JPH05266785A - 含浸型陰極構体 - Google Patents

含浸型陰極構体

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JPH05266785A
JPH05266785A JP4062691A JP6269192A JPH05266785A JP H05266785 A JPH05266785 A JP H05266785A JP 4062691 A JP4062691 A JP 4062691A JP 6269192 A JP6269192 A JP 6269192A JP H05266785 A JPH05266785 A JP H05266785A
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JP
Japan
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cathode
impregnated
electron emitting
barium
layer portion
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Application number
JP4062691A
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English (en)
Inventor
Sadao Matsumoto
貞雄 松本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒータ8 が内蔵される陰極スリーブ1 と、こ
の陰極スリーブの一端部に固定されるカップ状固定部材
2 と、この固定部材の内側に固定される電子放射物質含
浸多孔質陰極基体20とを有する含浸型陰極構体におい
て、陰極基体を相対的に空孔率の低い上層部22T と相対
的に空孔率の高い下層部22B との2層構造に形成し、そ
の上層部に相対的にバリウムのモル比の小さい電子放射
物質を含浸し、下層部に相対的にバリウムのモル比の大
きい電子放射物質を含浸した。 【効果】 コンパクトな陰極基体で長時間所要の寿命特
性を維持する含浸型陰極構体とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管などの
陰極線管に用いられる含浸型陰極構体に係り、特に省電
力、高性能、長寿命の含浸型陰極構体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査線を増加させて解像度を改善
したカラー受像管や超高周波対応陰極線管などの開発が
要請されている。また投写管などにおいても、輝度の向
上が望まれている。これら要請に応えるためには、陰極
からの放出電流密度を従来のそれに対して大幅に増大さ
せる必要がある。この放出電流密度の増大には、従来主
として撮像管、進行波管、クライストロンなどの電子管
に用いられていた含浸型陰極構体が有効である。
【0003】ところで、従来陰極線管の電子銃には、陰
極スリーブの一端面に電子放射物質を塗布して電子放射
物質層を形成した酸化物陰極構体が主として用いられて
いるが、含浸型陰極構体も、HD(High Definition )
−TV管、ED(Extended Definition )−TV管など
の特殊用途のカラー受像管に用いられており、最近で
は、CPT(Color Picture Tube)、CDT(Color Di
splay Tube)などへの適用と、使用が拡大しつつある。
【0004】上記カラー受像管に用いられる含浸型陰極
構体は、従来より省電力の目的から、コンパクトな構造
に形成されている。すなわち、図3に示すように、陰極
スリーブ1 と、この陰極スリーブ1 の一端部の内側に、
その一端部開口縁とほぼ同一面をなすように固定された
カップ状固定部材2 と、この固定部材2 内に固定された
電子放射物質含浸多孔質陰極基体3 と、陰極スリーブ1
を包囲する如くその外側に同軸的に配置された筒状ホル
ダー4 と、一端部が陰極スリーブ1 の他端部外側面に取
付けられ、他端部が筒状ホルダー4 の一端部に形成され
た内側張出部に取付けられて、陰極スリーブ1 を筒状ホ
ルダー4 の内側に同軸的に支持する複数個(図面では3
個)の短冊状ストラップ5 と、筒状ホルダー4 の一端部
に形成された内側張出部に支持片6 により取付けられ
て、陰極スリーブ1 と複数個のストラップ5 との間に配
置された遮蔽筒7 とから構成され、陰極スリーブ1 の内
側に挿入されたヒータ8 により加熱される構造に形成さ
れている。
【0005】その電子放射物質含浸多孔質陰極基体3
は、空孔率20%の多孔質タングステンを基体とし、そ
の空孔に4Ba O,Al 2 3 ,Ca Oからなる電子放
射物質を含浸させ、その表面にスパッター法によりイリ
ジウム膜が形成されている。
【0006】なお、この陰極構体は、筒状ホルダー4 の
外側面に取付けられたストラップ9を介して、陰極構体
上に順次所定間隔離れて配置される複数個の電極(図面
には第1グリッドG1のみ図示)とともに、絶縁支持体10
に固定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りカラー受像管に用いられる含浸型陰極構体は、省電力
の目的からコンパクトな構造に形成されている。そのた
め、必然的に陰極基体は、厚さおよび直径が制限され、
電子放射物質の含浸絶対量が不足し、要求される長寿命
特性が得られず、実用上大きな問題となっている。
【0008】一般的に含浸型陰極構体の寿命は、電子放
射物質の主要成分であるバリウムの蒸発にともなう仕事
関数の増大が支配的である。すなわち、含浸型陰極構体
では、多孔質陰極基体の内部からバリウムの供給がおこ
なわれ、この内部からバリウムの供給により所定の電子
放射能力を継続するが、長時間動作させると、次第にバ
リウムの供給位置が深くなり、供給量が蒸発量に追付か
なくなる。その結果、陰極基体の表面のバリウムの単原
子層の被覆濃度および面積が減少し、平均的な仕事関数
の上昇にともなって、電子放射能力が減少して寿命とな
る。
【0009】実験による解析から、陰極基体の表面から
の深さ方向に70μm 以上のバリウムの消耗層ができる
と、陰極基体表面へのバリウムの供給量がいちじるしく
低下し、陰極基体の表面のバリウムの単原子密度が減少
して、要求される十分な電子放射能力が得られなくなる
ことが判明している。
【0010】この発明は、上記従来の問題点を解決する
ためになされたものであり、省電力かつ長寿命の含浸型
陰極構体を構成することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】ヒータが内蔵される陰極
スリーブと、この陰極スリーブの一端部に固定されるカ
ップ状固定部材と、この固定部材の内側に固定される電
子放射物質含浸多孔質陰極基体とを有する含浸型陰極構
体において、陰極基体を相対的に空孔率の低い上層部と
相対的に空孔率の高い下層部との2層構造に形成し、そ
の上層部に相対的にバリウムのモル比の小さい電子放射
物質を含浸し、下層部に相対的にバリウムのモル比の大
きい電子放射物質を含浸した。
【0012】
【作用】上記のように、陰極基体を相対的に空孔率の低
い上層部と相対的に空孔率の高い下層部との2層構造に
形成し、その上層部に相対的にバリウムのモル比の小さ
い電子放射物質を含浸し、下層部に相対的にバリウムの
モル比の大きい電子放射物質を含浸して構成すると、陰
極基体を寸法的にコンパクトに形成しても、全体として
電子放射物質を十分な量含浸させることが可能となる。
また下層部のバリウムの充填量が上層部のバリウムの充
填量よりも多いため、長時間にわたって上層部へのバリ
ウムの供給が安定に継続される。その結果、従来の含浸
型陰極構体で問題となったいた電子放射物質の含浸量の
絶対量が不足するために生じた寿命特性を大幅に向上さ
せることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0014】図1にその一実施例である含浸型陰極構体
を示す。この陰極構体は、電子放射物質含浸多孔質陰極
基体以外の部分は図3に示した従来の陰極構体とほぼ同
じ構造に形成されている。
【0015】すなわち、この陰極構体は、ヒータ8 が内
臓される陰極スリーブ1 と、この陰極スリーブ1 の一端
部の内側に、その一端部開口縁とほぼ同一面をなすよう
に固定されたカップ状固定部材2 と、この固定部材2 内
にろう接などにより固定された下記電子放射物質含浸多
孔質陰極基体20と、陰極スリーブ1 を包囲する如くその
外側に同軸的に配置された筒状ホルダー4 と、一端部が
陰極スリーブ1 の他端部外側面に取付けられ、他端部が
筒状ホルダー4 の一端部に形成された内側張出部に取付
けられて、筒状ホルダー4 の内側に陰極スリーブ1 を同
軸的に支持する複数個(図面では3個)の短冊状ストラ
ップ5 と、筒状ホルダー4 の一端部に形成された内側張
出部に支持片6 により取付けられて、陰極スリーブ1 と
複数個のストラップ5 との間に配置された遮蔽筒7 とか
ら構成され、陰極スリーブ1 に挿入されたヒータ8 によ
り、電子放射物質含浸多孔質陰極基体20を加熱する構造
に形成されている。
【0016】上記電子放射物質含浸多孔質陰極基体20
は、空孔率20%の多孔質タングステンからなる厚さ7
0μm の上層部22T と、空孔率37%の多孔質タングス
テンからなる厚さ180μm の下層部22B とからなり、
その上層部22T の空孔にモル比で4Ba O,Al
2 3 ,Ca Oからなる電子放射物質を水素雰囲気中で
溶融含浸させ、下層部22B の空孔にモル比で6Ba O,
Al 2 3 ,Ca Oからなる電子放射物質を同様に溶融
含浸させ、これら上層部22T および下層部22B を不活性
雰囲気中で圧接して、2層構造の円板状に形成されてい
る。その表面には、スパッター法により厚さ200nmの
イリジウム膜23が形成されている。
【0017】この陰極構体をカラー受像管の電子銃に組
込み、所定の活性化処理をおこない、長時間の寿命特性
を評価し、つぎの結果が得られた。すなわち、ヒータの
定格電圧よりも10%高い電圧を印加し、陰極電流7 A
/cm 2 (ピークローディング)で長時間動作させたとこ
ろ、図2に折線24で示す結果が得られた。なお、折線25
は、比較のためにおこなった従来の含浸型陰極構体の長
時間寿命特性である。
【0018】これら折線24,25の比較からわかるよう
に、この例の含浸型陰極構体は、従来の含浸型陰極構体
にくらべて、長時間寿命特性が大幅に改善される。
【0019】またこの例の陰極構体は、上層部22T が空
孔率20%、電子放射物質のモル比が4Ba O,Al 2
3 ,Ca Oと、従来の含浸型陰極構体のそれと同じに
設定されているので、バリウム蒸発量が過多になること
はなく、受像管特性、特にグリッドエミッション、耐電
圧特性の劣化もおこさないという良好な結果が得られ
た。
【0020】つまり、この実施例の含浸型陰極構体のよ
うに電子放射物質含浸多孔質陰極基体20を2層構造と
し、その上層部22T を空孔率20%の厚さ70μm の多
孔質タングステンの空孔にモル比で4Ba O,Al 2
3 ,Ca Oからなる電子放射物質を含浸させ、下層部22
B を空孔率37%の多孔質タングステンの空孔にモル比
で6Ba O,Al 2 3 ,Ca Oからなる電子放射物質
を含浸させて形成すると、寸法的にコンパクトな陰極基
体20でありながら、長時間にわたって上層部22Tへのバ
リウムの供給が安定に継続し、長時間所要の特性を維持
する長寿命の含浸型陰極構体とすることができる。
【0021】なお、上記実施例では、電子放射物質含浸
多孔質陰極基体の上層部の空孔率を20%、電子放射物
質のモル比を4Ba O,Al 2 3 ,Ca O、下層部の
空孔率を37%、電子放射物質のモル比を6Ba O,A
l 2 3 ,Ca Oとしたが、実験の結果、上層部の空孔
率を15〜25%、電子放射物質のモル比を2〜4Ba
O,Al 2 3 ,Ca Oとし、下層部の空孔率を32〜
42%、電子放射物質のモル比を5〜6Ba O,Al 2
3 ,Ca Oとしても、同様の効果が得られた。また、
上層部の厚さも、30〜80μm の範囲であれば、上記
実施例と同様の効果が得られることが判明した。
【0022】
【発明の効果】電子放射物質含浸多孔質陰極基体を相対
的に空孔率の低い上層部と相対的に空孔率の高い下層部
との2層構造に形成し、その上層部に相対的にバリウム
のモル比の小さい電子放射物質を含浸し、下層部に相対
的にバリウムのモル比の大きい電子放射物質を含浸して
構成すると、陰極基体を寸法的にコンパクトに形成して
も、全体として電子放射物質を十分な量含浸させること
が可能となる。また下層部のバリウムの充填量が上層部
のバリウムの充填量よりも多いため、長時間にわたって
上層部へのバリウムの供給が安定に継続される。その結
果、従来の含浸型陰極構体で問題となったいた電子放射
物質の含浸量の絶対量が不足なために生じた寿命特性を
大幅に向上させることができる。
【0023】また陰極基体は、上層部が空孔率15〜2
5%、電子放射物質のモル比が2〜4Ba O,Al 2
3 ,Ca Oと、従来の含浸型陰極構体の陰極基体とほぼ
同じに設定されているため、バリウムの蒸発量が過多に
なることはなく、受像管特性、特にグリッドエミッショ
ン、耐電圧特性の劣化をおこさない信頼性の高い含浸型
陰極構体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例である含浸型
陰極構体の構造を示す断面図、図1(b)はその要部を
示す断面図である。
【図2】その長時間寿命特性を従来の含浸型陰極構体の
それと比較して示す図である。
【図3】従来の含浸型陰極構体の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 …陰極スリーブ 2 …固定部材 4 …ホルダー 5 …ストラップ 7 …遮蔽筒 8 …ヒータ 20…電子放射物質含浸多孔質陰極基体 22T …上層部 22B …下層部 23…イリジウム膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータが内蔵される陰極スリーブと、こ
    の陰極スリーブの一端部に固定されるカップ状固定部材
    と、この固定部材の内側に固定される電子放射物質含浸
    多孔質陰極基体とを有する含浸型陰極構体において、 上記陰極基体は相対的に空孔率が低い上層部と相対的に
    空孔率が高い下層部との2層構造に形成され、上記上層
    部に相対的にバリウムのモル比の小さい電子放射物質が
    含浸され、上記下層部に相対的にバリウムのモル比の大
    きい電子放射物質が含浸されてなることを特徴とする含
    浸型陰極構体。
JP4062691A 1992-03-19 1992-03-19 含浸型陰極構体 Pending JPH05266785A (ja)

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JP4062691A JPH05266785A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 含浸型陰極構体

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JP4062691A JPH05266785A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 含浸型陰極構体

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JP4062691A Pending JPH05266785A (ja) 1992-03-19 1992-03-19 含浸型陰極構体

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JP (1) JPH05266785A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777711B1 (ko) * 2001-07-05 2007-11-19 삼성에스디아이 주식회사 음극선관용 전자총의 캐소드 구조체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777711B1 (ko) * 2001-07-05 2007-11-19 삼성에스디아이 주식회사 음극선관용 전자총의 캐소드 구조체

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