JPH0526822B2 - - Google Patents

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JPH0526822B2
JPH0526822B2 JP18533184A JP18533184A JPH0526822B2 JP H0526822 B2 JPH0526822 B2 JP H0526822B2 JP 18533184 A JP18533184 A JP 18533184A JP 18533184 A JP18533184 A JP 18533184A JP H0526822 B2 JPH0526822 B2 JP H0526822B2
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JP
Japan
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styrene
present
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JP18533184A
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JPS6164746A (ja
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Keiji Suzuki
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP18533184A priority Critical patent/JPS6164746A/ja
Publication of JPS6164746A publication Critical patent/JPS6164746A/ja
Publication of JPH0526822B2 publication Critical patent/JPH0526822B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明はストレスクラツク性及び耐衝撃性の良
好な樹脂組成物、さらに詳しくいえば、ポリフエ
ニレンエーテル樹脂、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエン化合物とのブロツク共重合体、該ブロツ
ク共重合体の水素化物及び所望によりスチレン系
樹脂を含有して成る熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。 従来の技術 ポリフエニレンエーテル樹脂は機械的性質、電
気的性質、耐熱性に優れており、しかも吸水性が
小さくかつ寸法安定性が良いなどの特徴を有して
いることから、近年著しく注目されている。しか
し、このポリフエニレンエーテル樹脂単独では、
一般に加工性及び衝撃強度が劣るため、多くの工
業的用途においては、ポリスチレンやゴム補強ポ
リスチレンとのブレンド物として用いられ、例え
ば機械部品、電気部品、事務器ハウジング、自動
車部品、精密部品などに広く利用されている。 一方、近年、機械部品や電気部品などにおいて
は、形状がより複雑化する傾向にあり、そのため
樹脂組成物の品質についても、ますます高度のも
のが要求されるようになり、特に耐衝撃性や耐油
性の改良が強く望まれている。 このような事情のもとでこれまで、ポリフエニ
レンエーテル系樹脂の物性、特に耐衝撃性を改良
するために、2種のビニル芳香族化合物A1及び
A2と共役ジエン化合物BとのA1−B−A2型エラ
ストマーブロツク共重合体及び任意成分としての
スチレンホモ重合体又はランダム共重合体樹脂を
配合したもの(特開昭48−62851号公報、特開昭
51−129450号公報)、スチレン樹脂及びビニル芳
香族化合物と共役ジエン化合物とカツプリング剤
とから得られるラジアルテレブロツク共重合体を
均質に配合したもの(特開昭52−125560号公報)、
スチレン樹脂、A−B−A′型のエラストマーブ
ロツク共重合体及びその水素化物を配合したもの
(特開昭53−79943号公報)などが提案されてい
る。 しかしながら、これらの組成物は、ある程度耐
衝撃性が改善されるとしても、用途によつては、
必ずしも十分ではない上に、これらの組成物にお
いて、必要な耐衝撃性を達成するには、それに配
合するブロツク共重合体の量を増加する必要があ
るが、このような場合には該組成物の剛性や耐熱
性が低下するなどの問題が生じ、実用上極めて好
ましくない。 さらに、前記の組成物においては、ストレスク
ラツク性もわずかに改良されることが本発明を達
成する過程で分つたが、これについてもまだ実用
上十分とはいえない。 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、このような従来のポリフエニ
レンエーテル系樹脂組成物における欠点を改良
し、ポリフエニレンエーテル樹脂の優れた性能を
低下させることなく、ストレスクラツク性及び耐
衝撃性の良好なポリフエニレンエーテル系樹脂組
成物を提供することにある。 問題点を解決するための手段 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ポリフエ
ニレンエーテル樹脂に、ブロツクの構成が特定さ
れた芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロ
ツク共重合体と、その水素添加物とを組み合わせ
て配合し、所望によりさらにスチレン系樹脂を配
合することにより、その目的を達成しうることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至つた。 すなわち、本発明は、(A)ポリフエニレンエーテ
ル樹脂20〜90重量部、(B)ビニル芳香族炭化水素単
位と共役ジエン化合物単位との重量比が10:90な
いし55:45であり、かつ少なくとも2個のエラス
トマー性ブロツクと少なくとも2個の非エラスト
マー性ブロツクとから成るビニル芳香族炭化水素
と共役ジエン化合物とのブロツク共重合体の少な
くとも1種0.5重量部以上、(C)前記(B)成分の水素
化物の中から選ばれた少なくとも1種0.5重量部
以上及び(D)スチレン系樹脂0〜79重量部を、全量
が100重量部になるように配合して成り、かつ前
記の(B)成分と(C)成分との合計が40重量部を超えな
いことを特徴とする樹脂組成物を提供するもので
ある。 本発明において用いる(A)成分のポリフエニレン
エーテル樹脂は、一般式()又は()
【式】
【式】 (R1、R2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異る
tert−ブチル基を除く炭素数1〜4のアルキル
基、アリール基、ハロゲン原子又は水素原子など
であり、R5及びR6は同時に水素原子ではない) で表わされるくり返し単位を有する単独重合体あ
るいは共重合体であり、その製法には特に制限は
ないが、例えば銅、マンガンの錯体の存在下に原
料フエノール類を酸素と反応させることにより得
ることができる。 本発明に使用しうるポリフエニレンエーテル樹
脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−
ジエチル−1,4−フエニレンフエーテル、ポリ
(2,6−ジクロル−1,4−フエニレン)エー
テル、ポリ(2,6−ジブロム−1,4−フエニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル
−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−ク
ロル−6−メチル−1,4−フエニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル−1,
4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−
n−プロピル−1,4−フエニレン)エーテル、
ポリ(2−クロル−6−ブロム−1,4−フエニ
レン)エーテル、ポリ(2−クロル−6−エチル
−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−ク
ロル−6−エチル−1,4−フエニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−1,4−フエニレン)エ
ーテル、ポリ(2−フエニル−1,4−フエニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フエニル
−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−ブ
ロム−6−フエニル−1,4−フエニレン)エー
テル及び2,3−6−トリメチルフエノールなど
のアルキル置換フエノールと例えばo−クレゾー
ルなどとを共重合して得られるポリフエニレンエ
ーテル構造を主体としてなるポリフエニレンエー
テル共重合体などが挙げられる。さらにこれらに
スチレンを主成分とする単量体をグラフせしめた
ものでもよい。 本発明の組成物においては、全体を100重量部
としたとき前記ポリフエニレンエーテル樹脂は20
〜90重量部の範囲で用いる。この量が20重量部未
満では、該組成物は、ポリフエニレンエーテル系
材料が本来有する良好な耐熱性が損われ、一方90
重量部を超えると、成形加工性が大きく低下して
成形材料として好ましくない。 本発明の組成物において、(B)成分として用いる
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブ
ロツク共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単位と
共役ジエン化合物単位との重量比が10:90ないし
55:45の範囲にあり、かつ少なくとも2個のエラ
ストマー性ブロツクと少なくとも2個の非エラス
トマー性ブロツクとから成るものであり、この中
で、特に末端の少なくとも1つがエラストマー性
ブロツクであるものが好ましい。 本発明において、エラストマー性ブロツクと
は、ビニル芳香族炭化水素単位の含有量が75重量
%以下、好ましくは50重量%以下のビニル芳香族
炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体ブロツ
ク又は共役ジエン化合物単独重合体ブロツクであ
り、一方非エラストマー性ブロツクとは、ビニル
芳香族炭化水素単位の含有量が75重量%を超え
る、好ましくは85重量%以上のビニル芳香族炭化
水素と共役ジエン化合物との共重合体ブロツク又
はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロツクであ
る。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物と
の共重合体ブロツクにおけるビニル芳香族炭化水
素単位は、該ブロツク中に均一に分布していても
よいし、テーパー状に分布していてもよい。 本発明で用いる前記ブロツク共重合体の数平均
分子量は、一般に20000〜1000000、好ましくは
20000〜500000の範囲であり、またエラストマー
性ブロツクの分子量が2500〜700000、非エラスト
マー性ブロツクの分子量が2000〜250000の範囲に
あることが好ましい。 このようなブロツク共重合体のポリマー構造
は、以下の一般式で例示できる。 (イ) B1−A1−B2(―A−B)o――A2 (ロ) B1−A1−B2(―A−B)o――A2−B3 (ハ) 〔B1−A1−B2(―A−B)on+2X (ニ) 〔B1−A1−B2(―A−B)o――A〕n+2X (式中のB、B1、B2、及びB3はエラストマー性
ブロツク、A、A1及びA2は非エラストマー性ブ
ロツク、Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキ
シ化大豆油、多カルボン酸エステルなどのカツプ
リング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物な
どの開始剤の残基、m及びnは0又は1以上の整
数であり、一般には0又は1〜5の整数である) なお、前記一般式において、A、A1、A2、あ
るいはB、B1、B2、B3は、それぞれ分子量、組
成、ミクロ構造などが同一であつても異なつてい
てもよい。 本発明においては、このようなブロツク共重合
体の中から1種用いてもよいし、2種以上用いて
もよい。また、該ブロツク共重合体は、例えば炭
化水素系溶剤中において、有機リチウム化合物な
どを触媒として、エラストマー性ブロツクを形成
させるためのモノマーと、非エラストマー性ブロ
ツクを形成させるためのモノマーとを、順次重合
させることにより製造できる。 前記ブロツク共重合体の製造に用いるビニル芳
香族炭化水素としては、例えばスチレン、o−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルア
ントラセンなどが挙げられ、これらの中で特にス
チレンが一般的である。これらの化合物はそれぞ
れ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。 また、共役ジエン化合物としては、炭素数4〜
8の1対の共役二重結合を有するものが好まし
く、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジ
エン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられ、こ
れらの中で1,3−ブタジエン、イソプレンが特
に一般的である。これらの化合物はそれぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いて
もよい。 なお、本発明で使用する前記ブロツク共重合体
は、必要に応じて、ハロゲン化、スルホン化、ヒ
ドロキシル化、エポキシ化、マレイン化などの変
性処理を行つたのち、用いてもよい。 本発明の組成物において、(C)成分として用いる
ブロツク共重合体は、前記(B)成分のブロツク共重
合体の水素化物の中から選ばれたものであり、エ
ラストマー性ブロツクの不飽和度が水素添加する
前の値の20%以下になつたものが望ましい。 このようなブロツク共重合体の水素化物は、前
記のブロツク共重合体を、水素添加触媒、例えば
ニツケル、ラネーニツケル、酸化モリブデン、プ
ラチナ微粉末、ビスチタニウムジクロリド、アル
キルリチウムなどを用いて、水素添加することに
より得られる。本発明においては、このようにし
て得られたブロツク共重合体の水素化物を1種用
いてもよいし、2種以上用いてもよい。 本発明の組成物においては、前記の(B)成分と(C)
成分の2種のブロツク共重合体を併用することが
不可欠であり、それぞれ0.5重量部以上用いるこ
とが必要である。また、これら2種のブロツク共
重合体の使用比率については、特に制限はない
が、通常重量基準で1:5ないし5:1の範囲で
用いられる。 また、これら2種のブロツク共重合体の合計量
は、前記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量又
は(A)成分、(B)成分及び(C)成分と次に述べる(D)成分
のスチレン系樹脂との合計量100重量部に対して、
40重量%以下であることが必要である。この量が
40重量%を超えると、該組成物はポリフエニレン
エーテル系材料が本来有している良好な剛性や耐
熱性が損われるのが好ましくない。 さらに、これら2種のブロツク共重合体は、そ
の使用に当つて、エラストマー性ブロツクと非エ
ラストマー性ブロツクの構成が同一である必要が
なく、前記で特定した範囲から、それぞれを任意
に選ぶことができる。 本発明組成物においては、所望により、さらに
(D)成分としてスチレン系樹脂が用いられる。この
スチレン系樹脂は、次の一般式〔〕 (式中のRは水素原子、ハロゲン原子又は低級ア
ルキル基、Zは水素原子、塩素原子、ビニル基及
び低級アルキル基の中から選ばれたものであり、
pは1〜5の整数である) で表わされる化合物から誘導されるポリマー単位
少なくとも60モル%を有するものである。このよ
うなものとしては、例えばポリスチレン、ポリ−
α−メチルスチレン、ポリクロロスチレンなどの
ホモポリマー、ゴム変性ポリスチレンなどの変性
ポリスチレン、あるいはスチレン−アクリロニト
リルコポリマー(SAN)、スチレン−アクリロニ
トリル−ブタジエンコポリマー(ABS)、エチル
ビニルベンゼン−ジビニルベンゼンコポリマー、
スチレン−α,β−不飽和ジカルボン酸無水物コ
ポリマー、スチレン−α,β−不飽和ジカルボン
酸のイミド化物コポリマーなどのスチレン含有コ
ポリマーなどが挙げられるが、最も一般的なもの
はゴム変性耐衝撃性スチレン樹脂である。 このゴム変性耐衝撃性スチレン樹脂は、天然ゴ
ム又は合成ゴムで変性されたポリスチレンであつ
て、変性用合成ゴムの具体例としては、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、あるいはジエン化合物
と他のモノマーとのコポリマー、例えばジエン化
合物と、スチレン、アクリロニトリル、アクリル
酸エステルなどとのコポリマーであつて、A−B
−A及びA−B型(Aはスチレンなどのビニル芳
香族化合物、Bはブタジエンなどのジエン化合物
である)のブロツクコポリマーを含むゴム状エラ
ストマー、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポ
リマー(EPDM)ゴムなどが挙げられる。 このようなスチレン系樹脂は79重量部以下で用
いられる。79重量部を超えると該組成物の耐熱性
が低下して好ましくない。 本発明の組成物には、使用目的に応じて、従来
公知の添加剤、例えば水酸化アルミニウム、リン
酸エステル類、メラミン系難燃剤、ハロゲン系難
燃剤、赤リンなどの難燃剤、ポリブテン、低分子
量ポリエチレン、ミネラルオイル、エポキシ化大
豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル
類などの可塑剤、亜リン酸エステル類、ヒンダー
ドフエノール類、アルカノールアミン類、酸アミ
ド類、ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物
類、金属酸化物類などの安定剤、各種紫外線吸収
剤、着色剤、離型剤などを1種又は2種以上添加
することができる。 さらに、本発明の組成物に、各種補強用充填
剤、例えばガラス繊維、炭素繊維、各種金属繊
維、各種金属フレイク、アスベスト、ウオラスト
ナイト、炭酸カルシウム、タルク、雲母、酸化亜
鉛、チタン酸カリウム、酸化チタン、ガラスビー
ズ、導電性パウダーなどを添加し、充填剤含有樹
脂組成物を得ることができる。また、充填剤とし
て、炭素繊維、金属繊維、金属フレイク、導電性
パウダーなどの導電性充填剤を選べば、導電性、
電磁波シールド性などの機能を付与しうること
は、本発明の組成物においても例外ではない。 本発明の組成物を得る方法としては、例えば押
出機、ニーダー、ロールミキサー、バンバリーミ
キサーなどで溶融混合する方法が用いられる。溶
融混合する場合、全成分を同時に混合してもよい
が、あらかじめ、いくつかの成分を混合しておい
たのち、残成分を加えて混合してもよい。 このようにして得た本発明の樹脂組成物は、従
来公知の任意の成形加工方法、例えば、押出成
形、射出成形、中空成形などによつてシート、発
泡体、フイルム、各種形状の射出成形品、中空成
形品、圧空成形品、真空成形品など極めて多種多
様にわたる実用上有用な製品に容易に成形加工し
うる。 発明の効果 本発明の樹脂組成物は、ポリフエニレンエーテ
ル系材料が本来有する特性に加えて、さらにスト
レスクラツク性及び耐衝撃性に優れたものであつ
て、例えば機械部品、電機部品、事務器ハウジン
グ、自動車部品、精密部品などに有利に用いられ
る。 実施例 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例によつて何ら限定
されるものではない。 なお、実施例、比較例における部は重量部を示
し、また物性は下記の方法に従つて測定した。 (1) 耐熱性 厚さ1/4″の射出成形試験片を使用しJIS−
K7207に従つて荷重18.6Kg/cm2で加熱変形温度
(以下H.D.T.と略記する)を測定した。 (2) 衝撃強さ (1) 厚さ1/4″の射出成形試験片を使用し
ASTM−D−638に従つてノツチ付アイゾツ
ト衝撃強さを測定した(測定温度23℃)。 (2) 厚さ3mmの試験片を用い、デユポン式ダー
トを1/16″Rミサイルを用いて行い、次のよ
うに評価した。 ◎:75Kg−cm以上、 ○:55Kg−cm以上、75Kg−cm未満 △:35Kg−cm以上、55Kg−cm未満 ×:35Kg−cm未満 (3) ストレスクラツク性 圧縮成形機を用いて、樹脂組成物を250℃で
成形し、厚さ3mm、幅12.7mm、長さ120mmの試
験片サンプルを作成する。この試験片を80℃で
24時間、熱風乾燥機中でアニーリングして残留
歪を取り除く。次いでこの試験片の一方端を星
和理工製クリープ破断測定機に保持し、他方端
に1Kgの荷重をセツトし、荷重セツト側から20
mmの位置にシヤフトグリースD(佐藤特殊製油
製)0.2gを塗布したのち、23℃、50%湿度の
恒温室に保持して破断までの時間を測定する。
破断までの時間が長いほどストレスクラツク性
が良好である。 評価ランク ○:100時間以上 △:50時間以上100時間未満 ×:50時間未満 また実施例及び比較例で使用した原料は、第1
表、第2表に示したものの他に以下のものを使用
した。 ポリフエニレンエーテル:ηsp/c=0.60(クロロ
ホルム5%溶液)のポリ(2,6−ジメチルフ
エニレン−1,4−エーテル)。(以下PPEと
略記する) スタイロンQH405:旭化成工業(株)製ハイインパ
クトポリスチレン スタイロン685:旭化成工業(株)製ポリスチレン ダイラーク332:ARCOポリマー社製スチレン−
無水マレイン酸共重合体(以下SMAと略記す
る) スチレン−N−フエニルマレイミド共重合体:N
−フエニル−マレイミド含量1%のものを試作
重合して使用した(以下SPMIと略記する) クレイトンG1651:シエル化学社製、A1−B−
A2型水素添加スチレン−ブタジエンブロツク
共重合体(スチレン単位含量33重量%、ポリマ
ー濃度20重量%トルエン溶液粘度2000cps(25
℃)) クレイトンG1652:同上(スチレン単位含量29重
量%、ポリマー濃度20重量%トルエン溶液粘度
550cps(25℃)) カリフレツクスTR1101:シエル化学社製、水素
添加されていないA1−B−A2型スチレン−ブ
タジエンブロツク共重合体(スチレン単位含量
30重量%、ポリマー濃度25重量%トルエン溶液
粘度4000cps(25℃)) 合成例 ブロツク共重合体の製造 窒素雰囲気下において、シクロヘキサン溶媒中
でn−ブチルリチウムを触媒として、第1表に示
した仕込モノマー量に従つてB1部のモノマーを
約70℃で重合し、このモノマーが実質的に完全に
重合したのち、A1部のモノマーを添加して重合
した。添加したモノマーが実質的に完全に重合し
たのち、同様の方法で順次B2、A2、B3部を遂次
的に重合させて線状のブロツク共重合体を得た。 一方、ラジアル型のブロツク共重合体について
は、第2表に示した仕込モノマー量に従つて、前
記と同様にしてB1、A1、B2及びA2をそれぞれ遂
次的に重合したのち、重合に使用したn−ブチル
リチウムに対して、1/4モルの四塩化ケイ素を添
加し、カツプリング反応させて製造した。 なお、第1表及び第2表において、仕込モノマ
ー量が0のステツプは、そのステツプの重合を省
略したことを意味し、またブロツクポリマー6は
( )内を同時に添加したことを意味する。さら
に、エラストマー性ブロツクの形成において、ブ
タジエンとスチレンとの混合モノマーを使用する
場合(ブロツクポリマー8)には、ランダム化剤
としてテトラヒドロフランを全使用モノマー100
重量部に対して1重量部使用した。 得られた各ブロツク共重合体には、安定剤とし
て2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、
トリスノニルフエニルホスフアイト及びフエノチ
アジンを、ブロツク共重合体100重量部に対して、
それぞれ0.5重量部添加した。 なお、第1表、第2表中のBdはブタジエン、
Stはスチレン、Isはイソプレンである。 また、水素添加は、ビスシクロペンタジエニル
チタニウムジクロライドとエチルリチウムから成
る触媒の存在下で行い、ブロツクポリマー1〜8
にそれぞれ相当する構成の水素添加ブロツクポリ
マー11〜18を得た。
【表】
【表】
【表】 実施例1〜6、比較例1〜2 PPE50部、スタイロン685 35部、合成例で得
たブロツクポリマー1〜8 10部及び水素添加化
ブロツクポリマー11 5部、安定剤としてのイル
ガノツクス1076(チバガイギー社製)0.2部を、ブ
レンダーにて混合し、二軸押出機を用い、シリン
ダー温度270〜290℃で押出して造粒し、ペレツト
状成形材料を得た。このものを290℃で射出成形
して試験片を得、各物性を求めた。その結果を第
3表に示す。 この表から明らかなように、本発明で規定する
ブロツク共重合体を併用配合して成る組成物は耐
衝撃性、ストレスクラツク性に優れることが分
る。 実施例7〜11、比較例3〜4 PPE50部、スタイロン685 35部、合成例で得
たブロツクポリマー1 10部及び水素添加化ブロ
ツクポリマー12〜18 5部、安定剤としてのイル
ガノツクス1076 0.2部を用い、実施例1と同じ方
法で試験片を作成し、各物性を求めた。その結果
を第3表に示す。 この表から明らかなように、本発明で規定する
ブロツク共重合体を併用配合して成る組成物は耐
衝撃性、ストレスクラツク性に優れることが分
る。 比較例 5 実施例1において、ブロツクポリマー1をカリ
フレツクスTR1101に、ブロツクポリマー11をク
レイトンG1651にそれぞれ変える以外は、実施例
1と全く同様にして試験片を作成し、各物性を求
めた。その結果を第3表に示す。 この表から、このものはストレスクラツク性が
十分良好ではないことが分る。 比較例 6 比較例5において、クレイトンG1651の代りに
クレイトンG1652を用いる以外は、比較例5と全
く同様にして試験片を作成し、各物性を求めた。
その結果を第3表に示す。 この表から、このものは耐衝撃性、ストレスク
ラツク性ともに良好ではないことが分る。 比較例 7 実施例1において、水素添加したブロツクポリ
マー11を使用せず、ブロツクポリマー1の配合量
を15部とする以外は、実施例1と全く同様にして
試験片を作成し、各物性を求めた。その結果を第
3表に示す。 この表から、このものはストレスクラツク性が
十分良好ではないことが分る。 比較例 8 実施例1において、ブロツクポリマー1を使用
せず、水素添加化ブロツクポリマー11の配合量を
15部とする以外は、実施例1と全く同様にして試
験片を作成し、各物性を求めた。その結果を第3
表に示す。 この表から、このものは耐衝撃性が十分良好で
はないことが分る。
【表】 実施例12〜14、比較例9〜11 各成分を第4表に示すような割合で配合し、実
施例1と同じ方法で試験片を作成して、各物性を
求めた。その結果を第5表に示す。 第5表から明らかなように、本発明で規定した
配合比の熱可塑性樹脂組成物は、ポリフエニレン
エーテル系材料の特徴である耐熱性を有する上
に、耐衝撃性、ストレスクラツク性にも優れるこ
とが分る。一方、本発明から外れた配合比の組成
物では、剛性の低下、耐熱性の低下などが生じ、
ポリフエニレンエーテル系材料が本来有している
優れた性質が失われてしまつていることが分る。
【表】
【表】 実施例 15 PPE40部、SMA15部、スタイロンQH405 40
部、合成例で得たブロツクポリマー1 3部及び
水素添加化ブロツクポリマー11 2部、イルガノ
ツクス1076 0.2部を用い、実施例1と同じ方法で
試験片を作成し、各物性を求めた。その結果を第
6表に示す。 この表から、本発明の目的にかなつた組成物が
得られたことが分る。 実施例 16 実施例1において、スタイロン685の代りに
SPMIを用いる以外は、実施例1と全く同様にし
て試験片を作成し、各物性を求めた。その結果を
第6表に示す。 この表から、本発明の目的にかなつた組成物が
得られたことが分る。 実施例 17 実施例1において、PPEの代りにηsp/c=
0.65(クロロホルム5%溶液)の2,6−ジメチ
ルフエノール(90モル%)と2,3,6−トリメ
チルフエノール(10モル%)との共重合体を用い
る以外は、実施例1と全く同様にして試験片を作
成し、各物性を求めた。その結果を第6表に示
す。 この表から、本発明の目的にかなつた組成物が
得られたことが分る。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (A)ポリフエニレンエーテル樹脂20〜90重量
    部、(B)ビニル芳香族炭化水素単位と共役ジエン化
    合物単位との重量比が10:90ないし55:45であ
    り、かつ少なくとも2個のエラストマー性ブロツ
    クと少なくとも2個の非エラストマー性ブロツク
    とから成るビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化
    合物とのブロツク共重合体の少なくとも1種0.5
    重量部以上、(C)前記(B)成分の水素化物の中から選
    ばれた少なくとも1種0.5重量部以上及び(D)スチ
    レン系樹脂0〜79重量部を全量が100重量部にな
    るように配合して成り、かつ前記の(B)成分と(C)成
    分との合計が40重量部を超えないことを特徴とす
    る樹脂組成物。
JP18533184A 1984-09-06 1984-09-06 ストレスクラツク性及び耐衝撃性の良好な樹脂組成物 Granted JPS6164746A (ja)

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