JPH0526614A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH0526614A
JPH0526614A JP33696791A JP33696791A JPH0526614A JP H0526614 A JPH0526614 A JP H0526614A JP 33696791 A JP33696791 A JP 33696791A JP 33696791 A JP33696791 A JP 33696791A JP H0526614 A JPH0526614 A JP H0526614A
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JP
Japan
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deviation
signal
deviation signal
resistor
inverting
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Application number
JP33696791A
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English (en)
Inventor
Yasushi Miyamoto
裕史 宮本
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料の急峻な段差に対応して、探針又は試料を
破損しないようにして、比較的高速に探針走査を行える
ようにすること。 【構成】比例積分制御回路8の積分器51の第1の抵抗
R1と並列に、第1のダイオードD1と第7の抵抗R7
を接続する。探針2と試料3が基準より近づき、偏差信
号S4が0.7V以上となると、第1のダイオードD1
及び第7の抵抗R7を介して、第1のコンデンサC1に
電荷が蓄積される。よって、積分制御信号S7の電圧
は、急激に負電圧側へ変化し、探針2と試料3を遠ざけ
るように動作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
や原子間力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡に係り、特
に、そのサーボ出力の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査型トンネル顕微鏡(STM)
や原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(MFM)
等の走査型プローブ顕微鏡は、原子スケールの分解能を
持つ顕微鏡として利用が進んでいる。
【0003】例えば、上記STMは、探針の先端半径を
100nm程度にし、導電性試料に1nm程度接近した
状態で、探針・試料間に数Vの電圧を印加すると、探針
の先端原子一個と試料の最接近原子との間に数nAのト
ンネル電流が得られ、そのトンネル電流は探針と試料間
の距離の増大変化に対して対数的に減少するということ
を利用しているものである。
【0004】このようなSTMでは、探針を試料表面に
沿って相対的に走査した時の試料の凹凸に対応して、探
針・試料間の距離を一定とするように、トンネル電流サ
ーボ回路出力により、試料又は探針を駆動する圧電素子
を制御している。
【0005】STMの開発初期にあっては、試料として
のカーボンやSi等の単純な原子構造体に於いて、原子
配列を視察できることを特徴としていた。ところが、こ
のSTMのサーボ技術によって、nmスケールの構造を
もつ試料である光ディスクのピット構造等に対しても3
次元像を得ることが可能となり、これは、光学顕微鏡や
電子顕微鏡にない有効性を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなnmスケー
ルの構造物に対しては、探針の走査範囲を数μm2 まで
拡大する要求が大であり、また上下方向(Z方向)の変
化の範囲も大きくなる。
【0007】しかしながら、STM画像の一画面生成の
時間を従来のSTM像と同等の数10秒とすると、当然
探針の相対速度は10数倍とする必要があり、そのた
め、探針が試料の凹凸に忠実に応答させるためには、サ
ーボの応答周波数のカットオフを高くしなければならな
い。
【0008】また、上下方向の変化、特に急峻な試料の
段差があると、高速なサーボ応答が要求され、それを満
たさないと、探針の試料段差との衝突が生じてしまう。
一方、STMの探針微動機構に用いている圧電素子は固
有振動数を持っているため、サーボゲインの帯域を容易
に高くすると、圧電素子が共振し、サーボ回路を不安定
にしてしまう恐れがある。このようなことは、STMに
限らず、上記AFMやMFM等、全ての走査型プローブ
顕微鏡に於いていえることである。
【0009】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
で、上下方向の探針の変化のうち、急峻な段差に対応し
て、探針又は試料を破損しないようにして、比較的高速
に探針走査を行える走査型プローブ顕微鏡を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、探
針と試料間の距離を一定にする様にトンネル電流を用い
たサーボ回路を作動させながら試料面を走査し、3次元
像を出力する走査型トンネル顕微鏡であって、サーボ回
路の帰還部に、上記トンネル電流が急峻に増加する方向
を検出し、この検出がなされた瞬間にのみサーボ出力を
高めるトンネル電流対応特性変更手段を備えている。
【0011】ここで、上記サーボ回路は、上記トンネル
電流の基準値からの偏差を検出して偏差信号を出力する
偏差検出手段と、この偏差検出手段からの偏差信号を積
分して積分制御信号を出力する積分器と、上記偏差検出
手段からの偏差信号を反転増幅して比例制御信号を出力
する反転増幅器と、上記積分器からの積分制御信号と上
記反転増幅器からの比例制御信号とを加算して上記探針
の駆動信号を出力する加算器とを有し、上記トンネル電
流対応特性変更手段は、上記積分器及び反転増幅器の少
なくとも一方に設けられた電流方向性を持つ素子を含ん
でいる。
【0012】特に、上記積分器は、反転入力端子が上記
偏差検出手段からの偏差信号を第1の抵抗を介して受け
るように接続されると共に非反転端子が基準電圧端子に
接続され且つ出力端子が上記積分制御信号を上記加算器
に供給するように接続されたオペアンプと、このオペア
ンプの反転入力端子と出力端子との間に接続されたコン
デンサとを含み、上記トンネル電流対応特性変更手段
は、上記第1の抵抗に並列に接続された、上記電流方向
性を持つ素子と第2の抵抗との直列回路を含み、上記電
流方向性を持つ素子は、アノードが上記偏差検出手段か
らの偏差信号を受けるように上記第1の抵抗の一端に接
続され、カソードが上記第2の抵抗の一端に接続された
ダイオードを含んでいる。
【0013】また、上記反転増幅器は、反転入力端子が
上記偏差検出手段からの偏差信号を第1の抵抗を介して
受けるように接続されると共に非反転端子が基準電圧端
子に接続され且つ出力端子が上記比例制御信号を上記加
算器に供給するように接続されたオペアンプと、このオ
ペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された
コンデンサと、このコンデンサと並列に接続された第2
の抵抗とを含み、上記トンネル電流対応特性変更手段
は、上記第1の抵抗に並列に接続された、上記電流方向
性を持つ素子と第3の抵抗との直列回路を含み、上記電
流方向性を持つ素子は、アノードが上記偏差検出手段か
らの偏差信号を受けるように上記第1の抵抗の一端に接
続され、カソードが上記第3の抵抗の一端に接続された
ダイオードを含んでいる。
【0014】また、本発明による走査型プローブ顕微鏡
は、自由端側に尖鋭な探針を有し、この探針を試料表面
に対して相対走査した際に上記探針と試料との間に働く
力により弾性変位するカンチレバーと、上記カンチレバ
ーの変位を検出するカンチレバー変位検出手段と、上記
カンチレバー変位検出手段の出力信号を一定に保つべ
く、上記試料と探針との間隔を制御するサーボ手段とを
具備し、上記サーボ手段のサーボ信号を上記相対走査信
号と同期して取り込み、上記試料の表面情報を得る走査
型プローブ顕微鏡であって、上記サーボ手段の帰還部
に、上記カンチレバー変位検出手段の出力信号が急峻に
増加する方向を検出し、この検出がなされた瞬間にの
み、サーボ出力を高めるサーボ特性変更手段を備えてい
る。
【0015】
【作用】即ち、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上下
方向の探針の変化のうち、急峻な段差に対応して、サー
ボゲインを高められるようにサーボ回路のトンネル電流
あるいはカンチレバー変位検出手段の出力信号が増加す
る方向のフィードバック要素に電流方向性を持つダイオ
ード等の素子を組込むことにより、サーボ特性を改良し
たものである。つまり、探針が比較的高速に試料表面を
走査して、試料凹凸を探針が検出したトンネル電流ある
いはカンチレバー変位検出手段の出力信号の変化は、通
常は、なだらかになり、所定のサーボゲインで安定に制
御されるが、試料の急峻な部分に対し探針が急激に接近
する瞬間が生じるとトンネル電流あるいは上記出力信号
が急峻に増加し、この増加する方向を検出して、その検
出出力によりその瞬間にのみサーボ出力を高め圧電素子
に出力し、探針と試料間の距離を遠ざける。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て説明する。
【0017】図1の(A)は、本発明の走査型プローブ
顕微鏡の第1の実施例としての走査型トンネル顕微鏡
(STM)のサーボ回路のブロック構成図である。圧電
体1は、正電圧を印加するとZ方向に縮むZ方向微動機
構で、その先端には、試料3との間にトンネル電流を流
す探針2が設けられている。この探針2より得られるト
ンネル電流信号S1は、プリアンプ4によってトンネル
電流電圧信号S2にI/V変換される。トンネル電流電
圧信号S2は対数アンプ5により、対数変換された電圧
信号となり、差動アンプ7の非反転入力端子へ入力され
る。差動アンプ7の反転入力端子には基準電圧発生回路
6から出力される基準信号S3が入力され、トンネル電
流が基準値よりも流れた場合、即ち、探針2と試料3が
近づき過ぎた場合、差動アンプ7より出力される偏差信
号S4が正となる。制御回路8は、図1の(B)に示す
ような比例積分制御回路で構成されており、偏差信号S
4が正の場合、その出力であるZ方向駆動信号S5は、
その電圧が正側へ増加し、圧電体1を縮める様に動作さ
せる。この動作により、探針2と試料3は遠ざかり、ト
ンネル電流は基準値に近づく。
【0018】制御回路8は、図1の(B)に示すよう
に、差動アンプ7からの偏差信号S4を積分して積分制
御信号S7を出力する積分器81と、上記差動アンプ7
からの偏差信号S4を反転増幅して比例制御信号S8を
出力する反転増幅器82と、上記積分器81からの積分
制御信号S7と上記反転増幅器82からの比例制御信号
S8とを加算して上記Z方向駆動信号S5を出力する加
算器83とを有している。
【0019】上記積分器81は、反転入力端子が上記差
動アンプ7からの偏差信号S4を第1の抵抗R1を介し
て受けるように接続されると共に非反転端子が基準電圧
端子に接続され且つ出力端子が上記積分制御信号S7を
上記加算器83に供給するように接続された第1のオペ
アンプOP1と、このオペアンプOP1の反転入力端子
と出力端子との間に接続された第1のコンデンサC1と
で構成されている。
【0020】また、上記反転増幅器82は、反転入力端
子が上記差動アンプ7からの偏差信号S4を第2の抵抗
R2を介して受けるように接続されると共に非反転端子
が基準電圧端子に接続され且つ出力端子が上記比例制御
信号S8を上記加算器83に供給するように接続された
第2のオペアンプOP2と、このオペアンプOP2の反
転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコンデ
ンサC2と、このコンデンサC2と並列に接続された第
3の抵抗R3とで構成されている。
【0021】上記加算器83は、反転入力端子が、上記
積分器81からの積分制御信号S7を第4の抵抗R4を
介して受けると共に、上記反転増幅器82からの比例制
御信号S8を第5の抵抗R5を介して受けるように接続
され、非反転端子が基準電圧端子に接続され、且つ出力
端子が上記Z方向駆動信号S5を上記圧電体1に供給す
るように接続された第3のオペアンプOP3と、このオ
ペアンプOP3の反転入力端子と出力端子との間に接続
された第6の抵抗R6とで構成されている。
【0022】そして、本発明の第1の実施例に於いて
は、比例積分制御回路8の積分器51の第1の抵抗R1
と並列に、第1のダイオードD1と第7の抵抗R7を接
続した構成とした点に特徴を有するものである。
【0023】このような構成に於いては、探針2と試料
3が基準より近づくと、偏差信号S4は、正電圧とな
る。そしてこの偏差信号S4が、0.7V以上となる
と、従来の積分器と同様に第1の抵抗R1を介して、第
1のコンデンサC1に電荷が蓄積されるのに加えて、本
実施例では、第1のダイオードD1及び第7の抵抗R7
を介して、この第1のコンデンサC1に電荷が蓄積され
る。よって、積分制御信号S7の電圧は、急激に負電圧
側へ変化し、探針2と試料3を遠ざけるように動作す
る。
【0024】次に、探針2と試料3が基準より遠ざかる
と、上記偏差信号S4は、負電圧となる。すると、第1
のコンデンサC1に蓄積されていた電荷が第1の抵抗R
1を介して放電され、積分制御信号S7の電圧は正電圧
側へ変化して、探針2と試料3を近づけるように動作す
る。この時、第1のダイオードD1によって、第7の抵
抗R7を介しての放電が阻止されるため、積分制御信号
S7の正電圧側への変化は、負電圧側への変化に対し
て、ゆるやかになる。即ち、探針2と試料3を遠ざける
方向の動作は急激で、近づける方向の動作はゆるやかに
なる。
【0025】図1の(B)の構成によるGain−f特
性は、近づける方向の特性は図2の(A)中の直線A、
遠ざける方向の特性は図2の(A)中の直線Bで示すよ
うになる。ここで、第7の抵抗R7の値を小さくするほ
ど直線Bの特性直線は、図中、上へ移動しゲインが高く
なる。
【0026】図2の(B)は、本発明の第2の実施例の
構成を示す図である。本実施例では、図1の(B)に示
したように積分器81にダイオードと抵抗の直列回路を
設ける代わりに、反転増幅器52の第2の抵抗R2と並
列に第2のダイオードD2と第8の抵抗R8を接続した
構成とした点に特徴を有するものである。
【0027】このような構成とした場合、探針2と試料
3が基準より近づくと、上記偏差信号S4は正電圧とな
る。そして、この偏差信号S4が0.7V以上となる
と、従来の反転増幅回路と同様に第2の抵抗R2を介し
て第3の抵抗R3へ流れる電流に加えて、本実施例で
は、第2のダイオードD2及び第8の抵抗R8を介して
も、上記第3の抵抗R3へ電流が流れる。よって、比例
制御信号S8の電圧は、急激に負電圧側へ変化し、探針
2と試料3を遠ざけるように動作する。
【0028】次に、探針2と試料3が基準より遠ざかる
と、上記偏差信号S4は、負電圧となる。すると、第3
の抵抗R3から第2の抵抗R2へ電流が流れ、比例制御
信号S8の電圧は正電圧側へ変化し、探針2と試料3を
近づけるように動作する。このとき、第2のダイオード
D2によって、第3の抵抗R3から第8の抵抗R8への
電流が阻止されるため、比例制御信号S8の正電圧側へ
の変化は負電圧側への変化に対してゆるやかになる。即
ち、探針2と試料3を遠ざける方向の動作は急激で、近
づける方向の動作はゆるやかになる。
【0029】図2の(B)の構成によるGain−f特
性は、近づける方向の特性は図2の(A)中の曲線C、
遠ざける方向の特性は図2の(A)中の曲線Dとなる。
ここで、第8の抵抗R8の値を小さくするほど曲線Dの
特性曲線はグラフの上方向へ移動し、ゲインが高くな
る。
【0030】図2の(C)は、本発明の第3の実施例に
於ける制御回路8によって凹凸のある試料3を高速走査
した場合の探針2の軌跡を示したものである。即ち、こ
の第3の実施例は、前述した第1及び第2の実施例の両
構成を使用するもので、つまり積分器81に第1のダイ
オードD1と第7の抵抗R7の直列回路を設け且つ反転
増幅器82には第2のダイオードD2と第8の抵抗R8
の直列回路を設けた場合である。このような構成とすれ
ば、図2の(C)に見られるように、第1の実施例の効
果により大きな段差にも十分応答し、また第2の実施例
の効果により小さな段差にも、位相遅れなしに応答する
ことができる。
【0031】図3の(A)は、本発明の第4の実施例に
適用される退避偏差信号発生回路90のブロック構成図
である。これは、通常のサーボと、探針2を引き上げる
動作のサーボのサーボゲインを独立に切り換えることを
目的とした回路である。
【0032】この退避偏差信号発生回路90は、図1の
(A)に示す偏差信号(S4)を入力として、プログラ
マブルゲインアンプ91で任意に増幅した増幅偏差信号
S101を出力する系と、入力信号である偏差信号S4
と退避用基準電圧発生回路92からの退避基準信号S1
02を、プログラマブル差動増幅アンプ93で、任意に
差動増幅した退避偏差信号S103を出力する系とで成
っている。これら各信号S4,S101,S102,S
103の信号波形は、図3の(B)乃至(D)に示すよ
うな関係となる。
【0033】図4の(A)は上記のような退避偏差信号
発生回路90を用いた積分器81、図4の(B)は上記
のような退避偏差信号発生回路90を用いた反転増幅器
82の構成を示す図である。これらの図に示すように、
本第4の実施例では、第1,第2の抵抗R1,R2及び
第1,第2のダイオードD1,D2に偏差信号S4を直
接与える代わりに、この偏差信号S4を基に退避偏差信
号発生回路90で発生された増幅偏差信号101及び退
避偏差信号103を与えるようにしている。
【0034】このような構成の積分器81及び反転増幅
器82を並列に構成した制御回路8でもってSTM測定
した際の探針2の軌跡は、図4の(C)に示すようにな
る。即ち、P点からQ点の区間は、偏差信号S4が退避
基準信号S102を上回って、退避方向のサーボゲイン
が高くなっているため、探針2は試料3に衝突せずに、
走査される。
【0035】図5の(A)及び(B)は、本発明の第5
の実施例に於ける積分器81及び反転増幅器82の構成
を示す図である。本第5の実施例では、前述した第4の
実施例に於ける第1及び第2のダイオードD1,D2を
半波整流回路100に置き換えたものである。このよう
な構成の積分器81及び反転増幅器82を並列に構成し
た制御回路8でもってSTM測定すれば、前述の第4の
実施例と同等の効果を奏することができる。なお、半波
整流回路100の出力である整流退避偏差信号S104
は、図3の(B)に示すような偏差信号S4の場合、図
3の(E)に示すようになる。以上の説明は、STMに
関してのみ行なってきたが、本発明はこれに限定される
ものではない。例えば、図5の(C)は、本発明の第6
の実施例としての原子間力顕微鏡(AFM)のサーボ回
路を示す図である。
【0036】この図に於いて、カンチレバー110は、
自由端側に尖鋭な探針(チップ)を有し、この探針を試
料3表面に対して相対走査した際に上記探針と試料3と
の間に働く力により弾性変位するものである。このカン
チレバー110の変位は、変位検出センサ111で検出
され、この変位検出センサ111の検出出力は、センサ
アンプ112によって変位信号S105に変換されて、
差動アンプ7の非反転入力端子へ入力される。差動アン
プ7の反転入力端子には、基準電圧発生回路6から出力
される基準信号S3が入力され、変位信号S105が基
準値よりも流れた場合、即ち、カンチレバー110上の
探針と試料3が近づき過ぎた場合、差動アンプ7より出
力される偏差信号S4が正となる。この偏差信号S4
は、前述したような第1乃至第5の実施例で説明した制
御回路8に供給される。そして、この制御回路8は、前
述したように、偏差信号S4が正の場合、その出力であ
るZ方向駆動信号S5の電圧が正側へ増加し、圧電体1
を縮める様に動作させる。この動作により、探針と試料
3は遠ざかる。
【0037】また、鉄,ニッケル箔等からなる強磁性体
探針を使用し、磁性体試料と探針との間に働く磁気的な
力を検出し、磁性体試料表面を高分解能で観察する磁気
力顕微鏡(MFM)のサーボ回路に於いても、同様に適
用可能である。その他、種々の走査型プローブ顕微鏡に
於いても、同様に適用可能である。
【0038】以上のように、試料と探針を遠ざける方向
のゲインを近づける方向のゲインよりも高く設定するサ
ーボ回路を設けたため、探針と試料を衝突させずに、高
速な測定が可能な走査型プローブ顕微鏡とすることがで
きる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
上下方向の探針の変化のうち、試料の急峻な段差に対応
して、探針又は試料を破損しないようにして、比較的高
速に探針走査を行える走査型プローブ顕微鏡を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の走査型プローブ顕微鏡の第1
の実施例に係る走査型トンネル顕微鏡のサーボ回路のブ
ロック構成図であり、(B)は図1の(A)中の制御回
路の詳細な回路構成図である。
【図2】(A)は本発明の第1及び第2の実施例に於け
るGain−f特性のグラフであり、(B)は本発明の
第2の実施例に於ける制御回路の詳細な回路構成図であ
り、(C)は本発明の第3の実施例に於ける制御回路に
よって凹凸のある試料を高速走査した場合の探針の軌跡
を示す図である。
【図3】(A)は退避偏差信号発生回路のブロック構成
図、(B)乃至(D)はそれぞれ(A)の退避偏差信号
発生回路の各部の信号波形を示す図であり、(E)は図
5の(A)及び(B)中の半波整流回路の出力波形を示
す図である。
【図4】(A)は本発明の第4の実施例に於ける積分器
のブロック構成図、(B)は本発明の第4の実施例に於
ける反転増幅器のブロック構成図、(C)は本発明の第
4の実施例に於ける制御回路によって凹凸のある試料を
高速走査した場合の探針の軌跡を示す図である。
【図5】(A)は本発明の第5の実施例に於ける積分器
のブロック構成図、(B)は本発明の第5の実施例に於
ける反転増幅器のブロック構成図、(C)は本発明の走
査型プローブ顕微鏡の第6の実施例に係る原子間力顕微
鏡のサーボ回路のブロック構成図である。
【符号の説明】
1…圧電体、2…探針、3…試料、4…プリアンプ、5
…対数アンプ、6…基準電圧発生回路、7…差動アン
プ、8…制御回路、81…積分器、82…反転増幅器、
83…加算器、90…退避偏差信号発生回路、100…
半波整流回路、OP1,OP2,OP3…オペアンプ、
D1,D2…ダイオード。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針と試料間の距離を一定にする様にト
    ンネル電流を用いたサーボ回路を作動させながら試料面
    を走査し、3次元像を出力する走査型プローブ顕微鏡に
    於いて、 上記サーボ回路の帰還部に、上記トンネル電流が急峻に
    増加する方向を検出し、この検出がなされた瞬間にのみ
    サーボ出力を高めるトンネル電流対応特性変更手段を具
    備したことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 上記サーボ回路は、上記トンネル電流の
    基準値からの偏差を検出して偏差信号を出力する偏差検
    出手段と、この偏差検出手段からの偏差信号を積分して
    積分制御信号を出力する積分器と、上記偏差検出手段か
    らの偏差信号を反転増幅して比例制御信号を出力する反
    転増幅器と、上記積分器からの積分制御信号と上記反転
    増幅器からの比例制御信号とを加算して上記探針の駆動
    信号を出力する加算器とを有し、 上記トンネル電流対応特性変更手段は、上記積分器及び
    反転増幅器の少なくとも一方に設けられた電流方向性を
    持つ素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の走査
    型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 上記積分器は、反転入力端子が上記偏差
    検出手段からの偏差信号を第1の抵抗を介して受けるよ
    うに接続されると共に非反転端子が基準電圧端子に接続
    され且つ出力端子が上記積分制御信号を上記加算器に供
    給するように接続されたオペアンプと、このオペアンプ
    の反転入力端子と出力端子との間に接続されたコンデン
    サとを含み、 上記トンネル電流対応特性変更手段は、上記第1の抵抗
    に並列に接続された、 上記電流方向性を持つ素子と第2の抵抗との直列回路を
    含み、 上記電流方向性を持つ素子は、アノードが上記偏差検出
    手段からの偏差信号を受けるように上記第1の抵抗の一
    端に接続され、カソードが上記第2の抵抗の一端に接続
    されたダイオードを含むことを特徴とする請求項2に記
    載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 上記反転増幅器は、反転入力端子が上記
    偏差検出手段からの偏差信号を第1の抵抗を介して受け
    るように接続されると共に非反転端子が基準電圧端子に
    接続され且つ出力端子が上記比例制御信号を上記加算器
    に供給するように接続されたオペアンプと、このオペア
    ンプの反転入力端子と出力端子との間に接続されたコン
    デンサと、このコンデンサと並列に接続された第2の抵
    抗とを含み、 上記トンネル電流対応特性変更手段は、上記第1の抵抗
    に並列に接続された、 上記電流方向性を持つ素子と第3の抵抗との直列回路を
    含み、 上記電流方向性を持つ素子は、アノードが上記偏差検出
    手段からの偏差信号を受けるように上記第1の抵抗の一
    端に接続され、カソードが上記第3の抵抗の一端に接続
    されたダイオードを含むことを特徴とする請求項2に記
    載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 上記サーボ回路は、上記トンネル電流の
    基準値からの偏差を検出して偏差信号を出力する偏差検
    出手段と、この偏差検出手段からの偏差信号を積分して
    積分制御信号を出力する積分器と、上記偏差検出手段か
    らの偏差信号を反転増幅して比例制御信号を出力する反
    転増幅器と、上記積分器からの積分制御信号と上記反転
    増幅器からの比例制御信号とを加算して上記探針の駆動
    信号を出力する加算器とを有し、 上記積分器は、上記偏差検出手段からの偏差信号を任意
    に増幅した第1の増幅偏差信号と、上記偏差信号を第1
    の基準信号と任意に差動増幅した第1の退避偏差信号と
    を発生する第1の退避偏差信号発生回路と、反転入力端
    子が上記第1の退避偏差信号発生回路からの第1の増幅
    偏差信号を第1の抵抗を介して受けるように接続される
    と共に非反転端子が基準電圧端子に接続され且つ出力端
    子が上記積分制御信号を上記加算器に供給するように接
    続された第1のオペアンプと、この第1のオペアンプの
    反転入力端子と出力端子との間に接続された第1のコン
    デンサとを含み、 上記反転増幅器は、上記偏差検出手段からの偏差信号を
    任意に増幅した第2の増幅偏差信号と、上記偏差信号を
    第2の基準信号と任意に差動増幅した第2の退避偏差信
    号とを発生する第2の退避偏差信号発生回路と、反転入
    力端子が上記第2の退避偏差信号発生回路からの第2の
    増幅偏差信号を第2の抵抗を介して受けるように接続さ
    れると共に非反転端子が上記基準電圧端子に接続され且
    つ出力端子が上記比例制御信号を上記加算器に供給する
    ように接続された第2のオペアンプと、このオペアンプ
    の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコ
    ンデンサと、この第2のコンデンサと並列に接続された
    第3の抵抗とを含み、 上記トンネル電流対応特性変更手段は、アノードが上記
    第1の退避偏差信号発生回路からの第1の退避偏差信号
    を受けるように上記第1の退避偏差信号発生回路に接続
    され、カソードが第4の抵抗を介して上記第1のオペア
    ンプの非反転入力端子に接続された第1のダイオード
    と、アノードが上記第2の退避偏差信号発生回路からの
    第2の退避偏差信号を受けるように上記第2の退避偏差
    信号発生回路に接続され、カソードが第5の抵抗を介し
    て上記第2のオペアンプの非反転入力端子に接続された
    第2のダイオードとを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 上記サーボ回路は、上記トンネル電流の
    基準値からの偏差を検出して偏差信号を出力する偏差検
    出手段と、この偏差検出手段からの偏差信号を積分して
    積分制御信号を出力する積分器と、上記偏差検出手段か
    らの偏差信号を反転増幅して比例制御信号を出力する反
    転増幅器と、上記積分器からの積分制御信号と上記反転
    増幅器からの比例制御信号とを加算して上記探針の駆動
    信号を出力する加算器とを有し、 上記積分器は、上記偏差検出手段からの偏差信号を任意
    に増幅した第1の増幅偏差信号と、上記偏差信号を第1
    の基準信号と任意に差動増幅した第1の退避偏差信号と
    を発生する第1の退避偏差信号発生回路と、反転入力端
    子が上記第1の退避偏差信号発生回路からの第1の増幅
    偏差信号を第1の抵抗を介して受けるように接続される
    と共に非反転端子が基準電圧端子に接続され且つ出力端
    子が上記積分制御信号を上記加算器に供給するように接
    続された第1のオペアンプと、この第1のオペアンプの
    反転入力端子と出力端子との間に接続された第1のコン
    デンサとを含み、 上記反転増幅器は、上記偏差検出手段からの偏差信号を
    任意に増幅した第2の増幅偏差信号と、上記偏差信号を
    第2の基準信号と任意に差動増幅した第2の退避偏差信
    号とを発生する第2の退避偏差信号発生回路と、反転入
    力端子が上記第2の退避偏差信号発生回路からの第2の
    増幅偏差信号を第2の抵抗を介して受けるように接続さ
    れると共に非反転端子が上記基準電圧端子に接続され且
    つ出力端子が上記比例制御信号を上記加算器に供給する
    ように接続された第2のオペアンプと、このオペアンプ
    の反転入力端子と出力端子との間に接続された第2のコ
    ンデンサと、この第2のコンデンサと並列に接続された
    第3の抵抗とを含み、 上記トンネル電流対応特性変更手段は、上記第1の退避
    偏差信号発生回路からの第1の退避偏差信号を半波整流
    して第1の整流退避偏差信号を発生する第1の半波整流
    回路と、この第1の半波整流回路と上記第1のオペアン
    プの非反転入力端子に接続された第4の抵抗と、上記第
    2の退避偏差信号発生回路からの第2の退避偏差信号を
    半波整流して第2の整流退避偏差信号を発生する第2の
    半波整流回路と、この第2の半波整流回路と上記第2の
    オペアンプの非反転入力端子に接続された第5の抵抗と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 自由端側に尖鋭な探針を有し、この探針
    を試料表面に対して相対走査した際に上記探針と試料と
    の間に働く力により弾性変位するカンチレバーと、上記
    カンチレバーの変位を検出するカンチレバー変位検出手
    段と、上記カンチレバー変位検出手段の出力信号を一定
    に保つべく、上記試料と探針との間隔を制御するサーボ
    手段とを具備し、上記サーボ手段のサーボ信号を上記相
    対走査信号と同期して取り込み、上記試料の表面情報を
    得る走査型プローブ顕微鏡に於いて、 上記サーボ手段の帰還部に、上記カンチレバー変位検出
    手段の出力信号が急峻に増加する方向を検出し、この検
    出がなされた瞬間にのみ、サーボ出力を高めるサーボ特
    性変更手段を具備したことを特徴とする走査型プローブ
    顕微鏡。
JP33696791A 1991-05-10 1991-12-19 走査型プローブ顕微鏡 Withdrawn JPH0526614A (ja)

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US07/875,358 US5293042A (en) 1991-05-10 1992-04-29 Servo circuit of scanning probe microscope

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JP10582691 1991-05-10
JP3-105826 1991-05-10

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