JPH05267531A - 樹脂封止型半導体装置とその製造方法 - Google Patents

樹脂封止型半導体装置とその製造方法

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JPH05267531A
JPH05267531A JP4058514A JP5851492A JPH05267531A JP H05267531 A JPH05267531 A JP H05267531A JP 4058514 A JP4058514 A JP 4058514A JP 5851492 A JP5851492 A JP 5851492A JP H05267531 A JPH05267531 A JP H05267531A
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bed
resin
mold
protrusion
semiconductor device
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Tsutomu Seito
勉 清塘
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明はベッド303、吊りピン301または
半導体ペレット307にキャビィティー内壁342に当
接する突起305を形成し、モールド樹脂を注入してト
ランスファーモールドを行う。また、本発明の半導体装
置は、ベッド、吊りピンまたは半導体ペレットからモー
ルド樹脂を貫通して外部に露出する突起を有する。 【効果】突起により、ベッドの浮きを防止し、ベッドと
モールド金型のキャビティー内壁間に樹脂を十分に充填
させる空間を確保する。したがって、樹脂未充填が解消
する。さらに突起がモールド外部にまで延長されること
で、対クラック耐性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂封止型半導体装置
とその製造方法に関する。特に、薄型パッケージの樹脂
封止型半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程は大きく2工程に
分けることが出来る。それはウェーハ処理工程と組立工
程である。ウェーハ処理工程が半導体基板表面にトラン
ジスタなどの半導体素子を形成する工程であるのに対
し、組立工程の目的は半導体素子を保護し、半導体装置
のプリント基板上への実装を容易にすることである。組
立工程は、半導体素子が形成されたウェーハの厚みを薄
くする裏面研削工程、ウェーハのダイシング工程、ウェ
ーハから切出されたペレットをリードフレームのベッド
にマウントするマウント工程、リードと半導体ペレット
とをボンディングワイヤーで接続するボンディング工
程、及びその後に樹脂モールドするモールド工程からな
る。
【0003】組立工程の内、モールド工程はボンディン
グ工程と並んで歩留りを左右する大きな要因となってい
る。ところが、従来のモールド工程として工業上非常に
多く用いられるトランスファーモールドプロセスではリ
ードフレーム裏面側とリードフレーム表面側との充填速
度の違いから、モールド中にベッドに圧力がかかる。リ
ードフレーム209の裏面側が先に充填される場合に
は、[図14]に示すように、ベッド221には上向き
の圧力がかかる。したがって、ベッド221は浮上がっ
てしまう。ベッド221は吊りピンでリードフレームの
枠と接続されているが、ベッド221はリードフレーム
209に接続されているが吊りピンは長いのでベッドの
浮上がりに対しては十分な強度を保てない。また、ベッ
ドと吊りピンの接続箇所によっては、ベッド221が
[図15]に示すようにねじれてしまう。この様な状態
になると、キャビティー211の上側内壁(上型201
と下型203からなる金型のうちの上型201)に半導
体ペレット207が近づき、最悪の場合は未充填箇所が
存在してしまう。
【0004】なお、リードフレームの表面側、裏面側双
方にモールド樹脂の吹出し口を設けて、リードフレーム
の表面側とリードフレームの裏面側との充填速度の差を
減らすことは、その後のデフラッシュ工程が複雑になる
ため現実的ではない。モールド樹脂のバリがアウターリ
ードの上下に発生してしまい、取除くのが非常にやっか
いになるからである。
【0005】近年の実装技術の微細化にともない、リー
ドの間隔がますます狭くなっている。これにより、トラ
ンスファーモールド工程におけるリードフレーム表面側
と裏面側の充填速度の差はますます広がっている。リー
ドフレーム裏面から充填されたモールド樹脂がリードフ
レーム表面に移動しにくい為である。したがって、従来
のモールド工程のままでは未充填の問題を解決すること
が出来ない。
【0006】また、未充填には到らないまでも、ベッド
が浮上がることによって、ベッド上部のモールド樹脂層
が薄くなる。したがって、この部分のモールドの樹脂の
強度が低下し、プリント基板への実装時の高温熱処理
(約230℃)でクラックが入ってしまう。特に、近年
のパッケージの薄型化によってこの問題は顕著化してき
た。
【0007】以上、トランスファーモールド工程におい
てモールド樹脂をリードフレームの裏面側から注入する
場合を考えてきたが、リードフレームの表面側から注入
する際はまったく同様の原理でベッドのしずみという問
題が生じる。この場合も、ベッドの裏面側に未充填が発
生しやすい。また、ベッド下部のモールド樹脂層の強度
が低下する。
【0008】また、従来のパッケージは、プリント基板
への実装時の高温熱処理(約230℃)でリードフレー
ムに製造プロセス中に付着した水蒸気が膨張しこれがク
ラック発生の原因の一つとなっていた。この高温熱処理
時の水蒸気を外部に逃す導気路はリードフレームまたは
吊りピンとモールド樹脂との隙間が担っていた。しか
し、ベッドとリードフレームは多くの場合直接には接続
されておらず、吊りピンは多くの場合半導体装置外部に
露出するまでの経路が長いので効果的なクラック発生の
防止にはなっていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のトランスファーモールド工程においてはベッドの浮き
またはしずみによる未充填の発生、ベッド上下のモール
ド樹脂層の強度が低下するといった欠点が存在した。ま
た、従来の樹脂封止型半導体装置はプリント基板への実
装時の高温熱処理でクラックが発生するという欠点があ
った。
【0010】本発明は、上記欠点を除去し、ベッドを移
動させないトランスファーモールド方法を提供すること
を目的とする。また、クラックを発生させない樹脂封止
型半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、複数のリードと共にフレームに一体に
支持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットをマ
ウントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体ペ
レットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入し
てモールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法におい
て、前記ベッドの少なくとも一方の面に突起を形成し、
この突起を前記金型キャビティの内壁に当接可能にして
モールド樹脂を注入することを特徴とする樹脂封止型半
導体装置の製造方法を提供する。
【0012】また、複数のリードと共にフレームに一体
に支持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットを
マウントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体
ペレットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入
してモールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法にお
いて、前記ベッドがフレームに吊りピンを介して支持さ
れており、この吊りピンに突起を形成し、この突起を前
記金型キャビティの内壁に当接可能にしてモールド樹脂
を注入することを特徴とする樹脂封止型半導体装置の製
造方法を提供する。
【0013】また、複数のリードと共にフレームに一体
に支持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットを
マウントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体
ペレットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入
してモールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法にお
いて、前記半導体ペレットに突起を形成し、この突起を
前記金型キャビティの内壁に当接可能にしてモールド樹
脂を注入することを特徴とする樹脂封止型半導体装置の
製造方法を提供する。
【0014】また、複数のリードと、板状ベッドの一方
の面にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと
前記ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモ
ールドされた樹脂封止型半導体装置において、前記ベッ
ドの少なくとも一方の面に突起を有し、この突起が前記
モールド樹脂を貫通し一端が前記ベッド上の外部に露出
していることを特徴とする樹脂封止型半導体装置を提供
する。
【0015】また、複数のリードと、板状ベッドの一方
の面にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと
前記ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモ
ールドされた樹脂封止型半導体装置において、前記ベッ
ドからベッドと同一平面方向に延長させた吊りピンの少
なくとも一方の側に突起を有し、この突起が前記モール
ド樹脂を貫通し一端が前記吊りピン上の外部に露出して
いることを特徴とする樹脂封止型半導体装置を提供す
る。
【0016】また、複数のリードと、板状ベッドの一方
の面にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと
前記ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモ
ールドされた樹脂封止型半導体装置において、前記半導
体ペレット上に突起を有し、この突起が前記モールド樹
脂を貫通し一端が前記半導体ペレット上の外部に露出し
ていることを特徴とする樹脂封止型半導体装置を提供す
る。
【0017】
【作用】本発明で提供する手段を用いると、金型で覆っ
た後、モールド樹脂を注入する際、ベッド、吊りピン、
または半導体ペレットに形成した突起が、キャビティー
の上側内壁に当接し、これが支持棒として働くためベッ
ドが動くのを防止できる。
【0018】また、本発明で提供する手段を用いるとモ
ールド樹脂を貫通して外部に露出する突起とモールド樹
脂との隙間がベッド裏面に吸着した水蒸気の導気路とし
て作用するため、対クラック耐性が良くなる。
【0019】
【実施例】本発明の第1の実施例を[図1]から[図
7]を参照して説明する。
【0020】[図1]に本発明を用いた組立工程のフロ
ーチャートを示す。組立工程は、半導体素子が形成され
たウェーハの厚みを薄くする裏面研削工程、ウェーハの
ダイシング工程、ウェーハから切出されたペレットをリ
ードフレームのベッドにマウントするマウント工程、リ
ードと半導体ペレットとをボンディングワイヤーで接続
するボンディング工程、及びその後に樹脂モールドする
モールド工程、さらにこれに続くアフターキュア工程、
デフラッシュ工程、、カットアンドベンド工程、外装処
理工程とからなる。以下、これを工程順に説明する。
【0021】(裏面研削)表面にトランジスタなどの半
導体素子が形成されたウェーハはウェーハ処理工程終了
後に約0.5mmの厚さを持っている。これは、薄いパ
ッケージ、例えば厚さ約1mmのTSOP(Thin
Small Outline Package)の中に
納めるには厚すぎる。従って、半導体素子の形成されて
いない裏面をグラインダーで研削し、ウェーハを最適な
厚さにする。
【0022】(ダイシング)ウェーハ処理工程では、一
枚のウェーハ上にチップを同時に複数個形成している。
したがって、これらのチップをダイシング工程で個別に
分離する必要がある。ダイシングは、円形のダイヤモン
ドブレードを高速回転させ、ウェーハに溝を形成し、溝
に沿って切離することによって行う。切離された個々の
チップを半導体ペレットと呼ぶ。
【0023】(マウント)ウェーハから切離された半導
体ペレットを、マウント工程でリードフレームのベッド
上の所定の箇所に固定する。半導体ペレットのベッド上
への固定は、エポキシ樹脂による接着で行う。
【0024】(ボンディング)マウントの終了した半導
体ペレットは、ペレット上の端子電極部(通称ボンディ
ングパッド)とリードとを金またはアルミニウムの極細
線(直径約0.05mm)で電気的に接続する。また、
金またはアルミニウムの極細線のかわりにポリイミドフ
ィルム上に銅箔をパターニングしたものでリードと半導
体ペレットとを接続しても良い。
【0025】(モールド)ボンディングの終了した半導
体ペレットを外部環境により汚染から保護し、半導体装
置を取扱い易くするために、溶融シリカ、エポキシ樹
脂、硬化材等からなる熱硬化性の樹脂(モールド樹脂と
略記する)で封止成形する。
【0026】(アフターキュア)モールド樹脂成形後に
175℃に加熱し樹脂の硬化を進める。
【0027】(デフラッシュ)モールド工程で発生した
バリを、高圧の水を吹付けて除去する。
【0028】(カット、ベンド)リードのうち、モール
ド樹脂におおわれていない部分(これをアウターリード
と呼ぶ)を変形加工し、リードフレームの枠から切断す
る。
【0029】(外装処理)アウターリードは半田づけを
行うため、半田付性がよい必要がある。従って、アウタ
ーリードに半田メッキまたは錫メッキを行う。
【0030】その後、テスト工程、製品番号や商標を付
して製品が完成する。
【0031】続いて、上記リードフレームの形成、半導
体ペレットのマウント、ボンディング工程の詳細を、
[図2]を参照して説明する。[図2](a)に示すよ
うに、リードフレーム329は枠302内側に吊りピン
301とリード309とを放射状に形成し、中央に四辺
形板状のベッド303を配置し、ベッド303の各隅を
吊りピン301で四方から支持した構造でなり、リード
309と吊りピン301とは機械的強度を保つために樹
脂304で橋絡されている。
【0032】本実施例において[図2](b)に示すよ
うに、リードフレーム329の枠302と吊りピン30
1で接続されたベッド303に突起305を4本形成す
る。突起305はリードフレーム329を形成する工
程、具体的には打抜き工程とプレス工程で同時に形成す
る。続いて、パッシベーションが施された半導体ペレッ
ト307をベッド303上にエポキシ樹脂などでマウン
トする。次に、半導体ペレット307とリード309と
を金線311で接続する。リードフレームの厚さは0.
15mm、半導体ペレットの厚さは0.3mm、突起の
高さは0.5mmである。
【0033】続いて、トランスファーモールド工程の詳
細を[図3]〜[図6]を参照して説明する。
【0034】[図3]に示すように、上型321と下型
323とからなるモールド金型325の中に半導体ペレ
ット307が固定されたリードフレーム329をいれ
る。モールド金型325の内部の空洞であるキャビティ
ー341が樹脂封止型半導体装置の最終的な形を決定す
る。粉末状のモールド樹脂はあらかじめ常温で円筒型に
予備成形されている。これをタブレット343と呼ぶ。
【0035】[図4]に示すように、タブレット343
が加熱されて溶融し水飴状になったモールド樹脂347
はプランジャー345で加圧される。このときの圧力は
約100kg/cm2 である。モールド樹脂347は通
常、キャビティー341の下方(リードフレームの裏面
側)から注入される。このときのモールド金型325の
温度は約175℃である。
【0036】[図5]に示すように、モールド樹脂34
7がキャビティー341に移送する際、キャビティー3
41の下方から注入されるので、リードフレーム329
の裏面側は先に充填され、リードフレーム329の表面
側は後に充填される。樹脂はリードフレーム裏面側から
リードフレームの隙間を通過してリードフレーム表面側
へ流れる。この様にベッドの裏面側からモールド樹脂3
13を注入したとき、モールド樹脂の充填速度の違いか
ら、ベッド303は上向きの圧力がかかる。ところが、
突起305がキャビティーの上側内壁にあたり、上向き
の圧力に対する支持棒として働く。キャビティーの上側
内壁342とペレット307表面側の間に一定幅の空間
を形成し、この空間にモールド樹脂が十分に充填され
る。以上のように、ベッド303の浮きを防止でき、し
たがってモールド樹脂の未充填の問題は解決され、クラ
ックも発生しにくくなる。
【0037】続いて、モールド樹脂347の硬化後、
[図6]に示すように、モールド成形された半導体装置
349を取出す。これらの工程の終了後、半導体装置3
49の樹脂厚は1mmとなる。
【0038】また、上記とは別の理由で対クラック耐性
がさらに増加するという効果がある。上記したような工
程によって製造されたパッケージは突起の一部がパッケ
ージ外部に露出していて、突起とモールド樹脂の隙間が
高温熱処理時に水蒸気を外部に逃す導気路として機能す
る。したがって、高温熱処理時の対クラック耐性がさら
に増加する。
【0039】第1の実施例では、突起305を4本設け
たが、支持棒として機能し、ベッドの浮きを防止できる
ならば1本〜3本でも良い。突起の本数が少ない場合、
パッケージ表面に露出する突起の本数が少なくなるので
製品の見栄えが良くなるという効果がある。また、浮き
を確実に防止するため、さらに多数の突起をベッドに設
けても良い。
【0040】次に、突起をベッドの上下方向に設けた第
2の実施例を[図7]〜[図8]を参照して説明する。
【0041】[図7]に示すように、リードフレーム枠
と吊りピン401で接続されたベッド403に上突起4
05と下突起406を各々4本ずつ形成する。上突起4
05と下突起406はリードフレームを形成する工程、
具体的には打抜き工程とプレス工程で同時に形成する。
続いて、半導体ペレット407をベッド403上にエポ
キシ樹脂などでマウントする。次に、半導体ペレット4
07とリード409とを金線411で接続する。リード
フレームの厚さは0.15mm、半導体ペレットの厚さ
は0.3mm、上下の突起の高さは0.5mmである。
続いて、トランスファーモールドを行い、工程終了後、
樹脂厚は1mmとなる。
【0042】トランスファーモールド工程中のキャビテ
ィの断面図を[図8]に示す。ベッドの裏面側からモー
ルド樹脂413を注入したとき、モールド樹脂の充填速
度の違いから、ベッド403は上向きの圧力がかかる。
ところが、上突起405がキャビティーの上側内壁34
2にあたり、上向きの圧力に対する支持棒として働く。
また、ベッドに下向きの圧力がかかっても、下突起40
6がキャビティーの底である下側内壁344にあたり、
下向きの圧力に対する支持棒として働く。したがってベ
ッド403の浮沈みを防止できる。この様にすると、第
1の実施例と同様にキャビティーとベッド間に所定幅の
空間が確保されモールド樹脂の未充填の問題は解決さ
れ、クラックも発生しにくくなる。また、第1の実施例
と同様に、パッケージ外部に露出した突起とモールド樹
脂との隙間が水蒸気を外部に逃す導気路として機能する
ので高温熱処理時の対クラック耐性がさらに増加する。
【0043】第2の実施例は第1の実施例と異なりベッ
ド403にかかる下向きの圧力に対しても効果がある。
モールド樹脂413のキャビティー内での流れは流体力
学的に複雑であり、たとえベッド403の下側から樹脂
を注入する場合でもこの様な対策をすることは有効であ
る。
【0044】第2の実施例では、上突起405と下突起
406を各々4本ずつ設けたが、支持棒として機能し、
ベッドの浮きを防止できるならば1本〜3本ずつでも良
い。また、浮きを確実に防止するため、さらに多数の突
起をベッドに設けても良い。
【0045】次に、突起をリードフレームと異なる部材
で形成した第3の実施例を[図9]を参照して説明す
る。
【0046】[図9]に示すように、リードフレーム枠
と吊りピン501で接続されたベッド503にポリイミ
ドのブロックからなる突起505を4本形成する。突起
505はリードフレームのリードを固定するポリイミド
テープを張付ける際に同時に形成しても良いし、別工程
で形成しても良い。続いて、半導体ペレット507をベ
ッド503上にエポキシ樹脂などでマウントする。次
に、半導体ペレット507とリード509とを金線51
1で接続する。リードフレームの厚さは0.15mm、
半導体ペレットの厚さは0.3mm、突起の高さは0.
5mmである。続いて、トランスファーモールドを行
い、工程終了後、樹脂厚は1mmとなる。
【0047】トランスファーモールド工程において、ベ
ッドの裏面側からモールド樹脂を注入したとき、モール
ド樹脂の充填速度の違いから、ベッド503は上向きの
圧力がかかる。ところが、突起505がキャビティーの
上側内壁にあたり、上向きの圧力に対する支持棒として
働く。したがってベッド503の浮きを防止できる。こ
の様にすると、第1の実施例と同様にモールド樹脂の未
充填の問題は解決され、クラックも発生しにくくなる。
また、第1の実施例と同様に、パッケージ外部に露出し
た突起とモールド樹脂との隙間が水蒸気を外部に逃す導
気路として機能するので高温熱処理時の対クラック耐性
がさらに増加する。
【0048】第3の実施例ではポリイミドブロックから
なる突起をベッド503の表面側にのみ形成したが、第
2の実施例のようにベッド503の表面側と裏面側の双
方に突起を形成しても良い。また、突起の材料はポリイ
ミドに限る必要はなく、熱処理に対する耐性があればセ
ラミックやアルミナ等でも良い。
【0049】また、第3の実施例では、突起505を4
本設けたが、支持棒として機能し、ベッドの浮きを防止
できるならば1本〜3本でも良い。また、浮きを確実に
防止するため、さらに多数の突起をベッドに設けても良
い。
【0050】次に、突起をベッドの下方向に設けた第4
の実施例を[図10]〜[図11]を参照して説明す
る。
【0051】[図10]に示すように、リードフレーム
枠と吊りピン601で接続されたベッド603に下突起
605を4本形成する。下突起605はリードフレーム
を形成する工程、具体的には打抜き工程とプレス工程で
同時に形成する。続いて、半導体ペレット607をベッ
ド603上にエポキシ樹脂などでマウントする。次に、
半導体ペレット607とリード609とを金線611で
接続する。リードフレームの厚さは0.15mm、半導
体ペレットの厚さは0.3mm、下突起の高さは0.3
mmである。続いて、トランスファーモールドを行い、
工程終了後、樹脂厚は1mmとなる。
【0052】トランスファーモールド工程中のキャビテ
ィの断面図を[図11]に示す。ベッドの表面側からモ
ールド樹脂613を注入したとき、モールド樹脂の充填
速度の違いから、ベッド603は下向きの圧力がかか
る。ところが、下突起605がキャビティーの底にあた
り、下向きの圧力に対する支持棒として働く。したがっ
てベッド603の沈みを防止できる。この様にすると、
第1の実施例と同様にモールド樹脂の未充填の問題は解
決され、クラックも発生しにくくなる。また、第1の実
施例と同様に、パッケージ外部に露出した突起とモール
ド樹脂との隙間が水蒸気を外部に逃す導気路として機能
するので高温熱処理時の対クラック耐性がさらに増加す
る。
【0053】第4の実施例では、下突起605を4本設
けたが、支持棒として機能し、ベッドの沈みを防止でき
るならば1本〜3本ずつでも良い。また、浮きを確実に
防止するため、さらに多数の突起をベッドに設けても良
い。
【0054】また、第4の実施例では下突起605をリ
ードフレームと同じ部材で形成したが、これに限る必要
はなく、第3の実施例のようにリードフレームと異なる
部材で形成しても良い。
【0055】次に、突起を吊りピンに形成した第5の実
施例を[図12]を参照して説明する。
【0056】[図12]に示すように、リードフレーム
枠にベッド701を接続する吊りピン703の表面側で
ベッドに近い領域に突起705を4本形成する。突起7
05はリードフレームを形成する工程、具体的には打抜
き工程とプレス工程で同時に形成する。続いて、半導体
ペレット707とリード709とを金線711で接続す
る。リードフレームの厚さは0.15mm、半導体ペレ
ットの厚さは0.3mm、突起の高さは0.5mmであ
る。続いて、トランスファーモールドを行い、工程終了
後、樹脂厚は1mmとなる。
【0057】トランスファーモールド工程において、ベ
ッドの裏面側からモールド樹脂を注入したとき、モール
ド樹脂の充填速度の違いから、ベッド701は上向きの
圧力がかかる。ところが、突起705がキャビティーの
上側内壁にあたり、上向きの圧力に対する支持棒として
働く。したがってベッド701の浮きを防止できる。こ
の様にすると、第1の実施例と同様にモールド樹脂の未
充填の問題は解決され、クラックも発生しにくくなる。
また、第1の実施例と同様に、パッケージ外部に露出し
た突起とモールド樹脂との隙間が水蒸気を外部に逃す導
気路として機能するので高温熱処理時の対クラック耐性
がさらに増加する。
【0058】また、第1の実施例と比較して、突起を吊
りピンに設けたため、ベッドの面積をすべて半導体ペレ
ットをマウントする領域として使える。したがって、大
きな面積の半導体ペレットを用いるときに有効である。
【0059】第5の実施例では、突起705を4本設け
たが、支持棒として機能し、ベッドの浮きを防止できる
ならば1本〜3本でも良い。また、浮きを確実に防止す
るため、さらに多数の突起をベッドに設けても良い。ま
た、突起を上下に設けても良い。
【0060】また、第4の実施例では突起705をリー
ドフレームと同じ部材で形成したが、これに限る必要は
なく、第3の実施例のようにリードフレームと異なる部
材で形成しても良い。
【0061】最後に、突起を半導体ペレット上に設けた
第6の実施例を[図13]を参照して説明する。
【0062】[図13]に示すように、リードフレーム
枠と吊りピン801で接続されたベッド803に、半導
体ペレット807をエポキシ樹脂などでマウントする。
次に、ポリイミドのブロックからなる突起805を形成
する。次に、半導体ペレット807とリード809とを
金線811で接続する。リードフレームの厚さは0.1
5mm、半導体ペレットの厚さは0.3mm、突起の高
さは0.2mmである。続いて、トランスファーモール
ドを行い、工程終了後、樹脂厚は1mmとなる。
【0063】トランスファーモールド工程において、ベ
ッドの裏面側からモールド樹脂を注入したとき、モール
ド樹脂の充填速度の違いから、ベッド803は上向きの
圧力がかかる。ところが、突起805がキャビティーの
上側内壁にあたり、上向きの圧力に対する支持棒として
働く。したがってベッド803の浮きを防止できる。こ
の様にすると、第1の実施例と同様にモールド樹脂の未
充填の問題は解決され、クラックも発生しにくくなる。
また、第1の実施例と同様に、パッケージ外部に露出し
た突起とモールド樹脂との隙間が水蒸気を外部に逃す導
気路として機能するので高温熱処理時の対クラック耐性
がさらに増加する。
【0064】また、第6の実施例では半導体ペレットの
上にポリイミドの突起を設けたので、第5の実施例と比
較して高さの低い突起でも良いという効果がある。
【0065】第6の実施例では、突起805を一本設け
たが、支持棒として機能するならば多数の突起をベッド
に設けても良い。また、第2の実施例のように突起を上
下に設けても良い。また、突起の材料はポリイミドに限
る必要はなく、熱処理に対する耐性があればセラミック
やアルミナ等でも良い。
【0066】
【発明の効果】本発明により、ベッドを移動させないト
ランスファーモールド方法を提供できる。したがって、
未充填の問題が解決され、クラックも発生しにくくな
る。また、本発明により対クラック耐性の良い樹脂封止
型半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の製造工程を説明する組立工程
のフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施例を説明する図で(a)は
リードフレームの平面図、(b)は半導体ペレットをマ
ウントした斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施例のモールド工程を示す断
面図である。
【図4】本発明の第1の実施例のモールド工程を示す断
面図である。
【図5】本発明の第1の実施例のモールド工程を示す断
面図である。
【図6】本発明の第1の実施例のモールド工程を示す断
面図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例のモールド工程を示す断
面図である。
【図9】本発明の第3の実施例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第4の実施例のモールド工程を示す
断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例を示す斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施例を示す斜視図である。
【図14】従来のモールド工程の欠点を示す断面図であ
る。
【図15】従来のモールド工程の欠点を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
301 吊りピン 302 枠 303 ベッド 305 突起 307 半導体ペレット 309 リード 311 金線 313 モールド樹脂 329 リードフレーム 341 キャビティー 342 キャビティー上側内壁
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29C 45/14 7344−4F B29L 31:34 4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のリードと共にフレームに一体に支
    持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットをマウ
    ントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体ペレ
    ットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入して
    モールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記ベッドに突起を形成し、この突起を前記金型キャビ
    ティの内壁に当接可能にしてモールド樹脂を注入するこ
    とを特徴とする樹脂封止型半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数のリードと共にフレームに一体に支
    持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットをマウ
    ントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体ペレ
    ットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入して
    モールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記ベッドが前記フレームに吊りピンを介して支持され
    ており、この吊りピンに突起を形成し、この突起を前記
    金型キャビティの内壁に当接可能にしてモールド樹脂を
    注入することを特徴とする樹脂封止型半導体装置の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 複数のリードと共にフレームに一体に支
    持された板状ベッドの一方の面に半導体ペレットをマウ
    ントした後、前記リードと前記ベッドと前記半導体ペレ
    ットとを金型で覆い、金型中にモールド樹脂を注入して
    モールドする樹脂封止型半導体装置の製造方法におい
    て、 前記半導体ペレットに突起を形成し、この突起を前記金
    型キャビティの内壁に当接可能にしてモールド樹脂を注
    入することを特徴とする樹脂封止型半導体装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 複数のリードと、板状ベッドの一方の面
    にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと前記
    ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモール
    ドされた樹脂封止型半導体装置において、 前記ベッドに突起を有し、この突起が前記モールド樹脂
    を貫通し一端が前記ベッド上の外部に露出していること
    を特徴とする樹脂封止型半導体装置。
  5. 【請求項5】 複数のリードと、板状ベッドの一方の面
    にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと前記
    ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモール
    ドされた樹脂封止型半導体装置において、 前記ベッドからベッドと同一平面方向に延長させた吊り
    ピンに突起を有し、この突起が前記モールド樹脂を貫通
    し一端が前記吊りピン上の外部に露出していることを特
    徴とする樹脂封止型半導体装置。
  6. 【請求項6】 複数のリードと、板状ベッドの一方の面
    にマウントされた半導体ペレットと、前記リードと前記
    ベッドと前記半導体ペレットとをモールド樹脂でモール
    ドされた樹脂封止型半導体装置において、 前記半導体ペレット上に突起を有し、この突起が前記モ
    ールド樹脂を貫通し一端が前記半導体ペレット上の外部
    に露出していることを特徴とする樹脂封止型半導体装
    置。
JP4058514A 1992-03-17 1992-03-17 樹脂封止型半導体装置とその製造方法 Pending JPH05267531A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0851177A (ja) * 1994-08-05 1996-02-20 Sony Corp リードフレーム
JP2007081442A (ja) * 1998-10-05 2007-03-29 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 半導体素子のパッケージおよびその製造方法
JP2011176222A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Mitsubishi Electric Corp 樹脂封止形電子制御装置、及びその製造方法

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