JPH05270819A - 微細球状アルミナ水和物粉末の製造方法 - Google Patents

微細球状アルミナ水和物粉末の製造方法

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JPH05270819A
JPH05270819A JP4093846A JP9384692A JPH05270819A JP H05270819 A JPH05270819 A JP H05270819A JP 4093846 A JP4093846 A JP 4093846A JP 9384692 A JP9384692 A JP 9384692A JP H05270819 A JPH05270819 A JP H05270819A
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JP
Japan
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alumina hydrate
powder
spherical alumina
urea
raw material
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JP4093846A
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English (en)
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Mitsushige Ogawa
充茂 小川
Hiroshi Isozaki
啓 磯崎
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】セラミックス原料粉末として好適なアルミナ粉
末を製造することができる、真球に近く微細で分散性に
優れた球状アルミナ水和物粉末の提供。 【構成】硫酸アルミニウム:尿素のモル比を1:3 〜10の
割合で含有してなる水溶液を加熱してPHを3.5 〜5.5 に
調節し、それを噴霧乾燥することを特徴とする微細球状
アルミナ水和物粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造材料用及び電子材
料用のセラミック焼結原料として有用な微細で均一性、
分散性に優れた球状アルミナ粉末を製造することができ
る球状アルミナ水和物粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナセラミックスは、電気絶縁性、
機械的特性、耐熱性等に優れており、セラミックスの中
でも汎用性のある材料の一つである。アルミナセラミッ
クスを製造するための原料アルミナ粉末に要求される特
性としては、高純度かつ微細で粒度分布が狭く、真球に
近い形状を有しており、凝集がなく粒子同士の分散性が
良好なこと等である。
【0003】球状アルミナの製造においては、得られる
アルミナの粒子形状は出発母塩の粒子形状と焼成雰囲気
の影響を強く受け、しかも結晶構造が六角柱状晶である
ことから構造的にも球形状に制御することは容易でな
い。さらには、α化に伴う粒子同士の焼結によって生ず
る凝集や粉砕過程での角状化とも相まって、球状アルミ
ナを製造することは極めて困難である。
【0004】例えば、バイヤー法アルミナでは、結晶化
時の核発生と結晶成長過程の調節によって球状化が行わ
れているが、この方法では不均一な水酸化アルミニウム
を1200℃以上で加熱するので、得られたアルミナも不均
一となりやすく、しかも二次凝集粒子も生成しやすくな
るので真球に近いアルミナを得ることが難しい。また、
有機金属の加水分解法では、高価な原料を必要とするの
で汎用性のあるセラミック原料としてはコスト的に対応
できない。
【0005】これに対し、硫酸アルミニウム(Al2(SO4)
3)、塩化アルミニウム(AlCl3)、硝酸アルミニウム(Al
(NO3)3)等のアルミニウム塩と、尿素((NH2)2CO)、ア
セトアミド、ヘキサメチレンテトラミン等の加水解離剤
とを含む溶液の液相から球状アルミナ水和物を合成し
(特開平3ー37114 号公報、特開平3ー40916 号公報)、そ
れを800 〜1200℃の温度で焼成する均一沈澱法は、簡便
なプロセスであり、また安価な原料が使用できることか
ら工業的に有利な方法といえる。
【0006】しかし、従来の均一沈澱法では、微細かつ
均一性と分散性に優れた球状アルミナ水和物を製造する
ことが容易でなく、そのためには、硫酸アルミニウム濃
度を極低濃度にするか、あるいは混合する尿素と硫酸ア
ルミニウムの濃度比〔(NH2)2CO/Al2(SO4)3 〕を大きく
し、過剰量の尿素を添加する必要があった。また、硫酸
アルミニウム等のアルミニウム塩と尿素等の加水解離剤
とを長時間反応させる必要があったので生産効率が悪
く、しかも液相から得られた粉末の脱水乾燥工程におい
て粒子同士が凝集し、これを焼成して得られるアルミナ
もまた強固な凝集粒子となるためにセラミック用原料と
して望ましくはなかった(窯業協会誌 94[6]1986.601-6
03)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の状況
に鑑みてなされたものであり、微細で均一性と分散性に
優れたアルミナ粉末を製造することのできる球状アルミ
ナ水和物粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、硫
酸アルミニウム:尿素のモル比を1: 3〜10の割合で含有
してなる水溶液を加熱してPHを3.5 〜5.5 に調節し、そ
れを噴霧乾燥することを特徴とする微細球状アルミナ水
和物粉末の製造方法である。
【0009】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0010】本発明の微細球状アルミナ水和物粉末の製
造方法においては、原料の硫酸アルミニウム:尿素のモ
ル比を1: 3〜10の範囲にして水に混合することが重要な
ことである。ここで、硫酸アルミニウム1モルに対して
尿素が3モル未満では、尿素の加水分解((NH2)2CO+H2O
→2NH3+CO2↑)によって発生するアンモニアの生成速度
が遅くなるので長時間反応させる必要がある。しかも、
アンモニアの発生量も少なくなるのでアルミナ水和物の
核発生数が減少し、多量のアルミナ水和物を合成するこ
とができなくなる。一方、尿素が10モルを越えると、加
水分解によるアンモニアの生成量が増加して二酸化炭素
ガスの発生が促進され、その二酸化炭素ガスによって溶
液の撹拌が過剰となり、粒子成長が著しくなって粒子同
士の凝集を引き起こす。
【0011】なお、硫酸アルミニウムと尿素の水1リッ
トルあたりの使用量としては、硫酸アルミニウム0.01〜
0.5 モル、尿素0.03〜2.0 モルが好ましく、硫酸アルミ
ニウムとしては、無水塩又は14〜16水塩等が使用でき
る。硫酸アルミニウムと尿素の所定量が混合された原料
溶液は室温で十分に撹拌され、均一な混合状態となった
ところで撹拌を停止し加熱を開始する。水としてはイオ
ン交換水等の純水が望ましい。
【0012】原料溶液の加熱温度は90〜98℃が好ましい
が、短時間で溶液中に数多くのアルミナ水和物の核を発
生させるために95℃以上が特に好ましく、さらには生成
した核を均一に粒成長させるためにその温度の変動幅を
±1℃に制御することが望ましい。
【0013】所定の温度に達し反応が開始すると、溶液
のPHは反応時間の経過と共に徐々に増加する。そこで、
溶液のPHが3.5 〜5.5 の範囲に達したとき、冷水等で冷
却し反応を停止させる。次いで、この溶液の温度が60℃
以下に達したところで噴霧乾燥する。噴霧乾燥法として
は、スプレードライヤー等を用いることができ、原料溶
液をキャリアガスと共に噴霧発生装置内に導入し、恒温
にした乾燥器内で乾燥させる。得られた球状アルミナ水
和物の粒径は噴霧乾燥時のPHに依存し、PHが高いほど大
きくなる傾向にある。
【0014】本発明において、噴霧乾燥される混合溶液
のPHが3.5 未満では、発生する核の数が少なくなり、一
方、PHが5.5 を越えると、尿素の加水分解により過剰な
アンモニアが発生するため、二酸化炭素ガスの撹拌効果
も相まって球状アルミナ水和物の粒子成長が不均一とな
り均一な粒径のものを得ることができなくなる。
【0015】なお、噴霧乾燥する際に原料溶液と共に導
入されるキャリアガスの種類は、空気、窒素等を用いる
ことができ、その噴霧圧力は1.5 〜2.0kg/cm2 で、原料
溶液の送液量は10〜20ミリリットル/分の範囲とするの
が望ましい。また、乾燥器内の温度は、140 ℃以上が好
ましくこれ未満では得られた粉末の乾燥が不十分で湿潤
粉体となりやすい。
【0016】
【実施例】次に、実施例と比較例をあげてさらに具体的
に本発明を説明する。
【0017】実施例1〜8 比較例1〜6 純水1リットルに、無水硫酸アルミニウム(試薬特級)
0.01〜0.5 モルと尿素(試薬特級)0.1 〜2.0 モルを前
者:後者のモル比を1: 1〜100 として種々配合し、攪拌
混合して原料溶液を調整した。この原料溶液を静置した
状態で90〜98℃に加熱した。反応の進行に伴って溶液の
PHが増加し、それが3.0 〜6.5 の範囲に達した時点で容
器を水冷し、液温を60℃以下に下げて反応を停止させ
た。
【0018】次いで、上記溶液を送液量10〜20ミリリッ
トル/分の割合にして噴霧圧力1.4〜3.5kg/cm2 のキャ
リアガス(空気)でスプレードライヤーに供給し、温度
140〜200 ℃で噴霧乾燥して球状アルミナ水和物粉末を
合成した。得られた粉末を空気中で1200℃の焼成を行
い、X線回折分析を行ったところ、全ての試料がαアル
ミナであることが確認された。また、得られた球状アル
ミナ水和物粉末及び焼成して得られたαアルミナ粉末の
平均粒径と分散性を以下に従って測定した。それらの結
果を表1に示す。
【0019】(1)平均粒径(μm):レーザ回折法粒
度分布測定計(N&L社製マイクロトラックSPA)に
より測定した。 (2)分散性 :SEM観察において、粉体同
士の凝集が認められたものを×、粉体同士の分散性が良
好なものを○とした。その一例として、実施例1と比較
例1で得られた球状アルミナ水和物粉末のSEM写真を
それぞれ図1と図2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】参考例1〜5 純水1リットルに、無水硫酸アルミニウム(試薬特級)
0.01〜0.5 モルと尿素(試薬特級)0.05〜2.0 モルを前
者:後者のモル比を1: 4〜10として種々配合し、攪拌混
合して原料溶液を調整した。次いで、この原料溶液を静
置した状態で90〜98℃で24時間加熱しアルミナ水和物粉
末を合成した。得られた粉末は吸引濾過し80℃で一昼夜
乾燥後、空気中1200℃焼成して実施例1〜8と同様に評
価した。その結果を表2に示す。
【0022】なお、焼成して得られた粉末は、X線回折
の結果、全てαアルミナ粉末であることが確認された
が、凝集が著しく不均一な球状アルミナ水和物粉末であ
った。その一例として、参考例1で得られた球状アルミ
ナ水和物粉末のSEM写真を図3に示した。
【0023】
【表2】
【0024】表1、表2から明らかなように、本発明の
製造方法による球状アルミナ水和物粉末は、真球に近く
微細で分散性に優れており、これを焼成して得られるα
アルミナ粉末もまた分散性に優れ微細であることがわか
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、真球に近く、均一性と
分散性に優れた微細な球状アルミナ水和物粉末を製造す
ることができ、それを焼成することによってセラミック
ス原料粉末として好適なアルミナ粉末を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた球状アルミナ水和物粉末
の粒子形状を示す3500倍のSEM写真である。
【図2】 比較例1で得られた球状アルミナ水和物粉末
の粒子形状を示す3500倍のSEM写真である。
【図3】 参考例1で得られた球状アルミナ水和物粉末
の粒子形状を示す3500倍のSEM写真である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸アルミニウム:尿素のモル比を1: 3
    〜10の割合で含有してなる水溶液を加熱してPHを3.5 〜
    5.5 に調節し、それを噴霧乾燥することを特徴とする微
    細球状アルミナ水和物粉末の製造方法。
JP4093846A 1992-03-19 1992-03-19 微細球状アルミナ水和物粉末の製造方法 Pending JPH05270819A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0626393A1 (en) * 1993-04-05 1994-11-30 Petroleo Brasileiro S.A. - Petrobras Ziegler-type spherical catalyst for olefin polymerization, its preparation and its use
JPH1017321A (ja) * 1996-06-27 1998-01-20 Catalysts & Chem Ind Co Ltd アルミナ小球体およびその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0626393A1 (en) * 1993-04-05 1994-11-30 Petroleo Brasileiro S.A. - Petrobras Ziegler-type spherical catalyst for olefin polymerization, its preparation and its use
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