JPH05270963A - 安定な固体ロケット推進薬組成物 - Google Patents

安定な固体ロケット推進薬組成物

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JPH05270963A
JPH05270963A JP4348630A JP34863092A JPH05270963A JP H05270963 A JPH05270963 A JP H05270963A JP 4348630 A JP4348630 A JP 4348630A JP 34863092 A JP34863092 A JP 34863092A JP H05270963 A JPH05270963 A JP H05270963A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、塩素非含有の安定な固体ロケット
推進薬組成物を提供する。 【構成】 本発明による塩素非含有の安定な固体ロケッ
ト推進薬組成物は、 (A) 約350cal/gを越えない爆発熱値を有す
る低エネルギーバインダー成分、このとき前記バインダ
ー成分は、 (a) ポリエーテルベースもしくはポリエステルベー
スのポリマー;および (b) 少なくとも1種の高エネルギー可塑剤;を含
む; (B) 酸化剤成分としての硝酸塩および/または相安
定化硝酸塩; (C) 燃料成分としてのMg/Al合金、このときM
gの含量は限定される;および (D) 燃焼速度調節用触媒;を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機硝酸塩ベースの塩
類を酸化剤成分として、そしてマグネシウム/アルミニ
ウム合金を燃料成分として使用した、塩素非含有タイプ
の熱安定性改良ダブルベースロケット推進薬組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている固体ロケット推進薬
には2つの主要なタイプ(すなわち、ダブルベースタイ
プとコンポジットタイプ)がある。ダブルベース推進薬
は、低温条件下では脆く、また異常爆発を起こしやすい
という、長年にわたる未解決の問題を有しているため、
大型ロケットやロケットブースターに使用するにはコン
ポジットタイプの推進薬が好まれている。
【0003】コンポジットタイプの推進薬は一般に、無
機オキシダントと燃料成分を、エラストマータイプのバ
インダー中に組み込んだ形で含有しており、このバイン
ダーは、必要に応じてその場で、ロケットまたはブース
ターのケースの内部に結合させたまま、適切に注型した
り硬化させたりすることができる。注型の形状に対して
は、高度の信頼性と精度が必要とされる。
【0004】本発明において使用しているタイプのダブ
ルベース固体ロケット推進薬は、少なくとも2つの重要
な成分を含んでいる。すなわち、硝酸エステルタイプの
可塑剤を、高分子量のポリマー(例えばニトロセルロー
ス)と組み合わせた形で含んでいる。燃焼速度が高く、
熱安定性に優れており、そして従来のバインダーや可塑
剤に対する装填ポテンシャル(loading pot
ential)が高いことから、多くのコンポジットタ
イプ配合物における主要なオキシダント成分としては、
過塩素酸アンモニウム等の無機過塩素酸塩類が広く使用
されている。
【0005】無機過塩素酸塩を含有したコンポジットタ
イプ配合物の例がDickinsonによる米国特許第
3,350,245号に記載されており、該特許では、
架橋したエラストマーバインダーを酸化剤(例えば硝酸
塩や過塩素酸塩)と共に使用している。好ましい酸化剤
は、過塩素酸アンモニウムと過塩素酸リチウムである。
推進薬の物理的特性を改良するのに、可塑剤が使用され
ている。酸化防止剤や燃焼速度調節剤(有機ホウ素や微
粉砕金属も含めて)等の少量成分が開示されている(5
〜15重量部のマグネシウムと95〜85重量部のアル
ミニウムを含有したマグネシウム/アルミニウム合金も
含めて)。
【0006】しかしながら、無機過塩素酸塩等の酸化剤
を使用すると、これに対応してロケット排気ガスがかな
り高い割合(21〜22%)の塩化水素を生じ、これが
健康を害する要因となったり環境汚染を引き起こしたり
する、という深刻な問題を生起する。米国特許第4,1
58,583号によれば、HCl排気ガスは、成層圏に
おける天然の紫外線放射シールドを崩壊する可能性があ
るとしている。したがって、HClを放出することのな
い高性能推進薬が強く求められている。
【0007】この結果、主要な酸化剤成分としての過塩
素酸塩の一部または全部を硝酸塩ベースの塩素非含有塩
に置き換える、という検討が継続的になされている(C
ahillらによる米国特許第3,445,304号、
およびAndersonによる米国特許第4,158,
583号)。
【0008】米国特許第3,445,304号において
は、硝酸アンモニウム酸化剤、ポリマーバインダー、燃
焼速度調節剤(例えば、ホウ素、アンチモン、または二
酸化チタン)、およびニトロセルースを含んだ固体ロケ
ット推進薬が開示されている。燃焼速度調節剤は、ロケ
ット推進薬の均一な燃焼速度が得られるよう選定され
る。
【0009】米国特許第4,158,583号において
は、従来技術と比較してより少ないレベルの過塩素酸ア
ンモニウムが配合されていることから、塩化水素の発生
量が大幅に減少した高性能推進薬が説明されている。該
推進薬は、エラストマー炭化水素、キュアー用成分、お
よび可塑剤を含んだバインダー成分;硝酸アンモニウム
一次酸化剤;粉末状金属燃料(例えばアルミニウム);
および少量の二次酸化剤〔例えば過塩素酸アンモニウ
ム、HMX(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)
等のニトラミン、またはこれらの混合物〕;を含んでい
る。
【0010】ハロゲン非含有固体ロケット推進薬を作製
しようとする1つの試みが、Dollらによる米国特許
第5,076,868号に説明されており、該特許にお
いては、硝酸アンモニウム酸化剤が、粉末状マグネシウ
ム燃料および任意使用のバインダー(例えばポリオキシ
プロピレングリコール)と共に使用されている。Dol
lらは、アルミニウム粉末を使用しないでマグネシウム
粉末を使用すると、スラグの形成がなく、また高エネル
ギー成分を加える必要もなく、所望の燃焼が得られると
説明している。しかしながら、マグネシウム粉末の使用
は、静電エネルギーに対する発火感度が高いことから安
全性の上で問題がある。
【0011】HClを発生する固体ロケット燃料の使用
をなくそうという上記の試みは、(a)固体の装填量が
高く、この結果、配合物のミキシングとキャスティング
が困難となる;(b)燃焼速度が低く、したがって燃焼
効率もよくない;および(c)種々の燃焼速度調節用触
媒と金属燃料成分の存在下にて、適度な熱を受けて安定
剤が急激に減少するという熱不安定性を有する;などの
点から、これまでのところその成功は限定されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、燃焼排気ガ
ス中に実質的な量の塩化水素を放出しない固体推進薬を
提供し、また適切な燃焼速度と燃焼効率をもった、塩素
非含有で高エネルギー変性の安定なダブルベース推進薬
組成物を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A) 約350cal/gを越えないトータル爆発熱
(total heat of explosion)
(HEX)を有する低エネルギーバインダー成分、この
とき前記バインダー成分は、 (1) ポリエーテルベースのポリマーもしくはコポリ
マーまたはポリエステルベースのポリマーもしくはコポ
リマー、あるいはこれらの組み合わせ物; (2) ニトラトーアルキルニトラミン(nitrat
o alkylnitramine)、トリエチレング
リコールジナイトレート(TEGDN)、1,2,4−
ブタントリオールトリナイトレート(BTTN)、ジエ
チレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリ
メチロールエタントリナイトレート(TMETN)、ニ
トログリセリン、およびこれらの混合物からなる群から
選ばれる少なくとも1つの部材を含んだ少なくとも1種
の高エネルギー可塑剤成分(energetic pl
asticizer component);および (3) 少なくとも1種のキュアー触媒(cure c
atalyst);を含む; (B) 硝酸アンモニウム(AN)および/または相安
定化AN〔硝酸アンモニウムと相安定剤(例えば、Zn
O,NiO,KNO3等の金属酸化物や長鎖脂肪族アミ
ン)〕を含んだ活性量の少なくとも1種の硝酸塩ベース
酸化剤成分; (C) Al/Mg合金を含んだ活性量の燃料成分、こ
のときMgの含量が前記合金の約50重量%を越えな
い;および (D) 非晶質ホウ素、非晶質ホウ素/KNO3混合
物、酸化クロム(III)、二クロム酸アンモニウム、
水素化ジルコニウム、超微粒酸化アルミニウム、および
シクロテトラメチレンテトラニトラミンからなる群から
選ばれる、有効量の少なくとも1種の推進薬燃焼速度調
節用触媒;を組み合わせて含んだ安定な固体ロケット推
進薬組成物を提供する。
【0014】バインダー中に使用するための、適切なポ
リエーテルベースのポリマーもしくはコポリマーまたは
ポリエステルベースのポリマーもしくはコポリマーとし
ては、ポリテトラメチレンアジペート、ポリジエチレン
グリコールアジペート、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラヒドロフランとそのコポリマー、ポリプロピレン
グリコール、およびエチレンオキシドとテトラヒドロフ
ランとのランダムコポリマーなどがある。これらのポリ
マーは、推進薬組成物の約3〜15重量%を構成する。
【0015】“低エネルギーのバインダー成分”とは、
約−750cal/g〜約+350cal/gの範囲内
の(HEX)値を有するトータルのバインダー混合物を
意味する。高めのエネルギーゾーン(すなわち、約−1
95cal/g〜約+350cal/g)も、低めのH
EXエネルギーゾーン(すなわち、約−750cal/
g〜約−195cal/g)も“低エネルギー”の範囲
内に含まれる。高エネルギーゾーンは、有効量の1種以
上の高エネルギー可塑剤成分〔例えば、トリエチレング
リコールジナイトレート(TEGDN)、1,2,4−
ブタントリオールトリナイトレート(BTTN)、ジエ
チレングリコールジナイトレート(DEGDN)、トリ
メチロールエタントリナイトレート(TMETN)、お
よびニトルグリセリン(NG)等〕を含有したバインダ
ーにおいて最も容易に得られる。上記の低めHEXエネ
ルギーゾーン内に入るバインダーは、それほど高エネル
ギーではない可塑剤成分(例えば、メチルニトラトーエ
チルニトラミン、エチルニトラトーエチルニトラミン、
プロピルニトラトーエチルニトラミン、ブチルニトラト
ーエチルニトラミン、およびこれらの化合物とより高エ
ネルギーの物質との組み合わせ物)を使用することによ
って最も容易に得られる。トータル爆発熱は、少量の
(但し既知の)推進薬を熱量計ボンベ中で燃焼させるこ
とによって求められる。空気をパージし、窒素で加圧
し、点火手段を使用して爆発させ、次いで周囲温度に冷
却(非断熱的に)する。
【0016】上記したバインダーの高エネルギー可塑剤
成分は、推進薬の約6〜20重量%の濃度にて使用され
る。しかしながら、正確な使用量は、酸化剤成分の種
類、ポリエーテルベースもしくはポリエステルベースの
ポリマーの種類、酸化剤と燃料との比(以後O/Fと呼
ぶ)、推進薬の燃焼速度を増大させるために使用される
燃焼速度調節用触媒の種類と量、そしてバインダーと推
進薬の所望のHEX値、などによって異なる。
【0017】本発明より以前においては、このように過
塩素酸塩の代わりに硝酸塩ベースの酸化剤を使用するこ
とは、得られる推進薬組成物に対し、装填限度が本質的
に低いこと、エネルギー含量が低いこと、そして燃焼速
度が遅いこと(すなわち、実質的に約0.2”/秒以
下)などからあまり成功しているとは言えない。
【0018】“相安定化AN”とは、酸化亜鉛や酸化ニ
ッケル等の金属酸化物をプレミックスした硝酸塩、ある
いは長鎖脂肪族アミンをプレミックスした硝酸塩を意味
している。
【0019】“活性量の硝酸塩ベースの相安定化酸化剤
成分”とは、固体が約70〜85%で、酸化剤成分と燃
料成分との重量比が約1〜2.5:1の範囲内であるこ
とを意味している。硝酸塩ベースの相安定化酸化剤成分
は、推進薬組成物の約50〜70重量%を構成するのが
好ましい。
【0020】“マグネシウム/アルミニウム(Mg/A
l)合金を含んだ活性量の燃料成分”とは、上記の酸化
剤成分に対して相溶性があって、且つ燃焼効率と燃焼安
定性を増大(Mg単独の場合に比べて)させることので
きる量を意味している。
【0021】例えば、Mg/Al合金において、Mg元
素の量が合金の約50重量%を実質的に越えず、また推
進薬組成物中の合金成分の量が、推進薬の重量を基準と
して約15〜30%またはそれよりやや高い場合には、
Mg/Al合金は、許容しうる安定剤減少速度と適合す
ることが見いだされている。マグネシウム金属燃料成分
を含有した従来技術の組成物においては、マグネシウム
が、少量にて使用されるナイトレートエステル安定剤
(例えばN−メチル−p−ニトロアニリン)を減少させ
るという望ましくない影響を有することが見いだされて
いる。マグネシウムとアルミニウムの前述の比による合
金を使用することが、本発明の重要な特徴であり、これ
によりマグネシウムによる安定剤減少化傾向が大幅に低
下する。一般に、158°Fにて30日および77°F
にて30年という安定な推進薬寿命が確実に得られるよ
うな安定剤減少速度が、かろうじて許容しうるものと考
えられる。
【0022】本発明の推進薬中の酸化剤成分と金属燃料
との比(O/F)が大きくなっても、燃焼速度の増大に
は直接相関しないようであるが、燃焼効率や汚染物の生
成、ならびに全体としてのブースターの貯蔵容量に対し
て影響を与えることがわかっている。本発明の目的に対
しては、約1〜2.5/1〔好ましくは1.0〜1.9
/1、そして最も好ましくは1.2〜1.9/1(O/
F)〕の比が、約−750cal/g〜約+350ca
l/g(またはそれよりやや高い)のHEX(エネルギ
ー)範囲内に入るバインダーにとって一般に許容しうる
ことが見いだされている。
【0023】“有効量の推進薬燃焼速度調節用触媒”と
は、0.20”を越える燃焼速度(燃焼速度は、加圧し
た熱量計ボンベ中で推進薬のストランドを燃焼すること
によって求められる)が確実に得られるような量を意味
し、最適値は約0.30”/秒以上である。通常は、ナ
イトレートエステル可塑剤と相溶しうる燃焼速度調節用
触媒を、少なくともいくらかは推進薬中に組み込む必要
がある。この場合、“有効量の推進薬燃焼速度調節用触
媒”は推進薬の最大約20重量%までを構成し、そして
軍事用または宇宙探査用に適した燃焼速度を確実に得る
ために、推進薬の約1〜16重量%が非晶質ホウ素、非
晶質ホウ素/硝酸カリウム、またはこれらの混合物であ
るのが好ましい。推進薬の最大10重量%までの量にて
使用することができる他の燃焼速度調節用触媒は、酸化
クロム(III)、二クロム酸アルミニウム、水素化ジ
ルコニウム、超微粒酸化アルミニウム、およびシクロテ
トラメチレンテトラニトラミンからなる群から選ばれ
る。これら燃焼速度調節用触媒の混合物も使用すること
ができる。
【0024】本発明の範囲内の推進薬組成物はさらに、
業界に公知の比較的少量の添加剤を組み込むのが好まし
い。このような添加剤としては、バインダーに対するイ
ソシアネート硬化剤やポリイソシアネート硬化剤〔例え
ば、デスモジュール(登録商標)N−100(約3.7
の官能価をもつ三官能イソシアネート)〕;バインダー
のポリエーテルベースポリマーやポリエステルベースポ
リマーを架橋するためのキュアー触媒(例えば、無水マ
レイン酸、トリフェニルビスマス、およびこれらの混合
物等);ならびに硝酸エステルの分解を防止するための
安定剤(例えば、ニトロアニリンやそのアルキル誘導
体);などがある。所望の硬度の固体ロケットモーター
用燃料を得るには、ジイソシアネート硬化剤とポリイソ
シアネート硬化剤との混合物を使用するのが好ましい。
しかしながら、このような添加剤のトータル量は通常、
推進薬の約2重量%を越えない。
【0025】本発明の他の特徴、利点、および特定の実
施態様は、これまでの開示内容を考察すれば当技術者に
は容易に明らかとなろう。この点において、本発明の特
定の実施態様に関してかなり詳細に説明してきたが、本
発明の精神と範囲を逸脱することなく、これら実施態様
の種々の変形や改良形が可能である。
【0026】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定さ
れることはない。
【0027】
【実施例】実施例I 塩素非含有の相安定化硝酸塩をベースとした推進薬のテ
ストバッチを従来のマイクロウインドーボンベ(mic
rowindow bomb)を使用して作製し、
(a)燃料成分としての種々のMg/Al合金の影響;
(b)酸化剤/燃料の比を変えたときの影響;および
(c)硝酸アンモニウムをベースとした推進薬燃焼速度
に及ぼす燃焼速度調節用触媒の影響;を調べるためにサ
ブスケールモーターのテスト法(subscale m
otor testing procedure)を施
した。
【0028】A. 12重量部の低分子量ポリグリコー
ルアジペートプレポリマー、10.3部のトリエチレン
グリコールジナイトレート高エネルギー可塑剤(この量
は、−750cal/g〜−195cal/gの推定H
EX値を基準としている)、0.04部のN−メチル−
p−ニトロアニリン、および0.06部のDER(登録
商標)331(ダウケミカル社のエポキシ結合剤)を4
9℃にて約20分ミキシングすることによって、燃料成
分として異なるMg/Al比の合金を使用した、異なる
エネルギー含量のテスト用推進薬を、1パイントと1ガ
ロンの量にて作製した。この混合物に硝酸アンモニウム
(39.3部)を加え、15分ミキシングした後に0.
04部のトリエチレンテトラニトラミン結合剤を加え、
本混合物を減圧下にて49℃で30分撹拌した。次いで
本混合物に、燃料成分として所望のMg含量と比を有す
る23.7部のMg/Al合金(−325メッシュ)と
13.1部の微粉砕硝酸アンモニウムを加えた。部分減
圧にて49℃でさらに30分ミキシングした後、ミキサ
ーを通気し、そしてイソシアネート硬化剤とキュアー触
媒を、イソホロンジイソシアネート(0.79部);N
100多官能イソシアネート(0.46部);トリフェ
ニルビスマス触媒(0.05部);および無水マレイン
酸(0.10部);を含んだプレミックス品として加え
た。本混合物をペーパーモールド中に注型して600g
と6,000gのテストサンプルを作製し、これを49
°Fで5日間キュアーした。各サンプルをTA−1〜T
A−10と名付け、燃料中のMg含量の影響、エネルギ
ー含量、燃焼速度、および安定性に関する結果を表1に
記載する。Mgが約50%を越え、且つHEX値が−1
95以上であるような合金に対して、発熱温度と70℃
における有意の安定剤減少速度が記載してある。バリア
ン/モデル401/402データステーション(シリカ
ゲルカラムを装備)を使用して、液体クロマトグラフィ
ー法によって減少速度を測定した。
【0029】 B. 23.7部のMg/Al合金燃料成分(40%M
g)および−195cal/gのバインダーHEX値を
使用することによって、実施例IAのテスト推進薬に変
性を施した。但し、相安定化硝酸アンモニウム酸化剤と
合金(燃料)との重量比は1.2〜1.9:1の範囲で
変えた。こうして得られた推進薬TB−11,TB−1
2,TB−13,およびTB−14の燃焼速度を下記の
表2に示す。
【0030】 C. 45/55のMg/Al合金、約−195cal
/gのHEX値、および燃焼速度調節用触媒としての種
々の量(すなわち、2%,6%,8%,10%,12
%,および16重量%)の非晶質ホウ素(KNO3/A
Nを補充した場合と、補充しない場合)を使用したこと
以外は、実施例IAに記載の手順にしたがってテスト用
推進薬を作製した。推進薬サンプルをそれぞれTC−
1,TC−2,TC−3,TC−4,TC−5,TC−
6,TC−7,TC−8,およびTC−9と名付け、マ
イクロボンベ(micro bomb)中における燃焼
速度を調べた。得られた結果を下記の表3に示す。
【0031】 実施例II 実施例IAにしたがって得られた推進薬サンプル(HE
X−195cal/g)(TA−2,TA−4,TA−
6,TA−8,およびTA−10)を、70℃の温度お
よび25%相対湿度にて24時間貯蔵した。次いでサン
プルを分析して、MNA(N−メチル−p−ニトロアニ
リン)安定剤の減少速度に及ぼすMgレベルの影響を調
べた。テスト結果を表1(最後の欄)に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・アール・ゴーレニエウスキー アメリカ合衆国ユタ州84092,サンディー, イースト・フォーンズデール・サークル 1718

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定な固体ロケット推進薬組成物であっ
    て、 A. 約−750cal/g〜350cal/gのトー
    タル爆発熱を有する約15〜30重量%の低エネルギー
    バインダー成分、このとき前記バインダー成分は、 (1) 前記推進薬組成物の約3〜15重量%を構成す
    る少なくとも1種の、ポリエーテルベースのポリマーも
    しくはコポリマーまたはポリエステルベースのポリマー
    もしくはコポリマー; (2) 前記推進薬組成物の約6〜15%を構成する少
    なくとも1種の高エネルギー可塑剤成分;および (3) 少なくとも1種のキュアー触媒;を含む; B. 前記推進薬組成物の約50〜70重量%の、硝酸
    アンモニウムおよび/または相安定化硝酸アンモニウム
    を含んだ少なくとも1種の硝酸塩ベース酸化剤成分; C. 前記推進薬組成物の約15〜30重量%の、Al
    /Mg合金を含んだ活性量の燃料成分、このときMgの
    含量が前記合金の多くとも約50重量%であり、また前
    記酸化剤成分と前記燃料成分との比が約1〜2.5:1
    の範囲内である;および D. 最大約20重量%までの有効量の、少なくとも1
    種の推進薬燃焼速度調節用触媒;を組み合わせて含んだ
    前記推進薬組成物。
  2. 【請求項2】 前記バインダーにおいて、前記ポリエー
    テルベースのポリマーまたはポリエステルベースのポリ
    マーが、ポリテトラメチレンアジペート、ポリジエチレ
    ングリコールアジペート、ポリエチレングリコール、ポ
    リテトラヒドロフランとそのコポリマー、ポリプロピレ
    ングリコール、およびエチレンオキシドとテトラヒドロ
    フランとのランダムコポリマーからなる群から選ばれ、
    そして前記可塑剤成分が、ニトラトーアルキルニトラミ
    ン、トリエチレングリコールジナイトレート、1,2,
    4−ブタントリオールトリナイトレート、ジエチレング
    リコールジナイトレート、トリメチロールエタントリナ
    イトレート、ニトログリセリン、およびこれらの混合物
    からなる群から選ばれる少なくとも1つの部材を含む、
    請求項1記載の推進薬組成物。
  3. 【請求項3】 前記燃料成分が、前記合金の約20〜5
    0重量%のマグネシウムを含む、請求項1記載の推進薬
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記推進薬の約1〜16重量%が、非晶
    質ホウ素、非晶質ホウ素/硝酸カリウム、およびこれら
    の混合物からなる群から選ばれる前記燃焼速度調節用触
    媒であり、前記推進薬の約0〜10重量%が、酸化クロ
    ム(III)、二クロム酸アンモニウム、水素化ジルコ
    ニウム、超微粒酸化アルミニウム、シクロテトラメチレ
    ンテトラニトラミン、およびこれらの混合物からなる群
    から選ばれる前記燃焼速度調節用触媒成分である、請求
    項1記載の推進薬組成物。
  5. 【請求項5】 燃焼したときに塩素非含有排気ガスを発
    生する固体推進薬組成物の熱安定性を保持しつつ、燃焼
    速度と燃焼効率を増大させる方法であって、 (a) ポリエーテルベースもしくはポリエステルベー
    スのポリマーと少なくとも1種の高エネルギー可塑剤成
    分とを含んだバインダーマスを、少なくとも1種のキュ
    アー触媒と共に配合する工程;および (b) 前記バインダーマスを、少なくとも1種の無機
    硝酸塩を含んだ酸化剤成分、アルミニウムとマグネシウ
    ムを含有した燃料成分、および少なくとも1種の燃焼速
    度調節用触媒と混合する工程;を含み、このとき前記高
    エネルギー可塑剤とそれに混合される前記燃料成分の種
    類選択と使用量は、約350cal/gを越えないバイ
    ンダー爆発熱値に相応したものであり、前記酸化剤成分
    が硝酸アンモニウム(AN)、相安定化AN、またはこ
    れらの混合物であり、前記燃料成分が約20〜50重量
    %のMgを含有したMg/Al合金であり、そして前記
    酸化剤成分と前記燃料成分との比が約1〜2.5:1の
    範囲内である、前記方法。
  6. 【請求項6】 前記バインダー爆発熱値が約−195c
    al/g〜約350cal/gの範囲内である、請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記バインダー爆発熱値が約−750c
    al/g〜約−195cal/gの範囲内である、請求
    項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 酸化剤成分と燃料成分との比が1.2〜
    1.9:1の範囲内である、請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリエーテルベースのポリマーまた
    はポリエステルベースのポリマーが、ポリテトラメチレ
    ンアジペート、ポリジエチレングリコールアジペート、
    ポリエチレングリコール、ポリテトラヒドロフランとそ
    のコポリマー、ポリプロピレングリコール、およびエチ
    レンオキシドとテトラヒドロフランとのランダムコポリ
    マーからなる群から選ばれる、請求項5記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記可塑剤成分が、ニトラトーアルキ
    ルニトラミン、トリエチレングリコールジナイトレー
    ト、1,2,4−ブタントリオールトリナイトレート、
    ジエチレングリコールジナイトレート、トリメチロール
    エタントリナイトレート、ニトログリセリン、およびこ
    れらの混合物からなる群から選ばれる部材を含む、請求
    項5記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記燃焼速度調節用触媒が、非晶質ホ
    ウ素、非晶質ホウ素/KNO3、およびこれらの混合物
    からなる群から選ばれるときは、前記燃焼速度調節用触
    媒が前記推進薬の約0〜20重量%を構成し、そして前
    記燃焼速度調節用触媒が、酸化クロム(III)、二ク
    ロム酸アンモニウム、水素化ジルコニウム、超微粒酸化
    アルミニウム、シクロテトラメチレンテトラニトラミ
    ン、またはこれらの混合物であるときは、前記燃焼速度
    調節用触媒が前記推進薬の約0〜10重量%を構成す
    る、請求項5記載の方法。
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