7mg/ml)7ml を加え、次にブタトリプシンの14
mg/ml 水溶液70ml を加え、酵素:基質の重量比を
約1:10とした。このトリプシン加水分解反応物を十
分に混合し、次いで25℃で17時間保存し、その時点
で氷酢酸160ml を加えて最終pH3.09とし、反応
を停止させた。次いでアセトニトリル105ml を加え
た。
インスリンは以下のようにして調製した: pH2.5
のグリシン緩衝液中、折りたたまれたAsp(B10)ヒト
プロインスリン700ml (9.8g)に水酸化アンモニ
ウム25ml を撹拌下に加えてpH10.2に調節した。
次いで、濃塩酸20ml を加えてそのpHを素早く9.1
0に調節した。この溶液に塩化カルシウムの水溶液(1
4.7mg/ml)7ml を加え、次にブタトリプシンの14
mg/ml 水溶液70ml を加え、酵素:基質の重量比を
約1:10とした。このトリプシン加水分解反応物を十
分に混合し、次いで25℃で17時間保存し、その時点
で氷酢酸160ml を加えて最終pH3.09とし、反応
を停止させた。次いでアセトニトリル105ml を加え
た。
【0018】Asp(B10) デス−オクタペプチドヒト
インスリンを単離して精製するため、得られたトリプシ
ン消化溶液を5.5×30cm C−18Vydac HPLC
カラム(25℃)にポンプ注入した。このクロマトグラフ
ィーを行うため、2つの緩衝液を調製した: 緩衝液A
はアセトニトリル10部及び0.5%TFA(トリフル
オロ酢酸)溶液90部を含有しており、緩衝液Bはアセ
トニトリル50部及び0.5%TFA50部を含有して
いる。緩衝液Aで手短に洗浄した後、0−20%緩衝液
Bからの直線勾配(直線グラジエント)を2.4ml/分で
16時間ポンプ注入し、次いで20−70%緩衝液Bの
直線グラジエントを8ml/分で8時間ポンプ注入した。
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリンを
含有する主要なピークがおよそ50%の緩衝液Bレベル
で溶出された。分析用逆相HPLCに基づいてこの物質
を含有する画分をまとめ、凍結乾燥した。最終的に回収
された重量は5.5gであり、これはHPLC純度93
%であった。アミノ酸分析、質量スペクトル及びNH2
−末端分析により、このAsp(B10) デス−オクタペ
プチド(B23−30)ヒトインスリンの信頼度を確認し
た。
インスリンを単離して精製するため、得られたトリプシ
ン消化溶液を5.5×30cm C−18Vydac HPLC
カラム(25℃)にポンプ注入した。このクロマトグラフ
ィーを行うため、2つの緩衝液を調製した: 緩衝液A
はアセトニトリル10部及び0.5%TFA(トリフル
オロ酢酸)溶液90部を含有しており、緩衝液Bはアセ
トニトリル50部及び0.5%TFA50部を含有して
いる。緩衝液Aで手短に洗浄した後、0−20%緩衝液
Bからの直線勾配(直線グラジエント)を2.4ml/分で
16時間ポンプ注入し、次いで20−70%緩衝液Bの
直線グラジエントを8ml/分で8時間ポンプ注入した。
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリンを
含有する主要なピークがおよそ50%の緩衝液Bレベル
で溶出された。分析用逆相HPLCに基づいてこの物質
を含有する画分をまとめ、凍結乾燥した。最終的に回収
された重量は5.5gであり、これはHPLC純度93
%であった。アミノ酸分析、質量スペクトル及びNH2
−末端分析により、このAsp(B10) デス−オクタペ
プチド(B23−30)ヒトインスリンの信頼度を確認し
た。
【0019】標題のインスリン同族体を調製するため、
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリン5
45mg及び合成テトラペプチドGly−Phe−Phe−Ty
r300mgを、ジメチルスルホキシド1部、1,4−ブ
タンジオール2部、及び0.35M トリス緩衝液1部
を含有する溶液(37℃、pHは調整せず)15ml 中で混
合した。ブタトリプシン(85mg)を加えた。得られた
溶液を十分に混合し、37℃で360分時折撹拌した。
冷アセトンによりタンパク質を沈殿させ、ジエチルエー
テルで洗浄し、窒素気流で乾燥し、6M 塩酸グアニジ
ン(0.01N塩酸)75ml 中に最終的に溶解した。こ
の清澄な試料溶液をセファデックスG−50(超微細)の
5×200cm のカラム上でゲル濾過し、4℃において
1M 酢酸で溶出した。溶出液を逆相HPLCにより2
76nmにおいてモニターした。標題の生成物を含有する
画分をまとめ(〜275ml)、水で500ml にまで希釈
し、21×250mm C−8 Zorbaxカラムにポンプ注
入し、0.1M リン酸ナトリウム中のアセトニトリル
勾配、pH2緩衝液中に生成物を溶出させた。
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリン5
45mg及び合成テトラペプチドGly−Phe−Phe−Ty
r300mgを、ジメチルスルホキシド1部、1,4−ブ
タンジオール2部、及び0.35M トリス緩衝液1部
を含有する溶液(37℃、pHは調整せず)15ml 中で混
合した。ブタトリプシン(85mg)を加えた。得られた
溶液を十分に混合し、37℃で360分時折撹拌した。
冷アセトンによりタンパク質を沈殿させ、ジエチルエー
テルで洗浄し、窒素気流で乾燥し、6M 塩酸グアニジ
ン(0.01N塩酸)75ml 中に最終的に溶解した。こ
の清澄な試料溶液をセファデックスG−50(超微細)の
5×200cm のカラム上でゲル濾過し、4℃において
1M 酢酸で溶出した。溶出液を逆相HPLCにより2
76nmにおいてモニターした。標題の生成物を含有する
画分をまとめ(〜275ml)、水で500ml にまで希釈
し、21×250mm C−8 Zorbaxカラムにポンプ注
入し、0.1M リン酸ナトリウム中のアセトニトリル
勾配、pH2緩衝液中に生成物を溶出させた。
【0020】分析用HPLCにより決定した、標題のイ
ンスリン同族体を含有する適当な画分をまとめ、水で4
倍に希釈し、25×300mm C−18 Vydacカラムに
ポンプ注入した。脱塩したタンパク質を0.5%トリフ
ルオロ酢酸中、アセトニトリル勾配で溶出させた。精製
されたインスリン同族体を含有する画分をまとめ、凍結
乾燥し、物質22mgを得た。高速原子衝撃質量分析法
(FAB/MS)及びアミノ酸分析により、その構造を確
認した。FAB/MSの結果は分子量5358.3であ
った(理論値:5358.0)。アミノ酸組成はモル単位
としてアスパラギン酸を基礎とすれば以下のようであっ
た(理論アミノ酸比を括弧内に示す): Asp、4.00
(4);Thr、1.00(1);Ser、2.50(3);Gl
u、6.90(7);Gly、3.92(4);Ala、1.0
1(1);1/2Cys、4.92(6);Val、3.55
(4);Ile、1.73(2);Leu、6.03(6);Ty
r、3.70(4);Phe、2.86(3);His、1.3
1(1);Arg、1.00(1)。
ンスリン同族体を含有する適当な画分をまとめ、水で4
倍に希釈し、25×300mm C−18 Vydacカラムに
ポンプ注入した。脱塩したタンパク質を0.5%トリフ
ルオロ酢酸中、アセトニトリル勾配で溶出させた。精製
されたインスリン同族体を含有する画分をまとめ、凍結
乾燥し、物質22mgを得た。高速原子衝撃質量分析法
(FAB/MS)及びアミノ酸分析により、その構造を確
認した。FAB/MSの結果は分子量5358.3であ
った(理論値:5358.0)。アミノ酸組成はモル単位
としてアスパラギン酸を基礎とすれば以下のようであっ
た(理論アミノ酸比を括弧内に示す): Asp、4.00
(4);Thr、1.00(1);Ser、2.50(3);Gl
u、6.90(7);Gly、3.92(4);Ala、1.0
1(1);1/2Cys、4.92(6);Val、3.55
(4);Ile、1.73(2);Leu、6.03(6);Ty
r、3.70(4);Phe、2.86(3);His、1.3
1(1);Arg、1.00(1)。
【0021】B.鎖結合 1.Asp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリン
B鎖の調製 アプライド・バイオシステムズ[Applied Biosystems]4
30Aペプチド合成装置(ソフトウェア改訂版1.4を
含む)を使用し、粗製のペプチジル樹脂を調製した。出
発固相樹脂(t-BOC-Thr(Bzl)OCH2 Pam樹脂)
0.5ミリモル(mMol)を使用した(0.61mMol/g
×0.91g)。使用したすべてのアミノ酸はBOC保
護し、グルタミン酸、アスパラギン酸及びヒスチジン以
外はすべて、購入したものを直接使用した(即ち、アプ
ライド・バイオシステムズInc.から市販されているカ
ートリッジ中、各々のカートリッジは保護アミノ酸を約
2mMol含有している)。グルタミン酸、アスパラギン酸
及びヒスチジンは市販元から入手し、それらを各カート
リッジに所望の保護アミノ酸約2mMolが含有されるよ
うカートリッジに移した。粗製のペプチジル樹脂を室温
にて減圧下に5時間乾燥し、その重量を出発重量と比較
することで、理論的な重量増加を確実にした。試料を少
量採取し、アミノ酸分析にかけ、所望のアミノ酸が正し
い比率で付加されていることを確認した。
B鎖の調製 アプライド・バイオシステムズ[Applied Biosystems]4
30Aペプチド合成装置(ソフトウェア改訂版1.4を
含む)を使用し、粗製のペプチジル樹脂を調製した。出
発固相樹脂(t-BOC-Thr(Bzl)OCH2 Pam樹脂)
0.5ミリモル(mMol)を使用した(0.61mMol/g
×0.91g)。使用したすべてのアミノ酸はBOC保
護し、グルタミン酸、アスパラギン酸及びヒスチジン以
外はすべて、購入したものを直接使用した(即ち、アプ
ライド・バイオシステムズInc.から市販されているカ
ートリッジ中、各々のカートリッジは保護アミノ酸を約
2mMol含有している)。グルタミン酸、アスパラギン酸
及びヒスチジンは市販元から入手し、それらを各カート
リッジに所望の保護アミノ酸約2mMolが含有されるよ
うカートリッジに移した。粗製のペプチジル樹脂を室温
にて減圧下に5時間乾燥し、その重量を出発重量と比較
することで、理論的な重量増加を確実にした。試料を少
量採取し、アミノ酸分析にかけ、所望のアミノ酸が正し
い比率で付加されていることを確認した。
【0022】ペプチジル樹脂1部に対してHF(5%v/v
p−チオクレゾール及び5%v/vm−クレゾールを含
有)10部(v/w)の溶液中、0℃で約1時間撹拌する
ことにより、ペプチドをペプチジル樹脂から切断し、側
鎖を脱保護した。減圧下にHFをほとんど除去した後、
得られたペプチドをエチルエーテルで沈殿させた。エチ
ルエーテルで数回すすいだ後、吸引濾過し、次いでペプ
チドを、0.1M トリス、35mg/ml Na2SO3及び2
5mg/ml Na2S4O6を含有する8M 塩酸グアニジン(p
H11)約200ml 中に溶解した。得られた溶液のpH
を5N NaOHで8.8に調節し、室温にて3時間激し
く撹拌した。得られたS−スルホン化ペプチドの溶液
を、室温においてセファデックスG−25(粗い)の5×
215cmカラムに入れた。その試料を50mM NH4H
CO3を使用して室温にて21ml/分で溶出した。流出
液を276nmでモニターし、所望の溶出液1000ml
を採取し、凍結し、凍結乾燥した。
p−チオクレゾール及び5%v/vm−クレゾールを含
有)10部(v/w)の溶液中、0℃で約1時間撹拌する
ことにより、ペプチドをペプチジル樹脂から切断し、側
鎖を脱保護した。減圧下にHFをほとんど除去した後、
得られたペプチドをエチルエーテルで沈殿させた。エチ
ルエーテルで数回すすいだ後、吸引濾過し、次いでペプ
チドを、0.1M トリス、35mg/ml Na2SO3及び2
5mg/ml Na2S4O6を含有する8M 塩酸グアニジン(p
H11)約200ml 中に溶解した。得られた溶液のpH
を5N NaOHで8.8に調節し、室温にて3時間激し
く撹拌した。得られたS−スルホン化ペプチドの溶液
を、室温においてセファデックスG−25(粗い)の5×
215cmカラムに入れた。その試料を50mM NH4H
CO3を使用して室温にて21ml/分で溶出した。流出
液を276nmでモニターし、所望の溶出液1000ml
を採取し、凍結し、凍結乾燥した。
【0023】2.Asp(B10) デス(B27−30)ヒ
トインスリンB鎖とヒトインスリンA鎖との結合 EPO 0 383,472[前掲]に記載のようにして組
換え的に製造したA鎖を使用し、チャンス(Chance)らの
操作[前掲]によって、A鎖及びB鎖を結合させた。組換
えDNA誘導化A鎖S−スルホネート2.27g及び合
成Asp(B10)デス(27−30)B鎖S−スルホネート
511mgをフラスコ中で混合し、環境温度下、0.1
M グリシン緩衝液245ml 中に溶解した。得られた溶
液のpHを5N 水酸化ナトリウムにより10.5に調節
し、次いで4℃に冷却した。環境温度下、0.1M グ
リシン緩衝液中、濃度15.5mg/ml のジチオトレイ
トール(DTT)溶液を調製し、5N 水酸化ナトリウ
ムでそのpHを10.5に調節し、次いで4℃に冷却し
た。A鎖及びB鎖S−スルホネートの混合溶液に素早く
DTT溶液18.5ml を加えた(SH/SSO3 -=
1.0)。500ml 容量エーレンマイヤーフラスコ
中、4℃で26時間その反応混合物を撹拌した。リン酸
(3.7ml)を加え、その反応物のpHを2.9にまで低
下させた。
トインスリンB鎖とヒトインスリンA鎖との結合 EPO 0 383,472[前掲]に記載のようにして組
換え的に製造したA鎖を使用し、チャンス(Chance)らの
操作[前掲]によって、A鎖及びB鎖を結合させた。組換
えDNA誘導化A鎖S−スルホネート2.27g及び合
成Asp(B10)デス(27−30)B鎖S−スルホネート
511mgをフラスコ中で混合し、環境温度下、0.1
M グリシン緩衝液245ml 中に溶解した。得られた溶
液のpHを5N 水酸化ナトリウムにより10.5に調節
し、次いで4℃に冷却した。環境温度下、0.1M グ
リシン緩衝液中、濃度15.5mg/ml のジチオトレイ
トール(DTT)溶液を調製し、5N 水酸化ナトリウ
ムでそのpHを10.5に調節し、次いで4℃に冷却し
た。A鎖及びB鎖S−スルホネートの混合溶液に素早く
DTT溶液18.5ml を加えた(SH/SSO3 -=
1.0)。500ml 容量エーレンマイヤーフラスコ
中、4℃で26時間その反応混合物を撹拌した。リン酸
(3.7ml)を加え、その反応物のpHを2.9にまで低
下させた。
【0024】得られた沈殿混合物をmilli-Q水及びアセ
トニトリルで希釈し、逆相HPLCにより精製した
[0.1M NaH2PO4,pH2.3中でアセトニトリル
を増加させる直線勾配を使用し、流速2.6ml/分、室
温にて50×300mm Vydac C−18カラムを溶出す
る]。280nmで溶出液をモニターする。分析用HPL
Cにより、選択した画分を検定する。所望の画分をまと
め(405ml)、milli-Q水400ml で希釈し、Na2S4
O6(1.2g)と混合し、5N 水酸化ナトリウムでpH
7に調節し、逆相HPLC[21×250mm DuPont
Zorbax C−8カラムを使用し、0.1M (NH4)2HP
O4中、アセトニトリルを増量する直線勾配により、室
温、2.0ml/分で溶出する]によってさらに精製し
た。溶出液を280nmでモニターした。分析用HPLC
によって、選択した画分を検定した。所望の画分をまと
め、H3PO4でpH2.3に調節し、Vydac C−18
HPLCカラム(21×250mm)に入れ、0.5%水性
TFA中、アセトニトリルを増量する直線勾配で溶出し
た。溶出液を280nmでモニターした。選択した画分を
分析用HPLCによって検定した。適当な画分をまと
め、凍結乾燥し、インスリン同族体135mgを得た。
これは逆相HPLCによれば純度91%以上であった。
高速原子衝撃質量分析法(FAB/MS)及びアミノ酸分
析により、その構造を確認した。FAB/MSの結果は
分子量5358.5であった(理論値:5358.0)。
アミノ酸組成はモル単位としてアスパラギン酸を基礎と
すれば以下のようであった(理論アミノ酸比を括弧内に
示す): Asp、4.00(4);Thr、0.98(1);
Ser、2.72(3);Glu、7.14(7);Gly、3.
93(4);Ala、0.98(1);1/2Cys、5.44
(6);Val、3.44(4);Ile、1.51(2);Le
u、6.14(6);Tyr、3.86(4);Phe、2.8
8(3);His、1.09(1);Arg、0.97(1)。
トニトリルで希釈し、逆相HPLCにより精製した
[0.1M NaH2PO4,pH2.3中でアセトニトリル
を増加させる直線勾配を使用し、流速2.6ml/分、室
温にて50×300mm Vydac C−18カラムを溶出す
る]。280nmで溶出液をモニターする。分析用HPL
Cにより、選択した画分を検定する。所望の画分をまと
め(405ml)、milli-Q水400ml で希釈し、Na2S4
O6(1.2g)と混合し、5N 水酸化ナトリウムでpH
7に調節し、逆相HPLC[21×250mm DuPont
Zorbax C−8カラムを使用し、0.1M (NH4)2HP
O4中、アセトニトリルを増量する直線勾配により、室
温、2.0ml/分で溶出する]によってさらに精製し
た。溶出液を280nmでモニターした。分析用HPLC
によって、選択した画分を検定した。所望の画分をまと
め、H3PO4でpH2.3に調節し、Vydac C−18
HPLCカラム(21×250mm)に入れ、0.5%水性
TFA中、アセトニトリルを増量する直線勾配で溶出し
た。溶出液を280nmでモニターした。選択した画分を
分析用HPLCによって検定した。適当な画分をまと
め、凍結乾燥し、インスリン同族体135mgを得た。
これは逆相HPLCによれば純度91%以上であった。
高速原子衝撃質量分析法(FAB/MS)及びアミノ酸分
析により、その構造を確認した。FAB/MSの結果は
分子量5358.5であった(理論値:5358.0)。
アミノ酸組成はモル単位としてアスパラギン酸を基礎と
すれば以下のようであった(理論アミノ酸比を括弧内に
示す): Asp、4.00(4);Thr、0.98(1);
Ser、2.72(3);Glu、7.14(7);Gly、3.
93(4);Ala、0.98(1);1/2Cys、5.44
(6);Val、3.44(4);Ile、1.51(2);Le
u、6.14(6);Tyr、3.86(4);Phe、2.8
8(3);His、1.09(1);Arg、0.97(1)。
【0025】実施例2 Asp(B10),デス(B28−30)ヒトインスリン 標題のインスリン同族体を、Asp(B10)デス−オクタ
ペプチド(B23−30)ヒトインスリン及び合成ペンタ
ペプチド:Gly−Phe−Phe−Tyr−Thrを使用し、実
施例1に従って酵素的半合成(逆タンパク質分解)により
調製した。このペンタペプチドは固相ペプチド合成によ
り調製し、Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトイ
ンスリンは、実施例1に記載のようにトリプシン加水分
解反応によって配列23−65を除去することによりA
sp(B10)ヒトプロインスリンから誘導した。
ペプチド(B23−30)ヒトインスリン及び合成ペンタ
ペプチド:Gly−Phe−Phe−Tyr−Thrを使用し、実
施例1に従って酵素的半合成(逆タンパク質分解)により
調製した。このペンタペプチドは固相ペプチド合成によ
り調製し、Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトイ
ンスリンは、実施例1に記載のようにトリプシン加水分
解反応によって配列23−65を除去することによりA
sp(B10)ヒトプロインスリンから誘導した。
【0026】標題のインスリン同族体を調製するため、
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリン7
65mg及び合成ペンタペプチド:Gly−Phe−Phe−
Tyr−Thr500mgを、ジメチルスルホキシド1部、
1,4−ブタンジオール2部及び0.35M トリス緩
衝液1部を含有する溶液(37℃、pHは調整せず)21m
l 中で混合した。ブタトリプシン(127mg)を加え
た。得られた溶液を十分に混合し、37℃で360分時
折撹拌した。冷アセトンによりタンパク質を沈殿させ、
ジエチルエーテルで洗浄し、窒素気流で乾燥し、6M
塩酸グアニジン(0.01N 塩酸を用いて調製)50ml
中に最終的に溶解した。この清澄な試料溶液をセファデ
ックスG−50(超微細)の5×200cm のカラムでゲ
ル濾過し、4℃において1M 酢酸で溶出した。溶出液
を逆相HPLCにより276nmにおいてモニターした。
標題の生成物を含有する画分をまとめ(〜250ml)、水
で500ml にまで希釈し、21×250mm C−8 Zo
rbaxカラムにポンプ注入し、0.1M リン酸ナトリウ
ム、pH2緩衝液中のアセトニトリルの勾配中に生成物
を溶出させた。分析用HPLCにより決定した、標題の
インスリン同族体を含有する適当な画分をまとめ、水で
5倍に希釈し(400ml)、25×300mm C−18 V
ydacカラムにポンプ注入した。脱塩したタンパク質を
0.5%トリフルオロ酢酸中、アセトニトリル勾配で溶
出させた。精製されたインスリン同族体を含有する画分
をまとめ、凍結乾燥し、物質47mgを得た。高速原子
衝撃質量分析法(FAB/MS)及びアミノ酸分析によ
り、その構造を確認した。FAB/MSの結果は分子量
5459.2であった(理論値:5459.1)。アミノ
酸組成はモル単位としてアスパラギン酸を基礎とすれば
以下のようであった(理論アミノ酸比を括弧内に示す):
Asp、4.00(4);Thr、1.86(2);Ser、
2.56(3);Glu、7.03(7);Gly、4.01
(4);Ala、1.07(1);1/2Cys、5.38
(6);Val、3.76(4);Ile、1.85(2);Le
u、6.14(6);Tyr、3.80(4);Phe、2.9
4(3);His、1.15(1);Arg、0.96(1)。
Asp(B10) デス−オクタペプチドヒトインスリン7
65mg及び合成ペンタペプチド:Gly−Phe−Phe−
Tyr−Thr500mgを、ジメチルスルホキシド1部、
1,4−ブタンジオール2部及び0.35M トリス緩
衝液1部を含有する溶液(37℃、pHは調整せず)21m
l 中で混合した。ブタトリプシン(127mg)を加え
た。得られた溶液を十分に混合し、37℃で360分時
折撹拌した。冷アセトンによりタンパク質を沈殿させ、
ジエチルエーテルで洗浄し、窒素気流で乾燥し、6M
塩酸グアニジン(0.01N 塩酸を用いて調製)50ml
中に最終的に溶解した。この清澄な試料溶液をセファデ
ックスG−50(超微細)の5×200cm のカラムでゲ
ル濾過し、4℃において1M 酢酸で溶出した。溶出液
を逆相HPLCにより276nmにおいてモニターした。
標題の生成物を含有する画分をまとめ(〜250ml)、水
で500ml にまで希釈し、21×250mm C−8 Zo
rbaxカラムにポンプ注入し、0.1M リン酸ナトリウ
ム、pH2緩衝液中のアセトニトリルの勾配中に生成物
を溶出させた。分析用HPLCにより決定した、標題の
インスリン同族体を含有する適当な画分をまとめ、水で
5倍に希釈し(400ml)、25×300mm C−18 V
ydacカラムにポンプ注入した。脱塩したタンパク質を
0.5%トリフルオロ酢酸中、アセトニトリル勾配で溶
出させた。精製されたインスリン同族体を含有する画分
をまとめ、凍結乾燥し、物質47mgを得た。高速原子
衝撃質量分析法(FAB/MS)及びアミノ酸分析によ
り、その構造を確認した。FAB/MSの結果は分子量
5459.2であった(理論値:5459.1)。アミノ
酸組成はモル単位としてアスパラギン酸を基礎とすれば
以下のようであった(理論アミノ酸比を括弧内に示す):
Asp、4.00(4);Thr、1.86(2);Ser、
2.56(3);Glu、7.03(7);Gly、4.01
(4);Ala、1.07(1);1/2Cys、5.38
(6);Val、3.76(4);Ile、1.85(2);Le
u、6.14(6);Tyr、3.80(4);Phe、2.9
4(3);His、1.15(1);Arg、0.96(1)。
【0027】実施例3 溶液安定性 インスリン又はインスリン同族体の試料を0.1M リ
ン酸ナトリウムpH7.4(特に断らない限り、この条件
である)、0.25%クレゾール及び1.6%グリセリ
ン中、約3.5mg/ml の濃度で50℃においてインキ
ュベートすることにより、分解分析を行った。種々の時
間に、インキュベート混合物の一部を10倍過剰の6M
塩酸グアニジン、0.1M リン酸ナトリウム、pH
3.0、23℃を用いてクエンチし、HPLCサイズ排
除法により分析した。HPLCのサイズ排除比率を変え
ることなく、このクエンチしたインキュベート反応物を
2週間まで5℃で保存した。HPLCサイズ排除分析
は、6M GdnHCl、0.1Mリン酸ナトリウムを溶出
溶液として使用するDuPont Zorbax GF−250カ
ラム(50μl 注入)を用いて行った[流速=1ml/分、
23℃、及び278nmにおいて検出]。モノマーのピー
ク領域の対数と時間との傾きから、モノマーの分解速度
を決定し、分解の半減期(t1/2)をt1/2=0.69
3÷速度に従って決定した。得られた結果を以下の表1
に示す。
ン酸ナトリウムpH7.4(特に断らない限り、この条件
である)、0.25%クレゾール及び1.6%グリセリ
ン中、約3.5mg/ml の濃度で50℃においてインキ
ュベートすることにより、分解分析を行った。種々の時
間に、インキュベート混合物の一部を10倍過剰の6M
塩酸グアニジン、0.1M リン酸ナトリウム、pH
3.0、23℃を用いてクエンチし、HPLCサイズ排
除法により分析した。HPLCのサイズ排除比率を変え
ることなく、このクエンチしたインキュベート反応物を
2週間まで5℃で保存した。HPLCサイズ排除分析
は、6M GdnHCl、0.1Mリン酸ナトリウムを溶出
溶液として使用するDuPont Zorbax GF−250カ
ラム(50μl 注入)を用いて行った[流速=1ml/分、
23℃、及び278nmにおいて検出]。モノマーのピー
ク領域の対数と時間との傾きから、モノマーの分解速度
を決定し、分解の半減期(t1/2)をt1/2=0.69
3÷速度に従って決定した。得られた結果を以下の表1
に示す。
【0028】
【表1】 溶液安定性 t1/2モノマー (50℃(+/-10%)における日数) 分 子 pH7.4 pH6.1 BHI+亜鉛 94 Asp(B10),デス(B27−30)HI 89 デス(B29−30)HI 49 Asp(B10),デス(B30)HI 49 デス(B27−30)HI 46 Asp(B10),デス(B28−30)HI 37 193 Asp(B10)HI 33 デス(B28−30)HI 32 デス(B30)HI 24 BHI(亜鉛不含) 12 デス(B26−30)HI INa) Asp(B10),デス(B26−30)HI INa) a)化合物は実験の間中、溶解性を保持していないようであった。
【0029】実施例4 平 衡 変 性 ブレンス(Brems)らのBiochemistry 29:9289-9293(1990)
の教示に従って、平衡変性実験を行った。約10mg/ml
インスリン又は同族体、20mM HEPES,pH7.
5、20%(v/v)エタノール及び1mM EDTA、並
びにGdnHClを加えたもの又は加えないもののタンパ
ク質ストック溶液を調製した。約7MGdnHCl 、20m
M Hepes,pH7.5、20%(v/v)エタノール及び
1mMEDTAの変性剤ストックを調製した。タンパク
質及び変性剤ストック溶液並びに20mM HEPES,
pH7.5、20%(v/v)エタノール及び1mM ED
TAの溶液を種々の比率で混合して変性試料を調製し、
所望の変性剤濃度とした。Abbe−3L屈折計を用いる
屈折率測定によりGdnHCl 濃度を測定した。変性試料
を調製したなら、最後にタンパク質ストック溶液を加
え、次いで全試料を渦巻かせて穏やかに混合した。Gdn
HCl は、20%エタノール水溶液中において最大で約
7M の溶解性を示すので、エタノールを含有しない約
8M のストックGdNHCl 溶液から7M 以上の試料
を作成した。Aviv 62D分光装置を使用し、円二色性
測定を行った(23℃)。得られた結果を以下の表2及び
表3に示す。
の教示に従って、平衡変性実験を行った。約10mg/ml
インスリン又は同族体、20mM HEPES,pH7.
5、20%(v/v)エタノール及び1mM EDTA、並
びにGdnHClを加えたもの又は加えないもののタンパ
ク質ストック溶液を調製した。約7MGdnHCl 、20m
M Hepes,pH7.5、20%(v/v)エタノール及び
1mMEDTAの変性剤ストックを調製した。タンパク
質及び変性剤ストック溶液並びに20mM HEPES,
pH7.5、20%(v/v)エタノール及び1mM ED
TAの溶液を種々の比率で混合して変性試料を調製し、
所望の変性剤濃度とした。Abbe−3L屈折計を用いる
屈折率測定によりGdnHCl 濃度を測定した。変性試料
を調製したなら、最後にタンパク質ストック溶液を加
え、次いで全試料を渦巻かせて穏やかに混合した。Gdn
HCl は、20%エタノール水溶液中において最大で約
7M の溶解性を示すので、エタノールを含有しない約
8M のストックGdNHCl 溶液から7M 以上の試料
を作成した。Aviv 62D分光装置を使用し、円二色性
測定を行った(23℃)。得られた結果を以下の表2及び
表3に示す。
【0030】
【表2】 平衡変性 デルタG(+/−6%) 1.Asp(B10),デス(B27−30)HI 6.2 2.Asp(B10),デス(B29−30)HI 6.0 3.Asp(B10),デス(B26−30)HI 5.8 4.Asp(B10),デス(B30)HI 5.5 5.Asp(B10),デス(B28−30)HI 5.4 6.Asp(B10)HI 5.1 7.BHI(亜鉛不含) 5.1 8.Asp(B10),デス(B23−30)HI 5.1 9.デス(B28−30)HI 5.0 10.デス(B30)HI 4.6 11.デス(B26−30)HI 4.5 12.デス(B27−30)HI 4.3 13.デス(B29−30)HI 4.3 14.デス(B23−30)HI 3.8
【0031】
【表3】 平衡変性 頂点(+/−2%) 1.Asp(B10),デス(B27−30)HI 5.8 2.Asp(B10),デス(B26−30)HI 5.7 3.Asp(B10),デス(B30)HI 5.6 4.Asp(B10),デス(B23−30)HI 5.6 5.Asp(B10),デス(B29−30)HI 5.5 6.Asp(B10),デス(B28−30)HI 5.5 7.Asp(B10)HI 5.3 8.デス(B29−30)HI 5.2 9.デス(B27−30)HI 5.1 10.デス(B26−30)HI 5.1 11.デス(B30)HI 5.0 12.デス(B28−30)HI 5.0 13.デス(B23−30)HI 4.7 14.BHI(亜鉛不含) 4.5
【0032】実施例5 平 衡 超 遠 沈 沈降平衡超遠心によって、インスリンの凝集挙動を測定
した。ペーカー(Pekar,A.H.)及びフランク(Frank,B.H.)
のBiochemistry 11:4013-4016(1972)に記載の手法によ
り、各同族体の会合状態を測定した。タンパク質濃度
3.5mg/ml,pH7.2、0.05M NaCl−0.0
5M リン酸ナトリウム(4℃)のインスリン及びその関
連化合物について得られた結果を以下の表4に示す。表
中の値は、観察された重量の平均分子量を各化合物のモ
ノマー分子量で除したものである。従って、この比率は
インスリン同族体の凝集程度を示す指標となる。また、
亜鉛不含のBHIについて得られた結果も示す。本発明
の化合物はヒトインスリンと比較して、非常に弱くしか
自己会合しない挙動を示していることが明らかである。
した。ペーカー(Pekar,A.H.)及びフランク(Frank,B.H.)
のBiochemistry 11:4013-4016(1972)に記載の手法によ
り、各同族体の会合状態を測定した。タンパク質濃度
3.5mg/ml,pH7.2、0.05M NaCl−0.0
5M リン酸ナトリウム(4℃)のインスリン及びその関
連化合物について得られた結果を以下の表4に示す。表
中の値は、観察された重量の平均分子量を各化合物のモ
ノマー分子量で除したものである。従って、この比率は
インスリン同族体の凝集程度を示す指標となる。また、
亜鉛不含のBHIについて得られた結果も示す。本発明
の化合物はヒトインスリンと比較して、非常に弱くしか
自己会合しない挙動を示していることが明らかである。
【0033】
【表4】 平衡超遠沈 化 合 物 Mw/Ml 1.Asp(B10),デス(B27−30)HI 1.06 2.Asp(B10),デス(B28−30)HI 1.20 3.デス(B27−30)HI 1.80 4.Asp(B10),デス(B29−30)HI 2.0 5.Asp(B10)HI 2.3 6.デス(B28−30)HI 2.3 7.デス(B29−30)HI 4.6 8.BHI(亜鉛不含) 6.6
【0034】実施例6 レセプター結合性 本発明のインスリン同族体の生理学的効果を以下のイン
ビトロインスリンレセプター結合検定によって試験し
た。文献開示(例えば、MarshallらのJ.Clin.Endocrin,M
etab.,39:283-292(1974)のヒト胎盤細胞膜のインスリン
及びソマトメジン−Cレセプターの特性化)の方法によ
って、月満ちた(full-term)ヒト胎盤からミクロソーム
膜を入手した。100mM Hepes,pH7.8、120m
M NaCl、5mM KCl、1.2mM MgSO4、8mM
グルコール及び0.25%BSA0.5ml 中におい
て、タンパク質約30μgを、45,000−50,0
00cpmの125I[A14]−ヒトインスリン及び増量させ
るコールド競合リガンドと共にインキュベートした。4
℃において24時間後、Skatron細胞捕集器を使用して
膜をガラス繊維フィルター上に採取し、結合した125I
を測定した。種々のインスリン同族体をヒトインスリン
標品と比較するため(表5を参照)、競合結合性曲線を作
成し、125Iインスリンを50%置換するのに有効であ
るホルモン濃度を決定した。このレセプター結合試験で
は、Asp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリン
及びAsp(B10),デス(B28−30)ヒトインスリン
が特に強力であった。
ビトロインスリンレセプター結合検定によって試験し
た。文献開示(例えば、MarshallらのJ.Clin.Endocrin,M
etab.,39:283-292(1974)のヒト胎盤細胞膜のインスリン
及びソマトメジン−Cレセプターの特性化)の方法によ
って、月満ちた(full-term)ヒト胎盤からミクロソーム
膜を入手した。100mM Hepes,pH7.8、120m
M NaCl、5mM KCl、1.2mM MgSO4、8mM
グルコール及び0.25%BSA0.5ml 中におい
て、タンパク質約30μgを、45,000−50,0
00cpmの125I[A14]−ヒトインスリン及び増量させ
るコールド競合リガンドと共にインキュベートした。4
℃において24時間後、Skatron細胞捕集器を使用して
膜をガラス繊維フィルター上に採取し、結合した125I
を測定した。種々のインスリン同族体をヒトインスリン
標品と比較するため(表5を参照)、競合結合性曲線を作
成し、125Iインスリンを50%置換するのに有効であ
るホルモン濃度を決定した。このレセプター結合試験で
は、Asp(B10),デス(B27−30)ヒトインスリン
及びAsp(B10),デス(B28−30)ヒトインスリン
が特に強力であった。
【0035】
【表5】 ヒトインスリンレセプターに対する比結合強度a) 化 合 物 平均±S.E.M ヒトインスリン(HI) 100%(n=2) Asp(B10)HI 175 ± 17%(n=2) デス(B28−30)HI 69 ± 2%(n=3) デス(B27−30)HI 125 ± 14%(n=2) Asp(B10),デス(B28−30)HI 309 ± 19%(n=2) Asp(B10),デス(B27−30)HI 275 ± 15%(n=2) Asp(B10),デス(B26−30)HI 172 ± 95%(n=2) a)ヒトインスリンのEC50は0.29nM である
【0036】実施例7 ラット試験 本発明のインスリン同族体の生理学的効果を以下に記載
するインビボ検定系により試験した。カールス・リバー
・ラボラトリーズ[Charles River Laboratories,ポーテ
イジ,MI]から入手した正常なスプラーク・ダウリー(S
prague Dawley)雄性ラットを試験動物として使用した。
体重が160−180gの動物を入手し、制御した照明
サイクル[午前7時−午後7時は照射(照明オン)、午後
7時−午前7時は暗闇(照明オフ)]の条件下、75°F
の動物室で1週間飼育した。動物には、食事としてプリ
ナ・ラット・チュー(Purina rat chow)5001を自由
に摂らせた。各検定で使用した動物は、使用前16時間
絶食させた。最初に使用する時、体重は約200gであ
った。絶食させたときの体重が約275g(3週間の間)
の場合には、その動物は使用しなかった。10匹の雄性
ラットの1群を使用し、毎日、それぞれの試験化合物
(即ち、生合成ヒトインスリン、ブタインスリン、及び
ヒトインスリン同族体)を与えた。各群は、その週に1
回だけ使用した。この10匹のラットをそれぞれ5匹づ
つの群に分けた。1つの群は対照としてビヒクルのみを
皮下投与した。他方のラット5匹の群には試験すべき化
合物を投与した。これらのタンパク質は0.05N 塩
酸(pH1.6)に溶解し、1ml 当たり100μgのスト
ック溶液を調製した。このストック溶液から、普通の生
理食塩水中、多くの希釈液を調製し、ラットに皮下注射
する。投与後0時点、30分、1時間、3時間及び4時
間の時点に、各ラットの尾静脈から血液試料100μl
を採血した。グルコースオキシダーゼ法[シグマ・ケミ
カル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)]によってグル
コースを比色分析で測定した。血中グルコースの0時値
に対する変化%を各ラットについて計算し、最終結果を
その試験日における対照群の平均変化について補正した
各実験群の平均変化%±SEMとして表した。
するインビボ検定系により試験した。カールス・リバー
・ラボラトリーズ[Charles River Laboratories,ポーテ
イジ,MI]から入手した正常なスプラーク・ダウリー(S
prague Dawley)雄性ラットを試験動物として使用した。
体重が160−180gの動物を入手し、制御した照明
サイクル[午前7時−午後7時は照射(照明オン)、午後
7時−午前7時は暗闇(照明オフ)]の条件下、75°F
の動物室で1週間飼育した。動物には、食事としてプリ
ナ・ラット・チュー(Purina rat chow)5001を自由
に摂らせた。各検定で使用した動物は、使用前16時間
絶食させた。最初に使用する時、体重は約200gであ
った。絶食させたときの体重が約275g(3週間の間)
の場合には、その動物は使用しなかった。10匹の雄性
ラットの1群を使用し、毎日、それぞれの試験化合物
(即ち、生合成ヒトインスリン、ブタインスリン、及び
ヒトインスリン同族体)を与えた。各群は、その週に1
回だけ使用した。この10匹のラットをそれぞれ5匹づ
つの群に分けた。1つの群は対照としてビヒクルのみを
皮下投与した。他方のラット5匹の群には試験すべき化
合物を投与した。これらのタンパク質は0.05N 塩
酸(pH1.6)に溶解し、1ml 当たり100μgのスト
ック溶液を調製した。このストック溶液から、普通の生
理食塩水中、多くの希釈液を調製し、ラットに皮下注射
する。投与後0時点、30分、1時間、3時間及び4時
間の時点に、各ラットの尾静脈から血液試料100μl
を採血した。グルコースオキシダーゼ法[シグマ・ケミ
カル・カンパニー(Sigma Chemical Co.)]によってグル
コースを比色分析で測定した。血中グルコースの0時値
に対する変化%を各ラットについて計算し、最終結果を
その試験日における対照群の平均変化について補正した
各実験群の平均変化%±SEMとして表した。
【0037】特定の時間(通常はタンパク質投与後1ま
たは2時間)における最大応答を使用し、試験した化合
物の4から7つの種々の濃度で試験した結果を用いて用
量作用曲線を描いた。この曲線から、最大の低血糖性応
答の半分を与えるタンパク質の皮下投与量(μg/kg)を
ED50値として求めた。得られた結果を次の表6に示
す。
たは2時間)における最大応答を使用し、試験した化合
物の4から7つの種々の濃度で試験した結果を用いて用
量作用曲線を描いた。この曲線から、最大の低血糖性応
答の半分を与えるタンパク質の皮下投与量(μg/kg)を
ED50値として求めた。得られた結果を次の表6に示
す。
【表5】 低血糖活性a) 化 合 物 ED50 b) 比低血糖活性(%)c) ヒトインスリン(HI)d) 7.75 100 Asp(B10)HI 9.8 79 デス(B28−30)HI 8.1 96 デス(B27−30)HI 12.7 61 Asp(B10),デス(B28−30)HI 7.7 101 Asp(B10),デス(B27−30)HI 11.9 65Asp(B10),デス(B26−30)HI 11.0 70 a)すべての値は化合物投与後1時間目に採取した血液
試料についてのものである。 b)μg/kgで表している。皮下。 c)ヒトインスリンに対する%。 d)生合成ヒトインスリン。
試料についてのものである。 b)μg/kgで表している。皮下。 c)ヒトインスリンに対する%。 d)生合成ヒトインスリン。
【0038】既述したように、本発明のインスリン同族
体は、ダイマー化するか、又はそうでなくても自己会合
して高分子量体になるという傾向が減少されている。従
って、1つ又はそれ以上の本発明同族体を投与すると、
活性が急速に現れる。本発明のインスリン同族体は、そ
れを必要としている患者に式(I)で示されるインスリン
同族体の有効量を投与することによって過血糖症を処置
する上で有効である。本明細書中で使用している「有効
量」なる用語は、糖の血中レベルを治療的又は予防的に
低下又は維持させるのに必要とされる、1つ又はそれ以
上の本発明のインスリン同族体の量を意味する。この量
は通常、1日当たり約10単位から約60単位又はそれ
以上とすることができる[あるいは1mg当たり約29単
位と推定して約0.3から約2mg]。しかし、実際に投
与するインスリン同族体(群)の量は、処置する状態(即
ち、過血糖症の原因)、投与する具体的な同族体、選択
する腸管外の投与経路、個々の患者の年令、体重及び応
答性、並びに患者の症状の重篤度など、関連する状況に
照らして臨床医によって決定されるものであることは理
解されよう。従って、上記投与量の範囲は、あらゆる意
味においても本発明の限定を意図するものではない。
体は、ダイマー化するか、又はそうでなくても自己会合
して高分子量体になるという傾向が減少されている。従
って、1つ又はそれ以上の本発明同族体を投与すると、
活性が急速に現れる。本発明のインスリン同族体は、そ
れを必要としている患者に式(I)で示されるインスリン
同族体の有効量を投与することによって過血糖症を処置
する上で有効である。本明細書中で使用している「有効
量」なる用語は、糖の血中レベルを治療的又は予防的に
低下又は維持させるのに必要とされる、1つ又はそれ以
上の本発明のインスリン同族体の量を意味する。この量
は通常、1日当たり約10単位から約60単位又はそれ
以上とすることができる[あるいは1mg当たり約29単
位と推定して約0.3から約2mg]。しかし、実際に投
与するインスリン同族体(群)の量は、処置する状態(即
ち、過血糖症の原因)、投与する具体的な同族体、選択
する腸管外の投与経路、個々の患者の年令、体重及び応
答性、並びに患者の症状の重篤度など、関連する状況に
照らして臨床医によって決定されるものであることは理
解されよう。従って、上記投与量の範囲は、あらゆる意
味においても本発明の限定を意図するものではない。
【0039】本発明のインスリン同族体はそれを必要と
している患者(即ち、過血糖症に罹患している患者)に投
与するに当たり、少なくとも1つの式(I)で示されるイ
ンスリン同族体の有効量を1つ又はそれ以上の製薬的に
許容され得る賦形剤又は担体と共に含有している医薬組
成物として投与する。この目的には、通常、有効量のイ
ンスリン同族体(群)を1ml 当たり約100単位、又は
それよりも小さい濃度となるように含有する医薬組成物
を製剤化すればよい。これらの組成物は、必須ではない
が腸管外投与するのが通常であり、当業界周知の腸管外
製品のための通常の賦形剤又は担体を使用する各種の方
法のいずれの方法によっても製造することができる。例
えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,17版,マ
ック・パブリッシィング・カンパニー,米国,PA,イースト
ン(1985)を参照のこと。例えば、腸管外投与のための投
与剤形は、少なくとも1つの式(I)で示されるインスリ
ン同族体の所望の量を注射に適した水性媒質などの無毒
性の液状ビヒクルに懸濁又は溶解し、そして得られた懸
濁液又は溶解液を滅菌することによって調製することが
できる。あるいは、測定した化合物の量をバイアルに入
れ、そのバイアル及び内容物を滅菌して封栓してもよ
い。ここに付随するバイアル又はビヒクルは、投与前の
混合を目的として得ることができる。腸管外投与に適し
た医薬組成物には、水及び水混和性有機溶媒、例えばグ
リセリン、ゴマ油、グランドナッツ油、水性プロピレン
グリコール、N,N'−ジメチルホルムアミドなどの希
釈剤、賦形剤、担体を使用する。医薬組成物の例として
は、製薬的に許容され得る緩衝液で緩衝化することので
きる、パイロジェン不含の式(I)で示されるインスリン
同族体の滅菌した等張性生理食塩水が挙げられる。さら
に、この腸管外医薬製剤には、メタ−クレゾールなどの
保存剤、又は水酸化ナトリウム又は塩酸などの最終製品
のpHを調節するためのその他の活性剤を含有させるこ
ともできる。
している患者(即ち、過血糖症に罹患している患者)に投
与するに当たり、少なくとも1つの式(I)で示されるイ
ンスリン同族体の有効量を1つ又はそれ以上の製薬的に
許容され得る賦形剤又は担体と共に含有している医薬組
成物として投与する。この目的には、通常、有効量のイ
ンスリン同族体(群)を1ml 当たり約100単位、又は
それよりも小さい濃度となるように含有する医薬組成物
を製剤化すればよい。これらの組成物は、必須ではない
が腸管外投与するのが通常であり、当業界周知の腸管外
製品のための通常の賦形剤又は担体を使用する各種の方
法のいずれの方法によっても製造することができる。例
えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,17版,マ
ック・パブリッシィング・カンパニー,米国,PA,イースト
ン(1985)を参照のこと。例えば、腸管外投与のための投
与剤形は、少なくとも1つの式(I)で示されるインスリ
ン同族体の所望の量を注射に適した水性媒質などの無毒
性の液状ビヒクルに懸濁又は溶解し、そして得られた懸
濁液又は溶解液を滅菌することによって調製することが
できる。あるいは、測定した化合物の量をバイアルに入
れ、そのバイアル及び内容物を滅菌して封栓してもよ
い。ここに付随するバイアル又はビヒクルは、投与前の
混合を目的として得ることができる。腸管外投与に適し
た医薬組成物には、水及び水混和性有機溶媒、例えばグ
リセリン、ゴマ油、グランドナッツ油、水性プロピレン
グリコール、N,N'−ジメチルホルムアミドなどの希
釈剤、賦形剤、担体を使用する。医薬組成物の例として
は、製薬的に許容され得る緩衝液で緩衝化することので
きる、パイロジェン不含の式(I)で示されるインスリン
同族体の滅菌した等張性生理食塩水が挙げられる。さら
に、この腸管外医薬製剤には、メタ−クレゾールなどの
保存剤、又は水酸化ナトリウム又は塩酸などの最終製品
のpHを調節するためのその他の活性剤を含有させるこ
ともできる。
【0040】本発明のインスリン同族体は、鼻腔内投与
に適した医薬組成物に製剤化することもできる。このよ
うな組成物は、欧州特許出願0200383 A3に詳
細に開示されている。簡単に言えば、このような組成物
は、1つ又はそれ以上の製薬的に許容され得る希釈剤、
製薬的に許容され得る量のインスリンのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩又は実質的に亜鉛を含まないインス
リンの遊離酸、並びに要すれば、(1)オレイン酸又はそ
のエステルもしくは塩、(2)液状ソルビタン脂肪酸エス
テル、(3)ソルビタン脂肪酸エステルの液状ポリオキシ
エチレン誘導体及び(4)液状ヒドロキシポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン共重
合体の中から選択される少なくとも1つの吸収促進剤の
吸収促進量から製剤化される。
に適した医薬組成物に製剤化することもできる。このよ
うな組成物は、欧州特許出願0200383 A3に詳
細に開示されている。簡単に言えば、このような組成物
は、1つ又はそれ以上の製薬的に許容され得る希釈剤、
製薬的に許容され得る量のインスリンのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩又は実質的に亜鉛を含まないインス
リンの遊離酸、並びに要すれば、(1)オレイン酸又はそ
のエステルもしくは塩、(2)液状ソルビタン脂肪酸エス
テル、(3)ソルビタン脂肪酸エステルの液状ポリオキシ
エチレン誘導体及び(4)液状ヒドロキシポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン共重
合体の中から選択される少なくとも1つの吸収促進剤の
吸収促進量から製剤化される。
【0041】実施例8 イ ヌ 試 験 ヒトインスリン同族体であるAsp(B10),デス(B2
7−30)ヒトインスリン及びAsp(B10),デス(B2
8−30)ヒトインスリンを皮下投与した際における、
標準の可溶性ヒトインスリン製剤[ヒューマリンRR(Hum
ulin RR)]と比較したうえでの効能及び迅速な作用を証
明するため、以下に記載の試験を行った。雄性ビーグル
犬(体重10−12kg)の身体的状態を試験前及び試験中
に良好な状態に維持させた。16時間イヌを絶食させた
が、インスリンレベルの予期できない変動に備えるため
水は飲めるようにした。試験の全期間にわたり、イヌを
ペントバルビタールナトリウムで麻酔し、グルコース変
動を最小にするため足蹠を暖めて体温を維持させた。試
験インスリン試料[即ち、Asp(B10),デス(B27−
30)ヒトインスリン及びAsp(B10),デス(B28−
30)ヒトインスリン]をヒューマリンRRに使用されて
いる希釈剤と同じもので3.5mg/ml として製剤化し
た。この試験では、各インスリン同族体の低血糖活性が
重量を基礎としてインスリンと同等であると評価され
た。従って、これらの試験溶液は100単位/ml を含
有していると考えられた。すべてのインスリン試験溶液
を1kg当たり0.1単位の投与量で、試料に応じて8匹
又は10匹のビーグル犬それぞれの脇腹外側の表皮下に
皮内投与した。投与前30分、15分及び0分時、並び
に投与後10分、20分、30分、45分、60分、9
0分、120分、180分及び240分時に血液試料を
採取した。グルコースオキシダーゼ法によりグルコース
を比色測定した。この比較試験の結果を以下の表7に示
す。
7−30)ヒトインスリン及びAsp(B10),デス(B2
8−30)ヒトインスリンを皮下投与した際における、
標準の可溶性ヒトインスリン製剤[ヒューマリンRR(Hum
ulin RR)]と比較したうえでの効能及び迅速な作用を証
明するため、以下に記載の試験を行った。雄性ビーグル
犬(体重10−12kg)の身体的状態を試験前及び試験中
に良好な状態に維持させた。16時間イヌを絶食させた
が、インスリンレベルの予期できない変動に備えるため
水は飲めるようにした。試験の全期間にわたり、イヌを
ペントバルビタールナトリウムで麻酔し、グルコース変
動を最小にするため足蹠を暖めて体温を維持させた。試
験インスリン試料[即ち、Asp(B10),デス(B27−
30)ヒトインスリン及びAsp(B10),デス(B28−
30)ヒトインスリン]をヒューマリンRRに使用されて
いる希釈剤と同じもので3.5mg/ml として製剤化し
た。この試験では、各インスリン同族体の低血糖活性が
重量を基礎としてインスリンと同等であると評価され
た。従って、これらの試験溶液は100単位/ml を含
有していると考えられた。すべてのインスリン試験溶液
を1kg当たり0.1単位の投与量で、試料に応じて8匹
又は10匹のビーグル犬それぞれの脇腹外側の表皮下に
皮内投与した。投与前30分、15分及び0分時、並び
に投与後10分、20分、30分、45分、60分、9
0分、120分、180分及び240分時に血液試料を
採取した。グルコースオキシダーゼ法によりグルコース
を比色測定した。この比較試験の結果を以下の表7に示
す。
【0042】
【表7】 血中グルコースレベル:0時に対する%a) Asp(B10) Asp(B10) 時間(分) ヒューマリンRR デス(B27-30)HI デス(B28-30)HI (n = 8) (n = 8) (n = 10) -30 102 ± 1.6 92 ± 2.1 103 ± 2.9 -15 101 ± 1.6 99 ± 1,2 101 ± 2.0 0 100 100 100 10 100 ± 1.3 93 ± 1.5 98 ± 1.8 20 99 ± 1.9 80 ± 3.3 93 ± 2.0 30 97 ± 2.1 63 ± 3.1 81 ± 2.9 45 86 ± 4.1 47 ± 4.1 67 ± 4.4 60 79 ± 4.9 43 ± 3.4 60 ± 4.8 90 67 ± 4.6 48 ± 2.9 67 ± 5.7 120 64 ± 4.8 58 ± 4.1 73 ± 4.9 180 62 ± 5.0 87 ± 2.6 89 ± 1.9 240 77 ± 4.9 89 ± 2.0 90 ± 2.2 a)血中グルコースレベル:平均±S.E.M
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ポリペプチド 配列の特徴: 特徴を表す記号:Variable Site 存在位置:21 他の情報:このアミノ酸は、Asn、Asp、Glu、Gln、
Ala、Gly又はSerのいずれかである。 配列 Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln 1 5 10 15 Leu Glu Asn Tyr Cys Xaa 20 配列番号2 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ポリペプチド 配列の特徴: 特徴を表す記号:Variable Site 存在位置:1 他の情報:このアミノ酸は、Phe又はAspのいずれかで
ある。 配列の特徴: 特徴を表す記号:Variable Site 存在位置:3 他の情報:このアミノ酸は、Asn又はAspのいずれかで
ある。 配列 Xaa Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser
Asp Leu Val Glu Ala Leu 1 5
10 15 Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe
Phe Tyr Thr 20
25
Ala、Gly又はSerのいずれかである。 配列 Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln 1 5 10 15 Leu Glu Asn Tyr Cys Xaa 20 配列番号2 配列の長さ:27 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ポリペプチド 配列の特徴: 特徴を表す記号:Variable Site 存在位置:1 他の情報:このアミノ酸は、Phe又はAspのいずれかで
ある。 配列の特徴: 特徴を表す記号:Variable Site 存在位置:3 他の情報:このアミノ酸は、Asn又はAspのいずれかで
ある。 配列 Xaa Val Xaa Gln His Leu Cys Gly Ser
Asp Leu Val Glu Ala Leu 1 5
10 15 Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe
Phe Tyr Thr 20
25
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・ユジーン・チャンス アメリカ合衆国46074インディアナ州ウエ ストフィールド、フリッピン・ロード 19303番 (72)発明者 ブルース・ヒル・フランク アメリカ合衆国46260インディアナ州イン ディアナポリス、スプリング・フォレス ト・ドライブ9377番
Claims (14)
- 【請求項1】 配列番号2と適切に架橋している配列番
号1で示されるインスリン同族体又はその製薬的に許容
され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnであ
る]。 - 【請求項2】 配列番号1の21位におけるXaaがAsn
である請求項1に記載のインスリン同族体。 - 【請求項3】 配列番号2の1位におけるXaaがPheで
ある請求項2に記載のインスリン同族体。 - 【請求項4】 配列番号2の3位におけるXaaがAsnで
ある請求項3に記載のインスリン同族体。 - 【請求項5】 配列番号2の1位から26位のアミノ酸
残基と適切に架橋している配列番号1で示されるインス
リン同族体又はその製薬的に許容され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnであ
る]。 - 【請求項6】 配列番号1の21位におけるXaaがAsn
である請求項5に記載のインスリン同族体。 - 【請求項7】 配列番号2の1位におけるXaaがPheで
ある請求項6に記載のインスリン同族体。 - 【請求項8】 配列番号2の3位におけるXaaがAsnで
ある請求項7に記載のインスリン同族体。 - 【請求項9】 配列番号2の2位から27位のアミノ酸
残基と適切に架橋している配列番号1で示されるインス
リン同族体又はその製薬的に許容され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnであ
る]。 - 【請求項10】 配列番号2の2位から26位のアミノ
酸残基と適切に架橋している配列番号1で示されるイン
スリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnである] - 【請求項11】 配列番号2と適切に架橋している配列
番号1で示されるインスリン同族体又はその製薬的に許
容され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnである]
を製薬的に許容され得る希釈剤と共に含有してなる抗過
血糖症製剤。 - 【請求項12】 配列番号1の21位におけるXaaがA
snであり、配列番号2の1位におけるXaaがPheであ
り、配列番号2の3位におけるXaaがAsnである請求項
11に記載の抗過血糖症製剤。 - 【請求項13】 配列番号2の1位から26位のアミノ
酸残基と適切に架橋している配列番号1で示されるイン
スリン同族体又はその製薬的に許容され得る塩 [ただし、配列番号1の21位におけるXaaはAsn、As
p、Glu、Gln、Ala、Gly又はSerであり、 配列番号2の1位におけるXaaはAsp又はPheであり、 配列番号2の3位におけるXaaはAsp又はAsnである]
を製薬的に許容され得る希釈剤と共に含有してなる抗過
血糖症製剤。 - 【請求項14】 配列番号1の21位におけるXaaがA
snであり、配列番号2の1位におけるXaaがPheであ
り、配列番号2の3位におけるXaaがAsnである請求項
13に記載の抗過血糖症製剤。
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